JP3038316B2 - トンネル用シート展張工法及びトンネル用シート - Google Patents
トンネル用シート展張工法及びトンネル用シートInfo
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- JP3038316B2 JP3038316B2 JP8303520A JP30352096A JP3038316B2 JP 3038316 B2 JP3038316 B2 JP 3038316B2 JP 8303520 A JP8303520 A JP 8303520A JP 30352096 A JP30352096 A JP 30352096A JP 3038316 B2 JP3038316 B2 JP 3038316B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル用シート
展張工法及びこの展張工法に用いるトンネル用シートに
関し、例えば、山や地中に構築したトンネル内に地山か
らの湧水が漏水するのを防止する防水シートの展張工
法、及びトンネル内壁を構成する二次覆工コンクリート
(打ち込みコンクリート)の硬化熱と乾燥収縮による歪
みが、すでに施工されている一次覆工コンクリート(吹
付けコンクリート)により拘束されるために発生すると
いわれている二次覆工コンクリートのひび割れを防止す
るために、一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリー
トとの間を縁切り(アイソレーション)するひび割れ防
止シートの展張工法及びこれに使用するトンネル用シー
トに関する。なお、以下において、「防水シート」およ
び「ひび割れ防止シート」を「トンネル用シート」と総
称する。
展張工法及びこの展張工法に用いるトンネル用シートに
関し、例えば、山や地中に構築したトンネル内に地山か
らの湧水が漏水するのを防止する防水シートの展張工
法、及びトンネル内壁を構成する二次覆工コンクリート
(打ち込みコンクリート)の硬化熱と乾燥収縮による歪
みが、すでに施工されている一次覆工コンクリート(吹
付けコンクリート)により拘束されるために発生すると
いわれている二次覆工コンクリートのひび割れを防止す
るために、一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリー
トとの間を縁切り(アイソレーション)するひび割れ防
止シートの展張工法及びこれに使用するトンネル用シー
トに関する。なお、以下において、「防水シート」およ
び「ひび割れ防止シート」を「トンネル用シート」と総
称する。
【0002】
【従来の技術】従来のトンネル用シート展張工法及びト
ンネル用シートとしては、図13に示すようなものがあ
る。従来は吹き付けコンクリートの表面にトンネル用シ
ートを施工する工程(一次)と覆工コンクリートを打設
する工程(二次)とは別工程となっている。
ンネル用シートとしては、図13に示すようなものがあ
る。従来は吹き付けコンクリートの表面にトンネル用シ
ートを施工する工程(一次)と覆工コンクリートを打設
する工程(二次)とは別工程となっている。
【0003】まず、一次工程では、図13に示すトンネ
ル1内の切羽H側の一次作業台(シート台車)2上でト
ンネル1の内壁面に形成された一次覆工コンクリート
(吹き付けコンクリート)内に打ち込まれたロックボル
トの露出部にロックボルトカバー3を取付けて内壁4を
ほぼ平滑化する。
ル1内の切羽H側の一次作業台(シート台車)2上でト
ンネル1の内壁面に形成された一次覆工コンクリート
(吹き付けコンクリート)内に打ち込まれたロックボル
トの露出部にロックボルトカバー3を取付けて内壁4を
ほぼ平滑化する。
【0004】次いで、トンネル用シート5を一次作業台
2に乗せ、トンネル用シート5をトンネルの内壁面の天
端から側端部まで図示していないピン等で所定のピッチ
で人手により固定する。
2に乗せ、トンネル用シート5をトンネルの内壁面の天
端から側端部まで図示していないピン等で所定のピッチ
で人手により固定する。
【0005】次いで、トンネル用シート5の幅方向(ト
ンネルの軸方向)の端部は既設のトンネル用シートと接
合して、さらに接合状態を確認する試験を行い、トンネ
ルの断面方向の下側の側端部は端末処理をする。この処
理が終了すると、一次作業台2を切羽E側に移動して、
次のトンネル用シート5の施工を繰り返す。
ンネルの軸方向)の端部は既設のトンネル用シートと接
合して、さらに接合状態を確認する試験を行い、トンネ
ルの断面方向の下側の側端部は端末処理をする。この処
理が終了すると、一次作業台2を切羽E側に移動して、
次のトンネル用シート5の施工を繰り返す。
【0006】二次工程では、二次作業台8の内側からコ
ンクリートをポンプ車等により型枠7のサイド検査窓と
天端注入口を通して型枠7とトンネル用シート5の間に
打設する。このように側部から天端までコンクリート9
の打設を行い終了する。
ンクリートをポンプ車等により型枠7のサイド検査窓と
天端注入口を通して型枠7とトンネル用シート5の間に
打設する。このように側部から天端までコンクリート9
の打設を行い終了する。
【0007】また、従来のトンネル内壁の施工方法およ
びその装置として、特公平5−4520号公報に示すよ
うなものもある。これは型枠とトンネル内壁の吹き付け
コンクリート(一次覆工コンクリート)との間に防水シ
ートを布設し、この防水シートと型枠の周縁部を気密裡
に塞いだ後に防水シートを空気圧によって吹き付けコン
クリートの表面に密着させ、その後型枠と防水シートと
の間にコンクリートを打設するものである。
びその装置として、特公平5−4520号公報に示すよ
うなものもある。これは型枠とトンネル内壁の吹き付け
コンクリート(一次覆工コンクリート)との間に防水シ
ートを布設し、この防水シートと型枠の周縁部を気密裡
に塞いだ後に防水シートを空気圧によって吹き付けコン
クリートの表面に密着させ、その後型枠と防水シートと
の間にコンクリートを打設するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の防水シート展張工法及び防水シートでは、ト
ンネル内で一次作業台2と二次作業台8の2つの作業台
が必要となり、またトンネル用シートも人手によってコ
ンクリートの内壁面にピン等で固定するので、防水シー
トの展張に時間が掛かるとともにコストも増加するとい
う問題点がある。
うな従来の防水シート展張工法及び防水シートでは、ト
ンネル内で一次作業台2と二次作業台8の2つの作業台
が必要となり、またトンネル用シートも人手によってコ
ンクリートの内壁面にピン等で固定するので、防水シー
トの展張に時間が掛かるとともにコストも増加するとい
う問題点がある。
【0009】また、特公平5−4520号記載の工法
は、型枠の長い周縁部と防水シートを気密裡に塞ぐ必要
があり、手間が掛かり、かつ難しい。さらにトンネル縦
断(軸)方向に長い型枠を用いる場合には、型枠を形成
するスライドフォームを多く並べて使用しなければなら
ず、このスライドフォーム間の気密性を保持するための
手段と、そのための作業が発生し、コストが増加すると
いう問題点がある。
は、型枠の長い周縁部と防水シートを気密裡に塞ぐ必要
があり、手間が掛かり、かつ難しい。さらにトンネル縦
断(軸)方向に長い型枠を用いる場合には、型枠を形成
するスライドフォームを多く並べて使用しなければなら
ず、このスライドフォーム間の気密性を保持するための
手段と、そのための作業が発生し、コストが増加すると
いう問題点がある。
【0010】そこで本件発明者らは、種々検討の結果、
トンネル用シートを施工する施工時間を大幅に短縮し、
施工を簡略化するとともに、コストを大幅に低減できる
工法及びこの工法に用いるトンネル用シートに関する本
発明を完成するに至った。
トンネル用シートを施工する施工時間を大幅に短縮し、
施工を簡略化するとともに、コストを大幅に低減できる
工法及びこの工法に用いるトンネル用シートに関する本
発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるトンネル
用シート展張工法は次のような構成となっている。トン
ネル用の空洞を掘削する。該空洞の内壁面に対向しかつ
該内壁面との間に適宜間隔をおいて、トンネル型枠と該
トンネル型枠を保持する枠台を配置する。前記型枠の表
面側に空気が未充填の複数のエアーチューブを配置す
る。前記型枠の外側で前記内壁面と前記未充填のエアー
チューブの間に前記内壁面を覆うトンネル用シートを展
張する。前記未充填のエアーチューブに空気を充填して
該トンネル用シートを該内壁面に圧接する。そして、前
記トンネル用シートと型枠表面の間の間隙にエアーチュ
ーブの空気を抜いて型枠内に取り込みながらコンクリー
トを打設する。
用シート展張工法は次のような構成となっている。トン
ネル用の空洞を掘削する。該空洞の内壁面に対向しかつ
該内壁面との間に適宜間隔をおいて、トンネル型枠と該
