JP3038036B2 - 医療容器用基材 - Google Patents
医療容器用基材Info
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- JP3038036B2 JP3038036B2 JP3094636A JP9463691A JP3038036B2 JP 3038036 B2 JP3038036 B2 JP 3038036B2 JP 3094636 A JP3094636 A JP 3094636A JP 9463691 A JP9463691 A JP 9463691A JP 3038036 B2 JP3038036 B2 JP 3038036B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療容器用基材に関す
る。詳しく述べると、血液や医薬液等医療において扱わ
れる液体を貯蔵する軟質容器(バッグ)、搬送する軟質
チューブ(連結管)等に適したポリアミド系医療容器用
基材に関する。
る。詳しく述べると、血液や医薬液等医療において扱わ
れる液体を貯蔵する軟質容器(バッグ)、搬送する軟質
チューブ(連結管)等に適したポリアミド系医療容器用
基材に関する。
【0002】
【従来の技術】採血、輸血、輸液等の医療で用いられる
容器やチューブの素材には、安全性、衛生性の他に種々
の性能が要求され、なかでも柔軟性、透明性および高圧
蒸気滅菌に耐え得る耐熱性等が重要である。
容器やチューブの素材には、安全性、衛生性の他に種々
の性能が要求され、なかでも柔軟性、透明性および高圧
蒸気滅菌に耐え得る耐熱性等が重要である。
【0003】上記用途の素材としては、従来より軟質ポ
リ塩化ビニルおよびエチレン−酢酸ビニルコポリマーや
低密度ポリエチレンの如きポリエチレン系ポリマーが代
表的である。しかしながら、軟質ポリ塩化ビニルでは可
塑剤の溶出の問題が不可避であり、また変色(黄変)し
やすいという欠点もある。一方、ポリエチレン系の場合
は柔軟性と耐熱性のバランスに欠け、柔軟性に富むもの
は融点が低くなるので耐熱性が低下し、通常100〜1
30℃で行われる高圧蒸気滅菌に耐えられず、ブロッキ
ングや変形を生じやすい。耐熱性を上げる方法として化
学架橋、放射線架橋等があるが、工程が複雑化すること
は避けられない。
リ塩化ビニルおよびエチレン−酢酸ビニルコポリマーや
低密度ポリエチレンの如きポリエチレン系ポリマーが代
表的である。しかしながら、軟質ポリ塩化ビニルでは可
塑剤の溶出の問題が不可避であり、また変色(黄変)し
やすいという欠点もある。一方、ポリエチレン系の場合
は柔軟性と耐熱性のバランスに欠け、柔軟性に富むもの
は融点が低くなるので耐熱性が低下し、通常100〜1
30℃で行われる高圧蒸気滅菌に耐えられず、ブロッキ
ングや変形を生じやすい。耐熱性を上げる方法として化
学架橋、放射線架橋等があるが、工程が複雑化すること
は避けられない。
【0004】これらの理由から様々な改良の試みが成さ
れており、特に熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系)とポリプロピレンとの組合わせ
(ポリマー組成物)が有効であるとされ、特表昭58−
501035号、特公昭62−19461号、特開平1
−230361号、特開平2−1279号等で提案され
ている。しかしながら、ポリプロピレンは耐熱性は良好
であるものの比較的高剛性であり、柔軟な熱可塑性エラ
ストマーとのブレンドにおいても十分な柔軟性の領域に
達し難いことが指摘されている。また、特開昭61−2
5558号にはナイロン(ポリアミド)製の容器につい
て述べられているが、ナイロン6、ナイロン6,6等の
通常のポリアミドでは融点が高く、シール性が乏しいた
めに製袋(バッグ製造)が困難であったり、吸湿性、吸
水性が高いにもかかわらず水と接触して含水しても十分
な柔軟性を示さなかったりして実用的でなく改善が望ま
れている。
れており、特に熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系)とポリプロピレンとの組合わせ
(ポリマー組成物)が有効であるとされ、特表昭58−
501035号、特公昭62−19461号、特開平1
−230361号、特開平2−1279号等で提案され
ている。しかしながら、ポリプロピレンは耐熱性は良好
であるものの比較的高剛性であり、柔軟な熱可塑性エラ
ストマーとのブレンドにおいても十分な柔軟性の領域に
達し難いことが指摘されている。また、特開昭61−2
5558号にはナイロン(ポリアミド)製の容器につい
て述べられているが、ナイロン6、ナイロン6,6等の
通常のポリアミドでは融点が高く、シール性が乏しいた
めに製袋(バッグ製造)が困難であったり、吸湿性、吸
