JP3032485B2 - 光電式煙感知器の投光装置 - Google Patents

光電式煙感知器の投光装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視空間にビーム
光を照射し、監視空間に流入した煙による光の減衰に基
づき火災を検出する光電式煙感知器の投光装置に関し、
特に、ビーム光の強度分布を均一化した光電式煙感知器
の投光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広いエリアで火災監視を行う反射
型の煙感知器にあっては、投光装置と受光装置を備えた
感知器本体に対し、所定の監視距離例えば数十メートル
程度の監視距離を介して反射板を対向配置し、監視空間
に流入した煙による投光装置からの光の減衰に基づく受
光出力の減衰によって火災を検出している。
【0003】この場合、投光装置には発光素子として例
えば近赤外線LEDを使用しており、近赤外線LEDか
らの光を集光レンズで絞ってビーム光とし、このビーム
光を所定の監視距離を介して対向配置した反射板に照射
して反射させ、受光装置に入射させて監視空間に流入し
た煙による光の減衰から火災を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような反射型煙感
知器の投光装置にあっては、近赤外線LEDからの光を
集光レンズで平行なビーム光に変換して監視空間に照射
しているが、投光装置からのビーム光は反射板との間を
往復して受光装置に入射するが、例えば投光装置と反射
板の監視距離が40メートルといった長い距離であった
とすると、ビーム光の拡散により反射板の位置に届く時
にビーム像は大きく広がっており、同じように、反射板
で反射された光も受光装置に戻った時には、大きく拡散
しており、投光エネルギの内、受光装置で検出できるエ
ネルギはわずかである。
【0005】また建物の側壁などには、機器設置後も、
わずかな経時歪みが起こることが報告されている。もし
ビーム断面の光強度分布が不均一であると、例えばこの
側壁の歪みによって光強度の弱い部分が反射板に入射す
る位置になったとき、煙が存在しないときの受光信号が
微弱となり、十分なS/N比が得られず、また監視可能
な最大距離が短くなってしまう問題があり、ビーム光の
光軸に直向する断面での光強度の分布を可能な限り均一
にすることが望ましい。
【0006】このビーム光の強度分布が不均一となる問
題を解決するため、例えば図9のような投光器がある
(特開平5−79979号)。図9において、投光器に
設けた発光ダイオード105からの光は結像レンズ10
4で導波路103に導入され、導波路103内を伝搬さ
せることによってエネルギ分布が均一化され、導波路1
03の端面からの出射光を投光レンズ102によって遠
くに結像している。
【0007】しかしながら、このような投光ビームのエ
ネルギ分布を均一化する投光器構造にあっては、発光ダ
イオードの前方に結像レンズ、導波路及び投光レンズを
配置しなければならず、均一化のための光学系が比較的
複雑となり、光軸方向の寸法も大きくなって投光器が大
型化する難点がある。本発明は、このような従来の問題
点に鑑みてなされたもので、発光ダイオードからのビー
ム光を簡単な光学構造によりビーム断面方向で均一化し
て光軸ずれを補償できるようにした光電式煙感知器の投
光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。まず本発明は、監視空間
にビーム光を照射し、監視空間に流入した煙により減衰
するビーム光を受光して火災を検出する光電式煙感知器
の投光装置を提供する。
【0009】この投光装置として本発明にあっては、光
軸方向に発光ダイオードと集光レンズを配置した基本構
造をもつ。本発明で使用する発光ダイオードは、本体ベ
ースの片側に先端レンズを一体に備えた円筒形のカバー
を装着すると共に、カバー内の所定位置に本体ベースに
貫通したリード線から引き出されたボンディングワイヤ
により電気的に接続され、更に発光チップの背後にリフ
レクタを配置している。
