JP3033456B2 - セルフポンピング式ショックアブソーバ - Google Patents

セルフポンピング式ショックアブソーバ

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JP3033456B2
JP3033456B2 JP33431794A JP33431794A JP3033456B2 JP 3033456 B2 JP3033456 B2 JP 3033456B2 JP 33431794 A JP33431794 A JP 33431794A JP 33431794 A JP33431794 A JP 33431794A JP 3033456 B2 JP3033456 B2 JP 3033456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバに
係り、更に詳細にはセルフポンピング式のショックアブ
ソーバに係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のショックアブソーバの
一つとして、例えば特開昭59−159441号公報に
記載されている如く、相対的に往復動可能に互いに嵌合
し互いに共働して上室及び下室を郭定するピストン及び
シリンダと、ピストンに設けられた減衰力発生弁と、低
圧室と、上室と連通する高圧室と、ピストン及びシリン
ダの相対運動により容積が増減されるポンプ室を備えた
ポンプと、ショックアブソーバが所定量以上伸張したと
きには低圧室と上室と連通する連通制御機構とを有し、
ポンプはピストンのロッド部内に配置されたポンプシリ
ンダ部材と、ポンプシリンダ部材に往復動可能に互いに
嵌合し一端にてシリンダに固定されポンプシリンダ部材
と共働してポンプ室を郭定するポンプピストンと、低圧
室よりポンプ室へ向かうオイルの流れを許容する吸入弁
と、ポンプ室より上室へ向かうオイルの流れを許容する
吐出弁とを含み、ショックアブソーバの伸び行程に対応
する吸入行程により低圧室よりポンプ室へオイルを吸入
し、ショックアブソーバの縮み行程に対応する吐出行程
によりポンプ室より上室へオイルを吐出するよう構成さ
れたセルフポンピング式のショックアブソーバが従来よ
り知られている。
【0003】かかるセルフポンピング式のショックアブ
ソーバによれば、ショックアブソーバが繰返し伸縮する
と、ポンプの吸入行程及び吐出行程も繰返し行われ、こ
れにより低圧室よりポンプを経て上室及び下室へオイル
が供給され、ショックアブソーバが漸次伸張し、ショッ
クアブソーバの伸張量が所定量になると連通制御機構に
よりショックアブソーバがそれ以上伸張することが阻止
されるので、車輌の積載荷重の増大等により車高が低下
しても、車輌の走行に伴い車輪が繰返しバウンド、リバ
ウンドする過程に於て車高を自動的に標準車高に戻すこ
とができ、従って電動ポンプ等を使用することなくショ
ックアブソーバ車高調整機能をもたせることができ、ま
た積載荷重の変動に応じてポンプの負荷が変化するの
で、減衰力特性を荷重感応の特性にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車輌の乗り心地性及び
操縦安定性の両立を図るためには、上述の如きセルフポ
ンピング式ショックアブソーバにも減衰力可変機構を設
けることが好ましい。しかるに上述の如き従来のセルフ
ポンピング式ショックアブソーバに於ては、ポンプはピ
ストンのロッド部内に設けられているため、減衰力を増
減するための制御弁をピストンに組込むことが困難であ
り、上述の公開公報にもセルフポンピング式ショックア
ブソーバに於て減衰力を可変制御することやそのための
機構は開示されていない。
【0005】本発明は、従来のセルフポンピング式ショ
ックアブソーバに於ける上述の如き問題に鑑みてなされ
たものであり、本発明の主要な課題は、セルフポンピン
グ式ショックアブソーバにその機能を損なうことなく減
衰力制御機構を組込むことにより、比較的簡単な構成に
てセルフポンピング式ショックアブソーバの減衰力を可
変制御し得るようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、相対的に往復動可能に互いに嵌合し互い
に共働して第一及び第二の作動流体室を郭定するピスト
ン及びシリンダと、前記ピストン若しくは前記シリンダ
に設けられた減衰力発生弁と、前記第一の作動流体室内
より前記シリンダ外へ延在する前記ピストンのロッド部
に設けられ第一及び第二の作動流体室を連通接続するバ
イパス通路と、前記バイパス通路の連通度合を制御する
制御弁と、前記シリンダ外にて前記ロッド部に固定され
前記シリンダに往復動可能に嵌合することにより高圧室
を郭定するキャップ部材と、前記第二の作動流体室と連
通する低圧室と、前記低圧室より前記第二の作動流体室
へ向かう作動流体の流れのみを許す第一の逆止弁と、前
記高圧室と前記第二の作動流体室とを連通接続する連通
路と、前記連通路の途中に設けられ前記第二の作動流体
室より前記高圧室へ向かう作動流体の流れのみを許す第
二の逆止弁と、前記高圧室に接続されたアキュムレータ
とを有するセルフポンピング式ショックアブソーバ(請
求項1の構成)、又は相対的に往復動可能に互いに嵌合
し互いに共働して二つの作動流体室を郭定するピストン
及びシリンダと、前記ピストン若しくは前記シリンダに
設けられた減衰力発生弁と、低圧室と、前記作動流体室
