JP3032917B2 - 繰返し疲労試験装置 - Google Patents

繰返し疲労試験装置

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JP3032917B2
JP3032917B2 JP3222204A JP22220491A JP3032917B2 JP 3032917 B2 JP3032917 B2 JP 3032917B2 JP 3222204 A JP3222204 A JP 3222204A JP 22220491 A JP22220491 A JP 22220491A JP 3032917 B2 JP3032917 B2 JP 3032917B2
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幸治 小倉
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日本特殊陶業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック試験片等の
強度を検査するための繰返し疲労試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミック試験片等の繰返し疲労試験に
は、その片面を二点で保持し、他面はその中央を保持し
て、一面側から動荷重を与える三点曲げ試験によって該
試料の曲げ疲労度を計測する方法がある。従来、この方
法に用いられる繰返し疲労試験装置にあって、駆動源と
してピストン,シリンダー等の機械的直線往復駆動機構
を用い、試験片の一面側から動荷重を付与するようにし
ていた。ところで、かかる従来構成にあっては、その駆
動力の調整及び変更が面倒であるとともに、高い周波数
の駆動力を生じさせることができず、しかも大きな駆動
音を発生し、さらには機械的摩擦により損耗が激しく、
試験条件を一定に保ちがたい等の欠点があった。
【0003】そこで、図4に示すように湾曲板bのすく
なくとも一面に電歪素子層cを配設してなる振動板a
の、その一端又は両端を基台d上に支持し、さらに該振
動板aの湾動面に試験片pの保持部材eを取付け、保持
部材e上に、該保持部材eとで試験片pを挟持する試験
片押圧端gを備えたロードセルfを配設したものが提案
された(特願昭62−250208号)。
【0004】かかる構成にあって、電歪素子層cの表裏
面電極に所定周波数の交番電圧を印加すると湾曲板bに
湾曲振動を生ずる。そしてこれにともない、振動板aの
湾動面に支持されている保持部材eが振動する。このた
め、一面を前記保持部材eに支持され、他面を押圧端g
で保持された試験片pは、保持部材eの振動によって、
図5に示すように所定の共振周波数の電圧に基く動荷重
が印加され、遂には破損に至る。このとき、破損に至る
速度及び動荷重の周波数を計測することにより、試験片
の強度を検出することができる。
【0005】従って、この構成は、電歪素子層cへの交
番印加電圧を適宜に選定することにより、その繰返し応
力や、周期を調整することができて、多様な試験条件を
随意に設定することができ、しかも機械的直線往復駆動
機構により動荷重を与える従来手段と異なり、騒音の発
生や機械的摩擦による損耗が少なく、同一の試験条件を
維持することが容易となる利点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成にあって、
高温雰囲気中における試験片pの強度を検査する場合に
は、高温クリープにより歪を与えると、装置全体が伸び
たり、試験片が徐々に変形してくる。ところで、試験片
pの中間位置に付与される電歪素子層cに電圧を印加し
ない状態における曲げ応力(図3,5の曲げ応力の中心
値;Fmean)は、図4に示すように機枠iに螺合した螺
子杆hを手動により昇降させて、その押圧端gの位置を
定めるものであり、該押圧端gは定点となる。このた
め、上述のように試験片pが変形をしてくると、最初に
設定した押圧端gの位置は定点であるために図5の鎖線
のように曲げ応力波形の中心値Fmeanが序々に低下し、
その最大値Fmax が当初の値よりも小さくなる。このた
め安定した試験結果を得ることができないという欠点を
生じる。本発明は、かかる技術的課題を解決することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロードセルか
らの最大歪信号値を、あらかじめ設定された所定歪信号
値と比較し、これに満たない場合には電歪素子層に印加
される交番電圧値を上昇させるようにした電圧制御手段
を備えるようにしたものである。
【0008】
【作用】上述したように、繰り返し疲労試験を高温雰囲
気中で行なうと、高温クリープにより装置全体が伸びた
り試験片pに塑性変形を生じて、図3の実線の応力波形
図よりも、その曲げ応力の中心値Fmeanが下降する。そ
して、これに伴い、ロードセルからの最大歪信号値も低
下する。そこでロードセルの所定歪信号値fmaxをあら
かじめ保持しておいて、この値と比較し、これよりも小
さい場合には、電歪素子層に印加される交番電圧値を上
昇させることにより振動板の振幅が大きくなる。このた
め、ロードセルからの最大歪信号値Fmax は所定歪信号
値fmax に近づき、図3の鎖線に示すようについにはこ
れと等しくなる。而して、所定歪信号値fmax に常に最
大歪信号値Fmax は補正されるから同一の動荷重が試験
片に付与されることとなって、正確な試験結果を得るこ
とができる。
【0009】
【実施例】図1〜3について本発明の一実施例を説明す
る。1は下面に軟質ゴム,スポンジ,金属バネ等の弾性
支持材17を配設した基台であって、据付面18に対し
て半浮動状に固定されている。この基台1には駆動源と
なるバイモルフ構造の振動板2がその一辺縁を、該基台
1に螺着した支軸3a及びナット3bによって片持状に
支持されている。前記振動板2は、図2に示すように、
矩形状の湾曲板4の上下面に表裏に電極を備えた電歪素
子層5a,5bが配設されてなるものであって、前記湾
曲板4の他辺には、重錘6が固定されている。
【0010】前記電歪素子層5a,5bは逆方向に分極
し、その外側電極を電源発生装置15に接続し、かつ前
記内側電極を湾曲板4を介してアース接続して、その電
圧印加により、一方が伸張すると、他方が収縮するよう
