JP2001318038A - セラミック圧電素子駆動型材料試験機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験片に高周波振動を付与して疲労試験を行
う際に、その材料に高周波振動を発生させるための試験
機のにおける駆動棒の振動駆動源としてセラミック圧電
素子を使用するセラミック圧電素子駆動型材料試験機。 【解決手段】 試験片の保持具、保持された試験片に振
動圧力を加えて歪を発生させるための駆動棒、試験片に
高周波振動を付与するための駆動棒に設けられたセラミ
ック圧電素子アクチュエータから構成されるセラミック
圧電素子駆動型材料試験機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック圧電素
子によって駆動される材料試験機に関するものである。
即ち、本発明の材料試験機は、試験片に高周波振動圧力
を付与して疲労試験を行う際に、その試験片に振動変位
を付与するための駆動棒の駆動源としてセラミック圧電
素子型アクチュエータを使用するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、試験片の高周波振動疲労試験を行
うためには、試験片に超音波振動を付与する超音波型疲
労試験機、試験片を振動源と共振させることにより振動
を与える共振型疲労試験機、又は試験片に油圧により振
動を与える油圧制御型疲労試験機が使用されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、高周波応答が
可能な超音波型疲労試験機は、数ｋＨｚまでの高周波振
動を付与することが可能であるが、その際に試験片が加
熱されるため、温度制御が困難である。又、共振型、油
圧制御型の疲労試験機では、試験片に付与される高周波
は数百Ｈｚが限界であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のセラミックス圧
電素子型材料試験機は、１０ｋＨｚまでの高周波疲労試
験が可能となるとともに、その試験機は小型化及び微小
試験片の疲労試験が可能となる可能となるものである。

【０００５】本発明の材料試験機は、次の点に着目して
構成されたものである。即ち、セラミックス圧電素子は
力を受けるとそれ自身が歪んで電圧を発生する。この電
圧−歪み応答は１０ｋＨｚ程度まで作動する。そこで、
本発明においては、逆にセラミックス圧電素子に振動電
圧を与え、その素子をある方向に歪み変形させ、その変
形変位を駆動棒に付与して駆動棒を振動させ、その振動
変位を試験片に与えることにより、試験片の材料試験を
行うものである。

【０００６】本発明の材料試験機は、試験片の保持具、
保持された試験片に振動変位を与えるための駆動棒、及
び駆動棒を振動駆動させるためのセラミック圧電素子型
アクチュエータから構成されるものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の材料試験機の構造及び操
作を図１及び図２に基づいて説明すると、１は試験片の
保持具、２は駆動棒、３はセラミック圧電素子型アクチ
ュエータ、４は試験片、５は丸棒、６は駆動棒の支点、
７はアクチュエータと駆動棒との接点、そして８はアク
チュエータ設置台である。この設置台８は、試験片の取
付を行うことができるように矢印の方向に前後に摺動可
能に設けられている。

【０００８】本発明の材料試験機においては、試験片４
の一端は保持具１に固定され、その他端は駆動棒２の切
込み部に挿入される。駆動棒の切込み部内面と試験片外
表面間には試験片への力を一点で加えるために丸棒５が
挿入されている。駆動棒はその支点６を中心にして左右
に駆動可能なものである。

【０００９】この駆動棒を左右に振動駆動させるには、
図３に示されるように、駆動棒の右端に設けられた２つ
のセラミックス圧電素子型アクチュエータ３、３に振動
電圧Ｖを付与して素子に歪み変形を起こさせる。その結
果、図４に示されるように、この圧電素子の歪み変形
（変位）により、駆動棒が支点６を中心に左右に振動駆
動させられる。かかる駆動棒の駆動により、図５に示さ
れるように、試験片が時間の経過とともに振動変位す
る。

【００１０】

【実施例】本発明のセラミックス圧電素子駆動型材料試
験機を試験片の曲げ疲労試験機として使用した。即ち、
図２に示されるように、セラミックス圧電素子型材料試
験機の駆動棒の長さを支点を挟んで１：３のものを使用
し、これにアクチュエータに電圧を付与することによ
り、試験片に加わる力が６００Ｎ（ニュートン）、その
変位の回数が毎秒１０００回（１Ｈｚ）になるように調
整した。

【００１１】この場合、図６に示されるように、駆動棒
の支点を挟んでの長さの比が１：３であるので、駆動棒
に加えられた６００Ｎの力により試験片には２００Ｎの
力が加えられた。又、試験片の変形量は、アクチュエー
タの変位量が４０μｍであったので、試験片には１２０
μｍの変位を生じさせ、図５に示されるような振動が試
験片に発生した。

【００１２】

【発明の効果】本発明の圧電セラミック素子によって駆
動される材料試験機は、１０ｋＨｚまでの高周波疲労試
験が可能となり、又駆動棒を小型にすることができて、
その高速応答における慣性力を低く抑えることが可能と
なるので、本発明の材料試験機を小型化することがで
き、更に微小試験片の機械的試験も可能となるという、
本発明に特有な顕著な効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の材料試験機の正面図である。

【図２】 本発明の材料試験機の側面図である。

【図３】 駆動棒が圧電素子の歪み変形により駆動され
る状態を示す図である。

【図４】 アクチュエータの時間経過による変位を示す
図である。

【図５】 試験片の変位、及びその時間経過にともなう
変位変化を示す図である。

【図６】 駆動棒に付与される力及び変位量を示す図で
ある。

【符号の説明】

１： 保持具 ２： 駆動棒 ３： 圧電素子型セラミックアクチュエータ ４： 試験片 ５： 丸棒 ６： 支点 ７： 接点 ８： アクチュエータ設置台

フロントページの続き (72)発明者 斎藤 滋 茨城県那珂郡東海村白方字白根２番地の４ 日本原子力研究所東海研究所内 (72)発明者 大西 康弘 大阪府大阪市此花区島屋４丁目４番３号 株式会社米倉製作所内 Ｆターム(参考） 2G061 AA20 AB05 BA15 CB01 DA01

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試験片の保持具、保持された試験片に振
   動変位を与えるための駆動棒、及び駆動棒を振動駆動さ
   せるためのセラミック圧電素子型アクチュエータから構
   成される セラミック圧電素子駆動型材料試験機。
2. 【請求項２】 試験片の一端が保持具に固定され、その
   他端が駆動棒の切込み部に挿入され、試験片の他端に駆
   動棒により振動変位が付与される構造の請求項１記載の
   試験機。
3. 【請求項３】 試験片の他端の外表面と駆動棒の切込み
   部の内表面の間に丸棒が挿入されて力点を１点にする請
   求項１又は請求項２記載の試験機。
4. 【請求項４】 駆動棒が支点を中心に左右に振動駆動さ
   れ、その支点間の駆動棒の長さを変えることにより、試
   験片に加わる力及び変位量が調整される請求項１乃至請
   求項３のいずれかに記載の試験機。