JP3031301U - ポリエステルフイルムコンデンサー - Google Patents

ポリエステルフイルムコンデンサー

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JP3031301U
JP3031301U JP1996004206U JP420696U JP3031301U JP 3031301 U JP3031301 U JP 3031301U JP 1996004206 U JP1996004206 U JP 1996004206U JP 420696 U JP420696 U JP 420696U JP 3031301 U JP3031301 U JP 3031301U
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polyester
acid
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精三 青木
雄吉 出口
拓也 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温高湿下における耐湿熱ライフ性に優れ、
高温及び/又は高湿下で長時間使用時のtan δの増加が
少なく、コンデンサーの低電圧での破壊を防止できるポ
リエステルフイルムコンデンサーを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフイルム4の少なくとも片
面にポリエステル系樹脂及び/又はポリエステルウレタ
ン系樹脂と架橋剤から被膜7を形成した金属化フイルム
からなるコンデンサーであって、コンデンサーの端面が
凹凸からなり、この凹凸部にエポキシ樹脂1を有するポ
リエステルフイルムコンデンサー。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はコンデンサーに関するものであり、特に耐湿熱ライフ性に優れたポリ エステルフイルムコンデンサーに関するものであり、コンデンサー端面凹凸部に エポキシ樹脂を存在させ、tan δの増大やコンデンサー破壊を起こさないなど、 品質の安定したコンデンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フイルムコンデンサーにおいては、実公平8−2996号公報に示され るように、リード線引き出しを行うコンデンサーでフイルムの両端面表面にエポ キシ樹脂層を設け、巻回し、メタリコンをつけ、外部電極とし、素子内部電極と 外部電極及びリード線引き出しの結合を強力にして、大電流用のフイルムチップ コンデンサーとしたものが知られている。しかし、この方法では製造工程が複雑 で生産性が悪いなどの問題を有する。
【0003】 また、耐湿熱ライフ性を向上させる複合構成の金属化フイルムを用いた金属蒸 着ポリエステルコンデンサーが特開平5−152159号公報に示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記手法では、耐湿熱ライフ性の要求される本考案のような複合フイ ルムの金属化フイルムにおいては、蒸着金属からなる内部電極とメタリコン金属 の接着が十分でないため、従来以上の過酷な条件、すなわち高温及び/又は高湿 下で長時間使用するとtan δが増大し、最悪の場合にはコンデンサー破壊につな がるなど、品質安定性がないなどの問題がある。
【0005】 また、前者のコンデンサーにおいてはリード線を内部電極に接触させ引き出し ているため問題は生じないが、引き出しリード線を用いないコンデンサー(図1 参照)においては内部電極とメタリコン(外部電極)の接触状態が悪化し、かつ 製造工程が複雑化し、生産性が悪化するなどの問題を有する。 本考案は、前述したコンデンサー用途においてさらなる耐湿熱ライフ特性に優 れ、かつ、さらなる高温下の耐湿熱ライフ特性の向上(以下耐湿熱ライフ性は両 者を含めたものとして言う)を達成し、かつ、コンデンサーの低電圧での破壊を 防ぎ、品質安定性に優れかつ生産性にも優れたものとすることを目的とするもの である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のポリエステルフイルムコンデンサーは、ポリエステルフイルムの少 なくとも片面にポリエステル系樹脂及び/又はポリエステルウレタン系樹脂と架 橋剤からなる組成物の被膜を形成し、その少なくとも片面の該被膜上に金属層を 形成した金属化フイルムを卷回もしくは積層してなるコンデンサーであって、該 コンデンサーの外部電極に接する端面が凹凸をなすように構成され、少なくとも 、この凹凸部の金属層上の一部にエポキシ樹脂を存在せしめてなる。
【0007】 請求項2のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記架橋剤としてエポキシ 化合物、イソシアネート化合物からなるものを採用している。 請求項3のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜を構成する樹脂と して架橋促進剤を添加してなるものを採用している。 請求項4のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜が形成されたポリ エステルフイルムとして表面粗さが0.008〜0.8μmのものを採用してい る。
