JP2547052B2

JP2547052B2 - 繰返し疲労試験装置

Info

Publication number: JP2547052B2
Application number: JP62334778A
Authority: JP
Inventors: 寛二大矢; 幸治小倉
Original assignee: NGK Spark Plug Co Ltd
Current assignee: Niterra Co Ltd
Priority date: 1987-12-28
Filing date: 1987-12-28
Publication date: 1996-10-23
Anticipated expiration: 2011-10-23
Also published as: JPH01173850A

Description

【発明の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本発明は、セラミック試料等の強度を検査するための
繰返し疲労試験装置に関する。

＜従来技術＞セラミック試料等の繰返し疲労試験には、その片面を
二点で保持し、他面はその中心を保持して、一面側から
動荷重を与える三点曲げ試験によって該試料の曲げ疲労
度を計測する手段等がある。

従来、この繰返し疲労試験装置にあって、衝撃源とし
てピストン，シリンダー等の機械的直線往復駆動機構を
用い、試料の一面側から動荷重を付与するようにしてい
た。

ところで、かかる従来構成にあっては、その駆動力の
調整及び変更が面倒であるとともに、高い周波数の駆動
力を生じさせることができず、しかも大きな駆動音を発
生し、さらには機械的摩擦により損耗が激しく、試験条
件を一定に保ちがたい等の欠点があった。

そこで、湾曲板のすくなくとも一面に電歪素子層を配
設してなる振動板の、その一端又は両端を基台上に支持
し、さらに該振動板の湾動面に試料保持部材を取付け、
試料保持部材上に、該保持部材とで試験片を挟持する試
料押圧端を備えたものが提案された（特願昭62−250208
号）。

かかる構成にあって、電歪素子層の表裏面電極に所定
周波数の交番電圧を印加すると、湾曲板に湾曲振動を生
ずる。そしてこれにともない、振動板の湾曲面に支持さ
れている試料保持部材が振動する。このため、試料の一
面を前記保持部材に支持され、他面を試料押圧端で保持
された試験片は、試料保持部材の前記振動によって、所
定周波数に基く正弦波もしくはパルス波の動荷重が印加
され、遂には破損に至る。このとき、破損に至る速度及
び動荷重の周波数を計測することにより、試料の強度を
検出することができる。

従って、この構成は、電歪素子層への交番印加電圧を
適宜に選定することにより、その繰返し応力や、周期を
調整することができて、多様な試験条件を随意に設定す
ることができ、しかも、機械的直線往復駆動機構により
動荷重を与える従来手段と異なり、騒音の発生や、機械
的摩擦による損耗が少なく、同一の試験条件を維持する
ことが容易となる利点を有する。

＜発明が解決しようとする課題＞かかる構成にあって、湾曲板の両端を直接基台上に支
持する場合に、この支持は、振動の節位置で完全な点支
持をすることが望ましいが、実際には、所要の支持強度
を達成するために、点支持することは不可能であるか
ら、該湾曲板はその端部周囲で、湾曲不能に面保持され
ることとなる。ところが、湾曲板は、上面に試験片を乗
載し、かつ上方からロードセルで押圧されるため所定の
保持力を要すると共に、共振周波数が所定範囲に納める
ためには、一定以上の剛性を要求される。このため、そ
の剛性により、上述の様に支持部が面保持されている
と、この支持部で振動が阻害され、振幅の低減を生ず
る。

本発明は、かかる技術的課題を解決することを目的と
するものである。

＜問題点を解決するための手段＞本発明は、湾曲板よりも剛性が低い板ばねの一端を、
前記湾曲板の支持端に連結し、該板ばねの他端を基台上
に支持したことを特徴とするものである。

＜作用＞湾曲板の支持端は板ばねを介して基台上に支持されて
いる。このため、該板ばねは、湾曲板よりも剛性が低い
から、無理なく湾動する。従って、基台に対して該板ば
ねの外端が面支持されていても、その撓みにより湾屈
し、支持部による振動板の振動阻害を可及的に阻止する
ことができることとなる。

