JP3034095B2 - カテコールエストロゲン配糖体及びその用途 - Google Patents
カテコールエストロゲン配糖体及びその用途Info
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- JP3034095B2 JP3034095B2 JP3293802A JP29380291A JP3034095B2 JP 3034095 B2 JP3034095 B2 JP 3034095B2 JP 3293802 A JP3293802 A JP 3293802A JP 29380291 A JP29380291 A JP 29380291A JP 3034095 B2 JP3034095 B2 JP 3034095B2
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- JP
- Japan
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- catechol
- estrogen
- catechol estrogen
- lipid peroxide
- hydrogen atom
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Steroid Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカテコールエストロゲン
配糖体及びその用途、即ち該配糖体を有効成分とする過
酸化脂質生成抑制剤に係る。
配糖体及びその用途、即ち該配糖体を有効成分とする過
酸化脂質生成抑制剤に係る。
【0002】
【従来の技術】過酸化脂質は虚血-再灌流障害、虚血性
心疾患、動脈硬化症、未熟児網膜症、鉄錆症、白内障、
肝炎、膵炎、糖尿病性血管障害、女子黒皮症、肝斑、妊
娠中毒症等の種々の疾患や老化の一要因であることが知
られている。一方、芳野等は、エストロゲン及びその代
謝物であるカテコールエストロゲンが血清や肝における
過酸化脂質レベルを低下させる作用を有していることを
報告している [K. Yoshino et al, "J. Clin. Biochem.
Nutr.", Vol. 3, pages 233- 240 (1987)]。
心疾患、動脈硬化症、未熟児網膜症、鉄錆症、白内障、
肝炎、膵炎、糖尿病性血管障害、女子黒皮症、肝斑、妊
娠中毒症等の種々の疾患や老化の一要因であることが知
られている。一方、芳野等は、エストロゲン及びその代
謝物であるカテコールエストロゲンが血清や肝における
過酸化脂質レベルを低下させる作用を有していることを
報告している [K. Yoshino et al, "J. Clin. Biochem.
Nutr.", Vol. 3, pages 233- 240 (1987)]。
【0003】しかしながら、エストロゲン及びカテコー
ルエストロゲンは水溶性が極めて低い物質であり、従っ
て過酸化脂質の生成抑制を目的に注射剤として製剤化す
るのは極めて困難である。更に、エストロゲン (卵胞ホ
ルモン : エストロン、エストラジオール、エストリオ
ール) はホルモン作用が強いために、過酸化脂質生成抑
制剤として用いるには難がある。一方、カテコールエス
トロゲンはホルモン作用が弱く、過酸化脂質の生成抑制
作用を示す有効濃度においてホルモン作用を示さない
が、カテコール構造を有しているが故に酸素や光の作用
により分解され易く、従って慎重な取扱いが要求され、
又ヒトにおける血中半減期が甚だ短く、1.5 分程度であ
ることが報告されている [S. Kono et al, "J. Clin. E
ndocrinol. Metab.", Vol. 54, pages 150 -154 (198
2)]。これは、カテコールエストロゲン自体脂溶性が高
いために赤血球に取り込まれ易く、次いで赤血球中のカ
テコール-O-メチルトランスフェラーゼの作用を受けて
速やかにメチル化されてしまうためと推定されている。
従って、カテコールエストロゲン自体は強い過酸化脂質
生成抑制作用を有していても、投与した場合における当
該薬理作用の安定な且つ持続的な発現の面において問題
が残されている。
ルエストロゲンは水溶性が極めて低い物質であり、従っ
て過酸化脂質の生成抑制を目的に注射剤として製剤化す
るのは極めて困難である。更に、エストロゲン (卵胞ホ
ルモン : エストロン、エストラジオール、エストリオ
ール) はホルモン作用が強いために、過酸化脂質生成抑
制剤として用いるには難がある。一方、カテコールエス
トロゲンはホルモン作用が弱く、過酸化脂質の生成抑制
作用を示す有効濃度においてホルモン作用を示さない
が、カテコール構造を有しているが故に酸素や光の作用
により分解され易く、従って慎重な取扱いが要求され、
又ヒトにおける血中半減期が甚だ短く、1.5 分程度であ
ることが報告されている [S. Kono et al, "J. Clin. E
ndocrinol. Metab.", Vol. 54, pages 150 -154 (198
2)]。これは、カテコールエストロゲン自体脂溶性が高
いために赤血球に取り込まれ易く、次いで赤血球中のカ
テコール-O-メチルトランスフェラーゼの作用を受けて
速やかにメチル化されてしまうためと推定されている。
従って、カテコールエストロゲン自体は強い過酸化脂質
生成抑制作用を有していても、投与した場合における当
該薬理作用の安定な且つ持続的な発現の面において問題
が残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】上記の
従来技術に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、
カテコールエストロゲンを化学修飾し、これによってカ
テコールエストロゲンが有している過酸化脂質生成抑制
作用を生体内で発揮させると共に、水溶性を向上させ且
