JP3032660U - 包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雑菌の多い環境下において、多種にわたる菌
に対してこれらが中へ侵入しても、その繁殖を抑制し、
かつ静電気の発生を抑え表面にチリ、ホコリを寄せ付け
にくくし、さらには用途状況によっては防虫、防ダニが
可能となる。 【構成】 接着剤層の間に静電誘導防止機能膜を形成
し、用途に応じて積層したフィルムにおいて、内面フィ
ルムもしくは外面フィルムに多種にわたる菌に対して、
抗菌効果のある防カビ剤チアゾリルスルアミド化合物を
練り込み、もしくは表面への塗布あるいはラミネ−ト接
着剤層に混入したフィルム構成の包装袋

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカビや雑菌の発生を抑制することが要求され、かつ静電気の発生を嫌 う用途、例えば乾燥食品の包装袋、レトルト処理の必要な加工食品の包装袋等と いった用途、或いは病院等の雑菌の多い場所や湿気の多い場所において、衣類、 タオル等を収納する場合や緊急用の備蓄毛布やシーツ、布団などの保存時などに 好適に用いることのできる包装袋に関する

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば乾燥食品やレトルト食品用包装袋において、防カビ機能及び静電 気防止機能を同時に備えたものは見当たらなかった。また、病院内で使用される 保管袋においてＭＲＳＡ（メチシリン レジスタント スタフィロコッカスオー レ）の耐性黄色ブドウ球菌など院内感染の防ぐためのさまざまな開発は行われて いるが、その他の菌に対して高い抗菌性を有し、さらに誘導帯電防止機能を有す る保管袋はまだ実用化されていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

通常、防カビ機能及び静電気発生防止機能を備えていない袋は以下のような欠 点があつた。商品を包装したり、収納物を出し入れする場合、内部に様々な菌が 侵入することを避けることは不可能で、特に菌が付着していると袋の内部で、菌 が繁殖し、カビの発生は避けれない状況となっていた。また、出し入れする際に は静電気が発生し、このためほこり等が引き寄せられ、乾燥食品やレトルト食品 の充填時の作業障害となっていた。また、湿気の多い場所等においては、害虫や ダニの発生も不可避だった。さらに多くの場合において、一部の菌に対して有効 な抗菌剤を使用しているため、効力の及ばない菌の繁殖は避けれなかった。

【０００４】 本考案は上記のような欠点を鑑みてなされたもので、多種類の菌に対してその 繁殖を抑制し、かつ、静電気の発生を抑える構成であって、また状況、用途によ っては防虫、防ダニ剤をさらに付加するにより、害虫やダニを忌避することが可 能な包装袋を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するために、内面フィルムと外面フィルムとを接着剤 層によりラミネートされる積層フィルムにおいて、ラミネート用接着剤の間に静 電誘導防止機能膜を形成し、使用する用途に応じて、積層したフィルム袋の構成 の内面フィルムもしくは外面フィルムに多種にわたる菌に対して抗菌効果のある 防かび剤チアゾリルスルファミド化合物を練り込みもしくは表面に塗布したり、 あるいはラミネート接着剤層に混入した積層フィルム構成とする。また必要に応 じて防虫、防ダニ効果、ガスバリアー性、防湿効果を付加した樹脂フィルムを使 用した。

【０００６】

【作用】

上記の構成によれば、乾燥食品包装時、かびの発生しやすい状況下においても かびの発生は抑制され、また、充填時において静電気の発生が防止される。また 、例えば、半生菓子のような食品においても、かび、菌の発生を防ぐ包装を容易 に達成することができる。さらに、病院等においては、菌、例えば黄色ブドウ球 菌や大腸菌等の雑菌が多数存在する環境下における物の保管に有効に働き、雑菌 やかびの繁殖を抑制する事ができる。また、防虫、防ダニの効果を有し内容物の 保存効果にすぐれる。さらに静電誘導防止を形成する層を接着剤層の間に使用し たことによりホコリ、チリを寄せ付けにくくなる。

