JP3034639B2 - 難燃性スピーカ用コーン紙 - Google Patents
難燃性スピーカ用コーン紙Info
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Description
変換器の振動板に用いられるコーン紙であって、特に難
燃性を持たせた難燃性スピーカ用コーン紙に関する。
紙とした後、難燃剤の中でもセルロース系繊維に最も効
果的と言われている無機系リン酸塩化合物(ポリリン酸
アンモニウム=含有量リン:32%、リン+チッソ:47
%)の水溶液に含浸して難燃化しているが、この方法で
得た難燃紙は染色時に「ニジミ」が出たり、金属を腐食
させ、高温多湿では黴の発生をも伴い、現在は実用性に
疑問が持たれている。
イズ紙或いは高温でのプレスドライ法を採用している為
にハネカム構造となり内部に比較して表面密度が異常に
高くなっている多くのコーン紙等は、内部まで難燃剤溶
液が容易に浸透せず、着火させると紙層間に火種(無炎
燃焼)が残り完全な自己消火性に至らず難燃化は困難で
ある。
セルロース繊維紙に入ると、その難燃紙は強度を失い脆
く、硬くなり、伸びが減少してタフネス性(強度×伸
び)がなく耐久性がなくなる。特にコーン紙などは強制
的な繰り返し応力を伴う振動を受けると容易に破壊に至
る。有機リン系化合物で液状の難燃剤もあるが、最もリ
ン含有量が高いトリメチルホスホナート化合物でも22
%であり、しかも炭素元素を多量に含んでいるので無機
系リン化合物より難燃化率は低い。また、金属腐食も懸
念される。
を、リン酸、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニ
ウムなどでエステル化してリン酸化させると、リン含有
量にもよるが難燃性(リン含有量5.8 %以上)が増し、
難燃紙として使用できる。上記の無機系リン酸塩化合物
の様な固形物が含浸された難燃化紙と比較すると、強
度、伸び等が非常に優れている。これはセルロース繊維
表面にリンが有機的にエステル化反応している為で、ま
た染色性も良く、黴の発生も金属への腐食もない。
(Tear Strength )等の機械的性質は通常の無処理の木
材パルプ紙と比較して、リン酸化エステル化度が増加す
るに従って、エステルする前と比べてリン含有量5.8
%でも2/3に低下するが実用性はある。この低下はセ
ルロース繊維中における水酸基、メチロール基等がエス
テル化によって減少し、紙中の水素結合が減少して強度
が減る為である。
度と繊維間接触面積の総和で決まるが、木材パルプ繊維
であれば比表面性が拡大すると繊維間接触面積も大きく
なり水素結合数も増し、強度が上がることになる。この
繊維間接触面積を増大させる方法には叩解法があるが、
通常のナイヤガラ式叩解機では繊維間接触面積はある程
度増加するが限度(150cc CSF=カナダ標準濾水度で比表
面積4.0m2 /g程度)があり、叩解と共に繊維幅方向の切
断や繊維軸方向の損傷が同時に進行して、単繊維は短く
細くなり著しく強度も低下するので、結局大きく強度は
上がらない。紙の理想的な強度向上策は単繊維強度或い
は繊維形態を維持しながら繊維間接触面積を増加させる
ことであるが、この様な操作が出来る叩解機は存在しな
い。従って、繊維間接触面積のみを増大させる物質を別
に製造して添加する方法が必要である。一般には樹脂や
ゴムなどを添加しているが、皮膜自体の強度が弱いと強
度も上がらない。このような添加剤は抄紙網への汚染も
強いので採用は難しい。
叩解した超叩解木材パルプは比表面積が非常に大きくな
り、10.0m2 /g以上となる。更にこの叩解工程を
繰り返すことによって最終的には200m2 /g以上に
上げることもできる。当然であるがリン酸化された木材
パルプも同じ方法で超叩解ができ、難燃性の超叩解リン
酸化木材パルプとなる。この時、繊維軸方向に沿って叩
解がなされるので繊維形状を維持しており、繊維紙の強
度向上策にとって有利である。
の難燃性はリン含有量とその成紙の密度に影響され、叩
解度が低くなると密度も低くなるので、空気との接触面
積が増大して同一リン含有量では燃え易くなる。また軽
い紙ほど脱水圧が掛からず密度が低くなって同様に燃え
易い。低密度の紙を作る時は高密度の紙を作る時よりリ
ン含有量を多くする必要がある。スピーカ用振動板に使
用されている紙は音響特性を重視する為に剛度が高く、
重量が重い(100g/m2 以上)。従ってパルプの叩解度は
一般の用紙、新聞紙、クラフト紙、段ボール紙より低く
(500cc CSF 以上)、当然ながら密度も低く(0.5g/cm
3 以下)、表面は粗雑で印刷などできる紙でなく特異な
