JP3033872B2 - アクリロニトリル二量体の製造方法 - Google Patents
アクリロニトリル二量体の製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリロニトリルの二
量化反応において、アクリロニトリル直鎖二量体の1,
4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよ
びアジポニトリルを生成させるために、ジクロロテトラ
キス(ジメチルスルホキシド)ルテニウム触媒を用い
て、カルボン酸の存在下、二量化反応を行うアクリロニ
トリル二量体の製造方法に関する。製造する1,4−ジ
シアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよびアジ
ポニトリルは、ナイロンー66原料のヘキサメチレンジ
アミンの中間体およびさび止め剤、ゴムの加硫促進剤の
中間体として有用な化合物である。
量化反応において、アクリロニトリル直鎖二量体の1,
4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよ
びアジポニトリルを生成させるために、ジクロロテトラ
キス(ジメチルスルホキシド)ルテニウム触媒を用い
て、カルボン酸の存在下、二量化反応を行うアクリロニ
トリル二量体の製造方法に関する。製造する1,4−ジ
シアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよびアジ
ポニトリルは、ナイロンー66原料のヘキサメチレンジ
アミンの中間体およびさび止め剤、ゴムの加硫促進剤の
中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリロニトリルから1,4ージ
シアノブテン類およびアジポニトリルを得るためにルテ
ニウム触媒を用いて製造する方法としては、A.Mis
ono,et al,Bull.Chem.Soc.J
pn.,40(1967)931の文献が公知である。
これは水素の存在下ルテニウム触媒を用いて、アクリロ
ニトリルを二量化する方法である。この公知方法は、水
素を添加しないで行う場合にはアクリロニトリルの二量
化反応は全く起こらず、水素雰囲気下で反応を行った場
合のみ、アクリロニトリルの二量化反応が進行すること
を報告しているのである。
シアノブテン類およびアジポニトリルを得るためにルテ
ニウム触媒を用いて製造する方法としては、A.Mis
ono,et al,Bull.Chem.Soc.J
pn.,40(1967)931の文献が公知である。
これは水素の存在下ルテニウム触媒を用いて、アクリロ
ニトリルを二量化する方法である。この公知方法は、水
素を添加しないで行う場合にはアクリロニトリルの二量
化反応は全く起こらず、水素雰囲気下で反応を行った場
合のみ、アクリロニトリルの二量化反応が進行すること
を報告しているのである。
【0003】前記の反応に於いては、水素雰囲気下で反
応を行っているため、アクリロニトリルの二量体を生成
すると共にアクリロニトリルの水素化反応が併発し、プ
ロピオニトリルが多量に副生する。そのために二量体の
選択率が低くなり、選択率を高めるためには副生物のプ
ロピオニトリルを脱水素反応によりアクリロニトリルに
変換する必要がある。しかし、この脱水素反応は、選択
率及び触媒活性が低く、プロピオニトリルをアクリロニ
トリルに再変換する方法は、工業的には不利である。公
知法では、副生物のプロピオニトリルの再変換が困難で
あるため、アクリロニトリルの二量体への選択率が低い
問題点がある。
応を行っているため、アクリロニトリルの二量体を生成
すると共にアクリロニトリルの水素化反応が併発し、プ
ロピオニトリルが多量に副生する。そのために二量体の
選択率が低くなり、選択率を高めるためには副生物のプ
ロピオニトリルを脱水素反応によりアクリロニトリルに
変換する必要がある。しかし、この脱水素反応は、選択
率及び触媒活性が低く、プロピオニトリルをアクリロニ
トリルに再変換する方法は、工業的には不利である。公
知法では、副生物のプロピオニトリルの再変換が困難で
あるため、アクリロニトリルの二量体への選択率が低い
