JP3036155B2 - 車両用接近判定装置 - Google Patents

車両用接近判定装置

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JP3036155B2
JP3036155B2 JP3253534A JP25353491A JP3036155B2 JP 3036155 B2 JP3036155 B2 JP 3036155B2 JP 3253534 A JP3253534 A JP 3253534A JP 25353491 A JP25353491 A JP 25353491A JP 3036155 B2 JP3036155 B2 JP 3036155B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、先行車両と自車両と
の接近状態を判定する車両用接近判定装置に関し、特
に、多様な走行環境と運転者の状態とを総合的に判断し
て適切な接近状態の判定を行なう技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の接近判定装置としては、例えば
「“自動車の衝突防止レーダ”日産技報、第18号、1
982年」に記載されているものがある。上記の従来装
置においては、安全車間距離として下記(数1)式で定
義する値を用いている。
【0003】
【数1】
【0004】ただし、 Rs:安全車間距離(m) Vr:先行車両との相対速度(m/s) Va:レーダ搭載車両の自車速度(m/s) Td:運転者の応答時間(s) K:制動完了時の車間距離(m) α:減速度(g) 上記の(数1)式は、先行車両と後続車両(自車両)と
が共にαの減速度で減速した時、車間距離Kで安全に停
止するための条件を表わしている。図15は、上記の安
全車間距離Rsと自車速度Vaおよび相対速度Vrの関係
を示した図であり、Td=1sec、α=0.4gとした場
合の値を示す。図15において、破線で示す特性は、V
r=Vaすなわち先行車両の速度がゼロ(停止した状態)
の場合の安全車間距離である。先行車両に後続車両が次
々に衝突する、いわゆる玉突き衝突を防止するために
は、上記の破線で示す安全車間距離を保つ必要がある。
したがって、追突防止レーダでは、レーダで計測した実
際の車間距離が上記(数1)式に基づく安全車間距離以
下になると警報音等によって運転者に警報を発するよう
になっている。なお、レーダとしては、上記の他に特開
昭55−96475号公報に記載のように、レーダビー
ムを2次元あるいは1次元に走査して車両進行方向に発
射し、物標からの反射光を受光して物標までの距離と方
位を算出するものも用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の接近判定装置においては、停止した先行車両
に後続車両が追突せずに止まれるための条件のみから接
近度を判定して、運転者に警報を与えるものであるた
め、運転者の感覚と一致する警報を出すことが困難であ
る。そのため、例えば運転者は安全であると判断してい
る場合に警報が出されることがあるので、運転者にわず
らわしさや不快感を与えるおそれがあるという問題があ
った。上記の問題を解決するため、特公平2−1091
2号公報に記載のように、運転者がブレーキを踏んだ時
の目標物までの距離と、予め記憶しておいた警報距離と
を比較し、差異がある場合には警報距離から一定値を増
減し、これを新たな警報距離として書き換えるようにし
た装置も提案されている。しかし、本来、追突の可能性
は、自車両の速度、先行車両と自車両との相対速
度、先行車両と自車両との距離、の3つのパラメータ
に依存するとされているので、そのうちの2つのパラメ
ータを固定し、距離だけで運転者の感覚に合わせようと
することには無理があり、本質的な解決にはならないと
いう問題がある。
【0006】さらに、本出願人は、濃霧や周囲の明るさ
等の運転環境に応じて安全車間距離を変える車両用速度
制御装置(特開昭61−24625号、同分野の技術に
特開昭60−85045号あり)や運転者が警報に応じ
てブレーキを操作すると警報を解除する車両用警報装置
(特開昭56−157647号)を既に出願している。
しかし、上記のごとき装置は、単に周囲環境に応じて安
全車間距離を変更したり、ブレーキ操作を行なうと警報
を解除するだけのものであり、運転時刻、運転継続時
間、車速、降雨等の種々の走行環境と、運転者の行動
(加速、減速)や覚醒、居眠り等の状態を含む運転者状
態とを総合的に判断して、安全走行を確保するために必
要な前方物標との接近の度合を適切に判断することは出
来なかったので、安全車間距離を必要以上に長くしなけ
ればならなかった。。
【0007】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、多様な走行環境と運
転者の状態とを総合的に判断して適切な接近状態の判定
を行なうことの出来る接近判定装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明は、
車両走行路の前方に存在する物標のデータを検出する物
標検出手段を少なくとも含む車両の複数の走行環境を検