トンネル型枠を保持する枠台を配置する。前記型枠の表
面側に空気が未充填の複数のエアーチューブを配置す
る。前記型枠の外側で前記内壁面と前記未充填のエアー
チューブの間に前記内壁面を覆うトンネル用シートを展
張する。前記未充填のエアーチューブに空気を充填して
該トンネル用シートを該内壁面に圧接する。そして、前
記トンネル用シートと型枠表面の間の間隙にエアーチュ
ーブの空気を抜いて型枠内に取り込みながらコンクリー
トを打設する。
【0012】前記エアーチューブは前記型枠に形成され
た開口窓を通して型枠の表面側に配置され、かつコンク
リートの打設状況に従い抜気して型枠の下方部より型枠
の内側に取り込まれてもよい。
た開口窓を通して型枠の表面側に配置され、かつコンク
リートの打設状況に従い抜気して型枠の下方部より型枠
の内側に取り込まれてもよい。
【0013】前記トンネル用シートはめがね巻に形成さ
れ、該空洞の天端部から左右両側端部に展張されてもよ
い。前記めがね巻は中央部にたるみが形成されてもよ
い。
れ、該空洞の天端部から左右両側端部に展張されてもよ
い。前記めがね巻は中央部にたるみが形成されてもよ
い。
【0014】前記トンネル用シートは該空洞の断面方向
中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状に形成さ
れた袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつなぐ継ぎシ
ートからなる、袋体が形成され、コンクリートの打設中
に前記継ぎシートを切断してたるみを発生させてもよ
い。
中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状に形成さ
れた袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつなぐ継ぎシ
ートからなる、袋体が形成され、コンクリートの打設中
に前記継ぎシートを切断してたるみを発生させてもよ
い。
【0015】前記トンネル用シートは展張した状態にお
いてその前記縦断方向の端末部を既設のトンネル用シー
トに重合して止水部を形成させてもよい。
いてその前記縦断方向の端末部を既設のトンネル用シー
トに重合して止水部を形成させてもよい。
【0016】本発明にかかるトンネル用シートはトンネ
ル用シート展張工法に使用されるが、このトンネル用シ
ート展張工法についての説明は、段落番号[0011]
で述べてあるので、ここでは省略する。このトンネル用
シートは可撓性のポリマーシート層のみからなるか又は
可撓性のポリマーシート層と不織布層とからなってい
る。
ル用シート展張工法に使用されるが、このトンネル用シ
ート展張工法についての説明は、段落番号[0011]
で述べてあるので、ここでは省略する。このトンネル用
シートは可撓性のポリマーシート層のみからなるか又は
可撓性のポリマーシート層と不織布層とからなってい
る。
【0017】そして、該可撓性のポリマーシート層又は
該可撓性のポリマーシート層と該不織布層は、該空洞の
断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状
に形成された袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつな
ぐ継ぎシートからなる、袋体を備えている。
該可撓性のポリマーシート層と該不織布層は、該空洞の
断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状
に形成された袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつな
ぐ継ぎシートからなる、袋体を備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第一のトンネル用シート
展張工法は、トンネルの空洞の内壁面に対向してトンネ
ルの型枠を配置し、この型枠の表面側に空気が未充填の
複数のエアーチューブを配置し、空洞の内壁面と未充填
のエアーチューブとの間に内壁面を覆うトンネル用シー
トを展張しているので、未充填のエアーチューブに空気
を充填すると、エアーチューブは膨張して、トンネル用
シートが空洞の内壁面に圧接されて固定され、トンネル
用シートと型枠表面との間には間隙が形成される。この
間隙にエアーチューブを外しながらコンクリートが打設
される。
展張工法は、トンネルの空洞の内壁面に対向してトンネ
ルの型枠を配置し、この型枠の表面側に空気が未充填の
複数のエアーチューブを配置し、空洞の内壁面と未充填
のエアーチューブとの間に内壁面を覆うトンネル用シー
トを展張しているので、未充填のエアーチューブに空気
を充填すると、エアーチューブは膨張して、トンネル用
シートが空洞の内壁面に圧接されて固定され、トンネル
用シートと型枠表面との間には間隙が形成される。この
間隙にエアーチューブを外しながらコンクリートが打設
される。
【0019】また、本発明の第二では、未充填の複数の
エアーチューブは型枠に形成された開口窓を通して型枠
の表面側に配置されるので、未充填のエアーチューブに
空気を充填すると、エアーチューブは膨張してトンネル
用シートが空洞の内壁面に圧接されて固定され、トンネ
ル用シートと型枠の外表面との間に間隙ができる。この
間隙は空洞の断面方向または縦断方向に配置されたエア
ーチューブによりこの断面方向または縦断方向に区画さ
れて形成される。この区画された間隙にコンクリートが
打設されるに応じてエアーチューブ内の空気を放出し、
エアーチューブは開口窓を通して型枠の内側に取り込ま
れる。
エアーチューブは型枠に形成された開口窓を通して型枠
の表面側に配置されるので、未充填のエアーチューブに
空気を充填すると、エアーチューブは膨張してトンネル
用シートが空洞の内壁面に圧接されて固定され、トンネ
ル用シートと型枠の外表面との間に間隙ができる。この
間隙は空洞の断面方向または縦断方向に配置されたエア
ーチューブによりこの断面方向または縦断方向に区画さ
れて形成される。この区画された間隙にコンクリートが
打設されるに応じてエアーチューブ内の空気を放出し、
エアーチューブは開口窓を通して型枠の内側に取り込ま
れる。
【0020】また、本発明の第三は、トンネル用シート
がめがね巻に形成され、トンネルの空洞の天端部から左
右両側端部に展張されるので、トンネル用シートは空洞
の天端部から両側端部に左右同時にまたは左右交互に展
張され、展張は短時間になされる。
がめがね巻に形成され、トンネルの空洞の天端部から左
右両側端部に展張されるので、トンネル用シートは空洞
の天端部から両側端部に左右同時にまたは左右交互に展
張され、展張は短時間になされる。
【0021】また、本発明の第四は、トンネル用シート
が空洞の断面方向中央部にたるみのあるめがね巻に形成
されるので、トンネル用シートは中央部のたるみを残し
たまま天端部から左右両側端部まで展張される。そし
て、エアーチューブに空気が充填されるとき、両側部の
トンネル用シートは外方に移動するが、このとき、たる
みが伸びてトンネル用シートは断面方向左右に大きく引
張られることもなく、ほぼ放射方向に無理なく移動す
る。また、コンクリート打設時に生ずるコンクリートに
よるトンネル用シートの伸びも、このたるみが伸びるこ
とにより防止される。
が空洞の断面方向中央部にたるみのあるめがね巻に形成
されるので、トンネル用シートは中央部のたるみを残し
たまま天端部から左右両側端部まで展張される。そし
て、エアーチューブに空気が充填されるとき、両側部の
トンネル用シートは外方に移動するが、このとき、たる
みが伸びてトンネル用シートは断面方向左右に大きく引
張られることもなく、ほぼ放射方向に無理なく移動す
る。また、コンクリート打設時に生ずるコンクリートに
よるトンネル用シートの伸びも、このたるみが伸びるこ
とにより防止される。
【0022】また、本発明の第五は、トンネル用シート
が空洞の断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲
して袋状に形成された袋部と二つの屈曲部間をつなぐ継
ぎシートからなる、袋体が形成されているので、コンク
リートの打設中にトンネルの側部のトンネル用シートが
伸びようとするとき、側部の袋体の継ぎシートを切断し
て袋部をのばして、ゆたりをもたせることにより、トン
ネル用シートの伸びを防止する。さらに、空洞の中央部
でコンクリートの打設中に、中央部のトンネル用シート
が伸びようとするときは、中央部の袋体の継ぎシートを
切断して袋部をのばして、ゆとりをもたせることによ
り、中央部のトンネル用シートの伸びを防止する。この
場合、中央部の袋体を既記のたるみとすることもでき
る。
が空洞の断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲
して袋状に形成された袋部と二つの屈曲部間をつなぐ継
ぎシートからなる、袋体が形成されているので、コンク
リートの打設中にトンネルの側部のトンネル用シートが