【０００７】

【考案の実施例】

以下、本案の実施例について図面に基づいて説明する。 実施例１ 図１は本考案の実施例１である包装袋のフィルム構成断面図で、１は内面ポリ エチレン樹脂フィルム、２は外面フィルム、３は接着剤層である。本実施例にお いて袋の内面ポリエチレン樹脂フィルム１には防カビ剤４としてチアゾリルスル ファミド化合物（例えば株式会社センカワ製「Ｋ．Ｂ．９」）が練り込まれてお り、本実施例においては外面フィルム素材としてＫナイロン樹脂フィルムを用い 、接着剤層３には静電誘導防止機能膜を形成する接着性静電防止コーティング剤 ３ａ（例えばアルテック株式会社製「ボンディップ」）とラミネート接着剤３ｂ が使用され製袋されている。外面の樹脂は使用環境状況等により例えばＥＶＡ樹 脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の樹脂フィルムを 選択することができる。

【０００８】 本実施例で使用された防かび剤はチアゾリルスルファミド化合物を有効主成分 とする複合合成薬剤のため耐性菌ができにくいという特色と幅広い防かび力、抗 菌力を有し、バリア層に基づく防かび力、抗菌力により効能が安定するという特 色がある。

【０００９】 本実施例による用途としては、乾燥食品類（例えば乾燥野菜、鰹節、乾燥チリ メンジャコなど）の包装袋として、半生食品類（例えばパン、生菓子類など）、 静電気が発生しやすくかつ衛生管理が厳しい粉状食品や薬品類の包装袋などに好 適に用いることができる

【００１０】 実施例２ 図２は本考案の実施例２の包装袋のフィルム構成断面図で、図１の実施例１に さらに防虫、防ダニ忌避剤を付加したフィルム構成である。袋の内面ポリエチレ ン樹脂フィルム１には防カビ剤４に加えて防虫、防ダニ忌避剤５（例えば大日本 インキ化学工業株式会社製「アメナイト」）がさらに練り込まれている。本実施 例においては外面フィルム２素材としてガスバリアー性を有する素材、例えばナ イロン樹脂フィルムを用い、接着剤層３には静電誘導防止機能膜を形成する接着 性静電防止コーティング剤３ａ（例えばアルテック株式会社製「ボンディップ」 ）とラミネート接着剤３ｂを使用して、積層フィルムとされ製袋されたものであ る。

【００１１】 本実施例では防虫、防ダニ効果のある素材を内面フィルムに練り込んでいるの で湿気の多い場所でのこれらの発生を抑制することができ、保管にも適する。さ らに抗菌効果のある防カビ剤と防虫、防ダニ効果のある素材を同時に使用したこ とにより相乗効果で個々の性能が上がる。

【００１２】 本実施例による用途としては布団、毛布、衣料等の長期保存用や旅行時の携行 袋や汚れ物用袋に好適に用いることができる。

【００１３】 本実施例で使用される静電防止接着剤は静電遮蔽に基づく静電帯電防止機能に おける静電発生を防止するといった特徴を有する。つまり、フィルムの片側がこ すれても反対面には静電気が発生せず、ほこり、ちり等を吸着しない。このため 例えば病院内で、患者用の個人的な保管袋として使用した場合、収納物の出し入 れをしても静電気が発生せず、そのため、ほこりをよせつけず衛生的に保管でき る。

【００１４】 実施例３ 図３は本考案の実施例３の包装袋のフィルム構成断面図で、図２の実施例２の 外面フィルムに練り込んだ防カビ剤４をメジウムに混入して外面フィルム２の表 面に塗布した例である。フィルム樹脂に練り込みが困難な場合、容易に目的を達 成する方法として使用できる。用途としては実施例２と同じである。

【００１５】 実施例４、実施例５ 図４は実施例４の、図５は実施例５の包装袋のフィルム構成断面図で、それぞ れ実施例１、実施例２における内面フィルムにおいて混入した防カビ剤４を接着 層３におけるラミネート接着剤３ｂに混入したことを特徴とし、これにもう一層 接着性静電防止コーティング剤３ａ層が形成された積層フィルムの断面を示した ものである。

【００１６】 本実施例の用途としては、実施例１、実施例２の用途と同様であるが、上記実 施例に比べ、比較的長期に亘って使用する場合において、効果的に用いることが できる。