知する走行環境センサ群と、運転者の複数の状態を検知
する運転者状態センサ群と、走行環境センサ群の出力に
応じて、車両の走行に対する環境の安全の度合を示す環
境比安全係数を推論する環境比安全係数推論手段と、運
転者状態センサ群の出力に応じて、車両の走行に対する
運転者状態の安全の度合を示す運転者状態比安全係数を
推論する運転者状態比安全係数推論手段と、物標検出手
段で検出した前方物標のデータと、環境比安全係数およ
び運転者状態比安全係数とに基づいて物標に対する接近
度を判定する接近度判定手段と、を備えた車両用接近判
定装置である。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の車両用接近判定装置において、運転者の運転特
性を記憶する運転特性モデル記憶手段を備え、環境比安
全係数推論手段は走行環境センサ群の出力と運転特性モ
デル記憶手段の記憶内容とに応じて環境比安全係数を推
論し、運転者状態比安全係数推論手段は運転者状態セン
サ群の出力と運転特性モデル記憶手段の記憶内容とに応
じて運転者状態比安全係数を推論するように構成したも
のである。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
における運転者状態センサ群の代わりに、運転者が減速
操作を行なったことを検出する減速操作検出手段を設け
たものである。
【0011】
【作用】図1は、本発明の構成を示すブロック図であ
る。以下、図1に基づいて本発明の作用を説明する。ま
ず、図1(a)は請求項1に相当するものである。図1
(a)において、走行環境センサ群10は、車両走行路
の前方に存在する物標のデータ(自車両との距離、相対
速度、方位)、運転時刻、運転継続時間、車速、降雨等
の種々の走行環境を検出するものである。また、運転者
状態センサ群11は、運転者の行動(加速操作、減速操
作等)や覚醒、居眠り等の状態を検出するものである。
次に、環境比安全係数推論手段12は、上記走行環境セ
ンサ群10の検出結果に基づいて車両の走行に対する走
行環境の安全の度合を示す環境比安全係数を推論する。
また、運転者状態比安全係数推論手段13は、上記の運
転者状態センサ群11の検出結果に基づいて車両の走行
に対する運転者状態の安全の度合を示す運転者状態比安
全係数を推論する。上記の推論は、例えばファジィ演算
によって行なう。なお、上記の比安全係数は、値が小さ
いほど安全の度合が大きいことを示す。例えばファジィ
演算における1〜0の範囲のメンバーシップ関数の場合
は0に近いほど安全度が大きくなる。次に、接近度判定
手段14は、走行環境センサ群10で検出した前方物標
のデータと、上記環境比安全係数および上記運転者状態
比安全係数とに基づいて上記物標に対する接近度を判定
する。上記の接近度とは、走行環境と運転者状態の安全
の程度を加味した自車と物標との接近の度合を示すもの
である。すなわち、物標との距離と相対速度および環境
比安全係数と運転者状態比安全係数とに応じて安全な車
間距離は変化し、物標に対する距離や相対速度が一定の
場合でも環境比安全係数や運転者状態比安全係数が大き
いほど(安全の度合が小さいほど)、接近度は大きな値
となる。例えば、運転継続時間が長時間の状態、高速走
行時、加速状態、居眠り状態のような場合には、その程
度に応じて接近度が大きくなり、運転継続時間が短い状
態、低速走行時、減速状態のような場合には、その程度
に応じて接近度が小さくなる。このようにして求めた接
近度は、例えばその値が所定値以上になったら運転者に
警報を発したり、自動的にブレーキを作動させる装置等
に利用することが出来る。
【0012】次に、図1(b)は、請求項2に相当する
ものである。図1(b)において、運転特性モデル記憶
手段15は、運転者の運転特性モデル、例えば或る車速
の時にどの程度の車間距離になったら運転者が減速操作
を行なうか等を記憶するメモリである。上記の運転特性
モデルは一般的な数値を予め記憶させておいてもよい
し、或いは各運転者の実際の運転特性に応じた値を記憶
するように構成してもよい。また、環境比安全係数推論
手段12は、走行環境センサ群10の出力と運転特性モ
デル記憶手段15の記憶内容とに応じて環境比安全係数
を推論し、運転者状態比安全係数推論手段13は運転者
状態センサ群11の出力と運転特性モデル記憶手段15
の記憶内容とに応じて運転者状態比安全係数を推論す
る。上記のように構成すれば、運転者の運転特性を加味
した比安全係数の推論を行なうことが出来るので、接近
度の判定をさらに正確に行なうことが出来る。
【0013】次に、図1(c)は、請求項3に相当する
ものである。図1(c)の構成は、図1(a)における
運転者状態センサ群11の代わりに、運転者が減速操作
(アクセルペダル・オフやブレーキ・オン)を行なった
ことを検出する減速操作検出手段16を設けたものであ
る。運転者が減速操作を行なうということは、他の運転
者状態を検出するまでもなく確実に運転者状態比安全係
数が小さくなる(安全の度合が向上する)ことを意味す
るから、この構成によっても接近度を判定することが可
能である。なお、図1(c)に示す構成に、図1(b)
の運転特性モデル記憶手段15を組み合わせることも勿
論可能である。
【0014】
