JP4275553B2 - 超音波モータの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被駆動体を所定方向に摩擦駆動して移動させる超音波モータの駆動方法に関する。
図6に示すように、2個の超音波振動子111a・111bと、超音波振動子111a・111bを所定の角度(例えば、90度)で保持する保持部材112と、略V字型の形状を有し、その頂点部で被駆動体101と接し、その端部(V字型の開いている方)で超音波振動子111a・111bと接続されたヘッド113と、を備えた共振型の超音波モータ100が知られている(例えば、特許文献1参照)。このヘッド113をバネ等の予圧機構114によって被駆動体101に押圧することにより、移動装置が構成される。
超音波振動子111a・111bはそれぞれ圧電素子115a・115bを備えており、例えば、超音波振動子111a・111bを位相が90度ずれた共振周波数電圧で駆動すると(つまり圧電素子115a・115bに位相が90度ずれた共振周波数電圧を印加すると)、ヘッド113が楕円運動する。
ヘッド113が楕円軌道の上側(被駆動体101側)を通るとき、ヘッド113と被駆動体101との間の摩擦力により被駆動体101が移動する。一方、ヘッド113が楕円軌道の下側を通るときには、予圧機構114の動きはヘッド113の動きに追従できないために、ヘッド113は被駆動体101から離れて実質的に摩擦がなくなり、このため被駆動体101はヘッド113の動きに影響しない。これにより、楕円軌道の上側においてヘッド113が移動する向きに被駆動体101を移動させることができる。
被駆動体101の移動速度は、超音波モータ100の駆動周波数の振動振幅を変える(つまり、駆動電圧値を変える)こと等により、調整することができるが、共振駆動ではヘッド113の慣性によって駆動電圧を切った後にもヘッド113が微少に動くことによって、高い精度(例えば、数十nm)での位置決めは困難である。
特開2000−152671号公報(図1)
このような不都合を解決するために、発明者らは、ヘッド113の慣性を低下させる方法として、超音波モータ100を共振周波数よりも低い周波数で駆動する非共振駆動について検討した。しかし、一般的に、このような非共振駆動の場合には、予圧機構114がヘッド113を押圧する力の変化がヘッド113の運動に追従してしまうために、ヘッド113と被駆動体101とが摩擦により接した状態が保持されてしまい、微小範囲で動くだけで、被駆動体101を移動させることはできない。
そこで、本発明者らは、先に特願2003−144803号において、超音波モータ100を共振周波数よりも低い周波数で非共振駆動し、その際に、超音波モータ100の駆動電圧を急激に小さくすることで、ヘッド113を被駆動体101から滑らせ、それを繰り返すことにより、被駆動体101を移動させる方法を提案した。このような駆動方法によれば、被駆動体101を1回(1波形)あたり数十nm〜数百nmで移動させることができるために、それを繰り返すことにより被駆動体101を所定距離移動させることができ、しかも位置決め精度を高めることができる。
しかしながら、特願2003−144803号で開示した駆動方法では、ヘッド113を滑らせる際に、音が発生してしまうという新たな問題が生じている。このような異音は、例えば、装置が配設される場所の作業環境として好ましいものではない。また、ヘッド113が完全には滑らずに被駆動体101が幾分か戻ってしまう、つまり移動効率の低下が起こるために、移動効率を高めることが望まれる。
本発明はこのような新たな問題を解決するためになされたものであり、異音の発生を抑制し、かつ、被駆動体の移動効率を高めた超音波モータの駆動方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば、被駆動体に当接する摺動部と前記摺動部に所定の変位運動を生じさせる2個の超音波振動部とを有する超音波モータの駆動方法であって、
前記摺動部が前記被駆動体に当接している状態で一方の超音波振動部を伸張させると同時に他方の超音波振動部を収縮させることにより、前記摺動部における前記被駆動体との接触面を所定方向に動かして前記被駆動体を所定方向に摩擦駆動する工程と、
