JP3035569B2 - 有機性廃水の処理方法 - Google Patents

有機性廃水の処理方法

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JP3035569B2
JP3035569B2 JP11040361A JP4036199A JP3035569B2 JP 3035569 B2 JP3035569 B2 JP 3035569B2 JP 11040361 A JP11040361 A JP 11040361A JP 4036199 A JP4036199 A JP 4036199A JP 3035569 B2 JP3035569 B2 JP 3035569B2
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環境エンジニアリング株式会社
和憲 中村
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性汚濁成分を
含む被処理水(以下、有機性廃水又は原水とも呼ぶ)を
活性汚泥方式で処理する有機性廃水の処理方法に関し、
更には、有機物を含む被処理水を活性汚泥方式で処理し
た場合に、処理液の水質の悪化を生じさせることなく、
処理効率が著しく改善され、しかも余剰汚泥の格段の減
量化が経済的に、且つ、確実に達成される有機性廃水の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機性廃水を好気性微生物を含む活性汚
泥により処理する活性汚泥法は、浄化能力が高く、比較
的に処理経費が少なくて済む等の利点があるため、活性
汚泥法を利用した種々の水処理方法が提案され、下水処
理や産業廃水処理等において広く一般に利用されてい
る。上記活性汚泥法では、図8に示すように、処理対象
となる各種の有機性廃水をエアレーションタンク(曝気
槽)へと導き、この曝気槽で、活性汚泥によりBODで
示される廃水中の有機汚濁成分を分解させて浄化処理を
している。しかし、特定の生物負荷条件、即ち、BOD
負荷量で0.5〜0.8kg/m3・day程度の状態
でしか運転ができないため、大量の処理を行なうには、
広い敷地面積を要する大型の曝気槽が必要となる等、設
備が大掛かりになる傾向がある。
【0003】更に、活性汚泥処理方法では、分解したB
ODのうちの50〜70%は微生物の維持エネルギーと
して消費されるが、残りの30〜50%は菌体の増殖に
使用されるので、活性汚泥の量が次第に増加していく。
このため、一般的には、図8に示したように、曝気槽で
処理された廃水を沈澱槽へと導き、沈殿した活性汚泥の
中から有機性廃水の浄化処理に必要な量だけ返送汚泥と
して曝気槽内へと戻し、それ以外の活性汚泥を余剰汚泥
として取り除いている。このように、活性汚泥法を利用
した水処理方法では、上記した処理効率に劣るといった
問題に加えて、大量の余剰汚泥の処理が常に問題とな
る。
【0004】これに対し、特公昭56−48235号公
報に、有機性廃水(原水)を、細菌処理(主に分散菌に
よる細菌処理)して廃水中の有機物を酸化分解すると共
に非凝集性の細菌に変換させた後、更に、該非凝集性細
菌を固着性原生動物処理して捕食除去させることによっ
て、生物処理効率を向上させることが提案されている。
そして、上記の方法を用いると、高負荷状態での運転が
可能となり、活性汚泥法による処理効率が格段に向上
し、更に、生物処理の効率向上が図れると同時に余剰汚
泥の生成量を減少できることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以下、本発明を、第1
の発明及び第2の発明に分けて説明する。 (第1の発明)しかしながら、本発明者らが検討した結
果、上記従来の方法では、確かに、処理条件を選べば、
活性汚泥法による処理効率の向上、更には、余剰汚泥の
生成量を減少させる効果があるが、上記したように、性
質の異なる複数の種類の微生物をうまく組み合わせて処
理して上記効果を得ているため、処理条件によっては、
効果が得られにくく、特に、処理の対象である被処理水
の性状による影響を非常に受け易いことがわかった。即
ち、上記の方法は、模試的に作成した理想的な被処理水
に対しては非常に高い効果が得られるものの、日々或い
は刻々と、BODで示される有機汚濁成分濃度の変動が
変化する実際の有機性廃水に対しては、確実に安定して
高い効果が得られ難いという実用上の問題があった。
【0006】従って本発明の目的は、活性汚泥法を利用
した有機性廃水の処理方法において、BODで示される
有機汚濁成分濃度の変動の著しい実際の有機性廃水に適
用した場合にも、処理効率の向上が図れ、最終段階で放
出される処理水の水質を悪化させることなく、余剰汚泥
量を簡便な方法で減量化できるという優れた効果が安定
して確実に得られる有機性廃水の処理方法を提供するこ
とにある。又、本発明の目的は、小規模施設にも適用で
きる簡易且つ経済的な有機性廃水の処理方法を提供する
ことにある。
【0007】(第2の発明)しかしながら、本発明者ら
が検討した結果、上記従来の方法では、確かに、処理条
件を選べば、活性汚泥法による処理効率の向上、更に
は、余剰汚泥の生成量を減少させる充分な効果がみられ
るが、上記した方法では、性質の異なる複数の種類の微
生物をうまく組み合わせて生物処理に利用することによ
って上記効果を得ているため、処理条件によってはその
効果が得られにくく、特に、処理の対象である被処理水
の性状による影響を非常に受け易いことがわかった。即
ち、上記の方法は、模試的に作成した理想的な被処理水
に対しては非常に高い効果が得られるものの、日々或い
は刻々と、BODで示される有機汚濁成分濃度の変動に
限らずその性状が変動したり、廃水量が変化したり、時
には廃水の流入が停止する場合もある実際の有機性廃水
に対する処理においては、その変動に迅速に対応しきれ
ず、処理水(放流水)の水質が一時的に悪化する等、安
定して高い効果を得ることが難しいという実用上の問題
があった。
【0008】従って本発明の目的は、原水性状が急激に
変化したり、製造ラインの休止等によって処理槽への原
水の導入が一時的に中断した場合等においても、その前
後において処理効率が変動することなく安定した状態で
処理を行うことができ、最終段階で放出される処理水の
水質を一時的にも悪化させることがなく、更に余剰汚泥
量を簡便な方法で減量化できるという優れた効果が安定
して得られる有機性廃水の処理方法を提供することにあ
る。又、本発明の目的は、小規模施設にも適用できる簡
易且つ経済的な有機性廃水の処理方法を提供することに
ある。
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、有機性汚濁
成分を含む被処理水を第1処理槽に導入し、該第1処理
槽内で原生動物の実質的不存在下で細菌処理し、被処理
水中に含まれる有機物を酸化分解すると共に非凝集性細
菌に変換した後、第1処理槽からの非凝集性細菌を含む
廃水を活性汚泥が存在する第2処理槽に導入し、該第2
処理槽内で非固着性原生動物の実質的不存在下、固着性
原生動物処理して非凝集性細菌を固着性原生動物に捕食
除去させる2相活性汚泥法によって処理する有機性廃水
の処理方法において、少なくとも第1処理槽内の水質を
経時的に測定し、細菌処理を悪化させる水質の変化を
知した時点で、少なくとも被処理水の第1処理槽への導
入を一時停止して種汚泥又は微生物製剤を添加した後、
第1処理槽の曝気を行ない、その後に第1処理槽への被
処理水の導入を再開することを特徴とする有機性廃水の
処理方法である。本発明における“原生動物の実質的不
存在下”とは、原生動物の増殖が抑制され、その結果、
細菌処理過程中に殆ど原生動物の新たな出現が見られな
い状態を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の有機性廃水の処理方法の
好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。 (第1の発明)本発明者らは、上記従来技術の問題点を
解決すべく鋭意研究の結果、実際の有機性廃水(以下、
原水と呼ぶ)を、特公昭56−48235号公報に記載
されているような、分散性の細菌相と、固着性原生動物
相とからなる2相活性汚泥法で生物処理する場合に、特
に、細菌相を構成している処理槽に導入する被処理水中
のBODで示される有機汚濁成分濃度(以下、単に有機
汚濁成分濃度と呼ぶ)の変動を抑制し、有機汚濁成分濃
度が安定した状態の被処理水を細菌相で処理するように
構成すれば、2相活性汚泥法による有機性廃水の浄化処
理が安定して確実に行なわれ、優れた効果が安定して得
られることを知見して本発明に至った。
【0012】本発明の有機性廃水の処理方法は、第1処
理槽に導入する被処理水中の有機汚濁成分濃度の変動を
