JP3032985B2 - バーリング性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
バーリング性に優れた熱延鋼板およびその製造方法Info
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Description
品などを対象とし、1.4〜6.0mm程度の板厚で、38kgf/mm
2以上50kgf/mm2以下の引張強度を有し、バーリング性に
優れた熱延鋼板およびその製造方法に係わる。
テン化や、自動車の高意匠化や空間確保に伴う難成形化
に対する対応要求は、自動車用素材のひとつである熱延
鋼板にとっても大きな課題になっている。熱延鋼板の使
用用途から最も重要な加工性はバーリング性である。こ
れは、打ち抜かれた初期穴を拡げる加工であるが、最終
形状が打ち抜きプレスによる穴拡げで定まらない場合に
は、鍛造による方法や切削穴を初期穴として用いる方法
を採用するために、製造工程が多くなり生産性が確保出
来なかったりコスト高をまねいたりしている。
鋼板の加工性を劣化させずに強度特性を向上させるのは
当然として、さらに大きなコスト上昇を伴わないことが
前提であったことから、まず打ち出されてきた考え方
は、脱マイクロアロイ指向,すなわちTi,Nb,V等の炭化
物(または炭窒化物)生成元素からの脱却であった。こ
れは例えば特開昭58−11734号公報に代表されるよう
な、経済性,点溶接性を考慮にいれた成分系を用い、熱
延工程を有効活用することにより組織制御を行い、強度
を上げながらも加工性を劣化させない熱延鋼板であるこ
とに特徴を有する。しかしながら、検討されてきた鋼板
は引張強度が50kgf/mm2以上がほとんどである。
鋼板の特にバーリング性に係わる製造技術としては、特
公平1−32293号公報記載のものがある。これは、C−S
i−Mn系成分を用い600℃以上の巻取温度を採用するもの
であり、伸びフランジ成形性と耐縦割れ性に優れる熱延
鋼板の製造技術である。しかしながら、この製造技術は
巻取温度を600℃以上に設定しているために、パーライ
ト又は粗大セメンタイトの存在が自明であり、伸びフラ
ンジ性を劣化させている。
延鋼板においてバーリング性を最大限に発揮させるため
の技術はこれまで開発されていないのが実情であり、さ
らに本発明は、該技術開発のために徹底的に研究してき
た結果である。
イトとベイナイトの複合組織を有し、かつ該組織におけ
る円相当半径が0.1μm以上の大きさのセメンタイトの
組織率が0.1%以下であり、マルテンサイトの組織率が
1%以下であることを特徴とするバーリング性に優れた
熱延鋼板。
イトとベイナイトの複合組織を有し、かつ該組織におけ
る円相当半径が0.1μm以上の大きさのセメンタイトの
組織率が0.1%以下であり、マルテンサイトの組織率が
1%以下であることを特徴とするバーリング性に優れた
熱延鋼板。
ブとした後、熱間圧延して(Ar3変態点+50)℃以上950
℃以下の温度で仕上圧延を終了し、仕上圧延終了から0.
5秒以内に50℃/s以上の冷却を施し、350〜500℃で巻き
取ることを特徴とするフェライトとベイナイトの複合組
織を有し、かつ該組織における円相当半径が0.1μm以
上の大きさのセメンタイトの組織率が0.1%以下であ
り、マルテンサイトの組織率が1%以下であるバーリン
グ性に優れた熱延鋼板の製造方法。」 (4) 重量%で C:0.02〜0.07%未満 Si:0.4%未満 Mn:0.5〜1.5% P:0.02%以下 S:0.005%以下 A:0.01〜0.10% Ca:0.0005〜0.0050% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラ
ブとした後、熱間圧延して(Ar3変態点+50)℃以上950
℃以下の温度で仕上圧延を終了し、仕上圧延終了から0.