水性が高いにもかかわらず水と接触して含水しても十分
な柔軟性を示さなかったりして実用的でなく改善が望ま
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の技術のうち特にポリアミド系の持つ問題点である
シール性、柔軟性を改善した医療容器用基材を提供する
ことにある。
従来の技術のうち特にポリアミド系の持つ問題点である
シール性、柔軟性を改善した医療容器用基材を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ε−カプラ
ミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のアミドを主成分とし、
かつ融点が130〜200℃であることを特徴とするコ
ポリアミドからなる医療容器用基材よって達成される。
ミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のアミドを主成分とし、
かつ融点が130〜200℃であることを特徴とするコ
ポリアミドからなる医療容器用基材よって達成される。
【0007】また本発明は、該コポリアミドが、ε−カ
プラミド成分が95〜80モル%で、ヘキサメチレンア
ジパミド成分が5〜20モル%であるコポリアミドから
なる医療容器用基材によっても達成される。
プラミド成分が95〜80モル%で、ヘキサメチレンア
ジパミド成分が5〜20モル%であるコポリアミドから
なる医療容器用基材によっても達成される。
【0008】さらに本発明は、該コポリアミドが、ε−
カプラミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種のアミドが97〜
80モル%で、ジアミン成分、ジカルボン酸成分および
他のアミノカルボン酸成分よりなる群から選ばれた少な
くとも1種のものが構成成分として3〜20モル%であ
るコポリアミドからなる医療容器用基材によっても達成
される。
カプラミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種のアミドが97〜
80モル%で、ジアミン成分、ジカルボン酸成分および
他のアミノカルボン酸成分よりなる群から選ばれた少な
くとも1種のものが構成成分として3〜20モル%であ
るコポリアミドからなる医療容器用基材によっても達成
される。
【0009】すなわち、本発明者は、ナイロン6もしく
はナイロン6,6を基本骨格とするコポリアミドの持つ
熱シール性と柔軟性が医療容器として適当であることを
見出だし本発明に至った。
はナイロン6,6を基本骨格とするコポリアミドの持つ
熱シール性と柔軟性が医療容器として適当であることを
見出だし本発明に至った。
【0010】
【作用】本発明におけるコポリアミドの融点が熱シール
性に有利で加工しやすいことはもちろんであるが、ホモ
ポリアミドに比べて低結晶性であり、またナイロン6や
ナイロン6,6を基本骨格とするのでアミド基含有量が
高く高吸湿性、高吸水性であることになり、透明性や柔
軟性に富むことになる。血液、輸液等は水系の液である
ことは、本発明のコポリアミドの特徴が最も生かされる
点であり、医療容器容基剤としては好適な所以である。
性に有利で加工しやすいことはもちろんであるが、ホモ
ポリアミドに比べて低結晶性であり、またナイロン6や
ナイロン6,6を基本骨格とするのでアミド基含有量が
高く高吸湿性、高吸水性であることになり、透明性や柔
軟性に富むことになる。血液、輸液等は水系の液である
ことは、本発明のコポリアミドの特徴が最も生かされる
点であり、医療容器容基剤としては好適な所以である。
【0011】本発明の要件を満すコポリアミドとして
は、汎用性もあわせるとε−カプラミド成分を主成分と
して、これにヘキサメチレンアジパミド成分を導入した
コポリアミドが代表例である。通常のポリ−ε−カプラ
ミド(ナイロン6:融点220℃、アミド基含有量8.
9グラム当量/トン)あるいはポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン6,6:融点265℃、アミド基含有
量8.9グラム当量/トン)は高融点、高結晶性である
ためにそのままではシール性、柔軟性などで問題があ
る。しかし、両者の成分からなるランダムコポリアミド
はフローリー(Flory) 則にしたがった融点−組成の関係
を示し、該コポリアミド中のヘキサメチレンアジパミド
成分が約5〜20モル%、好ましくは5〜15モル%の
範囲で融点が150〜200℃、好ましくは160〜1
90℃のコポリアミドとなる。
は、汎用性もあわせるとε−カプラミド成分を主成分と
して、これにヘキサメチレンアジパミド成分を導入した
コポリアミドが代表例である。通常のポリ−ε−カプラ
ミド(ナイロン6:融点220℃、アミド基含有量8.