【実施例】図2は、本発明の一実施例のブロック図であ
る。まず構成を説明すると、1は走行環境センサ群であ
り、車両の走行環境検知に必要なセンサ101〜10m
(mは整数)からなる。一例として101から103に
ついて述べると、101は車両前方の物標までの距離お
よび方位を計測するスキャニングレーダで、前方物標の
距離と方位および相対速度を出力する。また、102は
自車両の速度を計測する車速センサ、103は時刻検出
のためのクロックである。なお、101′〜10m′は
各センサの出力である。2は運転者状態センサ群であ
り、車両走行時の走行環境における運転者の運転状態を
検知するために必要なセンサ201〜20n(nは整
数)からなる。一例として201から204について述
べると、201はスロットル開度もしくはアクセル操作
の有無を検出するアクセルセンサ、202はブレーキ踏
力もしくはブレーキ操作の有無を検出するブレーキセン
サ、203はステアリングの操舵角を検出する舵角セン
サ、204はエアコンディショナ等のスイッチ操作や自
動車電話のダイヤル操作あるいは通信などの運転者の運
転外行動を検出するための運転外行動検出センサであ
る。なお、201′〜20n′は各センサの出力であ
る。
【0015】4は環境比安全係数推論部であり、走行環
境センサ群1の各センサ出力に応じて走行環境の安全の
度合を示す環境比安全係数を演算する。また、5は運転
者状態比安全係数推論部であり、運転者行動センサ群2
の各センサ出力に応じて運転者状態の安全の度合を示す
運転者状態比安全係数を演算する。また、3は運転特性
モデル記憶部であり、上記走行環境および運転者状態の
比安全係数推定のための比較量として、予め運転者の運
転特性モデルを記憶しておくメモリである。また、6は
接近度判定部であり、上記環境比安全係数推論部4と運
転者状態比安全係数推論部5とで推定した2つの比安全
係数に基づいて接近度、すなわち車両前方の物標に対す
る自車両の接近の度合を総合的に演算、判定する。上記
の4〜6の部分は、例えばマイクロコンピュータを用い
て構成することが出来る。また、7は警報装置であり、
接近度判定手段の判定結果に基づいて、接近度が所定値
以上のときに音響信号もしくは表示等によって運転者に
警報を伝える。なお、警報装置としては、断続的にブレ
ーキを作動させて運転者に身体的な警報を与えるもので
もよい。
【0016】次に作用を説明する。 (1)走行環境センサ群1 ここではセンサ101〜103について作用を説明す
る。まず、スキャニングレーダセンサ101は、例えば
特開昭55−96475号公報に記載されているよう
に、レーダビームを走査して車両進行方向に発射し、物
標からの反射光を受光して物標までの距離と方位を検出
する。また、物標と自車両との相対速度は距離微分によ
って容易に得ることが出来る。これらの検出結果は環境
比安全係数推論部3へ送出される。次に、車速センサ1
02は自車両の車速を検出し、その結果を環境比安全係
数推論部3へ送出する。また、クロック103は、走行
する時刻を環境比安全係数推論部3へ出力するが、この
時刻から走行時間帯と走行継続時間とを検出することが
出来る。これは連続走行する時間と走行時間帯によって
運転環境の比安全係数に重みづけをするためである。す
なわち、走行継続時間が長い場合や真夜中もしくは明け
方の運転は居眠りの可能性が高く、比安全係数が大きく
なる。
【0017】(2)運転者状態センサ群2 アクセルセンサ201は、運転者のアクセル操作、すな
わち運転者の加速操作や減速操作(スロットル・オフに
よってエンジンブレーキがかかる)を検出するものであ
る。また、ブレーキセンサ202も運転者の減速操作を
検出するが、ブレーキが掛けられた場合は能動的な減速
状態であり、減速操作の評価値が大きな値になる。ま
た、舵角センサ203は、運転者の覚醒状態や居眠り状
態を検出するため用いる。また、運転外行動検出センサ
204は、運転者の運転外行動を検出するが、これは運
転者がエアコンディショナや自動車電話を操作する等の
運転外行動を行なっている場合に、比安全係数を大きな
値に重み付けするのに用いる。
【0018】(3)運転特性モデル記憶部 通常の運転状態では、運転者は走行環境の変化を適確に
把握し、臨機応変に対応をしており、このような場合
は、従来のように車間距離と相対速度による警報ロジッ
クで“要警報”と判定される場合でも警報を発する必要
はない。一方、居眠り運転のような非覚醒状態では、前
方の物標に接近した場合にはかなり早目に運転者に警報
し、注意を促す必要がある。さらに、疲労、ぼんやり、
うっかりなどの漫然状態においては、その程度と走行環
境の安全の度合に応じて警報を発する必要がある。上記
のごとき判断を適切に行なうため、走行環境センサ群1
および運転者状態センサ群2の検出結果との比較量とし
て、運転者の正常な状態での運転特性と覚醒度低下時の
運転特性とのモデルを運転特性モデル記憶部3に記憶さ
せておく。例えば、正常時の運転特性の一例として、進
行方向の物標への接近に対して運転者がアクセルを離
す、もしくはブレーキを踏む時の距離と相対速度の関係
(または距離を相対速度で除した値、これを以下TT
C:Time toCollisionと記す)を記憶する。なお、運転