つ製造工程時及び生体内における安定性を高めることに
ある。製剤形態は任意のものとすることができる。但
し、本発明の重要な目的の 1つは殊に注射剤としての製
剤化を可能にし、これによって疾患の種類や症状に最適
な量を直接血中に投与し得る、過酸化脂質生成抑制剤と
してのカテコールエストロゲン配糖体製剤を提供するこ
とにある。
従来技術に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、
カテコールエストロゲンを化学修飾し、これによってカ
テコールエストロゲンが有している過酸化脂質生成抑制
作用を生体内で発揮させると共に、水溶性を向上させ且
つ製造工程時及び生体内における安定性を高めることに
ある。製剤形態は任意のものとすることができる。但
し、本発明の重要な目的の 1つは殊に注射剤としての製
剤化を可能にし、これによって疾患の種類や症状に最適
な量を直接血中に投与し得る、過酸化脂質生成抑制剤と
してのカテコールエストロゲン配糖体製剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決し目的を達成する手段及び作用】本発明者
等は鋭意検討を重ねた結果、カテコールエストロゲンの
2 及び 3 位の少なくとも一方をグリコシル化した配糖
体により上記の課題は解決されることを見い出して本発
明を完成するに至った。即ち、カテコールエストロゲン
の 2及び 3 位の少なくとも一方をグリコシル化すると
水溶性及び安定性が著しく向上し、従って注射剤として
の製剤化が可能となり、更に投与した場合に生体内のグ
リコシダーゼによって脱グリコシル化されてカテコール
エストロゲンに再変換され、斯くて強い過酸化脂質生成
抑制作用を発現することが判明したからである。
等は鋭意検討を重ねた結果、カテコールエストロゲンの
2 及び 3 位の少なくとも一方をグリコシル化した配糖
体により上記の課題は解決されることを見い出して本発
明を完成するに至った。即ち、カテコールエストロゲン
の 2及び 3 位の少なくとも一方をグリコシル化すると
水溶性及び安定性が著しく向上し、従って注射剤として
の製剤化が可能となり、更に投与した場合に生体内のグ
リコシダーゼによって脱グリコシル化されてカテコール
エストロゲンに再変換され、斯くて強い過酸化脂質生成
抑制作用を発現することが判明したからである。
【0006】本発明によるカテコールエストロゲン配糖
体は、一般式
体は、一般式
【化2】 (式中 R1 は水素原子又はグルコシル、ガラクトシル、
マンノシル、アラビノシル、リボシル、キシロシル、フ
ルクトシル、ラムノシル、フコシル、マルトシル、セロ
ビオシル、ラクトシル、スクロシル、マルトトリオシ
ル、マルトテトラオシル、マルトペンタオシル、マルト
ヘキサオシル、マルトヘプタオシル及びシアロシルから
選択されたグリコシル基を意味し、R2 は水素原子又は
グルコシル、ガラクトシル、マンノシル、アラビノシ
ル、リボシル、キシロシル、フルクトシル、ラムノシ
ル、フコシル、マルトシル、セロビオシル、ラクトシ
ル、スクロシル、マルトトリオシル、マルトテトラオシ
ル、マルトペンタオシル、マルトヘキサオシル、マルト
ヘプタオシル及びシアロシルから選択されたグリコシル
基を意味し、R3 はヒドロキシル基を意味し、R4 は水素
原子又はエチニル基を意味し、若しくは R4 は R3 と一
緒にて酸素原子を意味し、R5 は水素原子又はヒドロキ
シル基を意味し、但し R1 と R2 の何れか一方は上記の
グリコシル基を意味する)にて示され、又本発明による
過酸化脂質生成抑制剤は上記の一般式にて示される配糖
体を有効成分として少なくとも一種類含有していること
を特徴としている。
マンノシル、アラビノシル、リボシル、キシロシル、フ
ルクトシル、ラムノシル、フコシル、マルトシル、セロ
ビオシル、ラクトシル、スクロシル、マルトトリオシ
ル、マルトテトラオシル、マルトペンタオシル、マルト
ヘキサオシル、マルトヘプタオシル及びシアロシルから
選択されたグリコシル基を意味し、R2 は水素原子又は
グルコシル、ガラクトシル、マンノシル、アラビノシ
ル、リボシル、キシロシル、フルクトシル、ラムノシ
ル、フコシル、マルトシル、セロビオシル、ラクトシ
ル、スクロシル、マルトトリオシル、マルトテトラオシ
ル、マルトペンタオシル、マルトヘキサオシル、マルト
ヘプタオシル及びシアロシルから選択されたグリコシル
基を意味し、R3 はヒドロキシル基を意味し、R4 は水素
原子又はエチニル基を意味し、若しくは R4 は R3 と一
緒にて酸素原子を意味し、R5 は水素原子又はヒドロキ
シル基を意味し、但し R1 と R2 の何れか一方は上記の
グリコシル基を意味する)にて示され、又本発明による
過酸化脂質生成抑制剤は上記の一般式にて示される配糖
体を有効成分として少なくとも一種類含有していること
を特徴としている。
【0007】本発明による配糖体は、常法のグリコシル
化反応により調製することができる。例えば 2-ヒドロ
キシ-エストラジオールの 2 位におけるグルコシル化反
応を例にとって説明すれば、3 及び 17 位を保護した 2
-ヒドロキシ-エストラジオールとアセトブロモグルコー
スとを炭酸カドミウムの存在下に反応させてグルコシル
体となし、次いで保護基を脱離させることにより、所望
の 2-ヒドロキシ-エストラジオールの 2-グルコシル体
を得ることができる。これを反応式で示せば下記の通り
である。
化反応により調製することができる。例えば 2-ヒドロ
キシ-エストラジオールの 2 位におけるグルコシル化反
応を例にとって説明すれば、3 及び 17 位を保護した 2
-ヒドロキシ-エストラジオールとアセトブロモグルコー
スとを炭酸カドミウムの存在下に反応させてグルコシル
体となし、次いで保護基を脱離させることにより、所望
の 2-ヒドロキシ-エストラジオールの 2-グルコシル体
を得ることができる。これを反応式で示せば下記の通り