5秒以内に50℃/s以上の冷却を施し、350〜500℃で巻き
取ることを特徴とするフェライトとベイナイトの複合組
織を有し、かつ該組織における円相当半径が0.1μm以
上の大きさのセメンタイトの組織率が0.1%以下であ
り、マルテンサイトの組織率が1%以下であるバーリン
グ性に優れた熱延鋼板の製造方法。
る。
最低0.02%以上が必要である。但し、多量のC含有は、
強度を上げすぎるばかりでなく、余分な炭化物(セメン
タイトまたはパーライト)生成にもつながるためC含有
最大量は0.07%未満に限定する。
含有とした。
%の含有が必要である。上限は、経済性,点溶接性,強
度安定性を考慮し1.5%とした。
上昇させる元素であるために徹底的にその含有量を下げ
る必要があり、0.02%以下とした。好ましくは、0.01%
以下に下げた方が良い。
底的に下げる必要があり、0.005%以下にする必要があ
る。好ましくは、0.002%以下に下げた方が良い。
じてCaを添加する。0.0005%未満の添加では形態制御の
効果はなく、0.0050%を超える添加は逆にCa系の介在物
が増加してバーリング性、延性を劣化させるために、上
限をここに定めた。
の効果がなく、0.10%を超えるとアルミナ系介在物が増
加し、バーリング性と延性を劣化させる。
この温度未満では、ベイナイト中の炭化物が本発明の意
図するサイズまで微細にならない。上限は、950℃とし
た。これは、バーリング性向上の効果が飽和するだけで
はなく、組織が粗くなり延性が劣化するためである。
は、本発明にとって最も重要な要素である。本発明者ら
は、高バーリング性を得るための炭化物サイズや形状等
について精査を重ねた。その結果として、意図する高バ
ーリング性を得るためには、フェライト粒界三重点やベ
イナイト中に含まれる炭化物のサイズをできる限り微細
にするのが良いことが分かった。それを得るためには、
仕上圧延については高温仕上温度を採用し、さらに仕上
圧延終了後の急冷開始は早ければ早いほど良い。この最
適点を見出すために本発明者らが実験に実験を重ねたの
は言うまでもない。結果として仕上圧延終了後0.5秒以
内に急速冷却を施す必要がある。0.5秒を超えて急冷開
始をすることは、バーリング性向上には不利である。
れは、急冷による炭化物生成抑制効果を完全に発揮させ
るために必要なことである。操業技術開発により冷却終
点温度が正確に制御できるようになれば上限は特に規定
する必要はないが、現状では150℃/s以下であることが
好ましい。
が1%を超えるために、さらに500℃を超える温度で巻
き取るとセメンタイトが凝集し場合によってはパーライ
トを形成するために、バーリング性が低下するので好ま
しくない。
組織はいわゆるフェライト,ベイナイトであるが、フェ
ライト粒界三重点やベイナイト中の炭化物のサイズが極
めて微細である。しかしながら、不慮の要因によりこれ
ら炭化物が円相当半径で0.1μm以上のものとして組織
率が0.1%より多く存在した場合には本発明により得ら
れた熱延鋼板としては扱わない。
鋳造にてスラブにした。この表には各鋼のAr3変態点も
併記した。
E鋼はSiが本発明範囲外である。
温度約1200℃、仕上圧延終了後0.15秒から60℃/sの冷却
を施した。巻取後0.8%の調質圧延を施し、板厚2.9mmの
製品とし材質試験に供した。引張試験は、JIS Z2201,5
号試験片を用いた。組織率は透過電顕写真から判断し、
炭化物の円相当半径は透過電顕写真の画像解析結果を用
いた。
ち抜きは、直径20mmのパンチと、板厚の20%クリアラン
スを有するダイス(ダイス直径d。=[20.0+板厚×0.
