JP3191254B2 - アクリロニトリル二量体の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル二量体の製造方法

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JP3191254B2 JP20246494A JP20246494A JP3191254B2 JP 3191254 B2 JP3191254 B2 JP 3191254B2 JP 20246494 A JP20246494 A JP 20246494A JP 20246494 A JP20246494 A JP 20246494A JP 3191254 B2 JP3191254 B2 JP 3191254B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリロニトリルの二
量化において、ルテニウム触媒を用いてアクリロニトリ
ル直鎖二量体の1,4−ジシアノブテン、1,4−ジシ
アノブタジエン及びアジポニトリルを製造する方法に関
する。アクリロニトリル直鎖二量体の1,4−ジシアノ
ブテン、1,4−ジシアノブタジエン及びアジポニトリ
ルはナイロンー6,6原料のヘキサメチレンジアミン、
さび止め剤、及びゴムの加硫促進剤などの中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルからルテニウム触媒を
用いて1,4ージシアノブテン及びアジポニトリルを製
造する方法としては、例えば、水素存在下でアクリロニ
トリルの二量化反応を行う方法が知られている(Bull.
Chem. Soc. Jpn., 41 (1968) 396参照)。しかしなが
ら、この方法は、水素を添加して反応を行った場合にの
みアクリロニトリルの二量化が進行するもので、そのた
め、アクリロニトリルの二量化と同時に水素化反応も起
こってプロピオニトリルが多量に副生するという問題を
有している。また、特公昭44−24585号公報、特
公昭45−4048号公報及び特公昭54−12450
号公報に開示されている方法においても、水素存在下で
反応を行っているため、目的のアクリロニトリル直鎖二
量体の選択率は55〜67%まで向上しているものの、
プロピオニトリルが33〜45%の選択率で多量に副生
している。
【0003】このため、ルテニウム触媒を用いて、水素
を存在させないで、反応温度300〜600℃でアクリ
ロニトリルの二量化反応を行う方法が、特公昭51−1
4620号公報に開示されているが、この方法において
は、プロピオニトリルの副生を抑えてアクリロニトリル
直鎖二量体の選択率を上げるためにアクリロニトリルの
転化率を数%程度に抑える必要があり、転化率を上げた
場合には、プロピオニトリルの副生が多くなって二量体
の選択率が低下し、しかも得られる二量体は直鎖二量体
と分枝二量体の混合物であって目的とする直鎖二量体の
選択率が低いという問題が存在し、工業的に満足できる
製造方法であるとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、公知の
アクリロニトリル二量体の製造方法には、プロピオニト
リルのようなアクリロニトリルに容易に再生できない副
生物が多量に生成して二量体の選択率を低下させる、直
鎖二量体と分枝二量体の混合物が生成して目的とする直
鎖二量体の選択率が低くなる、水素を使用することによ
って装置及び操作面における安全対策が必要になるなど
の問題があった。本発明の目的は、アクリロニトリルの
二量化において、プロピオニトリルの副生を抑制し、高
選択率でアクリロニトリルの直鎖二量体を製造すること
ができる工業的に好適なアクリロニトリル二量体の製造
方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、公知のア
クリロニトリル二量体の製造方法における前述したよう
な問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の置換安
息香酸の存在下、水素を存在させないでアクリロニトリ
ルの二量化を行うことにより、プロピオニトリルの副生
を大幅に抑制すると共に、カルボン酸を存在させること
に伴うカルボン酸β−シアノエチルエステルの副生も抑
制して、高選択率でアクリロニトリルの直鎖二量体が得
られることを見出して、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、アクリロニトリルの二量
化により直鎖二量体の1,4−ジシアノブテン、1,4
−ジシアノブタジエン及びアジポニトリルを生成させる
アクリロニトリル二量体の製造方法において、触媒とし
てルテニウム化合物を使用して、ハロゲン原子、ハロア
ルキル基、シアノ基、アシル基、カルボアルコキシル