9グラム当量/トン)あるいはポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン6,6:融点265℃、アミド基含有
量8.9グラム当量/トン)は高融点、高結晶性である
ためにそのままではシール性、柔軟性などで問題があ
る。しかし、両者の成分からなるランダムコポリアミド
はフローリー(Flory) 則にしたがった融点−組成の関係
を示し、該コポリアミド中のヘキサメチレンアジパミド
成分が約5〜20モル%、好ましくは5〜15モル%の
範囲で融点が150〜200℃、好ましくは160〜1
90℃のコポリアミドとなる。
【0012】その他本発明におけるコポリアミドとして
は、基本骨格のナイロン6および/またはナイロン6,
6となるε−カプラミド成分および/またはヘキサメチ
レンアジパミド成分にテトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミ等のジアミン
成分、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカル
ボン酸成分、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノカプリ
ル酸、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸
等のアミノカルボン酸成分等を好ましくは3〜20モル
%、より好ましくは5〜15モル%の範囲で適宜組合わ
せて、得られるコポリアミドの融点が130〜200
℃、好ましくは140〜190℃となるようにして得ら
れたコポリアミドが挙げられる。この際、ヘキシレンジ
カルボン酸、ヘキシレンジアミン、ビス(アミノシクロ
ヘキシル)メタン等の脂環族成分を含んでいてもよい。
は、基本骨格のナイロン6および/またはナイロン6,
6となるε−カプラミド成分および/またはヘキサメチ
レンアジパミド成分にテトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミ等のジアミン
成分、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカル
ボン酸成分、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノカプリ
ル酸、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸
等のアミノカルボン酸成分等を好ましくは3〜20モル
%、より好ましくは5〜15モル%の範囲で適宜組合わ
せて、得られるコポリアミドの融点が130〜200
℃、好ましくは140〜190℃となるようにして得ら
れたコポリアミドが挙げられる。この際、ヘキシレンジ
カルボン酸、ヘキシレンジアミン、ビス(アミノシクロ
ヘキシル)メタン等の脂環族成分を含んでいてもよい。
【0013】また本発明におけるコポリアミドは、柔軟
であることが特徴であり、構成成分は脂肪族であること
が好ましいが、場合によっては芳香族成分、例えば、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、フェニレンジアミン、キシ
リレンジアミン等を本発明の趣旨を損なわない範囲で5
モル%程度以下含んでいてもよい。
であることが特徴であり、構成成分は脂肪族であること
が好ましいが、場合によっては芳香族成分、例えば、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、フェニレンジアミン、キシ
リレンジアミン等を本発明の趣旨を損なわない範囲で5
モル%程度以下含んでいてもよい。
【0014】本発明においてコポリアミドが満すべき融
点の要件は、前述の如く熱シール性、柔軟性、透明性お
よび耐熱性等からくるものである。この場合、融点の範
囲は、130〜200℃、好ましくは140〜190℃
である。また、柔軟性向上等の理由から、吸湿性および
吸水性が高い方がよく、該コポリアミド中のアミド基濃
度が7.8〜9.0グラム当量/kg、好ましくは8.
0〜8.9グラム当量/kgとなるようにすることがよ
り望ましい。
点の要件は、前述の如く熱シール性、柔軟性、透明性お
よび耐熱性等からくるものである。この場合、融点の範
囲は、130〜200℃、好ましくは140〜190℃
である。また、柔軟性向上等の理由から、吸湿性および
吸水性が高い方がよく、該コポリアミド中のアミド基濃
度が7.8〜9.0グラム当量/kg、好ましくは8.
