JP3032782B2 - 易開封性容器及び該容器に用いる蓋 - Google Patents

易開封性容器及び該容器に用いる蓋

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JP3032782B2 JP63063683A JP6368388A JP3032782B2 JP 3032782 B2 JP3032782 B2 JP 3032782B2 JP 63063683 A JP63063683 A JP 63063683A JP 6368388 A JP6368388 A JP 6368388A JP 3032782 B2 JP3032782 B2 JP 3032782B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品、薬品、化粧剤等を収納・包装するため
の密封性及び開封性に優れた易開封性容器とこれに用い
られる蓋に関する。
〔従来の技術〕
密封性が高く、開封性が容易な包装容器は食品類(レ
トルト食品)の包装をはじめ、医薬品、農薬など多くの
分野で望まれている。出願人は先に、従来のように蓋材
をヒートシール部から剥離開封するのではなく、ヒート
シールをより強くして密封性を向上させるとともに、剥
離を適度な層間接着をもたせた多層容器本体の層間で行
う易開封性の多層容器を提案したが(特開昭63−78号公
報、特開昭63−25037号公報)、弱め線、切り込みなど
多層容器の層間剥離時に剥離層の切断を行うための加工
が必要であり、またシール時のシール位置のズレにより
性能が異なったり、単層容器、ブロー成形容器など任意
の容器への応用ができないといった問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、耐圧密封性で、かつ開封性が良好であり、
しかも構造が簡単で、熱成形容器以外の各種の容器にも
適用できる応用範囲の広い易開封性容器とこれに用いら
れる蓋を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は容器開口周縁部と蓋材と少なくとも2層から
なる接合層とを接着してなる包装容器であって、接合層
同士の層間接着力を蓋材開封時に剥離が容易な大きさの
接着力とし、容器開口周縁部と接合層の層間接着力及び
接合層と蓋材の層間接着力を剥離が困難な大きさの接着
力とするとともに、接合層と蓋材の層間に接合層の内側
端より0.5〜10mmの幅の環状の非接着部を設けたことを
特徴とする易開封性包装容器を提供するものであり、本
発明はまた、蓋材と少なくとも2層からなる接合層とを
接着してなる蓋であって、接合層同士の層間接着力を蓋
材開封時に剥離が容易な大きさの接着力とし、接合層と
蓋材の層間接着力を剥離が困難な大きさの接着力とする
とともに、接合層と蓋材の層間に内側端より0.5〜10mm
の幅の環状の非接着部を設け、かつ接合層を容器開口周
縁部に固定できるようにしたことを特徴とする易開封性
蓋を提供するものである。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。第1
図は本発明の易開封性容器の一実施態様を示す正面図
で、一部を断面図で示したものである。第2(a)図、
第2(b)図、第2(c)図は第1図の蓋と容器フラン
ジの接着状態を示す部分断面図で、第2(a)図は蓋を
密封したところを示し、第2(b)図は密封した容器に
内圧がかかっているところを示し、、第2(c)図は容
器を開封しているところを示している。
第2(a)図において、1は容器開口周縁部(フラン
ジ)、2は蓋材、3、4は容器フランジと蓋材の接合層
で、5はつかみ部である。容器フランジと蓋材と接合層
は容器内に内容物を充填後接着して密封されている。
第2(a)図のものは、層3と層4の間が剥離可能に
接着され、層2と層3の間が内側よりtの幅を残して強
接着され、フランジ1と層4の間がほぼ全面にわたって
強接着されているが、3つの層間の層間接着力がこのよ
うな関係をもっているのであれば、剥離可能に接着され
る層間はいずれの層間であってもよい。また、強接着さ
れる層間、非接着部を有する層間についても同様であ
る。
本発明において用いられる容器本体の材質としては、
特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル、あるいはこれら
の混合物、あるいはこれらに熱可塑性エラストマー、各
種添加剤、又は無機充填剤を5〜70重量%混合した樹
脂、金属、紙などがある。
本発明の容器本体には、ガスバリヤー性の向上や、容
器とした場合の変形を少なくする目的で、さらに他の材
料からなる層を積層した2層以上の多層材料を用いても
よい。他の材料からなる層としては、例えばエチレン−
ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ナイ
ロン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂層やアル
ミ蒸着層、アルミ箔、アルミニウム、鉄、銅などのガス
バリヤー性に優れたものが挙げられる。これら他の材料
からなる層は、1層のみでもよいし、2層以上からなる
多層体であってもよく、また、無機充填剤10〜80重量%
を含有する樹脂層であってもよい。さらに金属、紙など
との複合材料であってもよい。
樹脂層の容器本体は、前記した樹脂を用いて得られた
プラスチックシート、共押出多層シートあるいはラミネ
ートシートを、真空成形、圧空成形、プレス成形、など
により成形したり、射出成形、射出ブロー成形、ブロー
成形などによって成形したりすることによって得ること
ができる。さらに、紙などの容器の内側に多層フィルム
を熱成形することによっても得ることができる。
ラミネート加工としては、例えばエキストルージョン
ラミネート、ホットメルトラミネート、ドライラミネー
ト、ウエットラミネートなどの方法を用いることができ
る。
また、紙、金属あるいはこれらと樹脂との複合容器は
