JP3032250B2 - 耐光性に優れたペリクル - Google Patents

耐光性に優れたペリクル

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JP3032250B2
JP3032250B2 JP19479290A JP19479290A JP3032250B2 JP 3032250 B2 JP3032250 B2 JP 3032250B2 JP 19479290 A JP19479290 A JP 19479290A JP 19479290 A JP19479290 A JP 19479290A JP 3032250 B2 JP3032250 B2 JP 3032250B2
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金子  靖
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体集積回路の製造におけるフォトリソ
グラフイ工程で使用されるマスクの保護のための防塵フ
イルムカバ−、すなわちペリクルに関するものである。
さらに詳しくは、耐光性に優れたペリクルおよび多目的
ペリクルに関するものである。
〔従来の技術〕
薄くて透明なフイルムからなるペリクルは、半導体集
積回路の製造におけるフォトリソグラフ工程で使用され
るマスクに固着され、該マスクとは、所定の距離をおい
てマスク上に位置している。したがって、フォトリソグ
ラフ工程の操作中において、こまかな塵埃粒子がペリク
ルの上に付着しても、レジスト材を塗布した半導体ウエ
ハ−上には結像しない。したがって、マスクをペリクル
で保護することにより、塵埃粒子の像による半導体集積
回路の短絡や断線を防ぐことができ、フォトリソグラフ
工程の製造歩留まりが向上する。さらに、マスクのクリ
−ニング回数が減少して、その寿命を延ばすなどの効果
がある。
フォトリソグラフ工程で使用されている露光光源とし
ては、超高圧水銀ランプの輝線のうちのg線(波長436n
m)、h線(405nm)、i線(365nm)が使用されてい
る。近年、半導体工業における技術の進歩にともない、
集積回路の高密度化、高集積化が進み、ウエハ−上への
投影パタ−ンの線幅、線間隔がともに小さくなってきて
いる。これに応じて、露光光源の短波長化も進み、ふっ
化クリプトンなどのエキシマ−レ−ザ−による紫外線
(波長250nm以下)が使われ始めた。光の波長が短くな
るにつれエネルギ−も大きくなり、これらの波長領域で
使用されるペリクルには耐光性が要求される。このよう
な要求に応えるべく、ポリビニルブチラ−ル樹脂にシラ
ン化合物を付加した生成物(特開昭59−206406号公
報)、セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(特開昭61−10
6243号公報)、シアノエチルセルロ−ス(特開昭61−13
0346号公報)、エチルセルロ−ス(特開昭62−59955号
公報)などが開示されている。これらの材料は、主鎖骨
格がハイドロカ−ボンからなるゆえ、光のエネルギ−と
結合解離エネルギ−との対比から察せられるように、i
線までの耐光性には優れるものの、波長が250nm以下に
なると大きな光吸収を示し、高い光線透過率が得られな
いばかりか、光が照射されることによって、急速に劣化
する。また、特公昭63−27707号公報には、主鎖骨格に
フルオロカ−ボンを含む、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライドの共
重合体からなるペリクルが開示されている。この材料に
おいて溶媒に対する溶解性を高めるためには、ビニリデ
ンフルオライドの比率を増やさなければならない。この
ことにより膜がゴムに近くなり膜に張りがなくなるばか
りか、エアブロ−により膜が伸びてしまう欠点がある。
さらに、ビニリデンフルオライドの比率の増加にしたが
い屈折率が大きくなり、平均光線透過率を下げてしま
う。
一方、露光光源の種類が増えるとともに、それぞれの
露光波長に応じて、ペリクル数種類を使い分けるのは、
ペリクルの貼り間違えのもとになり、管理上の手間もか
かる。g線、i線の両方において使用可能なペリクルと
しては、特開平1−133052号公報、特開平2−12151号
公報などが開示されているが、250nm以下の露光までも
考慮されたものは未だ見あたらない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、紫外線露光に対して十分な耐光性およびエ
アブロ−に耐えうる強度を合わせもつペリクルと、436n
m(g線)、365nm(i線)さらには248nm付近の波長に
おいて高い光線透過率をもつペリクルを提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結
果、本発明に到った。
すなわち、本発明は、 (1) パーフルオロアルキルエーテル環構造を有する
ふっ素系ポリマー(屈折率をnFとする)からなる膜厚0.