0〜8.9グラム当量/kgとなるようにすることがよ
り望ましい。
【0015】本発明のコポリアミドは、通常公知の溶融
重縮合法で得ることができ、ラクタム類、アミノカルボ
ン酸類、ジアミン類、ジカルボン酸類、ジアミンとジカ
ルボン酸との塩等を出発物質とすることができる。到達
数平均分子量は好ましくは8,000〜100,00
0、より好ましくは10,000〜50,000である
ことがよい。
重縮合法で得ることができ、ラクタム類、アミノカルボ
ン酸類、ジアミン類、ジカルボン酸類、ジアミンとジカ
ルボン酸との塩等を出発物質とすることができる。到達
数平均分子量は好ましくは8,000〜100,00
0、より好ましくは10,000〜50,000である
ことがよい。
【0016】本発明において医療容器とは、血液、輸液
等医療において扱われる液体を保存あるいは搬送する容
器(バッグ)およびチューブ等を表すが、かような製品
は通常公知の方法で得ることができる。例えば、バッグ
の場合は、前記コポリアミドを流動開始点以上の温度、
好ましくは200〜250℃でTダイやチューブラーダ
イを介して押出し、得られたフラット状のシート、チュ
ーブ状のシートまたはパリソン等についてサーモフォー
ミング、ブロー、裁断および接着等の手法を適宜適用し
て、所定の厚さ(好ましくは30〜500μm、より好
ましくは50〜400μm)や形状に加工すれば良い。
また、インジェクションブロー成形を採用することも可
能であり、未延伸状態、一軸配向状態、二軸配向状態の
いずれでもよい。チューブの場合は、押出し成形法が一
般的である。
等医療において扱われる液体を保存あるいは搬送する容
器(バッグ)およびチューブ等を表すが、かような製品
は通常公知の方法で得ることができる。例えば、バッグ
の場合は、前記コポリアミドを流動開始点以上の温度、
好ましくは200〜250℃でTダイやチューブラーダ
イを介して押出し、得られたフラット状のシート、チュ
ーブ状のシートまたはパリソン等についてサーモフォー
ミング、ブロー、裁断および接着等の手法を適宜適用し
て、所定の厚さ(好ましくは30〜500μm、より好
ましくは50〜400μm)や形状に加工すれば良い。
また、インジェクションブロー成形を採用することも可
能であり、未延伸状態、一軸配向状態、二軸配向状態の
いずれでもよい。チューブの場合は、押出し成形法が一
般的である。
【0017】さらに、耐ブロッキング性を向上させる目
的で、容器の内面や外面を粗面化(エンボス加工)する
こと、ブロッキング防止剤を添加すること等もさしつか
えなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他のポリマ
ー、可塑剤、無機フィラー、安定剤等を添加してもよい
こと、あるいは、他のポリマーとの積層体(多層体)を
形成させても良いこと等は言うまでもない。また、コポ
リアミド中の残存モノマーやオリゴマー等を除去する目
的で重縮合後あるいは成形後に、熱水洗浄、真空乾燥等
の処理を施すことも行われる。高圧蒸気滅菌法を行う際
には、コポリアミドの加水分解を抑えるため120℃以
下で行うことも薦められる。
的で、容器の内面や外面を粗面化(エンボス加工)する
こと、ブロッキング防止剤を添加すること等もさしつか
えなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他のポリマ
ー、可塑剤、無機フィラー、安定剤等を添加してもよい
こと、あるいは、他のポリマーとの積層体(多層体)を
形成させても良いこと等は言うまでもない。また、コポ
リアミド中の残存モノマーやオリゴマー等を除去する目
的で重縮合後あるいは成形後に、熱水洗浄、真空乾燥等
の処理を施すことも行われる。高圧蒸気滅菌法を行う際
には、コポリアミドの加水分解を抑えるため120℃以
下で行うことも薦められる。
【0018】熱シール(熱接着)の方法としては、熱板
接着法、インパルス接着法、超音波接着法および高周波
接着法が挙げられ、例えば、熱板接着法の場合140〜
230℃程度の温度が選ばれる。シール強度は、実用的
には180°ピール強度が好ましくは2.0kg/15
mm以上、より好ましくは2.5kg/15mm以上に
することがよく、本発明のコポリアミドにおいては、こ
のレベルを得ることは容易である。
接着法、インパルス接着法、超音波接着法および高周波
接着法が挙げられ、例えば、熱板接着法の場合140〜
230℃程度の温度が選ばれる。シール強度は、実用的
には180°ピール強度が好ましくは2.0kg/15
mm以上、より好ましくは2.5kg/15mm以上に
することがよく、本発明のコポリアミドにおいては、こ
のレベルを得ることは容易である。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。ここで使用したシート(フィルム)はすべ
て未延伸物である。また、コポリアミドの融点は示差走
査熱量計を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。
に説明する。ここで使用したシート(フィルム)はすべ