抑制することを特徴とするが、以下、これについて説明
する。本発明の有機性廃水の処理方法で扱う有機性廃水
としては、有機物を含む種々の廃水、例えば、魚介類や
肉類或いは野菜類等の各種生鮮食料品の加工工場、乳製
品、飲料或いは菓子等の各種の食品製造工場、醸造工
場、発酵工場等からの工業廃水、或いは、通常の生活廃
水等が挙げられる。これらの有機性廃水中の有機汚濁成
分濃度は、取扱っている原材料の種類や生産状態が、日
によって、或いは同じ日でも時間によって異なる場合が
多いため、常に一定ではない。具体的には、数倍〜30
0倍、或いは、場合によってはこれ以上の濃度変動を生
じる場合もある。これに対し、本発明者らの検討によれ
ば、このような廃水を、後述する2相活性汚泥法で生物
処理すると、安定して一定の効果が得られない場合があ
ることがわかった。
【0013】即ち、通常の活性汚泥法では、同一の処理
槽内(曝気槽)に棲息している各種の微生物による並行
処理を、数日間に渡って行ない浄化処理しているのに対
し、上記した2相活性汚泥法では、性質の異なる微生物
が夫々棲息している第1処理槽と第2処理槽とを用い、
夫々の槽で特徴のある生物処理を行ない、これらを組み
合わせることによって処理の効率化を図っているため、
2つの処理槽間での処理のバランスを保つ必要が生じて
くる。これに対し、対象とする被処理水が常に一定の性
状を有するものであれば両者のバランスをとり易いが、
被処理水中の有機汚濁成分濃度の変動が大きいと両者の
バランスを採ることが難しくなり、処理水の水質が損な
われたり、処理効率の向上が図れないことが生じる恐れ
もある。このように、2相活性汚泥法を、上記に挙げた
ような、有機汚濁成分濃度の変動を生じる実際の有機性
廃水に使用する場合には、解決しなければならない実用
上の問題があった。
【0014】そこで、本発明の有機性廃水の処理方法で
は、上記の問題を解消すべく、第1処理槽に導入する被
処理水中のBODで示される有機汚濁成分濃度の変動を
抑制することを必須の要件とする。本発明において特に
好ましくは、被処理水中の有機汚濁成分濃度の変動が、
原水の平均濃度の中央値から50%以内に収まるように
調整されていることが好ましい。以下、本発明で採用す
る細菌相と原生動物相とからなる2相活性汚泥法による
生物処理について説明し、更に、被処理水中の有機汚濁
成分濃度の変動を抑制することの意義について詳述す
る。
【0015】本発明で使用する2相活性汚泥法は、活性
汚泥による有機性廃水の生物処理が、細菌による有機
物の酸化分解資化反応過程と、凝集性及び沈降性のよ
い汚泥の生成過程の2つの過程からなり、特に、これら
のうちのの過程が、有機性廃水の生物処理の律速とな
っていることに鑑みなされたものである。即ち、先ず、
第1処理槽を、活性汚泥の沈降性を考慮せずに、有機物
の除去のみを目的とする非固着性原生動物の実質的不存
在下で細菌処理を行なう細菌相とし、この第1処理槽
で、有機物を細菌によって効率よく酸化分解させると共
に、これらの有機物を栄養源とする細菌の増殖を促進さ
せる。更に、その際に、細菌の状態が個々の菌体に分散
した原生動物に極めて捕食され易い状態になるように構
成する。そして、上記の第1処理槽に引き続いて行なわ
れる第2処理槽を、細菌の捕食と、残存有機物の処理を
目的とした活性汚泥を含む固着性原生動物相とし、上記
の第1処理槽(細菌相)で処理された細菌を含む廃水
を、第2処理槽で、非固着性原生動物の不存在下、固着
性原生動物処理することによって、上記で増殖した細菌
を原生動物により効率的に捕食除去させる。
【0016】上記において、第1処理槽である細菌相で
は、増殖した細菌が、個々の菌体に分散した原生動物に
極めて捕食され易い状態になるようにする必要があり、
そのために、第1処理槽における被処理水の処理時間
(希釈率)が原生動物の増殖速度よりも長くならないよ
うにしている。このため、通常、第1処理槽での処理は
数時間程度と短時間内に行なわれ、高速処理がなされ
る。一方、第2処理槽での処理は、数時間〜数日間を要
するが、第1処理槽で、上記のような細菌処理が行なわ
れているため、従来の1相の活性汚泥法による場合より
も効率のよい処理ができるようになる。
【0017】即ち、上記した2相活性汚泥法では、細菌
相(第1処理槽)で処理されて、固着性原生動物相(第
2処理槽)へ導入されてくる被処理水中に含まれる細菌
は非凝集性のものであり、個々の菌体に分散した原生動
物に極めて捕食され易い状態となっているので、第2処
理槽内での原生動物による細菌除去率は極めて高いもの
となる。更に、第2処理槽で、上記のような原生動物処
理された処理水は、上記したような過程によって増殖し
た固着性原生動物を汚泥として含み、且つ、この汚泥
は、分離性が非常に優れた状態のものであるので、沈殿
槽等の慣用の固液分離手段によって容易に分離すること
が可能である。加えて、汚泥が除かれた後に放流される
最終処理水が、有機物及び原生動物を含まず、極めて清
浄なものとなる。この結果、本発明で採用する2相活性
汚泥法によって有機性廃水を処理すれば、通常の場合の
2〜3倍程度の高負荷運転が可能となり、且つ汚泥の生
成量を約1/2程度に減量化することができる。
【0018】しかし、上記した2相活性汚泥法で、第1
処理槽である細菌相へ導入されてくる被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動が大きいと、上記の優れた生物処理
システムのバランスが崩れて円滑な処理が行なえなくな
ることが生じる。以下、これについて説明する。上記で
述べたように、第1処理槽では、被処理水中の有機汚濁
成分の細菌による酸化分解が進み、これら有機物を栄養
源とする細菌の増殖が進むが、その場合に、菌体の凝集
・沈降が起こる前に迅速に処理する必要がある。即ち、
後述するように、第1処理槽における被処理水の処理時
間(希釈率)が原生動物の増殖速度よりも長いと、第1
処理槽内での原生動物の出現が抑制できず、菌体の凝集
・沈降が起こるので、第1処理槽における処理時間(希
釈率)は、通常、数時間程度に短めに設定される。そし
て、このようにして第1処理槽での処理を行う結果、第
1処理槽から第2処理槽へと導入される被処理水(以
下、単に第1処理水と呼ぶ)が、菌体の凝集や沈降が生
じていない、個々の菌体に分散した原生動物に極めて捕
食され易い状態の細菌を含有するものとなり、この結
果、第2処理槽における原生動物による細菌の捕食が進
み、処理の効率向上が達成できるようになる。
【0019】これに対し、原水の有機汚濁成分濃度の変
動が著しく、第1処理槽中に予定したよりも極端に高い
有機汚濁成分濃度を有する被処理水が導入されてきた場
合には、上記したように第1処理槽における処理時間
(希釈率)を短く設定しているため、第1処理槽内の有
機物が細菌によって完全に酸化分解し、有機物を栄養源
とする細菌が増殖して、原生動物に極めて捕食され易い
個々の菌体に分散した状態の細菌となる前に、第1処理
水が第2処理槽へと送られてしまうことが生じる。この
場合には、当然、上記した場合ほどには処理の効率化が
図れなくなる。一方、この場合に、有機汚濁成分濃度の
高い被処理水の細菌処理を完全に行なうために、第1処
理槽における被処理水の処理時間(希釈率)を長くする
と第1処理槽における原生動物の増殖を招き、この場合
にも処理の効率化が図れなくなる。
【0020】このように、2相活性汚泥法では、第1処
理槽である細菌相へ導入されてくる被処理水中の有機汚
濁成分濃度の変動が大きいと、安定した状態での生物処
理が行なわれなくなる。従って、本発明の有機性廃水の
処理方法では、第1処理槽における細菌処理が安定して
行われるようにすることが重要である。即ち、本発明で
使用する第2処理槽や従来の曝気槽のように、処理時間
(希釈率)が数日間と長い場合には、被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動が大きかったとしても、これらの槽
内である程度は調整することができるので、被処理水中
の有機汚濁成分濃度の変動が及ぼす影響は差程ではない
が、本発明で使用する第1処理槽で行なう細菌処理は、
先に述べたように、短時間内で高速に行なわれるため、
上記の濃度変動が処理に及ぼす影響が多大なものにな
る。
【0021】即ち、上記したような2相活性汚泥処理に
より処理の効率化を図る場合には、第1及び第2処理槽
に棲息している微生物の状態を、理想的な状態になるよ
うに設定する必要があるが、特に、実際の有機性廃水で
ある原水を含んだ被処理水が導入される第1処理槽では
高速処理しているため、被処理水中における有機汚濁成
分濃度変動の影響を大きく受け易く、被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動を抑制し、有機汚濁成分濃度を安定