プレス成形、接着、巻締などにより容器本体に成形して
得ることができる。
本発明において用いられる蓋材はポリプロピレン、無
機充填剤を20〜80重量%含有するポリオレフィン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−
ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリアミド樹脂などのプラスチックの単層フィルム、ま
たはこれらのプラスチックの多層フィルム、紙、アルミ
箔、アルミニウム、鉄、銅または、これらの複合材料等
が挙げられる。
本発明においては上記したような容器の開口周縁部と
蓋材とを少なくとも2層からなる開口周縁部と略同一形
状の接合層を介して接着して内容物を密封する。そして
これらによって形成される3つの層間の接着力、すなわ
ち、容器開口周縁部と接合層の層間接着力、接合層同士
の層間接着力、接合層と蓋材の層間接着力を各層の材
質、形成方法を適宜選定して、接合層同士の層間接着力
を蓋材開封時に剥離が容易な大きさの接着力とし、容器
開口周縁部と接合層の層間接着力及び接合層と蓋材の層
間接着力を剥離が困難な大きさの接着力とするととも
に、接合層と蓋材の層間に接合層の内側端より0.5〜10m
m、さらに好ましくは0.5〜5mmの幅tを有する環状の非
接着部6を設ける。非接着部を設けることにより、蓋材
に内圧がかかった場合、第2(b)図に示すように非接
着部の外側端のA点に応力が集中し、剥離可能な層間か
らの剥離が内側から起こり難くして容器の密封性がよく
なるようにしている。包装容器の開封を行う場合には第
2(c)図に示すようにつかみ部5を持ち上げることに
より剥離可能な層間からの剥離が生じ容易に開封するこ
とができる。
本発明の接合層においては、2層からなる接合層にさ
らに別の層を設けることも可能である。
次に、第2(a)〜(c)図のように、接合層の二つ
の層間の接着力を剥離が容易な大きさの接着力とした場
合の接合層の材質は、共押出樹脂層間の層間剥離を利用
したもの、粘着剤の剥離を利用したものさらには適度な
接着力を有する接着剤の剥離を利用したもの等がある。
前者の例として、接合層の片側の層を高密度ポリエチ
レン樹脂層とし、他方の層をポリプロピレン系樹脂とポ
リエチレン系樹脂との樹脂混合物層とし、これらを共押
出しして接合層としたものが挙げられる。
高密度ポリエチレン樹脂層に用いられる高密度ポリエ
チレン樹脂としては、エチレン単独重合体のほかに、プ
ロピレンや、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブ
テン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィ
ンとの共重合体などが挙げられる。この共重合体におい
ては、共重合モノマーの割合は10モル%以下のものが好
ましい。この高密度ポリエチレン樹脂は、密度が0.940
〜0.975g/cm3の範囲にあるものが好ましく、また、密度
や分子量分布の異なるものの混合物であってもよい。
樹脂混合物層に用いられるポリプロピレン系樹脂とし
ては、高結晶性のプロピレン単独重合体のほかに、エチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−
1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンとの
ランダム共重合体や、これらの混合物などが挙げられ
る。ランダム共重合体としては、多段重合で得られるホ
モプロピレンとの混合物を含む。前記共重合体において
は、共重合モノマーの割合が10モル%以下のものが好ま
しい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、メルト
インデックスが0.1〜20の範囲にあるものが好適であ
る。また、該樹脂混合物層に用いられるポリエチレン系
樹脂としては、低密度(高圧法低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレンなど)、中密度および高密度ポ
リエチレンのいずれも使用することができ、また、エチ
レン単独重合体のほかに、プロピレンや、ブテン−1、
ペンテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペン
テン−1などのα−オレフィンまたは酢酸ビニルとの共
重合体、あるいはこれらの混合物なども使用することが
できる。前記共重合体においては、共重合モノマーの割
合は10モル%以下のものが好ましい。また、これらのポ
リエチレン系樹脂は、メルトインデックスが0.02〜50の
範囲にあり、かつ密度が0.900〜0.975g/cm3の範囲にあ
るものが好適である。
前記のポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と
の割合は、好ましくは重量基準で50:50ないし97:3、さ
らに好ましくは60:40ないし95:5の範囲で選ばれる。
さらに、この樹脂混合物には、所望に応じ、その相溶
性を改善するために第3の樹脂成分を配合することがで
きる。このような第3樹脂成分としては、例えば、不飽
和カルボン酸またはその誘導体により変性された変性ポ
リオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリレート共重合体、エチレン−プロピレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン系ゴム、ポリイ
ソプレン系ゴム、アタクチックポリ−4−メチルペンテ
ン−1、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−フダジエンゴム、イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で