伸びようとするとき、側部の袋体の継ぎシートを切断し
て袋部をのばして、ゆたりをもたせることにより、トン
ネル用シートの伸びを防止する。さらに、空洞の中央部
でコンクリートの打設中に、中央部のトンネル用シート
が伸びようとするときは、中央部の袋体の継ぎシートを
切断して袋部をのばして、ゆとりをもたせることによ
り、中央部のトンネル用シートの伸びを防止する。この
場合、中央部の袋体を既記のたるみとすることもでき
る。
【0023】また、本発明の第六は、トンネル用シート
が展張した状態においてその縦断方向の端末部を既設の
トンネル用シートに重合して止水部を形成させるので、
地山からの湧水は外側の既設のトンネル用シートから内
側のトンネル用シートの外側に流れ、さらに天端側から
側端部に流れる。
が展張した状態においてその縦断方向の端末部を既設の
トンネル用シートに重合して止水部を形成させるので、
地山からの湧水は外側の既設のトンネル用シートから内
側のトンネル用シートの外側に流れ、さらに天端側から
側端部に流れる。
【0024】この重合は、前記端末部を直接に、又は外
側に折り返して既設のトンネル用シートの洞心側の面に
熱溶着等で接合し、又は展張状態で既設と新設の両トン
ネル用シートの端末部を流水を遮断する方向に入れ違い
に喰い込ませて、なされる。後者の場合、必要なら両端
末部を熱溶着等で接合してもよい。トンネル用シートが
複合層の場合は端末部を各層に剥離した状態で互いに入
れ違いに喰い込ませて、重合する。
側に折り返して既設のトンネル用シートの洞心側の面に
熱溶着等で接合し、又は展張状態で既設と新設の両トン
ネル用シートの端末部を流水を遮断する方向に入れ違い
に喰い込ませて、なされる。後者の場合、必要なら両端
末部を熱溶着等で接合してもよい。トンネル用シートが
複合層の場合は端末部を各層に剥離した状態で互いに入
れ違いに喰い込ませて、重合する。
【0025】前記端末部が折り返されていると、湧水は
トンネル用シートの折り返し部で返されてトンネル用シ
ートから漏れることはない。
トンネル用シートの折り返し部で返されてトンネル用シ
ートから漏れることはない。
【0026】本発明にかかるトンネル用シートは既記の
トンネル用シート展張工法に用いられるもので、可撓性
のポリマーシート層のみからなるか又は可撓性のポリマ
ーシート層と不織布層とからなっている。
トンネル用シート展張工法に用いられるもので、可撓性
のポリマーシート層のみからなるか又は可撓性のポリマ
ーシート層と不織布層とからなっている。
【0027】トンネル用シートが可撓性のポリマーシー
ト層のみからなっている場合、湧水はその表面(外面)
を伝って流下する。また、トンネル用シートが可撓性の
ポリマーシート層と不織布層とからなる場合は、不織布
層が外側、すなわちトンネルの空洞の内壁面に対向する
ように展張する。このため、トンネルの空洞の内壁面側
からの湧水は、不織布層内を流通してポリマーシートに
達し、ポリマーシート層の外面に沿って流下する。
ト層のみからなっている場合、湧水はその表面(外面)
を伝って流下する。また、トンネル用シートが可撓性の
ポリマーシート層と不織布層とからなる場合は、不織布
層が外側、すなわちトンネルの空洞の内壁面に対向する
ように展張する。このため、トンネルの空洞の内壁面側
からの湧水は、不織布層内を流通してポリマーシートに
達し、ポリマーシート層の外面に沿って流下する。
【0028】また、該可撓性のポリマーシート層又は、
該可撓性のポリマーシート層と該不織布層に、該空洞の
断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状
に形成された袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつな
ぐ継ぎシートからなる、袋体を備えているので、コンク
リートの打設中にトンネルの側部のトンネル用シートが
伸びようとするとき、側部の袋体の継ぎシートを切断し
て袋部をのばして、ゆとりをもたせることにより、トン
ネル用シートの伸びを防止する。さらに、トンネルの中
央部でコンクリートの打設中に、中央部のトンネル用シ
ートが伸びようとするときは、中央部の袋体の継ぎシー
トを切断して袋部をのばして、ゆとりをもたせることに
より、中央部のトンネル用シートの伸びを防止する。
該可撓性のポリマーシート層と該不織布層に、該空洞の
断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋状
に形成された袋部と前記屈曲した二つの屈曲部間をつな
ぐ継ぎシートからなる、袋体を備えているので、コンク
リートの打設中にトンネルの側部のトンネル用シートが
伸びようとするとき、側部の袋体の継ぎシートを切断し
て袋部をのばして、ゆとりをもたせることにより、トン
ネル用シートの伸びを防止する。さらに、トンネルの中
央部でコンクリートの打設中に、中央部のトンネル用シ
ートが伸びようとするときは、中央部の袋体の継ぎシー
トを切断して袋部をのばして、ゆとりをもたせることに
より、中央部のトンネル用シートの伸びを防止する。
【0029】
【実施例】以下に本発明にかかるトンネル用シート展張
工法及びトンネル用シートの実施例を図を参照しつつ具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
工法及びトンネル用シートの実施例を図を参照しつつ具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0030】まず、本発明の第一実施例につき説明す
る。図1は本発明のトンネル用シートを適用するトンネ
ル用シート展張工法に用いる作業台車11の正面図で、
トンネル用シート19を展張する前の状態を示す図であ
る。図2はエアーチューブ14に空気を充填し、トンネ
ル用シート19を空洞15の内壁面15aに圧接した状
態を示す作業台車11の正面図でガイドレール13を取
外してある。図3は作業台車11の縦断面図である。図
4はトンネル用シート展張工法の一過程を示す斜視図で
ある。
る。図1は本発明のトンネル用シートを適用するトンネ
ル用シート展張工法に用いる作業台車11の正面図で、
トンネル用シート19を展張する前の状態を示す図であ
る。図2はエアーチューブ14に空気を充填し、トンネ
ル用シート19を空洞15の内壁面15aに圧接した状
態を示す作業台車11の正面図でガイドレール13を取
外してある。図3は作業台車11の縦断面図である。図
4はトンネル用シート展張工法の一過程を示す斜視図で
ある。
【0031】なお、本発明のトンネル用シートを適用す
るトンネル用シート展張工法において、図3に示すよう
に、トンネルの空洞15の内壁面15aは、この内壁面
15aに吹き付けコンクリートによる一次覆工コンクリ
ート16が施工されている場合は、この一次覆工コンク
リート16の内面16aにトンネル用シート19の展張
と覆工コンクリート17Aを打設する工法となる。
るトンネル用シート展張工法において、図3に示すよう
に、トンネルの空洞15の内壁面15aは、この内壁面
15aに吹き付けコンクリートによる一次覆工コンクリ
ート16が施工されている場合は、この一次覆工コンク
リート16の内面16aにトンネル用シート19の展張
と覆工コンクリート17Aを打設する工法となる。
【0032】まず、このトンネル用シート展張工法に用
いる装置につき説明する。図1〜4において、トンネル
用の掘削された空洞15の内側には、作業台車11が設
けられている。作業台車11はトンネル用シート19の
展張作業及びコンクリートの打設作業ができるとともに
空洞15内の床面のレール25上を移動できるようにな
っている。作業台車11は、コンクリートの型枠31を
支持する支持部18a及び支持部18aの下側のアーチ
状骨格部18bを形成する枠台18と、枠台18の縦断
方向両端部にそれぞれ取り付けられたアーチ型の2本の
ガイドレール13と、ガイドレール13にそれぞれ2台
ずつ取り付けられトンネル用シート19を左右に展張す
る2セットの自走式展張機12から構成されている。
いる装置につき説明する。図1〜4において、トンネル
用の掘削された空洞15の内側には、作業台車11が設
けられている。作業台車11はトンネル用シート19の
展張作業及びコンクリートの打設作業ができるとともに
空洞15内の床面のレール25上を移動できるようにな
っている。作業台車11は、コンクリートの型枠31を
支持する支持部18a及び支持部18aの下側のアーチ
状骨格部18bを形成する枠台18と、枠台18の縦断
方向両端部にそれぞれ取り付けられたアーチ型の2本の
ガイドレール13と、ガイドレール13にそれぞれ2台
ずつ取り付けられトンネル用シート19を左右に展張す
る2セットの自走式展張機12から構成されている。
【0033】作業台車11はトンネルの空洞15の縦断
(トンネル軸)方向に所定の長さ寸法(コンクリートの
1打設長で普通は10〜15mの長さを持つ)を有し、
長尺(長さ約10〜15m)のトンネル用シート19を
展張できるようになされている。また、枠台18のアー