【0010】このような構造の発光タイオードにつき本
発明にあっては、発光チップを第1光源とし、発光素子
の背後のリフレクタにより前方に反射された光がカバー
先端の先端レンズに入射する仮想的な面光源と前記発光
ダイオードの光軸との交点を第2光源の位置とし、集光
レンズの焦点を第2光源を外れた位置又は第2光源の位
置となるように配置したことを特徴とする。 集光レン
ズの焦点は、例えば第2光源とLEDカバー先端のレン
ズ頭頂部との間となるように配置する。また集光レンズ
の焦点を、選んだLEDの特性に合せて、第2光源と発
光チップとを電気的に接続されているボンディングワイ
ヤの屈曲先端位置までの間となるように配置してもよ
い。
【0011】このような発光ダイオードに例えば第2光
源の近傍に集光レンズの焦点がくるように配置すること
で、チップ前面で発光され先端レンズの主に中心部から
出射される光をぼかすことで、チップ背面で発光されリ
クレクタによって反射され主に先端レンズの周辺部から
出射される光と合成し、この合成光の光軸に直向するビ
ーム断面での光強度分布(エネルギ強度分布)をほぼ均
一化することができる。
【0012】また投光装置の光学系は、発光ダイオード
と集光レンズの2部品だけであり、極めて簡単な光学構
造によってビーム断面での光強度の分布を均一化でき
る。更に、本発明の投光装置は、投光装置と受光装置を
備えた感知器本体に対し所定の監視距離の監視空間を介
して投光装置からの光を受光装置に反射する反射部材を
配置した反射型の煙検出構造を備えた光電式煙感知器で
の使用を対象とする。勿論、反射板を使用せずに投光装
置と受光装置を監視空間を介して対向配置した減光式分
離型煙感知器で使用してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の投光装置が使用さ
れる光電式煙感知器の説明図である。図1において、光
電式煙感知器の感知器本体24には、投光装置25と受
光装置26が設けられ、この感知器本体24に対し所定
の監視距離、例えば40メートルの監視距離Lを介して
反射板27が対向配置される。投光装置25は例えば近
赤外線LEDなどの発光ダイオード1と集光レンズ2を
備え、発光ダイオード1を間欠的に発光駆動し、発光ダ
イオード1からの光を集光して平行なビーム光に変換し
て出力する。
【0014】投光装置25からのビーム光は反射板27
で反射され、破線のように感知器本体24の受光装置2
6に戻される。反射板27としては、入射光を高効率で
入射方向と同一方向に反射する再帰型反射板(リフレッ
クス・リフレクタ)が使用される。受光装置26には、
集光レンズ28とフォトダイオード等の受光素子29が
設けられている。
【0015】図2は図1の感知器本体24に設けた投光
装置25の投光光学系を取り出している。投光光学系は
光軸3の方向に発光ダイオード1と集光レンズ2を配置
しており、発光ダイオード1からの光を集光レンズ2で
集光して平行ビームに変換して出射している。発光ダイ
オード1としては例えばピーク発光波長が870nmと
なる近赤外線発光ダイオードが使用され、例えば沖電気
製OLD2603H等を使用することができる。
【0016】この近赤外線の発光ダイオード1は、リー
ド線11を外部に取り出した本体ベース9の片側にカバ
ー4を装着した密封構造をもち、カバー4の先端は先端
レンズ5となっている。カバー4の内部には、本体ベー
ス9に貫通したリード線から引き出されたボンディング
ワイヤ8によって電気的に接続されるLEDチップ6が
支持されている。
【0017】LEDチップ6を電流駆動により発光させ
ると、チップの両面及び側面から光を出射する。LED
チップ6の背後にはリフレクタ7(リード線の一部を加
工してできている)が配置され、LEDチップ6の側面
及び裏面からの光を反射して前方に出射するようにして
いる。このため発光ダイオード1からは、光軸3を通る
中心部分については主にLEDチップ6前面からの直接
光による光が出射され、その周囲からは主にリフレクタ
7で反射されたLEDチップ6の側面及び裏面から出た
光が出射されることになる。