させた状態にしないと、上記処理システムにおけるバラ
ンスが崩れ、円滑な生物処理の実行は難しくなる。
【0022】以下、第1処理槽である細菌相へ導入する
被処理水中の有機汚濁成分濃度の変動を調整する具体的
な方法について述べる。従来の活性汚泥法においても、
曝気槽へ被処理水を導入する手前に、調整槽を置き、こ
こで、被処理水のpH調整や、原水の均一化を行なう場
合があったが、本発明においても、第1処理槽の前に調
整槽を配置し、これによって第1処理槽への被処理水中
の有機汚濁成分濃度の変動を適宜に抑制することが好ま
しい。例えば、1日の稼働状況によって生じる原水の有
機汚濁成分量の変動(以下、単に原水濃度の変動と呼
ぶ)が、第1処理槽に導入する被処理水中の有機汚濁成
分濃度に影響を及ぼさないようにするためには、第1処
理槽の前に、好ましくは、24時間分の有機性廃水(原
水)を貯留することのできる調整槽を設けておき、該調
整槽で原水濃度を均一にし、然る後、第1処理槽に導入
するように構成すればよい。このように、1日の稼働状
況によって生じる原水濃度の変動による第1処理槽での
処理への影響を解消するためには、より好ましくは24
時間分の廃水を貯留できる調整槽を設けるとよいが、ス
ペースの都合等で、8時間分、12時間分、或いは数時
間分の廃水を貯留する調整槽しか設けることができない
場合には、1日の稼働状況により生じる原水濃度の変動
が、第1処理槽における処理に影響を及ぼさないように
構成する必要がある。
【0023】上記した2相活性汚泥処理の細菌相(第1
処理槽)で使用する細菌としては、好気性のものであれ
ば任意であり、例えば、アルカリゲネス属菌、シュウド
モナス属菌、バチルス属菌、アエロバクター属菌、フラ
ボバクテリウム属菌等が挙げられる。この様な細菌は、
通常、廃水中に生存しており、廃水中の有機物を栄養源
として増殖するので、有機性廃水を被処理水とする本発
明においては、特に外部から添加する必要はない。しか
し、廃水の浄化処理を円滑に行なうためには、必要に応
じて適当な種菌を浄化処理の開始時に外部から添加して
もよい。その際に使用する種菌としては、例えば、バイ
オコア BP、OF−10、サーブ1(以上、商品名
環境エンジニアリング(株)製)等の微生物製剤を好適
に利用できる。
【0024】本発明においては、先に述べたように、第
1処理槽で上記のような好気性細菌による処理が行なわ
れ、第1処理槽から排出されてくる廃水(第1処理水)
中に含まれる有機物は細菌によって酸化分解され、これ
と共に細菌自体はこの有機物を栄養源として増殖する。
従って、第1処理槽における細菌処理による現象のみを
みれば、廃水中の有機物が細菌に変換したと言うことも
できる。本発明者らの検討によれば、被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動を抑制し、細菌相での細菌処理が最
適にできれば、第1処理槽における溶解性有機物の除去
率を95〜98%という高い値にすることができる。こ
れを、有機物の細菌への変換率といった点からみると、
約40〜50%程度であり、従って、有機物100重量
部は、約40〜50重量部の分散性のよい細菌に変換さ
れると言える。この結果、次の第2処理槽での処理効率
が向上すると共に、汚泥の発生量も減少する。しかし、
この場合に、第1処理槽に導入される被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動が抑制されないと、有機物の細菌へ
の変換率の低下が生じ、上記の優れた効果が損なわれて
しまう。
【0025】本発明の有機性廃水の処理方法において
は、上記の第1処理槽における細菌処理を原生動物の実
質的不存在下で行うことを要する。この結果、処理され
た廃水中に含まれる細菌は非凝集性のものとなり、廃水
中に細菌凝集塊、所謂汚泥を生じることが有効に防止さ
れ、このような細菌処理の結果得られる第1処理水は、
汚泥を実質上含まずに、有機物が変換した微細な粒子状
に分散した細菌を含んだものとなる。この様な分散状の
細菌は、原生動物の好栄養源となるものであるので、次
に行なう原生動物を含む活性汚泥相で構成する第2処理
槽における原生動物処理において、その処理効率が著し
く高められる。逆に、上記した第1処理槽で行なわれる
細菌処理において、原生動物が共存していた場合には、
細菌相において、原生動物に捕食され易い細菌が捕食さ
れてしまうため、捕食されにくい細菌が主に増殖するこ
とになり、細菌相で細菌凝集塊が生じ易くなってしま
う。この細菌凝集塊は原生動物によって捕食されにくい
ので、活性汚泥が存在する第2処理槽で、このような細
菌凝集塊を含む第1処理水の処理を行なった場合には、
これらが原生動物処理過程を通過してしまうことが生
じ、原生動物処理における処理効率が損なわれる原因に
なる。尚、本発明における“原生動物の実質的不存在
下”とは、原生動物の増殖が抑制され、その結果、細菌
処理過程中に殆ど原生動物の新たな出現が見られない状
態を意味する。
【0026】本発明の有機性廃水の処理方法における第
1処理槽における細菌処理過程において、原生動物の増
殖を制止し、原生動物が実質的に不存在の状態とする具
体的な方法としては、細菌と原生動物との性状の差異を
利用する下記に挙げる方法が使用できる。例えば、細菌
と原生動物との間にはその増殖速度に大きな差異があ
り、細菌の増殖速度は原生動物のそれに比して極めて高
いことから、この増殖速度の差を利用すれば、細菌処理
過程における原生動物の出現を制止することができる。
即ち、この原理に従えば、被処理廃水を、原生動物の最
大比増殖速度以上及び細菌の最大比増殖速度以下の処理
時間(希釈率)で細菌処理過程を通過させることによっ
て、原生動物の出現を制止した状態で細菌処理を達成す
ることができる。本発明においては、例えば、第1処理
槽の細菌処理過程における被処理水の処理時間(希釈
率)を、原生動物の最大比増殖速度以上及び細菌の最大
比増殖速度以下、例えば、1〜12hr.の範囲に調節
することによって、原生動物が実質的に存在しない状態
で細菌処理行なうことが可能となる。
【0027】又、細菌処理過程における原生動物の出現
の制止は、温度、pH等の環境条件を調節することによ
っても達成することができる。即ち、細菌は広い範囲の
環境条件で増殖できるが、原生動物の生育し得る環境条
件は細菌に比較して狭い範囲に限定される。例えば、原
生動物は、温度40℃以上ではその増殖が著しく抑制さ
れるので、細菌処理過程の温度を40℃以上に保持すれ
ば、原生動物の出現を制止することができる。又、原生
動物は、pH4以下又はpH10以上ではその増殖が抑
制されることから、処理過程のpH値を4以下又は10
以上の範囲に保持すれば、原生動物の出現を制止させる
ことが可能となる。
【0028】本発明の有機性廃水の処理方法では、以上
で説明したように、第1処理槽での効率のよい細菌処理
によって、廃水中に含有されている有機物を、100%
近い割合で微細な粒子状態で分散した細菌に変換する
が、その後、第1処理槽からの第1処理水を活性汚泥が
存在する第2処理槽で原生動物処理することによって、
これらの細菌を原生動物によって効率よく捕食除去す
る。本発明においては、更に、この原生動物処理過程に
おいて、細菌を捕食した原生動物を容易に分離できるよ
うにするため、第2処理槽中には固液分離性のよい固着
性原生動物のみを存在させ、固液分離性の悪い非固着性
原生動物が実質的に不存在の状態で処理を行なう。
【0029】本発明でいう固着性原生動物とは、固体粒
子や固体物質に対して固着し易い性質を持った原生動
物、或いは原生動物相互が固着凝集し易い性質を持った
原生動物を意味する。この様なものとしては、例えば、
ボルチセラ、エピステイリス、オペルクラリア、カルケ
シウム、ズータニウム等、有柄固着型の繊毛虫類が挙げ
られるが、固体表面をホフクするようなアスピデスカ、
ユープロテス等も汚泥と共に沈降し易いことから利用し
得る。一方、本発明で言う非固着性原生動物とは、上記
のような性質を有しない原生動物を意味する。
【0030】本発明において、活性汚泥が存在する第2
処理槽で行なう固着性原生動物処理は、上記で述べたよ
うに、非固着性原生動物の増殖を制止し、非固着性原生
動物が実質的に不存在となる状態で行なう必要がある
が、この様な状態は、原生動物の固着性と非固着性を利
用して形成することができる。即ち、固着性原生動物
は、処理系内に、固着するための担体となり得る適当な
固体物質が存在していると、この固体物質に固着して集
殖するようになる。これに対し、非固着性原生動物には
この様な特性はない。従って、原生動物処理において、
被処理廃水を固着性原生動物用担体の存在下、原生動物
の最大比増殖速度以上の処理時間(希釈率)で処理過程
を通過させれば、非固着性(自由遊泳性)の原生動物を
処理系外へと流去させる一方、固着性の原生動物を処理
