JP3033240B2 - 円板状記録媒体の固定構造 - Google Patents

円板状記録媒体の固定構造

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JP3033240B2 JP3107086A JP10708691A JP3033240B2 JP 3033240 B2 JP3033240 B2 JP 3033240B2 JP 3107086 A JP3107086 A JP 3107086A JP 10708691 A JP10708691 A JP 10708691A JP 3033240 B2 JP3033240 B2 JP 3033240B2
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  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク等の円板
状の記録媒体の固定構造に係り、特に、媒体を変形させ
ずにクランプさせるための最適なクランプ板の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の円板状の記録媒体、例えば、磁気
ディスクの積層構造を図7、図8に示す。図7のような
従来構造は特開昭61-241525号公報に、図8のごとき構
造例は実開昭62-3679号公報にそれぞれ見られる。
【0003】図7に示す従来技術では、回転軸1にハブ
2が嵌着され、このハブ2の外周に複数の磁気ディスク
3と複数のスペーサ4とが交互に積層されている。
【0004】この磁気ディスク3とスペーサ4の積層体
の最上段に、外縁部を軸方向に膨張させて爪部を形成
し、弾発性を付与した薄板シェル構造のクランプ板5が
円周方向に等間隔を置いて設けられた複数本のボルト6
によりハブ2に固定されている。図8はクランパとして
軸方向に属した爪部をもつ、平板形クランプ板5を使用
した従来積層構造の縦断面図の例である。
【0005】図7、図8に示した積層構造においてボル
ト6を締結することにより、クランプ板5ならびに爪部
5′が、それぞれディスク積層体をクランプする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】円板状記録媒体、例え
ば、磁気ディスクは薄板構造であるため、その積層用ハ
ブに積層、組立てする時には組立精度、部品精度などの
潜在要因による初期変形をもっている。さらに、この磁
気ディスクが回転すると、磁気ディスク周辺の流体の流
れによって生じる流体力により加振され、磁気ディスク
にフラッタが発生する。磁気ディスクと記録・読出しヘ
ッドとの間には、実稼動時のヘッドクラッシュ防止とい
う命題があり、磁気ディスクの記録・読出しヘッドに与
える加振力はできるだけ小さくする必要がある。そのた
めには、基本技術として磁気ディスクの積層固定時に発
生する初期変形の量を低減する必要がある。
【0007】従来技術として磁気ディスクとスペーサか
らなる積層体を積層用ハブに固定する手段として、図7
に示した深絞り加工された薄板シェル構造のクランプ板
を、その弾性変形を利用してボルトで締付ける方法や、
図8に示す平板のばね特性を利用したクランプ方法が多
く用いられてきた。クランプで重要な点は記録媒体を確
実に、荷重均等に、平坦に積層用ハブに固定することに
ある。
【0008】しかし、従来技術の両クランプ法は、荷重
均等にしてもディスクへ反りを生じさせるという欠点が
ある。その理由は、ボルト6でクランプ板を締付けた
際、クランプ板の外縁部に設けられた爪部5′で軸力を
発生すると同時に、爪部5′が半径方向の外方に変形
し、ディスクを曲げようとする半径方向への曲げモーメ
ントが発生することに起因している。
【0009】図9に変形例の状態を示す。クランプ板5
はボルト6で締付けられることにより、軸方向にたわみ
ながら爪部5′で軸力Fzを発生する。この際、同時に
爪部5′は半径方向の外側に広がり、ディスク3上で半
径方向外側へ曲げモーメントMを生じ、これによりディ
スク3を変形させる要因となっていた。特に、シェル構
造に比べて平板形のクランプ板を用いる場合の方が反り
は大きい。この反りのために、媒体回転時の上下加速度
を増加させ、ヘッドへの外乱を与えることになり、信頼
性低下を招く。
【0010】本発明の目的は、磁気ディスクを含む円板
状の記録媒体を主として均一な軸力成分のみで固定し、
円板状記録媒体の高精度構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的は、クランプ板
においてディスクやスペーサを直接押付ける、円筒状の
爪部を次のごとく形成することで達成できる。
【0012】すなわち、爪部の板厚に薄肉部を設ける。
なお、押圧部の角度を負に構成すると良い。さらに、爪
部の接触位置を爪部の板厚中心から偏心させて負側に構
成すればさらに良い。
【0013】
【作用】本発明では従来の薄板シェル構造クランプ板に
おいて、ボルト締結により爪部に発生する半径方向の曲
げモーメントを低減させることを目的としており、その
達成手段として、爪部に薄肉部を設けた。
【0014】クランプ板は図7、図8に示したように開
断面構造であるため、荷重と共に爪部5′の箇所で、そ
れぞれディスクを反らせる方向へ曲げモーメントを発生
させるので、ディスクの曲げが微妙に発生する。よっ
て、荷重負荷による曲げが発生しないように、クランプ
板の爪部5′に薄肉部を設け、外側に向かう曲げモーメ
ントをなくし、円周上で均一な軸力のみを発生するクラ
ンプ構造とすることが可能である。
【0015】また、爪部5´の押圧角度を加圧軸方向か
ら負側(内径側に向かう方向)にやや曲げておく方法も
ある。すなわち、内側に曲げることにより、軸力の他に
内側に向かうモーメントが発生し、これがボルト締結時