前記収縮している超音波振動部の状態を保持した状態で先に前記伸張している超音波振動部を急激に収縮させ、その後所定時間内に前記収縮している超音波振動部を急激に伸張させることにより、前記摺動部を前記被駆動体から瞬間的に離間させて前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程と、
を有し、
前記被駆動体を所定方向に摩擦駆動する工程と、前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程と、を繰り返すことによって、前記被駆動体を一方向に断続的に移動させ、
前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程の際、前記一方の超音波振動部に印加する電圧を急降下させてから、前記摺動部を予圧する予圧機構が追従不可能な時間範囲内に時間δを設定し、前記時間δが経過した後に前記他方の超音波振動部に印加する電圧を急上昇させることを特徴とする超音波モータの駆動方法、が提供される。
このような駆動方法を実施するために好適に用いられる超音波モータとしては、2個の超音波振動部を所定の角度で保持する保持部材を有し、摺動部は略V字型で、この保持部材を介して被駆動体に押圧されることによって、その頂点部で被駆動体と接し、かつ、その端部で2個の超音波振動部と接続されている構造を有するものが挙げられる。
本発明によれば、超音波モータを非共振駆動または直流駆動する際に、超音波モータの摩擦摺動面を被駆動体に当てた状態で滑らせないので、異音の発生を防止することができ、かつ、被駆動体の戻りを防止することもできる。これによって、被駆動体を静粛に移動させることができる。また、高精度な位置決めが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、超音波モータ10の概略構造を示す断面図である。この超音波モータ10が先に図6に示した超音波モータ100と実質的に同じ構造を有するが、ここで超音波モータ10の構造について改めて詳細に説明することとする。
超音波モータ10は、ランジュバン型の構造を有する2個の超音波振動子11a・11bと、超音波振動子11a・11bを90度の角度で保持する保持部材12と、被駆動体40に接する略V字型の形状を有するヘッド13と、を有している。保持部材12には、保持部材12を介してヘッド13を所定の力で被駆動体40に押し付ける予圧機構14が取り付けられている。なお、被駆動体40はX方向に延在する図示しないガイドに取り付けられており、X方向に移動自在である。
超音波振動子11aは、両端がネジ切りされたボルト21と、ボルト21のネジ溝に嵌合するネジ穴を有する袋ナット22と、ボルト21を通すことができる2枚のリング状の圧電板23a・23bと、ボルト21を通すことができるリング状の電極板24a〜24cとを有している。超音波振動子11bは、超音波振動子11aと同様に、ボルト21′と、袋ナット22′と、2枚のリング状の圧電板23a′・23b′と、リング状の電極板24a′〜24c′とを有している。保持部材12にはボルト21・21′を通すための孔部が設けられている。なお、1個の超音波振動子に設けられる圧電板の枚数は任意であり、2枚に限定されるものではない。
ヘッド13は、被駆動体40に接する当接部13aと、超音波振動子11a・11bと連結される連結部13b・13b′と、当接部13aと連結部13b・13b′とを連結するネック部13c・13c′から構成されており、連結部13b・13b′にはそれぞれボルト21・21′のネジ溝に嵌合するネジ穴が形成されている。
なお、圧電板23a・23bは袋ナット22とヘッド13の連結部13bによって所定の力で締め付けられ、これによってランジュバン型の超音波振動子11aが得られることから、ヘッド13の連結部13bは超音波振動子11aの構成要素でもある。同様に、連結部13b′は超音波振動子11bの構成要素でもある。