に配線する。前記振動板2の中腹の湾動面上には、図2
に示すように、上部に幅方向に位置する二箇所の支持端
8,8を備えた試料保持部材7が設けられる。前記振動
板2の上方には、機枠14に螺合した螺子杆11に支持
されたロードル12が配設され、該ロードセル12の下
端には、試料保持部材7の支持端8,8の間に位置して
試験片pの上面に当接する試料押圧端13が設けられて
いる。
【0011】上述の構成にあって、試験片pを試料保持
部材7の支持端8,8上に乗載し、螺子杆11を手動に
より回動昇降させて、該螺子杆11を適正位置まで下降
して、該支持端8,8間で試験片p上に押圧端13を当
接し、三点支持する。この時、螺子杆11が適正位置よ
りも僅かに降下し過ぎた場合には、基台1の下面に配し
た弾性支持材17が圧縮し、振動体2,基台1が下方に
変位するので、試験片pは折損することなく、常に一定
の押圧力で保持される。而て後に、電歪素子層5a,5
bに電源発生装置15から所定共振周波数の交番電圧を
印加する。
【0012】これにより、電歪素子層5a,5bに歪を
生じ、かつその他片を重錘6の慣性力によって保持され
て、湾曲振動を生ずる。そして、該湾曲振動に伴う支持
端8,8の昇降移動によって、試験片pはその両側を下
方から押付けられ、押圧端13を中心として湾曲歪を周
期的に付与される。そしてこの動荷重により疲労して、
遂には破損に至ることとなり、この破損に至る時間,印
加電圧,湾曲繰返し回数等を計測することにより、該試
料pの抗折力等の強度を計測することが可能となる。
【0013】かかる繰返し疲労試験装置には、前記電源
発生装置15から出力される交番電圧の値を制御するた
めの電圧制御手段が設けられている。その構成について
以下説明する。
【0014】前記電圧制御手段は、前記電源発生装置1
5、歪アンプ20、基準電圧設定器21、比較器22等
から構成されている。すなわち前記ロードセル12から
の歪電圧信号は歪アンプ20により増幅され、ここから
最大歪信号値Fmax が取り出される。この最大歪信号値
max は表示器23に表示され、その値が確認され得
る。一方、基準電圧設定器21には、あらかじめ所定歪
信号値fmax が設定され、前記最大歪信号値Fmax を比
較器22により所定歪信号値fmax と比較し、これが低
い場合には、電源発生装置15に情報入力されて、印加
交番電圧が増幅され、より大きな電圧が電歪素子層5
a,5bに印加されて、振動板2に大きな振幅を生じ、
試験片pに付与される歪が上昇する。このため、最大歪
信号値Fmax は高くなり、上述のステップを繰り返すこ
とにより、最大歪信号値Fmax は所定歪信号値fmax
一致することとなる。
【0015】このように、上述の電圧制御手段を備える
ために、前記構成にあっては試験片pに付与される歪
は、その最大歪量が等しくなるように調整されるから、
試験片pに印加される疲労が等しくなり、試験片pが高
温クリ−プにより変形して、図3の実線の初期値より
も、その曲げ応力の中心値Fmeanが下降しても、図3鎖
線のようにその波形が増幅されることにより、最大歪信
号値Fmax が一定となる。このため試験片pに掛かる最
大歪量が等しくなり、同じ動荷重の下で、良好な試験結
果を得ることが可能となる。尚、前記所定歪信号値f
max は、試料pを装着したときの初期最大歪信号値F
max を入力するようにしても良く、この場合には、当該
初期最大歪信号値Fmax が高温状態にあっても維持され
得ることとなる。これは、表示器23に示された初期値
を基準電圧設定器21に手動入力したり、または初期設
定スイッチの入力操作等により自動的に初期値設定がな
され得るようにすることにより達成される。
【0016】而して、かかる破損に至る、時間,印加電
圧,湾曲繰返し回数等を計測することにより、該試験片
pの抗折力等の強度を適正に計測することが可能とな
る。
【0017】その他、本発明は三点曲げ試験に特に有用
であるが、試験片pの全周囲を支持縁で保持して、該試
験片pの中心に押圧端を当接する等の試験態様にも適合
し得る。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上述のように、ロードセルの
所定歪信号値をあらかじめ保持しておいて、この値と比
較し、これが小さい場合には、電歪素子層に印加される
交番電圧値を上昇させることにより振動板の振幅を大き
くし、試験片pに掛かる最大歪量を等しくするようにし
たから、高温クリープによって装置全体が伸びたり、試
験片pが塑性変形しても、試験条件の一定化が可能とな
り、良好な試験値を得ることができる等の優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は一部切欠正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明による応力波形図である。
【図4】従来構成の概要側面図である。
【図5】従来構成による応力波形図である。
【符号の説明】
1 基板 3 振動板 4 湾曲板 5a,5b 電歪素子層 12 ロードセル 15 電源発生装置 20 歪アンプ 21 基準電圧設定器 22 比較器 p 試験片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湾曲板のすくなくとも一面に電歪素子層を
    配設してなる振動板の、その一端又は両端を基台上に保
    持し、さらに該振動板の湾動面に試料保持部材を取付
    け、試料保持部材上に、該保持部材とで試験片を挟持す
    るロードセルを備え、電歪素子層に所定周波数の交番電
    圧を印加して、該振動板に湾曲振動を生じさせるように
    した繰返し疲労試験装置において、 ロードセルからの最大歪信号値を、あらかじめ設定され
    た所定歪信号値と比較し、これに満たない場合には電歪
    素子層に印加される交番電圧値を上昇させるようにした
    電圧制御手段を備えることを特徴とする繰返し疲労試験
    装置。
JP3222204A 1991-08-06 1991-08-06 繰返し疲労試験装置 Expired - Lifetime JP3032917B2 (ja)

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