【0018】このように発光ダイオード1からはLED
チップ6前面からの光とリフレクタ7で反射されたLE
Dチップ6の側面及び裏側から出た光の2つの合成光が
出射される。このため集光レンズ2側から発光ダイオー
ド1を見ると、直接光を出すLEDチップ6が第1光源
となり、これにLEDチップ6の側面及び裏面から出て
リフレクタ7により反射されて先端レンズ5にドーナツ
状に入射して出射される仮想的な光源を第2光源10と
見做すことができる。
【0019】ここで発光ダイオード1のカバー4におけ
る先端レンズ5の頂部をP1、リフレクタ7による反射
光による仮想的な第2光源10の位置をP2とすると、
集光レンズ2の焦点Fが第2光源10又はその近傍の位
置となるように発光ダイオード1に対し集光レンズ2を
配置する。例えば図2の実施形態にあっては、集光レン
ズ2の焦点距離をfとすると、その焦点Fが集光レンズ
2からカバーの先端レンズ5の頂部P1までの距離d1
よりLED内部側で第2光源10の位置P2までの距離
d2の手前となるように、即ちP1−P2の間に焦点F
が位置するように、集光レンズ2を配置している。
【0020】また集光レンズ2は第2光源10の位置又
はその近傍の位置となるように焦点Fを設定すればよい
ことから、他の実施形態にあっては、選んだLEDの特
性に合せて第2光源10の位置P2とLEDチップ6と
の間に設置してもよい。この場合、LEDチップ6は本
体ベース9を貫通したリード線から釣針状に引き出した
ボンディングワイヤ8に電気的に接続されており、ボン
ディングワイヤ8の屈曲部はLEDチップ6より前方に
位置しており、集光レンズ2からボンディングワイヤ8
の屈曲先端部までの距離をd3とすると、焦点距離fが
距離d3を越えない範囲、即ち焦点Fがボンディングワ
イヤ8の屈曲先端より前方にずれた位置となるように、
集光レンズ2を配置する。
【0021】このような発光ダイオード1に対する集光
レンズ2の焦点Fの配置は、第1光源としてのLEDチ
ップ6から先端レンズ5を透過してくる光とリフレクタ
7で反射された仮想的な第2光源10から先端レンズ5
を透過してくる光を集光レンズ2で集光し、その結果で
きた合成光の強度分布を均一化させるためである。即
ち、集光レンズ2の焦点Fを発光ダイオード1のLED
チップ6の表面に一致させると、ビーム光の像はLED
チップ6の発光面の明暗に応じた形状を結像することと
なり、通常、LEDチップ6の発光面には十字形に電極
が配置されており、この電極部分が発光していないこと
から、電極部分で光量が欠落した不均一な部分となる。
【0022】またボンディングワイヤ8の屈曲先端に集
光レンズ2の焦点Fを合わせると、ボンディングワイヤ
8の部分は後方からの光を妨げて光が抜けた部分とな
り、ボンディングワイヤ8の影が結像され、これによっ
てビーム像の不均一が起きている。先端レンズ5の頂部
P1より前方に焦点Fを設定すると、第1光源としての
LEDチップ6及びリフレクタ7の反射光による第2光
源10からの距離が遠くなりすぎ、2つの光源からの光
が拡散しすぎて集光性能が低下し、これが不均一化を起
こすことになる。
【0023】このような理由から本発明にあっては、集
光レンズ2の焦点Fが図2のようにカバーレンズの先端
P1からリフレクタ7の反射光によるレンズ基部の第2
光源10までの位置P2の間、あるいは第2光源10の
位置P2からLEDチップ6を支持しているボンディン
グワイヤ8の屈曲した先端までの間のいずれかの範囲に
設定する。更に第2光源の位置に焦点Fをもってきても
よい。
【0024】図3(A)は図2の発光ダイオード1から
の光を集光レンズ2で集光しない場合の強度分布であ
り、図3(B)は集光レンズ2で集光し、均一化された
場合の強度分布である。図3(A)の場合、LEDチッ
プ6から出射される光は、チップ前面で発光され、先端
レンズ5を透過して出射される光の強度分布12と、チ
ップ側面及び背面で発光され、リクレクタ7によって反
射され、先端レンズ5を透過して出射される光の強度分
布13の分布を合成した光の強度分布14のようになる
が、一般には光強度分布12の方が光強度分布13より