と連通する高圧室と、前記ピストン及び前記シリンダの
相対運動により前記低圧室より前記高圧室へ作動流体を
供給するポンプとを有し、前記ポンプは前記ピストンの
ロッド部に設けられたポンプシリンダ孔と、一端にて前
記シリンダに固定され前記ポンプシリンダ孔に往復動可
能に嵌合し前記ポンプシリンダ孔と共働してポンプ室を
郭定するポンプロッドと、前記低圧室より前記ポンプ室
へ向かう作動流体の流れのみを許す吸入弁と、前記ポン
プ室より前記高圧室へ向かう作動流体の流れのみを許す
吐出弁とを有するセルフポンピング式ショックアブソー
バに於て、前記ピストンに設けられ二つの作動流体室を
連通接続するバイパス通路と、前記ポンプシリンダ孔と
前記ポンプロッドとの間に配置された筒状の弁要素を含
み前記バイパス通路の連通度合を制御する第一の制御弁
と、前記第一の制御弁の前記弁要素を駆動する駆動手段
とを有していることを特徴とするセルフポンピング式シ
ョックアブソーバ(請求項2の構成)によって達成され
る。
【0007】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2の構成に於て、前記バイ
パス通路の途中には第二の減衰力発生弁が設けられる
(請求項3の構成)。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2又は3の構成に於て、シ
ョックアブソーバは更に前記吸入弁を迂回して前記低圧
室と前記ポンプ室とを連通接続するリターン通路と、前
記リターン通路の連通度合を制御する第二の制御弁とを
有し、前記第二の制御弁は前記第一の制御弁の前記弁要
素と連動して前記駆動手段により駆動されるよう構成さ
れる(請求項4の構成)。
【0009】
【作用】上述の請求項1の構成によれば、ショックアブ
ソーバの伸び行程に於ては、第一の作動流体室の容積が
減少し第二の作動流体室の容積が増大し、第一の作動流
体室内の作動流体が減衰力発生弁を経て第二の作動流体
室へ流れ、ショックアブソーバの縮み行程に於ては、第
一の作動流体室の容積が増大し第二の作動流体室の容積
が減少し、第二の作動流体室内の作動流体が減衰力発生
弁を経て第一の作動流体室へ流れ、これにより減衰力発
生弁によって減衰力が発生される。
【0010】またショックアブソーバの伸び行程に於て
は、シリンダ内に存在するピストンのロッド部の体積が
減少することにより、低圧室より第一の逆止弁を経て第
二の作動流体室へ作動流体が吸入され、ショックアブソ
ーバの縮み行程に於ては、シリンダ内に存在するピスト
ンのロッド部の体積が増大することにより、第二の作動
流体室内の作動流体が第二の逆止弁及び連通路を経て高
圧室へ吐出されるので、ショックアブソーバの伸縮が繰
返し行われることによりポンピングの吸入行程及び吐出
行程が繰返し行われ、これにより車高の増大調整が行わ
れる。
【0011】特に請求項1の構成によれば、第一の作動
流体室内よりシリンダ外へ延在するピストンのロッド部
には第一及び第二の作動流体室を連通接続するバイパス
通路と、バイパス通路の連通度合を制御する制御弁とが
設けられており、制御弁によってバイパス通路の連通度
合を制御することにより、ショックアブソーバの伸縮に
際しバイパス通路を経て第一及び第二の作動流体室の間
に流れる作動流体の流量を制御し、これにより減衰力発
生弁を流れる作動流体の流量を制御することができるの
で、駆動手段によって制御弁を制御することにより減衰
力を増減制御することが可能になる。
【0012】尚ポンピングの効率は第一及び第二の作動
流体室の横断面積に対するピストンのロッド部の横断面
積の比により定まり、バイパス通路の連通度合が変化さ
れても変化しないので、制御弁が制御されることによっ
て減衰力が増減制御されてもポンピングの効率、従って
車高の増大調整効率が変化することはない。
【0013】また請求項2の構成によれば、請求項1の
構成の場合と同様の態様にてショックアブソーバの伸縮
に伴ない減衰力発生弁によって減衰力が発生され、また
ショックアブソーバの伸び行程に於ては、ポンプのポン
プ室の容積が増大することにより低圧室より吸入弁を経
てポンプ室へ作動流体が吸入され、ショックアブソーバ
の縮み行程に於ては、ポンプ室の容積が減少することに
より、ポンプ室より吐出弁を経て高圧室へ作動流体が吐
出され、従ってショックアブソーバの伸縮が繰返し行わ
れることにより車高の増大調整が行われる。
【0014】特に請求項2の構成によれば、ショックア
ブソーバは、ピストンに設けられ二つの作動流体室を連
通接続するバイパス通路と、ポンプシリンダ孔とポンプ
ロッドとの間に配置された筒状の弁要素を含みバイパス
通路の連通度合を制御する第一の制御弁と、第一の制御
弁の弁要素を駆動する駆動手段とを有しており、第一の
制御弁を制御することによってバイパス通路の連通度合
を制御することができるので、駆動手段によって第一の
制御弁を制御することにより、請求項1の構成の場合と
同様ショックアブソーバにより発生される減衰力を増減
制御することが可能になる。
【0015】また請求項3の構成によれば、バイパス通
路の途中には第二の減衰力発生弁が設けられており、第
一の制御弁が開弁状態にある場合に於てバイパス通路を
流れる作動流体が第二の減衰力発生弁を流れる際に第二
の減衰力発生弁によっても減衰力が発生されるので、バ
イパス通路の途中に減衰力発生弁が設けられていない構
造の場合に比して、減衰力をきめ細く制御することが可
能になり、また第一の制御弁によるバイパス通路の連通