て未延伸物である。また、コポリアミドの融点は示差走
査熱量計を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。
【0020】実施例1〜4および比較例1〜2 実験方法および結果 (1)コポリアミドの合成:ε−カプロラクタム、ナイ
ロン6,6塩(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸と
の1:1の塩)およびω−アミノドデカン酸を種々の組
成で混合して出発物質として水を加えて加水分解的溶融
重縮合法でコポリアミドを合成し、ペレット化して蒸留
水で煮沸洗浄を5時間行った後、100℃の真空乾燥機
中で10時間乾燥してコポリアミドペレットを合成し
た。表1にそれらの組成と性質を示す。
ロン6,6塩(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸と
の1:1の塩)およびω−アミノドデカン酸を種々の組
成で混合して出発物質として水を加えて加水分解的溶融
重縮合法でコポリアミドを合成し、ペレット化して蒸留
水で煮沸洗浄を5時間行った後、100℃の真空乾燥機
中で10時間乾燥してコポリアミドペレットを合成し
た。表1にそれらの組成と性質を示す。
【0021】(2)シートの製作:(1)のコポリアミ
ドペレットをエクストルーダー型溶融押出機(池貝鉄工
株式会社製)に供給し、温度200〜240℃で、リッ
プ長400mm、リップ幅1mmのTダイから押出し、
10℃のキャスティングローラーで冷却後、トリミング
して厚さ約200μm、幅300mmのシートを10m
/分の速度で巻き取った。
ドペレットをエクストルーダー型溶融押出機(池貝鉄工
株式会社製)に供給し、温度200〜240℃で、リッ
プ長400mm、リップ幅1mmのTダイから押出し、
10℃のキャスティングローラーで冷却後、トリミング
して厚さ約200μm、幅300mmのシートを10m
/分の速度で巻き取った。
【0022】結果:シートの押し出し形成は、いずれの
組成においても極めて順調で目ヤニ、異物、発泡等は観
察されず均一性に富むシートが得られた。
組成においても極めて順調で目ヤニ、異物、発泡等は観
察されず均一性に富むシートが得られた。
【0023】(3)シートの透明性の測定:JIS K
6714−1958に準じて平行光線透過率を測定し
た。結果を表1に示す。
6714−1958に準じて平行光線透過率を測定し
た。結果を表1に示す。
【0024】(4)シートの柔軟性の測定:シートをダ
ンベル状に裁断した後、23℃の水に24時間浸漬した
直後、JIS K7113に準じて引張弾性率を測定
し、柔軟性の尺度とした。結果を表1に示す。
ンベル状に裁断した後、23℃の水に24時間浸漬した
直後、JIS K7113に準じて引張弾性率を測定
し、柔軟性の尺度とした。結果を表1に示す。
【0025】(5)シートの熱シール性の測定:熱板シ
ール機により、シール幅15mm、シール時間2秒間で
シールし、180°ピール強度を測定した。結果を表1
に示す。なお、表1中のシール温度は各々につき5種の
温度条件でシールした結果のうち、最も高いシール強度
を示したときのものである。
ール機により、シール幅15mm、シール時間2秒間で
シールし、180°ピール強度を測定した。結果を表1
に示す。なお、表1中のシール温度は各々につき5種の
温度条件でシールした結果のうち、最も高いシール強度
を示したときのものである。
【0026】結果:表1にポリアミドの組成と融点、ア
ミド基含有量(計算値)、透明性、柔軟性および熱シー
ル性の関係を示すように、本発明において規定するポリ
アミドからなるシートは、ポリアミド固有の透明性に加
えて良好な柔軟性と熱シール性を有し、医療容器として
極めて適していることがわかる。
ミド基含有量(計算値)、透明性、柔軟性および熱シー
ル性の関係を示すように、本発明において規定するポリ
アミドからなるシートは、ポリアミド固有の透明性に加
えて良好な柔軟性と熱シール性を有し、医療容器として
極めて適していることがわかる。
【0027】(6)耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)の測
定:シートを150mm×200mmの大きさに裁断
し、これを2枚重ねて四方を熱板接着してバッグを作製
した後、4g/cm2の圧力がかかるように荷重した。
この状態でレトルト型高圧蒸気滅菌器に入れ、温度11
5℃、ゲージ圧1.8kg/cm2で30分間処理し
た。冷却後シート間でブロッキング(熱融着)が起こっ
ているかを調べて判定した。結果を表1に示す。
定:シートを150mm×200mmの大きさに裁断
し、これを2枚重ねて四方を熱板接着してバッグを作製
した後、4g/cm2の圧力がかかるように荷重した。
この状態でレトルト型高圧蒸気滅菌器に入れ、温度11
5℃、ゲージ圧1.8kg/cm2で30分間処理し
た。冷却後シート間でブロッキング(熱融着)が起こっ
ているかを調べて判定した。結果を表1に示す。
【0028】結果:いずれの組成においても耐熱性は良
好で高圧蒸気滅菌でのシート間のブロッキングは観察さ