2]mm)を用いて打ち抜いた。穴拡げは、打ち抜いた切
断穴を打ち抜きによるバリのない(バリとは反対側の)
板面から30゜円錐パンチで押し拡げた(この際穴拡げ部
への材料流入がないようにフランジを60トンのしわ押さ
えをかけた)。バーリング性は、割れが板厚を貫通する
時点でパンチを止めた時の穴径(d)をdoで除した比
(d/do)で示した。
行ない、これを引き剥がしその破断面がもとの接合面に
かかっていないものを○、かかっているものを×で示し
た。
示し、その理由を下線で示した。
4,5,6,8,9,10,11である。
ーリング性が劣化した。No.5は、巻取温度が本発明範囲
より低かったために、バーリング性が劣化した。No.6
は、仕上温度が本発明範囲より低かったためにバーリン
グ性が劣化した。No.8は、Mn含有量が本発明範囲より低
いために所望の強度特性が得られなかった。No.9は、P,
Sの含有量が本発明範囲より高かったために、バーリン
グ性と点溶接性が劣化した。No.10は、C含有量が本発
明範囲より高かったために炭化物が余分に生成しバーリ
ング性を劣化させた。No.11はSi含有量が高すぎるため
にAr3変態点が上昇した。このAr3変態点に対応すべく本
発明範囲外の仕上圧延温度を採用したために、延性が劣
化した。また、赤スケールが発生した。
は、何れも高バーリング性を示し、かつ表面美麗で点溶
接性になんら問題を起こさなかった。
鋼は、符号Aであり、加熱温度:1120℃、仕上温度:900
℃とした。
化物折出によるバーリング性低下を引き起こした。
ベイナイト中の炭化物が大きくなりバーリング性が劣化
した。
性に優れ赤スケールまたは雲形模様のない38kgf/mm2以
上の熱延鋼板が提供できる。本発明による鋼帯はそのま
ま黒皮で用いても良く、また酸洗して用いても良い。あ
るいは、せん断ラインにて切板としても良い。本発明に
よる鋼帯はレベラーまたは調質圧延により形状を整えた
り、巻き癖を矯正しても良い。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で C:0.02〜0.07%未満 Si:0.4%未満 Mn:0.5〜1.5% P:0.02%以下 S:0.005%以下 A:0.01〜0.10% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、フェラ
イトとベイナイトの複合組織を有し、かつ該組織におけ
る円相当半径が0.1μm以上の大きさのセメンタイトの
組織率が0.1%以下であり、マルテンサイトの組織率が
1%以下であることを特徴とするバーリング性に優れた
熱延鋼板。 - 【請求項2】重量%で C:0.02〜0.07%未満 Si:0.4%未満 Mn:0.5〜1.5% P:0.02%以下 S:0.005%以下 A:0.01〜0.10% Ca:0.0005〜0.0050% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、フェラ
イトとベイナイトの複合組織を有し、かつ該組織におけ
る円相当半径が0.1μm以上の大きさのセメンタイトの
組織率が0.1%以下であり、マルテンサイトの組織率が
1%以下であることを特徴とするバーリング性に優れた
熱延鋼板。 - 【請求項3】重量%で C:0.02〜0.07%未満 Si:0.4%未満 Mn:0.5〜1.5% P:0.02%以下 S:0.005%以下 A:0.01〜0.10% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラ
ブとした後、熱間圧延して(Ar3変態点+50)℃以上950
℃以下の温度で仕上圧延を終了し、仕上圧延終了から0.
5秒以内に50℃/s以上の冷却を施し、350〜500℃で巻き
取ることを特徴とするフェライトとベイナイトの複合組
織を有し、かつ該組織における円相当半径が0.1μm以
上の大きさのセメンタイトの組織率が0.1%以下であ
り、マルテンサイトの組織率が1%以下であるバーリン
グ性に優れた熱延鋼板の製造方法。」 - 【請求項4】重量%で C:0.02〜0.07%未満 Si:0.4%未満 Mn:0.5〜1.5% P:0.02%以下 S:0.005%以下 A:0.01〜0.10% Ca:0.0005〜0.0050% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をスラ
ブとした後、熱間圧延して(Ar3変態点+50)℃以上950
℃以下の温度で仕上圧延を終了し、仕上圧延終了から0.
5秒以内に50℃/s以上の冷却を施し、350〜500℃で巻き
取ることを特徴とするフェライトとベイナイトの複合組
織を有し、かつ該組織における円相当半径が0.1μm以
上の大きさのセメンタイトの組織率が0.1%以下であ
り、マルテンサイトの組織率が1%以下であるバーリン
グ性に優れた熱延鋼板の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-342226 | 1989-12-29 | ||
JP34222689 | 1989-12-29 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03236444A JPH03236444A (ja) | 1991-10-22 |
JP3032985B2 true JP3032985B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=18352095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02200307A Expired - Lifetime JP3032985B2 (ja) | 1989-12-29 | 1990-07-27 | バーリング性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3032985B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI290177B (en) | 2001-08-24 | 2007-11-21 | Nippon Steel Corp | A steel sheet excellent in workability and method for producing the same |
-
1990
- 1990-07-27 JP JP02200307A patent/JP3032985B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03236444A (ja) | 1991-10-22 |
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