である。
【0008】
【化3】
【0009】本発明によるカテコールエストロゲン配糖
体の水に対する溶解性は、カテコールエストロゲンと比
較する場合に飛躍的に向上する。例えば、2-ヒドロキシ
-エストラジオールの場合に、その 1mg を 3ml の水に
溶解させようとしても、殆ど不溶に近い状態であるが、
その 2-グルコシル体は 1.5mg が 0.5 - 1mlの水に可溶
となる。従って、本発明によるカテコールエストロゲン
配糖体は、これを精製水又は生理食塩水に溶解させるこ
とにより、必要量を静脈注射等により投与することが可
能となる。又、生体に投与した場合には、生体内のグリ
コシダーゼによって脱グリコシル化されてカテコールエ
ストロゲンに再変換され、斯くて強い過酸化脂質生成抑
制作用を発現する。尚、本発明によるカテコールエスト
ロゲンはカテコール部分が糖により保護されているので
酸素や光に対する安定性が向上する。更に、この保護に
より血中半減期が延長する。尚、カテコールエストロゲ
ンは、過酸化脂質抑制作用を発揮する有効濃度において
女性ホルモン作用を示さないが、本発明による配糖体も
同様である。
体の水に対する溶解性は、カテコールエストロゲンと比
較する場合に飛躍的に向上する。例えば、2-ヒドロキシ
-エストラジオールの場合に、その 1mg を 3ml の水に
溶解させようとしても、殆ど不溶に近い状態であるが、
その 2-グルコシル体は 1.5mg が 0.5 - 1mlの水に可溶
となる。従って、本発明によるカテコールエストロゲン
配糖体は、これを精製水又は生理食塩水に溶解させるこ
とにより、必要量を静脈注射等により投与することが可
能となる。又、生体に投与した場合には、生体内のグリ
コシダーゼによって脱グリコシル化されてカテコールエ
ストロゲンに再変換され、斯くて強い過酸化脂質生成抑
制作用を発現する。尚、本発明によるカテコールエスト
ロゲンはカテコール部分が糖により保護されているので
酸素や光に対する安定性が向上する。更に、この保護に
より血中半減期が延長する。尚、カテコールエストロゲ
ンは、過酸化脂質抑制作用を発揮する有効濃度において
女性ホルモン作用を示さないが、本発明による配糖体も
同様である。
【0010】本発明によるカテコールエストロゲン配糖
体は常法により製剤化することができ、剤型に格別の制
限はなく基剤、賦形剤、添加剤等の補助剤を配合するこ
とができ、該補助剤の種類に応じて注射剤、粉末剤、顆
粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、軟膏剤等になさ
れる。投与量は剤型、投与経路、疾患の種類や程度、患
者の年齢等のファクタに依存するが、カテコールエスト
ロゲン配糖体として 1 日当り 0.1 - 20mg/kg 程度であ
る。
体は常法により製剤化することができ、剤型に格別の制
限はなく基剤、賦形剤、添加剤等の補助剤を配合するこ
とができ、該補助剤の種類に応じて注射剤、粉末剤、顆
粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、軟膏剤等になさ
れる。投与量は剤型、投与経路、疾患の種類や程度、患
者の年齢等のファクタに依存するが、カテコールエスト
ロゲン配糖体として 1 日当り 0.1 - 20mg/kg 程度であ
る。
【0011】
【実施例等】次ぎに製造例、試験例及び製剤例に関連し
て本発明を更に詳細に且つ具体的に説明する。
て本発明を更に詳細に且つ具体的に説明する。
【0012】製造例 1 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-エストラトリエ
ン-2-イル)-β-D-グルコピラノシドの製造 a) 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-(17β-アセチルオ
キシ-3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2
-イル)-β-D-グルコピラノシド 3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2,17β
-ジオール 17-アセテート 4.00g (9.51mmol)、炭酸カド
ミウム 6.55g (38.0mmol) 及びベンゼン 300ml をフラ
スコに秤取し、これを油浴にて加熱しながらベンゼン 1
00ml を留去させた。次いでアセトブロモグルコース 1
1.7g (28.5mmol) のベンゼン溶液 300mlを 3 時間かけ
て滴下し、この際に生成する水を反応系から共沸除去す
るために、常時ベンゼンを留去させ続けた。滴下終了後
においても生成する水を系から除去しつつ、30 分後に
炭酸カドミウム 6.60g (38.3mmol) を、更に 19 時間後
には炭酸カドミウム 5.0g (29.0mmol) 及びアセトブロ
モグルコース 5.3g (12.9mmol) のベンゼン溶液 100ml
を追加的に添加して、合計 42 時間加熱処理した。次い
でセライトを用いて反応混合物を濾過し、セライト部分
についてはベンゼンにより洗浄した。濾液と洗液とを合
併し、減圧濃縮することにより粗生成物を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒, ヘキ
サン : 酢酸エチル = 2 : 1) により精製して所望の 2,
3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-(17β-アセチルオキシ-3
-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)
-β-D-グルコピラノシド 4.51g を得た (収率 : 63.3
%)。1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δ ppm :0.82 (3H,
