JP2552942B2 - ヒトbーFGF受容体遺伝子 - Google Patents

ヒトbーFGF受容体遺伝子

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ヒト塩基性線維芽細胞成長因子(human ba
sic−Fibloblast Growth Factor、以下ヒトb−FGFと略
する)に対する細胞表面受容体すなわちヒトb−FGF受
容体のポリペプチドをコードするDNA塩基配列を含む新
規DNAに関するものである。
本発明のDNA配列がコードするヒトb−FGF受容体は、
火傷・傷の治癒に有用なヒトb−FGFに対するアゴニス
ト、アンタゴニストのスクリーニング研究あるいはドラ
ッグデザイン研究に有用であり、本発明のDNA塩基配列
は、組換えDNA技術を使用することにより、微生物ある
いは動物細胞を宿主として組換えヒトb−FGF受容体の
製造を可能ならしめるものであり、産業上有用である。
また、ヒトb−FGF受容体の脳内発現レベルが高いこ
とが近年明らかにされつつあるので、本発明のヒトb−
FGF受容体DNA配列は、老化・痴呆とヒトb−FGF受容体
との関連について解明する手段となることが期待される
ものである。
本発明のDNA配列は、ヒトb−FGF受容体の本体を初め
て明らかにするものであり、本発明の配列あるいは類似
の変異配列を利用してヒト体内のヒトb−FGF受容体の
発現レベルを測定できるので、ヒトb−FGF受容体が原
因となる疾患の検査薬を製造する為の材料となり得る
し、また同受容体が原因となる疾患の治療薬を製造する
為の材料となり得るので産業上有用である。
(従来の技術) 一般に、b−FGFは、血管新生、細胞分裂あるいは細
胞分化といった多様な生物学的活性を示す物質として知
られており、火傷・傷の治癒あるいは血管新生を目的と
する医薬としての有用性を確認する研究が進められてい
る(Biotechnology,;25−30,1988,ivid:793−798,1
989、実験医学(3)46−48,1990)。
また、b−FGFは特異的な細胞表面受容体、すなわち
b−FGF受容体と結合し、b−FGF受容体を活性化するこ
とで生物学的な応答を伝達する。b−FGF受容体は125I
でラベルしたb−FGFとの結合性のある蛋白質として同
定がなされた(Annu.Rev.Biochem,58:575−609,1989、
この文献ではb−FGFはHBGF−2と分類命名されてい
る)。
b−FGF受容体に対するcDNAはニワトリcDNAライブラ
リーより最初に分離され、同cDNAがコードするペプチド
には、ニワトリb−FGF受容体のトリプシン分解物のア
ミノ酸配列に一致するアミノ酸配列が認められ、b−FG
F受容体遺伝子であることが証明された(Science245:57
−60,1989)。
他方、ヒトFLG(fms−like gene)に対するcDNAが、
ヒト外皮細胞由来細胞(endotherial cell)cDNAライブ
ラリーよりv−fmsオンコジーンをプローブとして低い
ストリンジエンシーでスクリーニングすることにより分
離されていた(Oncogene:9−15,1988)。ヒトFLGcDNA
がコードするポリペプチドは全長ではなくN末を欠く不
完全なものであったが、ニワトリb−FGF受容体cDNAが
コードするポリペプチドのアミノ酸配列とでアミノ酸レ
ベルで93%のホモロジーがあることが明らかとなった。
また、近年にはマウスb−FGF様受容体cDNA配列が発
見され、ニワトリb−FGF受容体の配列と比較し、アミ
ノ酸レベルで91%のホモロジーがあることが報告された
(Proc.Natl.Acad.Sci.USU,87:1596−1600,1990)。
従って、本発明のb−FGF受容体をコードするDNA配列
に関連する配列としてニワトリb−FGF受容体cDNA、マ
ウスb−FGF様受容体cDNA及びヒトFLGcDNAの各々のDNA
配列がある。本発明の目的とするヒト由来配列に限る
と、ヒトFLGcDNAのDNA配列が関連のある配列であるが、