基、アルコキシル基、アミノ基、アリール基、アルキル
チオ基、アルキルスルフィニル基からなる群から選ばれ
る少なくとも一つの置換基を有する置換安息香酸の存在
下、アクリロニトリルを二量化することを特徴とするア
クリロニトリル二量体の製造方法に関する。
【0007】以下に本発明を詳しく説明する。触媒とし
て使用されるルテニウム化合物としては、ルテニウムの
無機酸塩、ルテニウムの有機酸塩、又はルテニウムを中
心原子とする配位化合物が好ましく、例えば、塩化ルテ
ニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硫酸ルテ
ニウム、硝酸ルテニウム等のルテニウムの無機酸塩、酢
酸ルテニウム、プロピオン酸ルテニウム、ブタン酸ルテ
ニウム、ペンタン酸ルテニウム、ヘキサン酸ルテニウ
ム、ステアリン酸ルテニウム、ナフテン酸ルテニウム、
シュウ酸ルテニウム、コハク酸ルテニウム等のルテニウ
ムの有機酸塩、又はRuCl2 (ジメチルスルホキシ
ド)4 、RuCl2 (アクリロニトリル)4 、RuCl
2 (トリフェニルホスフィン)3 、RuCl2 (トリフ
ェニルホスフィン)4 、Ru(H2 O)(2−チオフェ
ンカルボキシレート)2 (ジメチルスルホキシド)3
のルテニウムを中心原子とする配位化合物を挙げること
ができる。これらのルテニウム化合物は単独で用いても
複数の化合物を混合して用いてもよく、その使用量はア
クリロニトリルに対して通常0.0001〜10モル%
である。
【0008】本発明においては、上記ルテニウム化合物
と共に塩基及び/又は還元剤を使用することもできる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化バリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩、酢酸ナトリ
ウム、プロピオン酸ナトリウム等の有機酸塩、ナトリウ
ムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド等の金属アル
コキサイド、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリ
ン、エチルアニリン、ジエチルアニリン等のアミン類及
びアンモニアが挙げられる。これらの塩基は単独で用い
ても複数の化合物を混合して用いてもよく、その使用量
はルテニウム化合物に対して通常0.05〜30倍モ
ル、好ましくは0.1〜20倍モルである。
【0009】還元剤としては、前記ルテニウム化合物を
還元できる還元剤であればよく、例えば、有機還元剤と
して、有機スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機
ケイ素化合物、有機ホウ素化合物、及び有機アルミニウ
ム化合物、また、無機還元剤として、水素化ホウ素化合
物、水素化アルミニウム化合物、金属水素化物、金属単
体が挙げられる。これらの還元剤は単独で用いても複数
の化合物を混合して用いてもよく、その使用量は前記ル
テニウム化合物に対して通常0.05〜30倍モル、好
ましくは0.1〜20倍モルである。
【0010】還元剤の具体的な例としては、トリメチル
スタンナン〔HSn(CH3 3 〕、トリエチルスタン
ナン(HSnEt3 )、トリ−n−プロピルスタンナン
〔HSn(n−Pr)3 〕、トリ−n−ブチルスタンナ
ン〔HSn(n−Bu)3 〕、トリフェニルスタンナン
(HSnPh3 )、ジ−n−プロピルスタンナン〔H 2
Sn(n−Pr)2 〕、ジ−n−ブチルスタンナン〔H
2 Sn(n−Bu)2〕、ジフェニルスタンナン〔H2
SnPh2 〕等の有機スズ化合物、トリメチルゲルマン
〔HGeMe3 〕、トリエチルゲルマン〔HGeE
3 〕、トリ−n−プロピルゲルマン〔HGe(n−P
r)3 〕等の有機ゲルマニウム化合物、水素化ホウ素ナ
トリウム(NaBH4 )、水素化ホウ素リチウム(Li
BH4 )等の水素化ホウ素化合物、水素化リチウムアル
ミニウム(LiAlH4 )等の水素化アルミニウム化合
物、水素化ナトリウム(NaH)などの金属水素化物、
金属ナトリウム、金属マグネシウム、金属亜鉛等の金属
単体が挙げられる。
【0011】本発明で使用される置換安息香酸として
は、ハロゲン原子、ハロアルキル基、シアノ基、アシル
基、カルボアルコキシル基、アルコキシル基、アミノ
、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ
、アリール基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニ
ル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を
