JP3033875B2 - アクリロニトリル二量体の製造法 - Google Patents

アクリロニトリル二量体の製造法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリロニトリルの二
量化反応において、ルテニウム触媒を用いて、アクリロ
ニトリル直鎖二量体の1,4−ジシアノブテン、1,4
−ジシアノブタジエン及びアジポニトリルを製造する方
法に関する。アクリロニトリル直鎖二量体の1,4−ジ
シアノブテン、1,4−ジシアノブタジエン及びアジポ
ニトリルは、ナイロンー66原料のヘキサメチレンジア
ミン、さび止め剤、及びゴムの加硫促進剤などの中間体
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルから、ルテニウム触媒
を用いて1,4ージシアノブテン及びアジポニトリルを
製造する方法としては、水素存在下でアクリロニトリル
の二量化反応を行う方法が、Bull. Chem. Soc. Jpn., 4
0 (1967) 931、特公昭44−24585号公報、特公昭
45−4048号公報、及び特公昭54−12450号
公報に開示されている。しかしながら、これらの方法
は、水素存在下で二量化反応を行っているため、プロピ
オニトリルが33〜45%の選択率で多量に副生し、目
的のアクリロニトリル直鎖二量体の選択率は55〜67
%程度に過ぎないという問題点があった。更に、水素を
使用することに伴って、爆発に対する安全対策が必要に
なるなど工業的に有利な製造法であるとは言えなかっ
た。
【0003】このため、ルテニウム触媒を用いて、水素
を存在させないで、反応温度300〜600℃でアクリ
ロニトリルの二量化反応を行う方法が、特公昭51−1
4620号公報に開示されているが、この方法において
も、プロピオニトリルの副生を抑えて二量体の選択率を
上げるためには、アクリロニトリルの転化率を数%程度
に抑える必要があり、工業的に満足できる製造法である
とは言えなかった。また、この方法で得られる二量体
は、直鎖二量体と分岐二量体の混合物であり、目的とす
る直鎖二量体の選択率が低いという問題点も存在してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来公
知のアクリロニトリル二量体の製造法には、プロピオニ
トリルのようなアクリロニトリルに容易に再生できない
副生物が多量に生成して二量体の選択率を低下させる、
又は直鎖二量体と分岐二量体の混合物が生成して目的と
する直鎖二量体の選択率が低くなる、更には、水素を使
用することによって装置及び操作面における安全対策が
必要になるなどの問題点があった。本発明の目的は、ア
クリロニトリルの二量化において、プロピオニトリルの
副生を抑制し、高選択率でアクリロニトリルの直鎖二量
体を製造し得る、工業的に好適なアクリロニトリル直鎖
二量体の製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
のアクリロニトリル二量体の製造法における前述したよ
うな問題点を解決すべく、ルテニウム触媒を用いてアク
リロニトリルの二量化を行う方法について鋭意検討した
結果、触媒としてルテニウム化合物を使用し、カルボン
酸の存在下、カルボン酸β−シアノエチルエステルを添
加してアクリロニトリルの二量化反応を行うことによ
り、プロピオニトリル及びカルボン酸β−シアノエチル
エステルの副生を大幅に抑制し、高い選択率でアクリロ
ニトリルの直鎖二量体が生成することを見出して本発明
に到達した。
【0006】即ち、本発明は、アクリロニトリルの二量
化により直鎖二量体の1,4−ジシアノブテン、1,4
−ジシアノブタジエン及びアジポニトリルを合成するア
クリロニトリル二量体の製造法において、ルテニウム化
合物及びカルボン酸の存在下、カルボン酸β−シアノエ
チルエステルを添加してアクリロニトリルを二量化する
ことを特徴とするアクリロニトリル二量体の製造法に関
する。
【0007】以下に本発明の方法を詳しく説明する。本
発明において触媒として使用されるルテニウム化合物
は、ルテニウムの無機酸塩、ルテニウムの有機酸塩、又
はルテニウムを中心原子とする配位化合物であって、例
えば、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、沃化ルテニウ
ム、硫酸ルテニウム、硝酸ルテニウムなどのルテニウム
の無機酸塩、酢酸ルテニウム、プロピオン酸ルテニウ
ム、ブタン酸ルテニウム、ペンタン酸ルテニウム、ヘキ
サン酸ルテニウム、ステアリン酸ルテニウム、ナフテン
酸ルテニウム、シュウ酸ルテニウム、コハク酸ルテニウ
ムなどのルテニウムの有機酸塩、又はRuCl2 (ジメ
チルスルホキシド)4 、RuCl2 (アクリロニトリ
ル)4 、RuCl2 (トリフェニルホスフィン)3 、R
uCl2 (トリフェニルホスフィン)4 などのルテニウ
ムを中心原子とする配位化合物を使用することができ