同配列はN末端付近アミノ酸配列を欠き、ヒトb−FGF
受容体本体を明らかにする配列とはいえない。
(発明が解決しようとする問題点) ヒトb−FGF受容体本体を明らかにすることができ、
それをコードする組換えDNAあるいはcDNA塩基配列を使
用し、遺伝子組換え技術により組換えb−FGF受容体を
作製することができれば、現在は材料となるヒトb−FG
F受容体が入手できない為不可能であるヒトb−FGF受容
体に対するアゴニスト、アンタゴニストのスクリーニン
グ研究あるいはドラッグデザイン研究が可能となる。ま
たヒトb−FGF受容体を使用することでヒトの老化・痴
呆の原因となるレセプター性疾患の診断薬あるいは治療
薬の研究が可能となる。
しかしながら、前記した様にヒトb−FGF受容体の本
体が明らかにされていないので、本発明者らはホモロジ
ーを指標にしヒトb−FGF受容体cDNAをクローン化し、
ヒトb−FGF受容体遺伝子を特定し同遺伝子のコードす
るヒトb−FGF受容体を特定する点につき鋭意研究を行
った。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らはFLGの配列に対応するオリゴヌクレオチ
ドを合成し、プローブとして使用し、ヒト胎盤cDNAライ
ブラリーを検索し、ヒトb−FGF受容体の全長をコード
するcDNAを得、全塩基配列を決定し、ヒトb−FGF受容
体の全アミノ酸配列を解明し本発明を完成した。
以下に本発明の具体例を詳細に説明する。
ヒトb−FGF受容体cDNAのクローニングの出発材料
は、ヒトb−FGF受容体を発現している、ヒト組織ある
いはヒト培養細胞ならいかなるものでも良い。ヒトb−
FGF受容体を発現しているヒト組織としては胎盤、肺、
肝臓、脳等が、ヒト培養細胞としては各種の線維芽細
胞、ヒト上皮細胞、ニューロブラストーマ細胞等が考え
られたが、本発明者らは入手の簡単な胎盤で良好な結果
を得ることができた。
cDNAの作製、λファージを使用してcDNAライブラリー
の作製は実験書に示してある公知の方法で良い。また、
プラスミドを使用したcDNAライブラーもλファージに比
較し効率が落ちるが使用可能である。プラスミドを使用
しかつ効率を高める方法には岡山−バーグの方法(Mol.
Cell.Biol.,161−170,1982)等がある。簡単には市販
のcDNAライブラリーを使用できる。本発明者等は市販の
ヒト胎盤cDNAで良好な結果を得ている。ここでいう実験
書とは例えばManiatis.T.らの編集したMolecular Cloni
ng,A laboratoyr Manual,1989,Eds.,Sambrook,J,Fritsc
h,E.F.,Maniatis,T.,Cold Spring Harbor Laboratory P
ressをいう。
ヒトb−FGF受容体cDNAクローニングに使用するオリ
ゴヌクレオチドプローブは、公知のニワトリb−FGF受
容体cDNA(Science,245:57−60,1989)、マウスb−FGF
受容体様cDNA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1596−160
0,1990)あるいはヒトFLG cDNA(Oncogene,:9−15,19
88)のDNA配列から適当な部位の配列を選定し、10塩基
長以上、好ましくは15塩基以上の長さのオリゴヌクレオ
チドとして合成DNA法で得ると良い。例えばヒトFLGcDNA
のDNA配列の5′−末端付近を選定し、20塩基長のオリ
ゴヌクレオチドを市販のDNA合成機を使用して合成し、
所定の精製法で精製後、例えばアイソトープで標識し、
目標遺伝子検出のプローブとして使用すると能率よくcD
NAライブラリーのスクリーニングを行うことができる。
ニワトリb−FGF受容体cDNA、マウスb−FGF受容体様
cDNAあるいはヒトFLGcDNAの一部あるいは全長を例えば
アイソトープで標識化することによってもプローブの作
製が可能である。
プローブとして使用するDNAはアイソトープによる標