＜実施例＞第１〜３図について本発明の一実施例を説明する。

１は下面に軟質ゴム，スポンジ，金属バネ等の弾性支
持材２を配設した基台であって、据付面に対して半浮動
状に固定されている。この基台１上には衝撃源となるバ
イモルフ構造の振動板３が、その両端を支持されてい
る。

前記振動板３は、第３図に示すように、矩形状の湾曲
板４の上下面に表裏を電極に備えた電歪素子層5a,5bが
配設されてなる。この電歪素子層5a,5bは逆方向に分極
し、その外側電極を交流電源23に接続し、かつ前記内側
電極を湾曲板４を介してアース接続して、その電圧印加
により、一方が伸張すると、他方が収縮するように配線
される。

次に、前記振動板３の基台１に対する支持手段につい
て説明する。

前記湾曲板４の両角には、夫々連結孔６が穿設されて
おり、その両端下面に、湾曲板４よりも剛性の小さな板
ばね8,8の一端を当てて、板ばね8,8の角部に形成した連
結孔10と湾曲板４の連結孔６とに連結ボルト９を挿通し
て固定する。

また、前記板ばね8,8の他端側の連結孔10には、振動
板３の所要位置で、上下に座金12a,12bを介装して、支
持ボルト14が挿通され、基台１に螺合される。前記座金
12a,12bには夫々前後方向の長孔13が形成されている。
このため、該座金12a,12bを前後に移動させることが可
能となり、その保持位置によって、板ばね8,8の湾曲基
端ｏを変化させ、該板ばね8,8の剛性を変化させ、振動
板３がもっとも効率よく湾曲する様にその位置を定める
ことができる。而して、かかる支持手段により板ばね8,
8の外端は、支持ボルト14によって基台１上に固定され
る。また板ばね8,8の外端縁において、支持ボルト14,14
曲で重錘15,15が脱着可能に保持される。

前記板ばね8,8の外端部の固定は、ピボット軸受等の
挟持手段により、固定する様にしても良い。

前記振動板３の中腹の湾動面上には、第３図に示すよ
うに、上部に幅方向に位置する二箇所の支持端18,18を
備えた試料保持部材17が設けられる。また前記振動板３
の上方には、昇降体20に支持されたロードセル21が配設
され、該ロードセル21の下端には、試料保持部材17の支
持端18,18の間に位置して試験片ｐの上面に当接する試
料押圧端22が設けられている。

前記構成の作動について説明する。

試験片ｐを前記試料保持部材17の支持端18,18上に乗
載し、昇降体20を適正位置まで下降して、該支持端18,1
8間で試験片ｐ上に押圧端22を当接し、三点支持する。
この時、昇降体20が適正位置よりも僅かに降下し過ぎた
場合には、基台１の下面に配した弾性支持材２が圧縮
し、振動板3,基台１が下方に変位するので試験片ｐは折
損することなく、常に一定の押圧力で保持される。

次に、電歪素子層5a,5bに交流電源23からパルス波，
正弦波，三角波などの交流波を有する所定周波数の交番
電圧を印加する。

これにより、電歪素子層5a,5bに歪を生じ、板ばね8,8
の外端を座金12a,12b間で挟持されて、基台１上に保持
された振動板３は、該支持位置間で湾曲振動する。この
振動にあって、前記湾曲板４の両端には重錘23,23が保
持されているため、その慣性力により、前記振巾が大き
なものとなる。そして、試験片ｐは、該湾曲振動に伴う
支持端18,18の昇降移動によって、その両側を下方から
押付けられ、押圧端22を中心として湾曲歪を周期的に付
与され、この動荷重により疲労し、遂には破損に至るこ
ととなる。