強い。
【0025】この光の強度分布12は、光軸3方向にピ
ーク状態に増加しているが、先端にLEDチップ6の電
極面に設けている電極による発光量の少ない部分による
窪みが形成されている。そこで光の強度分布12、13
の合成強度分布を均一化するためには、発光ダイオード
1の前方に図3(B)のように集光レンズ2を配置し、
集光レンズ2の焦点Fを、強度分布12の光をぼかし、
強度分布13の光を極力ぼかさない位置とする。
【0026】強度分布12の光は、発光ダイオード1の
先端レンズ5の比較的中心となる部分(頂部)から、そ
の主たる成分を出射しており、また強度分布13の光
は、比較的外周部からドーナツ状に、その主たる成分を
出射している。発光タイオード1の先端レンズ5は曲率
をもっていることから、その頂点部と外周部では、集光
レンズ2からの距離が異なり、従って、光源としての位
置が異なることになる。
【0027】本発明では、集光レンズ2の焦点Fを、強
度分布12の光をぼかして強度分布15の光とし、強度
分布13の光を集光して強度分布16の光とし、この強
度分布15,16の光を合成した合成光の強度分布を強
度分布17のように均一化する位置とする。この場合、
もし強度分布12より強度分布13の方が高い強度であ
った場合には、光レンズ2の焦点Fの位置を、逆に強度
分布13の光をぼかして合成分布が均一になる位置とす
る。即ち、焦点FがLEDカバーレンズ頂部より前方と
なる。
【0028】ここで、図3における発光ダイオード1の
2つの光源からの出射成分の強度分布はLEDごとに異
なっており、実際に集光レンズ2の焦点Fを設定する際
には、図2の発光ダイオード1におけるP1〜P2の間
あるいはP2からボンディングワイヤ8までの先端まで
の間のいずれかで焦点Fの位置を調整しながら、集光レ
ンズ2によるビーム光の強度分布を確認しながら最適な
焦点Fの位置を決める必要がある。
【0029】また図2における投光光学系の寸法関係を
見ると、例えば発光ダイオード1は外径が約5ミリメー
トルであり、集光レンズ2として例えば焦点距離f=3
2.57ミリメートルのものを使用して図示のようにP
1とP2の間に焦点Fを設定すると、LEDチップ6の
発光により集光レンズ2に入射する有効光入射ラインは
光軸3を中心に直径10ミリメートル程度の範囲であ
り、したがって集光レンズ2としては直径10ミリメー
トル程度の外径のもので、所定の屈折率を有するものを
使用すればよい。
【0030】図4は、図3(B)において、集光レンズ
2の焦点FをLEDチップ6の前側の発光面の位置から
前方にずらしていった場合の投影像の変化である。図4
(A)は、集光レンズ2の焦点をLEDチップ6の前側
の発光面の位置とした場合であり、像の中心にチップ前
面で発光され先端レンズ5を透過して出射された像Aが
あり、電極による発光量の少ない部分が十字形の影とし
て表われている。中心の像Aの周囲には、チップ側面及
び背面で発光され、リクレクタ7によって反射され、先
端レンズ5を透過して出射されたドーナツ状の像Bが現
われる。
【0031】この図4(A)の状態から集光レンズ2の
焦点Fを前方に移動すると、中心の像Aが図4(B)
(C)のようにぼけ始め、さらに焦点Fを前方に移動す
ると、図4(D)のように像A,Bの間の影がなくなっ
てほぼ均一な強度分布となる。この図4(D)の均一な
強度分布が得られた場合の集光レンズ2の焦点Fの位置
は、発光チップ6の背後のリフレクタ7により前方に反
射された光がカバー先端のレンズに入射する位置を仮想
的な第2光源とすると、この第2光源を外れた位置又は
第2光源の位置となる。
【0032】また発光ダイオード1からの光は集光レン
ズ2で集光されてほぼ平行に送り出されるが、投光装置
に近い部分にビームウェスト状のくびれが現われた後、
直線的な広がりをもちながら監視空間を伝搬する。この
場合のビームの光軸3に対する広がり角度θはθ=4°
程度であるが、そのうちの本装置として輝度的に有効な
部分はθ=2°程度の範囲となっている。
【0033】図5は図1に示した光電式煙感知器の設置
状態における建物側壁の経時的な変化による光軸ずれを