s, 18-CH3),1.1 - 2.9 (30H, m, エストロゲン CH, CH
2 and COCH3 x 5),3.73 (1H, m,ピラノース C5-
H),4.0 - 4.4 (2H, m, ピラノース C6-H2),4.68
(1H, t like, 17α-H),4.9 - 5.4 (6H, m, ピラノー
ス C1-H, C2-H, C3-H, C4-H and C6H5CH2 ),6.67
(1H, s, Ar C4-H),7.07 (1H, s, Ar C1-H),7.2 -
7.5 (5H, m, C6H5).13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.81, 19.99,
20.16, 20.26, 20.75, 22.70, 25.57, 26.77, 27.14,2
8.61, 36.46, 37.93, 42.42, 43.34, 49.03, 61.98, 6
8.27, 70.11,70.81, 72.00, 81.81, 98.77, 115.08, 11
5.62, 127.22, 127.49, 128.14,131.55, 132.42, 137.2
4, 144.01, 146.51, 168.83, 169.20, 169.42,169.80,
170.18. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :2936, 2872, 1756,
1508, 1434, 1372, 1246, 1222, 1042, 906. MS スペクトル (EI/DI) m/z :750 (M+). シリカゲル TLC :Rf = 0.27 (ヘキサン : 酢酸エチル =
2 : 1).
ン-2-イル)-β-D-グルコピラノシドの製造 a) 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-(17β-アセチルオ
キシ-3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2
-イル)-β-D-グルコピラノシド 3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2,17β
-ジオール 17-アセテート 4.00g (9.51mmol)、炭酸カド
ミウム 6.55g (38.0mmol) 及びベンゼン 300ml をフラ
スコに秤取し、これを油浴にて加熱しながらベンゼン 1
00ml を留去させた。次いでアセトブロモグルコース 1
1.7g (28.5mmol) のベンゼン溶液 300mlを 3 時間かけ
て滴下し、この際に生成する水を反応系から共沸除去す
るために、常時ベンゼンを留去させ続けた。滴下終了後
においても生成する水を系から除去しつつ、30 分後に
炭酸カドミウム 6.60g (38.3mmol) を、更に 19 時間後
には炭酸カドミウム 5.0g (29.0mmol) 及びアセトブロ
モグルコース 5.3g (12.9mmol) のベンゼン溶液 100ml
を追加的に添加して、合計 42 時間加熱処理した。次い
でセライトを用いて反応混合物を濾過し、セライト部分
についてはベンゼンにより洗浄した。濾液と洗液とを合
併し、減圧濃縮することにより粗生成物を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒, ヘキ
サン : 酢酸エチル = 2 : 1) により精製して所望の 2,
3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-(17β-アセチルオキシ-3
-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)
-β-D-グルコピラノシド 4.51g を得た (収率 : 63.3
%)。1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δ ppm :0.82 (3H,
s, 18-CH3),1.1 - 2.9 (30H, m, エストロゲン CH, CH
2 and COCH3 x 5),3.73 (1H, m,ピラノース C5-
H),4.0 - 4.4 (2H, m, ピラノース C6-H2),4.68
(1H, t like, 17α-H),4.9 - 5.4 (6H, m, ピラノー
ス C1-H, C2-H, C3-H, C4-H and C6H5CH2 ),6.67
(1H, s, Ar C4-H),7.07 (1H, s, Ar C1-H),7.2 -
7.5 (5H, m, C6H5).13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.81, 19.99,
20.16, 20.26, 20.75, 22.70, 25.57, 26.77, 27.14,2
8.61, 36.46, 37.93, 42.42, 43.34, 49.03, 61.98, 6
8.27, 70.11,70.81, 72.00, 81.81, 98.77, 115.08, 11
5.62, 127.22, 127.49, 128.14,131.55, 132.42, 137.2
4, 144.01, 146.51, 168.83, 169.20, 169.42,169.80,
170.18. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :2936, 2872, 1756,
1508, 1434, 1372, 1246, 1222, 1042, 906. MS スペクトル (EI/DI) m/z :750 (M+). シリカゲル TLC :Rf = 0.27 (ヘキサン : 酢酸エチル =
2 : 1).
