JP3039802B2 - 繊維芽細胞成長因子のための受容体 - Google Patents

繊維芽細胞成長因子のための受容体

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、1989年7月6日に出願された通常の譲渡さ
れた特許出願U.S.S.N.07/377,003号の一部継続出願であ
り、これは、引用により本明細書に組込まれる。
本発明は、National Institutes of Healthにより
与えられた譲渡契約書第HL−07192号及び譲渡証RO1 HL
−32898及びPO1HL−43821−01号下で政府の支持により
一部製造された。政府は、本発明において一定の権力を
有する。
発明の分野 本発明は、成長因子のための受容体、特に繊維芽細胞
成長因子(FGF−R)に関する。より詳しくは、それ
は、種々の精製された繊維芽細胞成長因子受容体タンパ
ク質、前記受容体タンパク質をコードする核酸、精製さ
れたFGF−Rタンパク質の生成のための方法、これらの
方法により製造されたタンパク質、これらのタンパク質
に対する抗体及びこれらの種々の試薬の診断及び治療へ
の使用を提供する。
発明の背景 ポリペプチド成長因子は、形質膜に位置する受容体に
特異的に結合することによって、細胞上で使用するマイ
ドジェンである。これらの受容体は通常、3種の主な同
定可能領域を有する。第1番目は、ポリペプチド成長因
子を結合するドメイン(すなわちリガンド結合ドメイ
ン)を含む細胞外領域である。第2番目の領域はトラン
スメンブラン領域であり、そして第3番目は細胞内領域
である。これらの受容体の多くは、細胞内領域にチロシ
ンキナーゼドメインを含む。
繊維芽細胞成長因子受容体(FGF−R)タンパク質
は、関連する成長因子リガンドの種類、すなわち繊維芽
細胞成長因子(FGF)の種類に結合する。この成長因子
の種類は、アミノ酸配列により相同性、ヘパリン結合活
性、脈管形成を促進する能力及び上皮、間葉及び神経起
原の細胞に対するマイトジェン活性により特徴づけられ
る。
FGFの種類は、次の7種の既知FGFを包含する: (1,2)酸性FGF(aFGF)及び塩基性FGF(bFGF)(G.G
ospodarowiczなど.,Mol.Cell.Endocrinol.,46:107(198
6)); (3)int−2遺伝子生成物(R.Moorcなど.,EMBO.J.,
5:919(1986)); (4)hst遺伝子生成物又はKaposiな肉腫FGF(K.J.An
dersonなど.Nature,332:360(1988);M.Tairaなど.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,84:2980(1987)); (5)FGF−5(X.Zhanなど.,Mol.Cell.Biol.,8:3487
(1988)); (6)表皮ケラチン細胞成長因子(J.S.Rabinなど.,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,86:802(1989));及び (7)FGF−6(I.Marics,など.,Oncogene 3:335(1
989))。
酸性及び塩基性FGFの作用は、約145及び125kDaの高い
親和性細胞表面受容体への結合を通して仲介される(G.
Neufeld and D.Gospodarowicz,J.Biol.Chem.,261:563
1(1986))。
Imamuraなど.,“Purification of Basic FGF Rec
eptors from Rat Brain,"Biochem.Biophys.Res.Comm
unications,155:583(1988年9月15日)の引例は、ラッ
ト脳からの塩基性FGF受容体(bFGF−R)のμg量での
精製を開示する。
多くの成長因子受容体をコードする遺伝子は分子的に
クローン化されて来たが(たとえばマウスPDGF受容体、
Yardenなど.,Nature,323:226(1986))、繊維芽細胞成
長因子受容体(FGF−R)をコードするクローンはこれ
まで同定されていない。λgt11cDNA発現ライブラリーを
スクリーンするために抗ホスホチロシン抗体を用いて、
beK(細菌性発現キナーゼ)として命名された、新規チ
ロシンキナーゼ遺伝子をコードする2.5キロ塩基のcDNA
が、マウス肝臓cDNAライブラリーから単離された。(S.
Kornbluthなど.,“Novel Tyrosine lcinase Identif
ied by Phosphotyrosino Antibody Screening of
cDNA Libraries",Mol.Cell.Biol.No.8,5541(198
8))。bek配列は、トランスメンブラン領域を含まず、
そして従って、成長因子受容体として同定され得なかっ
た。flg(fms−様遺伝子)として命名されるもう1つの
タンパク質チロシンキナーゼ遺伝子が、v−fms腫瘍遺
伝子による緩和された緊縮下でのハイブリダイゼーショ
ンによりヒト内皮細胞cDNAライブラリーから単離され
た。(M.Rutaなど.,“A Novel Protein Tyrosine
Kinase Gene Whose ExpressionらModulated During
Endothelial Cell Differentiation",Oncogene,3:9
(1988))。これらの業者は、それらの単離された配列
にトランスメンブラン領域を同定しておらず、そして従
って、flgが細胞質チロシンキナーゼをコードすること
が仮定された。
本発明の精製された且つクローン化されたニワトリbF
GF及びヒトbFGF受容体は、単離された領域においてbek
及びflgクローンとのアミノ酸配列類似体を有する。し
かしながら、報告されたbek及びflg配列の両者は不完全
であり、そしてFGF結合受容体としてのそれら機能の認
識は存在しなかった。さらに、従来の報告は、本発明に
記載される多くの構造的且つ機能的特徴を認識しなかっ
た。
FGF種類のメンバーは、組織成長、組織修復、ニュー
ロンの維持及び疾病の病因に役割を有するように思われ
る。FGFの異常な発現は、自己分泌機構による細胞形質
転換を引き起こす。さらに、FGFは、腫瘍における血管
成長を刺激することによって又はタンパク質、たとえば
プラスミノーゲン活性化因子の生成を誘発することによ
って、腫瘍増殖及び侵入を増強することができる。しか
しながら、包含される成分の同定及び包含される機構及
び相互作用の理解は、ほとんど不完全なまま残ってい
る。
精製されたFGF受容体及びフラグメント、及び定義さ
れたFGF受容体及び同定されたフラグメント(たとえば
リガンド結合ドメイン)をコードする単離されたDNA配
列は、繊維芽細胞成長因子機能の理解をひじょうに早め
るであろう。FGF受容体の特定の及び定義された領域に
対する抗体がまた利用できるようになった。これらの試
薬は、前記方法での診断的及び治療的に使用されるであ
ろう。本発明は、これらの及び他の必要性を満たす。
発明の要約 本発明は、精製された繊維芽細胞成長因子受容体(FG
F−R)タンパク質、FGF−Rタンパク質をコードする核
酸、精製されたFGF−Rタンパク質の生成方法、これら
の方法により製造された精製タンパク質、これらのタン
パク質及びフラグメントに対する抗体及びこれらの試薬
の診断且つ治療的使用を提供する。特に、本発明は、通
常でない受容体構造を示す受容体の可溶性且つ分泌形を
提供する。
本発明は、繊維芽細胞成長因子受容体に結合する繊維
芽細胞成長因子を阻害するのに有効な繊維芽細胞成長因
子受容体阻止剤の量を患者に投与することを含んで成
る、繊維芽細胞成長因子受容体調節活性をインビボで変
性するための方法を提供する。典型的には、その阻止剤
は、ヒト繊維芽細胞成長因子受容体のフラグメント、た
とえば: a)第3又は4図におけるDNA配列; b)第3,4又は5図はポリペプチドをコードする配列; 及び c)第3又は4図の配列に実質的に相同な配列から成る
群から選択された配列の少なくとも約15個の塩基を含む
核酸により形質転換された細胞に生成されるフラグメン
トであろう。そのフラグメントは、しばしば、チロシン
キナーゼ領域を有さない繊維芽細胞成長因子受容体細胞
外ドメインであろう。
他方、繊維芽細胞成長因子と溶液中の繊維芽細胞成長
因子受容体との間の結合を阻害するための方法が提供さ
れる。この方法は、繊維芽細胞成長因子及び繊維芽細胞
成長因子受容体、通常、生来の繊維芽細胞成長因子受容
体を含む溶液又は媒体に、FGF−Rペプチド、たとえば
第3,4又は7図に記載される配列に配列上相同のペプチ
ドを組合す段階を含むであろう。そのような方法は、ラ
ベルされたFGF−Rペプチドを用いた後、アッセイ方法
においてインビトロで有用であろう。
ヒトFGF−R細胞外ドメインからの約200〜500の隣接
するアミノ酸を有する可溶性FGF−Rポリペプチドを含
む組成物が記載される。1つの態様において、前記ポリ
ペプチドは、第7図のヒト繊維芽細胞成長因子受容体の
残基1〜287からの少なくとも約80個のアミノ酸又はIg
II又はIg IIIドメイン、又は両者を含む。もう1つの態
様において、Ig IIドメインは、第7図のヒト配列の残
基85〜141からの約7個の隣接するアミノ酸を有し、又
は第7図の可溶性ヒトタンパク質の残基222〜300からの
79個のアミノ酸配列に実質的に相同のカルボキシ末端配
列を含むことができる。特に好ましいポリペプチドは、
h4又はh5配列から実質的になる(第7図)。
本発明の追加の観点は、繊維芽細胞成長因子結合ドメ
インを含んで成る約85kDa以下の実質的に純粋なポリペ
プチドを含む繊維芽細胞成長因子受容体組成物である。
そのポリペプチドは可溶性であり、又は特に、シグナル
セグメント、Ig Iセグメント、酸性セグメント、Ig II
セグメント、Ig IIIセグメント、Ig III Tセグメント又
はトランスメンブランセグメントを有することができ
る。好ましい態様は、第3,4又は7図に記載される配列
に相同であり、又は両Ig II及びIg IIIドメインの個々
の少なくとも約30個のアミノ酸を含むであろう。そのポ
リペプチドは、タンパク質の複数鎖複合体における1つ
のポリペプチド鎖であり得る。ニワトリ繊維芽細胞成長
因子受容体は1つの好ましい態様である。
本発明は、細胞内ドメインを実質的に欠くヒト繊維芽
細胞成長因子受容体タンパク質をコードする単離された
核酸を包含する。そのような核酸は通常、第7図に記載
されるIg IIドメインに相同の配列を示し、又は実質的
に完全な長さのIg IIドメインを含むことができる。核
酸は通常また、シグナルセグメント、Ig Iセグメント、
酸性セグメント、Ig IIIセグメント、Ig III Tセグメン
ト、トランスメブランセグメント、又はチロシンキナー
ゼセグメントを有し、そして好ましくは、第3,4又は9
図に記載される配列に対応するであろう。特に好ましい
態様は、ヒト生来の受容体をコードする核酸である。そ
の核酸は、転写プロモーター配列に操作可能的に結合さ
れ、そしてさらに、組換えFGF−Rペプチドの生成のた
めに適切な発現ベクター中に組込まれ得る。
また、可溶性ヒト繊維芽細胞成長因子受容体、好まし
くはh4又はh5に相同の受容体をコードする単離された核
酸が包含される。そのような単離された核酸を発現する
ことによって製造されたタンパク質生成物が供給され
る。
新しく認識された利用性、たとえば繊維芽細胞成長因
子受容体活性のこれらのタンパク質を製造するための方
法が提供され、ここで前記方法は、単離された核酸を発
現することを含んで成る。この方法により生成された生
成物はまた、現在利用可能である。
a)第3,4又は9図におけるDNA配列; b)第3,4又は7図のポリペプチドをコードする配列; 及び c)第3,4又は9図の配列に実質的に相同の配列から成
る群から選択された配列の少なくとも21個の塩基の核酸
により細胞を形質転換することによって繊維芽細胞成長
因子受容体ペプチドを製造するための追加の方法が提供
される。
第3,4又は7図に記載される少なくとも6個の隣接す
るアミノ酸の配列に同相のポリペプチドエピトープに対
する抗体を製造する段階を含んで成る、繊維芽細胞成長
因子受容体フラグメントに対する抗体を製造するための
他の方法が記載される。最っとも興味あるエピトープ
は、シグナルセグメント、Ig Iセグメント、酸性セグメ
ント、Ig IIセグメント、Ig IIIセグメント、又はIg II
I Tセグメントからのものであろう。
診断用使用として、これらの試薬は、標的サンプルに
おける繊維芽細胞成長因子又は繊維芽細胞成長因子受容
体を測定するための方法を提供し、前記方法は、 繊維芽細胞成長因子受容体セグメントと前記標的サン
プルとを組合し;そして 前記セグメントと前記サンプルとの間の結合の程度を
決定することを含んで成る。
本発明はまた、ヒト繊維芽細胞成長因子受容体の少な
くとも一部に相同のポリペプチドを発現することができ
る形質転換された細胞を提供する。好ましい態様は、細
胞が、ヒト繊維芽細胞成長因子受容体の完全な膜結合又
は可溶性形に実質的に相同のポリペプチドを発現するこ
とである。
図面の簡単な説明 第1図は、FGFの種々の誘導体のFGF−Rへの結合を比
較する。第1(A)図、125I−ラベルbFGFの%結合阻害
率を示すグラフである。第1(B)図は、ゲル電気泳動
にかけられたbFGF架橋されたSwiss3T3細胞のオートラジ
オグラフである。
第2(A)図は、ゲル電気泳動にかけられた架橋ニワ
トリ膜画分及びWGA溶出液のオートラジオグラフであ
る。第2(B)図は、第2(A)図に示されるWGA−Sep
harose4Bカラムニワトリ胚溶出液に対して行なわれたア
フィニティー精製に起因する純粋なFGF受容体を示す銀
染色ゲルである。
第3図、ニワトリbFGF受容体のヌクレオチド及びアミ
ノ酸配列を示す。
第4図は、ヒトFGF受容体のヌクレオチド及びアミノ
酸配列を示す。
第5(A)図は、高い緊縮条件下で完全な長さのcDNA
ニワトリbFGF受容体によりプローブされたニワトリRNA
のノザンブロットのオートラジオグラフを示す。第5
(B)図は、アクリルアミド配列決定ゲル上での電気泳
動にかけられたニワトリmRNAのプライマー拡長のオート
ラジオグラフを示す。
第6図は、酸性ドメイン(黒くぬられたブロック);
トランスメンブラン領域(斜線のブロック);チトロシ
キナーゼドメイン(斑点のブロック);SHシステイン残
基の位置(第I表のSに対する)(S);Ig様ドメイン
における最初のシステイン残基に関してのトリプトファ
ン残基の位置(W)を示すニワトリbFGF受容体の図であ
る。
第7図は、種々の異なったFGF受容体形のアミノ酸配
列比較を提供する。4種のヒト受容体形のアミノ酸配列
が、ニワトリFGF受容体配列に比較して示される。ニワ
トリFGF受容体配列と異なる配列は、四角で示されてい
る。トランスメンブラン配列は下線が引かれている。こ
れらのDNA配列は、次の取得番号でGenBank/EMBLデータ
ベースに存在する:h2はM34185であり、h3はM34186であ
り、h4はM34187であり、そしてM5はM34188である。
第8図は、種々の異なったFGF受容体の代表的な図を
示す。次の構造的な特徴が同定される:推定上の疎水性
シグナル配列(黒くぬられたブロック)、高い酸性の領
域(空白のブロック)、トランスメンブランドメイン
(斜線のブロック)、キナーゼ1及びキナーゼ2ドメイ
ン(斜線のブロック)、及びh4/h5の分岐領域(ジグザ
グの線)。星印は、h2及びh4が配列ArgMetを含み、ニワ
トリ受容体が単一のAsn残基を含み、そしてh3及びh5が
対応する残基を含まない位置を示す。三角は、h3がGlu
残基を含み、そしてすべての他の受容体形がLys残基を
含む位置を示す。図の上部での数字は、h2ヒト受容体の
類似するドメインとニワトリ受容体との間でのアミノ酸
の同一性の程度を示す。
第9図は、FGF受容体cDNAクローンの推定上のアミノ
酸配列と種々のヒトGFG受容体ゲノム配列との比較を示
す。PCRにより得られたヒトゲノムフラグメントの配列
は、ヒト及びニワトリcDNA配列に比較して示されてい
る。1kbのイントロンは、Ig−様(Ig)ドメイン及び高
い酸性の領域をコードするゲノム配列を分離する。点線
は、ギャップを有さない連続した配列を示す。ニワトリ
FGF受容体のために示される推定上のアミノ酸配列は開
始メチオニン残基(1)から始まり、そして酸性領域
(EDDDDEDD;c1 FGF−Rにおけるアミノ酸125〜132)で
終わる。ヒトh2FGF受容体のために示されるアミノ酸配
列は、開始メチオニン残基(1)から始まり、そして酸
性領域(EDDDDDDD;h2におけるアミノ酸37〜44)で終わ
る。
第10図は、FGF受容体cDNAによりトランスフェクトさ
れた細胞における受容体への酸性又は塩基性FGFの架橋
を示す。cFGFR/pSV7d発現構造体(レーン1,2,7、及び
8)、h2FGFR/pSV7d発現構造体(レーン3,4,9、及び1
0)、又はベクターのみ(レーン5,6,11、及び12)によ
りトランスフェクトされたL6細胞(5×105)が、200倍