存在下にあり、空気との接触面積も当然多いのでリン含
有量も高くする必要がある。予めリン含有量を高めれば
成紙の難燃性は密度の高低に影響されないが、セルロー
ス繊維の水酸基、メチロール基とリンとのリンエステル
化にも限度があり、10%以上の転換は難しく、反応時
間も多く要することになり、経済性も低下するのでリン
酸化は5〜10%の範囲が限界である。この範囲では低
いリン含有量では低密度紙の難燃化は困難になってく
る。
d Cone)ではエッジ部とコーン部とが同一パルプ材料
で、しかもコーン部の剛度を重んじる為に、前述の如く
低い叩解度の材料で漉き分けられている。その典型的フ
イックスドコーン紙(口径80〜160mm )にあっては、そ
の重量分布は最低共振周波数F0(剛度)を低くする為
にエッジ部(20〜50g/ m2 )がコーン部(100 〜160g/
m2 )に比較して非常にく、薄くしてある。それ故抄紙
時にあっては脱水圧が掛からず密度も低く機械的強度も
低い。従ってエッジ部は空気との接触面積も大きくな
り、同一リン含有量では燃え易い傾向となる。
うにエッジ部もコーン部も同一パルプ材料で製造されね
ばならず、空気との接触面積の多いエッジ部だけリン含
有量を増加させたパルプ材料を使用することは不可能で
ある。そこで微細化され、比表面積も10.0m2 /g
以上と非常に大きくなっている超叩解リン酸化木材パル
プを添加することにより紙の強度向上に役立つだけでな
く、低叩解度のパルプ材料の充填剤としても働き、空気
との接触面積も減少させ、低密度、軽量なエッジ部の難
燃性も向上し優れた難燃化フイックスドコーン紙となり
得る。
に増加することが知られている。通常は叩解によってこ
の内部損失を確保しているが、比表面積の増大は前記の
如くかなり高い叩解度(150cc CSF )でも数m2 /gし
か達せず、超叩解木材パルプの比表面積に比較してはる
かに低い。従って通常のナイヤガラ式叩解法ではこれ以
上の大きな内部損失は望めない。
ので、その目的とするところは、リン酸化エステルによ
り、優れた難燃性と高比弾性、高強度、高内部抵抗を有
する難燃性スピーカ用振動板を提供することにある。
に本発明の難燃性スピーカ用コーン紙は、リン酸化され
た難燃性リン酸化木材パルプに比表面積10.0m2 /
g以上の超叩解リン酸化木材パルプを繊維状結合材とし
て添加した、優れた難燃性と高比弾性、高強度、高内部
損失を有することに特徴を有する。
難燃性スピーカ用コーン紙は、有機金属高分子化合物、
芳香族ポリアミド,イミド化合物を含浸、コーティング
して難燃性、耐熱性、耐水性、耐湿度性等の諸性質を向
上させ、更に高比弾性、高強度、高弾性率、高内部損失
を持たせたことに特徴を有する。
解度で単繊維強度或いは繊維形態を維持しておき、別に
超叩解した比表面積10.0m2 /g以上の大きい超叩
解リン酸化木材パルプを添加することにより、繊維間接
触面積の増大を計り、大きな比弾性(剛度)、弾性率、
強度と内部損失を持ち、低叩解度、低密度でも難燃性を
維持した難燃紙、即ち難燃性スピーカ用振動板が製造で
きる。リン酸エステル化によって減少した水素結合によ
る強度低下を補って余る。叩解工程が必要なく、難しい
叩解管理が不要となる。
酸アンモニウム、リン酸等で処理し、セルロースの水酸
基、メチロール基をリン酸エステル化した難燃性リン酸
化木材パルプを通常の叩解作業をしない未叩解或いは低
叩解度で、単繊維強度或いは繊維形態を維持させ、これ
に繊維状結合材として同じリン酸化木材パルプを特殊な
叩解方法で超叩解し、比表面積を10.0m2 /g以上
とした超叩解リン酸化パルプを0.5〜30%添加し
て、離解機(パルパー)に投入し、十分に離解し、均一
なパルプ濃度3%のスラリーとする。これに所定量の製
紙用薬剤を加えて、通常の抄紙機で抄造して、一般的な
叩解作用では得られない高比弾性(剛度)、高強度、高
内部損失と低密度で軽量なフイックスドコーン紙でも自
己消火性を有する難燃性スピーカ振動板とするものであ
る。
性、耐湿度性などの諸性質を一段と向上させる為に、芳
香族ポリアミド,イミド化合物、有機金属高分子化合
物、無機化合物(珪酸塩化合物)等の溶液を含浸、コー
ティングすることもできる。
目について測定し、評価する。 1.測定項目 1.引張強度 Kg/mm2 :引張試験機で破壊強度から
算出 2.引張弾性率Kg/mm2 :上記試験機での応力歪曲線
中、0.25%モジュラスで算出 3.内部損失Tanδ :JIS K−7213「捩
れ自由減衰粘弾性測定機」より測定 4.比弾性(剛度)Km :引張弾性率を密度で除す。 5.坪量 g/m2 :測定に供した紙は100±
10%g/m2 を目標とした。 2.燃焼性性能 JIS D 1201 「自動車内装用有機資材の燃焼