図1に示されるように、圧電板23a・23bが電極板24a〜24cに挟まれるように配置し、これら圧電板23a・23bと電極板24a〜24cおよび保持部材12の孔部にボルト21を通し、ボルト21の端部にそれぞれヘッド13と袋ナット22を取り付ける。これによって圧電板23a・23bは所定の力で締め付けられる。このように、超音波モータ10においては、ヘッド13は被駆動体40を摩擦駆動する摺動部であるばかりでなく、圧電板23a・23bを締め付けてランジュバン型振動子を構成する部材としての役割を担っている。勿論、2個のナットで圧電体23a・23bを締め付けて構成されるランジュバン型振動子を準備し、一方のナットをヘッド13の連結部13bにネジ止めや接着剤による接着や溶接等によって取り付けることによって、超音波モータ10と同等の超音波モータを構成してもよい。
圧電板23a・23b・23a′・23b′の表裏面には電極(図示せず)が形成されている。圧電板23a・23bには、PZT系等の圧電セラミックスが好適に用いられる。圧電板23a・23bの分極の向きは、圧電板23a・23bの間に挟まれている電極板24bについて対称となっている。また、電極板24a・24cは互いに電気的に接続されている。したがって、電極板24bと電極板24cとの間に電圧を印加すると、圧電板23a・23bには同じ位相で変位(振動)が生ずる。つまり、圧電板23a・23bがその厚み方向に共に伸び、または、共に縮む。
通常、ボルト21と袋ナット22と保持部材12は金属材料が用いられ、この場合には電極板24a・24cは保持部材12を介して袋ナット22と導通する。このため、保持部材12または超音波振動子11aの袋ナット22を圧電体23a・23bを駆動するための接地電極として用いることができ、このときに超音波振動子11bが具備する圧電板23a′・23b′を駆動するためのアースを同時にとることができる。
超音波振動子11aの圧電板23a・23bを伸縮させ、またこれと同時に超音波振動子11bの圧電板23a′・23b′を伸縮させた際には、ヘッド13のネック部13c・13c′が適度にしなって、超音波振動子11a・11bの変位が当接部13aにおいて合成され、これによって当接部13aが変位する。
ヘッド13には、耐摩耗性に優れる材料、例えば、ステンレスや超硬合金等の金属材料や、アルミナや窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックスが用いられる。ヘッド13が金属製であれば、ヘッド13にボルト21と連結するためのネジ溝を形成することが容易である。ヘッド13が金属製であっても、ヘッド13は電極板24aと導通するために、保持部材12または超音波振動子11a・11bの袋ナット22・22′のいずれかを接地すれば、ヘッド13もまた接地される。なお、ヘッド13を金属材料で作製し、その当接部13aの表面に窒化ケイ素等のコーティングを施すことも好ましい。また、ヘッド13を金属材料で作製し、当接部13aにセラミック部材を配設し、このセラミック部材が実質的に被駆動体40と接するようにしてもよい。
予圧機構14としては、例えば、エアーシリンダや油圧シリンダ、バネ等が用いられる。図1では、予圧機構14としてバネ(スプリングコイル)14aを備えたものを示している。この場合、図1に示すように、バネ14aの全長よりも短い金属棒14bを保持部材12に取り付け、この金属棒14bがバネ14a内を挿通するようにバネ14aを配置し、バネ14aを縮ませて金属棒14bの他端を超音波モータ10を配置するためのフレーム14c等に固定する。これによりバネ14aの縮み量に応じた予圧で、ヘッド13を被駆動体40に押し当てることができる。
次に、超音波モータ10の駆動方法について説明する。例えば、被駆動体40を+Xの方向に高速移動させるためには超音波モータ10を共振駆動することが好ましい。つまり、例えば、超音波振動子11aをV=Vsin2πftの共振周波数で駆動し、この電圧Vと位相が90度ずれた電圧V=Vcos2πftで超音波振動子11bを駆動する。これにより図1に示した状態では、ヘッド13の摩擦摺動面が時計回りに楕円運動し、これによって被駆動体40に推力が与えられ、被駆動体40を+X方向に移動させることができる。
被駆動体40を+Xの方向に高い精度で移動させるためには、超音波モータ10を非共振駆動することが好ましい。図2は超音波振動子11a・11bを非共振駆動するための電圧波形の一例を示す説明図である。ここでは、超音波振動子11aの駆動に鋸波駆動電圧Aを、超音波振動子11bの駆動に鋸波駆動電圧Bを用いることとする。