過剰のラベルされていないaFGF(レーン2,4、及び6)
又はbFGF(レーン8,10、及び12)の存在又は不在下で、
0.1ピコモルの125I−aFGF(レーン1−6)又は125I−b
FGF(レーン7−12)と共にインキュベートされた。結
合は、37℃で30分間行なわれた。次に、細胞は、20mMの
HEPES(pH7.4)、0.2%ゼラチンを含む氷冷却のDME H2
1により2度及び氷冷却のPBSにより2度洗浄された。ジ
スクシンイミジル スベレート(DSS)が添加され、0.1
5mMの最終濃度にされ、そして架橋が4℃で15分間進行
せしめられた。サンプルがサンプル緩衝液に再懸濁さ
れ、次にSDS PAGE、次にオートラジオグラフィーにか
けられた。
第11図は、ニワトリFGF受容体又はh2ヒトFGF受容体を
コードするRNAにより注入されたアフリカツメガエルの
卵母細胞からの45Ca2+流出の酸性及び塩基性FGF誘発を
示す。グラフは、ニワトリFGF受容体RNA(A及びC、空
白の四角)、ヒトh2RNA(B及びD、空白の四角)、ヒ
トh3RNA(B及びD、黒くぬられた三角)又は水(A−
D、黒くぬられた四角)により注入された卵母細胞から
45Ca2+流出を示す。注入された卵母細胞は、19℃で3
時間45CaCl2と共にインキュベートされ、そして次に、
集中的に洗浄された。5個の卵母細胞のグループを、24
個のウェルプレートの個々のウェルに配置し、そして媒
体0.5mlを添加した。10分間隔で、媒体を計数のために
取り出し、そして新鮮な媒体を添加した。40分後、aFGF
(パネルA及びB)又はbFGF(パネルC及びD)を添加
し、0.5nMの最終濃度にした。陽性の対照として、100分
後、カルバコールを添加した。個々のデータ点は、3個
のウェルの平均を示す。
好ましい態様の詳細な説明 概略 I.一般的な説明 A.FGF−R 1. 構造的な特徴 a.細胞外ドメイン i. シグナル配列 ii. Igドメイン iii.酸性アミノ酸領域 b.トランスメンブランセグメント c.細胞内ドメイン i. チロシンキナーゼ ii. 挿入体 2. 機能 a.FGFを結合する b.FGF−Rペプチドに結合する c.チロシンキナーゼ活性 A.生理学的機能 1. 細胞性 2. 組織分化 3. 生物性 II.ポリペプチド A.可溶性形 B.切断された形 C.融合タンパク質 D.遺伝的変異体(特定部位突然変異誘発) E.タンパク質を含む組成物 III.核酸 A.単離された核酸 B.組換え核酸 C.核酸を含む組成物 IV.FGF−Rを製造するための方法 A.タンパク質精製 1. 誘導体化されたFGFとの親和性 2. 種々のリガンド、同じ受容体 B.核酸の発現 V.抗体 VI.使用方法 A.診断 B.治療 I.一般的な説明 本発明の第1の観点は、均質FGF−Rペプチドに関す
る。これらの均質FGF−Rは、ニワトリ塩基性繊維芽細
胞成長因子受容体及び種々のヒト繊維芽細胞成長因子受
容体を包含する。FGF−Rリガンド結合活性有するか又
はFGF−Rのリガンド結合ドメインの一部を含んで成る
均質ポリペプチドが記載される。特に、本発明は、予測
されない構造特徴を有する天然に存在するFGF結合タン
パク質に対応する均質ポリペプチドを提供する。1つの
種類は、トランスメンブランセグメントを欠く可溶性タ
ンパク質を提供し、もう1つの種類は、トランスメンブ
ランセグメント及びチロシンキナーゼドメインの両者を
有するタンパク質を提供する。これらの両種類は、その
対応するニワトリFGF−Rよりも短い予測できない細胞
外ドメイン構造を有する。単一の受容体が種々のFGFタ
イプを結合することを示す実験データがまた記載されて
いる。
本発明の第2の観点は、単離されたDNA配列に関す
る。これらの配列は、FGF−Rリガンド結合活性を有す
るポリペプチド、たとえば天然に存在する完全な長さの
繊維芽細胞成長因子受容体に対応するポリペプチドをコ
ードする。ニワトリbFGF−R又は種々のヒトFGF−R(h
FGF−R)をコードするDNA配列が単離された。また、ク
ローニング及びFGF−Rコード配列を含む発現ビークル
が提供される。完全な長さのFGF受容体又はFGF−Rポリ
ペプチドフラグメントをコードするDNA配列は、対照配
列に操作可能的に結合され、そして適合性の形質転換さ
れ、トランスフェクトされ又は感染された宿主細胞の培
養物に発現され得る。
成長因子受容体タンパク質の合成方法及び繊維芽細胞
成長因子受容体の相同体の供給方法が提供される。
本発明はまた、受容体の定義されたドメインに対する
抗体を提供する。さらにもう1つの本発明の観点は、リ
ガンド及び受容体の相互作用に対して作用性であり又は
拮抗性である組成物、特に結合相互作用を促進し、又は
阻害するものを評価するための方法を包含する。
本発明で供給される試薬のための診断的及び治療的使
用もまた記載される。
A.FGF受容体 繊維芽細胞成長因子受容体(FGF−R)は、上記のよ
うな繊維芽細胞成長因子(FGF)の種類のための受容体
である。また、P.L.Leeなど.,Science 245:57〜60、
(1989)(これは、引用により本明細書に組込まれる)
を参照のこと。
FGF種類は、アミノ酸配列相同、ペパリン結合活性、
脈管形成を促進する能力及び上皮、間葉及び神経起源の
細胞に対するマイドジェン活性により特徴づけられるポ
リペプチド成長因子から成る。そのFGF種類は、酸性FG
F、塩基性FGF、int−2遺伝子生成物、hst遺伝子生成物
(Kaposi肉腫−FGF)、FGF−5、表皮ケラチン細胞成長
因子、及びFGF−6を包含する。FGF種類のメンバーは、
ニューロンの発育、組織修復、維持、及び疾病の病因に
おいて役割を有するように思われる。FGFの異常な発現
は、自己分泌機構による細胞形質転換を引き起こすこと
ができる。さらに、FGFは、腫瘍中への血管の成長を刺
激することによって又はプロテアーゼ、たとえばプラス
ミノーゲン活性化因子の産生を誘発することによって腫
瘍成長及び侵入を高めることができる。
用語“リガンド”とは、成長因子結合に関与されるド
メインを結合する分子、通常繊維芽細胞成長因子種類の
メンバーを意味する。また、リガンドは、受容体が結合
する天然のリガンドとして又は作用剤又は拮抗剤として
作用することができる機能的な相同体として作用する分
子である。
本明細書に記載されるように、ニワトリbFGF受容体
は、種々の同定可能な構造的特徴により特徴づけられ
る。ニワトリ及びヒトFGF−R構造体は、他のFGF−Rに
適用できる構造命名法を定義するために一般化される。
タンパク質構造及び核酸配列とのその関係の一般的な説
明は、J.D.Watsonなど.,Melecular Biology of the
Gene、第4版、第1及び2巻、Bonjamin/Cummings,Me
nlo Park,California、(1987);及びB.Albertsな
ど.,Molecular Biology of the Cell、第2版、Gar
land,New York(1989)(それぞれ引用により本明細書
に組込まれる)に論じられている。既知のFGF−R、た
とえば種々の天然に存在する可溶性ヒトFGF結合タンパ
ク質の通常の構造特徴が記載される。ヒト繊維芽細胞成
長因子受容体は、天然のヒトFGF−R遺伝子に由来する
タンパク質又はFGFのための天然に存在するヒト受容体
に独特な有意な構造特徴を共有するタンパク質である。
単離された完全な長さのニワトリFGF−RmRNAは、膜拡
張セグメント(トランスメンブランセグメントとして命
名される)に類似する単一の疎水性セグメントを含む。
トランスメンブランセグメントに近い方のFGF−Rアミ
ノセグメントは、細胞外ドメインとして命名され、そし
てトランスメンブランセグメントに近い方のカルボキシ
セグメントは、細胞内ドメインとして命名される。その
アミノ末端から、細胞外ドメインは、推定上のNH2−末
端疎水性シグナル配列、免疫グロブリン様ドメイン(Ig
Iとして命名される)及び酸性セグメント、第2免疫グ
ロブリン様ドメイン(Ig IIとして命名される)及び第
3免疫グロブリン様ドメイン(Ig IIIとして命名され
る)を有する。種々の構造化された特徴がFGF−Rの外
部ドメインに同定され得るが、そのドメインを定義する
最っとも重要な機能性質は、受容体リガンド、たとえば
FGF種類のメンバーへの結合である。下記に論ぜられる
ように、この機能は、Ig II及びIg IIIドメインの組合
された存在と相互関係する。
細胞内ドメインは、分離チロシンキナーゼ構造ドメイ
ンの存在により特徴づけられ、そしてニワトリ受容体に
おいては、約424個の残基の長さである。機能的には、
このドメインは、細胞外ドメインに結合するリガンドに
より調節されたそのチロシンキナーゼ活性により定義さ
れる。タンパク質は、それが原型的な細胞内ドメイン、
特にチロシンキナーゼドメインを欠く場合、細胞内ドメ
インを実質的に欠く。
ニワトリ受容体の他に、4種のユニークなヒトcDNAク
ローンが同定された。これらは、たった2種のIg様ドメ
インを含むこれまで未知のFGF受容体変異体をコードす
る。ヒトクローンのうち2種は、膜拡張受容体をコード
し、そして他の2種の推定上の分泌された形をコードす
る。3 Ig−様又は2 Ig−様ドメイン構造を示す両者
の形は、酸性及び塩基性FGFへの生物学的な応答を仲介
する。従って、3 Igドメイン形の第1のIgドメイン
は、酸性及び塩基性FGFの結合以外の機能を有する。複
数のヒト受容体形は、いくつかの領域で同一であるが、
しかし細胞外ドメインの他の選択された領域においてひ
じょうに異なる。ヒト変異受容体のうち2種のh4及びh5
は、FGF受容体の選択された形をコードするであろう。
典型的なFGF−R核酸配列は、変移的なNH2末端疎水性
配列をコードし、これは通常、トランスローケーション
工程の間に切断される。シグナル配列の従来の機能は、
膜結合リボソームに新生ポリペプチド鎖に向けることで
あり、それによって、膜トランスロケーションを導び
く。しかしながら、シグナル配列は典型的には、トラン
スロケーション工程において除去されるので、シグナル
配列は、成熟ポリペプチドには不在である。
Ig−様ドメイン(Igドメイン)は、3種の主な特徴: (i)個々のドメインにおける2種の特徴的なシステイ
ン残基の存在; (ii)個々のIg−様ドメインにおける第1システイン残
基のCOOH末端側上での11〜12個のアミノ酸のコンセンサ
ストリプトファン残基の存在;及び(iii)第2システ
イン残基のNH2末端側上でのコンセンサス配列DXGXYXCの
存在により特徴づけられる。最後の特徴は、可溶性受容
体タンパク質の場合、変性され、そして同等の大きさの
配列により置換される。
Igドメインに特徴的な追加の特徴は、ドメインをお互
いに比較し、そして種々の受容体分子の相同ドメインを
比較することで明らかである。ニワトリのクローンに見
出されるアミノ−近傍IgドメインがIg Iとして命名され
た。ニワトリのクローンは3種のIgドメインを有するの
で、ドメインはアミノ末端から番号を付与された。第6
図に示されるように、Ig Iドメインは、一対のシステイ
ン残基を端に有する45個のアミノ酸を含む。ニワトリIg
Iドメインは、ヒトFGF−Rのゲノム配列に見出されるI
g Iドメインと配列的に高い相同性を有する。しかしな
がら、ヒト形は、Ig Iに対応するドメインを欠いている
ように思われる。
次のIgドメインは、Ig IIとして命名され、そしてニ
ワトリ受容体において、2種のシステイン残基間に51個
のアミノ酸を含む(第3及び6図を参照のこと)。下記
に記載されるように、このドメインは、Ig IIIドメイン
と一緒に、リガンド結合により包含される。ニワトリ及
びヒト受容体の間のこのドメインのポリペプチド配列相
同性は、第7図における配列により示されるようにひじ
ょうに高い。ヒト受容体はIg Iドメインを欠くが、しか
しIg II及びIg IIIドメインを有することが注目される
であろう。このドメインを示すために使用されるシステ
イン残基は、それぞれニワトリ、h2、h3、h4及びh5受容
体のために、アミノ近傍側上で残基176,89,87,89及び87
及びカルボキシ近接側上で228,141,139,141及び139であ
る。
第3Igドメインは、Ig IIIとして命名され、そしてニ
ワトリ受容体においては、2種のシステイン残基間に63
個のアミノ酸を含む。第3及び6図を参照のこと。再
び、ヒト受容体はたった2種のドメインを有するが、そ
のドメインはIg II及びIg IIIに対応する。ニワトリ及
びヒト形においては、Ig IIIドメインは、トランスメン
ブランセグメントに最っとも隣接するものである。この
ドメインを示すために使用される、それぞれニワトリ、
h2、h3、h4及びh5受容体のためのシステイン残基は、ア
ミノ近接側上で残基274,187,185,187及び185及びカルボ
キシ近接側上で残基339,252,250,253及び251である。
h4及びh5可溶性受容体は、Ig III Tとして命名される
置換された末端セグメントを有する。このセグメント
は、Ig IIIに結合される幕の一部を置換する置換された
末端セグメントであり、そして79個のアミノ酸の長さで
ある。この配列はそれぞれh4及びh5のアミノ酸224及び2
22に対応し、そしてDSGSYSCを除くIg IIIドメインに見
出される多くの特徴を保持する。しかしながら、Ig III
T配列は、ヒトFGF−Rの可溶性形の間に保存されるこ
とが注目されるべきである。
第1及び第2免疫グロブリン様ドメイン間に、FGF受
容体(塩基性FGF−Rのために示されるが、しかし同じF
GF−Rは酸性及び塩基性FGFの両者を結合しない)は、
免疫グロブリン種類の他のメンバーに見出されない特徴
を有する。一連の8個の連続した酸性残基(ニワトリの
場合、EDDDDEDD、及びヒトの場合、EDDDDDDD)、続いて
3個のセリン残基及び2個の追加の酸性残基が存在する
(第3及び7図)。7〜35個の酸性残基の連続した拡張
がいくつかの細胞内タンパク質、特に核タンパク質のた
めに記載されているが、そのような酸性領域は、トラン
スメンブラン受容体タンパク質の細胞外領域においては
異常である。
5種の受容体種(たとえばニワトリ、h2、h3、h4及び
h5形)はまた、保存された酸性領域と保存された第2Ig
−様ドメイン(Ig II)との間の特定の位置で変動性を
示す。h2及びh4受容体形は、位置59及び60で2個のアミ
ノ酸(ArgMet)を含み、そしてニワトリ受容体はこの位
置で単一のアミノ酸(Asn)を含み、そしてh3及びh5受
容体形はこの位置で対応するアミノ酸を含まない(第8
図の星印を参照のこと)。
もう1つの異常な特徴は、膜拡張セグメントとキナー
ゼドメインとの間の並置換(juxtamembrane)領域の長
さである。この領域は、通常、受容体チロシンキナーゼ
の間で保存される。たとえば、並置膜領域は、PDGF,CSF
−1、上皮成長因子(FGF)、ヒト上皮成長因子−2(H
ER2)及びインシュリンのための受容体に49〜51個の長
さの残基である。細胞内ドメインを有するFGF受容体
は、約87個の残基の異常に長い並置膜領域を有する。
アミノ酸配列の原形質領域は、ニワトリ及びヒト形の
ためにそれぞれ約424個及び425個の残基の長さである。
これらはまた、チロシンキナーゼ配列(ニワトリ、h2及
びh3形のためにそれぞれ約残基482〜759、395〜672及び
393〜670)を含むことができる。全体的に、bFGF受容体
のキナーゼ領域は、PDGF及びCSF−1受容体と最大の配
列同一性(約51〜53%)を共有する。bFGF受容体は、GX
GXXGモチーフ及びチロシンキナーゼのアデノシン5′−
トリホスフェート(ATP)結合部位の一部を形成する保
存されたリシン残基(残基512)を含む。bFGF受容体は
また、2つの特徴的なチロシンキナーゼモチーフ、HRDL
AARNUL及びDFGLAR、及びpp60v-src(Try416)の主要リ
ン酸化部位に相同の位置でのチロシン(残基651,564及
び562)を含む。
他のチロシンキナーゼへの相同性により定義される。
bFGF受容体のキナーゼコード配列は、14個のアミノ酸の
挿入により分離される。キナーゼ領域における挿入体の
長さは、PDGF及びCSF−1(それぞれ104及び70個のアミ
ノ酸)のために受容体に見出される長さよりも短かく、
そしてインシュリン及びインシュリン様成長因子−Iの
ための受容体における挿入された配列の長さに類似す
る。
FGF−Rは、3種の異なった生物学的機能を有すると
思われる。第1は、リガンド、通常FGFタンパク質又は
それらの類似体の結合である。これらのリガンド又は類
似体はまた、作用剤又は拮抗剤としても作用することが
できる。リガンド結合部位は、明らかに、細胞外ドメイ
ンに存在する。受容体はリガンド結合に応答してシグナ
ルを伝達し、そしてその結果はリガンド調節活性であ
る。たぶんリガンドはFGFであるので、そのシグナル
は、通常、FGF−調節されるであろう。
第2の生物学的活性は、チロシンキナーゼ酵素活性に
関する。この活性は典型的には、リガンド結合に応答し
て活性化される。しかしながら、受容体はたぶん、二量