【0013】b) 1-O-(3-ベンジルオキシ-17β-ヒドロキ
シ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコ
ピラノシド 上記の a) 項で得た 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-
(17β-アセチルオキシ-3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エ
ストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド 3.80g
(5.06mmol) にメタノール 266ml を添加し、加熱して
溶解させた後に、1N 水酸化ナトリウム溶液 76ml を添
加した。次いで、室温で 1.5 時間攪拌した後に、エバ
ポレータにてメタノールを除去した。残渣に少量の水を
添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び食塩水
で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させ、次
いで減圧濃縮することにより粗生成物 2.68gを得た。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒 :
クロロホルム : メタノール = 7 : 1) にて精製するこ
とにより所望の 1-O-(3-ベンジルオキシ-17β-ヒドロキ
シ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコ
ピラノシド 2.36g を得た (収率 : 86.1%)。1 H-NMR スペクトル (CD3OD) δ ppm :0.77 (3H,
s, 18-CH3),1.0 - 2.8 (15H, m, エストロゲン CH and
CH2),3.2 - 4.0 (7H, m, 17α-H, ピラノース C2-H,
C3-H, C4-H, C5-H andC6-H2),4.82 - 4.90 (1H, m, ピ
ラノース C1-H),5.09 (2H, s, C6H5CH2 ),6.71
(1H, s, Ar C4-H),7.13 (1H, s, Ar C1-H),7.2
- 7.6 (5H, m, C6H5).13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.16, 22.70,
25.68, 26.87, 28.50, 29.85, 36.68, 38.36, 42.75,4
3.67, 49.52, 60.74, 69.79, 70.60, 73.36, 76.83, 7
6.94, 79.97,101.37, 114.48, 115.78, 127.38, 128.0
8, 129.87, 133.07, 137.62,145.26, 146.01. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :3400, 2920, 2868,
1504, 1454, 1412, 1382, 1324, 1286, 1260, 1210,107
2, 888, 748, 698. シリカゲル TLC :Rf = 0.44 (クロロホルム : メタノー
ル = 5 : 1).
シ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコ
ピラノシド 上記の a) 項で得た 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-O-
(17β-アセチルオキシ-3-ベンジルオキシ-1,3,5(10)-エ
ストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド 3.80g
(5.06mmol) にメタノール 266ml を添加し、加熱して
溶解させた後に、1N 水酸化ナトリウム溶液 76ml を添
加した。次いで、室温で 1.5 時間攪拌した後に、エバ
ポレータにてメタノールを除去した。残渣に少量の水を
添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び食塩水
で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させ、次
いで減圧濃縮することにより粗生成物 2.68gを得た。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒 :
クロロホルム : メタノール = 7 : 1) にて精製するこ
とにより所望の 1-O-(3-ベンジルオキシ-17β-ヒドロキ
シ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコ
ピラノシド 2.36g を得た (収率 : 86.1%)。1 H-NMR スペクトル (CD3OD) δ ppm :0.77 (3H,
s, 18-CH3),1.0 - 2.8 (15H, m, エストロゲン CH and
CH2),3.2 - 4.0 (7H, m, 17α-H, ピラノース C2-H,
C3-H, C4-H, C5-H andC6-H2),4.82 - 4.90 (1H, m, ピ
ラノース C1-H),5.09 (2H, s, C6H5CH2 ),6.71
(1H, s, Ar C4-H),7.13 (1H, s, Ar C1-H),7.2
- 7.6 (5H, m, C6H5).13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.16, 22.70,
25.68, 26.87, 28.50, 29.85, 36.68, 38.36, 42.75,4
3.67, 49.52, 60.74, 69.79, 70.60, 73.36, 76.83, 7
6.94, 79.97,101.37, 114.48, 115.78, 127.38, 128.0
8, 129.87, 133.07, 137.62,145.26, 146.01. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :3400, 2920, 2868,
1504, 1454, 1412, 1382, 1324, 1286, 1260, 1210,107
2, 888, 748, 698. シリカゲル TLC :Rf = 0.44 (クロロホルム : メタノー
ル = 5 : 1).
【0014】c) 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド 上記の b) 項で得た 1-O-(3-ベンジルオキシ-17β-ヒド
ロキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グ
ルコピラノシド 2.30g (4.25mmol) をメタノール 250ml
に溶解させ、5% パラジウムカーボン 1.00g のメタノ
ール懸濁液 100ml を添加し、次いで水素ガスをバブリ
ングしながら 2 時間反応させた。セライトを用いて反
応液を濾過し、濾液を減圧濃縮することにより粗生成物
1.85g を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (溶出溶媒, クロロホルム :メタノール
= 5 : 1) により精製して所望の 1-O-(3,17β-ジヒド
ロキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グ
ルコピラノシド 1.74g を得た(収率 : 91.1%)。1 H-NMR スペクトル (CD3OD) δ ppm :0.74 (3H,
s, 18-CH3),0.9 - 2.9 (15H, m, エストロゲン CH and
CH2),3.3 - 4.0 (7H, m, 17α-H, ピラノース C2-H,
C3-H, C4-H, C5-H andC6-H2),4.6 - 4.8 (1H, m, ピラ
ノース C1-H),6.52 (1H, s, Ar C4-H),7.11
(1H, s, Ar C1-H),13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.16, 22.76,
25.84, 26.93, 28.44, 29.91, 36.63, 38.52, 42.75,4
3.67, 49.52, 60.85, 69.89, 73.36, 75.96, 77.10, 8
0.02, 103.38,114.86, 115.57, 130.90, 143.31,144.7
1. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :3368, 2920, 2864,
1502, 1434, 1380, 1354, 1322, 1292, 1264, 1204,106
8, 884. シリカゲル TLC :Rf = 0.21 (クロロホルム : メタノー
ル = 5 : 1). 水に対する溶解度 :1.5mg/0.5 - 1ml.