系内に滞留させ、増殖させることが可能となる。本発明
の有機性廃水の処理方法においては、後述するように、
この原生動物処理を活性汚泥の存在下で処理するため、
活性汚泥が固着性原生動物のための担体として機能し、
非固着性原生動物が実質的に不存在となる状態を容易に
形成することができる。本発明においては、更に第2処
理槽内に、例えば、砂、石等の固体粒子や、板状体、布
状物、濾紙等を担体として併存させ、固着性原生動物が
より固着し易い環境としてもよい。本発明において、上
記した固着性原生動物処理を行なう第2処理槽として、
従来から活性汚泥処理方法に用いられている曝気槽を用
いればよい。
【0031】本発明の有機性廃水の処理方法では、以上
述べたように、細菌処理が終了した第1処理水を、非固
着性原生動物の不存在下、固着性原生動物処理し、廃水
中に含まれる細菌を原生動物によって捕食除去させる
が、この結果、第2処理槽内には、細菌を栄養源として
増殖した固着性原生動物が汚泥として存在することにな
る。即ち、第2処理槽で生じる現象のみをみれば、固着
性原生動物処理によって、被処理廃水中の細菌が固着性
原生動物に変換され、汚泥を形成したとも言える。先に
述べたように、本発明においては、第1処理槽内での細
菌処理によって廃水中の有機物が細菌に変換されるが、
その細菌は、非凝集性の微粒子状のものであって、廃水
中に個々の菌体に分散した状態で存在しているため、原
生動物によって極めて捕食され易くなっている。従っ
て、第2処理槽における原生動物による細菌除去率は、
約95〜97%という極めて高い値が得られる。又、原
生動物処理における細菌の原生動物への変換という点か
らみると、細菌の約30〜40%が原生動物に変換され
る。
【0032】本発明の有機性廃水の処理方法では、第1
処理槽での有機物の細菌への変換が理想的に行なわれる
ように、第1処理槽に導入する被処理水の有機汚濁成分
濃度の変動を抑制しているため、前述したように、この
場合の有機物の細菌への変換率は約40〜50%程度に
なる。従って、このことを勘案すると、100重量部あ
った有機物は、約40〜50重量部の細菌に変換して減
量化され、更に、上記で説明した第2処理槽で約12〜
20重量部の原生動物(汚泥)に変換して、更に減量化
されたと言える。よって、2相活性汚泥処理によれば、
同じ量の有機物を処理した場合に、従来の活性汚泥法と
比較して汚泥の発生量を減少させることができる。
【0033】更に、第2処理槽において行なわれる原生
動物処理によって得られる廃水(以下、単に、第2処理
水と呼ぶ)は、上記で述べたように、増殖した固着性原
生動物を汚泥として含む。従って、この汚泥は、活性汚
泥等の固体粒子や固体物質に対して固着し易い性質を有
し、分離性に非常に優れ、沈殿槽や沈殿池等の慣用の固
液分離手段によって廃水中から容易に分離することが可
能である。この結果、得られる最終処理水は、有機物及
び原生動物を含まない濁りのない極めて清浄なものとな
る。
【0034】尚、本発明の有機性廃水の処理方法では、
第1処理槽に導入される被処理水中の有機汚濁成分濃度
の変動が抑制されているため、第1処理槽で処理されて
第2処理槽へと導入される第1処理水中の細菌濃度の変
動も抑制される。従って、上記の第2処理槽における処
理も安定した状態で行なわれる。
【0035】以下、本発明の有機性廃水の処理方法につ
いて、図1に示した処理フローに基づいて更に具体的に
説明する。本発明の有機性廃水の処理方法おいては、図
8に示した通常の活性汚泥法による処理フローと比較す
ると明らかなように、通常の活性汚泥法における活性汚
泥処理を、2相の過程に分けて行なう。更に、第1処理
槽の前に、必ず調整槽を設ける等の手段で、第1処理槽
に導入される被処理水の原水濃度の変動を抑制する。
【0036】図1に示したフローでは、細菌処理する第
1処理槽と、これに続く固着性原生動物処理及び活性汚
泥処理を行なう第2処理槽とによって2相活性汚泥処理
を行なうが、現状の活性汚泥処理による有機廃水の処理
フローに大きな変更を加えずに、簡便に本発明の有機性
廃水の処理方法を組み入れるには、従来の曝気槽を第2
処理槽として使用し、別に、細菌処理をするための第1
処理槽を設けることが好ましい。勿論、図2に示したよ
うに、一体の槽で構成してもよい。
【0037】この際に使用する第1処理槽としては、従
来より生物処理で使用されている、空気又は酸素通気用
の曝気管を備えたものを用いることができる。又、原生
動物処理に供される活性汚泥が存在する第2処理槽とし
ては、標準型曝気槽、固定床や回転円板型の曝気槽等、
従来より活性汚泥処理に用いられている処理槽をいずれ
も使用することができる。
【0038】本発明において、上記したような第1処理
槽への被処理廃水の供給速度としては、原生動物の出現
を制止するため、その処理時間(希釈率)が原生動物の
最大比増殖速度以上、通常、1〜12hr.になるよう
に選定することが好ましい。更に、処理時間(希釈率)
に寄らず、被処理水の温度やpH等の他の因子により原
生動物の出現を制止してもよい。又、第1処理槽におけ
る細菌処理に続く第2処理槽においては、沈殿槽等から
返送されてくる固着性原生動物凝集体からなる汚泥の存
在下、曝気処理される。しかし、上記のいずれの場合も
最適処理時間(希釈率)等は、被処理水の種類や処理条
件によって変化し、一義的には定めることができないの
で、適宜に予備実験を行なって定めることが好ましい。
更に、例えば、処理する廃水中の有機物の濃度が比較的
高く、所定の処理時間(希釈率)で運転すると、第2処
理槽へ導入されてくる細菌の負荷が高くなり過ぎる場合
には、所望の処理時間(希釈率)を得るために、外部か
ら希釈水を第2処理槽内に導入することができるように
構成してもよい。
【0039】以上のような本発明の有機性廃水の処理方
法で、BODで示される有機汚濁成分濃度の変動のある
実際の有機性廃水を処理した場合に、処理効率の向上が
図れると共に、余剰汚泥の発生が抑制され、加えて、処
理された処理水の水質が、従来一般に行われている活性
汚泥法によって処理された処理水に比べて劣ることな
く、むしろ向上し、しかも、これらの優れた効果が安定
した状態で確実に得られる。
【0040】(第2の発明)本発明者らは、日々或いは
刻々と、その性状や廃水が変化する実際の有機性廃水を
処理する場合に生じる上記従来技術の問題点を解決すべ
く鋭意研究の結果、実際の有機性廃水(原水)を特公昭
56−48235号公報に記載されているような、分散
性の細菌相(分散相)と、固着性原生動物相とからなる
2相活性汚泥法で生物処理する場合に生じる上記したよ
うな現象が、細菌相を構成している分散菌にあることを
見いだし本発明に至った。即ち、分散相では、高負荷
(処理時間が短い)で運転を行なうため、増殖速度の速
い50種程度の細菌(分散菌)のみが分散相の中に維持
されて処理が行なわれているが、分散菌種の活動は原水
性状に依存し、被処理水である原水性状が急激に変化し
た場合等においてはこれらの変化に対応できず、結果と
して一時的にしろ処理の悪化が生じる。又、製造ライン
の休止等によって処理槽への原水の導入が一時的に停止
した場合に、原水の導入がない状態で曝気が継続的に行
なわれると、自己消化によって分散菌が死滅することが
起こり、活性が低下して処理の悪化が生じる。上記のよ
うな経過によって処理の悪化が生じた場合には、処理を
一旦停止したり、微生物製剤や活性汚泥を種菌として新
たに添加する等、正常な処理が行なわれるように処置す
る必要がある。更に、経済的な処理を実現するために
は、処理が悪化した時期を的確に把握し、処理を停止さ
せたり適当量の種菌を最適な状態で添加していく必要が
ある。
【0041】そこで、本発明の有機性廃水の処理方法で
は、少なくとも第1処理槽内の水質を経時的に測定し、
細菌処理を悪化させる水質の変化を検知した時点で、少
なくとも被処理水の第1処理槽への導入を一時停止して
種汚泥又は微生物製剤を添加し、その後に第1処理槽へ
の被処理水の導入が再開されるように運転を制御する。
そして、第1処理槽内の水質を経時的に検知するための
測定方法として、pH値、TOC値、濁度、BOD値及
びCOD値の測定のいずれかを用い、経時的に得られる
これらの測定値から、第1処理槽内における細菌処理を
悪化させる水質の変化を、pH値の低下、TOC除去率
の低下、濁度の低下、BOD除去率の低下及びCOD除
去率の低下のいずれかによって検知する。
【0042】第1処理槽内のpH値の低下を例にとって
説明する。第1処理槽における処理が悪化した場合には
有機酸等が未処理のまま処理槽内に残ることになるの
で、分散相内のpH値の低下が生じる。そこで、このこ
とに着目し、分散相のpHの値を常時モニタリングする
こととし、例えば、pH値が6以下になった場合に制御
システムを作動させ、第1処理槽において正常な状態で