度合の制御が厳密に行われなくてもよいので、駆動手段
による第一の制御弁に対する制御が容易になる。
【0016】更に請求項4の構成によれば、吸入弁を迂
回して低圧室とポンプ室とを連通接続するリターン通路
と、リターン通路の連通度合を制御する第二の制御弁と
が設けられており、第二の制御弁は第一の制御弁の弁要
素と連動して駆動手段により駆動されるよう構成されて
いるので、ポンプの吐出行程に於てポンプ室よりリター
ン通路及び第二の制御弁を経て低圧室へ戻される作動流
体の流量を増減し、これによりポンプのポンピング効率
を増減制御することが可能になり、またショックアブソ
ーバにより発生される減衰力の増減制御とポンピング効
率の増減制御とを一つの駆動手段によって制御すること
が可能になる。
【0017】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0018】図1は縮み行程に於てポンピングの吐出行
程を行うよう構成された本発明によるセルフポンピング
式ショックアブソーバの第一の実施例を概略的に示す縦
断面図である。
【0019】図1に於て、10はシリンダを全体的に示
しており、シリンダ10は軸線12に沿って互いに同心
に延在するインナシリンダ14及びアウタシリンダ16
を含んでいる。インナシリンダ14及びアウタシリンダ
16の上端はそれに一体的に固定されたエンドキャップ
18により実質的に閉ざされており、アウタシリンダ1
6の下端にはエンドキャップ20及びベース部材21が
固定されており、インナシリンダ14の下端はベース部
材21に固定されており、これによりインナシリンダ1
4及びアウタシリンダ16の下端はベース部材21によ
り実質的に閉ざされている。インナシリンダ14及びア
ウタシリンダ16はエンドキャップ18及びベース部材
21と共働して環状の低圧室22を郭定しており、低圧
室22には低圧のガス24及び作動流体としてのオイル
26が封入されている。
【0020】インナシリンダ14内には軸線12に沿っ
て往復動可能にピストン34が配置されている。ピスト
ン34は軸線12に沿って延在するピストンロッド36
と該ピストンロッドの下端に固定されたピストン本体3
8とよりなっている。ピストン本体38にはそれ自身周
知の伸び行程用の減衰力発生弁40及び縮み行程用の減
衰力発生弁42が設けられている。ピストン34はイン
ナシリンダ14、エンドキャップ18及びベース部材2
1と共働してピストン本体38の上下に第一及び第二の
作動流体室としての上室44及び下室46を郭定してい
る。
【0021】ベース部材21はエンドキャップ20との
間に弁室48を郭定しており、ベース部材21には低圧
室22と下室46とを連通接続する通路50及び下室4
6と弁室48とを連通接続する通路52が設けられてい
る。またベース部材21には低圧室22より通路50を
経て下室46へ向かうオイルの流れのみを許す第一の逆
止弁54と、下室46より通路52を経て弁室48へ向
かうオイルの流れのみを許す第二の逆止弁56とが設け
られている。
【0022】ピストン34のピストンロッド36には上
室44と下室46とを連通接続するバイパス通路58が
設けられており、バイパス通路58の途中には制御弁6
0が配置されている。制御弁60はピストンロッド36
の大径部に配置されたリニアアクチュエータ62により
軸線12に沿って駆動され、これによりバイパス通路5
8の連通度合を制御する。リニアアクチュエータ62は
ピストンロッド36内に延在するリード線64により図
1には示されていない制御装置に接続されており、該制
御装置よりの制御信号により制御される。
【0023】ピストンロッド36は上室44内よりエン
ドキャップ18を貫通してシリンダ10外へ延在してお
り、エンドキャップ18により軸線12に沿って往復動
可能に支持されている。ピストンロッド36の上端近傍
には逆カップ形をなすキャップ部材68の天井壁が固定
されており、キャップ部材68はアウタシリンダ16に
軸線12に沿って往復動可能に嵌合し、これにより高圧
室70を郭定している。キャップ部材68の天井壁には
連通孔72を有する導管74の上端が固定されており、
導管74はエンドキャップ18を貫通して低圧室22内
まで軸線12に沿って延在し、エンドキャップ18によ
り軸線12に沿って往復動可能に支持されている。
【0024】高圧室70は導管76によりアキュームレ
ータ78の液体室80に連通接続されており、液体室8
0はフリーピストン82により気体室84より分離され
ている。また高圧室70は低圧室22内に延在し上端に
てエンドキャップ18に固定され下端にてベース部材2
1に固定された導管86により弁室48と連通接続され
ている。かくして通路52、弁室48、導管86は下室
46と高圧室76とを連通接続する連通路を郭定してい
る。
【0025】尚図1には示されていないが、ショックア
ブソーバはピストンロッド36の上端に固定された連結
部材によりゴムブッシュを介して車体に連結され、エン
ドキャップ20又はアウタシリンダ16の下端に固定さ
れた連結部材によりゴムブッシュを介してサスペンショ
ンアームの如きサスペンション部材に連結されるように
なっている。
【0026】上述の如く構成された第一の実施例に於
て、制御弁60が閉弁状態にありバイパス通路58が遮
断された状況にて、図には示されていない車輪のリバウ
ンドによりピストン34及びシリンダ10が伸び行程の
相対運動をすると、上室44の容積が減少し下室46の