問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公昭44−2458
5号、特公昭45−4048号、および特公昭54−1
2450号では、アクリロニトリル直鎖二量体の選択率
の向上が認められたと開示されている。その製法では、
アクリロニトリル直鎖二量体の選択率は、55〜67%
であるが、水素存在下で反応を行っているのでプロピオ
ニトリルが33〜45%の選択率で生成してしまいプロ
ピオニトリルの副生が多量であるため、工業的に有利な
アクリロニトリル直鎖二量体の生成反応が得られていな
かった。
5号、特公昭45−4048号、および特公昭54−1
2450号では、アクリロニトリル直鎖二量体の選択率
の向上が認められたと開示されている。その製法では、
アクリロニトリル直鎖二量体の選択率は、55〜67%
であるが、水素存在下で反応を行っているのでプロピオ
ニトリルが33〜45%の選択率で生成してしまいプロ
ピオニトリルの副生が多量であるため、工業的に有利な
アクリロニトリル直鎖二量体の生成反応が得られていな
かった。
【0005】特公昭54−12450号では、水素の存
在下、無機ルテニウム誘導体、カルボン酸ルテニウムま
たはルテニウム錯体を触媒として用い二量化する製法を
開示している。この方法では、鉛、亜鉛、カドミウム、
錫、鉄およびマンガンからなる群から選ばれた元素のカ
ルボン酸金属塩を共存させて二量化反応を促進させてい
る。この公知技術でのアクリロニトリル直鎖二量体の製
造方法でも、水素を使用しているためプロピオニトリル
の生成が避けられないという問題点がある。
在下、無機ルテニウム誘導体、カルボン酸ルテニウムま
たはルテニウム錯体を触媒として用い二量化する製法を
開示している。この方法では、鉛、亜鉛、カドミウム、
錫、鉄およびマンガンからなる群から選ばれた元素のカ
ルボン酸金属塩を共存させて二量化反応を促進させてい
る。この公知技術でのアクリロニトリル直鎖二量体の製
造方法でも、水素を使用しているためプロピオニトリル
の生成が避けられないという問題点がある。
【0006】また、特開昭51−146420号によれ
ば、水素不存在下にてアクリロニトリルを300〜60
0℃の反応温度で、ルテニウム触媒を用いC6 ジニトリ
ルへ二量化することができることを開示している。しか
し、この方法でも副生成物のプロピオニトリルが少ない
場合は、アクリロニトリルの転化率も低く数%程度であ
り、触媒活性が低いのである。また、アクリロニトリル
の転化率が高い場合は、プロピオニトリルの副生が多く
なり、C6 ジニトリルへの選択率が低下し悪化する。し
かも、生成するジニトリルは、直鎖二量体と分岐二量体
の混合物が生成し、目的とする直鎖二量体の選択率が低
いという問題点がある。
ば、水素不存在下にてアクリロニトリルを300〜60
0℃の反応温度で、ルテニウム触媒を用いC6 ジニトリ
ルへ二量化することができることを開示している。しか
し、この方法でも副生成物のプロピオニトリルが少ない
場合は、アクリロニトリルの転化率も低く数%程度であ
り、触媒活性が低いのである。また、アクリロニトリル
の転化率が高い場合は、プロピオニトリルの副生が多く
なり、C6 ジニトリルへの選択率が低下し悪化する。し
かも、生成するジニトリルは、直鎖二量体と分岐二量体
の混合物が生成し、目的とする直鎖二量体の選択率が低
いという問題点がある。
【0007】従って、上記従来公知のアクリロニトリル
直鎖二量体の製法では、プロピオニトリルのようなアク
リロニトリル(原料)へ容易に変換できない副生物が多
量に生成し、二量体の選択率を低下させるという問題点
がある。本発明の目的は、アクリロニトリルの二量化に
おいて、プロピオニトリルの副生を抑制し、アクリロニ
トリルの二量体を高い転化率で製造する方法を提供する
ことである。
直鎖二量体の製法では、プロピオニトリルのようなアク
リロニトリル(原料)へ容易に変換できない副生物が多
量に生成し、二量体の選択率を低下させるという問題点
がある。本発明の目的は、アクリロニトリルの二量化に
おいて、プロピオニトリルの副生を抑制し、アクリロニ
トリルの二量体を高い転化率で製造する方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リルの二量化反応により直鎖二量体の1,4−ジシアノ
ブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよびアジポニト
リルを製造するアクリロニトリルの二量化方法におい
て、触媒としてジクロロテトラキス(ジメチルスルホキ
シド)ルテニウムを用いて、カルボン酸の存在下、アク
リロニトリルを二量化することを特徴とするアクリロニ
トリル二量体の製造方法に関する。
リルの二量化反応により直鎖二量体の1,4−ジシアノ
ブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよびアジポニト
リルを製造するアクリロニトリルの二量化方法におい
て、触媒としてジクロロテトラキス(ジメチルスルホキ
シド)ルテニウムを用いて、カルボン酸の存在下、アク
リロニトリルを二量化することを特徴とするアクリロニ
トリル二量体の製造方法に関する。
【0009】本発明者等は、前述した問題点について鋭
意研究した結果、アクリロニトリルの二量化反応におい
て、水素を存在させないで触媒としてジクロロテトラキ
ス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムを用いて、カル
ボン酸の存在下で、アクリロニトリルの二量化反応を行
うことにより、プロピオニトリルへの副反応は大きく抑
制され、高い転化率でアクリルニトリル二量体が得られ
ることを見出した。更にこの反応ではカルボン酸とアク
リロニトリルの付加物を形成するが、この付加物である
カルボン酸βーシアノエチルエステルは、カルボン酸と
アクリロニトリルに選択率良く再変換を行うことが出来
る。このため再変換後、原料として循環させることによ
って前記のアクリロニトリルの二量化反応を行うことが
出来るので、アクリロニトリル二量体の選択率が高まる
ことを見出し、工業的に非常に有利な本発明に到った。
意研究した結果、アクリロニトリルの二量化反応におい
て、水素を存在させないで触媒としてジクロロテトラキ
ス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムを用いて、カル
ボン酸の存在下で、アクリロニトリルの二量化反応を行
うことにより、プロピオニトリルへの副反応は大きく抑
制され、高い転化率でアクリルニトリル二量体が得られ
ることを見出した。更にこの反応ではカルボン酸とアク
リロニトリルの付加物を形成するが、この付加物である
カルボン酸βーシアノエチルエステルは、カルボン酸と
アクリロニトリルに選択率良く再変換を行うことが出来
る。このため再変換後、原料として循環させることによ
って前記のアクリロニトリルの二量化反応を行うことが
出来るので、アクリロニトリル二量体の選択率が高まる
ことを見出し、工業的に非常に有利な本発明に到った。
【0010】カルボン酸βーシアノエチルエステルは、
下記の一般式でカルボン酸とアクリロニトリルに再変換
される。(式中で、Rは、水素または炭素数1ないし2
0の飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基、脂環式炭
化水素基または芳香族炭化水素基を示す。)
下記の一般式でカルボン酸とアクリロニトリルに再変換
される。(式中で、Rは、水素または炭素数1ないし2
0の飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基、脂環式炭
化水素基または芳香族炭化水素基を示す。)
【0011】
【化1】
【0012】また、上記した如く、従来公知のアクリロ
ニトリルの二量化方法は、水素雰囲気が必要であるとさ
れていたが、本発明では、水素雰囲気を特に存在させる
ことを必要とせず、カルボン酸の存在下でアクリロニト
リルを反応させることが特徴的である。更に、公知の方
法では水素を多量に使用する雰囲気で反応を行ってい
る。水素の使用は、空気と混合すると爆発範囲が広く安
全に操業するためには、操作が煩雑となる。また、安全
上気密性が必要であり、装置が複雑になるので、本発明
の如く工業上水素を多量に使用しないことは、装置が簡
易となり又安全に操業するためにも非常に有利である。
ニトリルの二量化方法は、水素雰囲気が必要であるとさ
れていたが、本発明では、水素雰囲気を特に存在させる
ことを必要とせず、カルボン酸の存在下でアクリロニト