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド 上記の b) 項で得た 1-O-(3-ベンジルオキシ-17β-ヒド
ロキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グ
ルコピラノシド 2.30g (4.25mmol) をメタノール 250ml
に溶解させ、5% パラジウムカーボン 1.00g のメタノ
ール懸濁液 100ml を添加し、次いで水素ガスをバブリ
ングしながら 2 時間反応させた。セライトを用いて反
応液を濾過し、濾液を減圧濃縮することにより粗生成物
1.85g を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (溶出溶媒, クロロホルム :メタノール
= 5 : 1) により精製して所望の 1-O-(3,17β-ジヒド
ロキシ-1,3,5(10)-エストラトリエン-2-イル)-β-D-グ
ルコピラノシド 1.74g を得た(収率 : 91.1%)。1 H-NMR スペクトル (CD3OD) δ ppm :0.74 (3H,
s, 18-CH3),0.9 - 2.9 (15H, m, エストロゲン CH and
CH2),3.3 - 4.0 (7H, m, 17α-H, ピラノース C2-H,
C3-H, C4-H, C5-H andC6-H2),4.6 - 4.8 (1H, m, ピラ
ノース C1-H),6.52 (1H, s, Ar C4-H),7.11
(1H, s, Ar C1-H),13 C-NMR スペクトル (DMSO-d6) δ ppm :11.16, 22.76,
25.84, 26.93, 28.44, 29.91, 36.63, 38.52, 42.75,4
3.67, 49.52, 60.85, 69.89, 73.36, 75.96, 77.10, 8
0.02, 103.38,114.86, 115.57, 130.90, 143.31,144.7
1. IR スペクトル (KBr, 錠剤) cm-1 :3368, 2920, 2864,
1502, 1434, 1380, 1354, 1322, 1292, 1264, 1204,106
8, 884. シリカゲル TLC :Rf = 0.21 (クロロホルム : メタノー
ル = 5 : 1). 水に対する溶解度 :1.5mg/0.5 - 1ml.
【0015】試験例 1 (過酸化脂質生成抑制作用) a) 脳ホモジネートの調製 ウィスター系雄性ラット (12 週令) から脳を採取し、
脳重量の 4 倍量の 0.15MKCl を添加し、ホモジネータ
により処理して調製。 b) 検体溶液の調製 製造例にて得た 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド
(「20HE2-2-Glu」と略記する) を蒸留水に、1mM或は 0.
5mM の濃度となるように溶解することにより調製。 c) 操作 上記の脳ホモジネート 1980μl (蛋白量は 10mg/ml) に
対して、20HE2-2-Gluの 1mM 水溶液 20μl (20nmol, 反
応系での濃度は 10μM となる)、又は 0.5mM水溶液 20
μl (10nmol, 反応系での濃度は 5μM となる) を添加
する。対照としては蒸留水を 20μl 添加した。次い
で、これらのサンプルを 37℃ において所定時間インキ
ュベーションした後に、生成した過酸化脂質の量を、チ
オバルビツール法により、テトラメトキシプロパンを標
準としてマロンジアルデヒド換算で求める。 d) 結果及び考察 結果は下記の表 1 に示されている通りであり、本発明
によるカテコールエストロゲン配糖体は、明らかに過酸
化脂質生成抑制作用を有していることが判明した。
脳重量の 4 倍量の 0.15MKCl を添加し、ホモジネータ
により処理して調製。 b) 検体溶液の調製 製造例にて得た 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド
(「20HE2-2-Glu」と略記する) を蒸留水に、1mM或は 0.