に生じる外側に開くモーメントと打消あい、軸力成分の
みで加圧でき、ディスク変形を防止することが可能とな
る。
【0016】さらに、爪部の押圧部における接触位置
を、爪部板厚の中心と一致させずに、板厚の内径側に偏
心させておくことも効果的である。これは、接触点を内
側にずらすことにより、外径側の方向に発生する曲げモ
ーメントの低減を可能とすることにある。
【0017】以上、本発明により、クランプ板爪部に薄
肉部を設ける、あるいは、爪部を内側に曲げる、爪部の
接触部を内径側に偏心させる、といった手段を独立、又
は併用する構造を用いると、クランプ板は主として軸方
向にディスクを押圧し、ディスク曲げを低減させ、軸方
向のみに力を有効に発生させる構造とすることができ、
従って、ディスク媒体をより平滑にクランプするディス
ク積層構造とすることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図1、図2に示した実施例に
より詳細に説明する。
【0019】図1に示した実施例では、回転軸1の外周
にハブ2が嵌着されている。ハブ2の外周には、円板状
の記録媒体である磁気ディスク3と、スペーサ4との中
心孔がはめ込まれ、これ等が複数個順次重ねられ、積層
体を形成している。
【0020】磁気ディスク3とスペーサ4の積層体の最
上段には、平板形のクランプ板5が配置されている。こ
のクランプ板5は、軸方向に曲げられた円筒状の爪部
5′が形成されており、この爪部5′の端縁により、積
層体を軸方向に押圧して固定され、積層構造を構成して
いる。
【0021】図1はクランプ板5がほぼ平板のもの、図
2はシェル構造としたクランプ板5を持つ積層体断面図
である。この構造で本発明では爪部5′の折り曲げコー
ナ部(A部)に溝加工を行って板厚の薄肉化を図ってい
る。図1、図2に示したA部(コーナ部)の拡大図を図
3に示す。図1、2、3において、クランプ板5をハブ
2に締結する締付けボルト6により、クランプ板5を軸
方向にたわませ、軸方向の力を発生してスペーサ4、デ
ィスク3の積層体を押圧する。クランプ板5のコーナ部
には半径r、偏心δrをもつ肉取りを設けている。従っ
て、コーナ部でクランプ板5の薄肉化となっており、ボ
ルト6による荷重を受けた際、図6に示すように、クラ
ンプ板の爪部5′は半径方向に向かう曲げモーメント成
分を発生することになり、半径方向外側へ生じる従来の
モーメント成分とキャンセルし合い、図のように曲げモ
ーメントMは小さくなり、ほぼ積層に必要な軸力成分F
zのみをディスク側へ伝達することが可能となる。
【0022】図4は、曲げモーメントを同様に半径方向
内側発生させるように、爪部5′を角度θだけ、半径方
向内側(負側)に折曲げたものである。これもクランプ
力により半径方向外側((+)の曲げモーメント)の曲
げモーメントと、折曲げにより発生する(−)の曲げモ
ーメントを相殺させ、軸力のみ発生させることが可能と
なる。
【0023】図5の実施例は、爪部5′の接触端部の形
状を半径Rなる面取り加工中心位置を従来の板厚中心か
らδだけ偏心を持たせ加工し、ディスクと接触する位置
を半径方向内側に移動させた構造である。これにより、
(+)の曲げモーメント成分Mを従来よりも低減させ、
軸力成分Fzのみを効果的に作用させてディスクをクラ
ンプすることができる。
【0024】以上、本発明により磁気ディスクに変形を
生じさせることなく、極めて平滑にディスクを積層、固
定することが可能となり、信頼性の高い磁気ディスク装
置を提供することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、クランプ板爪部の形状
に薄肉部を形成すること、半径方向内側に角度θだけ曲
げ込むこと、接触点位置を爪部板厚中心より半径方向内
側に偏心させることにより、クランプ板の爪部から発生
させる曲げモーメント(ディスクの反りを生じさせる要
因となる)を低減させ、ディスク円周上に均一な条件で
軸方向の力を発生させることができ、従って、記録媒体
の変形を解消し、信頼性の高い円板状記録媒体の積層構
造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す軸形の断面図。
【図2】 本発明の実施例を示す軸形の断面図。
【図3】 本発明の実施例を示す部分断面図。
【図4】 本発明の実施例を示す部分断面図。
【図5】 本発明の実施例を示す部分断面図。
【図6】 本発明の効果の説明図。
【図7】 異なる従来技術を示す縦断面図。
【図8】 異なる従来技術を示す縦断面図。
【図9】 従来における問題点の説明図。
【符号の説明】
1…回転軸、2…ハブ、3…ディスク、4…スペーサ、
5…クランプ板、5′…爪部、6…締付けボルト。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−316354(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 23/00 601

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に緊着したハブの外周に、その外周
    とほぼ同径の内径をもつ円板状記録媒体とスペーサとを
    交互に積層して、前記ハブの端面に螺着クランプ板の爪
    部により前記円板状記録媒体と前記スペーサとを前記ハ
    ブに固定する円板状記録媒体の固定構造において、前記
    クランプ板の前記回転軸の軸方向に延びた円筒状の爪部
    の全周に薄肉部を設け、前記爪部を半径方向内側に曲げ
    込むか、又は前記爪部の接触位置を板厚中心からディ
    スク内周側に偏心させたことを特徴とする円板状記録媒
    体の固定構造。
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