有する置換安息香酸が挙げられる。ここで、ハロゲン原
子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を示し、アリール
基はフェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜
15のアリール基を示し、ハロアルキル基は前記のよう
なハロゲン原子がメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等の炭素数1〜15のアルキル基に結合している
もの、特に該アルキル基のα位に結合しているものを示
す。また、アシル基(−COR)、カルボアルコキシル
基(−COOR)、アルコキシル基(−OR)、アルキ
ルチオ基(−SR)、アルキルスルフィニル基(−SO
R)に存在する残基Rは、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の炭素数1〜15のアルキル基、エテ
ニル基、プロペニル基、ブテニル基等の2〜15のアル
ケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素
数6〜15のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等
のアラルキル基を示す。
【0012】前記の置換安息香酸としては、更にそのp
Ka(水中、25℃、イオン強度0〜0.1mol/l
におけるpKa値)が1.50〜6.0、特に1.80
〜5.5であるものが好適である。置換安息香酸のpK
a値が小さすぎると反応が進行しなくなり、逆に大きす
ぎると多量の置換安息香酸を必要とすると共に、カルボ
ン酸β−シアノエチルアエステルの生成量が増加して目
的の二量体選択率も低下するために好ましくない。
【0013】前記の置換安息香酸を具体的に挙げれば、
次のようなものが挙げられる。置換基としてハロゲン原
子を有する置換安息香酸としては、例えば、o−フルオ
ロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオ
ロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジ
フルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、3,
4−ジフルオロ安息香酸、3,5−ジフルオロ安息香酸
等のフルオロ安息香酸類、o−クロロ安息香酸、m−ク
ロロ安息香酸、2,3−ジクロロ安息香酸、2,4−ジ
クロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、2,6−
ジクロロ安息香酸、3,4−ジクロロ安息香酸、3,5
−ジクロロ安息香酸等のクロロ安息香酸類、o−ブロモ
安息香酸、m−ブロモ安息香酸等のブロモ安息香酸類が
挙げられる。
【0014】置換基としてハロアルキル基を有する置換
安息香酸としては、例えば、o−トリフルオロメチル安
息香酸、m−トリフルオロメチル安息香酸、p−トリフ
ルオロメチル安息香酸等のフルオロメチル安息香酸類、
o−トリクロロメチル安息香酸、m−トリクロロメチル
安息香酸、p−トリクロロメチル安息香酸等のクロロメ
チル安息香酸類が挙げられる。
【0015】置換基としてシアノ基を有する置換安息香
酸としては、例えば、o−シアノ安息香酸、m−シアノ
安息香酸、p−シアノ安息香酸、2,4−ジシアノ安息
香酸、3,4−ジシアノ安息香酸等のシアノ安息香酸類
が挙げられる。
【0016】置換基としてアシル基を有する置換安息香
酸としては、例えば、o−アセチル安息香酸、m−アセ
チル安息香酸、p−アセチル安息香酸、o−ベンゾイル
安息香酸、2−(p−トルオイル)安息香酸、2−(4
−クロロベンゾイル)安息香酸等のアシル安息香酸類が
挙げられる。
【0017】置換基としてカルボアルコキシル基を有す
る置換安息香酸としては、例えば、o−カルボメトキシ
安息香酸、m−カルボメトキシ安息香酸、p−カルボメ
トキシ安息香酸、3,4−ジカルボメトキシ安息香酸、
o−カルボエトキシ安息香酸、o−カルボイソプロポキ
シ安息香酸、o−カルボ−t−ブトキシ安息香酸、o−
カルボベンジルオキシ安息香酸等のカルボアルコキシ安
息香酸類が挙げられる。
【0018】置換基としてアルコキシル基を有する置換
安息香酸としては、例えば、o−メトキシ安息香酸、m
−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−エト
キシ安息香酸、m−エトキシ安息香酸、p−エトキシ安
息香酸、o−フェノキシ安息香酸、m−フェノキシ安息
香酸、p−フェノキシ安息香酸等のアルコキシ安息香酸
類が挙げられる。
【0019】置換基としてアミノ基を有する置換安息香