5〜10μmの膜を中心層とし、その両側に高屈折率反射
防止層として、屈折率がnFより大きなn1である金属酸化
物あるいは金属ふっ化物からなる薄膜が設けられ、さら
にその両外側に低屈折率反射防止層として、屈折率がn1
より小さいn2である金属酸化物あるいは金属ふっ化物か
らなる薄膜が設けられたことを特徴とする5層構造のペ
リクル、 (2) パーフルオロアルキルエーテル環構造を有する
ふっ素系ポリマー(屈折率をnFとする)からなる膜厚0.
5〜10μmの膜を中心層とし、その両側に高屈折率反射
防止層として、屈折率がnFより大きなn1である金属酸化
物又は金属ふっ化物からなる薄膜が設けられ、更にその
両外側に低屈折率反射防止層として、屈折率がn1より小
さいn2であるふっ素系ポリマーからなる薄膜が設けられ
たことを特徴とする5層構造のペリクル、である。
本発明について、さらに詳細に説明する。
紫外線に耐えられるポリマ−としては、ふっ素系ポリ
マ−が知られている。しかし、多くのふっ素系ポリマ−
は微結晶を含むために、透明性や表面平滑性に劣る。更
に、溶媒に不溶なので、薄膜を精度良く形成できるスピ
ンコ−ティング法が適用できない。ところが、パ−フル
オロアルキルエ−テル環構造を有するふっ素系ポリマ−
は、非晶性であるために、透明性や表面平滑性に優れて
おり、高い光線透過率の要求されるペリクルには好適な
材料である。
更に、ある種の溶媒に溶けるため、スピンコ−テイン
グ法により薄膜を形成できる。また、パ−フルオロアル
キルエ−テル環構造を有するふっ素系ポリマ−に対して
は、反射防止層としての金属酸化物、金属ふっ化物の付
着強度が大きかった。この理由は明らかでないが、おそ
らくエ−テル結合中の酸素の存在によるものと推察され
る。このようなパ−フルオロアルキルエ−テル環構造を
有するふっ素系ポリマ−としては、旭硝子(株)のサイ
トップ、du Pont社のテフロンAFなどがある。代表的な
構造は、次のようなものである。(du Pont社のテフロ
ンAF) 上記パ−フルオロアルキルエ−テル環構造を有するふ
っ素系ポリマ−の溶媒としては、パ−フルオロベンゼ
ン、パ−フルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、
トリクロロトリフルオロエタン、パ−フルオロトリブチ
ルアミンなどが使用できる。
本発明のふっ素系ポリマ−層の成膜法は、いかなる方
法によっても構わないが、膜厚精度、表面性が優れてい
ることから、平滑基板上へのスピンコ−テイング法が好
適である。
平滑基板上に塗布された溶液は、ホットプレ−ト、ク
リ−ンオ−ヴンなどで溶媒を蒸発させ、含ふっ素ポリマ
−膜とされる。
本発明のふっ素系ポリマ−層の膜厚は、0.5〜10μm
である。0.5μm未満では膜の強度が小さくなり、取り
扱いが困難になる。また、10μmを越えると露光光線の
進路のずれが大きくなり、像に影響を及ぼす。
以上のようにして形成されたふっ素系ポリマ−薄膜の
上に、必要に応じて反射防止層を形成する。これは、平
滑基板に含ふっ素ポリマ−薄膜が付いたまま行ってもよ
いし、金属枠などの上に剥しとってからでもよい。
本発明で用いる低屈折率反射防止層材料としては、ふ
っ化カルシウム、ふっ化バリウム、ふっ化ナトリウム、
ふっ化リチウム、ふっ化マグネシウム、二酸化珪素、ま
た、高屈折率反射防止材料としては、二酸化珪素、ふっ
化ランタン、ふっ化ネオジウム、酸化アルミニウム、ふ
っ化セリウム、ふっ化鉛、酸化マグネシウム、酸化トリ
ウム、酸化スズ、酸化ランタン、一酸化珪素などが使用
できる。これらの材料は、波長が約200nm以上の光に対
して透明であるため、好ましく使用できる。
反射防止層の膜厚dARは、通常、ペリクルを使用する
際の露光光源の波長をλとしたとき、dAR=λ/(4
nAR)(ここでnARは、反射防止材料の屈折率)とする。
複数の露光光源に対して同一のペリクルを使用する場合
には、反射防止層の膜厚をdAR=λ/(4nAR)よりも厚
くすることが好ましい。具体的には、dAR=(2m+1)
λ/(4nAR)を選ぶ(ここでmは1以上の整数)。mの
値は、露光光源の波長によって決める。例えば、248nm
と405nmで使用する場合、λ=248nmとして、mは2が好
ましい。このとき、中心層の膜厚をある限られた値にす