リルを反応させることが特徴的である。更に、公知の方
法では水素を多量に使用する雰囲気で反応を行ってい
る。水素の使用は、空気と混合すると爆発範囲が広く安
全に操業するためには、操作が煩雑となる。また、安全
上気密性が必要であり、装置が複雑になるので、本発明
の如く工業上水素を多量に使用しないことは、装置が簡
易となり又安全に操業するためにも非常に有利である。
【0013】次に、本発明の詳しい説明を以下に行う。
本発明における反応方法としては、例えば反応容器にア
クリロニトリル、ジクロロテトラキス(ジメチルスルホ
キシド)ルテニウムおよびカルボン酸を仕込み、攪拌下
に反応温度まで昇温し所定の圧力で所定の時間まで、反
応を行うことが好ましい。本発明では、アクリロニトリ
ルの二量化反応の条件として、反応温度は、70〜22
0℃、好ましくは100〜180℃の反応温度が望まし
い。反応温度が、低すぎると反応速度が遅く、高すぎる
と触媒の失活が速くなるので好ましくない。
本発明における反応方法としては、例えば反応容器にア
クリロニトリル、ジクロロテトラキス(ジメチルスルホ
キシド)ルテニウムおよびカルボン酸を仕込み、攪拌下
に反応温度まで昇温し所定の圧力で所定の時間まで、反
応を行うことが好ましい。本発明では、アクリロニトリ
ルの二量化反応の条件として、反応温度は、70〜22
0℃、好ましくは100〜180℃の反応温度が望まし
い。反応温度が、低すぎると反応速度が遅く、高すぎる
と触媒の失活が速くなるので好ましくない。
【0014】本発明の反応時間は、温度、圧力、触媒量
により異なるが、好適には0.1〜10時間が望まし
い。反応圧力は、50mmHgの減圧下から100kg
/cm 2 の加圧下までの任意の圧力下で反応をおこなう
ことができる。減圧下で原料のアクリロニトリルを流下
しながら反応をおこなうこともできるし、また密閉系に
おいて加圧下で反応をおこなうこともできる。
により異なるが、好適には0.1〜10時間が望まし
い。反応圧力は、50mmHgの減圧下から100kg
/cm 2 の加圧下までの任意の圧力下で反応をおこなう
ことができる。減圧下で原料のアクリロニトリルを流下
しながら反応をおこなうこともできるし、また密閉系に
おいて加圧下で反応をおこなうこともできる。
【0015】反応溶媒は、用いても用いなくてもよい
が、反応を温和に行うため、ニトリル、エ−テル、スル
ホキシド、炭化水素化合物、アミド化合物、ハロゲン化
炭化水素、エステル、アルコ−ル、水等の溶媒が使用す
ることができる。
が、反応を温和に行うため、ニトリル、エ−テル、スル
ホキシド、炭化水素化合物、アミド化合物、ハロゲン化
炭化水素、エステル、アルコ−ル、水等の溶媒が使用す
ることができる。
【0016】本発明において使用される触媒は、ジクロ
ロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムであ
る。また、本発明において、上記ルテニウム化合物と共
に塩基および/または還元剤を併用することもできる。
使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、プロピオン酸ナトリウム、酢酸銀、プロピオン酸
銀、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニ
リン、エチルアニリン、ジメチルアニリンなどが挙げら
れる。
ロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムであ
る。また、本発明において、上記ルテニウム化合物と共
に塩基および/または還元剤を併用することもできる。
使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、プロピオン酸ナトリウム、酢酸銀、プロピオン酸
銀、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニ
リン、エチルアニリン、ジメチルアニリンなどが挙げら
れる。
【0017】使用する還元剤としては、用いたルテニウ
ム化合物を還元出来る還元剤を使用することができ、例
えば有機還元剤として、有機錫化合物、有機ゲルマニウ
ム化合物、有機珪素化合物、有機硼素化合物、および有