者が前方物標に対して接近しすぎたと感じて減速操作
(ブレーキ操作を含む)を行なう判断基準は、自車両か
ら見た前方物標の視野角の変化率に対応していることが
本発明者等の実験によって確認されている(特願平3−
171380号)。そして運転者の視野角の変化率は、
物標に対する距離と相対速度から算出することが出来る
ので、上記の特性を記憶しておくことによって正常運転
時には運転者がどの程度の条件で減速操作を開始するか
の判断基準とすることが出来る。また、覚醒度低下時の
運転特性の一例として、ステアリングの操作特性を記憶
する。なお、覚醒度低下時のステアリング操作特性につ
いては、「世古恭俊、片岡幸郎他“覚醒度低下時の運転
操作解析”学術講演会前刷集841、自動車技術会、昭
和59年5月」に詳細に記載されている。なお、上記の
ごとき運転特性モデルは、一般的な値を予め記憶してお
いてもよいし、或いは当該運転者の特性を記憶するよう
に構成してもよい。
【0019】(4)環境比安全係数推論部4 図2は、環境比安全係数推論部4の一実施例の構成を示
すブロック図である。図2において、各センサの信号1
01′〜103′は図1と同様である。また、41は自
車線上物標検出部であり、スキャニングレーダセンサ1
01で計測した物標までの距離と方位に基づいて自車の
走行車線前方の物標を検出する。これは例えば特開平3
−16846号公報に記載の装置を用いることができ
る。次に、対物標比安全係数推論部42は、検出された
自車線上の物標に対する比安全係数を推論する。この推
論は、例えばファジィ集合を用いる。前記のTTC(Ti
me to Collision)に対するメンバシップ関数として
は、例えば、図4(a)のa、bを用い、比安全係数の
評価関数として図4(b)のa′、b′を用いる。図4
(a)において、aはTTCが“小”のメンバシップ関
数、bは同じく“大”のメンバシップ関数である。これ
に対応する比安全係数の評価関数は、図4(b)のa′
(比安全係数“大”)およびb′(比安全係数“小”)
で表わされる。例えば、TTCの値が図4(a)に示す
ようにtであるとすると、a、bのtにおける値a1
1が求められる。そして図4(b)のa′、b′は、
図4(a)のa1、b1に対応する値a1′、b1′で頭切
りされ、斜線部の重心点DがTTC=tにおける比安全
係数を表わす。なお、比安全係数は値が小さいほど安全
の度合が大きいことを示す(以下、同じ)。
【0020】次に、車速比安全係数推論部43は、車速
の大小に対する比安全係数を推論する。車速のメンバシ
ップ関数の例としては、図5(a)のように定義する。
図5(a)において、aは車速“小”を、bは車速
“中”を、cは車速“大”のメンバシップ関数をそれぞ
れ表わしている。これに対応する比安全係数の評価関数
は図5(b)のa′(比安全係数“小”)、b′(比安全
係数“中”)、c′(比安全係数“大”)で表わされ
る。例えば、車速の値が図5(a)に示すようにVaであ
るとすれば、a、bのVaにおける値a1、b1が求めら
れる。そして図5(b)のa′とb′は図5(a)のa
1とb1に対応する値a1′、b1′で頭切りされ、斜線部
の重心点Dが車速Vaにおける比安全係数を表わす。次
に、走行時間比安全係数推論部44は、時刻信号10
3′を用いて以下のようなファジィルールを図6に適用
して走行時間比安全係数を推論する。 もし走行時間帯が朝で走行継続時間が短かければ走行
時間比安全係数は小さい。 もし走行時間帯が真夜中で走行継続時間が非常に長け
れば走行時間比安全係数は極めて大きい。 図6において、(a)は走行時間帯のメンバシップ関数
であり、Mnは真夜中、Daは明け方、Mは朝、Nは昼を
表わす。また、(b)は走行継続時間が“短”、
“中”、“長”のメンバシップ関数を表わしている。こ
れらのメンバシップ関数に対して比安全係数の評価関数
をそれぞれ(c)、(d)に示した。(c)、(d)の
例では、比安全係数を“小”、“中”、“大”の三段階
で表わしている。例えば、走行時間帯をMnとDaとの間
のtaとし、走行時間を“短”と“中”の間のtbとする
と、それぞれ対応する比安全係数が(c)および(d)
の斜線部として得られ、両者を抜き出した(e)の重心
を計算して走行時間比安全係数を得ることが出来る。す
なわち、、のルールから、走行時間帯が明け方に近
く、かつ走行時間が中位であれば、走行時間比安全係数
は中よりやや大きいという結論が得られる。
【0021】なお、走行環境としては、上記の他に、道
路の混雑度を用いてもよい。道路の混雑度は、車速信号
102′とクロック信号103′とを用いて図7に示す
ルールを適用して推論する。 もし平均車速が小さく、時間当たりの停止回数が多け
れば混雑度は大きい。 もし平均車速が大きく、時間当たりの停止回数が少な
ければ混雑度は小さい。図7において、(a)は平均車
速“小”、(b)は平均車速“大”、(c)は時間当た
りの停止回数“多”、(d)は時間当たりの停止回数
“少”のメンバシップ関数を表す。これらに対する混雑
度の評価関数として(e)および(f)を用い、それぞ
れ混雑度“大”と混雑度“小”を示している。例えば、
平均車速がVa、停止回数Nとすれば、(a)〜(d)
の値としてa1、b1、c1、d1が得られ、これに対応す