容積が増大することにより、上室内のオイルがピストン
本体38を経て下室へ移動し、減衰力発生弁40により
伸び行程の減衰力が発生される。同様に車輪のバウンド
によりピストン34及びシリンダ10が縮み行程の相対
運動をすると、上室44の容積が増大し下室46の容積
が減少することにより、下室内のオイルがピストン本体
38を経て上室へ移動し、減衰力発生弁42により縮み
行程の減衰力が発生される。
【0027】またアクチュエータ62により制御弁60
が開弁され、その開弁量が増大されるにつれてバイパス
通路58の連通度合が増大するので、ショックアブソー
バの伸び行程及び縮み行程の何れに於ても、バイパス通
路の連通度合の増大につれてバイパス通路を流れるオイ
ルの流量が増大し、相対的に減衰力発生弁40又は42
を通過するオイルの流量が減少し、これによりショック
アブソーバにより発生される減衰力が漸次減少する。従
ってアクチュエータ62によって制御弁60を制御する
ことにより、ポンピングによる車高調整機能を維持しつ
つ減衰力を増減制御することができる。
【0028】またショックアブソーバの伸び行程に於て
は、シリンダ10内に存在するピストンロッド36の体
積が減少するので、その減少量に対応する量のオイルが
低圧室22より通路50及び第一の逆止弁54を経て下
室46へ吸入され、これによりポンピングの吸入行程が
行われる。またショックアブソーバの縮み行程に於て
は、シリンダ10内に存在するピストンロッド36の体
積が増大し、その増大量に対応する量のオイルが下室4
6より通路52、第二の逆止弁56、弁室48、導管8
6を経て高圧室70へ供給され、これによりポンピング
の吐出行程が行われる。
【0029】かくしてポンピングの吸入行程及び吐出行
程が繰返し行われると、上室44、下室46、高圧室7
0内のオイルの量及び圧力が増大し、これによりピスト
ン34及びシリンダ10が伸び方向に相対変位するが、
その相対変位が所定量以上になると導管74に設けられ
た連通孔72により高圧室70と低圧室22とが連通接
続され、高圧室内のオイルの一部が低圧室へ排出され、
これにより連通孔72がエンドキャップ18の上面の位
置に位置するようピストン34及びシリンダ10が互い
に他に対し位置決めされる。従って車輌の積載荷重の変
動が生じ車高の変動が生じても、ショックアブソーバの
伸縮により行われるポンピング作用及び連通孔72の位
置決め作用により、車高が連通孔72の位置により決定
される標準車高に自動的に戻される。
【0030】以上の説明より解る如く、第一の実施例に
よれば、減衰力を発生させるためにショックアブソーバ
に設けられているシリンダ10(特にインナシリンダ1
4)及びピストン34が第一の逆止弁54及び第二の逆
止弁56と共働してポンプの機能をも果たすので、ピス
トン内にポンプが設けられる従来のセルフポンピング式
ショックアブソーバに比して構造を簡略化することがで
き、減衰力を制御するための制御弁60及びアクチュエ
ータ62をピストンのロッド部36に容易に組込むこと
ができ、制御弁60及びアクチュエータ62によって減
衰力を任意に制御することができる。
【0031】尚図示の実施例に於ては、アキュームレー
タ78はショックアブソーバとは別体に構成され、導管
78により高圧室70に連通接続されているが、例えば
アキュームレータ78はキャップ部材68と一体に形成
されてもよく、また高圧室70に高圧のガスが封入され
ることにより高圧室自体がアキュームレータの機能を具
備するよう構成されてもよい。
【0032】また図示の実施例に於ては、導管74はキ
ャップ部材68に剛固に固定されているが、導管74が
軸線12に沿って位置調節可能にキャップ部材68に連
結され、これによりショックアブソーバによって制御さ
れる標準車高を調節し得るよう構成されてもよい。
【0033】図2は縮み行程に於てポンピングの吐出行
程を行うよう構成された本発明によるセルフポンピング
式ショックアブソーバの第二の実施例を示す縦断面図、
図3は第二の実施例の第一の制御弁及びその近傍を示す
拡大部分縦断面図、図4は第一の制御弁の拡大部分平断
面図、図5は第二の実施例の吸入弁及びその近傍を示す
拡大部分縦断面図、図6は第二の実施例の吐出弁及びそ
の近傍を示す拡大部分縦断面図である。尚図2乃至図6
に於て、図1に示された部分に対応する部分には図1に
於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0034】この第二の実施例に於ては、インナシリン
ダ14とアウタシリンダ16との間には実質的に筒状の
ダイヤフラム90が配置されており、ダイヤフラム90
は上端にてエンドキャップ18に固定され下端にてベー
ス部材21に固定され、これにより径方向外側に高圧の
ガスが封入された気体室92を郭定し、径方向内側に高
圧のオイルが封入された高圧室70を郭定している。ベ
ース部材21には連結部材94により軸線12に沿って
延在するポンプロッド96の下端が固定されており、ポ
ンプロッド96はピストンロッド36に軸線12に沿っ
て設けられたシリンダ孔98に相対的に往復動可能に嵌
合しており、これによりポンプ室100を有するポンプ
112を郭定している。
【0035】図3に詳細に示されている如く、ポンプロ
ッド96とシリンダ孔98との間には軸線12の周りに
回転可能に円筒形の第一の制御弁114が配置されてお
り、制御弁114の下端には径方向に互いに隔置された