チ状の骨格部18bはアーチ型のフレーム21と、フレ
ーム21を支える縦断方向の4本の上下の梁22a、2
2bと、下梁22aの下側を支持する足柱23とからな
り、足柱23の下側には車輪24が取り付けられてい
る。
(トンネル軸)方向に所定の長さ寸法(コンクリートの
1打設長で普通は10〜15mの長さを持つ)を有し、
長尺(長さ約10〜15m)のトンネル用シート19を
展張できるようになされている。また、枠台18のアー
チ状の骨格部18bはアーチ型のフレーム21と、フレ
ーム21を支える縦断方向の4本の上下の梁22a、2
2bと、下梁22aの下側を支持する足柱23とからな
り、足柱23の下側には車輪24が取り付けられてい
る。
【0034】ガイドレール13は、その上部を枠台18
の支持部18bを構成する縦断方向の長梁22cの端部
から縦断方向にL字状に突出して形成された支持梁28
に支持されかつその側部をヒンジで回動自在な支持棒2
7により支持されて、昇降ジャッキ29により上下に移
動可能である。
の支持部18bを構成する縦断方向の長梁22cの端部
から縦断方向にL字状に突出して形成された支持梁28
に支持されかつその側部をヒンジで回動自在な支持棒2
7により支持されて、昇降ジャッキ29により上下に移
動可能である。
【0035】展張機12は、図5及び図6に示すような
構成である。基板51の一面から直立する取付板52に
自転モーター53を、その出力軸54及びその先端のカ
ップラー55が水平になるように、取付ける。このカッ
プラー55は後記のトンネル用シート19の軸芯20と
ピン56によって結合可能となっている。この基板51
の他面に走行モーター30を、その出力軸57が水平に
なるように取付け、この出力軸57に鎖車58を取付け
る。この基板51の他面にはダブルウェブ型のH字状鋼
をそのウェブ13aと平行の面上で湾曲させたガイドレ
ール13の外側のリップ13bの外面に転接自在にフラ
ンジ59付きの一対の走行ローラー60を支持板61に
軸支する。そして、鎖車58を内側のリップ13cの外
面に沿設した鎖帯62に係合させと共にリップ13bの
内面にウェブ13aを挟んで両側で各一対の浮き上がり
防止ローラー63を転設自在に軸支する。
構成である。基板51の一面から直立する取付板52に
自転モーター53を、その出力軸54及びその先端のカ
ップラー55が水平になるように、取付ける。このカッ
プラー55は後記のトンネル用シート19の軸芯20と
ピン56によって結合可能となっている。この基板51
の他面に走行モーター30を、その出力軸57が水平に
なるように取付け、この出力軸57に鎖車58を取付け
る。この基板51の他面にはダブルウェブ型のH字状鋼
をそのウェブ13aと平行の面上で湾曲させたガイドレ
ール13の外側のリップ13bの外面に転接自在にフラ
ンジ59付きの一対の走行ローラー60を支持板61に
軸支する。そして、鎖車58を内側のリップ13cの外
面に沿設した鎖帯62に係合させと共にリップ13bの
内面にウェブ13aを挟んで両側で各一対の浮き上がり
防止ローラー63を転設自在に軸支する。
【0036】そして、枠台18の縦断方向両端部に位置
して相対向する各一対の展張機12は、図1に示すよう
に、枠台18の一側端部Bに移動させられる。そして、
図8に示すようにトンネル用シート19を2本の軸芯2
0にいわゆるめがね巻して、図1の想像線で示すように
共に両軸芯20の相対位置を枠板Lで規制されてこの一
側端部Bに仮置されているトンネル用シート19の枠板
Lをチェーンブロック40等でつり上げ、その軸芯20
の各端部をそれぞれの展張機12のカップラー55に取
り付ける。
して相対向する各一対の展張機12は、図1に示すよう
に、枠台18の一側端部Bに移動させられる。そして、
図8に示すようにトンネル用シート19を2本の軸芯2
0にいわゆるめがね巻して、図1の想像線で示すように
共に両軸芯20の相対位置を枠板Lで規制されてこの一
側端部Bに仮置されているトンネル用シート19の枠板
Lをチェーンブロック40等でつり上げ、その軸芯20
の各端部をそれぞれの展張機12のカップラー55に取
り付ける。
【0037】相対向する各一対の展張機12は、各走行
モーター30を駆動することにより、軸芯20と共にガ
イドレール13に沿ってその天端部Cへ移動する。自転
モーター53をトンネル用シート19が弛む方向へ駆動
させ、同一ガイドレール13上の両展張機12の走行モ
ーター30を両展張機12が反対方向へ移動するように
駆動すれば、展張機12は天端部Cから左右両側にそれ
ぞれ所定の速度で左右同時にまたは左右別々に各側端部
Bまでガイドレール13に沿って移動し、トンネル用シ
ート19が内壁面15aを覆うように展張する。
モーター30を駆動することにより、軸芯20と共にガ
イドレール13に沿ってその天端部Cへ移動する。自転
モーター53をトンネル用シート19が弛む方向へ駆動
させ、同一ガイドレール13上の両展張機12の走行モ
ーター30を両展張機12が反対方向へ移動するように
駆動すれば、展張機12は天端部Cから左右両側にそれ
ぞれ所定の速度で左右同時にまたは左右別々に各側端部
Bまでガイドレール13に沿って移動し、トンネル用シ
ート19が内壁面15aを覆うように展張する。
【0038】図2において、31はコンクリート打設用
の型枠であり、型枠31は空洞15の内壁面15aに対
向し、枠台18の外周部に配置されている。そして、型
枠31は、クラウンフォーム31a、サイドフォーム3
1b及びインバートフォーム31cから構成され、枠台
18とほぼ同じ長さで1打設長分だけ8個並列に配置さ
れている(図4も参照)。また、クラウンフォーム31
a及びサイドフォーム31bはコンクリートの打設位置
から所定の距離だけ内側に移動できるようになってい
る。
の型枠であり、型枠31は空洞15の内壁面15aに対
向し、枠台18の外周部に配置されている。そして、型
枠31は、クラウンフォーム31a、サイドフォーム3
1b及びインバートフォーム31cから構成され、枠台
18とほぼ同じ長さで1打設長分だけ8個並列に配置さ
れている(図4も参照)。また、クラウンフォーム31
a及びサイドフォーム31bはコンクリートの打設位置
から所定の距離だけ内側に移動できるようになってい
る。
【0039】また、サイドフォーム31bの下端部のイ
ンバートフォーム31cは内側に屈曲できるようになっ
ている。
ンバートフォーム31cは内側に屈曲できるようになっ
ている。
【0040】型枠31には、検査窓ともなる開口窓32
が空洞15の断面方向に天端の1個を含め9個、かつ縦
断方向に1.5m間隔に設けられている。開口窓32は
ここを通してコンクリートの打設ができ、かつ打設した
コンクリートの立ち上がりが見られるようになってい
る。
が空洞15の断面方向に天端の1個を含め9個、かつ縦
断方向に1.5m間隔に設けられている。開口窓32は
ここを通してコンクリートの打設ができ、かつ打設した
コンクリートの立ち上がりが見られるようになってい
る。
【0041】エアーチューブ14は、図10に示すよう
に、例えばポリウレタン、ポリエチレンまたはゴム等か
らなり、可撓性を有し、ゴムホース33、バルブ34を
介してカプラー35に連結されている。カプラー35は
ソケット35Aとプラグ35Bとからなり着脱可能であ
る。プラグ35Bをソケット35Aに装着することによ
り、エアーチューブ14は外部の空気ポンプ(図示せ
ず)に連結され、バルブ34の開閉によりエアーチュー
ブ14内に空気を充填し、またそれから空気を放出でき
る。エアーチューブ14は空気の充填時には大きな支持
力を有し、空気の放出時には可撓性があり、開口窓32
からの挿入、取り込みができる。
に、例えばポリウレタン、ポリエチレンまたはゴム等か
らなり、可撓性を有し、ゴムホース33、バルブ34を
介してカプラー35に連結されている。カプラー35は
ソケット35Aとプラグ35Bとからなり着脱可能であ
る。プラグ35Bをソケット35Aに装着することによ
り、エアーチューブ14は外部の空気ポンプ(図示せ
ず)に連結され、バルブ34の開閉によりエアーチュー
ブ14内に空気を充填し、またそれから空気を放出でき
る。エアーチューブ14は空気の充填時には大きな支持
力を有し、空気の放出時には可撓性があり、開口窓32
からの挿入、取り込みができる。
【0042】本発明の一例であるトンネル用シート19
は、通常、図8に示すように、トンネル軸方向の長さは
コンクリートの1打設長を超えた長さを有し、かつ、空
洞15の断面方向の周長以上を有しており、好ましくは
その少なくとも半周長ずつが2本の軸芯20にいわゆる
めがね巻に巻かれている。また、トンネル用シート19
は、断面方向中央部に、たるみ19aが設けられためが
ね巻であってもよい。
は、通常、図8に示すように、トンネル軸方向の長さは
コンクリートの1打設長を超えた長さを有し、かつ、空
洞15の断面方向の周長以上を有しており、好ましくは
その少なくとも半周長ずつが2本の軸芯20にいわゆる
めがね巻に巻かれている。また、トンネル用シート19