説明している。図5(A)は設置時であり、建物側壁3
0に感知器本体24を設置し、感知器本体24に対向し
た反対側の建物側壁31に反射板27を設置し、光軸合
わせを行っている。このような光軸合わせを行った状態
で、主に屋根の膨脹に起因した建物側壁30,31の歪
みにより垂直方向に対し側壁30,31が例えば上側が
広がるように傾くと、正しい光軸方向に対し角度φの光
軸ずれを起こす。この光軸ずれの角度φは、本願発明者
等の調査によれば最大でφ=1.7°程度となる事例が
判明している。
【0034】そこで図5のような建物側壁の歪み等に起
因した光軸ずれに対しては、図2に示した投光光学系に
よる集光レンズ2からのビームの光軸から片側広がり角
度θを、図5のずれ角θ0=1.7°以上として、像中
心に反射板を配置しておけば、光軸ずれが起きても投光
装置からの光を反射板27に照射して受光することがで
きる。図2の実施形態にあっては、集光レンズ2からの
平行ビームの広がり角度θはθ=4°程度であり(有効
広がり角2°程度)、図4のずれ角θ0=1.7°より
大きいことから、建物の歪みなどに起因した光軸ずれに
対し格別調整することなく検出状態を安定して維持する
ことができる。
【0035】このとき図2の投光光学系における集光レ
ンズ2の焦点Fを、発光ダイオード1に対するビーム強
度分布を均一とするように配置することで、ビーム広が
り角θ=2°の範囲での強度分布が例えば図3の強度分
布17のようにほぼ均一化し、この均一化によって図5
(B)のように光軸ずれが起きても反射板27に光ビー
ムの一部が確実に当たって感知器本体24側で反射光を
受光でき、光軸ずれに伴う反射光量のレベル変化も無視
できるほどに小さくできる。
【0036】即ち、図6(B)のように、例えば集光レ
ンズ2の焦点を発光チップの前方の発光面に位置させて
いた場合には、図4(A)のようなパターンの投影像4
0aを受光部27で受けており、光軸ずれによって投影
像40bの位置にシフトすると中心の像と周囲の像の間
のドーナツ状の影の部分が受光板27にかかり、受光部
に入射する光エネルギが大きく低下する。
【0037】これに対し本発明にあっては、図6(A)
のように、図4(D)のような光強度分布が均一化され
た投影像50aを受光部27で受けており、光軸ずれに
よって投影像50bの位置にシフトしても、発光部27
に入射する光エネルギはほとんど変化しない。図7は本
発明の投光装置は、図2に示した発光ダイオード1に対
する集光レンズ2の焦点Fの配置状態の光学系につき、
更に発光ダイオード1にビーム像の形状を任意に設定す
るためのマスク部材を設けたことを特徴とする。
【0038】図7(A)はマスク部材18の第1実施形
態であり、発光ダイオード1のカバー4における先端の
先端レンズ5の部分のみが外部に露出するように、右側
の端面図に示す円形穴19を設けたマスク部材18を密
着して配置している。このマスク部材18の円形穴19
によって発光ダイオード1からの周辺の光がカットさ
れ、開口となる円形穴19を通った光のみが集光レンズ
2に入射し、光軸3の前方に示すように光軸断面から見
て円形のビーム像19aを結像することができる。
【0039】図7(B)はマスク部材18によって発光
ダイオード1の先端に密着してピンホール21を開口し
た場合である。この場合、マスク部材18は部材本体1
8aと開口部材18bの2分割構造をもっており、両者
を接着固定した状態で図示のように発光ダイオード1の
先端に嵌め入れている。マスク部材18の先端の光軸3
が通る位置にはピンホール21が開口しており、この結
果、光軸3を中心とした中央部分の光のみがピンホール
21を通って集光レンズ2に入射し、光軸3の前方の断
面方向の像に示すように、図7(A)に比べ、より径の
小さいビーム像21aを結像することができる。
【0040】図7(C)は切欠付きのピンホール22を
形成したものであり、例えばピンホールの上側を任意の
位置で塞いでおくことで、光軸方向の断面ビーム像から
明らかなように切欠ピンホール像22aとすることがで
きる。この切欠ピンホール像22aの切欠位置は、発光