の処理が行なわれるように規制することとした。
【0043】第1処理槽内の細菌処理を悪化させる水質
の変化を検知する方法は、上記したpH値の低下に限ら
ず、TOC除去率の低下、濁度の低下、BOD除去率の
低下及びCOD除去率の低下のいずれによっても検知す
ることができるので、本発明においては、第1処理槽内
のTOC値、濁度値、BOD値及びCOD値のいずれか
を経時的に測定し、この値を細菌処理を悪化させる水質
の変化が生じた時点を検知するために利用してもよい。
TOC除去率の低下を測定する場合には、例えば、第1
処理槽内の水質と放流される処理水の水質のTOC値を
測定し、これらの値からTOC除去率を求めればよい。
そして、例えば、TOC除去率が定常状態の2割以上低
下した場合に、制御システムを作動させて第1処理槽に
おいて正常な状態での処理が行なわれるように規制すれ
ばよい。
【0044】又、別の態様として、製造ラインの休止等
によって処理槽への原水の導入が一時的に停止した場合
において安定した処理が行なわれないことを考慮する場
合においては、原水の分散相への流入状態をモニタリン
グし、原水の流入が長時間ない場合に、制御システムを
作動させて第1処理槽において正常な状態での処理が行
なわれるように構成することが好ましい。例えば、第1
処理槽への原水の流入が少なくとも2時間以上停止した
場合に制御システムを作動させ、一定間隔で曝気を繰り
返し、この状態で第1処理槽への被処理水の導入の再開
に備えるように構成すればよい。更に、第1処理槽内へ
の被処理水の導入が1日間以上停止した場合に、種汚泥
又は微生物製剤を添加した後に曝気し、その後に第1処
理槽への被処理水の導入を再開するように構成すればよ
い。このようにすれば、正常な状態での処理が常に行な
われるようにすることができる。本発明の有機性廃水の
処理方法において行なう、第1処理槽内の水質を経時的
に測定し、その水質の悪化を検知する方法は、上記した
方法のいずれかであってもよいし、これらの中からいく
つかを選択し、複数の測定結果から総合的に判断して制
御システムを作動させるように設計してもよい。上記の
ように構成すれば、2相活性汚泥法による有機性廃水の
浄化処理を安定して確実に行うことができ、優れた効果
が安定して得られる。特に、第1処理槽内の水質の悪化
の検知結果に応じて制御システムが自動的に立ち上がる
ように構成すれば、より安定した処理の実現が可能とな
る。
【0045】本発明の有機性廃水の処理方法について、
第1処理槽(分散相)内の水質の悪化を第1処理槽内の
pH値をモニタリングすることによって検知し、これに
応じて第1処理槽に対して行なう制御システムを例に採
って図3を参照しながら説明する。本発明の有機性廃水
の処理方法で扱う有機性廃水としては、有機物を含む種
々の廃水、例えば、魚介類や肉類或いは野菜類等の各種
生鮮食料品の加工工場、乳製品、飲料或いは菓子等の各
種の食品製造工場、醸造工場、発酵工場等からの工業廃
水、或いは、通常の生活廃水等が挙げられる。これらの
有機性廃水中の有機汚濁成分濃度は、取扱っている原材
料の種類や生産状態が、日によって、或いは同じ日でも
時間によって異なる場合が多いため、常に一定ではな
い。具体的には、数倍〜300倍、或いは、場合によっ
てはこれ以上の濃度変動を生じる場合もある。更に、製
造ラインが停止する等の理由で、処理すべき有機性廃水
が極端に少なくなったり、全く流入してこない場合もあ
る。このように、原水の性状或いは廃水量が急激に変化
する実際の廃水を、後述する2相活性汚泥法で生物処理
した場合には、その急激な変化に対応し切れず処理が悪
化し、安定して一定の効果が得られない場合があった。
【0046】即ち、通常の活性汚泥法では、同一の処理
槽内(曝気槽)に棲息している各種の微生物による並行
処理を、数日間に渡って行ない浄化処理しているのに対
し、上記した2相活性汚泥法では、性質の異なる微生物
が夫々棲息している第1処理槽と第2処理槽とを用い、
夫々の槽で特徴のある生物処理を行ない、これらを組み
合わせることにより処理の効率化を図っている。上記第
1処理槽では、増殖速度の速い分散菌のみが維持されて
処理が行なわれているが、分散菌の活動は原水性状に依
存するので原水性状に急激な変化が生じると対応し切れ
なくなり、又、原水が導入してこない場合に、曝気だけ
を継続すると自己消化によって分散菌が死滅し、結果と
して処理水の水質の悪化に繋がる場合がある。本発明で
は、処理水の水質の悪化の発生を有効に防止するため
に、処理状態が悪化していることを分散相のpH値を測
定することによって検知し、悪化していると判断された
場合に制御システムを作動させ、第1処理槽内への原水
の流入を一時的に停止し、更に、種菌として微生物製剤
や活性汚泥を添加して再立ち上げ処理が行なわれるよう
に構成する。即ち、分散相における処理が不充分である
と有機酸等が未処理の状態で残り、分散相のpH値が低
下するので、これを第1処理槽における処理状態が悪化
していることの検知に用いる。
【0047】この場合の具体的な制御システムとして
は、図3に示したように、先ず、分散相のpH値が6以
下となった場合に制御システムが作動し、原水の流入が
一時的に停止するように構成する。停止させる時間とし
ては、第1処理槽における処理時間(希釈率)の1.0
〜1/5程度にすればよい。次に、種菌として種汚泥又
は微生物製剤を第1処理槽に添加するが、本発明におい
ては、微生物製剤や活性汚泥を添加した後に所定時間曝
気を行ない、然る後に通常の処理を行なうように構成す
ることが好ましい。更に、この場合において、種菌とし
て微生物製剤や活性汚泥を添加した時点で第1処理槽内
のpH値が6.0を超えれば、この状態で通常の処理を
再開してもよい。種菌として種汚泥を使用する場合に
は、種汚泥として第1処理槽である分散相に続けて設け
られる捕食相である第2処理槽内の活性汚泥を使用する
ことが好ましい。その添加量としては、分散相容積の1
/3〜1/10程度とすることが好ましい。又、微生物
製剤を添加する場合には、10〜50mg/lになるよ
うに添加することが好ましい。
【0048】次に、本発明の有機性廃水の処理方法にお
いて、製造ラインの休止等によって発生する原水の導入
が中断した場合に生じる処理の悪化を防止するのに特に
有効な制御システムについて、図4を参照しながら説明
する。この場合には、第1処理槽(分散相)への原水の
導入状態をモニタリングし、これにより第1処理槽に対
して下記のような制御を行なう。先に述べたように、原
水が流入してこない状態で曝気だけが継続的に行なわれ
ると、自己消化により分散菌が死滅することが起こり、
処理の悪化が生じる。この場合に、原水の流入が短期間
の休止、例えば、連続して2時間休止状態にある場合に
は、一旦運転を休止し、その後、間歇的な曝気が行なわ
れるように制御すればよい。間歇的な曝気としては、処
理槽の容量等によっても異なるが、例えば、3〜12時
間間隔で5〜20分間曝気すればよい。このようにすれ
ば、継続して曝気をし続けた場合と異なり、自己消化に
よって分散菌が死滅するのを有効に防止することができ
る。そして、通常通りに原水が導入してきた場合に、直
ちに曝気量を通常運転に切り替えれば、原水が流入して
こない休止状態による何らの影響を生じることなく、安
定した処理を行なうことが可能である。
【0049】これに対し、製造ラインが長期間停止した
場合、例えば、1日間以上原水の流入がない場合には、
上記した第1処理槽の間歇曝気だけでは対処することが
できず、処理を再開した場合に、暫くの間は満足な処理
ができず、その間の処理が悪化して処理水の水質が劣っ
たものとなる。そこで、この場合には、図4に示したよ
うに、分散相に原水を分散相容積の1/2〜1/6程度
入れ、更に、これに種汚泥を分散相容積の1/2〜1/
6入れ、所定の時間曝気して再立ち上げを行なった後、
原水を流入して通常の運転を再開する。
【0050】本発明の有機性廃水の処理方法で行なう2
相活性汚泥法は、活性汚泥による有機性廃水の生物処理
が、細菌による有機物の酸化分解資化反応過程と、
凝集性及び沈降性のよい汚泥の生成過程の2つの過程か
らなり、特に、これらのうちのの過程が、有機性廃水
の生物処理の律速となっていることに鑑みなされたもの
である。即ち、先ず、第1処理槽を、活性汚泥の沈降性
を考慮せずに、有機物の除去のみを目的とする非固着性
原生動物の実質的不存在下で細菌処理を行なう細菌相と
し、この第1処理槽で、有機物を細菌によって効率よく
酸化分解させると共に、これらの有機物を栄養源とする
細菌の増殖を促進させる。更に、その際に、細菌の状態
が個々の菌体に分散した原生動物に極めて捕食され易い
状態になるように構成する。そして、上記の第1処理槽
に引き続いて行なわれる第2処理槽を、細菌の捕食と、
残存有機物の処理を目的とした活性汚泥を含む固着性原