機アルミニウム化合物、また、無機還元剤として、水素
化硼素化合物、水素化アルミニウム化合物、金属水素化
物、金属単体などが挙げられる。また、これらの還元剤
も、単独で用いても良いし、複数の化合物を混合して用
いても良い。
ム化合物を還元出来る還元剤を使用することができ、例
えば有機還元剤として、有機錫化合物、有機ゲルマニウ
ム化合物、有機珪素化合物、有機硼素化合物、および有
機アルミニウム化合物、また、無機還元剤として、水素
化硼素化合物、水素化アルミニウム化合物、金属水素化
物、金属単体などが挙げられる。また、これらの還元剤
も、単独で用いても良いし、複数の化合物を混合して用
いても良い。
【0018】還元剤の好適な例としては、トリメチルス
タンナン、トリエチルスタンナン、トリ−n−プロピル
スタンナン、トリ−n−ブチルスタンナン、トリフェニ
ルスタンナン、ジ−n−プロピルスタンナン、ジ−n−
ブチルスタンナン、ジフェニルスタンナン、トリメチル
ゲルマン、トリエチルゲルマン、トリ−n−プロピルゲ
ルマン、水素化ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、水
素化硼素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、金属
ナトリウム、金属マグネシウム、金属亜鉛などが挙げら
れる。
タンナン、トリエチルスタンナン、トリ−n−プロピル
スタンナン、トリ−n−ブチルスタンナン、トリフェニ
ルスタンナン、ジ−n−プロピルスタンナン、ジ−n−
ブチルスタンナン、ジフェニルスタンナン、トリメチル
ゲルマン、トリエチルゲルマン、トリ−n−プロピルゲ
ルマン、水素化ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、水
素化硼素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、金属
ナトリウム、金属マグネシウム、金属亜鉛などが挙げら
れる。
【0019】本発明において使用される有機酸として、
好適なのは炭素数1〜20個、好ましくは1〜15個を
有する有機カルボン酸であり、好ましくは、酢酸、プロ
ピオン酸、メチルプロピオン酸、ジメチルプロピオン
酸、ブタン酸、メチルブタン酸、エチルブタン酸、ジメ
チルブタン酸、ペンタン酸、メチルペンタン酸、エチル
ペンタン酸、ジメチルペンタン酸、トリメチルペンタン
酸、ヘキサン酸、メチルヘキサン酸、エチルヘキサン
酸、ジメチルヘキサン酸、ヘプタン酸、メチルヘプタン
酸、エチルヘプタン酸、ジメチルヘプタン酸、トリメチ
ルヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テ
トラデカン酸、ペンタデカン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、リノレ
ン酸、リノ−ル酸、オレイン酸、シュウ酸、コハク酸、
メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、
メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、ピメ
リン酸、安息香酸、メチル安息香酸、ナフトエ酸、フマ
ル酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ヘキセン酸、ケイ皮
酸、乳酸、グリコ−ル酸、エトキシ酢酸、メトキシ酢
酸、エトキシプロピオン酸、メトキシプロピオン酸など
が使用される。
好適なのは炭素数1〜20個、好ましくは1〜15個を
有する有機カルボン酸であり、好ましくは、酢酸、プロ
ピオン酸、メチルプロピオン酸、ジメチルプロピオン
酸、ブタン酸、メチルブタン酸、エチルブタン酸、ジメ
チルブタン酸、ペンタン酸、メチルペンタン酸、エチル
ペンタン酸、ジメチルペンタン酸、トリメチルペンタン
酸、ヘキサン酸、メチルヘキサン酸、エチルヘキサン
酸、ジメチルヘキサン酸、ヘプタン酸、メチルヘプタン
酸、エチルヘプタン酸、ジメチルヘプタン酸、トリメチ
ルヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テ