体状態で機能するので、鎖内結合相互作用は、阻害剤に
より介在され得るもう1つの生物学的活性として見なさ
れ得る。これは、特定の活性のFGF−仲介を調節するた
めに追加の手段として作用することができる。
B.生理学的示唆 FGFとそれらの受容体との相互作用は、特定の細胞タ
イプ上で、細胞形態及び細胞形質転換、細胞増殖、細胞
分化、細胞老化、ヘパリン感受性及びヘパリン効果の変
化を引き起こす。FGFのインビボ効果は、特定の生物に
おいての種々の活性の調節、たとえば周囲の再生、レン
ズの再生、正常及び腫瘍細胞に対する拮抗効果、創傷の
治癒、脂肪細胞分化及び種々の神経及び筋芽細胞の増殖
を包含する。FGFはまた、効果的な脈管形成活性を示
す。FGFの脈管形成活性は、大部分、内皮細胞に対する
これらの因子の走化性及びマイトジェン効果による。さ
らに、FGFの構成的発現は、トランスフェクトされた細
胞に細胞性形質転換を誘発することが示されており、FG
Fによる自動分泌又は傍分泌刺激が腫瘍形成に包含され
ることを示唆する。これらの種々の細胞及び生理学的効
果は、これらの受容体−リガント相互作用の重要性を予
示する。
それらを含む組成物及び細胞は、診断目的のために及
びFGF受容体に関係する疾病を研究し、そして処理する
ために使用され得る。定義された配列を含む細胞発現ク
ローニングビークルは、特定の活性をもたらすために必
要なFGF受容体の特異的部位を定義するために使用され
得る。他方、これらの細胞は、異なったリガンド(FGF
及び類似体)を結合する選択された受容体の能力を評価
するために有用であり、それによって、特定のFGF−誘
発性細胞応答を促進せしめ又は阻害するための薬物の可
能性を評価するための強力な手段を提供する。
完全な長さの天然のFGF−R配列を含むDNA又はmRNAに
よりトランスフェクトされ、注入され、感染され又はエ
レクトロポレートされた細胞はしばしば、天然又は野生
タイプの受容体及び従って応答を発現するであろう。特
定濃度の精製された受容体又は受容体ポリペプチドフラ
グメントが、天然のFGF受容体へのリガンド(FGF)の結
合を阻害するために使用され得る。他方、受容体又はフ
ラグメントに対する抗体は同じ効果を有する。
均質及び定義されたポリペプチド及びDNA配列は、抗
体の発生に使用される。特に、受容体の特定領域、たと
えばリガンド結合部位に対する抗体は、診断試験に使用
されるであろう。試薬FGF−R、FGF−Rポリペプチド及
び受容体の特定領域に対する抗体は、FGF介在の活性の
調節を研究するために使用され得る。たとえば、FGF作
用剤は、血管成長、すなわち心臓の虚血性部分における
創傷治癒に及び付随する血管の成長において特に有益な
効果を刺激するはずである。FGF拮抗剤は、糖尿病性網
膜病及びリウマチ様関節炎に見られるような異常な脈管
形成の阻止に又は腫瘍への血管化の増殖を阻止すること
によっての腫瘍の制御に使用されるはづである。
II.ポリペプチド 本発明は、繊維芽細胞成長因子受容体ポリペプチド及
びFGF−Rリガンド結合活性を有するタンパク質を含
む。本発明の受容体は、第3,4及び7図に示されるよう
に、FGF受容体アミノ酸配列、たとえばニワトリbFGF−
R及びヒトFGF−R形のためのアミノ酸配列を含む。ま
た、相同配列、対立遺伝子変化、天然の変異体、誘発さ
れた変異体、他方発現された変異体、及び高い又は低い
緊縮条件下で、天然に存在する物質から回収されたアミ
ノ酸をコードするFGF受容体にハイブリダイズするDNAに
よりコードされるタンパク質が包含される。FGF受容体
に対する抗血清により回収されたひじょうに関連するFG
F−受容体が包含される。
アミノ酸残基のための記号は、第I表に示される。
種々の新規ヒトFGF受容体が、さらに下記に記載され
るようにしてクローン化され、そして特徴づけられた。
FGF受容体の種々の短い形(h2及びh3)及び可溶性形(h
4及びh5)が発見された。FGF結合能力を有する可溶性タ
ンパク質(たとえばトランスメンブランセグメントを欠
く形)は、より短い形が治療的及び/又は診断的に使用
されるであろうことを示す。
典型的には、本発明の繊維芽細胞成長因子受容体ペプ
チドは、Ig II及びIg III領域における天然に存在する
受容体と少なくとも約85%の相同性、通常少なくとも約
90%の相同性及び好ましくは少なくとも約95%の相同性
を示すであろう。
特に、リガンド結合機能は細胞外ドメインに局在化
し、そして可溶性形はこの特定の機能を保持する。FGF
受容体の可溶性フラグメントは、天然の可溶性変異体の
機能のための置換に又はその機能の妨害において有用で
あるはずである。他方、可溶性形は、受容体が通常、二
量体形で存在することができるので、FGF受容体の二量
体化を妨げることができる。受容体の二量体化は、適切
な生理学的シグナルのトランスダクションのために不可
欠である。
トランスメンブランセグメントを有するヒト受容体
は、3種のIgドメインのうちIg II及びIg IIIのみを有
することにおいて異常である。Ig Iドメインの不在は、
あの機能がヒト受容体に不在であり、又はIg Iドメイン
がヒト受容体に不必要であることを示す。下記に示され
るデータは、Ig Iドメイがリガンド結合のために必須で
ないことを示す。
本明細書に使用される場合、用語、実質的に純粋及び
均質とは、天然において付随する成分から分離されたタ
ンパク質を意味する。典型的には、モノマータンパク質
は、少なくとも約60〜75%のサンプルが単一のポリペプ
チド主鎖を示す場合、実質的に純粋である。少々の変異
体又は化学的変性は典型的には、同じポリペプチド配列
を共有する。実質的に純粋なタンパク質は、典型的に
は、約85〜90%のタンパク質サンプルを含んで成り、よ
り通常には、少なくとも約95%、及び好ましくは約99%
以上のタンパク質サンプルを含むであろう。通常、純度
は、ポリアクリルアミドゲル上で測定され、そして均質
性は染色により決定された。ある目的のためには、高い
解決法が使用され、そして精製のためのHPLC又は類似す
る手段が利用されるであろう。ほとんどの目的のために
は、単純なクロマトグラフィーカラム又はポリアクリル
アミドゲルが、純度を決定するために使用されるであろ
う。
タンパク質は、それが天然の状態でそれに付随する生
来の汚染物から分離される場合、天然に関連する成分を
実質的に有さない。従って、化学的に合成され、又は天
然に起因する細胞とは異なる細胞システムに合成させる
タンパク質は、その天然に関連する成分を実質的に含ま
ないであろう。その用語は、異種哺乳類細胞又は植物細
胞、E.コリ及び他の原核細胞において合成される受容体
及び拡散を記載するために使用される。
ポリペプチドは、それが実質的に、FGF−Rの天然に
存在する膜結合形に対応する又はそれと高い相同性の完
全な長さのペプチドである場合、FGF−Rの完全な膜結
合形である。
可溶性又は膜結合形であっても、本発明は、実質的に
純粋な調製法を提供する。生物学的材料からのそれらの
単離のための種々の方法が、本明細書に含まれる構造的
及び機械的な説明に一部基づいて、考案され得る。
ニワトリ及びヒトFGF受容体を包含するFGF受容体ペプ
チドは、下記に見出されるような従来のタンパク質化学
の技法を用いて精製され得る。たとえば、レクチンアフ
ィニティークロマトグラフィー段階、続いて、FGFのシ
ステイン残基を通してビオチンに結合されるFGFを利用
する高い特異性のリガンドアフィニティークロマトグラ
フィー法が使用され得る。精製されたFGF−R受容体は
また、Imamura、前記に記載されるように、第一アミノ
基を通してFGFに結合される活性化されたCH−Sepharose
を用いて、FGFアフィニティークロマトグラフィー法に
より得られる。しかしながら、この方法は、精製された
タンパク質をもたらすが、作業できるほどの量の精製さ
れたタンパク質を提供することはできない(すなわち、
ng以上の量)。
特異的抗体の利用可能性に依存して、本発明に提供さ
れるように、特定のFGF受容体がまた、イムノアフィニ
ティークロマトグラフィーを用いて精製され得る。下記
のようにして調製された抗体は、高い特異性のアフィニ
ティーカラムを生成するために賦活性物質に固定され得
る。下記Harlowand Laneを参照のこと。
例的手段(但し、限定的でない)によれば、ラベルさ
れたビオチン−bFGFが多量のそれらの受容体を含む細胞
における受容体に高い親和性で結合する事実の利点を有
する1つの精製方法が使用され得る。125I−ラベルされ
たビオチン−bFGFは、Swiss3T3細胞におけるbFGF受容体
に結合し、そして受容体タンパク質に架橋され得る。
種々の細胞又は組織源が、所望する多くの受容体のた
めに通常選択される出発材料として選択され得る。ニワ
トリの胚(6日目、段階29−30)は、それらがヒト及び
ウシbFGFの高−親和性結合により結成される場合、比較
的多量の受容体タンパク質を含むので、好ましい。胚抽
出物は、最初に、小麦幼芽アグルチニン(WGA)Sepharo
se4B上で分別され、そして次に、一部精製されたbFGF受
容体はビオチン−bFGFに結合される。受容体−リガンド
複合体は、ビオチンとアビジン成分との間での高い親和
性相互作用によりアビジン−アガロースに吸着され得
る。アビジン−アガロースカラムは、FGFをその受容
体、たとえばスラミン又はSDSから分離する化合物によ
り溶出され得る。FGF−依存性手段でアビジン−アガロ
ースに結合されるニワトリタンパク質は、bFGF受容体の
予測サイズ(130kDa)で移動した。第2B図を参照のこ
と。
アミノ酸配列を決定し、そして受容体のポリペプチド
フラグメントを得るためには、受容体がトリプシンによ
り消化され得る。ペプチドフラグメントは、逆相高性能
液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離され、そし
てガス相配列決定により分析され得る。当業界に知られ
ている他の配列決定法もまた使用され得る。
FGF受容体又はその受容体の特定の外部領域を用い
て、それぞれのFGFをアフィニティー精製することがで
きる。第3図に示されるニワトリbFGF−Rのリガンド結
合ドメインを含んで成る外部領域は、アミノ酸22からア
ミノ酸374まで拡張する。第4図に示されるヒトFGF−R
のリガンド結合ドメインは、アミノ酸22からアミノ酸28
5まで拡張する。リガンド結合ドメインは種々のFGF受容
体と共に変化して、そして約5%〜100%の細胞外領域
であり得る。リガンド結合のために必要な最少量のタン
パク質配列は、細胞外ドメインの種々のセグメントを切
断し、そして残る配列に結合するリガンドをアッセイす
ることによって決定され得る。リガンド−受容体の相互
作用の研究は、少なくともリガンド結合領域が受容体の
細胞外領域に位置することを示す。本出願で使用される
場合、FGF受容体又はFGF−Rリガンド−結合活性とは、
繊維芽細胞成長因子又は他の特定のリガンドを結合する
能力を有することを意味する。通常、これらのリガンド
FGF種類のメンバーであろう。従って、外部領域は、FGF
作用剤又は拮抗剤の確立に利用できる。
多くの他の成長因子受容体のように、FGF−Rは、多
量体タンパク質複合体、通常二量体形で天然において見
出される傾向がまたある。従って、受容体の他の重要な
領域は、細胞外領域又は二量体化に関与する他の領域の
いづれかであろう。
受容体の細胞内領域(たとえば、それぞれ第3及び4
図に示されるように、ニワトリbFGF−Rのためには、CO
OH末端基を通してアミノ酸396で出発し、そしてヒトFGF
−Rのためには、COOH末端基を通してアミノ酸307で出
発する)はまた、チロシンキナーゼ活性を有する酵素と
しても使用され得る。bek遺伝子は、ニワトリbFGF−R
の相同領域(チロシンキナーゼ領域)に対して84%のア
ミノ酸配列同一性を有する。flgは、第4図に記載され
るヒトFGF受容体の種々の配列と99%の相同性を有す
る。
シグナル又はリーダー配列は、細胞の膜を通してタン
パク質を指図する。受容体のシグナル配列は、それらの
それぞれの受容体と一緒に使用され得るが、しかしま
た、他のタンパク質と一緒にも使用され得る(例えば、
N−末端配列のアミノ酸1〜21は、第3図に示されるニ
ワトリbFGF−R及び第4図に示されるヒトFGF−Rのリ
ーダー又はシグナル配列を含む)。
本発明はまた、繊維芽細胞成長因子受容体ポリペプチ
ドの類似体を供給する。そのような類似体は、ポリペプ
チド主鎖に対する変性及びそのポリペプチドの変種体及
び変異体の両者を包含する。変性は、ポリペプチドの化
学的誘導体化、たとえばアセチル化、カルボキシル化及
び同様のものを包含する。それらはまた、グリコシル化
変性及び典型的なポリペプチドのプロセッシング変異体
も包含する。これらのプロセッシング段階は特に、酵素
的変性、たとえばユビキニ化(ubiquinization)を包含
する。たとえば、Hershko and Ciechanover(198
2)、“Mechanisms of Intracellular Protein Bre
akdown,"Ann.Rev.Bioch.,51:335〜364の参照のこと。
他の類似体は、天然の及び誘発された遺伝的変異体を
包含する。誘発された変異体は、種々の技法、たとえば
照射又はEMSへの暴露を用いてコード核酸のランダム突
然変異誘発に起因し、又は特定部位の突然変異誘発又は
近代分子生物学の他の技法による構築された変化の形を
取ることができる。Sambrook,Fritsch and Maniatis
(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual
(第2版)、CSH Pressを参照のこと。
実質的に完全な長さのポリペプチドの他に、本発明
は、ポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントを供
給する。有意な生物学的活性は、リガンド結合の免疫学
的活性及び繊維芽細胞成長因子受容体ポリペプチドに特
徴的な他の生物学的活性を包含する。免疫学的活性は、
標的免疫システムにおける免疫原性機能、及び繊維芽細
胞成長因子受容体エピトープのための競争体又は置換体
抗原のいづれかとして作用する、結合のための免疫学的
エピトープの共有の両者を包含する。本明細書で使用さ
れる場合、ポリペプチドに適用されるような用語、セグ
メントとは、通常、少なくとも約5個の連続するアミノ
酸、典型的には少なくとも約7個の連続するアミノ酸、
より典型的には少なくとも約9個の連続するアミノ酸、
普通少なくとも約11個の連続するアミノ酸、好ましくは
少なくとも約13個の連続するアミノ酸、より好ましくは
少なくとも約16個の連続するアミノ酸、及び最っとも好
ましくは少なくとも約20〜30個又はそれ以上の連続する
アミノ酸を意味する。特定のドメインのセグメントは、
対応するドメイン内での適切な大きさのセグメントであ
ろう。
たとえば、リガンド結合又は他のドメインは、種々の
新規融合ポリペプチド又はフラグメント内で“交換さ
れ”得る。従って、特異性の新しい組合せを示す新規キ
メラポリペプチドは、リガンド結合の特異性及び細胞内
ドメインの機能的な結合に起因する。たとえば、Igドメ
インは、他の関連するポリペプチドからのIgドメインに
より置換され得る。
免疫学的目的のためには、ポリペプチドセグメントを
並んで反復する免疫原が生成され得、それによって、高
い抗原性のタンパク質が生成される。他方、そのような
ポリペプチドは、特異的結合のための効果的な競争体と
して作用するであろう。繊維芽細胞成長因子受容体ポリ
ペプチドに対する抗体の産生が下記に説明される。
本発明はまた、繊維芽細胞成長因子受容体のフラグメ
ントを含んで成る他のポリペプチドを供給する。従っ
て、受容体と他の相同体又は異種タンパク質との間の融
合ポピペプチドが供給される。相同ポリペプチドは、た
とえば1つの受容体のリガンド特異性を示すハイブリッ
ドタンパク質をもたらす種々の成長因子受容体ともう1
つの受容体又は拡大され又は弱体化された結合変異性を
有する受容体の細胞内ドメインとの間の融合体であり得
る。同様に、誘導体タンパク質の性質又は活性の組合せ
を示す異性融合体が構成され得る。典型的な例は、レポ
ーターポリペプチド、たとえばルシフェラーゼとレポー
ターのドメイン、たとえばリガンド結合ドメインとの融
合体であり、その結果、所望するリガンドの存在又は位
置が容易に決定され得る。たとえばDullなど.,アメリカ
特許第4,859,609号(引用により本明細書に組込まれ
る)を参照のこと。他の遺伝子融合パートナーは、細菌
性β−ガラクトシダーゼ、trpEプロテインA、β−ラク
タマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ
及び酵母α接合因子を包含する。たとえばGodowsk;な
ど.(1988),Science 241:812〜816;及び下記実験セ
クションを参照のこと。
融合タンパク質は典型的には、組換え核酸方法又は合
成ポリペプチド方法のいづれかにより製造されるであろ
う。核酸操作のための技法は、たとえば“Sambrookな