図3に図2に示した駆動信号で超音波モータ10を非共振駆動させた際のヘッド13の摩擦摺動面の位置の変化を模式的に示す説明図を示す。ここで、図3は図1に示した状態を部分的に示したものであり、図示していないが、超音波振動子11aは−X側に、超音波振動子11bは+X側にそれぞれあるものとする。
図2中の超音波振動子11aに印加する駆動電圧をP点からQ点に向かうように徐々に上昇させている間、超音波振動子11bに印加する駆動電圧をP′点からS点に向かうように徐々に下げる。このとき、超音波振動子11aは収縮した状態から徐々に伸び、一方、超音波振動子11bは伸張した状態から徐々に収縮するために、ヘッド13は図3(a)に示すように、左側から右側へと移動する。このとき予圧機構14はこのヘッド13の動きに追従可能であるから、ヘッド13と被駆動体40との間に働く摩擦力によって、被駆動体40はヘッド13と共に+X方向に移動する。
次に、超音波振動子11aに印加する電圧値がQ点に到達したら、超音波振動子11bの電圧はまだ継続して降下させて、つまり超音波振動子11bをまだ収縮している状態で保持した状態で、超音波振動子11aに印加する電圧値をQ点からR点へ向かうように急激に降下させて、超音波振動子11aを一気に収縮させ、再びR点からP点を通ってQ点へ向かうように徐々に電圧を上昇させる。一方、超音波振動子11aを駆動する電圧を急降下させてから時間δが経過した後に、超音波振動子11bを駆動する電圧を点Sから点Tへ向かうように、急激に上昇させて、超音波振動子11bを一気に伸張させ、再びT点からP′点を通ってS点に向かうように徐々に電圧を降下させる。
時間δを予圧機構14が追従不可能な時間範囲内に設定して、超音波振動子11a・11bをそれぞれ急激に収縮、伸張させることにより、図3(b)に示すように、ヘッド13は、超音波振動子11aの収縮によって被駆動体40から離間し、そのまま超音波振動子11bの伸張によって−X側に移動する。したがって、ヘッド13が−X側に引き戻される際には被駆動体40と離間しているために、ヘッド13と被駆動体40との間で摩擦音(異音)が発生することが防止され、また、被駆動体40が−X側に引き戻されることが防止される。
ヘッド13が−X側に戻った後、超音波振動子11bが徐々に収縮し始めると、予圧機構14が追従するために、先に図3(a)を参照しながら説明したように、ヘッド13は予圧機構14によって被駆動体40に押し当てられた状態で再び−X側から+X側へと変位し、被駆動体40を+X方向に移動させることができる。なお、被駆動体40を−X方向に移動させるためには、超音波振動子11a・11bの駆動電圧を上記説明と逆にすればよいことは言うまでもない。
図4は、図2に示す駆動電圧(時間δ=20μsec)によって超音波モータ10を駆動させたときの駆動時間と被駆動体40の移動距離を示すグラフである。また、図4には時間δをゼロとした場合の被駆動体40の駆動時間と移動距離との関係を示すグラフを並記している。時間δがゼロの場合には、ヘッド13と被駆動体40との間の摩擦による異音が発生し、グラフからも明からなように、被駆動体40の移動距離の減少(つまり、−X側への戻り)が1波形毎に明確に現れていることがわかる。これに対して、時間δがゼロでない場合には、ヘッド13と被駆動体40との間の摩擦による異音は発生せず、また移動距離の減少も殆ど現れていないことが確認された。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、超音波振動子11a・11bの伸縮のタイミングをずらす時間δは、予圧機構の種類や追従時間に応じて、適宜、定められる。また、上記説明においては、2つの超音波振動子11a・11bを略V字型に配置した構造を有する超音波モータ10を取り上げたが、これに限定されるものではなく、被駆動体に接するヘッドに共振駆動によって楕円運動を生じさせる超音波モータであればよい。