識化で、高感度なスクリーニングを可能とならしめる。
アイソトープ標識化は[32P]γ−ATPとT4ポリヌクレオ
チドを用いた末端ラベルする方法で良いが他のニックト
ランスレーション法、プライマー伸長法等による標識化
でも良い。アイソトープを用いない発色法を利用した非
アイソトープ標識化の方法は感度が若干低下するが使用
可能である。
ヒトb−FGF受容体cDNAクローニングに必要なcDNA作
製、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング、組
換えDNAの作製、DNAの塩基配列決定等の一連の分子生物
学的な実験は例えば前述のManiatis,T等の編集した実験
書に示してある公知の方法に従って行えば良い。
本発明者等が解明したヒトb−FGF受容体のcDNA塩基
配列は第1図にDNAの2本鎖のうち非コード鎖(RNA−li
ke)で示した。第1図に示した塩基配列は、図中で5′
−非翻訳領域(228塩基対長)、ヒトb−FGF受容体コー
ド領域(2193塩基対長)及び3′−非翻訳領域(907塩
基対長)に分けて示した。
本発明のヒトb−FGF受容体cDNA(第1図)にコード
されるヒトb−FGF受容体のアミノ酸配列は第2図にア
ミノ酸の3文字による略号で示した。第2図に示したア
ミノ酸配列(731アミノ酸)は仮定されるシグナルペプ
チド及び仮定される成熟ヒトb−FGF受容体にわけて示
した。また、仮定されるトランスメンブレン部材は下線
で示した。
第2図のポリペプチドがヒトb−FGF受容体である根
拠は既に同定されているニワトリb−FGF受容体cDNA(S
cience,245:57−60,1989)と比較して本発明のDNAに267
塩基対長(89アミノ酸)分の欠除を別にしてアミノ酸レ
ベルで93%のホモロジーがあること、また、マウスb−
FGF様受容体cDNA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,1596−1
600,1990)の短鎖(Short form;267塩基長分の欠除があ
る鎖)と比較しアミノ酸レベルで98%という驚くべき高
いホモロジーが、ヒト及びニワトリあるいはヒト及びマ
ウスといった種差があるにもかかわらず認められること
による。また機能的には、ニワトリ及びマウスで報告さ
れている細胞外イムノグロブリン様ドメイン、トランス
メンブレンドメイン及びチロシンキナーゼドメインが、
本発明のヒトb−FGF受容体に認められることによる。
本発明のヒトb−FGF受容体のアミノ酸配列(第2図;
731アミノ酸)は、既に報告のあるヒトFLG(Oncogene,
:9−15,1988;623アミノ酸)のアミノ酸配列に比較し
N−末端側が108アミノ酸長いこと、またC末端側の623
アミノ酸については2ケ所で6アミノ酸に差異が認めら
れることにより、本発明のヒトb−FGF受容体はヒトFLG
とは異なる新規アミノ酸配列より成る物質と判断され
た。
本発明でいう成熟ヒトb−FGF受容体とはシグナルペ
プチドを除去して得られるポリペプチドである。成熟ヒ
トb−FGF受容体のN末端アミノ酸は本来ヒトb−FGF受
容体をヒトより分離・精製した後に決定が可能となる
が、ヒトb−FGF受容体精製物が容易に得られないこ
と、またたとえ得られたとしてもニワトリb−FGF受容
体のN末端アミノ酸はブロックされていて決定されなか
った報告(Science,245:57−60,1989)があることによ
り、ヒトb−FGF受容体の場合もN末端アミノ酸を正し
く求めることは容易でない。。
そこで、本発明では、報告されているニワトリb−FG
F受容体の仮定されたシグナルペプチドのアミノ酸配列
とマウスb−FGF様受容体の仮定されたシグナルペプチ
ドのアミノ酸配列と、本発明のヒトb−FGF受容体のn
末端付近のアミノ酸配列とを比較し、ヒトb−FGF受容
体のシグナルペプチドを仮に1番目のMetから20番目のT
hrまでとしたが、確定されたものでなく本シグナルペプ
チドは、1番目のMetから20番目のThr付近までの20前後