る。なお、これらのルテニウム化合物は、アクリロニト
リルに対して0.001〜10モル%の割合で使用する
ことが好ましく、単独で用いても複数の化合物を混合し
て用いてもよい。
【0008】更に、本発明においては、上記ルテニウム
化合物と共に塩基及び/又は還元剤を使用することもで
きる。使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無
機塩、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムなどの
有機酸塩、、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエト
キサイドなどの金属アルコキサイド、メチルアミン、エ
チルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、アニリン、メチルアニ
リン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジメチルア
ニリンなどのアミン類及びアンモニアが挙げられ、その
使用量は、使用するルテニウム化合物に対して0.05
〜30倍モル、好ましくは0.1〜20倍モルとなるよ
うな量であることが望ましい。
【0009】また、還元剤としては、用いたルテニウム
化合物を還元できる還元剤を使用することができ、例え
ば、有機還元剤として、有機錫化合物、有機ゲルマニウ
ム化合物、有機珪素化合物、有機硼素化合物、及び有機
アルミニウム化合物、また、無機還元剤として、水素化
硼素化合物、水素化アルミニウム化合物、金属水素化
物、金属単体などが挙げられる。これらの還元剤は、使
用するルテニウム化合物に対して0.05〜30倍モ
ル、好ましくは0.1〜20倍モルとなるような量で使
用されることが望ましく、単独で用いても複数の化合物
を混合して用いてもよい。
【0010】還元剤の好適な例としては、トリメチルス
タンナン〔HSn(CH3 3 〕,、トリエチルスタン
ナン(HSnEt3 )、トリ−n−プロピルスタンナン
〔HSn(n−Pr)3 〕、トリ−n−ブチルスタンナ
ン〔HSn(n−Bu)3 〕、トリフェニルスタンナン
(HSnPh3 )、ジ−n−プロピルスタンナン〔H 2
Sn(n−Pr)2 〕、ジ−n−ブチルスタンナン〔H
2 Sn(n−Bu)2〕、ジフェニルスタンナン〔H2
SnPh2 〕などの有機錫化合物、トリメチルゲルマン
〔HGeMe3 〕、トリエチルゲルマン〔HGeE
3 〕、トリ−n−プロピルゲルマン〔HGe(n−P
r)3 〕などの有機ゲルマニウム化合物、水素化硼素ナ
トリウム(NaBH4 )、水素化硼素リチウム(LiB
4 )などの水素化硼素化合物、水素化リチウムアルミ
ニウム(LiAlH4 )などの水素化アルミニウム化合
物、水素化ナトリウム(NaH)などの金属水素化物、
金属ナトリウム、金属マグネシウム、金属亜鉛などの金
属単体が挙げられる。
【0011】本発明において使用されるカルボン酸とし
ては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15のカ
ルボン酸が好適に挙げられ、例えば、酢酸、プロピオン
酸、メチルプロピオン酸、ジメチルプロピオン酸、ブタ
ン酸、メチルブタン酸、エチルブタン酸、ジメチルブタ
ン酸、ペンタン酸、メチルペンタン酸、エチルペンタン
酸、ジメチルペンタン酸、トリメチルペンタン酸、ヘキ
サン酸、メチルヘキサン酸、エチルヘキサン酸、ジメチ
ルヘキサン酸、ヘプタン酸、メチルヘプタン酸、エチル
ヘプタン酸、ジメチルヘプタン酸、トリメチルヘプタン
酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン
酸、ペンタデカン酸などの飽和脂肪族カルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸などの脂環式カルボン酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ヘキセン酸、ヘプテ
ン酸、オクテン酸、リノレン酸、リノ−ル酸、オレイン
酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、シュウ酸、マロン
酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メ
チルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、フマル酸などのジカルボン酸、安息香酸、メチル安
息香酸、ケイ皮酸、フタル酸、ナフトエ酸などの芳香族
カルボン酸、グリコ−ル酸、乳酸、メトキシ酢酸、エト
キシ酢酸、メトキシプロピオン酸、エトキシプロピオン
酸などの置換飽和脂肪族カルボン酸が使用される。
【0012】上記のカルボン酸は、多量に存在させると
反応液中のアクリロニトリル濃度を減少させて二量体生
成速度が遅くなるので、アクリロニトリルに対して0.