酸としては、例えば、アントラニル酸、N−メチルアン
トラニル酸、N−エチルアントラニル酸、N,N−ジメ
チルアントラニル酸等のアントラニル酸類が挙げられ
る。
【0020】置換基としてアリール基を有する置換安息
香酸としては、例えば、o−フェニル安息香酸、o−ト
リル安息香酸等のアリール安息香酸類が挙げられる。
【0021】上記の置換安息香酸の中でも特に好ましい
ものは、o−アシル安息香酸、o−アミノ安息香酸、o
−アリル安息香酸、o−ハロ安息香酸等のカルボキシル
基のo位に置換基をもつ置換安息香酸である。具体的に
は、o−ベンゾイル安息香酸、2−(p−トルオイル)
安息香酸、2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸等の
o−アシル安息香酸類、アントラニル酸、N−メチルア
ントラニル酸等のアントラニル酸(o−アミノ安息香
酸)類、o−フェニル安息香酸等のo−アリール安息香
酸類、o−フルオロ安息香酸、o−クロロ安息香酸等の
o−ハロ安息香酸類が好適に挙げられる。
【0022】前記の置換安息香酸は、多量に存在させる
とカルボン酸β−シアノエチルエステルの生成量が増加
して二量体選択率が低下し、更に反応液中のアクリロニ
トリル濃度を減少させて二量体生成速度も遅くなるの
で、アクリロニトリルに対して通常0.0001〜5倍
モル、特に0.001〜2倍モルの割合で使用すること
が好適である。また、前記の置換安息香酸は単独で使用
しても、複数の化合物を混合して使用しても差し支えな
い。
【0023】また、本発明では、反応を温和に行うため
に、反応溶媒として、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、テトラメチ
レンスルホキシド等のスルホキシド類、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等のエ−テル類、ヘキサ
ン、トルエン等の炭化水素類、アセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類、塩化メチレン、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール等の
アルコ−ル類、及び水などの溶媒を使用することもでき
る。
【0024】反応方法としては、例えば、反応容器にア
クリロニトリル、ルテニウム化合物及び置換安息香酸を
前記のような割合で仕込んで攪拌下に所定の温度まで昇
温した後、所定の圧力で一定時間反応を行うことが好ま
しい。このとき、反応温度は、二量体生成速度及び触媒
の失活を考慮して、通常70〜220℃、好ましくは1
00〜180℃で、反応圧力は、通常、50mmHgの
減圧下から100kg/cm2 の加圧下の範囲である。
なお、反応時間は温度、圧力、触媒量により異なるが、
好適には0.01〜30時間である。反応後、生成した
アクリロニトリル直鎖二量体は蒸留等により容易に分離
精製される。
【0025】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、各実施例に示す転化率及び選択率は、それ
ぞれ下記の式により求めた。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】実施例1 攪拌装置付きの100ml容ステンレス製オ−トクレ−
ブに、アクリロニトリル15.0g(283mmol)
を入れ、次いでRuCl2 (ジメチルスルホキシド)4
37.1mg(0.0766mmol)、炭酸ナトリ
ウム8.5mg(0.08mmol)及びpKa3.2
7のo−フルオロ安息香酸1.07g(7.66mmo
l)を加えた。オ−トクレ−ブの空間部を窒素置換した
後、攪拌しながら150℃まで昇温して、反応温度15
0℃、反応圧力5kg/cm2 で6時間反応を行った。
【0031】反応終了後、オ−トクレ−ブを冷却して、
反応液をガスクロマトグラフィ−で分析したところ、反
応液中には未反応アクリロニトリル12.3g(232
mmol)、1,4−ジシアノブテン2.01g(1
8.9mmol)、1,4−ジシアノブタジエン0.1
6g(1.5mmol)、アジポニトリル0.078g
(0.72mmol)、プロピオニトリル0.083g
(1.5mmol)及びo−フルオロ安息香酸β−シア
ノエチルエステル0.88g(4.6mmol)が含ま
れていた。
【0032】この結果より、アクリロニトリルの転化率
は18%であり、1,4−ジシアノブテン、1,4−ジ
シアノブタジエン及びアジポニトリルを合計した直鎖二
量体の選択率は83%、プロピオニトリルの選択率は3
%、o−フルオロ安息香酸β−シアノエチルエステルの
選択率は9%であった。
【0033】実施例2〜13 実施例1において置換安息香酸を表1に示すもの(7.
66mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応
を行って生成物を分析した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例14 実施例1において、炭酸ナトリウムをプロピオン酸ナト
リウム22.0mg(0.229mmol)に変え、置
換安息香酸をpKa4.79のアントラニル酸(7.6
6mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応を
行って生成物を分析した。その結果を表2に示す。
【0036】実施例15〜16 実施例14において置換安息香酸を表2に示すもの
(7.66mmol)に変えたほかは、実施例14と同
様に反応を行って生成物を分析した。その結果を表2に
示す。
【0037】比較例1 実施例1において置換安息香酸をpKa4.27のm−
メチル安息香酸(7.66mmol)に変えたほかは、
実施例1と同様に反応を行って生成物を分析した。その
結果を表2に示す。
【0038】比較例2 実施例1において置換安息香酸をpKa4.21の安息
香酸(7.66mmol)に変えたほかは、実施例1と
同様に反応を行って生成物を分析した。その結果を表2
に示す。
【0039】比較例3 実施例1において置換安息香酸をpKa1.48のペン
タフルオロ安息香酸(7.66mmol)に変えたほか
は、実施例1と同様に反応を行って生成物を分析した。
その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の方法により、公知のアクリロニ
トリル二量体の製造方法におけるプロピオニトリル及び
アクリロニトリル分枝二量体の副生、更にはカルボン酸
β−シアノエチルエステルの副生という問題を解決し
て、アクリロニトリル直鎖二量体を高選択率で製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−153278 (32)優先日 平成6年7月5日(1994.7.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭48−96518(JP,A) 特開 平6−92923(JP,A) 特開 平6−157445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 253/30 C07C 255/04 C07C 255/09 B01J 31/22 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルの二量化により直鎖二量
    体の1,4−ジシアノブテン、1,4−ジシアノブタジ
    エン及びアジポニトリルを生成させるアクリロニトリル
    の二量体の製造方法において、触媒としてルテニウム化
    合物を使用して、水素を存在させないで、ハロゲン原
    子、シアノ基、炭素数1〜15のハロアルキル基、アシ
    ル基(−COR)、カルボアルコキシル基(−COO
    R)、アルコキシル基(−OR)、アルキルチオ基(−
    SR)、アルキルスルフィニル基(−SOR)(ここで
    残基Rは、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜1
    5のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基、およ
    びベンジル基、フェネチル基を示す)、アミノ基、メチ
    ルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、炭素
    数6〜15のアリール基からなる群から選ばれる少なく
    とも一つの置換基を有し、水中、25℃、イオン強度0
    〜0.1mol/lにおけるpKa値が1.50〜6.
    の置換安息香酸の存在下、アクリロニトリルを二量化
    することを特徴とするアクリロニトリル二量体の製造方
    法。
JP20246494A 1993-09-03 1994-08-26 アクリロニトリル二量体の製造方法 Expired - Fee Related JP3191254B2 (ja)

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