性試験法」で評価
硬度)を張り込んだパルパープに投入し、パルプ濃度を
2.7%とする。次に超叩解リン酸化木材パルプ5.0
%以上相当量を添加して約20分間十分に攪拌して、完
全に離解する。これに所定量の製紙用薬剤を加え、2〜
3分攪拌して均一分散させる。さらに水を加えて所定の
抄紙濃度として抄造する。プレス乾燥工程以降は通常工
程と同一である。
られる。 リン酸化木材パルプ :9
5.0部以下 超叩解リン酸化木材パルプ :
5.0部以上 b.製紙用薬剤としては次のものが用いられる。 湿潤強度向上剤 エポキシポリアミド樹脂 :1.
5部 サイズ ダイマー酸エステル :0.
5部 PH 中性 :6.
5 c.得られる物性及び性能は次の通りである。表1に未叩
解リン酸化木材パルプに超叩解木材パルプを添加した時
の物性と、叩解度を上げただけの物性を示す。表1の如
く、叩解機で叩解度を150ccCSFまで上げた物性
よりも、未叩解リン酸化木材パルプに超叩解リン酸化木
材パルプを10%以上添加した方が全て上回る。特に内
部損失は今まで通常の叩解機では得られなかった値であ
る。 d.難燃性試験の結果 試験法 JIS D 1201「自動車内装有機材の難
燃性試験法」により、超叩解リン酸化木材パルプを5.
0%以上添加すると、坪量20g/m2 前後のエッジ部
でも標線まで達せず、自己消火性である。
耐湿度性などの諸性質を向上させる為に、芳香族ポリア
ミド,イミド化合物、有機金属高分子化合物、無機化合
物(珪酸塩化合物)等の溶液を含浸、コーティングする
こともできる。
された難燃性リン酸化木材パルプに、繊維状結合材とし
て超叩解リン酸化木材パルプ添加して抄造し、プレス乾
燥させてコーン紙としたので、優れた高比弾性、高強
度、高内部損失を有する難燃性スピーカ用コーン紙を得
ることができる。
機金属高分子化合物、芳香族ポリアミド,イミド化合物
を含浸、コーティングしたので、耐熱性、耐水性、耐湿
度性等の諸性質を向上させ、更に高比弾性、高強度、高
弾性率、高内部損失を持った難燃性スピーカ用コーン紙
を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 リン酸化された難燃性リン酸化木材パル
プに比表面積10.0m2 /g以上の超叩解リン酸化木
材パルプを繊維状結合材として添加した、優れた難燃性
と高比弾性、高強度、高内部損失を有することを特徴と
する難燃性スピーカ用コーン紙。 - 【請求項2】 請求項1記載の難燃性スピーカ用コーン
紙に、有機金属高分子化合物、芳香族ポリアミド,イミ
ド化合物を含浸、コーティングして難燃性、耐熱性、耐
水性、耐湿度性等の諸性質を向上させ、更に高比弾性、
高強度、高弾性率、高内部損失を持たせたことを特徴と
する難燃性スピーカ用コーン紙。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3126675A JP3034639B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 難燃性スピーカ用コーン紙 |
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---|---|---|---|
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JPH0583789A JPH0583789A (ja) | 1993-04-02 |
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Family Applications (1)
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JP3126675A Expired - Fee Related JP3034639B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 難燃性スピーカ用コーン紙 |
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US7913808B2 (en) | 2008-03-27 | 2011-03-29 | Bose Corporation | Waterproofing loudspeaker cones |
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-
1991
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