ダイオード1に装着しているマスク部材18bを矢印方
向に回すことで、例えば右側の破線の切欠ピンホール像
22bのように切欠位置を適宜に調整できる。
【0041】更に図7(D)はマスク部材18に矩形ス
リット23を開口したもので、集光レンズ2によるビー
ム像の結像位置には矩形スリット像23aが結像され
る。このスリット像23aについても、発光ダイオード
1のマスク部材18bを矢印のように回すことで、矩形
スリット23bのように長手方向を適宜の方向に変える
ことができる。もちろん図7(A)〜(D)に限らず、
必要に応じて適宜の開口形状とすることができる。
【0042】この図7(A)〜(D)のように、投光装
置からのビーム像の形状をマスク部材18によって適宜
に調整できるようにしたことで、例えば図8(A)のよ
うに、感知器本体24と反射板27の間に梁32などの
障害物が存在し、投光装置25からのビーム光の一部が
梁32で反射して受光装置26に入射するような場合、
この梁32のビーム光が当たらないように投光装置25
からのビーム光の結像の形状をマスク部材18の開口部
の形成で設定することができる。
【0043】前述の光軸ずれを補償するためには、θ>
1.7°となるようにマスク部材に開口部を形成すれ
ば、開口部の形状は任意でよい。例えばマスク部材をつ
けない場合には図8(B)の破線のように投光装置25
からのビーム光が梁32に当たって反射しているが、例
えば図7(B)のようなピンホール21をもつマスク部
材18bをセットすることで、実線のように投光装置2
5からの光軸を絞って梁32による反射を回避すること
ができる。尚、図7(B)(C)(D)のようにピンホ
ールや極く小さなスリットを形成した場合には、回折現
象によるビームの拡散が予想されるが、例えばピンホー
ル21にあっては0.5ミリメートル程度の大きさまで
であれば、回折現象を起こすことなくビーム像を絞るこ
とができることが確認できている。
【0044】また図7(B)(C)(D)のように、ピ
ンホールやごく小さなスリットを形成した場合、LED
からの出射光分布が微妙に変化するので、厳密には照射
像はわずかにぼけるが、実用上問題は少ない。もし必要
であれば、再度、集光レンズの位置を調整すればよい。
また上記の実施形態は図1の反射型の光電式煙感知器を
例にとるものであったが、別の実施形態として投光装置
25と受光装置26を監視空間を介して対向配置した減
光式分離型煙感知器の投光装置についてもそのまま適用
できる。更に上記の実施形態は、監視空間に流入した煙
の減光による火災検出を例にとっているが、監視空間に
ビーム光を設定し、ビーム光の遮断で侵入者を検出する
侵入者検出装置の投光装置についても、同様に本発明を
適用することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、発光ダイオードにおけるリフレクタの反射光に依存
したカバー先端の先端レンズ基部の仮想的な第2光源を
外した位置又は第2光源位置に、集光レンズの焦点が位
置するように配置することで、チップ前面で発光され先
端レンズの主に中心部から出射される光をぼかすこと
で、チップ側面及び背面で発光されリクレクタによって
反射され主に先端レンズの周辺部から出射される光とを
合成し、光軸に直向するビーム断面での強度分布(近赤
外線エネルギ)の分布を均一化することができる。
【0046】この光ビームの強度分布の均一化により、
例えば建物の設置壁の歪み等による光軸ずれが起きて
も、光軸ずれ角を越えるビーム広がり角としておくこと
で、均一な結像範囲のいずれかが例えば対向した反射板
に当り、建物の歪みに起因した光軸ずれの影響を受ける
ことなく安定した監視状態を維持できる。また投光装置
の光学系は発光ダイオードと集光レンズの2部品だけで
あり、発光ダイオードも市販のものをそのまま使用でき
ることから、光学構造が簡単で低コストで光強度の均一
化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投光装置を用いた反射型煙感知器の説
明図
【図2】本発明による投光装置の光学構造の説明図