る(e)および(f)の値e1、f1を重み係数として
(g)の重心を計算し、これを混雑度とする。例えば平
均車速がやや小さく、停止回数がやや多ければ、混雑度
はやや高いという結論が得られる。
【0022】(5)運転者状態比安全係数推論部5 図8は、運転者状態比安全係数推論部5の一実施例の構
成を示すブロック図である。図8において、各センサの
信号201′〜20n′は図1と同様である。また、加
速操作比安全係数推論部51は、アクセルセンサ201
の出力、すなわちスロットル開度信号もしくはアクセル
操作の有無を識別する信号に基づいて運転者の加速操作
の程度を推論する。アクセル開度に対する加速操作の評
価は、例えばファジィによらず、図9のような特性グラ
フを定め、スロットル開度に対する加速操作の程度を直
接求めるようにすれば良い。あるいは、アクセル操作の
有無を識別する信号、すなわちオン−オフ信号を用いる
ならば、アクセル・オンなら加速操作あり、アクセル・
オフなら加速操作なしと判定しても良い。
【0023】次に、減速操作比安全係数推論部52は、
ブレーキセンサ202の出力、すなわちブレーキ踏力も
しくはブレーキ操作の有無を検出する信号に基づいて運
転者の減速操作を推論する。この場合も加速操作を求め
るのと同様に、減速操作の評価を図10のような特性グ
ラフを予め定めておき、ブレーキ踏力に対する減速操作
の程度を直接求める。なお、アクセル・オフの場合には
エンジンブレーキがかかるので、アクセル・オフを弱い
減速操作と評価してもよい。また、ブレーキ操作の有無
を検出する信号(例えばストップランプ・スイッチの出
力)を用いるならば、ブレーキ・オンなら減速操作有
り、ブレーキ・オフなら減速操作なしと判定しても良
い。
【0024】次に、居眠り状態検出手段53は、舵角セ
ンサ203の出力に基づいて運転者のステアリング操作
パターンから覚醒度を演算する。覚醒度低下時のステア
リング操作の特徴は、数秒の無操舵の後、左右にステア
リングを切る操作パターンが見られることであり、運転
時の操作パターンとの一致度を求めることによって覚醒
度を推定することができる。また、覚醒度や居眠り状態
の検出装置としては、運転者の生体変化を検出し、その
結果に応じて居眠り運転検出のレベルを変えるように構
成することも出来る。上記の運転者の生体変化として
は、運転者の顔の表情をビデオカメラで撮像して画像処
理するもの、運転者の体温、脳波、皮膚電位、まばたき
等を検出し、それに応じて判定するもの等が考えられ
る。なお、前記のように、覚醒度低下時のステアリング
操作パターンは運転特性モデル記憶部3に記憶され、そ
の出力3′と運転時の操舵角出力203′とが比較され
る。
【0025】次に、居眠り比安全係数推論部54は、居
眠り状態検出手段53から得られた覚醒度の推定結果か
ら、以下のようにして比安全係数を推論する。覚醒度の
メンバシップ関数の例としては、図11(a)のように
定義する。図11(a)において、aは覚醒度“小”
を、bは覚醒度“中”を、cは覚醒度“大”のメンバシ
ップ関数を表わしている。これに対応する比安全係数の
評価関数は図11(b)のa′(比安全係数“小”)、
b′(比安全係数“中”)、c′(比安全係数“大”)で
それぞれ表わされる。例えば、運転者の覚醒度が図11
(a)のdであることが居眠り検知手段53から出力さ
れると、居眠り比安全係数推論部54は、図11(a)
a、bのdにおける値a1、b1を求め、次に図11
(b)のa′とb′を図11(a)のa1、b1に対応す
る値a1′、b1′で頭切りし、斜線部の重心点Dを覚醒
度dにおける比安全係数推論結果として出力する。な
お、運転者が減速操作を行なった場合は、走行に対する
安全度は向上するし、かつ覚醒度も大きい状態と推定さ
れる。したがって種々の運転者状態センサ群の代わりに
減速操作検出手段のみを設け、その出力に基づいて運転
者状態比安全係数を推論することも可能である。
【0026】次に、運転外行動比安全係数推論部55
は、エアコンディショナ、オーディオ装置などのスイッ
チ操作や、自動車電話のダイヤル操作あるいは通話など
のような運転者の運転外行動の検出出力204′を用い
て、以下のようにして比安全係数を推論する。なお、こ
の例では、運転外操作に伴う比安全係数の大小を左右す
るファクタとして時間の要素を用いている。すなわち、
スイッチ操作などでは、操作が一回で終了すればその間
の運転者の前方への注意力低下時間は短く、比安全係数
も小さいが、所定時間内にスイッチ操作が複数回行なわ
れたり、あるいは自動車電話のダイヤル操作や通話を行
なっている場合には長時間の注意力低下の原因となって
比安全係数は大きくなる。従って、本実施例では、運転
外操作の頻度もしくは時間のメンバシップ関数として図
12(a)のように定義する。図12(a)において、
aは頻度(もしくは時間)“小”を、bは頻度“大”の
メンバシップ関数を表わす。これに対応する比安全係数
の評価関数としては、例えば図12(b)のa′および
b′を用いる。これらの対応づけによる比安全係数の推
論はこれまで述べた例と同様であるので省略する。
【0027】(6)接近度判定部6 接近度判定部6は、環境比安全係数推論部4と運転者状