0001〜100倍モル、好ましくは0.001〜10
倍モル、更に好ましくは0.05〜10倍モルの割合で
使用することが好ましい。また、上記のカルボン酸は単
独で使用しても、複数の化合物を混合して使用してもよ
い。
【0013】本発明において使用されるカルボン酸β−
シアノエチルエステルとしては、上記のカルボン酸のβ
−シアノエチルエステルが挙げられる。カルボン酸β−
シアノエチルエステルは、少量であれば添加効果が小さ
くカルボン酸とアクリロニトリルの付加物であるカルボ
ン酸β−シアノエチルエステルの生成を抑えることがで
きず、また多量に添加すると反応液中のアクリロニトリ
ル濃度を減少させて二量体生成速度が遅くなるので、ア
クリロニトリルに対して0.0001〜100倍モル、
好ましくは0.001〜10倍モル、更に好ましくは
0.05〜5倍モルの割合で、かつカルボン酸に対して
0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モ
ルの割合になるように添加することが好ましい。カルボ
ン酸β−シアノエチルエステルは、上記のようにカルボ
ン酸とアクリロニトリルとの付加反応を抑えるため、反
応開始から反応終了後まで上記の範囲に保たれるように
反応開始前に添加しておくことが好ましい。
【0014】本発明における反応方法としては、例え
ば、反応容器にアクリロニトリル、ルテニウム化合物、
カルボン酸及びカルボン酸β−シアノエチルエステルを
前記のような割合で仕込み、攪拌下に所定の温度まで昇
温して反応を開始した後、所定の圧力で、所定の時間、
反応を行うことが好ましい。このとき、アクリロニトリ
ルの二量化反応の条件として、反応温度は、二量体生成
速度及び触媒の失活を考慮して、70〜220℃、好ま
しくは100〜180℃の範囲であることが望ましく、
反応圧力は50mmHgの減圧下から100kg/cm
2 の加圧下までの範囲であることが望ましい。また、反
応時間は、温度、圧力、触媒量により異なるが、好適に
は0.01〜10時間であることが望ましい。なお、本
発明の製造法は、前述のような反応条件を達成すること
ができれば、オートクレーブ形式などの反応容器を用い
るバッチ式の製法を採用することも、原材料を連続的に
反応槽に供給し反応させ、そして反応液等を連続的に反
応槽から抜き出す連続式プロセスの製法を採用すること
もできる。
【0015】更に、本発明では、反応を温和に行うため
に、反応溶媒として、アセトニトリル、プロピオニトリ
ルなどのニトリル、ジメチルスルホキシド、テトラメチ
レンスルホキシドなどのスルホキシド、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテルなどのエ−テル、ヘキサ
ン、トルエンなどの炭化水素、アセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミドなどのアミド、塩化メチレン、ク
ロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、酢酸メチル、酢
酸エチルなどのエステル、メタノール、エタノールなど
のアルコ−ル、及び水等の溶媒を使用することもでき
る。
【0016】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の方法を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、各実施例に示す転化率及び選択率は、それぞ
れ下記の式により求めた。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】実施例1 攪拌装置付きの100mlステンレス製オ−トクレ−ブ
に、RuCl2 (ジメチルスルホキシド)4 0.22
4g(0.46ミリモル)、プロピオン酸ナトリウム
0.122g(1.27ミリモル)、プロピオン酸5.
0g(67.6ミリモル)、β−シアノエチルプロピオ
ネート8.6g(67.6ミリモル)を入れた後、アク
リロニトリル15.7g(296ミリモル)を加え、オ
−トクレ−ブの空間部の窒素置換を行って150℃まで
昇温して、攪拌しながら反応温度150℃、反応圧力5
kg/cm2 で2時間反応を行った。
【0022】オ−トクレ−ブを冷却して、反応液をガス
クロマトグラフィ−で分析したところ、反応液中にはア
クリロニトリル11.1g(210ミリモル)、1,4
−ジシアノブテン3.22g(30.3ミリモル)、
1,4−ジシアノブタジエン0.43g(4.13ミリ
モル)、アジポニトリル0.27g(2.50ミリモ
ル)、プロピオニトリル0.157g(2.85ミリモ
ル)、β−シアノエチルプロピオネート9.16g(7
2.1ミリモル)及びプロピオン酸4.6g(62.2
ミリモル)が含まれていた。
【0023】この結果より、アクリロニトリルの転化率
は29%であり、直鎖二量体(1,4−ジシアノブテ
ン、1,4−ジシアノブタジエン及びアジポニトリルの
合計)の選択率は85%、プロピオニトリルの選択率は
3%、β−シアノエチルプロピオネートの選択率は5%
であった。
【0024】実施例2〜8 実施例1における酸とカルボン酸β−シアノエチルエス
テルを表1に示すものに変えた以外は、実施例1と同様
に反応を行った。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例9 実施例1と同様な装置を用い、予めプロピオン酸5g
(67.6ミリモル)、β−シアノエチルプロピオネー
ト8.6g(67.6ミリモル)、三塩化ルテニウム三
水和物0.100g(Ru:0.38ミリグラム原
子)、炭酸ナトリウム0.082g(0.8ミリモ
ル)、ジメチルスルホキシド0.55g(7.0ミリモ
ル)を混合した後、アクリロニトリル15.0g(28
3ミリモル)を加え、実施例1と同様に反応を行った。
その結果、アクリロニトリルの転化率は27%であり、
直鎖二量体(1,4−ジシアノブテン,1,4−ジシア
ノブタジエン及びアジポニトリルの合計)の選択率は8
5%、プロピオニトリルの選択率は3%、β−シアノエ
チルプロピオネートの選択率は5%であった。
【0027】比較例1 実施例1と同様な装置を用い、予めプロピオン酸5g
(67.6ミリモル)、三塩化ルテニウム三水和物0.