【００１７】 実施例６ 図６は本考案の実施例６の包装袋のフィルム構成断面図で、外面フィルム２に 防カビ剤４を練り込み、内面ポリエチレン樹脂層１と接着性静電防止コーティン グ剤３ａ、ラミネート接着剤３ｂを用いてラミネートした積層フィルムの断面図 を示した。

【００１８】 本実施例の用途としては畜冷剤用の包装袋、生け花用の包装、厨房用や押し入 れシート用等に好適に使用することができる。

【００１９】 実施例７ 図７は本考案の実施例７の包装袋のフィルム構成断面図で、図６の実施例６に おける外面フィルム２に混入した防カビ剤４をメジウムに混入して外面フィルム ２の表面に塗布した例である。フィルム樹脂に練り込みが困難な場合、容易に目 的を達成する方法として使用できる。用途は実施例６と同様である。

【００２０】 また実施例１から７において外層内層フィルムに防湿性フィルムを使用して構 成される積層フィルムとした場合、湿気による接着剤の接着力低下に伴うラミネ ート間の剥離を押さえることができるため、その使用用途としてはレトルト処理 の必要な加工食品、漬物、味噌の包装や長期保存用布団、毛布、衣類用の保管袋 などに使用することができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案に従えば、使用用途に応じて、防かび、抗菌性の優れた防かび剤と静電 防止接着剤を積層フィルムに効果的に配置したフィルム構成としたため、かびの 繁殖と静電気の発生が防止され、食品の包装時に好適に使用でき、また、使用環 境の劣悪なところでの毛布、衣類等の保管の用途に好適に使用できる。また例え ば病院等において、衣類を保管する袋へ収納品を出し入れする場合においても、 静電気の発生を押さえ、菌の発生を抑制して清浄に保管することができる。また 、防虫、防ダニ効果を付加した場合、湿気の多い場所での緊急用備蓄毛布等の保 存時にも好適に用いることができる。

【００２２】 また、抗菌剤と防虫、防ダニ効果のある素材を同時に使用することによって相 乗効果が生じ、個々に使用するときよりそれぞれの性能が向上する。

【００２３】 例えば、収納物を出し入れした後、本考案における袋を病院のベットの下など に置いた時でも、ほこり、ちり等の汚れを保管袋につきにくくすることとなる。 そのため、ほこり、ちりの中に生息するダニも寄せ付けにくなり、防虫、防ダニ 効果がよりいっそう発揮される結果となる。

【００２４】

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図２】実施例２の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図３】実施例３の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図４】実施例４の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図５】実施例５の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図６】実施例６の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【図７】実施例７の包装袋のフィルム構成断面図であ
る。

【符号の説明】

１：内面ポリエチレン樹脂フィルム ２：外面フィルム ３：接着剤層 ３ａ：接着性静電防止コーティング剤 ３ｂ：ラミネート接着剤 ４：防カビ剤 ５：防虫、防ダニ忌避剤

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チアゾリルスルファミド化合物を練り込
   み、もしくは表面に塗布した内面ポリエチレン樹脂フィ
   ルムと外面樹脂フィルムとの接着層の間に接着性静電防
   止コーティング剤層を形成してラミネートした積層フィ
   ルムを使用したことを特徴とする包装袋
2. 【請求項２】 内面ポリエチレン樹脂フィルムと外面樹
   脂フィルムとの接着層の間に接着性静電防止コーティン
   グ剤層を形成し、さらにチアゾリルスルファミド化合物
   を混入した接着剤によりラミネートした積層フィルムを
   使用したことを特徴とする包装袋
3. 【請求項３】 内面ポリエチレン樹脂フィルムとチアゾ
   リルスルファミド化合物を練り込み、もしくは表面に塗
   布した外面樹脂フィルムとの接着層の間に接着性静電防
   止コーテイング剤層を形成してラミネートしたることを
   特徴とする包装袋
4. 【請求項４】 内面ポリエチレン樹脂フィルムに防虫、
   防ダニ効果を有する素材を練り込んだことを特徴とする
   請求項１乃至請求項３の包装袋
5. 【請求項５】 内面樹脂フィルム及びガスバリアー性を
   有する外面樹脂フィルムに防湿性フィルムを使用して積
   層したことを特徴とする請求項１乃至請求項４の包装袋