位置に切欠き116が設けられている。ピストンロッド
36には実質的に切欠き116に対向して一対の連通孔
118が設けられており、切欠き116は周方向のある
範囲に亘り延在し、その上端は周方向に対し傾斜してい
る。制御弁114の下方にてポンプロッド96とシリン
ダ孔98との間にて制御弁114の下方には切欠き11
6と常時連通する通路120が郭定されており、制御弁
114の軸線12の周りの位置により連通孔118と通
路120との連通度合が増減されるようになっている。
【0036】ピストンロッド36の下端には弁ハウジン
グ122が固定されており、弁ハウジング122は弁座
部材124を一体的に支持し弁座部材等と共働して弁室
126を郭定している。弁座部材124には伸び行程用
の第二の減衰力発生弁128及び縮み行程用の第二の減
衰力発生弁130が設けられており、弁室126は通路
120と連通している。かくして第二の減衰力発生弁1
28は弁室126より下室46へ向かうオイルの流れの
みを許す逆止弁として機能し、第二の減衰力発生弁13
0は下室46より弁室126へ向かうオイルの流れのみ
を許す逆止弁として機能する。また連通孔118、切欠
き116、通路120、弁室126は上室44と下室4
6とを連通接続するバイパス通路58を郭定しており、
制御弁114はバイパス通路58の連通度合を増減する
制御弁として機能する。
【0037】また図2に示されている如く、低圧室22
はショックアブソーバとは別体のタンク140により郭
定されており、低圧室22は導管142により吸入弁装
置144に接続されている。吸入弁装置144はピスト
ンロッド36の上端近傍に固定された弁ハウジング14
6と、弁ハウジングに固定され導管142と連通する通
路148を有するニップル150とを有し、弁ハウジン
グ146の内部には第一の実施例に於ける第一の逆止弁
に対応する吸入弁54が設けられている。
【0038】図5に詳細に示されている如く、吸入弁5
4の下流側の部分は弁ハウジング146に設けられた通
路152及びピストンロッド36に設けられた連通孔1
54によりポンプ室100と連通接続されている。吸入
弁54より上流側の部分、即ち通路148はニップル1
50に設けられた連通孔156、弁ハウジング146に
設けられた通路158、ピストンロッド36に設けられ
た連通孔160によりポンプ室100と連通接続されて
おり、通路158及び連通孔160は導管142、通路
148、連通孔156と共働して吸入弁54を迂回して
低圧室22とポンプ室100とを連通接続するリターン
通路を郭定している。
【0039】連通孔160とポンプ室100との連通度
合は実質的に円筒形をなす第二の制御弁162により制
御されるようになっている。制御弁162はそれより上
方のポンプ室100とそれより下方のポンプ室とを連通
接続する中空孔162Aと、連通孔160と中空孔16
2Aとを連通接続する実質的に楔形の連通孔162Bと
を有し、軸線12の周りに回転可能にピストンロッド3
6のシリンダ孔98に嵌合している。また制御弁162
はその上端にロータリアクチュエータ164の出力軸1
66が連結されており、アクチュエータ164によって
軸線12の周りに回転されることにより連通孔160と
連通孔162Bとの連通度合、従ってリターン通路の連
通度合を制御するようになっている。
【0040】また制御弁162の下端には制御ロッド1
68の上端が固定され、制御ロッド168の下端は第一
の制御弁114の上端に固定されており、これにより第
一の制御弁114は第二の制御弁162と共にアクチュ
エータ164によって軸線12の周りに回転され位置決
めされるようになっている。アクチュエータ164はブ
ラケット170によりピストンロッド36の上端に固定
され、ピストンロッドの上端はアッパサポート172に
より車体173に連結されている。
【0041】図6に詳細に示されている如く、ポンプロ
ッド96の下端近傍には実質的に全周に亘り溝174が
設けられており、またポンプロッドの内部と下室46と
を連通接続する連通孔176が設けられている。溝17
4内には弾性材よりなり自らを溝174の壁面に当接し
た状態に付勢する力を発生する断面C形の弁要素178
が配置されており、弁要素178は連通孔176と共働
してポンプ室100より下室46へ向かうオイルの流れ
を許す吐出弁56を郭定している。この吐出弁56は第
一の実施例に於ける第二の逆止弁に対応するものであ
る。またインナシリンダ14とベース部材21との間に
は下室46と高圧室70とを連通接続する高圧通路18
0が郭定されており、ポンプロッド96の実質的に長手
方向中央部には連通孔182が設けられている。
【0042】図7はこの実施例に於けるアクチュエータ
164の回転角θと第一の制御弁114の開弁量A1 及
び第二の制御弁162の開弁量A2 との間の関係の一例
を示すグラフである。図7に於て、回転角θが0とθ1
との間の範囲に於ては、回転角の増大につれて第二の制
御弁162の開弁量A2 は0より最大値A2maxまで漸次
増大するが、第一の制御弁114の開弁量A1 は一定の
最大値A1maxに維持され、回転角θがθ1 とθ2 との間
の範囲に於ては、回転角の増大につれて第一の制御弁1
14の開弁量A1 は最大値より最小値A1minまで漸次減
少するが、第二の制御弁162の開弁量A2 は最大値A
2maxに維持され、回転角θがθ2 以上の範囲に於ては、
第一の制御弁114の開弁量A1 は最小値A1minに維持