而して、かかる破損に至る、時間，印加電圧，パルス
数等を計測することにより、該試験片ｐの抗折力等の強
度を計測することが可能となる。

かかる振動板３の湾曲振動において、湾曲板４は板ば
ね8,8を介して基台１に支持されている。このため、該
板ばね8,8の外端が座金12a,12b間で挟持され、面支持さ
れていても、板ばね8,8は湾曲基端ｏを中心として撓
み、これにより、振動板３の振動を阻害することが無
い。また、長孔13に沿って、上述の様に座金12a,12bの
位置を前後に移動することにより、振動板３を最も効率
よく湾動させる様に位置決めすることができることとな
る。

第4,5図は、本発明の第二実施例を示す。

この構成にあっては、湾曲板４の上下面に電歪素子層
5a,5bが配設されてなる上記と同様の振動板３が用いら
れ、その一方縁のみに、板ばね８の一端が連結され、か
つ該板ばね８の他端をボルト30によって片持状に支持し
ている。また湾曲板４の他辺には、重錘31が固定されて
いる。

前記振動板３の中腹の湾動面上には、上部に幅方向に
位置する二箇所の支持端18,18を備えた試料保持部材17
が設けられ、その上方には、押圧端22を下面に備えるロ
ードセル21が配設される。

前記構成にあって、試験片ｐを支持端18,18上に乗載
して、該支持端18,18間の上面を押圧端22に当接するよ
うにしてから、電歪素子層5a,5bの表裏面電極に交番電
圧を印加すると、電歪素子層5a,5bに歪を生じ、振動板
３は、その他片を重錘６の慣性力によって保持されて、
湾曲振動を生ずる。そして試験片ｐは、支持端18,18に
両側を押圧され、該押圧端22を支点として、印加周波数
に対応した湾曲歪振動を生じ、遂には破損することとな
る。

そして、このとき板ばね８の湾曲により、その支持位
置での拘束を吸収でき、振動板３は湾曲板４の剛性によ
る振動阻害から開放され得る。前記実施例にあっても、
第一実施例と同様に、長孔13を有する座金12a,12bを適
用し、板ばね８の支持位置を変更し得る様にしても良
い。

その他、本発明は三点曲げ試験に特に有用であるが、
試験片ｐの全周囲を支持縁で保持して、該試験片ｐの中
心に押圧端を当接する等の支援態様にも適合し得る。

＜発明の効果＞本発明は、上述のように、基台と振動板との支持を板
ばねを介して施す様にしたから、その支持位置での拘束
が板ばねの撓みにより開放され、従来の様に湾曲板の剛
性による、支持部による振動阻害が無く、このため、振
動板の良好な振幅を得ることができ、試験片ｐに適正な
動荷重を付与することができる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本発明の第一実施例を示し、第１図は一部
切欠正面図、第２図は同側面図、第３図は振動板3,板ば
ね８及び座金12a,12bの分離斜視図、第4,5図は第二実施
例を示し、第４図は一部切欠正面図、第５図は試料保持
部材17等の縦断側面図である。 1;基台、3;振動板、4;湾曲板、5a,5b;電歪素子層、8,8;
板ばね、12a,12b;座金、13;長孔、14;支持ボルト、17;
試料保持部材、18,18;支持端、22;押圧端、21;ロードセ
ル、p;試験片

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】湾曲板のすくなくとも一面に電歪素子層を
配設してなる振動板の、その一端又は両端を基台上に支
持し、さらに該振動板の湾曲面に試料保持部材を取付
け、試料保持部材上に、該保持部材とで試験片を挟持す
る試料押圧端を備えたものにおいて、湾曲板よりも剛性が低い板ばねの一端を、前記湾曲板の
支持端に連結し、該板ばねの他端を基台上に支持したこ
とを特徴とする繰返し疲労試験装置。
【請求項２】振動板の両端部を支持し、さらにその両端
縁に重りを固定したことを特徴とする特許請求の範囲第
１項記載の繰返し疲労試験装置。
【請求項３】振動板の一端を保持し、かつ他端に重りを
固定したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
繰返し疲労試験装置。