用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの第3成分はポリプロピレン系樹脂100重量部あ
たり、30重量部以下の量で用いることが好ましい。
後者の例としては、接合層の片側の層を低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ポリ
プロピレン;密度0.86〜0.96のエチレン−α−オレフィ
ン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体の亜鉛、ナトリウム、カル
シウム塩等の金属塩(アイオノマー樹脂)などのエチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体;等からなる容器開口周
縁部及び蓋材と易ヒートシール性を有する樹脂層とし、
もう一方の側の層として天然ゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、ネオプレンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレ
ン、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルエーテルなどの樹脂にクマロン樹脂、テルペン系樹
脂、石油系炭化水素樹脂(合成ポリテルペン樹脂、芳香
族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、不飽和炭化
水素系炭化水素樹脂、ポリブテン樹脂、液状ゴム等)若
しくはロジン系樹脂等の一般樹脂に粘着付与剤を配合し
た粘着剤層を用いたものが挙げられる。
本発明の蓋は、請求項1記載の易開封性容器から容器
部分を取り去ったもので、接合層が容器開口周縁部に固
定できるような構造となっている。
第3(a)図はこの蓋の平面図で、第3(b)図は蓋
の断面図である。層構成は第2(a)図のものと同様で
ある。第4図はつかみ部が蓋材と別体となっている例の
断面図である。
第5図は本発明の易開封性容器及び蓋の他の態様を示
す断面図で、第5図は接合層が容器フランジにあらかじ
め形成されていて、これに蓋材を非接着部を設けてヒー
トシールなどで強接着して包装容器とする場合を示す断
面図である。
本発明の容器は、密封性に優れ、酸化、変色、細菌の
侵入を防止でき、防湿性、防乾性、防香性、防錆性に優
れていることから、食品、薬品類、薬包紙包装物、テー
プ、消毒ガーゼ、農薬、医療器具、機械部品の包装等に
好適に用いられる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。
第2図において、 5:ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、出光ポリ
プロ E100G) 80重量% 低密度ポリエチレン(東洋曹達工業(株)製、ペト
ロセン172) 20重量% 3:同上 4:高密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、出光
ポリエチレン540B) 層厚み5/3/4=200μ/150μ/50μになるように、3、
4層からなる共押出シートを内径50mmφの環状に打抜
き、t=2mmとなるようにシート5に熱融着して蓋を製
造した。
次いで、ブロー成形で得られた高密度ポリエチレン製
容器(0.5)に水を充填した後、この蓋を容器フラン
ジ部へ上下より加熱して接着して密封包装容器を得た。
〔発明の効果〕
本発明の容器及び蓋は開封性に優れており、また耐圧
性、密封性に優れている。また、容器としてトレー、カ
ップ、ビンなど多様な容器に適用が可能であり、蓋を規
格化することができる。
さらに特殊な加工を必要とせず、生産性にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の易開封性封容器の一実施態様の正面図
で一部を断面図として示してある。第2(a)、第2
(b)、第2(c)図は第1図の蓋と容器フランジの接
着状態を示す断面図であり、第3(a)図は蓋の一実施
態様の平面図、第3(b)図はその断面図、第4図は蓋
の他の実施態様の断面図、第5図は容器の他の実施態様
の断面図である。 符号の説明 1……容器フランジ、2……蓋材 3……接合層、4……接合層 5……つかみ部、6……非接着部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−44467(JP,A) 特開 昭63−44470(JP,A) 実開 昭63−70962(JP,U) 実開 昭55−90527(JP,U) 実開 昭59−83779(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 77/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器開口周縁部と蓋材と少なくとも2層か
    らなる接合層とを接着してなる包装容器であって、接合
    層同士の層間接着力を蓋材開封時に剥離が容易な大きさ
    の接着力とし、容器開口周縁部と接合層の層間接着力及
    び接合層と蓋材の層間接着力を剥離が困難な大きさの接
    着力とするとともに、接合層と蓋材の層間に接合層の内
    側端より0.5〜10mmの幅の環状の非接着部を設けたこと
    を特徴とする易開封性包装容器。
  2. 【請求項2】蓋材と少なくとも2層からなる接合層とを
    接着してなる蓋であって、接合層同士の層間接着力を蓋
    材開封時に剥離が容易な大きさの接着力とし、接合層と
    蓋材の層間接着力を剥離が困難な大きさの接着力とする
    とともに、接合層と蓋材の層間に内側端より0.5〜10mm
    の幅の環状の非接着部を設け、かつ接合層を容器開口周
    縁部に固定できるようにしたことを特徴とする易開封性
    蓋。
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