【0008】 請求項5のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜が形成されたポリ エステルフイルムとして吸水率が0.4〜3重量%のものを採用している。 請求項6のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜が形成されたポリ エステルフイルムとして吸水率が0.45〜2.5重量%のものを採用している 。
【0009】 請求項7のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜として厚みが0. 01〜5μmのものを採用している。 請求項8のポリエステルフイルムコンデンサーは、前記被膜として厚みが0. 02〜2μmのものを採用している。
【0010】
【作用】
請求項1のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、ポリエステルフイル ムの少なくとも片面にポリエステル系樹脂及び/又はポリエステルウレタン系樹 脂と架橋剤からなる組成物の被膜を形成し、その少なくとも片面の該被膜上に金 属層を形成した金属化フイルムを卷回もしくは積層してなるコンデンサーであっ て、該コンデンサーの外部電極に接する端面が凹凸をなすように構成され、少な くとも、この凹凸部の金属層上の一部にエポキシ樹脂を有しているので、従来フ イルムに比べ、高温高湿下における耐湿熱ライフ性に優れ、高温及び/又は高湿 下で長時間使用時のtan δの増加の少ないものが得られ、コンデンサーの低電圧 での破壊を防止し、品質の安定なポリエステルフイルムコンデンサーが得られる 。
【0011】 請求項2のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記架橋剤としてエ ポキシ化合物、イソシアネート化合物からなるものを採用しているので、耐湿熱 ライフ性を維持し、耐樹脂性を向上させることができる。 請求項3のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜を構成する 樹脂として架橋促進剤を添加してなるものを採用しているので、生産性を高める ことができる。
【0012】 請求項4のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜が形成され たポリエステルフイルムとして表面粗さが0.008〜0.8μmのものを採用 しているので、滑り性、ブロッキング防止性、巻取性、耐湿熱ライフ性、耐電圧 を向上させることができる。 請求項5のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜が形成され たポリエステルフイルムとして吸水率が0.4〜3重量%のものを採用している ので、tan δを低減できるほか、高温高湿下長時間における絶縁破壊電圧の低下 防止、コンデンサー素子巻き性などを向上させることができる。
【0013】 請求項6のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜が形成され たポリエステルフイルムとして吸水率が0.45〜2.5重量%のものを採用し ているので、tan δを低減できるほか、高温高湿下長時間における絶縁破壊電圧 の低下防止、コンデンサー素子巻き性などを向上させることができる。 請求項7のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜として厚み が0.01〜5μmのものを採用しているので、請求項4の表面粗さを簡単に得 ることができるほか、滑り性、素子巻性、耐湿熱ライフ性、耐電圧性、コロナ放 電破壊防止、セルフヒール性などを向上させることができる。
【0014】 請求項8のポリエステルフイルムコンデンサーであれば、前記被膜として厚み が0.02〜2μmのものを採用しているので、請求項4の表面粗さを簡単に得 ることができるほか、滑り性、素子巻性、耐湿熱ライフ性、耐電圧性、コロナ放 電破壊防止、セルフヒール性などを向上させることができる。
【0015】
【考案の実施の形態】
本考案におけるポリエステルフイルムに用いられるポリエステルとは、エステ ル化によって高分子化されている結晶性の熱可塑性樹脂組成物であり、このよう なポリエステルはジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合することによって 得られる。
【0016】 ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸などが挙 げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール 、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。 これらのうち酸成分としてはテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸 が好ましく、グリコール成分としてはエチレングリコールが好ましい。
【0017】 該ポリエステルの融点は250℃以上であるのが耐熱性の点から好ましく、ま た、300℃以下であるのが生産性の点から好ましい。このような好ましいポリ エステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ レート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートを挙げるこ とができる。