れなかった。
好で高圧蒸気滅菌でのシート間のブロッキングは観察さ
れなかった。
【0029】(7)重金属および溶出物試験:日本薬局
方一般試験法「輸液用プラスチック容器試験法」に準
じ、乾燥後のポリアミドペレットについて試験を行っ
た。
方一般試験法「輸液用プラスチック容器試験法」に準
じ、乾燥後のポリアミドペレットについて試験を行っ
た。
【0030】結果:いずれの組成においてもペレットの
重金属および溶出物は日本薬局方に適合することが確認
された。
重金属および溶出物は日本薬局方に適合することが確認
された。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のε−カプラ
ミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のアミドを主成分とし、
かつ融点が130〜200℃であることを特徴とするコ
ポリアミドからなる医療容器用基材は、ナイロン6系あ
るいはナイロン6,6系のコポリアミドの持つ性質を巧
みに利用して生じたものであり、透明性、柔軟性、耐熱
性および熱シール性等において満足すべき性能を有し、
また、生産性も良好であるので、その医療用分野におけ
る価値は高いものである。
ミド成分およびヘキサメチレンアジパミド成分よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のアミドを主成分とし、
かつ融点が130〜200℃であることを特徴とするコ
ポリアミドからなる医療容器用基材は、ナイロン6系あ
るいはナイロン6,6系のコポリアミドの持つ性質を巧
みに利用して生じたものであり、透明性、柔軟性、耐熱
性および熱シール性等において満足すべき性能を有し、
また、生産性も良好であるので、その医療用分野におけ
る価値は高いものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ε−カプラミド成分およびヘキサメチレ
ンアジパミド成分よりなる群から選ばれた少なくとも1
種のアミドを主成分とし、かつ融点が130〜200℃
であることを特徴とするコポリアミドからなる医療容器
用基材。 - 【請求項2】 ε−カプラミド成分が95〜80モル%
で、ヘキサメチレンアジパミド成分が5〜20モル%で
あるコポリアミドからなる請求項1に記載の医療容器用
基材。 - 【請求項3】 ε−カプラミド成分およびヘキサメチレ
ンアジパミド成分よりなる群から選ばれた少なくとも1
種のアミドが97〜80モル%で、ジアミン成分、ジカ
ルボン酸成分および他のアミノカルボン酸成分よりなる
群から選ばれた少なくとも1種のものが構成成分として
3〜20モル%であるコポリアミドからなる請求項1に
記載の医療容器用基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3094636A JP3038036B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 医療容器用基材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3094636A JP3038036B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 医療容器用基材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325158A JPH04325158A (ja) | 1992-11-13 |
JP3038036B2 true JP3038036B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=14115759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3094636A Expired - Fee Related JP3038036B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | 医療容器用基材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038036B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016055037A (ja) * | 2014-09-11 | 2016-04-21 | 大日本印刷株式会社 | 医療用袋容器及び液体収納物品 |
-
1991
- 1991-04-25 JP JP3094636A patent/JP3038036B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04325158A (ja) | 1992-11-13 |
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Legal Events
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