ど.(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual(第2版)、第1〜3巻、Cold Spring Harbor L
aboratory(引用により本明細書に組込まれる)に一般
的に記載される。ポリペプチドの合成のための技法は、
たとえばMerrifield,J.Amer.Chem.Soc.85:2149〜2156
(1963)に記載される。本発明の融合タンパク質を生成
するために使用される組換え核酸配列は、天然又は合成
配列に由来する。多くの天然の遺伝子配列が、適切なプ
ローブを用いて、種々のcDNA又はゲノムライブラリーか
ら得られる。GenBankTM,National Institute of Hea
lthを参照のこと。繊維芽細胞成長因子受容体のための
典型的なプローブは、標準方法に従って、第3,4又は9
図の配列から選択され得る。適切な合成DNAフラグメン
トは、Beaucage and Carruthers,Tetra.Letls.22:185
9〜1862(1981)により記載されるホスホラミジット(p
hosphoramidite)方法により調製され得る。二本鎖フラ
グメントが、その相補的鎖を合成し、そして適切な条件
下で一緒にその鎖をアニールすることによって又はDNA
ポリマラーゼを用いて、適切なプライマー配列により相
補的鎖を付加することによって得られる。
III.核酸 本発明は、上記種々のFGF受容体配列をコードする核
酸配列を提供する。第3,4及び7図はそれぞれ、ニワト
リ及びヒトFGF受容体をコードするその対応するcDNA配
列を示す。
ニワトリbFGF−Rを示す第3図においては、精製され
たタンパク質から配列決定されたペプチドは下線が引か
れ、アミノ酸35−53(ala−−−arg)、56−67(leu−
−−arg)及び139−158(glu−−−lys)からのNH2近位
配列が包含される。トランスメンブラン配列は、濃い線
により示され、ユニークな酸性アミノ酸領域は四角で囲
まれ、可能性あるN−結合グリコシル化部位は点により
示され、そして断続下線は推定上の疎水性シグナル配列
を示す。アミノ酸配列は、整合停止コドン(残基−1
2)、次にイニシエターメチオニンを含む。構造配列は
アミノ酸22で始まる。
ヒトFGF−Rを示す第4図においては、ヌクレオチド5
29で出発するコドンATGのメチオニンが、FGF−R遺伝子
の最初のアミノ酸である。たとえば、第4図に記載され
るレポーターのアミノ酸22は、第4図の第1ページ上の
“589"と“630"との間の底部に示されるアミノ酸の左か
ら2番目に位置するアルギニン残基(R)である。
本発明の核酸は、天然のヒト、ニワトリ又は他のFGF
−R遺伝子又は天然のFGF−R遺伝子と実質的な相同性
を有する遺伝子又はその一部のいづれかに由来する配列
を有するであろう。
核酸含有における実質的な相同性とは、そのセグメン
ト又はそれらの相補的鎖が、最適に並べられ、そして比
較される場合、適切なヌクレオチド挿入又は欠失によ
り、少なくとも約80%の残基、通常少なくとも約90%、
より通常には少なくとも約95%、好ましくは少なくとも
約97%及びより好ましくは少なくとも約98〜99.5%のヌ
クレオチドにおいて同一であることを意味する。他方、
実質的な相同性は、そのセグメントが選択的にハイブリ
ダイゼーション条件下で、鎖又はその相補体に、典型的
には第3,4又は9図に由来する配列を用いてハイブリダ
イズする場合に存在する。ハイブリダイゼーションの選
択性は、特異性の完全な欠失よりも選択性であるハイブ
リダイゼーションが生じる場合に存在する。典型的に
は、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14
/25のヌクレオチドに対して、少なくとも約55%、好ま
しくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約
75%、及び最っとも好ましくは少なくとも約90%の相同
性が存在する場合に生じるであろう。Kanehisa,M.(198
4),Nucleic Acids Res.12:203〜213(引用により本
明細書に組込まれる)を参照のこと。緊縮条件ハイブリ
ダイゼーションは典型的には、約1M以下、より通常には
約500mM以下及び好ましくは約200mM以下の塩濃度を包含
するであろう。温度は、典型的には20℃以上、より通常
には約30℃以上及び好ましくは約37℃以上であろう。他
の要因、たとえば数ある中で、相補的鎖の塩基組成及び
大きさ、有機溶媒の存在及び塩基ミスマッチングの程度
がハイブリダイゼーションの緊縮性に有意に影響を及ぼ
すので、パラメーターの組合せが、いづれよりも重要で
ある。
単離された核酸は、通常それに付随する他の配列、た
とえば他の細胞性核酸配列から実質的に精製された核酸
である。通常、その用語は、選択的にクローン化され、
単離され、そして実質的な均質性に精製されたゲノムの
プライマーを言及する。
プローブは、第3,4及び9図に提供されるFGF受容体cD
NAの配列に基づいて調製され得る。そのプローブは、ラ
ベル又はレポーター分子に結合される単離された核酸を
含み、そして標準方法により他のFGF受容体核酸配列を
単離するために使用され得る。たとえばJ.Sambrookな
ど.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第1
〜3巻、CSH Press,N.Y.(1989)(引用により本明細
書に組込まれる)を参照のこと。他の類似する核酸は、
相同核酸を用いることによって選択され得る。他方、こ
れらの同じ又は類似する受容体ポリペプチドをコードす
る核酸は、遺伝子コードにおける冗長性の使用により合
成され又は選択され得る。種々のコドン置換、たとえば
非活性変化が導入され、それによって、種々の制限部位
を生成し又は特定のシステムのための発現を最適化す
る。突然変異は、受容体の性質を変性するために、たぶ
んリガンド結合親和性、鎖間親和性又はポリペプチド劣
化又は回転率を変えるためるに導入され得る。
本発明のDNA組成物は、ゲノムDNA又はcDNAに由来し、
合成により調製され又は種々の組合せのハイブリッドで
あり得る。天然に存在しない配列を含む組換え核酸がま
た、本発明により供給される。単離されたDNA配列は、
プライマー又はハイブリダイゼーション反応により得ら
れ、又は制限酵素又は同様のものによる処理にゆだねら
れたいづれかの配列を包含する。
合成オリゴヌクレオチドは、Metleucci,など.,J.Am.C
hem.Soc.,103:3185(1981)のトリエステル方法又は他
の方法、たとえば市販の自動オリゴヌクレオチド合成機
により製造され得る。オリゴヌクレオチドは、過剰のポ
リヌクレオキナーゼによりラベルされ得る(たとえば、
約10単位〜0.1nモルの基質が、50mMのトリス(pH7.
6)、5mMのジチオトレイトール、10mMのμgCl2、1〜2m
MのATP、1.7pモルの32p−ATP(2.9mCi/ミリモル)、0.1
mMのスペルミジン、0.1mMのEDTAと共に使用される)。
プローブはまた、ニックトランスレーション、クレノウ
フィルイン反応又は当業界で知られている他の方法によ
り調製され得る。
種々のタイプのcDNA又はゲノムライブラリーがスクリ
ーンされ得る。cDNAライブラリーの選択は通常、所望す
る受容体のためにmRNAに富む組織源に相当する。ファー
ジライブラリーは通常好ましいが、しかしプラスミドラ
イブラリーもまた使用され得る。たとえば、表皮ケラチ
ン細胞ゲノム又はcDNAライブラリーは、表皮ケラチン細
胞成長因子受容体を単離し、そしてクローン化するため
に好ましい。胚又は胎盤ライブラリーはint−2、FGF−
5及びhst受容体のために使用され得、そして内皮細胞
ライブラリーは酸性FGF受容体のために好ましい。ライ
ブラリーのクローンはプレート上に広げられ、スクリー
ニングのために支持体に移され、変性され、そして所望
する配列の存在のためにプローブされる。
たとえば、プラークハイブリダイゼーション方法に関
しては、パクテクオファージプラークを含む個々のプレ
ートが、2種のニトロセルロースフィルター紙(Millip
ore−HATF)上に重複される。ファージDNAが緩衝液、た
とえば500mMのNaOH、1.5MのNaCl溶液により約1分間、
変性され、そしてたとえば0.5Mのトリス−HCl(pH7.
5)、1.5MのNaCl溶液により中和される(それぞれ10分
間、3度)。次にフィルターが洗浄される。乾燥の後、
フィルターは典型的には、真空オーブン中において80℃
で2時間ベークされる。その重複フィルターが、フィル
ター当たり10mlのDNAハイブリダイゼーション緩衝液〔2
0〜50%のホルムアミド、5×SSC、pH7.0、5×Denhard
t's溶液(ポリビニルピロリドン、及びFicall及びウシ
血清アルブミン;1×=それぞれ0.02%)、50mMのリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.0)、0.2%のSDS及び50μg/ml
の変性されたサケ精子DNA〕により42℃で4〜24時間、
プレハイブリダイズされる。適切なプローブとのハイブ
リダイゼーションは、フィルター当たり10mlの1×106c
pm/mlのラベルされたプローブを含むDNAハイブリダイゼ
ーション緩衝液により42℃で16時間行なわれ得る。ホル
ムアミドの最終濃度は、プローブの長さ及び所望する緊
縮性の程度に従って異なる。ハイブリダイゼーション条
件及び配列相同性の議論のためには、たとえばJ.G.Wetm
urad Davidson,J.Mol.Biol.31:349〜370(1968);及
びK.Kanehisa,Nuc.Acids Res.12:203〜213(1984)
(これらは引用により本明細書中に組込まれる)を参照
のこと。
精製されたニワトリbFGF−Rの2種のトリプシンペプ
チドのアミノ酸配列に基づくオリゴヌクレオチドプロー
ブが、低い緊縮条件下で、ニワトリ胚(6日目)cDNAラ
イブラリーをスクリーンするために使用された。市販の
自動オリゴヌクレオチド合成機(Applied Biosystem
s)を用いて調製された、TVALGSNVEFVCK及びVYSDPQPHIQ
WLKに対応する配列が、第3図に示されるニワトリbFGF
受容体クローンを得るために使用された。このクローン
又はそれに由来する配列は、他の種におけるbFGF−R及
び標的種における他のFGF−Rを単離するために使用さ
れ得る。
ニワトリbFGF−Rを単離するために使用された上記プ
ローブはまた、ヒトbFGF受容体cDNAとクローンを単離す
るためにも使用された。
本発明によれば、FGF−R完全構造配列をコードする
いづれかの単離されたDNA配列が、プローブとして使用
され得る。他方、FGF−R疎水性シグナル配列及びその
翻訳開始部位をコードするいづれかのDNA配列が使用さ
れ得る。FGF−R活性(たとえばリガンド結合又はFGF−
R結合)をコードするいづれかの単離された部分的DNA
配列もまた、本発明の一部である。好ましいプローブ
は、個々の単離されたFGF受容体のcDNAクローンであ
る。
本発明に使用されるDNA配列は通常、少なくとも約5
個のコドン(15個のヌクレオチド)、より通常には少な
くとも約7個のコドン、典型的には少なくとも約10個の
コドン、好ましくは少なくとも約15個のコドン、より好
ましくは少なくとも約25個のコドン及び最っとも好まし
くは少なくとも約35個のコドンを含んで成る。1個又は
複数のイントロンがまた存在する。このヌクレオチドの
数は、通常、FGF受容体と特異的にハイブリダイズする
好結果をもたらすプローブのために必要とされる最少の
長さである。たとえば、FGF−Rの特徴的なエピトープ
は、短いペプチドにコードされ得る。通常、野生型配列
が使用され、ある場合、1又は複数の突然変異、たとえ
ば不活性突然変異を提供し、制限部位を変性し、又は特
異的突然変異を提供するためにアミノ酸配列における変
化をもたらす欠失、置換、挿入又は逆位が導入され得
る。ゲノム配列は通常、約200kbを越えず、より通常に
は、約100kbを越えず、好ましくは0.5kbよりも多くな
い。
FGF受容体をコードするDNA配列からの少なくとも約15
個のヌクレオチド及び約6kdよりも少ない、通常約1.0kb
よりも少ない配列を有するDNA配列の部分が、プローブ
として好ましい。そのプローブはまた、特異的FGF−R
をコードするmRNAが細胞又は種々の組織に存在するかど
うかを決定するためにも使用され得る。
所望する繊維芽細胞成長因子受容体フラグメントをコ
ードする天然又は合成DNAフラグメントが、インビトロ
細胞培養物に導入し、そしてそこで発現することができ
るDNA構造体中に組込まれるであろう。通常、そのDNA構
造体は、単細胞宿主、たとえば酵母又は細菌中での複製
のために適切であり、そしてまた、ゲノム内での組込み
を伴って及び伴わないで、培養された哺乳類又は植物又
は他の真核細胞系への導入のためにも意図され得る。細
菌又は酵母中への導入のために調製されたDNA構造体
は、典型的には、宿主により認識される複製システム、
所望する受容体ポリペプチドをコードする意図されたDN
Aフラグメント、ポピペプチドコードセグメントに操作
可能的に結合される転写及び翻訳開始調節配列及びポリ
ペプチドコードセグメントに操作可能的に結合される転
写及び翻訳終結調節配列を含むであろう。転写調節配列
は、典型的には、宿主により認識される異種エンハンサ
ー又はプロモーターを含むであろう。適切なプロモータ
ーの選択は、宿主に依存するが、しかしプロモーター、
たとえばtrp,lac及びファージプロモーター、tRNAプロ
モーター及び解糖酵母プロモーターが知られている。Sa
mbrookなど.(1988)を参照のこと。複製システム及び
転写及び翻訳調節配列並びに繊維芽細胞成長因子受容体
DNA配列のための挿入部位を含む便利に利用できる発現
ベクターが使用されうる。細胞系及び発現ベクターの例
は、Sambrookなど.(1989)に記載されており;また、
Metzgerなど.(1988)、Nature334:31〜36も参照のこ
と。
これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配
列、たとえば複製の起点、プロモーター、エンハンサー
及び必要なプロセッシング情報部位、たとえばリボソー
ム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル下部位
及び転写ターミネーター配列を含む。好ましくは、エン
ハンサー又はプロモーターは、多くの場合、他のものが
同等に又はより適切であることが理解されるが、繊維芽
細胞成長因子受容体をコードする遺伝子に天然において
関与するものであろう。他の好ましい発現制御配列は、
ウィルス、たとえばSV40、アデノウィルス、ウシ乳頭腫
ウィルス及び同様のものに由来するエンハンサー又はプ
ロモーターである。
同様に、好ましいプロモーターは、免疫グロブリン産
生細胞に天然において見出されるものであるが〔アメリ
カ特許第4,663,281号(引用により本明細書に組込まれ
る)を参照のこと〕、しかしSV40、ポリオーマウィル
ス、サイトメガロウィルス(ヒト又はネズミ)及び種々
のレトロウィルス(たとえばネズミ白血病ウィルス、ネ
ズミ又はRous肉腫ウィルス及びHIV)からのLTRが利用さ
れ得、並びにFGF−R遺伝子に対して内因性のプロモー
ターであり得る。Enhancers and Eukaryotic Gene
Expression,Cold Spring Harbor Press.N.Y.,1983
(引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。
対照のDNAセグメント(たとえば繊維芽細胞成長因子
受容体遺伝子又はcDNA配列又はその一部)を含むベクタ
ーが、良く知られた方法により宿主細胞中にトランスフ
ァーされ、これは細胞宿主のタイプに依存して変化す
る。たとえば塩化カルシウムトランスフェクションは通
常、原核細胞のために利用され、ところがリン酸カルシ
ウム処理は、他の細胞宿主のために使用され得る。Samb
rookなど.(1989)、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual(第2版)、CSH Press(1989)(引用によ
り本明細書に組込まれる)を参照のこと。用語“形質転
換された細胞”とは、形質転換された細胞の子孫をまた
含むことを意味する。
精製されたポリペプチドに関しては、リガンド結合セ
グメント、細胞内ドメイン及び細胞外ドメインに関与す
る核酸セグメントが特に有用である。これらの遺伝子セ
グメントは、これらの遺伝子の制御要素もまた重要な要
素であるが、類似する生物学的活性を示す新規の遺伝子
についてスクリーンするためのプローブとして使用され
るであろう。
IV.FGF受容体を製造するための方法 DNA配列はまた、FGF受容体活性を示し、又は阻害する
ポリペプチドを発現するために使用され得る。たとえ
ば、約21個のヌクレオチド(約7個のアミノ酸)〜約2.