トラデカン酸、ペンタデカン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、リノレ
ン酸、リノ−ル酸、オレイン酸、シュウ酸、コハク酸、
メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、
メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、ピメ
リン酸、安息香酸、メチル安息香酸、ナフトエ酸、フマ
ル酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ヘキセン酸、ケイ皮
酸、乳酸、グリコ−ル酸、エトキシ酢酸、メトキシ酢
酸、エトキシプロピオン酸、メトキシプロピオン酸など
が使用される。
【0020】上記のカルボン酸は、単独で使用しても良
く、複数の化合物を混合しても良い。使用するカルボン
酸は、用いたアクリロニトリルに対して0.01〜10
0倍モル、好ましくは0.05〜10倍モルの割合で使
用することが好ましい。カルボン酸の使用量が、少な過
ぎると二量体生成速度がおそく、多過ぎるとアクリロニ
トリル濃度が減少し二量体生成速度が遅くなるので好ま
しくない。
く、複数の化合物を混合しても良い。使用するカルボン
酸は、用いたアクリロニトリルに対して0.01〜10
0倍モル、好ましくは0.05〜10倍モルの割合で使
用することが好ましい。カルボン酸の使用量が、少な過
ぎると二量体生成速度がおそく、多過ぎるとアクリロニ
トリル濃度が減少し二量体生成速度が遅くなるので好ま
しくない。
【0021】本発明で使用する触媒のジクロロテトラキ
ス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムは、アクリロニ
トリルに対して0.001〜10モル%の割合で使用す
ることが好ましい。また、塩基または還元剤を併用する
場合には、塩基の添加量は、少ないと添加効果が少な
く、多いとアクリロニトリルの損失により生成量が減少
するため、使用したジクロロテトラキス(ジメチルスル
ホキシド)ルテニウムに対して好適には0.05〜30
倍モル、好ましくは0.1〜20倍モルの割合となるよ
うな量であることが好ましい。還元剤は、使用したジク
ロロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムに
対して好適には0.05〜30倍モル、好ましくは0.
1〜20倍モルの割合で使用する。
ス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムは、アクリロニ
トリルに対して0.001〜10モル%の割合で使用す
ることが好ましい。また、塩基または還元剤を併用する
場合には、塩基の添加量は、少ないと添加効果が少な
く、多いとアクリロニトリルの損失により生成量が減少
するため、使用したジクロロテトラキス(ジメチルスル
ホキシド)ルテニウムに対して好適には0.05〜30
倍モル、好ましくは0.1〜20倍モルの割合となるよ
うな量であることが好ましい。還元剤は、使用したジク
ロロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウムに
対して好適には0.05〜30倍モル、好ましくは0.
1〜20倍モルの割合で使用する。
【0022】
【実施例】次に、実施例を挙げてさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 反応装置としては、攪拌装置付きの500mlステンレ
ス製オ−トクレ−ブを使用し、アクリロニトリル75.
0g(1.41モル)を入れ、ジクロロテトラキス(ジ
メチルスルホキシド)ルテニウム0.68g(1.40
ミリモル)と炭酸ナトリウム0.185g(1.75ミ
リモル)およびプロピオン酸25g(0.337モル)
を加え、オ−トクレ−ブの空間部の窒素置換を行なって
150℃まで昇温し、次に攪拌しながら反応液の温度が
150℃および反応圧力が5kg/cm2 で2時間反応
した。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 反応装置としては、攪拌装置付きの500mlステンレ
ス製オ−トクレ−ブを使用し、アクリロニトリル75.