のアミノ酸でシグナルペプチドが構成されると考えて良
い。
本発明のいう“アミノ酸の欠除、付加あるいは置換等
の変異が認められる変異ポリペプチド”とは、本発明の
ヒトb−FGF受容体の機能をそこなうことなく変異の入
った、自然界に発見される変異ポリペプチドまたは人為
的に改変した変異ポリペプチドをいう。
本発明のいう“ポリペプチドをコードする組換えDN
A、染色体DNAあるいはcDNA塩基配列を含むことを特徴と
するヒトb−FGF受容体DNA塩基配列”とは、目的のヒト
b−FGF受容体をコードするcDNA、イントロン及びエク
ソンを含む染色体DNA、同染色体DNAのイントロンを除去
しエクソンを連結した組換えDNAあるいは合成DNA法で人
為的に作製したオリゴヌクレオチドを連結して得た組換
えDNAを含むことを特徴とするDNA塩基配列である。
合成DNA法で人為的にオリゴヌクレオチドを作製し連
結した組換えDNAとして目的のDNA塩基配列を得る方法を
用いると、遺伝子コードの縮重により、アミノ酸配列を
変化させることなく遺伝子の塩基配列を変化させること
ができる。本発明は目的のポリペプチドに係る遺伝子
の、遺伝子コードの縮重に基づく全ての塩基配列を包含
する。
変異ポリペプチドをコードする組換えDNA、染色体DNA
あるいはcDNAは、自然界で生じる種内変異あるいはアレ
ル変異に基づくアミノ酸レベルの変異のある変異ヒトb
−FGF受容体をコードする染色体DNAあるいはcDNAとし
て、及び人為的に作製可能なポイントミューテーション
法をほどこした変異のある変異ヒトb−FGF受容体をコ
ードする染色体あるいはcDNA、また合成DNA法で作製し
た変異ヒトb−FGF受容体をコードする組換えDNAとして
得られる。
アミノ酸レベルで変異がなくても、自然界より分離し
た染色体DNA、cDNAについては、遺伝子コードの縮重に
よりアミノ酸配列を変化させることなしにDNA塩基配列
の変異の例はしばしば認められるし、また5′−非翻訳
領域及び3′−非翻訳領域はポリペプチドのアミノ酸配
列の規定に関与しないので、DNA塩基配列は変異し易い
ので、これらの塩基配列の変異は本発明に包含される。
マウスb−FGF様受容体cDNAには長鎖(long form)と
短鎖(short form)の2つのアイソマーが報告されてい
る(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,1596−1600,1990)。
ニワトリb−FGF受容体のcDNA(Science.245:57−60,
1989)はマウスb−FGF様受容体の長鎖に相当するポリ
ペプチドをコードしていた。長鎖及び短鎖の2つのアイ
ソマーは、ドパーミンD2受容体の例(EMBO J.:4025−
4034,1989)、インシュリン受容体の例(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,86,114−118,1989)に認められたアルタナテ
ィブスプライシングに起因すると考えることができる。
本発明のヒトb−FGF受容体のcDNAは、短鎖に相当す
るポリペプチドをコードするものであったが、マウスあ
るいはニワトリ同様長鎖に対応するcDNAの存在が予想出
来る。
本発明のDNA塩基配列は、適当な発現ベクターに挿入
し、微生物あるいは動物培養細胞等を宿主とする形質転
換体を得、その形態転換体にヒトb−FGF受容体活性を
示すポリペプチドを産生せしめるために使用できる。
大腸菌、枯草菌あるいは酵母等の微生物の菌体内で成
熟ヒトb−FGF受容体を産生させる場合シグナルペプチ
ドを除去した成熟ヒトb−FGF受容体のN末端にMetを付
加させたポリペプチド(Met−ヒトb−FGF受容体)とし
て発現させると良い。Metは発現後細胞内あるいは細胞
外で除去できる場合もある。
完全なヒトb−FGF受容体を産生することを目的とす
る場合、シグナルペプチドを含む全長の配列を使用し有
核生物、特に動物培養細胞を宿主として発現させるのが
好ましい。得られたヒトb−FGF受容体を発現する形質