100g(Ru:0.38ミリグラム原子)、炭酸ナト
リウム0.08g(0.76ミリモル)、ジメチルスル
ホキシド0.5g(6.4ミリモル)を混合した後、ア
クリロニトリル15.0g(283ミリモル)を加え、
実施例1と同様に反応を行った。その結果、アクリロニ
トリルの転化率は39%であり、直鎖二量体(1,4−
ジシアノブテン,1,4−ジシアノブタジエン及びアジ
ポニトリルの合計)の選択率は59%、プロピオニトリ
ルの選択率は5%、β−シアノエチルプロピオネートの
選択率は31%であった。
【0028】実施例10〜14 実施例9における炭酸ナトリウムを表2に示す塩基に変
えて炭酸ナトリウムと当量用いる以外は、実施例9と同
様に反応を行った。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例15 実施例1と同様な装置を用い、予めプロピオン酸5.0
g(67.6ミリモル)、β−シアノエチルプロピオネ
ート8.6g(67.6ミリモル)、三塩化ルテニウム
三水和物0.100g(Ru:0.382ミリグラム原
子)、トリ−n−ブチルスタンナン0.555g(1.
91ミリモル)、ジメチルスルホキシド0.55g
(7.0ミリモル)を混合した後、アクリロニトリル1
5.0g(283ミリモル)を加え、実施例1と同様に
反応を行った。その結果、アクリロニトリルの転化率は
22%であり、直鎖二量体(1,4−ジシアノブテン,
1,4−ジシアノブタジエン及びアジポニトリルの合
計)の選択率は80%、プロピオニトリルの選択率は3
%、β−シアノエチルプロピオネートの選択率は5%で
あった。
【0031】実施例16〜24 実施例15におけるトリ−n−ブチルスタンナンを表3
に示す還元剤に変えてトリ−n−ブチルスタンナンと当
量用いる以外は、実施例15と同様に反応を行った。そ
の結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】実施例25 実施例1と同様な装置を用い、予めプロピオン酸5g
(67.6ミリモル)、β−シアノエチルプロピオネー
ト8.6g(67.6ミリモル)、プロピオン酸ルテニ
ウム0.167g(Ru:0.38ミリグラム原子)、
ジメチルスルホキシド0.55g(7.0ミリモル)を
混合した後、アクリロニトリル15.0g(283ミリ
モル)を加え、実施例1と同様に反応を行った。その結
果、アクリロニトリルの転化率は29%であり、直鎖二
量体(1,4−ジシアノブテン,1,4−ジシアノブタ
ジエン及びアジポニトリルの合計)の選択率は85%、
プロピオニトリルの選択率は3%、β−シアノエチルプ
ロピオネートの選択率は5%であった。
【0034】実施例26〜27 実施例25におけるプロピオン酸ルテニウムを表4に示
すルテニウム化合物に変えてプロピオン酸ルテニウムと
当量用いる以外は、実施例25と同様に反応を行った。
その結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の作用効果】本発明の方法により、従来公知のア
クリロニトリル二量体の製造法におけるプロピオニトリ
ル及びアクリロニトリル分岐二量体の副生を抑え、更に
はカルボン酸β−シアノエチルエステルの副生も著しく
抑えて、アクリロニトリル直鎖二量体を高い選択率で製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭51−146420(JP,A) 特公 昭54−12450(JP,B1) 特公 昭46−25724(JP,B1) 特公 昭45−12125(JP,B1) 特公 昭45−4048(JP,B1) 特公 昭44−24585(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 255/04 C07C 253/30 C07C 255/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルの二量化により直鎖二
    量体の1,4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタ
    ジエン及びアジポニトリルを合成するアクリロニトリル
    二量体の製造法においてルテニウム化合物及びカルボン
    酸の存在下、カルボン酸β−シアノエチルエステルを添
    加してアクリロニトリルを二量化することを特徴とする
    アクリロニトリル二量体の製造法。
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