1kb(約700個のアミノ酸)のDNA配列は、FGF受容体特異
的性、典型的にはリガンド結合を有するポリペプチドを
発現するために使用され得る。
多量の受容体タンパク質が、適合可能宿主、たとえば
E.コリ、酵母、哺乳類細胞、昆虫細胞又はカエル卵母細
胞に、発現ビークルに含まれる全受容体又は受容体の一
部を発現することによって調製され得る。発現ビークル
は、当業界において良く知られている方法、たとえばリ
ン酸カルシウム沈殿(下記に論ぜられている)、リポフ
ェクション、エレクトロポレーション又はDEAEデキスト
ラン法を用いて、細胞中に導入され得る。
通常、哺乳類細胞宿主は、不滅化された細胞系であろ
う。FGF−R及びその対応する成長因子の特徴を研究す
るためには、シグナル配列が細胞膜中にペプチドを向け
る場合、低レベルのFGF受容体を欠くか又は有する哺乳
類細胞をトランスフェクトすることが有用であろう。有
意なFGF受容体を有さない細胞は、リンパ球、ミオサイ
ト、グリーンモンキーcos−7細胞及びチャイニーズハ
ムスター卵巣細胞(CHO)を包含する。形質転換され
た、又はトランスフェクトされた、等の細胞は、野生型
受容体に機能的に等しい受容体をコードし、そして細胞
に対してFGF−感受性マイトジェン応答を付与する。そ
のような細胞は、種々の生来のFGFの結合性質の分析を
可能にする。トランスフェクトされた細胞はまた、FGF
拮抗剤又は作用剤としての組成物又は薬物の有効性を評
価するためにも使用され得る。受容体チロシンキナーゼ
活性のレベル又は核酸合成の速度は、トランスフェクト
された細胞と薬物とを接触せしめ、そして薬物処理され
た細胞VS対照に対するFGF又はそれらの類似体の効果を
比較することによって決定され得る。宿主として使用さ
れるほとんどの原核細胞はE.コリ株であるが、他の原核
細胞、たとえばバチルスサブチリス(Bacillus subtil
is)又はプソイドモナス(Pseudmonas)がまた使用され
得る。本発明のDNA配列、たとえば完全な受容体、受容
体の一部又はFGF−R活性を有するポリペプチドをコー
ドする配列のフラグメント又は一部は、FGF−R又はFGF
−R活性を有するポリペプチドのための発現ビークル又
は構造体を調製するために使用され得る。通常、対照配
列は、哺乳類細胞における発現のための真核生物プロモ
ーターであろう。いくつかのビークルにおいては、受容
体自体の対照配列がまた使用され得る。E.コリを形質転
換するための通常の原核生物プラスミドベクターは、pB
R322又はその誘導体(たとえばプラスミドpkt279(Clon
tech))(Bolavarなど.,Gene,2:95(1977))。原核生
物ベクターはまた、転写開始のための原核生物プロモー
ター、場合によってはオペレーターを含むことができ
る。最っとも通常使用される原核生物プロモーターの例
は、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトー
ス(lac)プロモーター(Chengなど.,Nature,198:1056
(1977))、トリプトファンプロモーター(trp)(Goe
ddellなど.,Nacleic Acid Res.,:457(1980))、P
Lプロモーター及びN−遺伝子リボソーム結合部位(Shi
matakeなど.,Nature,292:128(1981))を包含する。
酵母と一緒に使用されるプロモーターは、エノラーゼ
遺伝子に由来するプロモーター(Hollandなど.,J.Biol.
Chem.,256:1385(1981))又は解糖酵素、たとえば3−
ホスホグリセレートキナーゼの合成のためのプロモータ
ー(Hitzemanなど.,J.Biol.Chem.,255(1980))であり
得る。
適切な非生来哺乳類プロモーターは、SV40からの初期
及び後期プロモータ(Fiersなど.,Nature,273:113(197
8))又はマウス白血病ウィルス、マウス乳癌ウィル
ス、鳥類肉腫ウィルス、アデノウィルスII、ウシ乳頭腫
ウィルス又はポリオーマに由来するプロモーターを包含
する。さらに、その構造体は、複数コピーのFGF受容体
遺伝子が製造され得るように、増幅可能な遺伝子(たと
えばDHFR)に連結され得る。
原核生物は、種々の方法、たとえばCaCl2(Cohen,S.
N.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69:2110(1972))又はRbC
l法(Maniatisなど.,Molecular Cloning:A Laborator
y Manual,Cold Spring Harbor Press(1982))を
用いて形質転換され得る。酵母は、Van Solingenな
ど.,J.Bacter.,130:946(1977)及びC.L.Hsiaoなど.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,76:3829(1979)により記載され
る方法を用いて形質転換され得る。真核生物に関して
は、哺乳類細胞は、(Graham and Van der Eb,Viro
logy,52:546(1978))により記載されるリン酸カルシ
ウム沈殿法を用いて、又はリポフェクチン(BPL)又は
レトロウィルス感染(E.Gilboa,Experimental Manipal
ation of Gene Expression,チャプター9,Academic
Press、175ページ(1983))によりトランスフェクトさ
れ得る。適切な配列を含む実際の発現ベクターは、連結
及び制限酵素を包含する標準技法に従って調製され得る
(たとえばManiatis,前記を参照のこと)。DNAの特定部
位を切断するための市販の制限酵素は、New England
BioLabs,Waltham,Massachusettsから入手できる。
クローンは、ベクター構成の態様に依存するマーカー
を用いて選択される。マーカーは、同じ又は異なったDN
A分子上に依存し、好ましくは同じDNA分子上に存在す
る。哺乳類細胞に関しては、受容体遺伝子自体が最良の
マーカーであり得る。原核宿主においては、形質転換体
がアンピシリン、テトラサイクリン又は他の抗生物質に
対する耐性により選択され得る。感温性に基づく特定の
生成物の製造は、また適切なマーカーとしても作用す
る。種々の方法が、FGF−R受容体タンパク質又はペプ
チドフラグメントを収穫し、そして精製するために使用
され得る。ペプチドは、宿主の溶解物から単離され得
る。ペプチドは、それが分泌される場合、細胞上清液か
ら単離され得る。次に、FGF−Rペプチドは、HPLC、電
気泳動、アフィニティークロマトグラフィー(好ましく
は、イノムアフィニティー又はリガンドアフィニティ
ー)を用いて、上記のようにしてさらに精製される。
FGF−R関連種類のcDNAクローンを単離するために使
用され得るもう1つの方法は、ポリマラーゼ鎖反応(PC
R)の使用を包含する(Saiki,R.K.,など.Science230:13
50(1985))。このアプローチにおいては、FGF−R配
列の明確な領域に対応する2つのオリゴヌクレオチド
(27マー)が合成され、そして次に、mRNA源から受容体
関連mRNA転写体を増幅するためにPCR反応に使用され
る。オリゴヌクレオチドのアニーリング及びPCR反応条
件は、例2に記載されるように、減じられた緊縮条件下
で行なわれる。得られる増幅されたフラグメントはサブ
クローン化され、そしてその得られる組換えコロニー
が、高い及び緊縮条件を用いて、32Pによりラベルされ
た十分な長さのFGF−RcDNAによりプローブされる(例2
及び3を参照のこと)。低いが、しかし高くない緊縮条
件下でハイブリダイズするクローンは、FGF−R関連mRN
A転写体を示す。さらに、このアプローチは、スプライ
シングの結果として生じる変異体FGF−RcDNA種を単離す
るために使用され得る(Frohman,M.A.,など.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,85:8998(1988)を参照のこと)。
V.抗体 種々のFGF受容体及びペプチドフラグメントに対する
ポリクローナル及び/又はモノクローナル抗体がまた調
製され得る。用語抗体とは、均質分子実在物、又は混合
物、たとえば多くの異なった分子実在物から製造された
血清生成物を言及するために使用される。ペプチドフラ
グメントは、ペプチド合成機で合成的に調製され、そし
て、キャリヤー分子すなわちキーホールリンペットヘモ
シアニン)に結合され、そして数か月間にわたってウサ
ギに注射される。ウサギ血清は、FGF受容体又はフラグ
メントに対する免疫反応性について試験される。モノク
ローナル抗体は、FGF−Rタンパク質、FGF−Rポリペプ
チド又はその細胞表面上で高レベルのクローン化された
FGF受容体を発現するマウス細胞をマウスに注射するこ
とによって製造され得る。モノクローナル抗体は、ELIS
Aによりスクリーンされ、そしてFGF受容体タンパク質又
はそのポリペプチドとの特異的免疫反応性について試験
される。E.Harlow and D.Lane,Antibodieg:A Labora
tory Manual,CSH Laboratories(1988)(引用により
本明細書に組込まれる)を参照のこと。これらの抗体
は、アッセイ並びに医薬に有用であろう。
所望する繊維芽細胞成長因子受容体ポリペプチドの十
分な量が得られた後、すぐにそのタンパク質は種々の目
的のために使用され得る。典型的な使用は、これらの受
容体への結合に対して特異的な抗体の産生である。これ
らの抗体はポリクローナル又はモノクローナルのいづれ
かであり、そしてインビトロ又はインビボ技法により産
生され得る。
ポリクローナル抗体の産生のためには、適切な標的免
疫システム、典型的にはマウス又はウサギが選択され
る。実質的に精製された抗原が、動物及び免疫学者に良
く知られている他のパラメーターのために適切な方法に
より決定される態様で免疫システムに付与される。注射
のための典型的な部位は、足パッド、筋肉内、腹腔内又
は皮下である。もちろん、他の種も、マウス又はウサギ
のために代用され得る。
免疫学的応答は通常、イムノアッセイによりアッセイ
される。通常そのようなイムノアッセイは、同じ細胞に
より及び抗原が生成される同じ態様で産生される抗原の
源の精製を包含する。イムノアッセイは、ラジオイムノ
アッセイ、酵素結合アッセイ(ELISA)、蛍光アッセイ
又は多くの他の選択のいづれかであり、これらのほとん
どは、機能的に同等であるが、しかし特定条件下で利点
を示すことができる。
108M-1、好ましくは109〜1010又はそれ以上の親和性
を有するモノクローナル抗体が、典型的には、Harlow
and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,CSH La
boratory(1988);又はGoding,Monoclonal Antibodie
s:Principles and Practice(第2版)Academic Pre
ss,New York(1986)(これらは引用により本明細書に
組込まれる)に記載されるような標準方法により製造さ
れるであろう。手短に言えば、適切な動物が選択され、
そして所望する免疫化手段が実施される。適切な期間の
後、そのような動物の脾臓が切り取られ、そして個々の
脾臓細胞が適切な選択条件下で不滅化された骨髄細胞に
融合される。その後、細胞がクローン的に分離され、そ
して個々のクローンの上清液が抗原の所望する領域に対
して特異的な適切な抗体のそれらの産生について試験さ
れる。
他の適切な技法は、抗原生ポリペプチドへのリンパ球
のインビトロ暴露又は他方、ファージ又は類似するベク
ターにおける抗体のライブラリーの選択へのリンパ球の
インビトロ暴露を包含する。Huseなど.,“Generation
of a Large Combinatorial Library of the Im
munoglobulin Repertoire in Phage Lambda,"Scien
e.246:1275〜1281(1989)(引用により本明細書に組込
まれる)を参照のこと。本発明のポリペプチド及び抗体
は、変性を伴って又は伴わないで使用され得る。時々、
ポリペプチド及び抗体は、検出可能なシグナルを提供す
る物質を共有又は非共有結合することによってラベルさ
れるであろう。広範囲の種類のラベル及び結合技法が知
られており、そして科学文献及び特許文献の両者に多く
報告されている。適切なラベルは、放射性核種、酵素、
基質、補因子、インヒビター、蛍光物質、化学ルミネセ
ンス物質、磁気粒子及び及び同様のものを包含する。そ
のようなラベルの使用を教授する特許は、アメリカ特許
第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,9
96,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;及び第4,36
6,241号を包含する。また、組換え免疫グロブリンも生
成され得る。Cabilly、アメリカ特許第4,816,567号を参
照のこと。
VI.使用方法 本発明は、繊維芽細胞成長因子受容体(FGF−G)精
製方法及び細胞内でFGF受容体を合成するための方法を
提供する。また、これらの方法により生成される均質受
容体、受容体又は受容体の一部をコードする核酸配列及
びこれらの配列を含む発現ビークル、FGF−受容体を含
んで成る細胞並びに受容体に対する抗体が提供される。
FGFを結合するために受容体と競争することができる結
合部位を有する、受容体の可溶形が特に興味の対象であ
る。
しかしながら、上記で示されたように、FGF−Rはた
ぶん二量体状態で機能する。受容体の可溶形は、二量体
を妨害し、そしてFGFリガンドのための競争的親和性と
は異なる機構によるシグナルトランスダクションの阻止
において効果的である。種々の受容体系の可溶性又は細
胞内又はトランスメンブランフラグメントは、二量体形
成を妨害することが予測され、そして従って、シグナル
トランスダクションの少なくともいくつかのタイプ又は
そのある画分を阻止するように作用することができる。
この観察は、繊維芽細胞成長因子受容体に結合する繊
維芽細胞成長因子を阻害するのに効果的な多量の繊維芽
細胞成長因子受容体阻止剤を患者に投与することを含ん
で成る、繊維芽細胞成長因子受容体変性活性をインビボ
で変性するための方法を提供する。上記で論ぜられたよ
うに、FGF種類のタンパク質は、多くの重要な生理学的
工程を調節することに有意な役割を有する。可溶性FGF
−Rポリペプチドは、これらの工程のFGF産生の程度の
変性において効果的である。この理由のために、受容体
の可溶性形は、FGFのための競争結合部位として使用さ
れ得る。同様に、切断されたFGF結合部位又は突然変異
誘発された結合部位、特に記載されるヒト形からの部位
は、経済的及び投与に基づく医学的な副作用の点で、同
等に効果的であり得る。
本発明で提供される試薬は、FGF産生又はFGF−R産生
のいづれかの診断において使用されるであろう。種々の
医学的条件が、KaposiFGFを産生するKaposi肉腫及び糖
尿病性網膜症が関与するこれらのタンパク質の異常レベ
ルでの産生により示される。従って、これらの試薬に依
存する診断試験が利用できる。
異なったFGFタイプに関しては、種々のリガンドのた
めの親和性に変動を有する異なったタイプの受容体が存
在する傾向がある。本発明の遺伝子及びタンパク質に関
しては、種々の受容体タイプ間に差異が見出されるであ
ろう。従って、組織マーカーが利用できるようになる。
腫瘍増殖は、微小脈管形成に依存するので、FGF−R
の投与はそのような腫瘍増殖を妨げるように作用し、そ
してそのような腫瘍増殖の抑制をもたらす。FGF活性化
の防止により、本発明は、腫瘍増殖を攻撃するための手
段物質に重要な付加物を提供する。
ウィルス感染はまた、侵入工程のために特定の受容体
への結合に依存する。HSV(ヘルペス単純ウィルス)はF
GF−Rタンパク質に結合することによって感染する示唆
的な証拠が存在する。従って、治療的に有効な量のFGF
−R可溶形又はフラグメントの投与は、細胞の侵入のた
めのこの機構を使用するこのウィルス又は他のウィルス
への暴露を危険性を最少にするために予防的手段として
作用することができる。再び、保護機構は、競争的結
合、二量体構造の破壊、それらの組合せ又は他のものに
依存する。
効果的な治療のために必要な試薬の量は、多くの異な
った要因、たとえば投与の手段、標的部位、患者の生理
学的状態及び投与される他の医薬に依存するであろう。
従って、特定の状態の処理のための用量を滴定すべきで
ある。典型的には、インビトロで使用される用量は、こ
れらの試薬の現場投与のために有用な量での有用な誘導
を提供する。特定の疾患の処理のための用量の動物試験
は、ヒト用量の予測的示唆をさらに提供するであろう。
種々の考慮が、Gilmanなど.,Goodman and Gilmon's:T
he Pharmacological Basis of Therapeutics,第7
版、MacMillan,New York(1985)(引用により本明細
書に組込まれる)に記載される。FGFとその受容体との
間の高い親和性結合のために、これらの試薬の低い量が
初めに効果的であると予測される。従って、用量範囲
は、適切なキャリヤー中において、1mM以下の濃度の
量、典型的には約10μM濃度以下、通常約100nM濃度以
下、より通常には1nM濃度以下、好ましくは約10pM濃度
以下、より好ましくは約100fM(フェトモル)濃度以下
及び最っとも好ましくは約1fM以下の濃度の量で存在す
ることが通常予測される。
本発明は、次の例示的な例により、さらに理解される
であろう。
例1 bFGFリセプターの特徴付け まず125I−標識化bFGFをスイス3T3細胞に競合的に結
合させた。図1(A)において示す通り、125I−標識化
bFGF(2Ci/μmol)を集密3T3細胞(105個の細胞当り6fm
olの125I−標識化bFGF)に、表示した濃度の未修飾bFGF
(−X−);ビオチン−bFGF(べた塗りの四角);ビオ
チン−bFGFをアビジン−アガロースとインキュベートし
た後の未結合画分(白抜きの四角);bFGFをアビジン−
アガロースとインキュベートした後の未結合画分(白抜
きの三角)の存在下において加えた。結合は、ゼラチン
0.2%及びヘパリン(15U/ml)を含む培養培地(DME H2
1)中で、37℃で30分間行った。この細胞を20mMのHEPES
(pH7.4)、0.2%のゼラチン、及び150mMのNaClを含む
緩衝液により3回洗浄した。存在する放射能はベックマ
ン(Beckman)ガンマーカウンターにおいて測定した。
最大の結合(阻害0%)は5700cpmの特異的結合を示す
(非特異的結合は600cpmであった)。全ての測定は三重
測定で行った。組換ヒトbFGF(Barrら、J.Biol.Chem.,2
63:16471(1988))を、IODOBEADS(Pierce)を用いて
ヨード化せしめた。このbFGFは、1μgのFGF、0.2MのN
aPi、pH7.4、IODOBEADS2個当り0.5−1mCiの125Iを用
い、室温で15分間インキュベートし、Naメタビスルフィ
ット及び過剰量のKIによるクエンチによりヨード化させ
た。ヨード化bFGFを、0.2MのNaリン酸塩、pH7.5、0.2M
のNaCl、0.2%ゼラチンにより平衡化したPD10カラムで
のゲル濾過によって未反応の遊離ヨウ素から分けた。こ
のbFGFをYamamotoらのFEBS Lett.176:75(1984)の方
法に従って、10mMのトリス−HCl(pH8.0)中において、
ヨードアセチル−LC−ビオチン(Pierce)をシステイン
残基より4:1の過剰な量にて、4℃で5時間かけてビオ
チニル化させた。未反応ビオチンを前記の通りPD10カラ
ム(Pharmacia)によるゲル濾過によって除去した。こ
の精製工程の間、修飾bFGFは、125I−標識化bFGFのスイ
ス3T3細胞における高親和性bFGFリセプターへの結合を
阻害する能力において、そしてbFGF誘発性チロシンキナ
ーゼ活性の基質として知られる90kDのタンパク質のリン
酸化を刺激するその能力において未修飾bFGFと区別され
ない。図1(A)参照のこと。アビジン−複合化アガロ
ースへの結合による測定により、このビオチニル化反応
は90から95%のbFGF分子を修飾せしめた。
図1(B)において示す通り、細胞におけるbFGFリセ
プターは標識化bFGFと架橋している。125I−標識化ビオ
チン−bFGF又は125I−標識化bFGF(0.1pmol)を、表示
の通りに未標識bFGFの存在下又は非存在下においてスイ
ス3T3細胞(5×105個の細胞)に加えた。この細胞を洗
浄し、そして0.15Mのジスクシニミジルスベレート(DS
S)(Pierce)と架橋させた。次にこの細胞を溶解し、S
DSポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)にかけ、そ
して125I−標識化タンパク質をオートラジオグラフィー
により検定した。125I−標識化ビオチン−bFGFは高い親
和力でスイス3T3細胞におけるbFGFリセプターに結合し
ており(解離定数1nM)、そして125I−標識化bFGFに架
橋しているbFGFリセプタート共に泳動する130kDのタン
パク質と架橋していた。
精製ニワトリbFGFリセプターを、新鮮な6日目のニワ
トリ胚(段階29−30)を、ブリンクマンポリトロン(Br
inkmann polytron)により;(1500個の胚/バッ
チ);最終濃度が0.25Mのスクロース、50mMのHEPES(pH
7.5)、2mMのEDTA、50mMのNaF、150μMのナトリウムオ
ルソバナデート(sodium orthovanadate)、30mMのナ
トリウムピロホスフェート、1mMのフェニルメチルスル
ホニルフルオリド(PMSF)、アプロチニン(20から30の
カソクレイン国際単位(KIV)/ml)、ロイペプチド(10
μg/ml)及びペプスタチン(1μg/ml)中で(1:1v/
v)、ホモナイズすることにより調製した。このホモジ
ネート品を4℃で45分間、17,700gで遠心した。このパ
レットをホモジネーション用緩衝液(300ml)に再懸濁
し、そしれ得られる懸濁物を膜画分(Mb)と称する。次
にこの膜画分を等容量の2Xの溶菌緩衝液(1Xの溶菌緩衝
液は10mMのトリス−HCl(pH7.5)より成る)、50mMのNa
Cl、5mMのEDTA、1%のトリトンX−100、5mMのNaF、15
0μMのナトリウムオルソバナデート、30mMのナトリウ
ムピロホスフェート、1mMのPMSF、アプロチニン(20か
ら30のKIU/ml)、ロイペプチン(10μg/ml)及びペプス
タチン(1μg/ml)に4℃で30分間インキュベートし、
その後31,000gで30分間遠心した。この上清液をバッチ
方式で150mlのWGA−セファロース4Bカラムに適用し、30
0mlの溶菌緩衝液で洗浄し、次に20mMのHEPES(pH7.