は、断面方向中央部に、たるみ19aが設けられためが
ね巻であってもよい。
【0043】さらに、本発明のトンネル用シート19
は、図9に示すように空洞15の断面方向中央部及び側
部に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部46
aとこの屈曲して互いに離隔した二つの屈曲部46bに
それぞれ溶着して両屈曲部間に架着された継ぎシート4
7とからなる、袋体48を有するものでもよい。
は、図9に示すように空洞15の断面方向中央部及び側
部に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部46
aとこの屈曲して互いに離隔した二つの屈曲部46bに
それぞれ溶着して両屈曲部間に架着された継ぎシート4
7とからなる、袋体48を有するものでもよい。
【0044】本発明の一例であるトンネル用シート19
のうち、防水シートは図12(a)に示すように、可撓
性のポリマーシート層であるエチレンビニルアセテー
ト、エチレン−プロピレン共重合体、軟質塩化ビニール
樹脂等からなる内側のシート層19Aとポリマーシート
層の外側に配置されることとなるポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリアミド等の不織布層19Bとの2層から
なり、内側のポリマーシート層19Aは可撓性の樹脂膜
で止水性に優れ、外側の不織布層は立体網目構造を形成
して水の透過性および排水機能に優れ、2層で耐圧、耐
衝撃、柔軟性に富んだ防水構造を構成している。
のうち、防水シートは図12(a)に示すように、可撓
性のポリマーシート層であるエチレンビニルアセテー
ト、エチレン−プロピレン共重合体、軟質塩化ビニール
樹脂等からなる内側のシート層19Aとポリマーシート
層の外側に配置されることとなるポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリアミド等の不織布層19Bとの2層から
なり、内側のポリマーシート層19Aは可撓性の樹脂膜
で止水性に優れ、外側の不織布層は立体網目構造を形成
して水の透過性および排水機能に優れ、2層で耐圧、耐
衝撃、柔軟性に富んだ防水構造を構成している。
【0045】また、トンネル用シート19のうち、ひび
割れ防止シートは、図12(a)の防水シートにおい
て、不織布層19Bを有しないでシート層19Aのみか
らなるシートに相当する。
割れ防止シートは、図12(a)の防水シートにおい
て、不織布層19Bを有しないでシート層19Aのみか
らなるシートに相当する。
【0046】次に、これらの装置を用いた本発明のトン
ネル用シートが適用される展張工法につき説明する。
ネル用シートが適用される展張工法につき説明する。
【0047】まず、図1、2に示すように、トンネルの
空洞15を掘削し、空洞15の内壁面15aには前工程
で吹き付けコンクリートである一次覆工コンクリート1
6が全周にわたって施工されている。次いで、図3に示
すように、覆工コンクリート17Aの打設が終了した端
部位置D(図3に示す)の切羽H側で、図1に示す作業
台車11の位置Bに、一対の軸芯20にシートをめがね
巻きしかつ軸芯20同志の相対位置を枠板Lで規制した
トンネル用シート19が仮置台B′上に仮置される。
空洞15を掘削し、空洞15の内壁面15aには前工程
で吹き付けコンクリートである一次覆工コンクリート1
6が全周にわたって施工されている。次いで、図3に示
すように、覆工コンクリート17Aの打設が終了した端
部位置D(図3に示す)の切羽H側で、図1に示す作業
台車11の位置Bに、一対の軸芯20にシートをめがね
巻きしかつ軸芯20同志の相対位置を枠板Lで規制した
トンネル用シート19が仮置台B′上に仮置される。
【0048】次いで、作業台車11は覆工コンクリート
17Aの打設の終了した図3に示す位置Dに連結するよ
うレール25上を移動する。作業台車11の枠台18が
保持する型枠31は、空洞15の内壁面15aに対向
し、覆工コンクリート17Aの厚さに対応して適宜間隔
を有するように配置され、通常は内側の展張位置に配置
されている。この型枠31の表面に剥離材が塗布され
る。
17Aの打設の終了した図3に示す位置Dに連結するよ
うレール25上を移動する。作業台車11の枠台18が
保持する型枠31は、空洞15の内壁面15aに対向
し、覆工コンクリート17Aの厚さに対応して適宜間隔
を有するように配置され、通常は内側の展張位置に配置
されている。この型枠31の表面に剥離材が塗布され
る。
【0049】次いで、型枠31の所定の位置の開口窓3
2を開け、型枠31の表面側に空気が未充填のエアーチ
ューブ14を図4に示すように空洞15の断面方向(ま
たは縦断方向)に天端部Cから側端部Bまで左右各4個
ずつ位置D(図3も参照)から4列または8列配置す
る。エアーチューブ14の端部は必要に応じ型枠31に
固定する。
2を開け、型枠31の表面側に空気が未充填のエアーチ
ューブ14を図4に示すように空洞15の断面方向(ま
たは縦断方向)に天端部Cから側端部Bまで左右各4個
ずつ位置D(図3も参照)から4列または8列配置す
る。エアーチューブ14の端部は必要に応じ型枠31に
固定する。
【0050】次いで、枠台18の縦断方向両端部に位置
して相対向する一対のガイドレール13にそれぞれ架設
されて相対向する各一対の展張機12をトンネル用シー
ト19の仮置台B′まで移動する。そして仮置きしてあ
るめがね巻きしたトンネル用シート19の軸芯20相互
を位置規制している枠板Lに、図1に示すように、チェ
ーンブロック40を付けて吊り上げ、その軸芯20の各
端部を各展張機12のカップラー55に取付ける。ここ
で、枠板Lを外して展張機12をトンネル用シート19
と共に走行モーター30により天端部Cに移動させる。
して相対向する一対のガイドレール13にそれぞれ架設
されて相対向する各一対の展張機12をトンネル用シー
ト19の仮置台B′まで移動する。そして仮置きしてあ
るめがね巻きしたトンネル用シート19の軸芯20相互
を位置規制している枠板Lに、図1に示すように、チェ
ーンブロック40を付けて吊り上げ、その軸芯20の各
端部を各展張機12のカップラー55に取付ける。ここ
で、枠板Lを外して展張機12をトンネル用シート19
と共に走行モーター30により天端部Cに移動させる。
【0051】天端部Cでは、まず、走行モーター30を
固定したまま一対の自転モーター53のみを図8(a)
の矢印方向Eに駆動し、図8(b)に示すようにトンネ
ル用シート19の中央部にたるみ19aをつくる。
固定したまま一対の自転モーター53のみを図8(a)
の矢印方向Eに駆動し、図8(b)に示すようにトンネ
ル用シート19の中央部にたるみ19aをつくる。
【0052】次いで、展張機12の走行モーター30を
図8(a)に示すように断面方向左右同時に矢印方向F
に駆動するとともに自転モーター53を矢印方向Eに自
転させる。鎖車58が回転するので鎖帯62により展張
機12はガイドレール13に沿って移動し、トンネル用
シート19は天端部Cから側端部Bまで、型枠31上の
未充填のエアーチューブ14の地山側に左右同時に展張
し内壁面15aを覆うように配置される。このとき、ト
ンネル用シート19は左右片方ずつ展張させてもよいこ
とは勿論である。
図8(a)に示すように断面方向左右同時に矢印方向F
に駆動するとともに自転モーター53を矢印方向Eに自
転させる。鎖車58が回転するので鎖帯62により展張
機12はガイドレール13に沿って移動し、トンネル用
シート19は天端部Cから側端部Bまで、型枠31上の
未充填のエアーチューブ14の地山側に左右同時に展張
し内壁面15aを覆うように配置される。このとき、ト
ンネル用シート19は左右片方ずつ展張させてもよいこ
とは勿論である。
【0053】トンネル用シート19はめがね巻状に形成
されているので、展張機12により左右同時に迅速に短
時間に型枠31の表面上に展張できる。型枠31の下端
では自転モーター53をさらに僅かに同方向に自転して
トンネル用シート19を緩ませる。次いで、ガイドレー
ル13は枠台18の内側に移動する。
されているので、展張機12により左右同時に迅速に短
時間に型枠31の表面上に展張できる。型枠31の下端
では自転モーター53をさらに僅かに同方向に自転して
トンネル用シート19を緩ませる。次いで、ガイドレー
ル13は枠台18の内側に移動する。
【0054】次いで、型枠31を展張位置からコンクリ
ート打設位置(図1に示すコンクリート仕上がり線G)
まで移動し、クラウンフォーム31a及びサイドフォー
ム31bを所定の位置に取り付ける。インバートフォー
ム31cは内側に屈曲させたままで、展張機12のカッ
プラー55から軸芯20を取外して床面上に降ろし、回
収する。
ート打設位置(図1に示すコンクリート仕上がり線G)
まで移動し、クラウンフォーム31a及びサイドフォー
ム31bを所定の位置に取り付ける。インバートフォー
ム31cは内側に屈曲させたままで、展張機12のカッ