態比安全係数推論部5の各推論結果に基づいて総合的な
接近度を判定して出力するものである。まず、接近度判
定の基本的な考え方について述べる。接近度は、自車両
と前方の物標との接近の程度を表す値である。この接近
度が小さければ安全走行上問題を生じる可能性が小さい
と云える。しかし、接近度は自車両と前方物標との単な
る車間距離でないのは勿論であるが、自車両と前方物標
との車間距離と相対速度のみで示されるものでもない。
すなわち、前記のごとき車速、走行時間、道路の混雑度
等の走行環境や加速操作、減速操作、居眠り状態等の運
転者状態に応じて、安全走行を確保できる接近の程度は
異なってくる。例えば、“車速が大”、“走行継続時間
が大”、“加速操作”、“居眠り状態”等は接近度を大
きくする要因であり、“車速が小”、“走行継続時間が
小”、“減速操作”等は接近度を小さくする要因であ
り、車間距離と相対速度が一定でも上記のごとき種々の
要因に応じて接近度は変化する。また、上記の各要因も
それぞれ接近度に寄与する程度は異なっており、例え
ば、道路の混雑度は寄与する程度が小さいと考えられる
が、ブレーキを作動させる減速操作は接近度を小さくす
ることに寄与する程度は非常に大きいと思われる。した
がって本実施例においては、車間距離と相対速度とによ
って求めた対物標比安全係数に、それ以外の種々の要因
の比安全係数による重み付けを行なうことにより、自車
両と前方の物標との接近の程度を的確に表すように構成
している。上記の接近度が小さければ安全走行上問題を
生じる畏れは小さく、逆にこの接近度が大きくなった場
合には警報を発して運転者に注意を促す等の処置を行な
う必要がある。
【0028】以下、接近度判定部6の具体的な作用を説
明するが、まず走行環境による重み付けを行なった例に
ついて述べる。接近度判定部6の総合判定出力、すなわ
ち接近度をDとすると、接近度Dは例えば下記(数2)
式の演算によって求められる。 D=ω1・ω2・D42 …(数2) ただし、 D42:対物標比安全係数推論部42の出力(0≦D42
1) ω1:重み係数で、車速比安全係数推論部43の出力D
43の関数 〔ω1=f1(D43)〕 ω2:重み係数で、走行時間比安全係数推論部44の出
力D44の関数 〔ω2=f2(D44)〕 図13は、重み係数の特性の一例を示した図である。図
13において、車速が適切(例えば制限速度内で高速道
路を走行)で、かつ走行時間も日常生活時間帯でそれぞ
れの比安全係数が小さく、ごく通常の走行をしている場
合には、ω1=ω2=1とする。一方、車速が大きく、か
つ走行時間も真夜中や明け方のように運転者の注意力が
低下し、それぞれの比安全係数も高くなった場合には、
ω1>1、ω2>1とする。また、同じD42の値に対して
接近度Dの最大値と最小値の比を仮りに1.5とし、
ω1、ω2の最大値および最小値をそれぞれω1max、ω
2max、ω1min、ω2minとすれば、 ω1max・ω2max=1.5 ω1min=ω2min=1 となるようにω1、ω2の特性を定める。図13において
は、簡単のため下記(数3)式に示すように設定してい
る。
【0029】
【数3】
【0030】次に、いくつかの走行シーンを例として接
近度Dを演算してみる。接近度Dを過剰な接近の警報と
して利用する場合において、警報レベルをD≧0.6と
すれば、 (1)ω1=1.22、ω2=1.22の場合 (車速が大きくて比安全係数が大、走行時間も真夜中や
明け方で比安全係数が大の時) D=1.22×1.22×D42≧0.6より、D42=0.4
で警報を発する。すなわち、対物標比安全係数D42
0.4という標準より小さな値に達すると警報を発す
る。 (2)ω1=1、ω2=1の場合 (車速が適切、走行時間も通常の時間で比安全係数は小
の時) D=1×1×D42≧0.6より、D42=0.6で警報を発
する。すなわち、この場合には、対物標比安全係数D42
が0.6の標準的な値になると警報を発する。 (3)ω1=1.22、ω2=1の場合 (車速が大きくて比安全係数は大だが、走行時間の比安
全係数は小の時) D=1.22×1×D42≧0.6より、D42=0.54で
警報を発する。すなわち、この場合には、対物標比安全
係数D42が標準的な値よりやや小さな値に達すると警報
を発する。以上のように、重みω1=f(D43)、ω2
f(D44)の関数の形を適切に選ぶことにより、速度お
よび走行時間の各々の比安全係数に応じた最適な総合判
定出力としての接近度Dを得ることができる。
【0031】なお、接近度Dの演算は前記(数2)式に
限るものではなく、重みω1、ω2をD42に加減算して求
めても良い。すなわち、 D=D42+ω1+ω2 …(数4) としてもよい。この場合でも同じ対物標比安全係数D42
の値に対する接近度Dの最大値、最小値を条件としてω
1、ω2の関数形を定めれば良く、前記と同じ条件であれ
ば、 ω1max+ω2max=1.5 ω1min=ω2min=0 となるようにω1、ω2の特性を定めれば良い。
【0032】次に、対物標比安全係数D42に運転者状態
による重みをかけた実施例について述べる。接近度Dの
演算の方法として、例えば下記(数5)式を用いる。 D=ω3・ω4・ω6・D42+ω5 …(数5) ただし、 ω3:加速操作比安全係数推論部51の出力、ω3=f3