その一例として、図5の側面図に示す超音波モータ80が挙げられる。この超音波モータ80は、1枚の矩形の圧電板81と、縦横に分割されるようにして圧電板81の表面に形成された4個の駆動電極82a〜82dと、圧電板81の裏面に設けられた共通電極(図示せず)と、圧電板81の短辺の中心部に設けられ、被駆動体(図示せず)に当接するヘッド83と、ヘッド83を被駆動体40に押し当てるように圧電板81に取り付けられた予圧機構14と、を備えている。
この超音波モータ80では、4つの駆動電極82a〜82dを、たすき掛け接続して2組の電極とする。これにより圧電板81は、それ自体が2つの超音波振動部を有する状態となる。超音波モータ80の共振駆動は、各組の電極に位相が90度ずれた駆動電圧を印加することにより行われ、これによりヘッド83に楕円運動を生じさせることができる。超音波モータ80の非共振駆動は、例えば、先に図2に示した駆動電圧A・Bで行うことができ、これにより、ヘッド83に図3に示したヘッド13と実質的に同じ動きを生じさせることができる。
本発明は、半導体製造装置等に装着されるX−Yステージ装置の駆動に用いられる超音波モータの駆動に好適である。
本発明に係る超音波モータの概略構造を示す断面図。 超音波振動子を非共振駆動するための電圧波形の一例を示す説明図。 図2に示した駆動信号で超音波モータを非共振駆動させた際のヘッドの摩擦摺動面の位置の変化を模式的に示す説明図。 図2に示した駆動電圧によって超音波モータ10を駆動させたときの駆動時間と被駆動体の移動距離を示す説明図。 別の超音波モータの概略構造を示す側面図。 公知の超音波モータの概略構成を示す説明図。
符号の説明
10;超音波モータ
11a・11b;超音波振動子
12;保持部材
13;ヘッド
13a;当接部
13b・13b′;連結部
13c・13c′;ネック部
14;予圧機構
14a;バネ
14b;金属棒
14c;フレーム
21・21′;ボルト
22・22′;袋ナット
23a・23b・23a′・23b′;圧電板
24a〜24c;24a′〜24c′;電極板
40;被駆動体
80;超音波モータ
81;圧電板
82a〜82d;駆動電極
83;ヘッド
100;超音波モータ
101;被駆動体
111a・111b;超音波振動子
112;保持部材
113;ヘッド
114;予圧機構
115a・115b;圧電素子

Claims (2)

  1. 被駆動体に当接する摺動部と前記摺動部に所定の変位運動を生じさせる2個の超音波振動部とを有する超音波モータの駆動方法であって、
    前記摺動部が前記被駆動体に当接している状態で一方の超音波振動部を伸張させると同時に他方の超音波振動部を収縮させることにより、前記摺動部における前記被駆動体との接触面を所定方向に動かして前記被駆動体を所定方向に摩擦駆動する工程と、
    前記収縮している超音波振動部の状態を保持した状態で先に前記伸張している超音波振動部を急激に収縮させ、その後所定時間内に前記収縮している超音波振動部を急激に伸張させることにより、前記摺動部を前記被駆動体から瞬間的に離間させて前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程と、
    を有し、
    前記被駆動体を所定方向に摩擦駆動する工程と、前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程と、を繰り返すことによって、前記被駆動体を一方向に断続的に移動させ、
    前記摺動部を前記被駆動体の移動方向と逆の方向に引き戻す工程の際、前記一方の超音波振動部に印加する電圧を急降下させてから、前記摺動部を予圧する予圧機構が追従不可能な時間範囲内に時間δを設定し、前記時間δが経過した後に前記他方の超音波振動部に印加する電圧を急上昇させることを特徴とする超音波モータの駆動方法。
  2. 前記超音波モータは前記2個の超音波振動部を所定の角度で保持する保持部材を有し、
    前記摺動部は略V字型で、前記保持部材を介して前記被駆動体に押圧されることによって、その頂点部で前記被駆動体と接し、かつ、その端部で前記2個の超音波振動部と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータの駆動方法。
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