プラー55から軸芯20を取外して床面上に降ろし、回
収する。
【0055】次いで、未充填のエアーチューブ14のソ
ケット35aとプラグ35bを締結し、天端部Cのエア
ーチューブ14から側端部Bのエアーチューブ14に順
次空気を入れる。トンネル用シート19は空洞15の横
断面上でほぼ放射方向外方へ移動し、空洞15の内壁面
15aに圧接する。
ケット35aとプラグ35bを締結し、天端部Cのエア
ーチューブ14から側端部Bのエアーチューブ14に順
次空気を入れる。トンネル用シート19は空洞15の横
断面上でほぼ放射方向外方へ移動し、空洞15の内壁面
15aに圧接する。
【0056】このときトンネル用シート19の中央部に
たるみ19aが形成されているので、トンネル用シート
19は断面方向にずれることなく無理なく放射方向に移
動できる。
たるみ19aが形成されているので、トンネル用シート
19は断面方向にずれることなく無理なく放射方向に移
動できる。
【0057】トンネル用シート19と型枠31の表面と
の間には、図2、4に示すようなエアーチューブ14に
より区画された所定寸法の厚さ(すなわち打設すべき覆
工コンクリートの厚さ)を有する断面方向の間隙41
(図2、3)が形成される。
の間には、図2、4に示すようなエアーチューブ14に
より区画された所定寸法の厚さ(すなわち打設すべき覆
工コンクリートの厚さ)を有する断面方向の間隙41
(図2、3)が形成される。
【0058】型枠31の天端部Cには、中央の断面方向
左右両側に、図11に示すように、トンネル用シート1
9を下から支持するスパッド42をクラウンフォーム3
1aの内側から取り付けてトンネル用シート19の垂れ
を防ぐ。
左右両側に、図11に示すように、トンネル用シート1
9を下から支持するスパッド42をクラウンフォーム3
1aの内側から取り付けてトンネル用シート19の垂れ
を防ぐ。
【0059】本発明のトンネル用シートが可撓性ポリマ
ーシート層と不織布層からなる防水シートである場合を
例にして説明すると、トンネル用シート19の縦断方向
の端末部19′は、既設のトンネル用シート19と熱溶
着等で接合するか、または図12(a)に示すように、
トンネル用シート19の端末部を外側におり返し、既設
のトンネル用シート19の内側(天端部では下側)に重
ねるように配置する。このとき、トンネル用シート19
の端末部を外側におり曲げて丸みができるように、おり
曲げて返してもよい。また流水方向(矢印)により図1
2(b)または図12(c)に示すように、トンネル用
シート19の両端末部19′のシート層19Aと不織布
層19Bをそれぞれ剥離させ、交互に重合してもよい。
次いでインバートフォーム31cを所定の位置に取り付
け、妻金具をセットする。
ーシート層と不織布層からなる防水シートである場合を
例にして説明すると、トンネル用シート19の縦断方向
の端末部19′は、既設のトンネル用シート19と熱溶
着等で接合するか、または図12(a)に示すように、
トンネル用シート19の端末部を外側におり返し、既設
のトンネル用シート19の内側(天端部では下側)に重
ねるように配置する。このとき、トンネル用シート19
の端末部を外側におり曲げて丸みができるように、おり
曲げて返してもよい。また流水方向(矢印)により図1
2(b)または図12(c)に示すように、トンネル用
シート19の両端末部19′のシート層19Aと不織布
層19Bをそれぞれ剥離させ、交互に重合してもよい。
次いでインバートフォーム31cを所定の位置に取り付
け、妻金具をセットする。
【0060】例えば、トンネル用シート19の縦断方向
の端末部19′が外側におり返され、既設のトンネル用
シート19の内側に重ねるように配置されている場合
は、地山からの湧水は外側の既設のトンネル用シート1
9から内側トンネル用シート19の外側の立体網目構造
部の不織布層19Bを通って天端側から側端部Bに流
れ、トンネルの排水溝に流れる。
の端末部19′が外側におり返され、既設のトンネル用
シート19の内側に重ねるように配置されている場合
は、地山からの湧水は外側の既設のトンネル用シート1
9から内側トンネル用シート19の外側の立体網目構造
部の不織布層19Bを通って天端側から側端部Bに流
れ、トンネルの排水溝に流れる。
【0061】また前記端末部19′がおり返され、また
は折り曲げ返されているので、湧水はトンネル用シート
19のおり返し部で返され、漏れることはない。図12
(b)及び(c)の場合も、湧水はシート19Aの積層
部分でシールされるので、漏れることはない。
は折り曲げ返されているので、湧水はトンネル用シート
19のおり返し部で返され、漏れることはない。図12
(b)及び(c)の場合も、湧水はシート19Aの積層
部分でシールされるので、漏れることはない。
【0062】作業台車11の内側に生コンクリートのラ
インを導入し、型枠31下部の開口窓32から間隙41
内に生コンクリートを注入する。コンクリートの立ち上
がりに応じてエアーチューブ14内の空気を抜いてエア
ーチューブ14を開口窓32から型枠内に取り込む。
インを導入し、型枠31下部の開口窓32から間隙41
内に生コンクリートを注入する。コンクリートの立ち上
がりに応じてエアーチューブ14内の空気を抜いてエア
ーチューブ14を開口窓32から型枠内に取り込む。
【0063】エアーチューブ14は天端部Cまですべて
取り込んでも、スパッド42が取り付けてあるので、ト
ンネル用シート19は内壁面15aに固定され、垂れる
ことはなく、コンクリートの注入が容易である。コンク
リート注入後はスパッド42は取り除かれる。コンクリ
ートの注入は、立ち上がりに縦断方向で差異が少ないよ
うに打設する。
取り込んでも、スパッド42が取り付けてあるので、ト
ンネル用シート19は内壁面15aに固定され、垂れる
ことはなく、コンクリートの注入が容易である。コンク
リート注入後はスパッド42は取り除かれる。コンクリ
ートの注入は、立ち上がりに縦断方向で差異が少ないよ
うに打設する。
【0064】エアーチューブ14を開口窓32を通して
型枠31の表面に断面方向または縦断方向に配置し、空
気を充填することのみにより、トンネル用シート19を
迅速に内壁面15aに圧接して、コンクリートの打設の
ための間隙41の形成が極めて迅速にできる。次いで、
コンクリートの打設に応じてエアーチューブ14は空気
を抜いて型枠31内に取り込む。すなわち、トンネル用
シート19の内壁面15aへの固定が極めて迅速にで
き、コストを大幅に低減でき、かつ施工時間が大幅に短
縮化できる。
型枠31の表面に断面方向または縦断方向に配置し、空
気を充填することのみにより、トンネル用シート19を
迅速に内壁面15aに圧接して、コンクリートの打設の
ための間隙41の形成が極めて迅速にできる。次いで、
コンクリートの打設に応じてエアーチューブ14は空気
を抜いて型枠31内に取り込む。すなわち、トンネル用
シート19の内壁面15aへの固定が極めて迅速にで
き、コストを大幅に低減でき、かつ施工時間が大幅に短
縮化できる。
【0065】上記の第一実施例では、トンネル用シート
19にたるみのあるめがね巻のものを用いたが、図9に
示すように、袋体48を有する第二実施例のものであっ
てもよい。
19にたるみのあるめがね巻のものを用いたが、図9に
示すように、袋体48を有する第二実施例のものであっ
てもよい。
【0066】この第二実施例の場合には、トンネル用シ
ート19が空洞15の断面方向中央部及び/または側部
に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部46a
と、二つの屈曲部46b間をつなぐ継ぎシート47から
なる袋体48が形成されているので、生コンクリートの
打設中に空洞15の側部のトンネル用シート19が伸び
ようとするとき、側部の袋体48の継ぎシート47を切
断して袋部46aをのばして、ゆとりをもたせることに
より、トンネル用シート19の伸びを防止することがで
きる。
ート19が空洞15の断面方向中央部及び/または側部
に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部46a
と、二つの屈曲部46b間をつなぐ継ぎシート47から
なる袋体48が形成されているので、生コンクリートの
打設中に空洞15の側部のトンネル用シート19が伸び
ようとするとき、側部の袋体48の継ぎシート47を切
断して袋部46aをのばして、ゆとりをもたせることに
より、トンネル用シート19の伸びを防止することがで
きる。
【0067】さらに、空洞15の中央部で生コンクリー
トの打設中に、中央部のトンネル用シート45が伸びよ
うとするときは、中央部の袋体48の継ぎシート47を
切断して袋部46aをのばして、ゆとりをもたせること
により、中央部のトンネル用シート45の伸びを防止す
ることができる。上記以外は第一実施例と同じである。
トの打設中に、中央部のトンネル用シート45が伸びよ
うとするときは、中央部の袋体48の継ぎシート47を
切断して袋部46aをのばして、ゆとりをもたせること