5mM の濃度となるように溶解することにより調製。 c) 操作 上記の脳ホモジネート 1980μl (蛋白量は 10mg/ml) に
対して、20HE2-2-Gluの 1mM 水溶液 20μl (20nmol, 反
応系での濃度は 10μM となる)、又は 0.5mM水溶液 20
μl (10nmol, 反応系での濃度は 5μM となる) を添加
する。対照としては蒸留水を 20μl 添加した。次い
で、これらのサンプルを 37℃ において所定時間インキ
ュベーションした後に、生成した過酸化脂質の量を、チ
オバルビツール法により、テトラメトキシプロパンを標
準としてマロンジアルデヒド換算で求める。 d) 結果及び考察 結果は下記の表 1 に示されている通りであり、本発明
によるカテコールエストロゲン配糖体は、明らかに過酸
化脂質生成抑制作用を有していることが判明した。
【0016】
【0017】試験例 2 (過酸化脂質生成抑制作用) a) 肝及び脳ホモジネートの調製 ウィスター系雄性ラット (12 週令) から肝臓及び脳を
採取し、これらの組織重量の 4 倍量の 0.15M KCl を添
加し、ホモジネータにより処理してそれぞれ調製。 b) 検体溶液の調製検体溶液 1 製造例にて得た 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド
(「20HE2-2-Glu」と略記する) を蒸留水に、1mMの濃度
となるように溶解して調製。検体溶液 2 2-ヒドロキシ-エストラジオール (「20HE2」と略記す
る) を 1% DMSO 水溶液に、1mM の濃度となるように溶
解して調製。 c) 操作 上記の肝又は脳ホモジネート 1980μl (蛋白量は何れも
10mg/ml) に対して、20HE2-2-Glu の 水溶液又は 20HE
2 の 1% DMSO 水溶液 20μl (20nmol, 反応系での濃度
は共に 10μM となる) を添加する。対照として、20HE2
-2-Glu に関しては蒸留水を、又 20HE2 に関しては 1%
DMSO 水溶液を 20μl 宛添加した。次いで、これらのサ
ンプルを 37℃ において 4 時間インキュベーションし
た後に、生成した過酸化脂質の量を測定して、対照値か
ら過酸化脂質生成抑制率を求めた。尚、過酸化脂質量は
チオバルビツール法により、テトラメトキシプロパンを
標準としてマロンジアルデヒド換算で求めた。 d) 結果及び考察 結果は下記の表 2 に示されている通りであり、本発明
によるカテコールエストロゲン配糖体は、強い過酸化脂
質生成抑制作用を有している 2-ヒドロキシ-エストラジ
オールと同等の過酸化脂質生成抑制作用を有しているこ
とが判明した。
採取し、これらの組織重量の 4 倍量の 0.15M KCl を添
加し、ホモジネータにより処理してそれぞれ調製。 b) 検体溶液の調製検体溶液 1 製造例にて得た 1-O-(3,17β-ジヒドロキシ-1,3,5(10)-
エストラトリエン-2-イル)-β-D-グルコピラノシド
(「20HE2-2-Glu」と略記する) を蒸留水に、1mMの濃度
となるように溶解して調製。検体溶液 2 2-ヒドロキシ-エストラジオール (「20HE2」と略記す
る) を 1% DMSO 水溶液に、1mM の濃度となるように溶
解して調製。 c) 操作 上記の肝又は脳ホモジネート 1980μl (蛋白量は何れも
10mg/ml) に対して、20HE2-2-Glu の 水溶液又は 20HE
2 の 1% DMSO 水溶液 20μl (20nmol, 反応系での濃度
は共に 10μM となる) を添加する。対照として、20HE2
-2-Glu に関しては蒸留水を、又 20HE2 に関しては 1%
DMSO 水溶液を 20μl 宛添加した。次いで、これらのサ
ンプルを 37℃ において 4 時間インキュベーションし
た後に、生成した過酸化脂質の量を測定して、対照値か
ら過酸化脂質生成抑制率を求めた。尚、過酸化脂質量は
チオバルビツール法により、テトラメトキシプロパンを
標準としてマロンジアルデヒド換算で求めた。 d) 結果及び考察 結果は下記の表 2 に示されている通りであり、本発明
によるカテコールエストロゲン配糖体は、強い過酸化脂
質生成抑制作用を有している 2-ヒドロキシ-エストラジ
オールと同等の過酸化脂質生成抑制作用を有しているこ
とが判明した。
【0018】 試験例 3 (急性毒性試験) 20HE 2 -2-Glu を 1% カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム (CMC・Na) 溶液 に懸濁し、6 週令の ddY 系雄性マ
ウス (各群 5 例) に体重 1kg 当り 250、500、750 或
は 1000mg を腹腔内に投与した。その後 2 週間に わた
り観察した が何れの群においても死亡例や異常症状は認
められず、20HE 2 -2-Glu の LD 50 は1000mg/kg 以上であ
った。 従って、本発明によるカテコールエストロゲン配
糖体は使用安全性において優れている。
ウム (CMC・Na) 溶液 に懸濁し、6 週令の ddY 系雄性マ
ウス (各群 5 例) に体重 1kg 当り 250、500、750 或
は 1000mg を腹腔内に投与した。その後 2 週間に わた
り観察した が何れの群においても死亡例や異常症状は認
められず、20HE 2 -2-Glu の LD 50 は1000mg/kg 以上であ
った。 従って、本発明によるカテコールエストロゲン配
糖体は使用安全性において優れている。
【0019】製剤例 1 (輸液用注射剤) 下記の諸成分を配合し、常法により輸液用注射剤を調製
した。 成 分 配 合 量 カテコールエストロゲン配糖体 (製造例 1) 50 mg アスコルビン酸 5 mg 生理食塩水 残部 1 バッグ当り 250 ml
した。 成 分 配 合 量 カテコールエストロゲン配糖体 (製造例 1) 50 mg アスコルビン酸 5 mg 生理食塩水 残部 1 バッグ当り 250 ml
【0020】製剤例 2 (局皮用注射剤) 下記の諸成分を配合し、常法により局皮用注射剤を調製
した。 成 分 配 合 量 カテコールエストロゲン配糖体 (製造例 1) 10 mg プロピレングリコール 0.8 ml 注射用蒸留水 残部 1 アンプル当り 2.0 ml
した。 成 分 配 合 量 カテコールエストロゲン配糖体 (製造例 1) 10 mg プロピレングリコール 0.8 ml 注射用蒸留水 残部 1 アンプル当り 2.0 ml
【0021】製剤例 3 (錠剤) 下記の諸成分を配合し、常法により錠剤を調製した。 成 分 配 合 量 カテコールエストロゲン配糖体 (製造例 1) 50 mg 乳糖 50 mg 澱粉 145 mg タルク 4 mg ステアリン酸マグネシウム 1 mg 1 錠当り 250 mg
【0022】
【発明の効果】本発明によるカテコールエストロゲン配
糖体は、プロドラッグとしての性質を有しており、生体