(D51) ω4:減速操作比安全係数推論部52の出力、ω4=f4
(D52) ω5:居眠り比安全係数推論部53の出力、ω5=f
5(D54) ω6:運転外行動比安全係数推論部54の出力、ω6=f
6(D55) 上記(数5)式において、居眠り比安全係数による重み
ω5を別項にしているのは、後述するように居眠り比安
全係数が大きい場合には対物標比安全係数D42の大小に
かかわらず確実に警報を発することが出来るようにする
ためであり、居眠り比安全係数がそれほど大きくなけれ
ば、(数5)式の右辺第1項との和の値で警報の発生を
決めるようにする。上記の右辺第1項ω3・ω4・ω6
42は、前記と同様に、同じ対物標比安全係数D42の値
に対して取り得る最大値と最小値の比を、ここでは仮り
に2とし、ω3・ω4・ω6の最大値および最小値をそれ
ぞれω3max、ω4max、ω6max、ω3mi n、ω4min、ω6min
として、下記(数6)式を満足するように各々の特性を
定めている。
【0033】
【数6】
【0034】図14は、ω3・ω4・ω5・ω6の特性の一
例を示した図である。図14においては、簡単のため下
記(数7)式に示すように設定している。
【0035】
【数7】
【0036】例えば、居眠り比安全係数による重みω5
の例として、ω5max=0.6、ω5min=0とし、その特
性を定める。次に、接近度Dを過剰な接近の警報に利用
する場合において、警報レベルをD≧0.6とし、いく
つかの走行シーンを例にDを演算してみる。 (1)ω3=1.26、ω4=1、ω5=0、ω6=1の場
合 (加速操作が極めて強い時) D=1.26×1×1×D42+0=0.6より、D42
0.48で警報を発生する。すなわち、この場合には対
物標比安全係数D42が標準より小さな値0.48に達す
ると警報を発生する。 (2)ω3=0、ω4=0.8、ω5=0、ω6=1の場合 (減速操作が極めて強い時) D=1×0.8×1×D42+0=0.6より、対物標比安
全係数D42=0.76で警報を発生する。すなわち、こ
の場合には対物標比安全係数D42の値が標準値よりも大
きな値0.76にならなければ警報しない。 (3)ω3=1.13、ω4=1、ω5=0.6、ω6=1の
場合 (加速操作は中位であるが、居眠りの比安全係数が極め
て高い時) D=1.13×1×1×D42+0.6=0.6より、対物
標比安全係数D42が如何なる値、例えばD42=0で対物
標比安全係数が全くない場合でも直ちに警報する。 (4)ω3=1.13、ω4=1、ω5=0、ω6=1.26
の場合 (加速操作は中位、運転外行動比安全係数が極めて高い
場合) D=1.13×1×1.26×D42+0=0.6より、対
物標比安全係数D42=0.42で警報を発する。すなわ
ち、この場合には対物標比安全係数D42がかなり小さな
値で警報する。
【0037】以上のように、重みω3・ω4・ω5・ω6
関数の形を適切に選ぶことにより、運転者状態の各々の
比安全係数に応じた最適な総合判定出力、すなわち接近
度Dを得ることができる。なお、上記と同様にして、環
境比安全係数と運転者状態比安全係数とを組み合わせる
ことが出来る。また、組み合わせの対象が1つ(例えば
居眠り検知)しかない場合でも本発明に基づけば単なる
組み合わせではない新たな効果(警報発生条件の最適
化)が得られる。また、本実施例では、走行環境と運転
者状態の双方について比安全係数を演算しているが、走
行環境のみに対して比安全係数を求め、警報するように
しても、従来の警報装置に較べて格段に優れた信頼性で
警報することが可能であると共に、運転者状態のみで警
報するようにしても運転者の漫然状態や居眠りに対して
的確に警報を発し、運転者の注意力を喚起する効果は大
であり、接近に対する警報機能を充分に発揮することが
出来る。
【0038】また、本実施例の構成要素は、これまで説
明したものに限定されるものではなく、例えば走行環境
センサ群1のセンサとして、レーダ101、車速センサ
102、クロック103以外にも、車両の前後左右の動
きを検出するGセンサ、降雨状態を検出するためのワイ
パー・スイッチやレーダヘッドの送受光面に付着した雨
滴を検出する雨滴センサ、ヘッドランプの点消灯を検出
するためのランプ・スイッチなどの一部もしくは全部を
用いて比安全係数の演算を行なっても良い。
【0039】また、運転者状態センサ群2のセンサとし
ては、アクセルセンサ201、ブレーキセンサ202、
舵角センサ203、運転外行動センサ204以外にも、
ビデオカメラなどによって運転者の眼球の動きを検出
し、その動きから運転者の脇見、居眠り、ぼんやり状態
等を検出する眼球センサや、呼吸センサ、心拍センサな
どの運転者の生理状態を検出するセンサなどの一部もし
くは全部を用いて運転者状態の比安全係数を演算し、よ
り精度を上げるようにしてもよい。また、運転特性モデ
ル記憶部3には、本実施例のように予めモデル化された
平均的な特性を記憶しておく以外に、運転者の個々の運
転特性の差を補正するため、実走行における運転特性を
計測し、これに基づいてモデルを修正する学習機能を付
加することは容易である。さらに、走行環境および運転
者状態の比安全係数の推論手順については本実施例に限