生動物相とし、上記の第1処理槽(細菌相)で処理され
た細菌を含む廃水を、第2処理槽で、非固着性原生動物
の不存在下、固着性原生動物処理することによって、上
記で増殖した細菌を原生動物により効率的に捕食除去さ
せる。
【0051】上記において、第1処理槽である細菌相で
は、増殖した細菌が、個々の菌体に分散した原生動物に
極めて捕食され易い状態になるようにする必要があり、
そのために、第1処理槽における被処理水の処理時間
(希釈率)が原生動物の増殖速度よりも長くならないよ
うにしている。このため、通常、第1処理槽での処理は
数時間程度と短時間内に行なわれ、高速処理がなされ
る。従って、先に述べたように、実際の運転において生
じる原水性状の急激な変化に対処し切れない場合が生じ
るので、先に述べたような制御を行ないつつ運転する必
要が生じる。一方、第2処理槽での処理は、数時間〜数
日間を要するが、第1処理槽で、上記のような細菌処理
が行なわれているため、下記に述べるように、従来の1
相の活性汚泥法による場合よりも効率のよい処理ができ
るようになる。
【0052】即ち、上記2相活性汚泥法では、細菌相
(第1処理槽)で処理されて、固着性原生動物相(第2
処理槽)へ導入されてくる被処理水中に含まれる細菌は
非凝集性のものであり、個々の菌体に分散した原生動物
に極めて捕食され易い状態となっているので、第2処理
槽内での原生動物による細菌除去率は極めて高いものと
なる。更に、第2処理槽で、上記のような原生動物処理
された処理水は、上記したような過程によって増殖した
固着性原生動物を汚泥として含み、且つ、この汚泥は、
分離性が非常に優れた状態のものであるので、沈殿槽等
の慣用の固液分離手段によって容易に分離することが可
能である。加えて、汚泥が除かれて得られる放流される
最終処理水が、有機物及び原生動物を含まず、極めて清
浄なものとなる。この結果、本発明で採用する2相活性
汚泥法によって有機性廃水を処理すれば、通常の場合の
2〜3倍程度の高負荷運転が可能となり、且つ汚泥の生
成量を約1/2程度に減量化することができる。
【0053】このような優れた効果が得られる2相活性
汚泥処理の細菌相(第1処理槽)で使用する細菌として
は、好気性のものであれば任意であり、例えば、アルカ
リゲネス属菌、シュウドモナス属菌、バチルス属菌、ア
エロバクター属菌、フラボバクテリウム属菌等が挙げら
れる。この様な細菌は、通常、廃水中に生存しており、
廃水中の有機物を栄養源として増殖するので、有機性廃
水を被処理水とする本発明においては、特に外部から添
加する必要はない。しかし、廃水の浄化処理を円滑に行
なうためには、必要に応じて適当な種菌を浄化処理の開
始時に外部から添加してもよい。その際に使用する種菌
としては、例えば、バイオコア BP、OF−10、サ
ーブ1(以上、商品名 環境エンジニアリング(株)
製)等の微生物製剤を好適に利用できる。
【0054】本発明においては、先に述べたように、第
1処理槽で上記のような好気性細菌による処理が行なわ
れ、第1処理槽から排出されてくる廃水(第1処理水)
中に含まれる有機物は細菌によって酸化分解され、これ
と共に細菌自体はこの有機物を栄養源として増殖する。
従って、第1処理槽における細菌処理による現象のみを
みれば、廃水中の有機物が細菌に変換したと言うことも
できる。本発明者らの検討によれば、被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動を抑制し、細菌相での細菌処理が最
適にできれば、第1処理槽における溶解性有機物の除去
率を95〜98%という高い値にすることができる。こ
れを、有機物の細菌への変換率といった点からみると、
約40〜50%程度であり、従って、有機物100重量
部は、約40〜50重量部の分散性のよい細菌に変換さ
れると言える。この結果、次の第2処理槽での処理効率
が向上すると共に、汚泥の発生量も減少する。しかし、
この場合に、第1処理槽に導入される被処理水中の有機
汚濁成分濃度の変動が抑制されないと、有機物の細菌へ
の変換率の低下が生じ、上記の優れた効果が損なわれて
しまう。
【0055】本発明の有機性廃水の処理方法において
は、上記の第1処理槽における細菌処理を原生動物の実
質的不存在下で行うことを要する。この結果、処理され
た廃水中に含まれる細菌は非凝集性のものとなり、廃水
中に細菌凝集塊、所謂汚泥を生じることが有効に防止さ
れ、このような細菌処理の結果得られる第1処理水は、
汚泥を実質上含まずに、有機物が変換した微細な粒子状
に分散した細菌を含んだものとなる。この様な分散状の
細菌は、原生動物の好栄養源となるものであるので、次
に行なう原生動物を含む活性汚泥相で構成する第2処理
槽における原生動物処理において、その処理効率が著し
く高められる。逆に、上記した第1処理槽で行なわれる
細菌処理において、原生動物が共存していた場合には、
細菌相において、原生動物に捕食され易い細菌が捕食さ
れてしまうため、捕食されにくい細菌が主に増殖するこ
とになり、細菌相で細菌凝集塊が生じ易くなってしま
う。この細菌凝集塊は原生動物によって捕食されにくい
ので、活性汚泥が存在する第2処理槽で、このような細
菌凝集塊を含む第1処理水の処理を行なった場合には、
これらが原生動物処理過程を通過してしまうことが生
じ、原生動物処理における処理効率が損なわれる原因に
なる。尚、本発明における“原生動物の実質的不存在
下”とは、原生動物の増殖が抑制され、その結果、細菌
処理過程中に殆ど原生動物の新たな出現が見られない状
態を意味する。
【0056】本発明の有機性廃水の処理方法における第
1処理槽における細菌処理過程において、原生動物の増
殖を制止し、原生動物が実質的に不存在の状態とする具
体的な方法としては、細菌と原生動物との性状の差異を
利用する下記に挙げる方法が使用できる。例えば、細菌
と原生動物との間にはその増殖速度に大きな差異があ
り、細菌の増殖速度は原生動物のそれに比して極めて高
いことから、この増殖速度の差を利用すれば、細菌処理
過程における原生動物の出現を制止することができる。
即ち、この原理に従えば、被処理廃水を、原生動物の最
大比増殖速度以上及び細菌の最大比増殖速度以下の処理
時間(希釈率)で細菌処理過程を通過させることによっ
て、原生動物の出現を制止した状態で細菌処理を達成す
ることができる。本発明においては、例えば、第1処理
槽の細菌処理過程における被処理水の処理時間(希釈
率)を、原生動物の最大比増殖速度以上及び細菌の最大
比増殖速度以下、例えば、1〜12hr.の範囲に調節
することによって、原生動物が実質的に存在しない状態
で細菌処理行なうことが可能となる。
【0057】又、細菌処理過程における原生動物の出現
の制止は、温度、pH等の環境条件を調節することによ
っても達成することができる。即ち、細菌は広い範囲の
環境条件で増殖できるが、原生動物の生育し得る環境条
件は細菌に比較して狭い範囲に限定される。例えば、原
生動物は、温度40℃以上ではその増殖が著しく抑制さ
れるので、細菌処理過程の温度を40℃以上に保持すれ
ば、原生動物の出現を制止することができる。又、原生
動物は、pH4以下又はpH10以上ではその増殖が抑
制されることから、処理過程のpH値を4以下又は10
以上の範囲に保持すれば、原生動物の出現を制止させる
ことが可能となる。
【0058】本発明の有機性廃水の処理方法では、以上
で説明したように、第1処理槽での効率のよい細菌処理
によって、廃水中に含有されている有機物を、100%
近い割合で微細な粒子状態で分散した細菌に変換する
が、その後、第1処理槽からの第1処理水を活性汚泥が
存在する第2処理槽で原生動物処理することによって、
これらの細菌を原生動物によって効率よく捕食除去す
る。本発明においては、更に、この原生動物処理過程に
おいて、細菌を捕食した原生動物を容易に分離できるよ
うにするため、第2処理槽中には固液分離性のよい固着
性原生動物のみを存在させ、固液分離性の悪い非固着性
原生動物が実質的に不存在の状態で処理を行なう。
【0059】本発明でいう固着性原生動物とは、固体粒
子や固体物質に対して固着し易い性質を持った原生動
物、或いは原生動物相互が固着凝集し易い性質を持った
原生動物を意味する。この様なものとしては、例えば、
ボルチセラ、エピステイリス、オペルクラリア、カルケ
シウム、ズータニウム等、有柄固着型の繊毛虫類が挙げ
られるが、固体表面をホフクするようなアスピデスカ、
ユープロテス等も汚泥と共に沈降し易いことから利用し
得る。一方、本発明で言う非固着性原生動物とは、上記
のような性質を有しない原生動物を意味する。
【0060】本発明において、活性汚泥が存在する第2
処理槽で行なう固着性原生動物処理は、上記で述べたよ
うに、非固着性原生動物の増殖を制止し、非固着性原生
動物が実質的に不存在となる状態で行なう必要がある