内でカテコールエストロゲンとなるので持続的な過酸化
脂質生成抑制作用を発揮する。更に、配糖体となした結
果水溶性が飛躍的に向上し且つ活性部位であるカテコー
ル部分が糖により保護されているので製造工程時及び生
体内での安定性が向上する。従って、このカテコールエ
ストロゲン配糖体は注射剤等として処方することがで
き、過酸化脂質が要因となっている種々の疾患や老化に
対する予防や治療に用いることができる。
糖体は、プロドラッグとしての性質を有しており、生体
内でカテコールエストロゲンとなるので持続的な過酸化
脂質生成抑制作用を発揮する。更に、配糖体となした結
果水溶性が飛躍的に向上し且つ活性部位であるカテコー
ル部分が糖により保護されているので製造工程時及び生
体内での安定性が向上する。従って、このカテコールエ
ストロゲン配糖体は注射剤等として処方することがで
き、過酸化脂質が要因となっている種々の疾患や老化に
対する予防や治療に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 誠子 愛知県犬山市天神町1−17 しろひがし マンション1棟305号 (72)発明者 八木 國夫 愛知県名古屋市名東区西里町2−21 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 17/00 A61K 31/56
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中 R1 は水素原子又はグルコシル、ガラクトシル、
マンノシル、アラビノシル、リボシル、キシロシル、フ
ルクトシル、ラムノシル、フコシル、マルトシル、セロ
ビオシル、ラクトシル、スクロシル、マルトトリオシ
ル、マルトテトラオシル、マルトペンタオシル、マルト
ヘキサオシル、マルトヘプタオシル及びシアロシルから
選択されたグリコシル基を意味し、R2 は水素原子又は
グルコシル、ガラクトシル、マンノシル、アラビノシ
ル、リボシル、キシロシル、フルクトシル、ラムノシ
ル、フコシル、マルトシル、セロビオシル、ラクトシ
ル、スクロシル、マルトトリオシル、マルトテトラオシ
ル、マルトペンタオシル、マルトヘキサオシル、マルト
ヘプタオシル及びシアロシルから選択されたグリコシル
基を意味し、R3 はヒドロキシル基を意味し、R4 は水素
原子又はエチニル基を意味し、若しくは R4 は R3 と一
緒にて酸素原子を意味し、R5 は水素原子又はヒドロキ
シル基を意味し、但し R1 と R2 の何れか一方は上記の
グリコシル基を意味する)にて示されるカテコールエス
トロゲン配糖体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のカテコールエストロゲ
ン配糖体の内の少なくとも一種類の物質を有効成分とし
て含有していることを特徴とする、過酸化脂質生成抑制
剤。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293802A JP3034095B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | カテコールエストロゲン配糖体及びその用途 |
CA002078804A CA2078804C (en) | 1991-10-01 | 1992-09-22 | Manufacture and use of novel glycosides of catechol estrogens |
CA002358012A CA2358012A1 (en) | 1991-10-01 | 1992-09-22 | Method of making 2-acetoxylestrogen derivatives |
US07/950,512 US5405944A (en) | 1991-10-01 | 1992-09-25 | Glycosides of catechol estrogens |
DE69220639T DE69220639T2 (de) | 1991-10-01 | 1992-09-29 | Herstellung und Verwendung von neuen Glykosiden von Catechol-Östrogenen |
EP92116648A EP0535595B1 (en) | 1991-10-01 | 1992-09-29 | Manufacture and use of novel glycosides of catechol estrogens |
DE69514284T DE69514284T2 (de) | 1991-10-01 | 1992-09-29 | Herstellung von Catechol-Estrogen-Derivaten |
EP95113118A EP0688785B1 (en) | 1991-10-01 | 1992-09-29 | Manufacture of catechol estrogens derivatives |
US08/322,711 US5739302A (en) | 1991-10-01 | 1994-10-05 | Manufacture and use of novel glycosides of catechol estrogens |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293802A JP3034095B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | カテコールエストロゲン配糖体及びその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05170787A JPH05170787A (ja) | 1993-07-09 |
JP3034095B2 true JP3034095B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=17799344
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3293802A Expired - Fee Related JP3034095B2 (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-15 | カテコールエストロゲン配糖体及びその用途 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034095B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP3293802A patent/JP3034095B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05170787A (ja) | 1993-07-09 |
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