ると、248nm、405nm以外に、365nm、436nmでの光線透過
率が高くなり、4種類の露光光源に対して使用可能なペ
リクルが得られる。
反射防止層は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプ
レ−テイングなどの方法で形成できるが、中心層への衝
撃が小さいことから、真空蒸着が好ましい。蒸着膜の厚
さを上記の厚さにするために、蒸着中に膜厚をモニタ−
することが好ましい。膜厚をモニタ−する方法として
は、水晶振動子の振動数変化を測定する方法などがある
が、蒸着中の膜面に単一波長の光をあて、その反射光あ
るいは透過光強度の時間変化から求める方法が好ましく
利用できる。
最外層の低屈折率反射防止層として、ふっ素系ポリマ
−を用いると、次のような効果が発現する。すなわち、
ふっ素系ポリマ−層が、内側の金属酸化物あるいは金属
ふっ化物からなる高屈折率反射防止層の酸化、吸湿に対
する保護膜になり、ペリクルの寿命を延ばすことができ
る。また、脆い無機薄膜の脱落を防ぐことができ、発塵
の防止に有用である。さらに、脆い無機薄膜を最外層に
したときには不可能であった5層連続成膜が可能にな
る。5層連続成膜とは、基材の上に、低屈折率反射防止
層、高屈折率反射防止層、中心層、高屈折率反射防止
層、低屈折率反射防止層を、途中で膜を剥すことなく連
続して形成することである。5層連続成膜にすることに
より、基材のある状態で高屈折率層の蒸着形成が行える
ので、蒸着時の膜の温度制御が基材を通して行えるた
め、より安定な蒸着が可能になり、歩留まりの向上にも
つながる。連続成膜でない場合は、膜を剥離後、反射防
止層の形成を行うため、蒸着時の膜の温度制御が困難で
あり、蒸着膜の特性のばらつきが大きかった。このふっ
素系ポリマ−層の形成は、スピンコ−テイング法などに
より行う。
ここで使用するふっ素系ポリマ−としては、中心層に
用いた、パ−フルオロアルキルエ−テル環構造を有する
ふっ素系ポリマ−はもちろん、含ふっ素メタクリレ−
ト、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン/ビニリデンフルオライドの3元共重合体なども使用
できる。
このふっ素系ポリマ−層の形成は、いかなる方法によ
っても構わないが、膜厚精度、表面性が優れていること
から、スピンコ−テイング法が好適である。ふっ素系ポ
リマ−をパ−フルオロベンゼン、パ−フルオロ(2−ブ
チルテトラヒドロフラン)、トリクロロトリフルオロエ
タン、パ−フルオロトリブチルアミンなどに溶解し、反
射防止層用ふっ素系ポリマ−溶液をつくる。5層連続成
膜の場合は、この反射防止層用ふっ素系ポリマ−溶液を
シリコンウエハ−などの平滑基板上に塗布し、その上
に、高屈折率反射防止層、中心層、高屈折率反射防止層
を形成後、再び、反射防止層用ふっ素系ポリマ−溶液を
塗布する。連続成膜でない場合は、中心層の上に高屈折
率反射防止層を形成後、その上に、反射防止層用ふっ素
系ポリマ−溶液を塗布する。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明は
これにより限定されるものではない。
実施例1 スピンコ−タ−にシリコンウエハ−をセットし、旭硝
子社製のパ−フルオロアルキルエ−テル環構造を有する
ふっ素系ポリマ−CTX−805を20cc滴下後、シリコンウエ
ハ−を700rpmで30秒間回転させ、つぎにホットプレ−ト
上で溶媒を蒸発せしめ、これを金属枠上の剥しとった。
膜厚は1100nmであった。
この膜厚の半分をアルミニウム箔で覆い、低圧水銀灯
(波長248nm、照度10mW/cm2)を照射して耐光性試験を
行った。通算5000J/cm2の照射後、ヘリウム単色光源で
干渉色を観察したが、照射面と非照射面の間の差異は認
められなかった。
つぎに、入口圧力5kg/cm2、先端内径3mmのエアガン
(0.2μmフイルタ−付き)で膜面より3cmの距離から1
分間ブロ−したが、膜の破れ、膜の伸び、しわなどの永
久変形はみられなかった。
実施例2 スピンコ−タ−にシリコンウエハ−をセットし、旭硝
子社製のパ−フルオロアルキルエ−テル環構造を有する
ふっ素系ポリマ−CTX−809を30cc滴下後、シリコンウエ
ハ−を800rpmで30秒間回転させ、つぎにホットプレ−ト