5)、2mMのEDTA、10%のグリセロール、0.1%のトリト
ンX−100、50mMのNaF、150μMのナトリウムオルソバ
ナデート、30mMのナトリウムピロホスフェート、1mMのP
MSF、アプロチニン(20から30KIU/ml)、ロイペプチン
(10μg/ml)及びペプスタン(1μg/ml)を含むカラム
緩衝液500mlにより洗浄した。このカラムを、0.5MのN
−アセチルグルコサミンを含むカラム緩衝液により溶出
せしめた。ピークタンパク質を含む画分を混合し、そし
て−70℃で保存した。
胚膜及びWGA溶出液中のFGF−Rの存在を調べるため、
ニワトリ胚膜画分(Mb)10μ又はWGA−セファロース4
Bカラムからの溶出液100μを、125I−標識化bFGF−R
(0.1pmol)と200倍過剰量の未標識bFGFの存在下(+)
又は非存在下(−)において37℃で30分間インキュベー
トすることにより、ニワトリbFGFリセプターを架橋せし
めた(図2(A)参照)。DSSを0.15mMの濃度となる迄
加え、そしてこの反応混合物を氷上で10分間インキュベ
ートした。サンプルをSDSPAGEにかけ、そして次にオー
トラジオグラフィーにかけた。125I−bFGFの粗ニワトリ
胚膜画分への特異的な結合及び架橋は、150kDaの単一タ
ンパク質バンドのみを示した(図2(A))。bFGFの分
子質量を差し引いた後のニワトリbFGFリセプターの推定
サイズは130−135kDaであった。
図2(B)に示す通り、2通りの大量スケールリガン
ドアフィニティー精製を行った(それぞれは20,000個の
胚から材料を用いている)。WGA−セファロース4Bカラ
ムからの溶出液を、前記の通りに調製したビオチン−bF
GF(リガンドのリセプターに対する比が10:1の過剰量)
及び15U/mlの濃度のヘパリン(低親和性結合を引き下げ
るため)と共に4℃に30分間インキュベートした。次に
この混合物を10mlのアビジン−アガロースカラム(bFGF
−アガロース)に2回通過させた。タンパク質のアピジ
ン−アガロースへの非特異的結合(コントロール)を測
定するため、WGA−セファロース4Bカラムからの溶出液
をビオチン−bFGFの非存在下においてアビジン−アガロ
ース循環させた(コントロール)。このカラムを、0.2M
のNaClを含む前記のセファロースカラムに用いたカラム
緩衝液200mlで洗浄し、次にNaClを含まないカラム緩衝
液(300ml)で洗浄し、その後カラム緩衝液中の10mMの
スラミン(suramin)により溶出せしめた。4つの連続
する画分を集め(画分1−4)そして各画分のサンプル
をSDSPAGEにかけ、そして硝酸銀により染色した。図2
(B)において示す通り、FGF依存状態において一種の
タンパク質のみがアビジンアガロースに結合し、そして
これはbFGFリセプターの推定サイズ(130kDa)で泳動し
た。
溶出タンパク質をアクリルアミドゲル電気泳動により
分離し、そしてクマジーブルーにより染色した。bFGFリ
セプターに相当するバンドを切り出し、そしてそのタン
パク質をH.W.HunkapillerらのMeth.In Enzymol.,91:22
7(1983)に従って電気溶離させた。この方法は全回収
率5%にて、1個のニワトリ胚当り2から5ngの純粋なF
GFリセプターの精製をもたらした。
リセプターの更なる特徴付けのため、タンパク質をト
リプシンにより消化せしめた。ペプチドフラグメントを
逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により単離
し、そしてYartenら(前記)詳細の通り気相シーケンシ
ングにより分析した。2つの独立した調製品から、図3
に示す通りの14種のペプチドのアミノ酸配列が得られ
た。これらのペプチドのうちの3種は両調製品に共通し
ており、2つの独立の単離品の間の同一性を示唆した。
4種のトリプシンペプチド(LILGKPLGEGCFGQVVLA,IADFG
LAR,MAPEALFDR及びIYTHQSDVWSFGV;表1及び図3参照)
はチロシンキナーゼドメインについての一致配列に相当
した(図6)。このことは、チロシンキナーゼ活性がHu
ang及びHaung,J.Biol.Chem.261;9568(1986)に記載の
通りbFGFリセプターに関連している発見と一致する。従
って、この精製タンパク質は精製bFGFリセプターである
ことが分った。その理由は、bFGFと結合しているそれは
リセプターの予想される分子量であり、そしてチロシン
キナーゼ配列を含むことによる。
前述した通り、これら14種のペプチドのうちの11種の
アミノ酸配列は、先に公開されている、flg(fms様遺伝
子)と呼ばれる部分的ヒトcDNAクローンの配列と同一で
あった。RutaらのOncogene、3:9(1988)を参照のこ
と。この配列はそれらのがん原遺伝子配列と同一性に基
づいて単離される。これは今迄トランスメンブランリセ
プタータンパク質をコード化するものとは知られていな
かった。
例2 全長ニワトリbFGFリセプターcDNAクローンの単離 ニワトリ胚(6日目)cDNAライブラリーをサイズ選別
したポリA+mRNAから組立てた。200μgのポリA+mRNAを1
0%−30%のスクロース勾配上でサイズ分画し、そして
3.5kb以上のmRNAを含む画分をプールした。5μgのサ
イズ分けしたmRNAを、U.Gubler及びB.Hoffman,Gene25:2
63(1983)の方法に従い、ファルマシアからのcDNA合成
キット(カタログ#27−9260−01)を用いてcDNAを作る
ために利用した。この合成cDNAを、2.0kb以上のcDNAに
ついてサイズ選別し、そしてこのサイズ分けしたcDNAを
次にバクテリオファージベクターZap II(Stratagene,
カタログ#236211)のEcoR I部位にクローン化せしめ
た。得られたcDNAライブラリーは、2.0×106個の独立組
換体を含んでいた。
このライブラリーを、図3において示す2種類の連続
ペプチド(TVALGSNVEFVCK及びVYSDPQPHIQWLK)をコード
化する32P−標識化オリゴヌクレオチドプローブにより
スクリーンせしめた。このオリゴヌクレオチドは市販の
自動オリゴヌクレオチド合成装置を用いて調製した。12
個の塩基重複相補性配列を含む2種類の43−45塩基のヌ
クレオチドをアニール化し、そしてdNTP(−dCTP)、32
P−dCTP、及びDNAポリメラーゼクレノウ(Klenow)フラ
グメントによる埋め合わせにより標識化し、70hpの標識
化プローブが得られた。フィルターを低い緊張条件(20
%のホルムアミド、5Xの標準食塩水クエン酸(SSC)及
び5Xのデンハージ(Denhardt)溶液にて42℃で)のもと
でハイブリダイズ化し、そして42℃で0.2XのSSCにより
洗浄した。25個の陽性クローンが3回のプラーク精製の
後に単離された。25個の陽性クローンのうち、11個が高
緊張状態にてヒトFGF−RcDNA標識物とニックトランスレ
ーションによりハイブリダイズされ、そしてこれをプロ
ーブとして利用した(例3参照)。11個のクローンのう
ちの全てが、そのクローンの5′末端での長さにおける
変化以外実質的に同一であった。最も大きいクローン
(3.2kb)のアミノ酸配列は、前記のタンパク質精製に
おいて得られる14種のリセプターペプチドの全ての配列
を含み(図3参照)そしてFGF−Rの完全なコード化配
列を含んだ。トランスメンブラン領域及び疎水性シグナ
ル配列は、Kyte及びDoolittleのヒドロパシー(hydropa
thy)分析により同定した(Kyte及びDoolittle,J.Mol.B
iol.,157:105(1982))。
約3.5kbの一本のハイブリダイズバンドを、ニワトリ
胚ポリ(A)+RNA(5μg)を全長ニワトリbFGFリセプ
ターcDNAにより高緊張条件(50%のホルムアミド)、即
ち、5Xデンハーツ溶液及び5XのSSCにて42℃のもとでプ
ローブ化することにより同定した。次にフィルターを0.
