JP3036009B2 - ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 - Google Patents
ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法Info
- Publication number
- JP3036009B2 JP3036009B2 JP19392990A JP19392990A JP3036009B2 JP 3036009 B2 JP3036009 B2 JP 3036009B2 JP 19392990 A JP19392990 A JP 19392990A JP 19392990 A JP19392990 A JP 19392990A JP 3036009 B2 JP3036009 B2 JP 3036009B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pqq
- culture solution
- pqqs
- recovering
- culture supernatant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Description
さらに詳細には、細菌を使用して生成させたピロロキノ
リンキノン類の回収・精製方法に係わる。
菌に限らず、真核生物のカビおよび酵母、さらには哺乳
動物などの組織中にも存在し、脱水素酵素および酸化酵
素のそれぞれの補酵素として重要な働きを担っている。
さらに近年までに細胞の増殖促進作用(たとえば特開昭
61−58584号公報、特開昭63−233783号公報)、アルド
ース還元酵素阻害作用−抗白内障作用(たとえば特開昭
63−41421号公報、特開昭63−48215号公報、特開昭64−
29313号公報)、肝臓疾患予防治療作用(たとえば特開
昭63−192717号公報)、創傷治癒作用(たとえば特開昭
63−152309号公報)、抗アレルギー作用(たとえば特開
昭63−174931号公報)、逆転写酵素阻害作用(たとえば
特開昭63−156724号公報、特開平01−29313号公報)お
よびグリオキサラーゼI阻害作用−制癌作用(たとえば
特開昭63−215628号公報、特開平01−239313号公報)な
ど多くの生理活性が明らかにされている。また、ビタミ
ン作用を有することも明らかとなっており、医薬品とし
て重要な役割を果たす物質と考えられている。
する方法としては、培養液から細菌菌体を遠心分離など
の方法により除去した培養上澄液をDEAE−Sephadex(ジ
エチルアミノエチル系陰イオン交換樹脂−セファデック
ス−A25ファルマシア社、商品名)カラムを通過させ
て、このカラムにPQQ類を吸着させた後、0〜1M KCl溶
液でPQQ類を溶出する方法(M.Ameyama et al.,Agric.Bi
ol.Chme.,第48巻、第561頁〜565頁(1984))が知られ
ている。
ている蛋白質などの不純物のために得られるPQQ類の純
度が低く、また純度の高いPQQ類を得るためには、多量
のDEAE−Sephadex樹脂を必要とするなどの問題があり、
培養液からPQQ以外の有機物の有効な除去方法の開発が
望まれている。
について、研究を重ねた結果、培養液または培養液から
細菌菌体を全部あるいは一部除去した培養上澄液のpHを
3.0〜4.5にすることにより培養液あるいは培養上澄液中
に含まれる蛋白質などの不純物が沈澱となり、これを遠
心分離あるいは濾過などの方法で除去することにより蛋
白質などの不純物が取り除け、PQQ類の回収・精製が容
易に行なえることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、メタノール資化性を有し、かつ、ピロロ
キノリンキノンを生産する能力を有する細菌を用いてピ
ロロキノリンキノン類を製造する方法において、メタノ
ールを主炭素源として含有する培地で当該細菌を増殖さ
せピロロキノリンキノン類を生成させた培養液、または
培養液から細菌菌体を全部あるいは一部除去した培養上
澄液のpHを3.0〜4.5とし、不純物を除去することを特徴
とするピロロキノリンキノン類の回収・精製方法であ
る。