【図3】エネルギ分布を均一化する本発明の投光装置に
よる光強度分布の説明図
【図4】発光ダイオードに対し集光レンズの焦点の位置
を前方に移動した場合の投影像の説明図
【図5】図1の反射型煙感知器における光軸ずれの説明
【図6】光軸ずれによる反射板に対する投影像の変化の
説明図
【図7】マスク部材を設けた本発明の実施形態の説明図
【図8】図1の反射型煙感知器における障害物による反
射光の説明図
【図9】エネルギ分布を均一化する従来の投光器構造の
説明図
【符号の説明】
1:発光ダイオード 2:集光レンズ 3:光軸 4:カバー 5:カバーレンズ部 6:LEDチップ(第1光源) 7:リフレクタ 8:ボンディングワイヤ 9:本体ベース 10:第2光源 11:リード線 12,15:第1光源の強度分布 13,16:第2光源の強度分布 14,17:合成強度分布 18:マスク部材 18a:マスク本体 18b:開口部材 19:円形開口 19a,21a,22a,22b,23a,23b:ビ
ーム像 21:ピンホール 22:切欠ピンホール 23:矩形スリット 24:感知器本体 25:投光装置 26:受光装置 27:反射板 28:集光レンズ 29:受光素子 30,31:壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−161885(JP,U) 実開 昭55−35620(JP,U) 実開 昭53−126693(JP,U) 実開 昭49−14174(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12 G01N 21/59

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】監視空間にビーム光を照射し、前記監視空
    間に流入した煙により減衰した前記ビーム光を受光して
    火災を検出する光電式煙感知器の投光装置に於いて、 光軸方向に発光ダイオードと集光レンズを配置し、 該発光ダイオードは、本体ベースに、先端にレンズを一
    体に備えた円筒形のカバーを装着すると共に、該カバー
    内の所定位置に発光チップを配置し、該発光チップは、
    該本体ベースに貫通したリード線から引き出されたボン
    ディングワイヤにより電気的に接続され、更に該発光チ
    ップの背後にリフレクタを配置しており、 前記発光チップを第1光源とし、前記発光チップの背後
    の前記リフレクタにより前方に反射された光が前記カバ
    ー先端のレンズに入射する仮想的な面光源と前記発光ダ
    イオードの光軸との交点を第2光源の位置とし、前記集
    光レンズの焦点を前記第2光源を外れた位置又は第2光
    源の位置とするように配置したことを特徴とする光電式
    煙感知器の投光装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光電式煙感知器の投光装置
    に於いて、前記集光レンズの焦点が、前記第2光源と前
    記カバー先端のレンズ頭頂部との間に位置するように配
    置したことを特徴とする光電式煙感知器の投光装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の光電式煙感知器の投光装置
    に於いて、前記集光レンズの焦点が、前記第2光源と前
    記発光チップに電気的に接続されているボンディングワ
    イヤの屈曲先端位置までの間に位置するように配置した
    ことを特徴とする煙感知器の投光装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の光電式
    煙感知器の投光装置に於いて、前記光電式煙感知器は、
    前記投光装置と受光装置を備えた感知器本体に対し所定
    の監視距離の監視空間を介して前記投光装置からの光を
    前記受光装置に反射する反射部材を配置した反射型の煙
    検出構造であることを特徴とする光電式煙感知器の投光
    装置。
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