転換細胞はヒトb−FGFに対するアゴニスト、アンタゴ
ニストのスクリーニング研究あるいはドラッグデザイン
研究に使用可能となる。
宿主として使用する動物培養細胞は線維芽細胞であれ
ば最適であるが、容易に入手できるマウスL、マウス3T
3、マウスC127、マウスミエローマ、CHO、CHL、Helaあ
るいはヒトミエローマ細胞等でも良好な効果が期待され
る。
発現ベクターとしては、各々の宿主用に開発された公
知のベクターを使用すると良い。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、
これは本発明のほんの一例にすぎないものである。
実施例 (1)プローブの作製 ヒトFLG(Oncogene,:9−15,1988)のアミノ酸4−1
0及びアミノ酸18−28に対応するDNA配列を基に20塩基長
のオリゴヌクレオチド2本、すなわちflg−4(20mer)
及びflg−18(20mer)を合成した。flg−4の塩基配列
は5′−TAACGGACCTTGTAGCCTCC−3′、flg−18の塩基
配列は5′−TCAGAGGGCACCACAGAGTC−3′であった。
合成オリゴヌクレオチドは固相法を原理とする全自動
DNA合成機を使用して作製した。全自動DNA合成機として
はアプライドバイオシステム社381A型を使用した。ヌク
レオチド、3′−ヌクレオチドを固定した担体、溶液、
試薬は同社の指示に従って使用した。所定のカップリン
グ反応を終了し、トリクロル酢酸で5′−末端の保護基
を除去したオリゴヌクレオチド担体は濃アンモニア中室
温で1時間放置することにより担体からオリゴヌクレオ
チドを遊離せしめた。次に、核酸上及びリン酸上の保護
基を遊離せしめる為核酸を含む反応液を封をしたバイア
ル中で濃アンモニア溶液で55℃、14〜24時間インキュベ
ートした。担体及び保護基を除去・遊離した各々のオリ
ゴヌクレオチドの乾燥を真空中で行った。
乾燥した合成オリゴヌクレオチド各々60μgを、電気
泳動用緩衝液(10mMトリス−ホウ酸、pH7.6、1mM EDT
A、7M尿素、0.1%ブロモフェニールブルー及び2%サッ
カロース)に溶解せしめ、それぞれ7M尿素−8%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で分画を行った。電気泳動に
よる分画後、UVシャドウ法で各々の合成オリゴヌクレオ
チドの長さを調べ、目的長のオリゴヌクレオチドを含む
ゲル切片を切り出し目的長のオリゴヌクレオチドをそれ
ぞれ電気抽出し、次にイオン変換クロマトグラフィーで
精製して得た。
各々の精製オリゴヌクレオチドを1μgを供給者の示
す反応液22μに溶解し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ
〔タカラ酒造〕15ユニットと3μの〔32P〕γ−ATP
(Amersham社;〉5,000Ci/mmol)を加えて37℃で1時間
インキュベートし、次に65℃で5分関インキュベートし
0℃に冷却した。ラベル化したオリゴヌクレオチドはイ
オン変換クロマトグラフィーで精製した。得られたプロ
ーブの比活性は各々6×107cpm/μg、4×107cpm/μg
であった。
(2)ヒト胎盤cDNAライブラリーのスクリーニング ヒト胎盤cDNAをλgt11のEcoR I部位に挿入して作製さ
れたヒト胎盤cDNAライブラリー(Clontech Lab.Inc.)
をE.coli Y1090のプレート上にプラークが直径90mmのプ
レート1枚当り104から105出現するまで希釈してプレー
ティングしたところ、約50枚のプレートに106程度のプ
ラークが出現した。
出現した約106のプラークについて、以下に示したプ
ラークハイブリダイゼーション法を用いて候補組換えフ
ァージのスクリーニングを行った。
出現したプラークをナイロンフィルターに転写し、転
写したナイロンフィルターはアルカリ処理を行い(0.5N
NaOH溶液中で5分間3回振とう)、中和し(0.5M Tris
−HCl,pH7.5溶液中で5分間1回振とう)、2×SSC(0.