され、第二の制御弁162の開弁量A2 は最大値A2max
に維持される。
【0043】この第二の実施例に於ては、第二の制御弁
162が閉弁状態にあるときには、ショックアブソーバ
の伸び行程に於ては、上室44の容積が増大し下室46
の容積が増大することにより、上室内のオイルがピスト
ン本体38を経て下室へ移動し、減衰力発生弁40によ
り伸び行程の減衰力が発生され、ショックアブソーバの
縮み行程に於ては上室44の容積が増大し下室46の容
積が減少することにより、下室内のオイルがピストン本
体38を経て上室へ移動し、減衰力発生弁42により縮
み行程の減衰力が発生される。
【0044】またこの実施例に於てもアクチュエータ1
64により第一の制御弁114が開弁され、その開弁量
が増大されるにつれてバイパス通路58の連通度合が増
大するので、ショックアブソーバの伸び行程及び縮み行
程の何れに於ても、バイパス通路の連通度合の増大につ
れてバイパス通路を流れるオイルの流量が増大し、相対
的に減衰力発生弁40又は42を通過するオイルの流量
が減少し、これによりショックアブソーバにより発生さ
れる減衰力が漸次減少する。従ってアクチュエータ16
4によって第一の制御弁114を制御することにより、
ポンプ112による車高調整機能を維持しつつ減衰力を
増減制御することができる。
【0045】また第二の実施例に於ては、第二の制御弁
162が閉弁状態にあるときには、ショックアブソーバ
の伸び行程に対応するポンプ112の吸入行程に於て
は、低圧室22内のオイルが導管142、通路148、
吸入弁54、通路152、連通孔154を経てポンプ室
100へ吸入され、ショックアブソーバの縮み行程に対
応するポンプ112の吐出行程に於ては、ポンプ室10
0内のオイルが連通孔176及び吐出弁56を経て下室
46へ吐出され、これによりポンプ112の吸入行程及
び吐出行程が行われる。
【0046】かくしてショックアブソーバの伸縮が繰返
し行われることによりショックアブソーバが漸次伸張
し、連通孔182がピストンロッド36の下端よりも下
方の位置に来ると、下室46が連通孔182によりポン
プ室100と連通接続されるので、この状態にて第二の
制御弁162を開弁させることにより高圧室70、上室
44、下室46内のオイルをポンプ室100及びリター
ン通路を経て低圧室22へ排出させることができ、これ
により車高を連通孔182の位置により決定される標準
車高又はそれ以上の車高に制御することができる。
【0047】また第二の制御弁162を開弁状態に維持
し、その開弁量を0よりも大きい値に制御しておけば、
ショックアブソーバが漸次伸張しても、連通孔182が
ピストンロッド36の下端よりも下方の位置に来ると、
下室46内のオイルが連通孔182、ポンプ室100及
びリターン通路を経て低圧室22へ流出するので、車高
を連通孔182の位置により決定される標準車高に自動
的に制御することができる。
【0048】またこの実施例によれば、アクチュエータ
164によって第二の制御弁162を回転させることに
よりリターン通路の連通度合を任意に制御することがで
きるので、ポンプ112の吐出行程に於てポンプ室10
0より制御弁162及びリターン通路を経て低圧室22
へ戻されるオイルの量を任意に制御することができ、こ
れによりポンプ112の吐出行程に於けるポンプ効率を
任意に制御することができる。
【0049】またこの実施例によれば、第二の制御弁1
62によってリターン通路を遮断することによりポンプ
室100と低圧室22との間の連通を遮断することがで
きるので、車輌の制動時や旋回時には制御弁162を閉
弁させることにより、荷重移動に起因して車輪がリバウ
ンドして連通孔182がピストンロッド36の下端より
も下方に位置し、下室46とポンプ室100とが連通孔
182により連通接続されても下室内のオイルがポンプ
室及びリターン通路を経て低圧室22へ排出されること
がなく、これにより従来のセルフポンピング式ショック
アブソーバの場合に車輌の制動や旋回後に生じる前後又
は左右の車輪間に於ける車高のアンバランスの発生を防
止することができる。
【0050】尚アクチュエータ164による第一の制御
弁114及び第二の制御弁162の制御は任意の態様に
て行われてよく、例えば荷重センサ等により車輌の積載
量を検出し或いは高圧室32の内の圧力を検出する圧力
センサよりの検出結果より車輌の積載量を推定し、その
値に基づき最適な減衰力及びポンプ反力が発生するよう
第一及び第二の制御弁の開弁量を制御することにより、
車輌の積載量の変化に応じて車輌の乗り心地性及び操縦
安定性を最適に制御することができ、車輌の上下加速度
を検出する加速度センサ、操舵角センサ、車速センサ、
スロットルポジションセンサ等の信号に基づき減衰力及
びポンプ効率を制御することにより、車輌の操縦安定性
と乗り心地性との両立を図ることができ、従来の減衰力
可変式ショックアブソーバと同様の機能をも達成するこ
とができる。
【0051】またポンプ112のポンピングによる車高
調整時に路面外乱が左右の車輪間に於て極端に異なる場
合には、左右の車輪の車高のアンバランスが生じ操縦安
定性に対し悪影響が及ぼされる虞れがあるが、車体の上
下加速度を検出する加速度センサや車高センサよりの信
号に基づき左右の車輪間に路面外乱の差が検出された場
合には、車高の増大率が左右の車輪間に於て等しくなる
よう左右のショックアブソーバのポンプ効率を制御し、
左右の車輪間に於て車高のアンバランスが生じることを