により、中央部のトンネル用シート45の伸びを防止す
ることができる。上記以外は第一実施例と同じである。
【0068】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のトンネ
ル用シート展張工法によれば、トンネル用の空洞の内壁
面に対向する型枠の表面に、空気が未充填のエアーチュ
ーブを配置し、空洞の内壁面とエアーチューブとの間に
トンネル用シートを展張機により迅速に展張し、エアー
チューブに空気を充填して膨張させ、トンネル用シート
を空洞の内壁面に圧接固定してコンクリート打設のため
の間隙を形成するので、従来の人手によるピン等による
固定が不要となり、コンクリートを打設する間隙の形成
までの施工時間が大幅に短縮でき、簡略化できかつコス
トの低減ができる。
ル用シート展張工法によれば、トンネル用の空洞の内壁
面に対向する型枠の表面に、空気が未充填のエアーチュ
ーブを配置し、空洞の内壁面とエアーチューブとの間に
トンネル用シートを展張機により迅速に展張し、エアー
チューブに空気を充填して膨張させ、トンネル用シート
を空洞の内壁面に圧接固定してコンクリート打設のため
の間隙を形成するので、従来の人手によるピン等による
固定が不要となり、コンクリートを打設する間隙の形成
までの施工時間が大幅に短縮でき、簡略化できかつコス
トの低減ができる。
【0069】また、本発明の第二によれば、エアーチュ
ーブが開口窓を通して型枠の表面に断面方向に配置さ
れ、空気を充填することのみにより、トンネル用シート
を内壁面に圧接して固定するので、トンネル用シートの
内壁面への固定が極めて迅速にでき、コンクリートの打
設のための間隙が迅速にでき、またコンクリートの打設
とともにエアーチューブを型枠内に取り込むので、施工
時間が大幅に短縮化できる。
ーブが開口窓を通して型枠の表面に断面方向に配置さ
れ、空気を充填することのみにより、トンネル用シート
を内壁面に圧接して固定するので、トンネル用シートの
内壁面への固定が極めて迅速にでき、コンクリートの打
設のための間隙が迅速にでき、またコンクリートの打設
とともにエアーチューブを型枠内に取り込むので、施工
時間が大幅に短縮化できる。
【0070】また、本発明の第三によれば、トンネル用
シートはめがね巻に形成されているので、展張機により
左右同時に迅速に短時間に型枠表面上に展張できる。
シートはめがね巻に形成されているので、展張機により
左右同時に迅速に短時間に型枠表面上に展張できる。
【0071】また、本発明の第四によれば、トンネル用
シートの中央部にたるみが形成されているので、トンネ
ル用シートは断面方向にずれることなく無理なく放射方
向に移動できる。
シートの中央部にたるみが形成されているので、トンネ
ル用シートは断面方向にずれることなく無理なく放射方
向に移動できる。
【0072】また、本発明の第五によれば、トンネル用
シートがトンネルの断面方向中央部及び/または側部
に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部と、二
つの屈曲部間をつなぐ継ぎシートからなる袋体が形成さ
れているので、コンクリートの打設中にトンネルの側部
のトンネル用シートが伸びようとするとき、側部の袋体
の継ぎシートを切断して袋部をのばして、ゆとりをもた
せることにより、トンネル用シートの伸びを防止するこ
とができる。
シートがトンネルの断面方向中央部及び/または側部
に、自身が外方に屈曲して袋状に形成された袋部と、二
つの屈曲部間をつなぐ継ぎシートからなる袋体が形成さ
れているので、コンクリートの打設中にトンネルの側部
のトンネル用シートが伸びようとするとき、側部の袋体
の継ぎシートを切断して袋部をのばして、ゆとりをもた
せることにより、トンネル用シートの伸びを防止するこ
とができる。
【0073】さらに、トンネルの中央部で生コンクリー
トの打設中に、中央部のトンネル用シートが伸びようと
するときは、中央部の袋体の継ぎシートを切断して袋部
をのばして、ゆとりをもたせることにより、中央部のト
ンネル用シートの伸びを防止することができる。
トの打設中に、中央部のトンネル用シートが伸びようと
するときは、中央部の袋体の継ぎシートを切断して袋部
をのばして、ゆとりをもたせることにより、中央部のト
ンネル用シートの伸びを防止することができる。
【0074】また、本発明の第六によれば、トンネル用
シートが縦断方向の端末部を外側におり返して、既設の
トンネル用シートの内側に重ねるように配置されている
ので、地山からの湧水はトンネル内に漏水することなく
外側の既設のトンネル用シートから内側のトンネル用シ
ート上を天端側から側端部に導け、トンネル用シートの
端末処理の接合を不要にでき、末端処理が迅速にでき、
施工時間が大幅に短縮できる。
シートが縦断方向の端末部を外側におり返して、既設の
トンネル用シートの内側に重ねるように配置されている
ので、地山からの湧水はトンネル内に漏水することなく
外側の既設のトンネル用シートから内側のトンネル用シ
ート上を天端側から側端部に導け、トンネル用シートの
端末処理の接合を不要にでき、末端処理が迅速にでき、
施工時間が大幅に短縮できる。
【0075】本発明にかかるトンネル用シートによれ
ば、可撓性ポリマーシート層のみからなるか可撓性ポリ
マーシート層と不織布層とからなり、かつ本発明にかか
るトンネル用シート展張工法に直接使用されるので、そ
の展張に人手によるピン等による固定が不要となり、地
山からの湧水を不織布層内を通して流せ、ポリマーシー
ト層に達した後は、ポリマーシート層の外面に沿ってト
ンネルの横断方向の両側へ流下させられるので、トンネ
ル内に漏水することはない。
ば、可撓性ポリマーシート層のみからなるか可撓性ポリ
マーシート層と不織布層とからなり、かつ本発明にかか
るトンネル用シート展張工法に直接使用されるので、そ
の展張に人手によるピン等による固定が不要となり、地
山からの湧水を不織布層内を通して流せ、ポリマーシー
ト層に達した後は、ポリマーシート層の外面に沿ってト
ンネルの横断方向の両側へ流下させられるので、トンネ
ル内に漏水することはない。
【0076】本発明の第八によれば、袋体の継ぎシート
を切断することによりトンネル用シートにゆとりを形成
でき、コンクリートの打設時にトンネル用シートが無理
に伸ばされて破れたりするのを防止できる。
を切断することによりトンネル用シートにゆとりを形成
でき、コンクリートの打設時にトンネル用シートが無理
に伸ばされて破れたりするのを防止できる。
【図1】本発明にかかるトンネル用シート展張工法に用
いる作業台車の正面図である。
いる作業台車の正面図である。
【図2】エアーチューブに空気を充填する状態を示す作
業台車の正面図である。
業台車の正面図である。
【図3】作業台車の縦断面図である。
【図4】本発明にかかるトンネル用シート展張工法を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図5】展張機12とガイドレール13との関係を示す
一部切欠正面図である。
一部切欠正面図である。
【図6】同一部切欠側面図である。
【図7】開口窓の配置図である。
【図8】めがね巻に形成されたトンネル用シートを示す
図で、(a)は天端部の斜視図、(b)は断面図であ
る。
図で、(a)は天端部の斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図9】めがね巻に形成されたトンネル用シートの他の
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図10】エアーチューブの側面図である。
【図11】スパッドの正面図である。
【図12】トンネル用シート展張工法に使用されるトン
ネル用シートの端部を示す断面図で、(a)は折り返し
型、(b)は段違い喰い込み型、(c)は(b)の反対
向き型である。
ネル用シートの端部を示す断面図で、(a)は折り返し
型、(b)は段違い喰い込み型、(c)は(b)の反対
向き型である。
【図13】従来のトンネル用シート展張工法を示す側面
図である。
図である。
14 エアーチューブ 15 空洞 15a 内壁面 16 コンクリート 16a 内面 18 枠台 19 トンネル用シート 19a たるみ 19A ポリマーシート層 19B 不織布層 31 型枠 41 間隙 46a 袋部 46b 屈曲部 47 継ぎシート 48 袋体 C 天端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田名瀬 寛之 新潟県新潟市青山6丁目16番地6 (72)発明者 中村 善治 京都府京都市下京区諏訪開町33番地 (72)発明者 野田 博 東京都千代田区霞が関三丁目8番1号 ダイセル化学工業株式会社 東京本社内 (72)発明者 佐賀 美夫 富山県高岡市荻布209番地 佐賀工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−129500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/10 E21D 11/38 E21D 11/40