およびPQQのカリウム塩などのPQQ塩類を意味する。
を有する細菌としては、たとえば、メチロバチルス・グ
リコゲネス、メチロバクテリウム エクストロクエン
ス、メチロバクテリウム オルガノフィラム、メチロバ
クテリウム ロディウム、メチロバクテリウム メソフ
ィリアム、メチロバクテリウム ラジオトレランス、ハ
イホミクロビウム ブルガレ、ハイホミクロビウム メ
チロボラム、アンシロバクター アキュアティカス、キ
サントバクター オートトロフィカス、キサントバクタ
ー フラバス、アシドモナス メタノリカ、パラコッカ
ス デニトリフィカンス、パラコッカス アルカリフィ
ラス、チオバチルス ノベルス、メチロファーガ マリ
ーナおよびメチロファーガ サラシカなどがあり、これ
らの細菌を、メタノールを炭素源とする培地中で培養し
て得られた培養液には、PQQの他に比較的多量の蛋白質
などの有機物からなる不純物を含有している。
ことにより、含有している蛋白質などの不純物は、細菌
菌体と共に沈澱するので、遠心分離あるいは濾過などの
手段により除去でき、細菌菌体および蛋白質などの不純
物のないPQQ含有液を得ることができる。しかし、細菌
菌体を含む培養液そのものを使用すると沈澱物が多量と
なるためにPQQ類も沈澱物にまき込まれ、PQQの回収率が
低下するなどの問題がある。そこで細菌菌体の全部ある
いは一部をあらかじめ除去した培養上澄液を得、そのpH
を3.0〜4.5とし、蛋白質などの不純物を除去することが
特に好ましい。
に制限はないが、PQQ類の濃度が高いとPQQ類の回収率が
低くなることから、1g/以下が好ましく、特に800mg/
以下が好ましい。PQQ類をこれらより多く含有する培
養液あるいは培養上澄液を用いる場合には、PQQ類の濃
度が、これらの値以下となるように水を添加する必要が
ある。
縮処理などを行ってもよい。
少なくなり、また、一方pH3.0未満であると、蛋白質の
除去率はよいものの、PQQの回収率が悪くなる。そこで
培養上澄液のpHは3.0〜4.5の間で行われる。蛋白質の除
去率およびPQQの回収率から、特にpH3.5〜4.0が好まし
い。
に、塩酸および硫酸などの酸類ならびに重炭酸ナトリウ
ムあるいは酸性リン酸カルシウムなどの無機酸性塩など
の酸性物質が添加されるが、これらの中では酸類が好ま
しく塩酸が特に好ましい。
カラム処理、Sephadex G−10カラム処理、ハイポーラス
ポリマーカラム処理(特願昭62−232296)、塩析処理
(特願昭63−216317)などの精製を行うことにより容易
に純度のよいPQQ類を回収率よく得ることが可能であ
る。
る。
kami and komagata,J.Gen.Appl.Microbiol.,第33巻、第
521頁〜第542頁、(1987))を培養して得られた培養液
を遠心分離して、菌体を除去し、PQQを含有する培養上
澄液を得た。この培養上澄液はPQQを約600μg/ml、蛋白
質を約2g/含有していた。
6.0〜1.5になるように塩酸を添加して調整した。調整4
時間後に12,000rpmで20分間遠心分離し、沈澱物を除去
し、その上澄液中のPQQ濃度および蛋白質濃度を分析し
た。PQQは高速液体クロマトグラフィーで分析し、蛋白
質はLowry法で分析した。結果を表1に示す。
して得られた培養液を遠心分離して、菌体を除去し、PQ
Qを含有する培養上澄液を得た。この培養上澄液は、PQQ
を433μg/、蛋白質を1,350μg/含有していた。
した。調整4時間後に12,000rpmで20分間遠心分離し、
沈澱物を除去し、PQQ含有液を得た。このPQQ含有液に
は、PQQを348μg/、蛋白質を38μg/含有していた。
加しpHを2.5に調整し、5℃で24時間放置後、12,000rpm
で20分間遠心分離し沈澱物を得た。この沈澱物を凍結乾
燥し、PQQ含有粉体を1.42g得た。この粉体はPQQ・2Naを
697mg、NaClを587mg、蛋白質を9mg、水を114mg、その他
13mgを含有していた。
1,350μg/含有している培養上澄液2に、120gのNaC
lを添加し溶解後、HClを添加しpHを2.5に調整し、5℃
で24時間放置後、12,000rpmで20分間遠心分離し沈澱物
を得た。
この粉体はPQQ・2Naを750mg、NaClを700mg、蛋白質を2.