るものではなく、最適化のため他の推論手順あるいはメ
ンバシップ関数や評価関数を用いてもよいことは言うま
でもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、走行環境センサ群と運転者状態センサ群の出力か
ら環境比安全係数と運転者状態比安全係数とを推論し、
前方物標のデータと、環境比安全係数および運転者状態
比安全係数とに基づいて上記物標に対する接近度を判定
するように構成したことにより、極めて多様な走行環境
や運転者の行動、状態を的確に判断し、車両前方の物標
に対する接近度、すなわち安全走行を確保するための接
近の程度を正確に求めることが可能になる、という効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のブロック図。
【図3】環境比安全係数推論部の一実施例のブロック
図。
【図4】対物標比安全係数を推論するメンバシップ関数
の一例を示す特性図。
【図5】車速比安全係数を推論するメンバシップ関数の
一例を示す特性図。
【図6】走行時間比安全係数を推論するメンバシップ関
数の一例を示す特性図。
【図7】道路混雑度を推論するメンバシップ関数の一例
を示す特性図。
【図8】運転者状態比安全係数推論部の一実施例のブロ
ック図。
【図9】加速操作比安全係数演算用の特性図。
【図10】減速操作比安全係数演算用の特性図。
【図11】居眠り比安全係数を推論するメンバシップ関
数の一例を示す特性図。
【図12】運転外行動比安全係数を推論するメンバシッ
プ関数の一例を示す特性図。
【図13】各種比安全係数の値を示す特性図。
【図14】各種比安全係数の値を示す特性図。
【図15】自車速度と安全車間距離との関係を示す特性
図。
【符号の説明】
1…走行環境センサ群 2…運転者状態センサ群 3…運転特性モデル記憶部 4…環境比安全係数推論部 5…運転者状態比安全係数推論部 6…接近度判定部 7…警報装置 10…走行環境センサ群 11…運転者状態センサ群 12…環境比安全係数推論手段 13…運転者状態比安全係数推論手段 14…接近度判定手段 15…運転特性モデル記憶手段 16…減速操作検出手段 41…自車線上物標検出部 42…対物標比安全係数推論部 43…車速比安全係数推論部 44…走行時間比安全係数推論部 51…加速操作比安全係数推論部 52…減速操作比安全係数推論部 53…居眠り状態検出手段 54…居眠り比安全係数推論部 55…運転外行動比安全係数推論部 101…スキャニングレーダ 102…車速センサ 103…クロック 201…アクセルセンサ 202…ブレーキセンサ 203…舵角センサ 204…運転外行動検出センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両走行路の前方に存在する物標のデータ
    を検出する物標検出手段を少なくとも含む車両の複数の
    走行環境を検知する走行環境センサ群と、 運転者の複数の状態を検知する運転者状態センサ群と、 上記走行環境センサ群の出力に応じて、車両の走行に対
    する環境の安全の度合を示す環境比安全係数を推論する
    環境比安全係数推論手段と、 上記運転者状態センサ群の出力に応じて、車両の走行に
    対する運転者状態の安全の度合を示す運転者状態比安全
    係数を推論する運転者状態比安全係数推論手段と、 上記物標検出手段で検出した前方物標のデータと、上記
    環境比安全係数および上記運転者状態比安全係数とに基
    づいて上記物標に対する接近度を判定する接近度判定手
    段と、 を備えたことを特徴とする車両用接近判定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用接近判定装置にお
    いて、運転者の運転特性を記憶する運転特性モデル記憶
    手段を備え、上記環境比安全係数推論手段は上記走行環
    境センサ群の出力と上記運転特性モデル記憶手段の記憶
    内容とに応じて上記環境比安全係数を推論し、上記運転
    者状態比安全係数推論手段は上記運転者状態センサ群の
    出力と上記運転特性モデル記憶手段の記憶内容とに応じ
    て上記運転者状態比安全係数を推論するように構成した
    ことを特徴とする車両用接近判定装置。
  3. 【請求項3】車両走行路の前方に存在する物標のデータ
    を検出する物標検出手段を少なくとも含む車両の複数の
    走行環境を検知する走行環境センサ群と、 運転者が減速操作を行なったことを検出する減速操作検
    出手段と、 上記走行環境センサ群の出力に応じて、車両の走行に対
    する環境の安全の度合を示す環境比安全係数を推論する
    環境比安全係数推論手段と、 上記減速操作検出手段の出力に応じて、運転者状態比安
    全係数を推論する運転者状態比安全係数推論手段と、 上記物標検出手段で検出した前方物標のデータと、上記
    環境比安全係数および上記運転者状態比安全係数とに基
    づいて上記物標に対する接近度を判定する接近度判定手
    段と、 を備えたことを特徴とする車両用接近判定装置。
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