2XのSSCにより65℃で洗浄した。RNAブロット分析により
同定した3.5kbの単一ハイブリダイズバンドを図5
(A)に示す。このクローンの5′末端付近の配列に相
補性のオリゴヌクレオチドによるプライマー伸長実験を
行った。ニワトリ胚ポリ(A)+RNA(5μg)を10mMの
メチル化水銀により変性せしめ、32P−標識化プライマ
ー(5′−CTGCACGTCATCGCGCA−3′)へとアニール化
せしめ、そしてマウスモロニー(Moloney)白血病ウィ
ルス逆転写酵素により伸長せしめた(図5(B)参照:
列(S)は32P−標識化DNA分子量標準品(1kb)を表わ
し;列(E)は伸長化フラグメント(523個のヌクレオ
チド)を表わし;列(G,A,T及びC)は5%のアクリル
アミドシーケンシングゲルを表わす。このデーターから
このリセプターのmRNAは単離したクローンよりも48個の
ヌクレオチド分長いことを示唆する。
最も長い解読フレーム(2.4kb)のアミノ酸配列は、
フレーム内(in−frame)停止コドン(アミノ酸残基−1
2)、その後に続く開始メチオニン(残基1)及びリセ
プター全体をコード化する配列を含む(図3)。このcD
NAは、種々の周知の成長因子リセプターにおいて見出せ
る特徴を有する推定分子質量91.7kDを有すタンパク質を
コード化した。これは単相膜スパニング領域、NH2−末
端疎水性シグナル配列、3種の細胞外イムノグロブリン
様ドメイン及び細胞間チロシンキナーゼドメインを含ん
だ(図6)。11個の潜在性N−結合グリコシル化部位も
見い出された。ニワトリbFGFリセプターのN−とO−結
合グリコシル化は、bFGFのリセプターの見い出されたサ
イズとcDNA配列から予想されるサイズとの間の相違によ
るであろう。
予想される細胞外領域における三種のイムノグロブリ
ン様ドメインを3つの評価に基づいて同定した:(i)
各ドメインにおける2つの特徴的なシステイン残基の存
在;(ii)各イムノグロブリン様ドメインにおける第1
システイン残基のCOOH末端側上の11から12のアミノ酸で
の一致するトリプトファン残基の存在;そして(iii)
各イムノグロブリン−様ドメインにおける第2システイ
ン残基のNH2末端側上の一致配列DXGXYXCの存在。インタ
ーロイキン−1(IL−1)リセプターも3種のイムノグ
ロブリン様ドメインを有し、そしてbFGFはIL−1と25−
30%一致する配列を有する。血小板由来成長因子(PDG
F)及びコロニー刺激因子−I(CSF−1)に対する5種
のイムノグロブリン様ドメインがこのリセプターに存在
する。
第1と第2イムノグロブリン−様ドメインとの間に、
このbFGFリセプターは他のイムノグロブリンスーパーフ
ァミリーの構成員には見い出されていない特徴を有し
た。8個の一連の連続する産生残基(EDDDDEDD)、その
後に続く3個のセリン残基及び2個の更なる酸性残基が
存在する(図3)。中断されていない7から35個の酸性
残基の鎖が複数の細胞間タンパク質、特に核タンパク質
について述べられているにもかかわらず、このような酸
性領域はトランスメンブランリセプタータンパク質の細
胞外領域においては異常である。
他の異常な特徴は傍膜(juxtamembrane)領域、即
ち、膜スパニングセグメントとキナーゼドメインの間の
領域の長さにある。この領域は通常リセプターチロシン
キナーゼの中に保存されている。例えば、PDGF、CSF−
1、表皮成長因子(EGF)、ヒト表皮成長因子−2(HER
2)及びインスリンのためのリセプターにおける長さに
おいて、この傍膜領域は一貫して49から51個の残基であ
る。このbFGFリセプターは約87個の残基の異常に長い傍
膜領域を有する。
このアミノ酸配列の細胞質領域は約424個の残基の長
さであり、そしてチロシンキナーゼ配列を含む(およそ
482から759での残基)。全体にわたり、このbFGFリセプ
ターのキナーゼ領域は、PDGF及びCSF−1リセプターと
の最も同一性の高い配列(約51から53%)を分担する。
このbFGFリセプターは、GXGXXGのモチーフ及び保護され
たリジン残基(約512での残基)であって、チロシンキ
ナーゼのアデノシン5′−3リン酸(ATP)結合部位の
一部を形成するものを含む。このbFGFリセプターは二つ
の特徴的なチロシンキナーゼモチーフ、HRDLAARNVL及び
DFGLAR、並びにチロシンを(約651番目の残基)pp60
V-srcの主たるリン酸化部位に類似する位置(およそTyr
416)にて有する。
その他のチロシンキナーゼとの同一性により定義され
る、このbFGFリセプターのキナーゼをコード化する配列
は、14個のアミノ酸の挿入により分断されている。この
キナーゼ領域における挿入部の長さはPDGF及びCSF−1
に対するリセプターにおいて見い出せる(それぞれ104
及び70個のアミノ酸)ものよりも短く、そしてインスリ
ン及びインスリン様成長因子−Iに対するリセプターに
おける挿入配列の長さに類似している。
例3 全長ヒトFGFリセプターcDNAクローンの調製 ヒトFGFリセプターcDNAクローンを、E.Sadler(R.D.Y
e T−C Wun及びJ.E.Sadler,J.Biol.Chem.,262:3718
−3725(1987))から得られるヒト内皮細胞cDNAライブ
ラリーから、例2記載と同一のオリゴヌクレオチドプロ
ーブを用いて単離した。
この内皮ライブラリーを高緊張のもとで1×106cpm/m
lの標識プローブとハイブリダイズせしめた(50%のホ
ルムアミド、5XのSSC、5Xのデンハージ、10mMのNaPO4
pH6.5、100μg/mlのサケ精子DNAで42℃(16−24時
間)、そして0.2×SSC、0.1%のSDSによる65℃で洗
浄)。
ヒト内皮細胞cDNAライブラリーの第1スクリーニング
より、4個のクローンが同定され、そして3回のプラー
ク精製を通じて精製した。これらのクローンのうちの3
個からのcDNA挿入物が同一の配列を作り、そして精製ニ
ワトリbFGF−R由来のトリプシンフラグメントの配列と
同一性の高い配列を含んでいた。最も大きいクローン
(約3.6kb)のアミノ酸配列及び核酸配列を図4に記載
する。およそ1−21のアミノ酸は疎水性シグナル配列を
表わし、およそ22−285のアミノ酸はリガンド−結合ド
メインを含む細胞外領域を表わし、およそ286−306のア
ミノ酸はトランスメンブラン領域を、そしておよそ307
−731のアミノ酸はチロシンキナーゼドメインを含む細
胞質領域を含んだ。この方法は、その他の親近性の高い
ヒトFGFリセプターも単離せしめた。
例4 ヒトaFGF−RcDNAクローンの調製 ヒト内皮細胞又は胎盤のライブラリーを、全長FGF−
Rプローブ又はFGF−Rについての配列部分を含むプロ
ーブによりスクリーンした。ハイブリダイゼーションは
低緊張条件にて行い、そして緊張度の高いインクレメン
トにおいて洗浄した。例2及び例3に記載の低及び高緊
張条件を続けた。各インクレメントの間、オートラジオ
クラフィーを行った。最も高い緊張条件にわたり陽性で
あるクローンが例2及び3に既に記載のbFGFリセプター
に最も親近である。緩和された緊張条件で陽性である
が、高い緊張条件では陽性でないクローンは親近性が遠
い。親近ではあるが同一でない全て(図4)のクローン
を制限地図化及びDNAシーケンシングにより決定した。
親近する全てのクローンを選別し、サブクローン化し、
そして発現させた。発現したFGF−親近cDNAを次にその
種々のFGF、即ち、酸性FGFとの結合能力のために試験し
た。
他方、二種のプローブをデザインした。一方のプロー
ブは細胞間FGF−R配列を含み、そして他方は細胞外FGF
−R配列を含んだ。三重のフィルターを作り上げた。1
つのフィルターは高緊張度(例2及び3参照)にて細胞
間FGF−Rプローブとハイブリダイズさせた。2つのフ
ィルターは細胞外プローブとハイブリダイズさせ、一方
のフィルターは高緊張度にて、そして他方は低緊張度に
よる。酸性及び塩基性FGFは55%の配列の同一性しか有
さないため、これらのリセプターもそのリガンド−結合
ドメインにおいて約55%の配列同一性を示すであろう。
細胞間プローブに対して高緊張度にて陽性であり、且つ
細胞外プローブに対して低緊張度にてのみ陽性であるク
ローンがFGF−R親近性リセプターである。これにより
クローンを選別し、制限地図化を行い、シーケンス化
し、そして発現させた。発現したリセプターを、それら
の種々のFGF例えば酸性FGFへの結合能力について試験し
た。
例5 ヒトFGF−RcDNAクローンの特徴付け プラスミドの組立て。
感染実験のため、46個のヌクレオチドの5′非翻訳配
列及び3′非翻訳配列全体を含む全長ニワトリFGFリセ
プターcDNA、並びに13個のヌクレオチドの5′非翻訳配
列及び3′非翻訳配列全体を含む全長ヒトh2cDNAを、そ
れぞれ哺乳類発現ベクターpSV7d(P.Luciw.Chiron Cor
poration)のBamH I/Sal I部位にサブクローン化せしめ
た。これは、リセプターcDNAフラグメントを、SV40プロ
モーター構成要素から下流に適切な配向性において直接
位置せしめた。
試験管内にて転写RNAを作るための鋳型として利用す
る構造物を調製するため、全長ニワトリFGFリセプターc
DNAをブルースクリプトSK(Bluescript SK:Stratagen
e)のBamH I/Sal I部位にサブクローン化し、そして全
長ヒトFGFリセプターのcDNA(h2及びh3)をブルースク
リプトKSのPst I/Sal I部位にサブクローン化した。こ
れはリセプター配列を、T7RNAポリメラーゼプロモータ
ー構成要素から下流に直接位置せしめる。効率的な翻訳
の率を高めるため、開始メチオニン残基上流のATG配列
をサブクローン化前に除去した。ニワトリ及びヒト構造
的について、それぞれインタクト5′非翻訳配列の46個
及び13個のヌクレオチドを残している。
細胞系及び感染。
ラットL6骨格筋筋芽細胞(ATCC CRL 1458)を、10
%の仔牛血清を含むDME H21中で生育させ、そして感染
の寸前にOpti−MEM(GIBCO)の中に移し入れた。平板培
養してから24時以内に1×106個の細胞を20μgの適当
な発現構造物(cFGFR/psV7d又はh2FGFR/pSV7dのいづれ
か)及びネオマイシン耐性遺伝子(pSV2neo)を含む1
μgのベクターにより同時感染せしめた。細胞を、リポ
フェクチン(Lipofectin:Bethesda Research Laborat
ories)50μgを用い、この製造者により付与されてい
るプロトコールに従って感染せしめた。16時間、20%の
仔牛血清を含む等容量のDHE H21培地を加えた。48時間
後、細胞を収穫し、そして選択培地(DMEH21、10%の仔
牛血清、500μg/mlのゲネチシン(GIBCO))に継代培養
した(1:10)。感染コロニーを、抗−リセプターペプチ
ドポリクローナル抗血清によるイムブロッティングによ
り、FGFリセプターの発現についてのアッセイした。
親和性標識。
組換ヒトaFGF及びヒトbFGFがChiron社の好意により提
供され、そして標識した。親和性標識のため、5×106
個の細胞を37℃で30分間、200倍過剰量の関連する未標
識のリガンドの存在下は非存在下において0.1pmolの125
I−aFGF又は125I−bFGFとインキュベートした。次にこ
の細胞を、20mMのHEPESpH7.4、0.2%のゼラチンを含む
氷冷DME H21により一回洗浄し、そして氷冷PBSで2回
洗浄した。最終濃度が0.15Mとなる迄ジスクシニミジル
スベレートを加え、そして4℃で15分間インキュベーシ
ョンを行った。次にこの架橋剤を除去し、そしてこの細
胞を、100mMのジチオスレイトールを含むサンプル緩衝
液に再懸濁し、5分間煮沸し、そしてSDSPAGEにかけ、
続いてオートラジオグラフィーにかけた。
RNAの試験官内転写。
転写前に、プラスミド構造物をXho Iにより直線化せ
しめた。500μMのrNTP(200μMのrGTP)及び500μM
5'GpppG3'(ファルマシア)の存在下においてT7RNAポ
リメラーゼを用いて、この直線状鋳型からRNAを転写し
た。4℃で2時間のインキュベーションに続き、転写反
応物を無RNAseのDNAseで処理し、フェノール抽出し、エ
タノール沈殿し、乾燥し、そして水に再懸濁させた。
卵母細胞の注入 動物を0.06%のエチルp−アミノベンゾエートの溶液
において麻酔した。卵母細胞を手術的に除去し、そして
手操作により10−20個の卵母細胞を含むクラスターへと
切開した。クラスターを改良バース食塩水(Barth Sal
ine)(Maniatisらの、Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual,CHS Press(1982)を参照のこと;本明細
書に参考文献として組入れている)MBSHであって1mg/ml
のタイプIIコラゲナーゼ(Sigma)を含むものの中で室
温で2時間インキュベートし、その後よく、2mg/mlの牛
血清アルブミン(BSA)を含むMBSHにより洗浄した。個
々の卵母細胞をMBSH(1mg/mlのBSA)中で19℃にて保存
した。
卵母細胞に、50nlの水又はRNA溶液(水中にて1ng/μ
)を植物極において注射した。注射後、45Ca++流出ア
ッセイを行う前に19℃で48時間インキュベートした。45 Ca++流出アッセイ 注射された卵母細胞50個のグループを24ウェルプレー
トの単一ウェルに入れ、そしてBSAを含まない無Ca++MBS
H溶液0.5mlで4回洗浄した。次に卵母細胞を、45CaCl2
(100μCi/ml)を含む洗浄溶液0.5ml中に19℃で3時間
インキュベートした。インキュベーション後、卵母細胞
を0.5mlのMBSH(1mg/mlのBSA)により6回洗浄し、次に
他の24ウェルプレートに移した(各ウェル当り5個の卵
母細胞)。その後の洗浄及びインキュベーションの全て
は1mg/mlのBSAを含む0.5mlのMBSHを用いて行った。10分
間のインターバルにて、コンデイショニングした上清を
各ウェルから除去し、そして新鮮な培地に移し入れた。
このコンディショニングされたサンプルをそれぞれベッ
クマンシンチレーションカウンターにより測定した。バ
ックグラント流出が安定したら、リガンドを特定の濃度
迄加え、そして培地収集を続けた。
16回の実験のうちで2回、水を注入されそしてaFGF又
はbFGFのいづれかにより刺激された卵母細胞が、FGFリ
セプターRNAを注入された卵母細胞由来の45Ca++溶出レ
ベルと類似のそれを示した。これらの予想されなかった
応答についての理由を我々はまだ分っていないが、しか
しこれは夾雑している卵母細胞又は卵母細胞自体の表面
上の内因性FGFリセプターの発現に起因することが考え
られる。その他の全ての実験において、水の注入された
卵母細胞は有意な溶出応答を有さず、しかるにリセプタ
ーRNAのFGFに対する応答性の基底値の10から40倍であっ
た。
注射された卵母細胞におけるリセプターのレベルは測
定しておらず、その理由は我々の抗−リセプターポリク
ローナル抗血清は、ウェスタンブロットに基づくFGFリ
セプターとほぼ同じ分子量の豊富な卵母細胞タンパク質
を非特異的に認識するからである。更に、卵母細胞にお
いて発現する外因性リセプターのレベルも比較的低い。
ヒトcDNAクローンの単離及び特徴付け。
ヒト胎盤及びヒトへそ静脈内皮細胞由来の相補性DNA
ライブラリーをJ.Evan Sadler(Washington Universi
ty School of Medicine,St.Louis)の好意により提
供された。このライブラリーを、ニワトリFGFリセプタ
ーcDNAクローンを同定するために先に用いたものと同一
32P−標準化オリゴマーによりスクリーンした。フィ
ルターをハイブリダイズ化し、そして標準の方法を用い
て高緊張条件のもとで洗浄した。総計7個の陽性クロー
ンが、両ライブラリー由来の250,000個のファージをス
クリーンした後に単離された。本明細書に記載の4つの
クローン(h2,h3,h4及びh5)はジデオキシ連鎖停止方法
によりシーケナーゼ(Sequenase)系(United States
Biochemical Corporation)を用いてシーケンス化し
た。クローンh2,h3及びh4は内皮細胞ライブラリーから
得られ、そしてクローンh5は胎盤ライブラリーから得ら
れた。ヌクレオチド配列分析は、これら4つのクローン
全てが同一の5′非翻訳配列を含み、そしてポリ−A部
分をその3′末端に有することを示した。しかしなが
ら、h2の3′末端のポリ−A部分のみの上流に一致した
ポリアデニル化シグナル配列(AATAAA;37)があり、こ
れは内部プライミングがその他のクローンの3′末端の
ポリA部分に重要であることを示唆する。h2,h3,h4及び
h5cDNAはそれぞれ0.93kb、0.78kb、0.95kb及び0.2kbの
3′非翻訳配列を含んだ。h2及びh3の3′非翻訳配列は
同一であり、そしてh4及びh5の3′非翻訳配列も同一で
あった。一方、h2/h3の3′非翻訳配列はh4/h5の3′非
翻訳配列と全体的に異なったいた。ヒト高酸性領域に相
当する1種のプライマー(h2における、およそ44−52ア
ミノ酸;5′GTTTCTTTCTCCTCTGAAGAGGAGT−3′)及びニ
ワトリFGFリセプターのIg Iドメインに相当する変性プ
ライマー(および58−69のアミノ酸;5′−GA(TC)GACG
TGCAG(A/T)(G/C)CATCAACTGGGTGCGTGATGG−3′)を
用い、増幅反応(42)を実施した。更なる反応におい
て、我々はヒト高酸性領域に由来するプライマー及びヒ
トFGFリセプター(5′−GAGGATCGAGCTCACTGTGGAGTA−
3′)の5′非翻訳領域由来の第2プライマーを利用し
た。反応混合物は、750ngのヒト遺伝子DNA、10pmolの各
プライマー、200μMの4種のdNTPのそれぞれ、及び10m
Mのトリス−HCl、pH8.3、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2、10
0ng/mlのBSA50μ中の1ユニットのTagポリメラーゼ
(Perkin Elmer Cetus)を含んだ。反応はエリコンプ
ツインブロックシステム(Ericomp twin block syst
em)において行った。94℃で50秒間の変性、65℃で1分
間のアニール化及び72℃で3分間の伸長よりなるサイク
ルを31回行った。
四種の固有ヒトFGFリセプターcDNAの単離及び特徴付
け。
このニワトリ塩基性FGFリセプターは単一のトランス
メンブランドメイン、3Ig−様ドメイン及び高酸性ドメ
インを含む細胞外領域、並びにスプリットチロシンキナ
ーゼドメインを含む細胞間領域を含む。このニワトリFG
Fリセプターは、既に公開されているチロシンキナーゼ
をコード化する部分的cDNA(hflg)(この記載時には、
その機能は分っていなかった)との同一性が高い。ニワ
トリbFGFリセプターとヒトTlgとの間の高い同一性(95
パーセント)は、hflgがbFGFのヒトの相対物であること
を示唆する。全長ヒトFGFリセプターはcDNAを得るた
め、ヒトへそ静脈内皮細胞cDNAライブラリー及びヒト胎
盤cDNAライブラリーのスクリーンするためにhflgcDNA配
列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを利用した。各
ライブラリー由来の250,000個のプラークの第1スクリ
ーニングから、4個の陽性クローンが内皮細胞ライブラ
リーより単離され、そして3個の陽性クローンが胎盤ラ
イブラリーから単離された。
このcDNAクローンは、3′末端での制限地図の異なる
パターンに基づく2つのクラスへと分類できる。これら
のクラスのうち1つは長さの短いcDNAクローンに由来す
る。各クラスの代表例はいづれかのライブラリーから単
離されクローンの中に存在する。大きいめのcDNAクロー
ンのクラスを代表する2つのクローン(h2及びh3)、並
びに短めのcDNAクローンのクラスを代表する2つのクロ
ーン(h4及びh5)を、それらの全体にわたりシーケンス
化した。4種のヒトリセプター型の予想アミノ酸配列