防止することができる。
【0052】更に通常の車高変動域に於てポンプ室10
0と下室46とを常時連通接続する位置に連通孔182
を設けることにより、必要に応じて制御弁162を開弁
しポンプ室及び下室46等の内部のオイルを低圧室22
へ排出させることができ、これにより車高を任意の車高
に制御することができる。
【0053】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0054】例えば上述の二つの実施例に於ては、ショ
ックアブソーバの縮み行程に於てのみポンピングの吐出
行程が行われるよう構成されているが、本発明のショッ
クアブソーバはその伸び行程に於てポンピングの吐出行
程が行われるようよう構成されてもよく、また伸び行程
及び縮み行程の両者に於てポンピングの吐出行程が行わ
れるようよう構成されてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、上述
の請求項1の構成によれば、ショックアブソーバの伸び
行程に於てはシリンダ内に存在するピストンのロッド部
の体積が減少することにより、低圧室より第一の逆止弁
を経て第二の作動流体室へ作動流体が吸入され、ショッ
クアブソーバの縮み行程に於てはシリンダ内に存在する
ピストンのロッド部の体積が増大することにより、第二
の作動流体室内の作動流体が第二の逆止弁及び連通路を
経て高圧室へ吐出され、ショックアブソーバの伸縮が繰
返し行われることにより車高の増大調整が行われ、従っ
てショックアブソーバのシリンダ及びピストンがポンプ
としての機能をも果すので、従来のセルフポンピング式
ショックアブソーバに比して構造を簡略化することがで
き、ピストンに減衰力可変機構を容易に組込むことがで
きる。
【0056】また請求項1の構成によれば、第一の作動
流体室内よりシリンダ外へ延在するピストンのロッド部
には第一及び第二の作動流体室を連通接続するバイパス
通路と、バイパス通路の連通度合を制御する制御弁とが
設けられており、制御弁によってバイパス通路の連通度
合を制御することにより、ショックアブソーバの伸縮に
際しバイパス通路を経て第一及び第二の作動流体室の間
に流れる作動流体の流量を制御し、これにより減衰力発
生弁を流れる作動流体の流量を制御することができるの
で、駆動手段によって制御弁を制御することにより減衰
力を増減制御することができ、従ってセルフポンピング
式ショックアブソーバにその車高調整機能を損なうこと
なく減衰力可変機能を付与することができる。
【0057】またポンプ効率(ポンピング反力)を増減
制御することによってショックアブソーバ全体としての
減衰力(減衰力発生弁により発生される減衰力及びポン
ピング反力)を制御する構成の場合には、減衰力の増減
制御により車高の増大調整効率も変化してしまうが、請
求項1の構成によれば、ポンピングの効率は第一及び第
二の作動流体室の横断面積に対するピストンのロッド部
の横断面積の比により定まり、バイパス通路の連通度合
が変化されても変化せず、制御弁が制御されることによ
って減衰力が増減制御されてもポンピングの効率、従っ
て車高の増大調整効率は変化しないので、良好な車高の
増大調整効率を確保しつつ減衰力を増減制御することが
できる。
【0058】また請求項2の構成によれば、ショックア
ブソーバは、ピストンに設けられ二つの作動流体室を連
通接続するバイパス通路と、ポンプシリンダ孔とポンプ
ロッドとの間に配置された筒状の弁要素を含みバイパス
通路の連通度合を制御する第一の制御弁と、第一の制御
弁の弁要素を駆動する駆動手段とを有しており、第一の
制御弁を制御することによってバイパス通路の連通度合
を制御することができるので、駆動手段によって第一の
制御弁を制御することにより、請求項1の構成の場合と
同様ショックアブソーバにより発生される減衰力を増減
制御することができる。
【0059】また請求項3の構成によれば、バイパス通
路の途中には第二の減衰力発生弁が設けられており、第
一の制御弁が開弁状態にある場合に於てバイパス通路を
流れる作動流体が第二の減衰力発生弁を流れる際に第二
の減衰力発生弁によっても減衰力が発生されるので、バ
イパス通路の途中に減衰力発生弁が設けられていない構
造の場合に比して、減衰力をきめ細く制御することがで
き、また第一の制御弁によるバイパス通路の連通度合の
制御が厳密に行われなくてもよいので、駆動手段による
第一の制御弁に対する制御を容易にすることができる。
【0060】更に請求項4の構成によれば、吸入弁を迂
回して低圧室とポンプ室とを連通接続するリターン通路
と、リターン通路の連通度合を制御する第二の制御弁と
が設けられており、第二の制御弁は第一の制御弁の弁要
素と連動して駆動手段により駆動されるよう構成されて
いるので、ポンプの吐出行程に於てポンプ室よりリター
ン通路及び第二の制御弁を経て低圧室へ戻される作動流
体の流量を増減し、これによりポンプのポンピング効率
を増減制御することができ、またショックアブソーバに
より発生される減衰力の増減制御とポンピング効率の増
減制御とを一つの駆動手段によって制御することがで
き、これにより減衰力制御用及びポンピング効率制御用
の駆動手段が個別に設けられる場合に比して、ショック
アブソーバ自体及びその制御構造を簡略化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縮み行程に於てポンピングの吐出行程を行うよ
