JP3034625B2 - タンパクのゲル化促進物質とその抽出精製方法 - Google Patents

タンパクのゲル化促進物質とその抽出精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なタンパクのゲル化
促進物質、特に魚肉練製品を製造する際に用いるにタン
パクのゲル化を促進するに適当な新規なタンパクのゲル
化促進物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】従来、魚肉を加工処理
して、すり身又は練り製品を製造するに当っては、魚肉
タンパクのゲル化促進剤を用いたり又はゲル形成阻害物
質を除去したりして、魚肉のゲル化促進を計っている
が、近年、トランスグルタミナーゼと呼ばれる酵素が大
豆タンパクや魚肉すり身のゲル強度補強に利用しうると
言われていきている。
【0003】この酵素は、従来、モルモットの肝臓を由
来とするものが一般的であり、近年になり微生物起源の
ものが見出されるまでは、供給量の点から各種製品加工
等への応用は現実的には困難なものであった。本発明者
等は、非微生物由来のゲル化促進物質を天然廃棄物より
大量に抽出供給する事を目的とし、鋭意研究を進めてき
たところ、これまで廃物として処理されていた水産動物
又は畜産動物の心臓中の必ずしもトランスグルタミナー
ゼ活性を示さない水溶性抽出液にも強力なタンパク質の
ゲル化活性が認められる事を見出し、さきに水産動物又
は畜産動物の心臓の水溶性抽出液又はその濃縮物からな
るタンパクのゲル化促進物質を開発して特許出願した
(特願平1−254734号)。
【0004】しかし、そのようなゲル化促進物質の有効
利用を図るにはまだ種々の問題があり、その解決が望ま
れた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくて本発明者等はその
解決を図るべくこれらタンパクのゲル化促進物質につい
て更に研究、実験をすすめたところ、マグロ類及びカツ
オ類の心臓の水溶性抽出液からイオン交換クロマトグラ
フィー、カルシウム依存型アフィニティクロマトグラフ
ィー、ゲル濾過分画精製処理を経て得られた、ゲル濾過
により算定される分子量約99,000±2,000
(ゲル濾過による)、電気泳動により算定される分子量
90,000±5,000(10%SDS−PAGEに
よる)の物質が特にすぐれたゲル化能を有し、その有効
利用を図りうることを見出して本発明に至ったものであ
る。
【0006】よって本発明はマグロ類及びカツオ類の心
臓の水溶性抽出液からえられ、分子量99,000±2
000(Superose 6HR若しくはSuperose 12HR
を用いたゲル濾過による)、90,000±5,000
(10%SDS−PAGEによる)、至適カルシウム濃
度0.01mM〜50mMの性質を示すカルシウム依存型の
タンパクゲル化促進物質を提供するものである。本発明
はまたその物質の抽出精製方法を提供するものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明について詳しく説明する。
【0008】本発明においてマグロ類とは、ビンナガ、
クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、タイセイ
ヨウマグロ、コシナガ等を言い、カツオ類とはカツオ等
を言うものとする。
【0009】通常、これらの心臓をその重量の2倍又は
それ以上の量の水を加えてホモジナイズし、遠心分離し
てその上清をとって水溶性抽出液を得る。水に代えて
0.1〜0.3MのNaCl又はKClなどの塩類を含
む低温濃度の水溶液を用いることができる。このような
マグロ類及びカツオ類の心臓の水溶性抽出液について、
順次、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー、ゲル濾過分画精製を行う。
【0010】これら各段階の処理の例をメバチマグロ心
臓の抽出液の場合について述べれば、まず陰イオン交換
クロマトグラフィーにおいては、その抽出液を通常DE
AESepharose CL−6Bにより分画する。この行程
により目的とするタンパクは吸着され結果的に上記抽出
液中の色素タンパク質が除去される。
【0011】上記分画後、回収した活性画分をCa2+
存アフィニティークロマトグラフィーにかける。アフィ
ニティークロマトグラフィーにより回収したサンプルは
濃縮後、ゲル濾過に供し、ゲル化試験で活性ピークを確
認後、ゲル濾過スタンダードによる検量線から、活性物
質の分子量を99,000±2,000と算出した。以
下にカラム条件の一例を示す。 カラム:Superose 6HR、12HR カラムサイズ:1×30cm 分画分子量範囲:5,000〜5×10(6HR) 1,000〜3×10(12HR) 平衡緩衝液:0.15M NaCl 0.5mM ジチオ
スレイトール(DTT)、10mMトリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタンpH7.5 流速:0.4ml/min 検出:280nm 温度:5℃ またゲル濾過により回収された活性画分を10%SDS