上で溶媒を蒸発せしめ、これを金属枠上に剥しとった。
膜厚は7000nmであった。
この薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、低圧水銀灯
(波長248nm、照度10mW/cm2)を照射して耐光性試験を
行った。通算5000J/cm2の照射後、ヘリウム単色光源で
干渉色を観察したが、照射面と非照射面の間の差異は認
められなかった。
つぎに、入口圧力5kg/cm2、先端内径3mmのエアガン
(0.2μmフイルタ−付き)で膜面より3cmの距離から1
分間ブロ−したが、膜の破れや膜の伸び、しわなどの永
久変形はみられなかった。
実施例3 スピンコ−タ−にシリコンウエハ−をセットし、旭硝
子社製のパ−フルオロアルキルエ−テル環構造を有する
ふっ素系ポリマ−CTX−805を20ccの滴下後、シリコンウ
エハ−を700rpmで30秒間回転させ、つぎにホットプレ−
ト上で溶媒を蒸発せしめ、これを金属枠上の剥しとっ
た。膜厚は1100nmであった。つぎに、これを真空蒸着装
置にセットした。真空槽内を乾燥窒素ガスに置換後、真
空槽内の圧力を10-4Torrとしたのち、ふっ化ネオジウム
を蒸発させ、上記膜の両面にふっ化ネオジウムの薄膜を
形成した。このとき、ふっ化ネオジウム層の膜厚を光学
的にモニタ−しておき、各面とも膜厚が194nmになった
ときに蒸発を止めた。つぎに、ふっ化マグネシウムを蒸
発させ、ふっ化ネオジウム層の外側にふっ化マグネシウ
ム層を形成した。先ほどと同様に膜厚をモニタ−してお
き、膜厚が225nmになったところで蒸発を止めた。これ
ら無機反射防止層の膜厚は、反射防止層の膜厚、屈折率
をそれぞれdAR、nAR、また、λを248nmとしたとき、dAR
=(2m+1)λ/(4nAR)の式においてm=2に相当す
る。
この5層膜の光線透過率を測定したところ、248nmで
は99%、365nm、405nm、436nmではいずれも99.5%以上
であった。このときの分光光線透過率を第1図に示す。
実施例4 ふっ素系ポリマ−溶液として、du Pont社のテフロンA
F1600のパ−フルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラ
ン)溶液(濃度5%)を使用した以外は、実施例1と同
様に薄膜を形成した。膜厚は1150nmであった。つぎに、
これを真空蒸着装置にセットした。真空槽中に10-4Torr
の乾燥した酸素を導入し、一酸化珪素を蒸発させ、二酸
化珪素の薄膜を形成した。蒸着中の二酸化珪素の膜厚を
光学的にモニタ−しておき、膜厚が210nmになったとき
に蒸発を止めた。この膜を反転し、二酸化珪素の薄膜を
ふっ素系ポリマ−層の両側に形成した。つぎに、この3
層膜をスピンコ−タ−にセットした。du Pont社製のテ
フロンAF2400のパ−フルオロ(2−ブチルテトラヒドロ
フラン)溶液(濃度2%)を3cc滴下し、500rpmで30秒
間回転させ、厚さ240nmのふっ素系ポリマ−層を形成し
た。この膜を反転してスピンコ−タ−にセットし、同様
に、ふっ素系ポリマ−層を形成し、5層膜を完成させ
た。
この5層膜の光線透過率を測定したところ、248nmで
は99%、365nm、405nm、436nmではいずれも99.5%以上
であった。
つぎに、入口圧力5kg/cm2、先端内径3mmのエアガン
(0.2μmフィルタ−付き)で膜面より3cmの距離から1
分間ブロ−したが、反射防止膜の脱落、ひび割れはみら
れなかった。
実施例5 旭硝子社製のパ−フルオロアルキルエ−テル環構造を
有するふっ素系ポリマ−CTX−805を同社のふっ素系溶媒
CT−Solv.180に溶解し、固形分濃度1.2%の溶液を作成
した。
スピンコ−タ−にシリコンウエハ−をセットし、この
溶液を3cc滴下後、シリコンウエハ−を700rpmで30秒間
回転させた。
つぎに、これを真空蒸着装置にセットした。真空槽中
に10-4Torrの乾燥した酸素を導入し、一酸化珪素を蒸発
させ、二酸化珪素の薄膜を形成した。蒸着中の二酸化珪
素の膜厚を光学的にモニタ−しておき、膜厚が210nmに
なったときに蒸発を止めた。この膜をスピンコ−タ−に
セットし、旭硝子社製のパ−フルオロアルキルエ−テル
環構造を有するふっ素系ポリマ−CTX−805を20cc滴下