が、この様な状態は、原生動物の固着性と非固着性を利
用して形成することができる。即ち、固着性原生動物
は、処理系内に、固着するための担体となり得る適当な
固体物質が存在していると、この固体物質に固着して集
殖するようになる。これに対し、非固着性原生動物には
この様な特性はない。従って、原生動物処理において、
被処理廃水を固着性原生動物用担体の存在下、原生動物
の最大比増殖速度以上の処理時間(希釈率)で処理過程
を通過させれば、非固着性(自由遊泳性)の原生動物を
処理系外へと流去させる一方、固着性の原生動物を処理
系内に滞留させ、増殖させることが可能となる。本発明
の有機性廃水の処理方法においては、後述するように、
この原生動物処理を活性汚泥の存在下で処理するため、
活性汚泥が固着性原生動物のための担体として機能し、
非固着性原生動物が実質的に不存在となる状態を容易に
形成することができる。本発明においては、更に第2処
理槽内に、例えば、砂、石等の固体粒子や、板状体、布
状物、濾紙等を担体として併存させ、固着性原生動物が
より固着し易い環境としてもよい。本発明において、上
記した固着性原生動物処理を行なう第2処理槽として、
従来から活性汚泥処理方法に用いられている曝気槽を用
いればよい。
【0061】本発明の有機性廃水の処理方法では、以上
述べたように、細菌処理が終了した第1処理水を、非固
着性原生動物の不存在下、固着性原生動物処理し、廃水
中に含まれる細菌を原生動物によって捕食除去させる
が、この結果、第2処理槽内には、細菌を栄養源として
増殖した固着性原生動物が汚泥として存在することにな
る。即ち、第2処理槽で生じる現象のみをみれば、固着
性原生動物処理によって、被処理廃水中の細菌が固着性
原生動物に変換され、汚泥を形成したとも言える。先に
述べたように、本発明においては、第1処理槽内での細
菌処理によって廃水中の有機物が細菌に変換されるが、
その細菌は、非凝集性の微粒子状のものであって、廃水
中に個々の菌体に分散した状態で存在しているため、原
生動物によって極めて捕食され易くなっている。従っ
て、第2処理槽における原生動物による細菌除去率は、
約95〜97%という極めて高い値が得られる。又、原
生動物処理における細菌の原生動物への変換という点か
らみると、細菌の約30〜40%が原生動物に変換され
る。
【0062】本発明の有機性廃水の処理方法では、第1
処理槽での有機物の細菌への変換が理想的に行なわれる
ように、第1処理槽に導入する被処理水の有機汚濁成分
濃度の変動を抑制しているため、前述したように、この
場合の有機物の細菌への変換率は約40〜50%程度に
なる。従って、このことを勘案すると、100重量部あ
った有機物は、約40〜50重量部の細菌に変換して減
量化され、更に、上記で説明した第2処理槽で約12〜
20重量部の原生動物(汚泥)に変換して、更に減量化
されたと言える。よって、2相活性汚泥処理によれば、
同じ量の有機物を処理した場合に、従来の活性汚泥法と
比較して汚泥の発生量を減少させることができる。
【0063】更に、第2処理槽において行なわれる原生
動物処理によって得られる廃水(以下、単に、第2処理
水と呼ぶ)は、上記で述べたように、増殖した固着性原
生動物を汚泥として含む。従って、この汚泥は、活性汚
泥等の固体粒子や固体物質に対して固着し易い性質を有
し、分離性に非常に優れ、沈殿槽や沈殿池等の慣用の固
液分離手段によって廃水中から容易に分離することが可
能である。この結果、得られる最終処理水は、有機物及
び原生動物を含まない濁りのない極めて清浄なものとな
る。従って、本発明の有機性廃水の処理方法において、
第1処理槽内のpHが6以下になった場合や、原水の導
入が1日以上停止した場合において、第1処理槽内に種
汚泥を添加する際には、この第2処理槽中の活性汚泥を
使用することが好ましい。
【0064】以下、本発明の有機性廃水の処理方法につ
いて、図3に示した処理フローに基づいて更に具体的に
説明する。本発明の有機性廃水の処理方法おいては、図
8に示した通常の活性汚泥法による処理フローと比較す
ると明らかなように、通常の活性汚泥法における活性汚
泥処理を、2相の過程に分けて行なう。この場合に、第
1処理槽の前に調整槽を設ければ、第1処理槽に導入さ
れる被処理水の原水濃度の変動を抑制することができる
ので、より好ましい。しかし、本発明の第2の発明にお
いては、第1処理槽の前に調整槽を設けることは必須で
はなく、第1処理槽内の水質の悪化を何等かの手段によ
って検知し、これにより第1処理槽内の状態を良好な状
態に回復させるための操作を行なうように構成されてい
ればよい。
【0065】図3に示したフローでは、細菌処理する第
1処理槽と、これに続く固着性原生動物処理及び活性汚
泥処理を行なう第2処理槽とによって2相活性汚泥処理
を行なうが、現状の活性汚泥処理による有機廃水の処理
フローに大きな変更を加えずに、簡便に本発明の有機性
廃水の処理方法を組み入れるには、従来の曝気槽を第2
処理槽として使用し、別に、細菌処理をするための第1
処理槽を設けることが好ましい。勿論、図5に示したよ
うに、一体の槽で構成してもよい。
【0066】この際に使用する第1処理槽としては、従
来より生物処理で使用されている、空気又は酸素通気用
の曝気管を備えたものを用いることができる。又、原生
動物処理に供される活性汚泥が存在する第2処理槽とし
ては、標準型曝気槽、固定床や回転円板型の曝気槽等、
従来より活性汚泥処理に用いられている処理槽をいずれ
も使用することができる。
【0067】本発明において、上記したような第1処理
槽への被処理廃水の供給速度としては、原生動物の出現
を制止するため、その処理時間(希釈率)が原生動物の
最大比増殖速度以上、通常、1〜12hr.になるよう
に選定することが好ましい。更に、処理時間に寄らず、
被処理水の温度やpH等の他の因子により原生動物の出
現を制止してもよい。又、第1処理槽における細菌処理
に続く第2処理槽においては、沈殿槽等から返送されて
くる固着性原生動物凝集体からなる汚泥の存在下、曝気
処理される。しかし、上記のいずれの場合も最適処理時
間(希釈率)等は、被処理水の種類や処理条件によって
変化し、一義的には定めることができないので、適宜に
予備実験を行なって定めることが好ましい。更に、例え
ば、処理する廃水中の有機物の濃度が比較的高く、所定
の処理時間(希釈率)で運転すると、第2処理槽へ導入
されてくる細菌の負荷が高くなり過ぎる場合には、所望
の処理時間(希釈率)を得るために、外部から希釈水を
第2処理槽内に導入することができるように構成しても
よい。
【0068】以上のような本発明の有機性廃水の処理方
法で、実際の有機性廃水を処理した場合に、原水性状が
急激に変化したり、或いは被処理水の導入が一次中断し
たり停止した場合においても、処理水の水質がその変動
の前後で悪化することなく、従来一般に行われている活
性汚泥法によって処理された処理水に比べて劣ることな
く、むしろ向上し、処理効率の向上が図れ、しかも、余
剰汚泥の発生が抑制されて格段の減量化が達成されると
いう優れた効果が安定した状態で経済的に達成される。
【0069】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明する。 (第1の発明)実施例1−1 図1に示したフローに従って建設した500リットル/
day規模のパイロットプラントを使用して、原水であ
る有機性汚濁成分を含む被処理水の活性汚泥処理を行っ
た。下記の表1−1に、原水の性状と、調整槽における
性状、調整槽で調整されて第1処理槽へと導入された被
処理水の性状を夫々示した。原水には、有機汚濁成分濃
度の変動が著しい食品工場からの有機性廃水を用いた。
【0070】
【表1】表1−1 原水と被処理水の性状
【0071】そして、細菌処理を行なう第1処理槽とし
て、実容量が100リットルの大きさの、空気の曝気管
を備えたものを用い、又、溶存酸素が5.0mg/リッ
トルとなるようにエアレーションを行なって稼働させ
た。又、第1処理槽への被処理水の供給速度は、処理時
間(希釈率)が5時間になるようにし、その際の処理温
度を40℃とした。本実施例においては、種菌として、
バイオコアBPを10g添加した。本実施例では、この
ような第1処理槽へ導入する被処理水中のBODで示さ
れる有機汚濁成分濃度が、1,600〜2,400(m
g/l)となるように調整した。この場合の変動は、原
水の平均濃度の中央値から20%以内に調整して導入し
た。
【0072】上記した第1処理槽で細菌処理された第1
処理水を導入し、固着性原生動物処理する第2処理槽に
は、実容量400リットルの大きさの曝気槽を用い処理
した。又、この第2処理槽には、原生動物用支持担体と
して、活性汚泥3,000mg/リットルを添加した。
そして、約2週間の馴養を行なった後、試験に供した。
上記の第1及び第2処理槽の構成で、BOD負荷量2.