う構成された本発明によるセルフポンピング式ショック
アブソーバの第一の実施例を概略的に示す縦断面図であ
る。
【図2】縮み行程に於てポンピングの吐出行程を行うよ
う構成された本発明によるセルフポンピング式ショック
アブソーバの第二の実施例を示す縦断面図である。
【図3】第二の実施例の第一の制御弁及びその近傍を示
す拡大部分縦断面図である。
【図4】第一の制御弁の拡大部分平断面図である。
【図5】第二の実施例の吸入弁及びその近傍を示す拡大
部分縦断面図である。
【図6】第二の実施例の吐出弁及びその近傍を示す拡大
部分縦断面図である。
【図7】第二の実施例に於けるアクチュエータの回転角
θと第一の制御弁の開弁量A1及び第二の制御弁の開弁
量A2 との間の関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10…シリンダ 22…低圧室 34…ピストン 36…ピストンロッド 40、42…減衰力発生弁 44…上室 46…下室 54…第一の逆止弁(吸入弁) 56…第二の逆止弁(吐出弁) 58…バイパス通路 60…制御弁 62…リニアアクチュエータ 68…キャップ部材 70…高圧室 78…アキュムレータ 96…ポンプロッド 98…シリンダ孔 114…第一の制御弁 128、130…第二の減衰力発生弁 162…第二の制御弁 164…ロータリアクチュエータ 182…連通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−159441(JP,A) 特開 昭50−112674(JP,A) 特開 昭63−159184(JP,A) 実開 昭59−201909(JP,U) 特公 昭42−11107(JP,B1) 特公 昭51−18578(JP,B1) 実公 昭50−32693(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/50 B60G 17/044

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに
    共働して第一及び第二の作動流体室を郭定するピストン
    及びシリンダと、前記ピストン若しくは前記シリンダに
    設けられた減衰力発生弁と、前記第一の作動流体室内よ
    り前記シリンダ外へ延在する前記ピストンのロッド部に
    設けられ第一及び第二の作動流体室を連通接続するバイ
    パス通路と、前記バイパス通路の連通度合を制御する制
    御弁と、前記シリンダ外にて前記ロッド部に固定され前
    記シリンダに往復動可能に嵌合することにより高圧室を
    郭定するキャップ部材と、前記第二の作動流体室と連通
    する低圧室と、前記低圧室より前記第二の作動流体室へ
    向かう作動流体の流れのみを許す第一の逆止弁と、前記
    高圧室と前記第二の作動流体室とを連通接続する連通路
    と、前記連通路の途中に設けられ前記第二の作動流体室
    より前記高圧室へ向かう作動流体の流れのみを許す第二
    の逆止弁と、前記高圧室に接続されたアキュムレータと
    を有するセルフポンピング式ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに
    共働して二つの作動流体室を郭定するピストン及びシリ
    ンダと、前記ピストン若しくは前記シリンダに設けられ
    た減衰力発生弁と、低圧室と、前記作動流体室と連通す
    る高圧室と、前記ピストン及び前記シリンダの相対運動
    により前記低圧室より前記高圧室へ作動流体を供給する
    ポンプとを有し、前記ポンプは前記ピストンのロッド部
    に設けられたポンプシリンダ孔と、一端にて前記シリン
    ダに固定され前記ポンプシリンダ孔に往復動可能に嵌合
    し前記ポンプシリンダ孔と共働してポンプ室を郭定する
    ポンプロッドと、前記低圧室より前記ポンプ室へ向かう
    作動流体の流れのみを許す吸入弁と、前記ポンプ室より
    前記高圧室へ向かう作動流体の流れのみを許す吐出弁と
    を有するセルフポンピング式ショックアブソーバに於
    て、前記ピストンに設けられ二つの作動流体室を連通接
    続するバイパス通路と、前記ポンプシリンダ孔と前記ポ
    ンプロッドとの間に配置された筒状の弁要素を含み前記
    バイパス通路の連通度合を制御する第一の制御弁と、前
    記第一の制御弁の前記弁要素を駆動する駆動手段とを有
    していることを特徴とするセルフポンピング式ショック
    アブソーバ。
  3. 【請求項3】請求項2のセルフポンピング式ショックア
    ブソーバに於て、前記バイパス通路の途中には第二の減
    衰力発生弁が設けられていることを特徴とするセルフポ
    ンピング式ショックアブソーバ。
  4. 【請求項4】請求項2又は3のセルフポンピング式ショ
    ックアブソーバに於て、前記吸入弁を迂回して前記低圧
    室と前記ポンプ室とを連通接続するリターン通路と、前
    記リターン通路の連通度合を制御する第二の制御弁とを
    有し、前記第二の制御弁は前記第一の制御弁の前記弁要
    素と連動して前記駆動手段により駆動されるよう構成さ
    れていることを特徴とするセルフポンピング式ショック
    アブソーバ。
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