Claims (7)
- 【請求項1】 トンネル用の空洞(15)を掘削し、該空洞
(15)の内壁面(15a)に対向しかつ該内壁面(15a)との間に
適宜間隔をおいて、トンネル型枠(31)と該トンネル型枠
(31)を保持する枠台(18)を配置し、前記型枠(31)の表面
側に空気が未充填の複数のエアーチューブ(14)を配置
し、前記型枠(31)の外側で前記内壁面(15a)と前記未充
填のエアーチューブ(14)の間に前記内壁面(15a)を覆う
トンネル用シート(19)を展張し、前記未充填のエアーチ
ューブ(14)に空気を充填して該トンネル用シート(19)を
該内壁面(15a)に圧接し、前記トンネル用シート(19)と
型枠(31)の表面の間の間隙(41)にエアーチューブ(14)の
空気を抜いて型枠(13)内に取り込みながらコンクリート
(16)を打設することを特徴とするトンネル用シート展張
工法。 - 【請求項2】 前記エアーチューブ(14)は前記型枠(31)
に形成された開口窓(32)を通して型枠(31)の外面側に配
置され、かつコンクリート(16)の打設状況に従い抜気し
て型枠(31)の下方部より型枠(31)の内側に取り込まれる
請求項1に記載のトンネル用シート展張工法。 - 【請求項3】 前記トンネル用シート(19)はめがね巻に
形成され、該空洞(15)の天端部(C)から左右両側端部(B)
に展張される請求項1または2に記載のトンネル用シー
ト展張工法。 - 【請求項4】 前記めがね巻は中央部にたるみ(19a)が
形成される請求項3に記載のトンネル用シート展張工
法。 - 【請求項5】 前記トンネル用シート(19)は該空洞(15)
の断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲して袋
状に形成された袋部(46a)と前記屈曲した二つの屈曲部
(46b)間をつなぐ継ぎシート(47)からなる、袋体(48)が
形成され、コンクリート(16)の打設中に前記継ぎシート
(47)を切断してたるみ(19a)を発生させる請求項1、2
または3に記載のトンネル用シート展張工法。 - 【請求項6】 前記トンネル用シート(19)は展張した状
態においてその前記縦断方向の端末部(19')を既設のト
ンネル用シートに重合して止水部(S)を形成させる請求
項1、2、3、4または5に記載のトンネル用シート展
張工法。 - 【請求項7】 トンネル用の空洞(15)を掘削し、該空洞
(15)の内壁面(15a)に対向しかつ該内壁面(15a)との間に
適宜間隔をおいて、トンネル型枠(31)と該トンネル型枠
(31)を保持する枠台(18)を配置し、前記型枠(31)の表面
側に空気が未充填の複数のエアーチューブ(14)を配置
し、前記型枠(31)の外側で前記内壁面(15a)と前記未充
填のエアーチューブ(14)の間に前記内壁面(15a)を覆う
トンネル用シート(19)を展張し、前記未充填のエアーチ
ューブ(14)に空気を充填して該トンネル用シート(19)を
該内壁面(15a)に圧接し、前記トンネル用シート(19)と
型枠(31)の表面の間の間隙(41)にエアーチューブ(14)の
空気を抜いて型枠(13)内に取り込みながらコンクリート
(16)を打設するトンネル用シート展張工法に用いるもの
で、 可撓性のポリマーシート層(19A)のみからなるか又は可
撓性のポリマーシート層(19A)と不織布層(19B)とからな
り、該可撓性のポリマーシート層(19A)又は、該可撓性
のポリマーシート層(19A)と該不織布層(19B)は、該空洞
(15)の断面方向中央部及び側部に、自身が外方に屈曲し
て袋状に形成された袋部(46a)と前記屈曲した二つの屈
曲部(46b)間をつなぐ継ぎシート(47)からなる、袋体(4
8)を備えていることを特徴とするトンネル用シート(1
9)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8303520A JP3038316B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | トンネル用シート展張工法及びトンネル用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8303520A JP3038316B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | トンネル用シート展張工法及びトンネル用シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10131690A JPH10131690A (ja) | 1998-05-19 |
JP3038316B2 true JP3038316B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=17921983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8303520A Expired - Fee Related JP3038316B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | トンネル用シート展張工法及びトンネル用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038316B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102410030A (zh) * | 2011-11-14 | 2012-04-11 | 中铁一局集团有限公司 | 隧道多功能作业车 |
CN108533281A (zh) * | 2018-05-22 | 2018-09-14 | 江苏省交通工程集团有限公司 | 一种隧道开挖台车 |
CN110410102A (zh) * | 2019-08-22 | 2019-11-05 | 西南交通大学 | 一种拆除运营高铁隧道夹层衬砌的施工方法 |
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---|---|---|---|---|
KR100439606B1 (ko) * | 2002-03-11 | 2004-07-12 | 김기수 | 지하구조물용 지반 침하방지 및 방수벽 설치방법 |
JP2007332666A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Gifu Kogyo Co Ltd | トンネル覆工コンクリートの締固め装置 |
CN106837391B (zh) * | 2017-04-01 | 2019-09-06 | 中国铁道科学研究院铁道建筑研究所 | 一种铺挂台车及设置隧道防水结构的方法 |
JP7142282B2 (ja) * | 2018-02-21 | 2022-09-27 | テクノプロ株式会社 | ドレーンマットの破損防止方法及び防弾シート一体型ドレーンマット |
CN109736859B (zh) * | 2019-02-28 | 2020-04-17 | 庆云汉诚隧道工程机械有限公司 | 一种自行式多功能隧道施工车体、台车及施工方法 |
CN113137251B (zh) * | 2021-05-10 | 2023-12-08 | 湖南尚上市政建设开发有限公司 | 一种用于隧道衬砌反粘防水施工的防水板挂设装置 |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP8303520A patent/JP3038316B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102410030A (zh) * | 2011-11-14 | 2012-04-11 | 中铁一局集团有限公司 | 隧道多功能作业车 |
CN102410030B (zh) * | 2011-11-14 | 2013-10-23 | 中铁一局集团有限公司 | 隧道多功能作业车 |
CN108533281A (zh) * | 2018-05-22 | 2018-09-14 | 江苏省交通工程集团有限公司 | 一种隧道开挖台车 |
CN110410102A (zh) * | 2019-08-22 | 2019-11-05 | 西南交通大学 | 一种拆除运营高铁隧道夹层衬砌的施工方法 |
CN110410102B (zh) * | 2019-08-22 | 2021-05-18 | 西南交通大学 | 一种拆除运营高铁隧道夹层衬砌的施工方法 |
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---|---|
JPH10131690A (ja) | 1998-05-19 |
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