3M塩化ナトリウム、0.03Mクエン酸ナトリウム)で5分
間洗浄し、最後に90%エタノールで1回、95%エタノー
ルで2回、それぞれ3分間ずつ洗浄し風乾した。フィル
ターはプレハイブリダイゼーション液(50mM Na−PO4,p
H7.0,2mM EDTA,5×SSC,0.1%SDS,0.5%non−fat dried
milk,100μg/mlの煮沸した超音波処理サケ精子DNAを含
む)100ml中で55℃2時間インキュベートし、プレハイ
ブリダイゼーションを行った。
プリハイブリダイゼーションが終了したフィルター
に、標識プローブflg−4(3×107カウント/分)及び
flg−18(3×107カウント/分)を含むプレハイブリダ
イゼーション液と同一組成の液60mlを加え55℃で16時間
インキュベートしハイブリダイゼーションを行った。
次にフィルターを5×SSC−0.1%SDS溶液で室温で10
分間4回洗浄し、同一組成の溶液で45℃で10分間洗浄し
風乾した。
風乾したフィルターを増感スクリーンを使用し、X線
フィルムに−70℃で12時間露光した。
オートラジオグラフィーの結果6個のプラークがプロ
ーブと反応した。
これら6個の候補ファージのプラークに#1〜#6の
番号を付けE.coli Y1090のプレート上に各々のファージ
を希釈してプレーティングし、プレート当り102〜103
度プラークを出現させ、出現したプラークについて標識
プローブflg−4あるいはflg−18を用いてそれぞれプラ
ークハイブリダイゼーション法で調べたところ#1〜#
6の全てが両プローブと反応し目的の配列を含むことが
確かめられた。
6個の候補ファージはE.coli Y1090プレートに希釈し
てプレーテイングし、プラークハイブリダイゼーション
法を繰返すことで単一プラークとして単離した。
#1〜#6の組換えファージについて、ファージDNA
を大量に調製し、クローニング部位EcoR Iを利用し挿入
cDNAの長さを調べたところ#1組換ファージが一番長か
った。
#1の挿入DNAはEcoR Iで約600塩基対長と約2,000塩
基対長の断片で構成されていた。両者のDNA断片を各々M
13mp18ファージに再クローン化し、各々組換えファージ
DNAを調製した後、合成プライマーを使用しダイデオキ
シ法でウォークしながら塩基配列を調べ、全塩基配列を
決定した。
その結果#1組換えファージの挿入cDNAは3,328塩基
対長で、5′−非翻訳領域の228塩基対長、ヒトb−FGF
受容体コード領域の2193塩基対長及び3′−非翻訳領域
の907塩基対長より構成されていることが判明した(第
1図)。約600塩基長のEcoR I断片と約2,000塩基長のEc
oR I断片をプラスミドpUC19のEcoR I部位に挿入したヒ
トb−FGF受容体遺伝子全長を含むプラスミドpFGFR1を
得た。
解明された配列より制限酵素切断地図を作成した(第
3図)。図には示していないが、BamH I、Hind III、Xb
a I、Xho I、Pvu I、Sac I、Sal I、Bal I、Cla I及びN
ru I部位は存在しなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒトb−FGF受容体cDNAの塩基配列をDNA2本
鎖のうち非コード鎖(RNA−like)で示した。右側の数
字は右端の塩基の番号を示し、5′−非翻訳領域(228
塩基長)、ヒトb−FGF受容体コード領域(2193塩基
長)あるいは3′−非翻訳領域(907塩基長)の境界は
図中に示した。 第2図は、ヒトb−FGF受容体cDNAがコードするヒトb
−FGF受容体のアミノ酸配列をアミノ酸の3字による略
号で示した。仮定されるシグナルペプチドの位置、仮定
される成熟ヒトb−FGF受容体領域を図中に示し、また
仮定されるトランスメンブレンドメインは下線で示し
た。右端の番号で右端のアミノ酸の番号を示した。 第3図では、ヒトb−FGF受容体cDNAの制限酵素切断部
位を示した。数字は塩基の番号、コード領域はATGで始
まりと終止コドンTGAで示した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−506604(JP,A) Nucleic Acids Res earch,Vol.18,No.7 (1990)P.1906 Orcogene,Vol.3,N o.1(1988)P.9−15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のグループから選択されるポリペプチ
    ドをコードする組換えDNA塩基配列又はcDNA塩基配列を
    含むことを特徴とするヒトb−FGF受容体DNA。 (a)下記のアミノ酸配列より成るポリペプチド。 (b)(a)で示したアミノ酸配列より1番目のMetか
    ら20番目のThr付近までの20前後のアミノ酸で構成する
    シグナルペプチドを除去することにより成る成熟ポリペ
    プチド。 (c)(b)で示したアミノ酸配列の1番目のアミノ酸
    の直前にMetが付加されることにより成るポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】組換えDNA塩基配列が下記のDNA塩基配列I
    である特許請求の範囲第1項記載のヒトb−FGF受容体D
    NA。
  3. 【請求項3】cDNA塩基配列がDNA塩基配列Iの第229番目
    から第2421番目の配列である特許請求の範囲第1項記載
    のヒトb−FGF受容体DNA。
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