後、シリコンウエハ−を700rpmで30秒間回転させ、つぎ
にホットプレ−ト上で溶媒を蒸発せしめた。再度、この
膜を真空蒸着装置にセットし、先と同様に、二酸化珪素
の薄膜を形成した。この膜をスピンコ−タ−にセット
し、CTX−805の固形分濃度1.2%の溶液を3ccの滴下後、
シリコンウエハ−を700rpmで30秒間回転させ、5層膜を
完成させた。この5層膜を金属枠に剥ぎとり、光線透過
率を測定したところ、248nmでは99%、365nm、405nm、4
36nmではいずれも99.5%以上であった。
つぎに、入口圧力5kg/cm2、先端内径3mのエアガン
(0.2μmフイルタ−付き)で膜面より3cmの距離から1
分間ブロ−したが、反射防止膜の脱落、ひび割れはみら
れなかった。
比較例1 エチルセロソルブにポリビニルブチラ−ルを溶解し、
スピンコ−ト法により、厚さ1100nmの薄膜を形成した。
この薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、低圧水銀灯
(波長248nm、照度10mW/cm2)を照射して耐光性試験を
行った。通算5000J/cm2の照射後、ヘリウム単色光源で
干渉色を観察したところ、照射部に変色が見られた。
比較例2 テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン
/ビニリデンフルオライドの重量比が、46.8/30.6/22.6
の3元共重合体を、パ−フルオロ−2−メチル−1−オ
キシ−3−チアシクロヘキサン−3,3−ジオキシドに溶
解し、スピンコ−ト法により、厚さ2300nmの薄膜を作成
した。
入口圧力5kg/cm2、先端内径3mmのエアガン(0.2μm
フイルタ−付き)で膜面より3cmの距離から1分間ブロ
−したところ、膜が伸び回復しなかった。
〔発明の効果〕
本発明によるペリクルは、紫外線の露光に対して優れ
た耐光性を示す。また、エアブロ−に耐えうる強度をも
つ。
各反射防止層の膜厚を、先に述べたように、通常選ば
れる厚さよりも厚くすることにより、各種の露光光源に
対し高い光線透過率をもつペリクルが得られる。
最外層の反射防止層をふっ素系ポリマ−とすることに
より,その内側の金属酸化物あるいは金属ふっ化物の吸
湿あるいは酸化による劣化や、これら無機薄膜の脱落を
防ぐことができ、ペリクルの寿命を延ばすことができ
る。さらに、5層連続成膜が可能になり、歩留まりの向
上につながる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例3における5層膜の分光光線透過率を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−67262(JP,A) 特開 平3−39963(JP,A) 特開 平4−12355(JP,A) 特開 平2−158734(JP,A) 特開 平2−158735(JP,A) 特公 昭63−27707(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーフルオロアルキルエーテル環構造を有
    するふっ素系ポリマー(屈折率をnFとする)からなる膜
    厚0.5〜10μmの膜を中心層とし、その両側に高屈折率
    反射防止層として、屈折率がnFより大きなn1である金属
    酸化物あるいは金属ふっ化物からなる薄膜が設けられ、
    さらにその両外側に低屈折率反射防止層として、屈折率
    がn1より小さいn2である金属酸化物あるいは金属ふっ化
    物からなる薄膜が設けられたことを特徴とする5層構造
    のペリクル。
  2. 【請求項2】パーフルオロアルキルエーテル環構造を有
    するふっ素系ポリマー(屈折率をnFとする)からなる膜
    厚0.5〜10μmの膜を中心層とし、その両側に高屈折率
    反射防止層として、屈折率がnFより大きなn1である金属
    酸化物又は金属ふっ化物からなる薄膜が設けられ、更に
    その両外側に低屈折率反射防止層として、屈折率がn1
    り小さいn2であるふっ素系ポリマーからなる薄膜が設け
    られたことを特徴とする5層構造のペリクル。
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