5g、水を220mg、その他100mgを含有していた。
可能となり、工業的に極めて大きな利点がある。
Claims (1)
- 【請求項1】メタノール資化性を有し、かつ、ピロロキ
ノリンキノンを生産する能力を有する細菌を用いてピロ
ロキノリンキノン類を製造する方法において、メタノー
ルを主炭素源として含有する培地で当該細菌を増殖さ
せ、ピロロキノリンキノン類を生成させた培養液、また
は、培養液から細菌菌体を全部あるいは一部除去した培
養上澄液のpHを、3.0〜4.5とし、不純物を除去すること
を特徴とするピロロキノリンキノン類の回収・精製方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19392990A JP3036009B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19392990A JP3036009B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0479890A JPH0479890A (ja) | 1992-03-13 |
JP3036009B2 true JP3036009B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=16316094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19392990A Expired - Lifetime JP3036009B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3036009B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5735251B2 (ja) * | 2010-10-12 | 2015-06-17 | 一般財団法人化学及血清療法研究所 | 新規アジュバント |
CN104892597B (zh) * | 2015-05-14 | 2016-05-04 | 郑州轻工业学院 | 络合萃取法分离纯化发酵液中的吡咯喹啉醌 |
-
1990
- 1990-07-24 JP JP19392990A patent/JP3036009B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0479890A (ja) | 1992-03-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0527753B1 (en) | Purification and use of pertactin, a bordetella pertussis outer membrane protein | |
JP3036009B2 (ja) | ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 | |
EP0242301B1 (fr) | Procédé de purification d'antigènes protéiques de bactéries appartenant au genre Bordetella, en vue de l'obtention d'un vaccin acellulaire | |
JPH0834742B2 (ja) | 百日せき内毒素の除去法,百日せきトキソイドおよびその製造法 | |
JP2692167B2 (ja) | ピロロキノリンキノン類の回収・精製方法 | |
US3905870A (en) | Purification of kallikrein | |
JP3430176B2 (ja) | アンギオテンシン変換酵素阻害ペプチドの精製方法 | |
DE59813491D1 (de) | Verfahren zur Herstellung eines eine Hyaluronidase enthaltenden Präparats | |
JP3737252B2 (ja) | 上皮細胞増殖因子活性を有するタンパク質の回収精製法 | |
JPS6231915B2 (ja) | ||
JPS62246575A (ja) | ピロロキノリンキノンの精製方法 | |
US3652401A (en) | Purification of dextranase using iron salts | |
US2794800A (en) | Preparation of antitryptic substance from soybean | |
JPS61275224A (ja) | コラゲナ−ゼ阻害剤 | |
JP2522034B2 (ja) | α−ケト酸・アミノ酸塩化合物及びその製造方法 | |
EP0000439B1 (en) | Method of purifying an insulin-containing aqueous ethanolic raw extract from pancreas glands | |
US3994782A (en) | Methods for extracting and purifying kallidinogenase | |
JPS5889196A (ja) | インタ−フエロンの精製法 | |
US20020015711A1 (en) | Purification of a pertussis outer membrane protein | |
JP3025067B2 (ja) | グリオキサラーゼiの製造法 | |
JPS6054037B2 (ja) | エラスタ−ゼの製法 | |
US3810822A (en) | Process for obtaining a phosphodiesterase from dictyostelium discoideum | |
US3669842A (en) | Purification of l-asparaginase | |
JP2537074B2 (ja) | 酸性プロテア―ゼの精製法 | |
JP2793158B2 (ja) | フィブロインからチロシンを分離する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080225 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100225 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100225 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225 Year of fee payment: 11 |