【0018】 これらのポリマには他の成分が共重合、ブレンドされていることは差し支えな い。 また、本考案のポリエステルのM/Pは、1.8以下、好ましくは1.4以下 、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下であるのが、常温及 び高温における絶縁抵抗を向上させる点で好ましい。また、耐湿熱ライフ特性を も向上させるため好ましい。
【0019】 本考案のポリエステルは、その極限粘度[η]が0.50dl/g以上、好ま しくは0.6dl/g以上、より好ましくは0.65dl/g以上、さらに好ま しくは0.7dl/g以上であるのが、コンデンサー用においては耐圧性,機械 特性,耐湿熱ライフ特性の点で好ましく、回収性の点からも好ましい。 このポリエステルフイルムは、少なくとも1軸または2軸延伸(配向)を行な う必要があり、またこのような延伸(配向)は、機械的特性、熱的特性、電気的 特性からも好ましい。被覆層については配向状態であっても未配向状態であって もよい。
【0020】 本考案における被膜を形成する樹脂は、耐湿熱ライフ特性、tan δの低減など の点からからポリエステル系樹脂及び/又はポリウレタン系樹脂を成分とする必 要がある。 このポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合する ことにより得られるが、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル 酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セ バシン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸 、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、イ タコン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカ ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタール酸、ジフ ェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などが 挙げられる。このカルボン酸は酸無水物、エステル、クロライドなどであっても よく、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタ レンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テ レフタル酸ジフェニルなどが挙げられる。なかでもテレフタル酸、イソフタル酸 、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが吸水率を小さく抑えられ、かつ、ガラ ス転移温度を高くでき、tan δの上昇を抑え、コンデンサーの破壊電圧低下を抑 えられるため好ましい。
【0021】 グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1, 3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1 ,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオー ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ オール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペン チルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エ チル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペン タンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2− シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4− シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロ ブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’− メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4 ,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベン ゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビ ス(2,6−ジクロロフェノール)、2,5−ナフタレンジオール、p−キシレ ンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジ オール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどが挙げられる。なかでもエチレ ングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが吸水率を 小さく抑えられることから、tan δの上昇を抑え、コンデンサーの破壊電圧低下 を抑えられるため好ましい。
【0022】 本考案における該被膜を形成したポリエステルフイルムはその被膜表面のカル ボン酸濃度が0.003以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましく は0.008以上、さらに好ましくは0.015〜0.07であるのが、コンデ ンサーにおける耐湿熱ライフ性や易接着性、回収性等の点から好ましい。 また、このポリエステル樹脂は、上記表面カルボン酸濃度を得るために、特公 昭60−23983号公報のように末端カルボン酸を利用したものであってもよ いが、耐湿熱ライフ特性、易接着性を十分にするためには、側鎖またはペンダン トにカルボン酸を有するのが好ましい。
【0023】 側鎖にカルボン酸を有するポリエステル系樹脂としては、特開昭54−462 94号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公 報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭5 3−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124 684号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製 造することができる。また、これら以外の方法であってもよい。
【0024】 この3価以上の多価カルボン酸としては、例えばトリメリット酸、無水トリメ リット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン− 1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカ ルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’− ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5,(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフ リル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2, 5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカル ボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフ タレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’, 3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラ カルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などが挙げられる。これらの中で特に好 ましいものとしては、ポリエステル共重合体とした時、昇温とともに分子量が低 下するが、降温とともに分子量が増加する(元の分子量である必要はない)、す なわち、分子量が可逆的に変化をするものが再使用時の溶融粘度低下、着色、ゲ ル化による異物の発生、発泡などが起こり難いため好ましい。この具体例として は、5,(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シク ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などが挙げられる。
【0025】 このポリエステル樹脂被膜の形成は、ホットメルトや溶融押し出しなどの複合 製膜法によるか、アンモニア、トリエチルアミンなどの中和剤を用いて水溶性及 び/または水分散性としてコート法(インライン、オフライン)によっても良い 。 ポリエステルウレタン系樹脂としては、特公昭53−38760号公報、特開 昭61−228030号公報に記載の水溶性および/または水分散性樹脂が挙げ られる。
【0026】 このポリエステル成分及びグリコール成分は、前述のポリエステル樹脂と同様 の特定の成分であるのが、吸水率を小さく抑えられ、ガラス転移温度を高くでき 、tan δの上昇を抑え、かつ、コンデンサの破壊電圧低下を抑えられるために好 ましい。 本考案において、ポリエステルウレタン系樹脂のイソシアネート成分としては 、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン ジイソシアネト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシア ネ−ト、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジ イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレ ンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラヒドロナフタレンジ イソシアネートなどが挙げられ、これらのうち特にトリレンジイソシアネートが 特に吸水率の低減や誘電損失の低減から好ましい。
【0027】 また、このウレタン樹脂であっても特定の表面カルボン酸濃度を得るため、側 鎖にカルボン酸を有するものが好ましい。その具体例としては2,2−ジメチロ ールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸,2,2−ジメチロール吉草酸な どが挙げられる。この製造方法としては特開昭61−228030号公報などの 方法で製造される。
【0028】 本考案の被膜を形成する樹脂は、少なくともその1種の樹脂のガラス転移温度 が80℃を越え、より好ましくは85℃、さらに好ましくは85〜160℃であ るのが、tan δの低減(特に高温領域、低周波領域において)や耐電圧性、セル フヒール性、延伸性、積層コンデンサーとした場合の形態保持性等の点で好まし い。
【0029】 このガラス転移温度を得るには、前述した被覆樹脂のポリエステル系樹脂やポ リエステルウレタン系樹脂の場合、そのジカルボン酸成分として2,6−ナフタ レンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン 酸、グリコール成分としては1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シ クロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ ールA、ジヒドロキシベンゾフェノン、キシリレングリコールなどを適宜組み合 わせて共重合することや後述する多価カルボン酸のピロメリット酸、ナフタレン テトラカルボン酸、5,(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メ チル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などを共重合する方法などに より得られる。また、これら以外の酸およびグリコール成分を適宜組み合わせる ことによっても得られる。
【0030】 本考案においてポリエステルフイルムの表面に形成する被膜中にはメラミン、 エポキシ、あるいはイソシアネートなどの架橋剤が含まれる必要があり、なかで もエポキシ、あるいはイソシアネート、さらに好ましくはエポキシによる架橋が 耐湿熱ライフ性を維持し、tan δの増加が少なく、コンデンサー破壊を起こしに くく好ましい。また、さらにエポキシ基が2個以上、好ましくは3〜5個のエポ キシ基を有するエポキシ化合物を用いることが耐湿熱ライフ性やtan δの点で好 ましい。
【0031】 また、この架橋剤の添加量としては、7〜30重量部が好ましく、より好まし くは10〜25重量部であればよく、コンデンサーとした場合のtan δの増加防 止、コンデンサー破壊防止、吸水率が増大によるtan δの増加防止、耐湿熱ライ フ性、ブロッキング防止などを向上させることができる。 また、この架橋剤に架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤として、ジエチ レントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルメチルアミン、メタフェニ レンジアミン、ジアミノジフェニルメタンやキシリレンジアミン、エチルメチル イミダゾール等の硬化剤を用いてもよい。
【0032】 また、被膜材料がポリウレタン系樹脂の場合、自己架橋型のポリウレタンであ ってもよい。 本考案に用いる被膜を形成したポリエステルフイルムは、その吸水率が0.4 〜3wt%、より好ましくは0.45〜2.5wt%であるのが、tan δの低減 、高温高湿下長時間における絶縁破壊電圧の低下防止、コンデンサー素子巻き性 などの点で好ましい。
【0033】 本考案の被膜を形成されたポリエステルフイルムは、その表面粗さRaが0. 008〜0.8μm、より好ましくは0.01〜0.6μmであるのが、滑り性 、ブロッキング防止、巻取性、耐湿熱ライフ性、耐電圧などの点で好ましい。 この被膜層は、例えば二軸延伸製膜における延伸前や一軸延伸後二軸目の延伸 前に前述した被膜樹脂の水分散性樹脂及び/または水溶性樹脂をコートし、延伸 する方法によって得られるが、ホットメルト、水以外の溶媒を用いて、オフライ ン、インラインコートなどを行う方法であってもよく、溶融押し出し法で前述の 押し出しや他樹脂とのブレンドなどによっても良い。
【0034】 本考案における被膜層の厚みは0.01〜5μm、より好ましくは0.02〜 2μmであるのが、前述の表面粗さを得るため、滑り性、素子巻性、耐湿熱ライ フ性、耐電圧性、コロナ放電破壊防止、セルフヒール性などの点で好ましい。 フイルムの巻取り性や滑り性、コンデンサー素子巻性をよくするために、基材 ポリエステル層や被膜層に微粒子の添加をおこなってもよく、この粒子としては 無機粒子や有機粒子などいかなるものであってもよく、無機粒子としては、シリ カ、アルミナ、ジルコニア、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、燐酸カルシウ ム、酸化チタンなど、有機粒子としては、アクリル酸類、スチレン、ポリエステ ル等を構成成分とするものなどが挙げられる。前述した表面粗さを構成するよう に粒子サイズや添加量を決定する。
【0035】 次に本考案のコンデンサーの製造方法について説明するが必ずしもこれに限定 されるものではない。 まず、基材となるポリエステルを押出機にて溶融押出し、冷却ロール上でガラ ス転移点以下に冷却、キャストし、ガラス転移点以上に加熱したのち、長手方向 に2.8〜7.5倍延伸し、前述の被膜樹脂をコート(必要により基材表面をコ ロナ放電処理を行ない)し、さらにステンタにて基材ポリエステルのTg〜17 0℃に予熱した後、3.0〜12倍に幅方向に延伸し、必要により弛緩しながら 基材ポリエステルの融点未満の温度、好ましくは235℃以下で熱固定するのが tan δを低減させるために好ましい。
【0036】 次にコンデンサーの内部電極となる金属蒸着は真空蒸着法によって得られ、蒸 発源から金属を蒸着させ、本考案のポリエステルフイルム上に蒸着膜を形成する 。この蒸発源としては抵抗加熱方式のボート形式や、輻射あるいは高周波加熱に よるルツボ形式や、電子ビーム加熱による方式などがあるが、特に限定されない 。 この蒸着に用いる金属としては、Al,Zn,Mg,Snなどの金属が好まし いが、Ti,In,Cr,Ni,Cu,Pb,Feなども使用できる。これらの 金属はその純度が99%以上、望ましくは99.5%以上の粒状,ロッド状,タ ブレット状,ワイヤー状あるいはルツボの形状に加工したものが好ましい。
【0037】 また、この蒸着の場合は、特にアルミニウムが生産性,コスト面から好ましく 、少なくとも片面にアルミニウムを蒸着して、アルミニウム蒸着膜を設けるが、 この時アルミニウムと同時あるいは逐次にたとえばニッケル、銅、金、銀、クロ ム、亜鉛などの他の金属成分も蒸着することができる。 また、該アルミニウムの厚さは、使用目的により異なるが20〜1000オン グストロームであることがコンデンサー特性、特にセルフヒール性の点で好まし い。
【0038】 さらにアルミニウムの蒸着膜表面のアルミニウム酸化指数が1.65以下、好 ましくは1.45〜1.60であるのが、耐湿熱ライフ性がより一層向上するた め好ましい。 また、本考案のポリエステルフイルムコンデンサーに用いられるポリエステル フイルムは150℃,30分の加熱収縮率が、コンデンサーとしたのち少なくと も長手方向で2%以下より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0% 以下であるのが好ましい。
【0039】 本考案のコンデンサーは、外部電極に接する端面が凹凸をなすように構成した もので、少なくとも、この凹凸部の金属層上にエポキシ樹脂を有するものである 必要がある。エポキシ樹脂を有しない場合はコンデンサーを高温及び/又は高湿 下に長時間放置した場合、tan δが大きくなり、低電圧でのコンデンサー破壊に つながる。
【0040】 凹凸部の金属層上にエポキシ樹脂を存在せしめる方法としては、例えば、外部 電極であるメタリコンを溶射したリード線を取り付けた後、粘度が20ポイズ以 下のエポキシ樹脂とその硬化剤を配合したアンダーコート剤に長時間含浸したり 、事前に減圧しておき含浸する方法、含浸後低温で処理した後、硬化温度にする などの方法がある。
【0041】 例示したコンデンサー製造方法は片面金属化フイルムの2枚重ねで作る方法で あるが、両面金属化フイルムとしたものに、蒸着していないフイルムを重ね合わ せる方法などいずれの方法であっても良い。 本考案におけるコンデンサーの端面の凹凸とは、重ね合わせた2枚のフイルム が少なくとも0.1mm以上幅方向でずらせて巻き回されたことにより形成され る端面の凹凸を言う。
【0042】 本考案においては耐湿熱ライフ性を有する特定の複合構成とし、外部電極に接 する端面が凹凸するコンデンサーにおいて、少なくともこの凹凸部の金属層上の 一部にエポキシ樹脂を有するものを用いることにより、すなわち両者を同時に満 足することにより、耐湿熱ライフ性に優れ、かつtan δの増大を防ぐことにより 、コンデンサーの低電圧破壊を防ぎ安定した品質のコンデンサーが得られるもの である。
【0043】
【評価方法】
(1)ポリエステルの極限粘度[η] ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。 (2)吸水率 ポリエステルフイルムを重ねて2cm角に裁断し、秤量瓶中に入れ、48hr 常温で真空乾燥し、この重量をW1とする。このサンプルを60℃、80%RH 下に放置し、重量を経時で測定し、平衡状態になった時の重量をW2とし、下記 式で吸水率を求めた。(なお、W2は吸湿率の変化が10%以内になった時点と した) (W2−W1)*100/W1=吸水率(%) (3)フイルムの表面粗さRa JIS B0601に準じて測定する。 (4)アルミニウム蒸着膜表面のアルミニウム酸化指数 蒸着膜表面を軟X線光電子分光法で分析する。試料がコンデンサーとなってい る時は解体して蒸着面を空気中に暴露して試料とする。測定によって得られるピ ーク面積比を各原子の相対感度因子で補正して得られる原子数比および各原子の 結合状態によりシフトしたピークを分割して求められる成分割合より、アルミニ ウム酸化指数O/Alを次の式によって求める。 O/Al=[O(Al oxide)/Al(Total) ]/[Al (III) /Al(Total) ] ここで[Al (III) /Al(Total) ]はアルミニウム原子のピークを分 割して得られたAl (III) の存在比、また[O(Aloxide) /Al(Total) ] はアルミニウムに対する全酸素濃度から酸素単体およびアルミニウム以外の元素 と結合した酸素濃度を差し引いて求められる。すなわち、例えば炭素と結合した 酸素の濃度は、炭素のピークを分割して求められる。この時、酸素を含む官能基 がいくつか考えられたり、あるいは結合エネルギーが接近しているため分離がで きない等、酸素の量が特定できない場合には最も多くの酸素が炭素と結合してい るものと見積もる。同様にして、他の元素に結合した酸素についても結合酸素量 を求め、合計した値を全酸素濃度から差し引く。
【0044】 測定条件を以下に示す。 装置 :島津製作所製 ESCA750 励起X線 :MgKα1.2線 (1253.6eV) エネルギー補正:C1Sメインピークの結合エネルギーを284.6eV とする。
【0045】 光電子脱出角度:90度 (5)コンデンサーの耐湿熱ライフ性 コンデンサーを60℃、95%RHの雰囲気下で400VDCを印加し、エー ジングして静電容量変化率を測定した。この静電容量変化率△C/Cが10%低 下するまでの時間で示し、耐湿ライフ試験結果とした。この時間が長いほど耐湿 熱ライフ性が良い。ここで、Cはエージング前の静電容量、△Cはエージング前 後の静電容量変化量である。 (6)シート平均耐電圧 JIS2110に準じ、シートBDV(絶縁破壊電圧)DCにて測定した。陰 極に厚み100μm、10cm角アルミ箔電極、陽極に真鋳製25mmφ、50 0gの電極を用い、この間にフイルムをはさみ、春日製高電圧直流電源を用いて 、100V/secの割合で昇圧しながら印加し、10mA以上の電流が流れた 場合を絶縁破壊したものとし、これを30回測定し、その平均値の電圧で示した 。 (7)コンデンサーの製造 フイルムの片面に表面抵抗値が2Ωとなるようにアルミニウムを真空蒸着した 。その際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部 の幅8.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)。次に各蒸着部の中央 と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左もしくは右に0.5mmのマ ージンを有する全幅4.5mmのテープ状に巻取リールにした。
【0046】 得られたリールの左マージンおよび右マージンのもの各1枚づつを重ね合わせ て巻回し、静電容量約0.047μFの巻回体を得た。その際、幅方向に蒸着部 分がマージン部より0.5mmはみだすように2枚のフイルムをずらして巻回し た。 この巻回体から芯材を抜いて、そのまま150℃、1MPaの温度、圧力で5 分間プレスした。これに両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコ ンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得た。 (8)ガラス転移温度(Tg) セイコー電子工業(株)製ロボットDSC,RDC220,SSC5200H DISK STATIONを用い、2〜5mmgをサンプリングし、昇温速度2 0℃/minで測定し、求めた。また、この測定で検出されない場合は昇温を2 50℃まで行い、液体窒素で急冷し、再度前述条件で昇温測定した。また、両方 にガラス転移温度が認められる場合、高く出る方を使用した。
【0047】 被覆層を基材から溶剤で溶解し、溶剤を飛ばし、被覆樹脂のみを取り出し、困 難な場合は被覆層のみ掻き削り測定サンプルとした。基材、被覆層の樹脂が明ら かな場合は、その素材をサンプルとした。 (9)表面のカルボン酸濃度 島津製作所製 ESCA750を使用し、次ぎの条件で測定した。
【0048】 励起X線:MgKα1,2 線(1253.6eV) 光電子脱出角度θ:90゜ 標準サンプルはポリアクリル酸(PAA)フイルムを使用した。 標準サンプル,測定サンプル共に以下の気相化学修飾反応を実施した。 R-COOH+CF3CH2OH+C6H11NCNC6H11 →R-COOCH2CF3+C6H11NHCONHC6H11 試料フイルムと標準試料であるPAAフイルムを約1cm角に切り、デシケー タ中で空気雰囲気下、ピリジンとジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を 触媒とし、トリフルオロエタノール(TFE)により、フイルム表面カルボン酸 のエステル化を行なった(試料フイルムとPAAフイルムは同一バッチでおこな った)。
【0049】 PAA標準試料からTFEとの反応率(r)と反応触媒として用いたDCCの 残留率(m)を求め、各試料のC1S, F1Sのピーク面積にrとmを配慮してフイ ルム表面カルボン酸濃度(−COOH/C[total ])を求めた。 (10)滑り性 摩擦係数にて評価した。摩擦係数の評価法としてはASTM D1894に準 じた。 (11)tan δ変化率 (δ2−δ1)×100/δ1=tan δ変化率 サンプル準備:tan δ測定用に直径18mmの円状にアルミニウムを両面蒸着 したサンプルを80℃、80%に72時間放置したあと、23℃、65%RHで 10分放置したものをサンプル(下記測定で求めたtan δをδ2)とした。
【0050】 次に高温高湿下に放置しないで23℃、65%RHで放置したものを比較サン プル(下記測定で求めたtan δをδ1)とした。 測定:DEA2970(TA INSTRUMENTS社製)を用い、23℃ 、65%RHで60Hzのtan δを求めた。 (12)コンデンサーでのtan δ HEWLETT PACKARD 製 LCRメーター4284Aを用いて測定した。
【0051】
【実施例】
本考案の1実施例を図2および図4を用いて説明する。 図1〜図4ともに端面が凹凸を有するフイルムコンデンサーである。 図中1はアンダーコートに使われるエポキシ樹脂、2は外部電極のメタリコン から引き出されるリード線、3は外部電極であるメタリコン、4は基材ポリエス テルフイルム、5は蒸着金属(例えばアルミニウム)、6は端面が凹凸構成であ り空隙のできた部分、7はポリエステルフイルムの表面の被膜層である。
【0052】 両面に被膜剤7を薄くコートしたポリエステルフイルム4の片面にアルミニウ ム5を蒸着し、左、右に蒸着しないマージン部をそれぞれ持つ金属化フイルムを 端部に凹凸ができるように2枚のフイルムをずらせて、かつ、金属蒸着面が重な らないように重ねて巻回す。この巻き回したフイルムを必要によりプレス(必要 により、70〜170℃に加熱して)コンデンサー素子とする。この素子に、メ タリコン3を溶射し外部電極とする。このメタリコン3にリード線2を付ける。
【0053】 その後、前述したような方法を用いて、エポキシ樹脂1を素子端面の凹凸部の 空隙6に外部のエポキシ樹脂1がメタリコン3を通過し、入るようにしたものが 本考案のコンデンサーである。図2のように空隙全体にエポキシ樹脂1が侵入し たものが最も好ましいが、図4のように一部エポキシ樹脂が侵入するだけで耐湿 熱ライフ性に優れ、かつ、tan δの増大やコンデンサー破壊電圧の低下を抑えら れ、かつ、品質の安定したコンデンサーが得られる。
【0054】 従来のコンデンサーでは、図1、図3のように空隙部6にエポキシ樹脂が存在 しないので、耐湿熱ライフ性が悪化し、tan δが増大し、コンデンサーの破壊電 圧低下が起こり、品質のバラツキを生じるなどの問題がある。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の考案は、従来フイルムに比べ、高温高湿下における耐湿熱ライフ性 に優れ、高温及び/又は高湿下で長時間使用時のtan δの増加の少ないものが得 られ、コンデンサーの低電圧での破壊を防止し、高電圧まで品質の安定なポリエ ステルフイルムコンデンサーを得ることができるという特有の実用的効果を奏す る。
【0056】 請求項2の考案は、耐湿熱ライフ性を維持し、tan δの増加が少なく、コンデ ンサー破壊を防止することができるという特有の実用的効果を奏する。すなわち 請求項1の効果がより一層顕著になる。 請求項3の考案は、生産性を高めることができるという特有の効果を奏する。 請求項4の考案は、滑り性、ブロッキング防止性、巻取性、耐湿熱ライフ性、 耐電圧を向上させることができるという特有の効果を奏する。
【0057】 請求項5の考案は、tan δを低減できるほか、高温高湿下長時間における絶縁 破壊電圧の低下防止、コンデンサー素子巻き性などを向上させることができると いう特有の実用的効果を奏する。 請求項6の考案は、請求項5の効果をより一層顕著にするという特有の実用的 効果を奏する。
【0058】 請求項7の考案は、請求項4の表面粗さを簡単に得ることができるほか、滑り 性、素子巻性、耐湿熱ライフ性、耐電圧性、コロナ放電破壊防止、セルフヒール 性などを向上させることができるという特有の実用的効果を奏する。 請求項8の考案は、請求項7の効果をより一層顕著にするという特有の実用的 効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の端面が凹凸したコンデンサーの断面図で
ある。
【図2】本考案のポリエステルフイルムコンデンサーの
断面図である。
【図3】図1の一部を拡大して示す図である。
【図4】図2の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 エポキシ樹脂 3 メタリコン 4 基材ポリエステルフイルム 5 蒸着金属 7 被膜層

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルム(4)の少なくと
    も片面にポリエステル系樹脂及び/又はポリエステルウ
    レタン系樹脂と架橋剤からなる組成物の被膜(7)を形
    成し、その少なくとも片面の該被膜(7)上に金属層
    (5)を形成した金属化フイルムを卷回もしくは積層し
    てなるコンデンサーであって、該コンデンサーの外部電
    極(3)に接する端面が凹凸をなすように構成され、少
    なくとも、この凹凸部の金属層(5)上の少なくとも一
    部にエポキシ樹脂(1)を存在せしめてなることを特徴
    とするフイルムコンデンサー。
  2. 【請求項2】 前記架橋剤はエポキシ化合物、あるいは
    イソシアネート化合物からなるものである請求項1に記
    載のポリエステルフイルムコンデンサー。
  3. 【請求項3】 前記被膜(7)を構成する樹脂は架橋促
    進剤を添加してなるものである請求項2に記載のポリエ
    ステルフイルムコンデンサー。
  4. 【請求項4】 前記被膜(7)が形成されたポリエステ
    ルフイルム(4)の表面粗さが0.008〜0.8μm
    である請求項1から請求項3の何れかに記載のポリエス
    テルフイルムコンデンサー。
  5. 【請求項5】 前記被膜(7)が形成されたポリエステ
    ルフイルム(4)として吸水率が0.4〜3重量%のも
    のを採用している請求項1から請求項4の何れかに記載
    のポリエステルフイルムコンデンサー。
  6. 【請求項6】 前記被膜(7)が形成されたポリエステ
    ルフイルム(4)として吸水率が0.45〜2.5重量
    %のものを採用している請求項1から請求項4の何れか
    に記載のポリエステルフイルムコンデンサー。
  7. 【請求項7】 前記被膜(7)の厚みが0.01〜5μ
    mである請求項1から請求項6の何れかに記載のポリエ
    ステルフイルムコンデンサー。
  8. 【請求項8】 前記被膜(7)の厚みが0.02〜2μ
    mである請求項1から請求項6の何れかに記載のポリエ
    ステルフイルムコンデンサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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