−PAGEに供したところ、分子量90,000±5,
000の付近に活性物質のタンパク質バンドが認められ
た。回収された活性画分のゲル化試験を後述する方法で
実施した結果は(++)の判定であった。
【0012】Superose 6HR、12HRによる分画の
280nmにおける吸収値の変化を表わす代表的溶出パタ
ーンを図1、2に示す。
【0013】図1、2に示すように分画で溶出の早い順
にピークI、II、III とし、分画分子量5,000のモ
ルモットでそれぞれ22倍、36倍、21倍に濃縮し、
1/2スケールでゲル化試験を行ったところ、ピークII
のみが(++)を示した。
【0014】なお、マグロ類及びカツオ類の心臓より本
発明の物質を得る方法は上記記載のものが最も優れたも
のであるが、その他に、硫安分画などの塩析法、プロタ
ミンやキトサンなどを用いた凝集分画法、水溶性ポリマ
ーなどを用いる分画手法、有機溶剤などを用いる分画手
法、電気透析などを用いる分画法、DEAE−Sepharos
e CL−6B以外の各種陰イオン交換体、陽イオン交
換体、ハイドロキシアパタイト、各種疎水性クロマトグ
ラフ担体、アフィニティークロマトグラフ担体、各種ゲ
ル濾過担体などを用いた分画手法などを単独、あるいは
組み合わせ、繰り返し用いる事によっても同一の物質を
得ることができる。
【0015】尚本発明で用いられたゲル化試験法は次の
とおりである。まず次のような混合物をつくる。 アクトミオシン抽出液 500μl サ ン プ ル 500μl 1MTris−HCl緩衝液pH7.5 125μl 100mM塩化カルシウム 125μl 以上を内径10mmのガラス試験管に入れよく攪拌してか
ら30℃2時間インキュベートしゲル化させた。ゲル化
の判定は、上記のように作製したものを逆さにしたとき
の状態で以下のように行った。 判 定 ++ 十分ゲル化して内容物が落ちない + 部分的にゲル化しているが外からかるく衝撃をあ
たえるとくずれる − ゲル化しておらず流れ落ちる。
【0016】アクトミオシン抽出液の作製法は上記特願
平1−254734号明細書に記載されている。
【0017】以上本発明を一例としてメバチマグロの心
臓抽出液について述べてきたが、勿論メバチマグロ以外
のマグロ及びカツオの場合についても、本発明に従って
良好なタンパクのゲル化促進物質がえらることは明らか
である。
【0018】また、カルシウム濃度を変化させゲル化試
験を行ったところ、本物質の活性はカルシウム濃度で
0.01〜50mMの範囲で、好ましくは3〜10mMの範
囲で最も強く認められた。またいずれの場合もEGTA
等のキレート剤を添加することで活性は認められなくな
った。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、マグロ類及びカツオ類
の心臓の水溶性抽出液についてイオン交換クロマトグラ
フィー、Ca2+依存アフィニティークロマトグラフィー
等の処理を経て得られる分子量99,000±2,00
0(ゲル濾過法)、90,000±5,000(SDS
−PAGE法)なる物質が特にすぐれたゲル化促進能を
有しており、魚肉練製品の製造にあたって、品質管理上
きわめて有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりマグロ心臓抽出液からえられた試
料のSuperose 6HRによる分画の代表的パターンを示
すグラフ。
【図2】前記試料のSuperose 12HRによる分画の代
表的パターンを示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 杉 本 昌 明 東京都八王子市北野台1−18−7 (72)発明者 村 上 哲 也 東京都日野市西平山3−40−22 ハイツ 大沢101 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/05 - 1/09 A23J 3/00 C07G 17/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグロ類及びカツオ類の心臓の水溶性抽出
    液から得られ、 分子量 99,000±2,000(Superose 6
    HR若しくはSuperose 12HRを用いたゲル濾過による) 90,000±5,000(10%SDS−PAGEに
    よる) 至適カルシウム濃度 0.01mM〜50mM の性質を示す、カルシウム依存型のタンパク質ゲル化促
    進物質。
  2. 【請求項2】マグロ類及びカツオ類の心臓の水溶性抽出
    液をイオン交換クロマトグラフィー、カルシウム依存型
    アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過分画処理
    による精製処理を行うことを特徴とする、請求項1に記
    載のタンパク質ゲル化促進物質の抽出精製方法。
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