を、ニワトリFGFリセプター配列と比較して7図に示
す。異なるリセプター形態の図示例を図8に示す。
h2及びh3クローンの予想されるアミノ酸配列は本質的
に同一であり、そして3個のアミノ酸によってのみ違う
(h2におけるアミノ酸59,60及び103、図7)。ヌクレオ
チドレベルにて、h2及びh3はこれら3個のアミノ酸残基
をコード化する位置のみにて相違する。このh2/h3解放
解読クレームは、公開されているニワトリFGFリセプタ
ーcDNAの配列において最初に記載された、疎水性シグナ
ル配列及び異常酸性ドメイン(随行する残基を伴う8個
の連続アミノ酸)を含む。h2及びh3の細胞外ドメインは
ニワトリFGFリセプターと同一性が高いが、但しh2及びh
3は1つのIg−様ドメインの配列(図8においてIで表
示)を欠如している。このトランスメンブラン領域及び
細胞質ドメインは、ニワトリFGFリセプターの関連ドメ
インと同一性が高い。
短いcDNAクローン、h4及びh5のコード化配列は2個の
アミノ酸によってのみ異なる(h4における位置59及び6
0;h4及びh5のヌクレオチド配列は、これら2つの残基を
コード化する位置のみにて異なる)。このシグナル配
列、酸性領域及びIg−様ドメインの1つ(Ig II)は、
関連するh2及びh3の領域と実質的に同一である。h4及び
h5の明白な特徴は、トランスメンブランに近いIg−様ド
メイン(Ig III)にある。このドメインのおよそ半分は
関連するh2及びh3の配列と同一である。しかしながら、
このIg−様ドメインのカルボキシル末端側の半分はh2及
びh3配列と無関係である。h2,h3及びニワトリFGFリセプ
ターcDNAと異なり、h4及びh5は疎水性膜スパニング領域
又は細胞質ドメインをコード化しない。
単離した全てのヒトcDNAの配列は2つのIg−様ドメイ
ンのみを含んだ。このヒトFGFリセプター遺伝子が第1Ig
−様ドメイン(Ig I)をコード化する配列を含むかを調
べるため、ポリメラーゼ連鎖反応をヒト包皮繊維芽細胞
(HFF)から単離したゲノムDNAにおいて行った。これら
の実験のため、我々はニワトリリセプターのIg Iドメイ
ン(アミノ酸58−69に相当)の配列に基づく1つの増幅
プライマー、及びヒトリセプターの酸性配列(h2におけ
るアミノ酸44−52)由来の配列に基づく第2プライマー
を利用した。これらのプライマーを用い、単一の1.3kb
のゲノムフラグメントを増幅させた。図9において示す
通り、このフラグメントは、ニワトリFGFリセプターのI
g Iドメインと類似のコード化配列(約83%のアミノ酸
の同一性)を含んだ。更に、約1.0kbのイントロン配列
がこれらのコード配列をこのリセプターの高酸性領域を
コード化する配列から分離している。従って、このヒト
FGFリセプター遺伝子は明らかに、ヒトcDNAクローンに
おいては見い出せないIg Iドメインをコード化する配列
を含む。更に、Ig Iドメイン配列と酸性領域配列との間
のイントロンの存在は、2又は3Igドメイン型の発現が
択一的なスプライシングにより制御されうることを示唆
する。
リセプターの3Igドメイン型がHFF細胞内で発現される
かを調べるため、我々はHFFmRNAから得られるcDNAにお
いてPCRを行った。前記のプライマーを用い、一本の0.2
4kbフラグメントをHFFcDNAから増幅させた。このフラグ
メントはIg Iドメイン及び酸性領域をコード化する配列
を含むが、イントロン配列は含まなかった。従って、HF
F細胞はリセプターの3Igドメイン型を転写するものと我
々は考えた。HFF細胞がこのリセプターの2Igドメイン型
を発現するかも調べるため、我々は酸性領域プライマー
及びヒトFGFリセプターの5′非翻訳領域由来の配列に
基づく第2プライマーを利用した。これらの反応におい
て、0.23kbのフラグメントを我々のcDNAクローンと同様
の方法において増幅し、これはIg Iドメインに相当する
配列を欠如していた。従って、このリセプターのIgドメ
イン型もHFF細胞内で転写される。
3Ig−様及び2Ig−様ドメイン結合酸性FGF及び塩基性F
GFを含むリセプター。
この3Ig−様ドメインリセプター(ニワトリcDNAライ
ブラリーから最初に単離)はその塩基性FGFに対する親
和性に基づいて精製されるため、このリセプターが酸性
FGFにも結合するかを調べることに興味がもたれた。こ
の問題に答えるため、この3Igドメインニワトリリセプ
ターをラットL6筋芽細胞、即ち、FGFリセプターを通常
発現しない細胞系内で発現させた。他に、この2Igドメ
インヒトh2リセプターもL6細胞において発現させた。図
10は感染細胞で行った親和性標識実験を示す。細胞を
125I−aFGF又は125I−bFGFのいづれかと共にインキュベ
ートし、そして結合性リガンドをジスクシニミジルスベ
レート(0.15M)の存在下において架橋させた。いづれ
かのリガンドを用い、一本の架橋化バンドがリセプター
cDNAにより感染されている細胞において見られたが(例
1,3,7及び9)、しかし、ベクター単独で感染されてい
る細胞には見られなかった(例5,6,11及び12)。架橋化
複合体のサイズからFGF(17kd)の分子量を差し引くこ
とにより、このリセプターの3Igドメイン型については1
45kd、そしてこのリセプターの2Igドメイン型について
は125kdの推定分子量が得られた。過剰の未標識リガン
ドは架橋化複合体の形成を妨げた(例2,4,8及び10)。
これらの結果が示すには、このFGFリセプターの3Igドメ
イン型及び2Igドメイン型の両方が、酸性又は塩基性FGF
と結合可能である。スキャッチャード結合分析は、125I
−aFGFの3Igドメイン型、又は2Igドメイン型のいづれか
への半−最大(half−maximal)結合が0.05nMの濃度で
起きることを示唆する。同様に125I−bFGFの3Igドメイ
ン型又は2Igドメイン型への半−最大結合は0.1nMにて起
きる。
酸性及び塩基性FGFへの3IgドメインFGFリセプター及び2
IgドメインFGFリセプター中介生物学的応答。
FGFリセプターのいづれかの膜スパニング型がaFGF又
はbFGFのいづれかによって活性化されるかを調べるた
め、これらのリセプターをアフリカツメガエル(Xenopu
s)の卵母細胞において発現させ、そして感受性Ca++
出アッセイを用いてリセプターの活性化を測定した。こ
のアッセイは、コレシストキニン、ボンベシン、バソプ
レシン及びアンジオテンシンIIを含むその他のCa++動員
リガンドについてのリセプターの発現を試験するために
利用されている。リガンド−誘発性流出は、高いレベル
の細胞間Ca++及び促進された流出から導かれる、細胞間
貯蔵物からのCa++の動員に反映する。我々の実験のため
に、全長cDNAを試験管内で転写し、そしてキャップせし
めたmRNAアフリカツメガエルの卵母細胞に注入した。48
時間後、この注射された卵母細胞に45CaCl2を加え、そ
してリガンド依存性カルシウム動員を45Ca++の溶出によ
りアッセイした(図11)。aFGF(A及びB)又はbFGF
(C及びD)のいづれかの添加は、ニワトリFGFリセプ
ターをコード化するRNA(A及びC)又はヒトh2リセプ
ターをコード化するRNA(B及びD)により注射された
卵母細胞から迅速且つ大量の45Ca++の流出を誘発させ
た。一方、ヒトh3RNA(B及びD)又は水のみ(A−
D)の注射された卵母細胞はaFGF又はbFGFに対して何ら
応答を示さなかった。陽性コントロールとして、カルバ
コールを100分経過後に加えた。卵母細胞はカルバコー
ルに対する内因性リセプターを発現し、そしてFGFリセ
プターRNA又は水のいづれかの注射された卵母細胞はカ
ルバコール刺激の後に陽性の応答を示した。FGFリセプ
ターの3Igドメイン型(cFGF−R)及び2Igドメイン型の
両方が、両酸性及び塩基性FGFに対して生物学的に応答
性であるものと我々は考える。従って、酸性及び塩基性
FGFに対するリガンド結合性ドメインは、高酸性ドメイ
ン並びにIg II及びIg IIIドメインを包含するリセプタ
ー領域にあることが見い出せた。
ヒトh2リセプターは明らかに両方のリガンドに応答す
るが、h3リセプター型をコード化するRNAの注射された
卵母細胞においては何ら応答が見い出されなかった。h2
及びh3の間の3個のアミノ酸の相違がこのようなタンパ
ク質を異なるように応答させることを引き起こすものと
考えられる。他方、h3RNAの注射されている卵母細胞に
おける応答性の欠如は、h3タンパク質の異常に低い発現
レベルに起因することもありうる。残念ながら、卵母細
胞におけるリセプタータンパク質発現レベルを我々はま
だ調べていない。
2又は3細胞外Ig−様ドメインのいづれかを有するFG
F−R型は、両酸性及び塩基性FGFと結合且つ応答する。
FGFリセプターmRNAのいくつかの型はFGFリセプターの細
胞外ドメイン、即ち、細胞から分泌される傾向にあるタ
ンパク質のみをコード化する。
FGFリセプターノ2Ig−様ドメイン型(h2)が高い親和
力で両aFGF及びbFGFと結合する事実は、高酸性領域並び
にIg II及びIg IIIドメインを包含する領域へのこれら
のリガンドの結合ドメインを位置決めすることを我々に
可能とする。
このh4及びh5リセプター型はトランスメンブラン配列
を欠如し、そしておそらくFGFリセプターの分泌型を示
す。先のデーターは、h4cDNAの感染した細胞が、抗−FG
F−Rポリクローナル抗血清により認識される70kdのタ
ンパク質を分泌することを示唆している。
FGFリセプターの分泌型の役割は不明である。この分
泌型は細胞外FGFのレベルの制御のために働くことがあ
り、従ってFGFの細胞表層FGFリセプターへの適用性を制
御する。他方、この分泌FGFリセプターは、FGFを特定の
場所に保存且つ隔離するために働きうる。その他の可能
性は、この分泌型は細胞間の仕切においてFGFと結合す
ることがあり、そしてその後因子を分泌するための手段
として働くことがある。このことは、aFGF及びbFGFがシ
グナル配列を含まず、そしてその分泌のメカニズムが分
っていない観点から重要な考察である。
リセプターの多彩性は択一的なスプライシングにより
発生するものと我々の結果は示唆している。我々は全部
で5つの異なるFGFリセプターcDNA種類を単離した。ア
ミノ酸配列の比較は、5種類の全てが同一の遺伝子に由
来することを強く示唆する。ヒトリセプター型の他の興
味ある特徴は、細胞外ドメインにおけるArgMet配列(h2
及びh4におけるアミノ酸59と60)の有無である。
125I−aFGF又は125I−bFGFのいづれかを用いる親和性
標識実験は、FGFリセプターの3Igドメイン型を発現する
感染細胞における単一145kdリセプタータンパク質及びF
GFリセプターの2ドメイン型を発現する感染細胞におけ
る単一125kdリセプタータンパク質を同定する(図1
1)。2種類のリセプターの存在は、このリセプターの3
Igドメイン及び2Igドメイン型の同時発現を反映しう
る。我々のデーターは、単一のFGFリセプター種は高親
和力でaFGF及びbFGFの両方に結合でき、そしてこれらの
因子の生物学的効果を中介できることを明らかにした。
我々はこれらの実験において酸性及び塩基制御FGFを用
いたが、その理由はそれらがFGFファミリーの中で最も
特徴付けられている構成員であり、そして組換の型にお
いて容易に入手できるからである。
例6 FGF−Rペプチド又はフラグメントの競合的結合、FGF−
Rに関連する拮抗薬又は作動薬 FGF−Rの細胞外、リガンド結合性ドメイン(即ち、
図3のアミノ酸22−374又は図4のアミノ酸22−285を含
むもの)又はそれらの類似体の全てもしくは1部を含む
フラグメントを宿主細胞(例えば哺乳類細胞又はバクロ
ウィルスの感染した昆虫細胞)において発現させ、そし
て例1に記載の通りに精製した。他方、リガンド結合性
ドメインのフラグメントをペプチド合成装置(applied
Biosystems)を用いて作り、HPLCにより精製した。異
なる濃度のFGF−Rフラグメント又はその類似体(FGF−
Rex)を、スイス3T3細胞への125I−FGFの結合をブロッ
クするそれらの能力のために試験した。競合的結合は例
1における図1Aに記載の通りに行い、未標識リガンドの
代りにFGF−Rexsを用い、そして競合的結合性を測定し
た。
FGF−Rexは、それらのFGF−誘発性分裂を阻害する能
力についても試験した。これは細胞の中に取り込まれる
3H−チミジンにより、細胞の数を数えることにより測定
される。細胞表面リセプターに対するFGFの結合をブロ
ックするFGF−Rexは拮抗薬として働くことがあり、そし
3H−チミジンの取り込み及びFGFにより誘発される細
胞数における増大をブロックする。FGF−Rexは作動薬と
して働くことがあり、即ち、細胞表層のリセプターと二
量体を形成し、リガンド−中介リセプター−リキャプタ
ー相互作用を擬態しうる。このような場合において、FG
F−Rexはリガンドの非存在下において有系分裂を刺激す
るか、又はFGFが中介する有系分裂応答を高めうる。
FGF−Rexは、スイス3T3細胞における90基質タンパク
質のFGF誘発性チロシンリン酸化又は細胞性FGF−Rの自
己リン酸化を阻害もしくは活性化せしめる能力について
も試験された。FGF誘発性チロシンリン酸化をブロック
するFGF−Rexは拮抗薬である。FGFの非存在下において
自己リン酸化を活性化するFGF−Rexは作動薬である。
FGF−Rexは、それらの抗−血管形成活性についても試
験された。FGF−Rexは第1に試験管内で、それらのFGF
−誘発性成長及び内皮細胞の血管への動員を阻害する能
力について試験された。血管形成は、大動脈環アッセイ
を用い、試験管内でアッセイした。大動脈環を、FGF及
びFGF−Rexの存在下又は非存在下において形成したコラ
ーゲンマトリックスに移した。内皮細胞はこの大動脈環
からFGFの存在下において数日以内に生長し、そして血
管を形成する。前記のアッセイにおいて拮抗薬であるFG
F−Rexの添加は、FGF誘発性の毛管の生長の育成を阻害
する。FGFの非存在下においてさえも血管形成誘発生で
あるFGF−Rexは作動薬である。
FGF類似体、血管形成因子、抗−血管形成因子及びFGF
−Rの細胞外部分に対する抗体を、精製したもしくは発
現させたFGF−Rに対する結合のためのそれらの直接的
な結合能力又は天然FGFの結合に対する競合能力につい
て試験した。更にこれらは、それらの有系分裂を刺激す
る能力(作動薬)又はFGF依存性有系分裂を阻害する能
力(拮抗薬)並びにFGF−Rを発現せしめる細胞におけ
るチロシンリン酸化の能力についても試験された。これ
らの研究は、血管形成及び抗血管形成因子等のそれぞれ
がリセプター中介性であるかを調べるためにおいて、並
びに血管形成及び抗血管形成因子に対するリセプターの
特異性(即ち、酸性対塩基性のFGF−R)が存在するか
を調べるためにおいて重要である。
FGF類似体を放射性標識し、そして結合は標識化リガ
ンド、精製又は発現せしめたリセプターにより適当な生
理緩衝液(即ち、培養培地又はリン酸緩衝化食塩水(PB
S))の中で37℃で0.5時間もしくは4℃で2−24時間行
った。この複合物を沈殿せしめ(5−10%のポリエチレ
ングリコール、1mg/mlのIgG)、そしてフィルター(即
ち、Whitman GFA)を通して濾過し、そして結合した放
射活性を測定した。
本発明をある特定の態様に関連付けて説明してきた
が、当業者による種々の改良は添付した請求項により定
義される本発明の範囲に属することが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/02 // C12P 21/08 37/43 (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ジョンソン,ダニエル イー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94122,サンフランシスコ,#2エム, ロックスリーレーン 8 (72)発明者 リー,ポーリン,イー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 91208,サン ディエゴ,#322,リオ サン ディエゴ ドライブ 10081 (56)参考文献 Clin.Res.,37[2 ](1989.4月)p.519A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) MEDLINE(STN) EPAT(QUESTEL)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記アミノ酸配列CH,H2,H3,H4又はH5: (配列中、「−」はアミノ酸が存在しないことを表わ
    す。) の内のいずれかのアミノ酸配列を含むか、あるいは該ア
    ミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸の欠失、付
    加及び/又は置換により修飾されているアミノ酸配列を
    含み、且つ繊維芽細胞成長因子受容体の生物活性を有す
    る蛋白質であって、チロシンキナーゼ活性を有するドメ
    インを欠く蛋白質。
  2. 【請求項2】前記アミノ酸配列H3を含み、且つチロシン
    キナーゼ活性を有するドメインを欠く、請求項1に記載
    の蛋白質。
  3. 【請求項3】繊維芽細胞成長因子受容体の細胞外ドメイ
    ンを含んで成り、且つ約85KDより小さい分子量を有す
    る、請求項1又は2に記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】前記細胞外ドメインが、繊維芽細胞成長因
    子−結合ドメインを含んで成り、そしてヒト繊維芽細胞
    成長因子のIg II及びIg IIIドメインの個々の少なくと
    も約30個のアミノ酸を含む、請求項3に記載の蛋白質。
  5. 【請求項5】繊維芽細胞成長因子受容体の細胞内ドメイ
    ンを実質的に欠く、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の蛋白質。
  6. 【請求項6】次の塩基配列A又はB: のいずれかを有する核酸に、ストリシジェント条件下で
    ハイブリダイズする、天然源由来の核酸によりコードさ
    れる蛋白質であって、チロシンキナーゼ活性を有するド
    メインを欠き且つ繊維芽細胞成長因子の生物活性を有す
    る蛋白質。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋白
    質をコードするDNA。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋白
    質の製造方法において、該蛋白質をコードするDNAを宿
    主細胞中で発現せしめることを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】サンプル中の繊維芽細胞成長因子を測定す
    る方法であって、前記サンプルと、請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の蛋白質とを一緒にし、そして該蛋白質
    と繊維芽細胞成長因子との結合の程度を測定することを
    特徴とする方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋
    白質を含んで成る、繊維芽細胞成長因子測定試薬。
  11. 【請求項11】請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋
    白質と組織的に結合するモノクローナル抗体。
  12. 【請求項12】請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋
    白質を含んで成る、繊維芽細胞成長因子受容体により介
    在される活性に対する調節剤。
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