0kg/m3・dayで2相活性汚泥処理を行った。そ
の後、図1に示したように、第2処理槽で処理されて得
られた第2処理水を沈殿槽に導入して固液分離した。
【0073】上記処理を行った後の処理水について、投
入BOD当たりの汚泥生成量を測定して表2−1に示し
たが、余剰汚泥の生成を後述する比較例の場合と比べて
減少させることができた。又、処理水の水質は、通常の
処理を行った後述する比較例1の場合と比べて、同等以
上であり、水質が向上することがわかった。
【0074】比較例1−1 第1処理槽に導入する被処理水中の有機汚濁成分濃度の
変動を抑制せずに、表1−1に示した原水を直接導入
し、調整槽を設けない以外は実施例1と同様にして、2
相活性汚泥処理試験を行った。この結果、表2−1に示
したように実施例1と比べると、BOD負荷量(処理効
率)及び処理水の水質が劣っており、又、汚泥の発生量
が実施例1の場合よりもがかなり多かった。
【0075】
【表2】表2−1 処理結果
【0076】(第2の発明) <実施例1−2>図5に示した200リットルの調整
槽、80リットルの第1処理槽及び420リットルの第
2処理槽からなる試験装置にて、100日間処理試験を
行った。その際、処理の対象となる廃水量は、500リ
ットル/日(導入速度:20.8リットル/時)とし、
エアレーションは、溶存酸素が3.0mg/リットルに
なるように通気した。第1処理槽の立ち上げとして、バ
イオコアBP(商品名:環境エンジニアリング社製)と
サーブI(環境エンジニアリング社製)を夫々100g
ずつ添加した。第2処理槽は、下水処理場の活性汚泥を
種汚泥として、MLSSが3,000mg/リットルに
なるように添加した。又、排泥は、試験期間を通して2
5リットル/日を第2処理槽から排泥した。
【0077】下記の表1−2に、本実施例の廃水処理に
使用した廃水A及びBの性状を示した。本実施例では、
これらの廃水を用い、試験の1日目から30日までは廃
水Aの処理を行なった後、試験期間31日目に廃水をA
からBに切り替えて、その後60日まで廃水Bの処理試
験を行い、更に、61日目から100日目まで再び廃水
Aについての処理を行ない、原水の性状変化に対する処
理の状態変化についての確認を行なった。
【0078】
【表3】表1−2 被処理水の性状
【0079】この際に、図5に示したように、第1処理
槽にはpHセンサーを備え付け槽内のpHをモニタリン
グした。そして、第1処理槽内のpHが6.0以下に低
下した時点で、原水ポンプの停止(3時間)を行うと共
に、第2処理槽から汚泥ポンプ2にて汚泥を第1処理槽
内に10リットル供給した。その結果、図6に示したよ
うに、処理対象廃水を性状の異なるものに切り替えた直
後においても処理水の水質に乱れはなく、安定した処理
が行なえることを確認できた。
【0080】<実施例2−2>実施例1の試験後、廃水
Aを用いて1週間の内の水曜日と日曜日は、夜間は運転
を停止し、昼間の間(9:00〜17:00)のみ廃水
Aを第1処理槽に供給した。廃水量は167リットル/
日(導入速度:20.8リットル/時)で行なった。そ
の他の曜日は、1日中廃水を供給し続け、廃水の処理量
が500リットル/日(導入速度:20.8リットル/
時)となるようにして行った。そして、廃水流入がスト
ップした時点から3時間経過後、第1処理槽では5時間
間隔で5分間の曝気を行った。その他は実施例1と同様
の処理条件で行った。その結果、昼間のみ廃水を導入
し、その後、短期間(夜間)運転を休止した水曜日と日
曜日の後に運転を再開したが、図7に示したように、そ
の翌日の木曜日と月曜日においても処理水の水質に変化
がなく安定して良好な水質の処理水が得られることを確
認できた。
【0081】<実施例3−2>実施例1−2と同様の試
験装置を用い、実施例1−2で処理したと同様の廃水に
ついての処理を行なって、第1処理槽内の水質悪化をT
OC除去率の低下の度合いによって原水の性状変化に対
する処理の状態変化についての確認を行なった。即ち、
本実施例では、第1処理槽の廃水と処理水をTOC計に
より1時間間隔で測定し、この結果を基に除去率を算出
した。そして、除去率が70%以下になった時に原水ポ
ンプを停止し、その状態を3時間保つと共に、第2処理
槽から汚泥ポンプ2にて汚泥を第1処理槽内に10リッ
トル供給した。その結果、実施例1−2の場合と同様
に、処理対象廃水を性状の異なるものに切り替えた直後
においても処理水の水質に乱れはなく、安定した処理が
行なえることを確認できた。
【0082】<比較例1−2>第1処理槽のpHを測定
して、運転の制御を行うことをせずに、通常の連続処理
をする以外は実施例1と同様にして試験を行なった。そ
の結果、図6に示したように、廃水を切り替えた直後に
は、処理水の水質が悪化することがわかった。
【0083】<比較例2−2>実施例2−2において、
原水流入がストップした夜間の間も曝気を止めないで運
転した以外は実施例2−2と同様の試験を行なった。そ
の結果、図7に示したように、昼間のみの廃水流入があ
った翌日の木曜日と月曜日には、処理水の水質が悪化す
ることがわかった。
【0084】
【発明の効果】(第1の発明)上記したように、本発明
によれば、活性汚泥法を利用した有機性廃水の処理方法
で、BODで示される有機汚濁成分濃度の変動が著しい
実際の有機性廃水を処理した場合においても、最終段階
で放出される処理水の水質を悪化させることなく、極め
て高い処理効率が達成されて処理装置の小型化が達成さ
れると同時に、余剰汚泥の量を減量化させることができ
る有機性廃水の処理方法が提供される。
【0085】(第2の発明)上記したように、本発明に
よれば、活性汚泥法を利用した有機物を含む被処理水
(原水)の処理方法において、原水性状が急激に変化し
たり、或いは被処理水の導入が一次中断又は中止した場
合においても、最終段階で放流される処理水の水質がそ
の前後において悪化することなく、処理効率の向上が経
済的に且つ安定した状態で図れ、しかも余剰汚泥の格段
の減量化が達成される有機性廃水の処理方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明の有機性廃水の処理方法の
処理フローの一例である。
【図2】本発明の第1の発明の有機性廃水の処理方法の
一例を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の発明の有機性廃水の処理方法の
処理フローの一例である。
【図4】本発明の第2の発明の有機性廃水の処理方法の
処理フローの別の一例である。
【図5】本発明の第2の発明の有機性廃水の処理方法の
一例を示す概略図である。
【図6】本発明の第2の発明の実施例及び比較例の結果
を説明するためのグラフである。
【図7】本発明の第2の発明の実施例及び比較例の結果
を説明するためのグラフである。
【図8】活性汚泥処理方法を用いた従来例を示す概略図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 修 東京都千代田区東神田1−9−8 環境 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 栗原 清 東京都千代田区東神田1−9−8 環境 エンジニアリング株式会社内 審査官 吉水 純子 (56)参考文献 特開 平4−277086(JP,A) 特開 平11−47784(JP,A) 特開 平5−228486(JP,A) 特開 昭61−178094(JP,A) 特公 昭56−48235(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性汚濁成分を含む被処理水を第1処
    理槽に導入し、該第1処理槽内で原生動物の実質的不存
    在下で細菌処理し、被処理水中に含まれる有機物を酸化
    分解すると共に非凝集性細菌に変換した後、第1処理槽
    からの非凝集性細菌を含む廃水を活性汚泥が存在する第
    2処理槽に導入し、該第2処理槽内で非固着性原生動物
    の実質的不存在下、固着性原生動物処理して非凝集性細
    菌を固着性原生動物に捕食除去させる2相活性汚泥法に
    よって処理する有機性廃水の処理方法において、 少なくとも第1処理槽内の水質を経時的に測定し、細菌
    処理を悪化させる水質の変化を検知した時点で、少なく
    とも被処理水の第1処理槽への導入を一時停止して種
    泥又は微生物製剤を添加した後、第1処理槽の曝気を行
    ない、その後に第1処理槽への被処理水の導入を再開す
    ることを特徴とする有機性廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 第1処理槽内の水質を、pH値、TOC
    値、濁度、BOD値及びCOD値のいずれかで経時的に
    測定し、pH値の低下、TOC除去率の低下、濁度の低
    下、BOD除去率の低下及びCOD除去率の低下のいず
    れかによって、第1処理槽内における細菌処理を悪化さ
    せる水質の変化の時点を検知する請求項に記載の有機
    性廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 細菌処理を悪化させる水質の変化の時点
    を、第1処理槽内のpH値が6以下、又は、TOC除去
    率の低下、濁度の低下、BOD除去率の低下及びCOD
    除去率の低下のいずれかが定常状態の2割以上となった
    時とする請求項に記載の有機性廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 種汚泥に第2処理槽内の活性汚泥を用い
    る請求項〜請求項のいずれかに記載の有機性廃水の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 有機性汚濁成分を含む被処理水を第1処
    理槽に導入し、該第1処理槽内で原生動物の実質的不存
    在下で細菌処理し、被処理水中に含まれる有機物を酸化
    分解すると共に非凝集性細菌に変換した後、第1処理槽
    からの非凝集性細菌を含む廃水を活性汚泥が存在する第
    2処理槽に導入し、該第2処理槽内で非固着性原生動物
    の実質的不存在下、固着性原生動物処理して非凝集性細
    菌を固着性原生動物に捕食除去させる2相活性汚泥法に
    よって処理する有機性廃水の処理方法において、 第1処理槽内への被処理水の導入状態をモニタリングし
    て導入が2時間以上停止した場合に、一定間隔で曝気を
    繰り返して第1処理槽への被処理水の導入の再開に備え
    るように構成することを特徴とする有機性廃水の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 有機性汚濁成分を含む被処理水を第1処
    理槽に導入し、該第1処理槽内で原生動物の実質的不存
    在下で細菌処理し、被処理水中に含まれる有機物を酸化
    分解すると共に非凝集性細菌に変換した後、第1処理槽
    からの非凝集性細菌を含む廃水を活性汚泥が存在する第
    2処理槽に導入し、該第2処理槽内で非固着性原生動物
    の実質的不存在下、固着性原生動物処理して非凝集性細
    菌を固着性原生動物に捕食除去させる2相活性汚泥法に
    よって処理する有機性廃水の処理方法において、 第1処理槽内への被処理水の導入状態をモニタリングし
    て導入が1日間以上停止した場合に、種汚泥又は微生物
    製剤を添加した後に第1処理槽への被処理水の導入を再
    開することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
  7. 【請求項7】 種汚泥に第2処理槽内の活性汚泥を用い
    る請求項に記載の有機性廃水の処理方法。
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