0g(1.41モル)を入れ、ジクロロテトラキス(ジ
メチルスルホキシド)ルテニウム0.68g(1.40
ミリモル)と炭酸ナトリウム0.185g(1.75ミ
リモル)およびプロピオン酸25g(0.337モル)
を加え、オ−トクレ−ブの空間部の窒素置換を行なって
150℃まで昇温し、次に攪拌しながら反応液の温度が
150℃および反応圧力が5kg/cm2 で2時間反応
した。
【0023】オ−トクレ−ブを冷却し、反応液について
ガスクロマトグラフィ−で分析した。その結果、アクリ
ロニトリルの転化率は29%であり、直鎖二量体(1,
4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよ
びアジポニトリルの合計)の選択率は59%であり、プ
ロピオニトリルの選択率は3%であった。プロピオン酸
β−シアノエチルエステルの選択率は、34%であっ
た。選択率の計算式は、数式1,2,3で表す。
ガスクロマトグラフィ−で分析した。その結果、アクリ
ロニトリルの転化率は29%であり、直鎖二量体(1,
4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタジエンおよ
びアジポニトリルの合計)の選択率は59%であり、プ
ロピオニトリルの選択率は3%であった。プロピオン酸
β−シアノエチルエステルの選択率は、34%であっ
た。選択率の計算式は、数式1,2,3で表す。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】
【数3】
【0027】実施例2〜5 プロピオン酸の代わりに表1に示すカルボン酸を当量用
いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果
は、表1に示した。
いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果
は、表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6〜11 炭酸ナトリウムの代わりに表2に示す塩基または還元剤
を炭酸ナトリウムの当量用いる以外は、実施例1と同様
の操作を行った。その結果は、表2に示した。
を炭酸ナトリウムの当量用いる以外は、実施例1と同様
の操作を行った。その結果は、表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
【本発明の作用効果】本発明は、従来公知のアクリロニ
トリル直鎖二量体の製法における「プロピオニトリルの
ようなアクリロニトリル(原料)へ容易に変換できない
副生物が多量に生成し、二量体の選択率を低下させてい
るという問題点」を解消することができるのである。本
発明の方法では、アクリロニトリルの二量化において、
ルテニウム系触媒と有機酸(カルボン酸)を存在させる
ことによって、プロピオニトリルの副生を実質的に抑制
し、アクリルニトリルへの変換が可能である『カルボン
酸βーシアノアルキルエステル』が主として副生するの
で、結果的にアクリロニトリルの二量体を高い転化率
(選択率)で製造することができるのである。
トリル直鎖二量体の製法における「プロピオニトリルの
ようなアクリロニトリル(原料)へ容易に変換できない
副生物が多量に生成し、二量体の選択率を低下させてい
るという問題点」を解消することができるのである。本
発明の方法では、アクリロニトリルの二量化において、
ルテニウム系触媒と有機酸(カルボン酸)を存在させる
ことによって、プロピオニトリルの副生を実質的に抑制
し、アクリルニトリルへの変換が可能である『カルボン
酸βーシアノアルキルエステル』が主として副生するの
で、結果的にアクリロニトリルの二量体を高い転化率
(選択率)で製造することができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−146420(JP,A) 特公 昭54−12450(JP,B1) 特公 昭46−25724(JP,B1) 特公 昭45−12125(JP,B1) 特公 昭45−4048(JP,B1) 特公 昭44−24585(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 255/04 C07C 253/30 C07C 255/09 C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリロニトリルの二量化反応により直
鎖二量体の1,4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノ
ブタジエンおよびアジポニトリルを生成するアクリロニ
トリルの二量体を製造する方法において、触媒としてジ
クロロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウム
を用いて、カルボン酸の存在下、アクリロニトリルを二
量化することを特徴とするアクリロニトリル二量体の製
造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303912A JP3033872B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | アクリロニトリル二量体の製造方法 |
EP93103384A EP0559168B1 (en) | 1992-03-06 | 1993-03-04 | Method of producing straight-chain acrylonitrile dimers |
US08/026,487 US5332844A (en) | 1992-03-06 | 1993-03-04 | Method of producing straight-chain acrylonitrile dimers |
DE69302844T DE69302844T2 (de) | 1992-03-06 | 1993-03-04 | Verfahren zur Herstellung von geradkettigen Acrylnitril-Dimeren |
TW082101649A TW221414B (ja) | 1992-03-06 | 1993-03-05 | |
KR1019930003266A KR950014226B1 (ko) | 1992-03-06 | 1993-03-05 | 직쇄 아크릴로니트릴 이량체의 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303912A JP3033872B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | アクリロニトリル二量体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157445A JPH06157445A (ja) | 1994-06-03 |
JP3033872B2 true JP3033872B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=17926769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4303912A Expired - Fee Related JP3033872B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-11-13 | アクリロニトリル二量体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3033872B2 (ja) |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP4303912A patent/JP3033872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06157445A (ja) | 1994-06-03 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |