JP3031294U - 半田ごてこて先アース機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アース機能の向上と組み立て容易な半田ごて
こて先アース機構を提供するものである。 【構成】 半田ごて本体先端段部内周面と密接して嵌合
したアースリングにヒーターパイプに溶着したブッシュ
を嵌挿し、シリコンリング等弾性材を内装したアダプタ
ーを嵌合し、アダプター固定ネジの締結により半田ごて
本体とこて先を挿着したヒーターパイプとを一体的に形
成すると共に、アース端子を前記アースリング内周面に
溶着したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、半田ごて、特に電気半田ごてに係わり、詳しくは、精密電気機器や 部品の半田づけに使用されるものであるが、こて先から少しの漏電流があっても 製品の品質が落ちたり、製品を破損するもので、こて先に電位が発生することを 防止するためアースコード端子を面接触させ溶着、固定することにより確実にア ースできる半田ごてこて先アース機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の技術としては、図３及び図４に図示の如く、アースコネクター とバネの一端を連接して成るものが知られている。 又、他の手段として、例えば、図２に示す如く、アースコネクターからアース 端子を延設し、該アース端子をアダプターの下部切り欠き部に挿着して成るもの が知られている。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものの中、前者においては、こて先に発生する電位をアー スコードを介し流出するためには、バネがブッシュ後端面に接触することとなり 、バネの断面は円形であるため、点又は線接触となり、接触面が少なく、かつ接 触圧も小さいため、部分的に酸化腐食し劣化し易く、帯電流出を難しくする他、 例えば、図３に於ては、アダプターとブッシュの嵌合も密でなく、ヒーターを挿 入するスペーサー先端鍔部とこて先後端面との接触も当接するのみの構成である ため上述の問題点を有する。

【０００４】 又、図４においても、バネの一端でアースコネクターと連接し、バネ他端面に おいて、ブッシュ後端面と接する、点又は線接触であり、同様の問題点を有して いた。

【０００５】 さらに、図２に示すものは、バネを介し線接触する構成を除去したもので、本 出願人の考案に関するものであり、アース端子がアダプターの切り欠き部と面接 触する構成ではあるが、接触面が使用において酸化皮膜を生じ易く導電性不良と なる他、スペーサー先端面がこて先後端面に接する構成で上述同様の問題点を有 していた。

【０００６】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、アース機能の向上とヒーター断線等による取り替え 作業が容易に行われること、即ち、組み立て容易な半田ごてこて先アース機構を 提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案におけるこて先アース機構は、半田ごて本 体先端鍔状段部内周面と密接して嵌合したアースリングにヒーターパイプに溶着 したブッシュを嵌挿し、シリコンリング等弾性材を内装したアダプターを嵌合し アダプター固定ネジの締結により半田ごて本体とこて先を挿着したヒーターパイ プとを一体的に形成すると共に、アース端子を前記アースリング円周面に溶着し たものである。

【０００８】

【作用】

スイッチＯＮによりヒーターコードを介しヒーターは加熱され半田ごて作業が 行われるのであるが、過加熱の際にはこて先に設けたセンサー保護パイプに被覆 されたセンサーによりセンサーコードを介し加熱度合が調整される。しかし乍ら 、使用中、電源コードを伝わってくる伝導ノイズ、又、空間を伝わる放射ノイズ により瞬間的にもこて先に高い電位が発生する可能性があり、それによって電気 製品及びその部品又はＩＣ等の精密部品を破損するか、製品の品質低下を招くお それが有るが、本考案によれば、ヒーターパイプに伝導した電気はヒーターパイ プに溶着したブッシュ及びブッシュに密に面接触したアースリング並びにこのア ースリングに溶接した接触面を有するアース端子を介しアースコードに伝導し、 こて先の過剰な電位は外部に流出されるので導電性の不良を起こすことなくアー ス機構が機能するため前記製品及び部品並びにＩＣ等の破損や品質低下を回避で きる。

【０００９】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１において、こて先１は、その内周面でヒーター５先端部に装着され、ヒー ター５と共にヒーターパイプ２に挿入支持されてなる。前記ヒーター５は後端部 でヒーターコードと直結し連接される。

【００１０】 こて先１先端部へはセンサー１６を内装したセンサー保護パイプ１５を臨ませ て成り、センサー１６はヒーターパイプ２内に挿入されセンサーコネクター１８ を介しセンサーコード９と連接し、温度制御を行う構成としてある。

【００１１】 半田ごて本体１４（把手部）先端鍔状段部にはアダプター固定ネジを螺着する 螺溝が設けてあり、その内周面と前記ブッシュ７と嵌合するアースリング２０の 外周面とが密に嵌合し、前記アースリング２０の内周面にアースコード１２と連 結したアースコネクター１１より延設したアース端子が面接触すると共に溶着固 定されて成るものである。

【００１２】 こて先１に装着されたヒーター５はセラミック材により形成されるものである が、半田づけ作業中、こて先先端に付着した汚れ等を除去する際、こて先先端を 打ち付けることによる破損や連結コードが断線する等ヒーター５の寿命は一般に 短いものであり頻繁に取り替え作業が行われるのであるが、取り替え作業におい て先ずアダプター固定ネジ１７を螺脱することで半田ごて本体１４先端部からア ダプター８と共に弾性材として内装されているシリコンリング１９が共に離脱す る一方、ヒーターパイプ２に一体的に形成されたブッシュ７も離脱し然る後、こ て先１を前方に引き出すことでヒーター５の交換、交換後の組み立てをアダプタ ー固定ネジ１７の螺脱着のみで行えるものである。 尚、アダプター８内に内装されたシリコンリングは弾性体として機能するもの で、アダプター８が嵌着された際、ブッシュ７とアースリング２０を圧着する機 能を有するが、アダプター８の嵌着によりブッシュ７とアースリング２０が充分 に圧着される場合は無くても良い。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００１４】 ブッシュ７後端部外周面とアースリング２０内周面が密に嵌合し面接触する一 方、アース端子の前記アースリングへの面接触はもとより溶着し固定したことに より隙間を生じることなく、従って、こて先に発生した電位をアースコードを介 して伝導し外部へ確実に流出させ、電気機器、部品、ＩＣ等の破損、品質低下を 防止し得る。

【００１５】 各部品を面接触させ、又、溶着固定したことにより、点、線接触と異なり酸化 による導電性不良を解消し、アース状態を良好に保持し得る。

【００１６】 アダプター固定ネジの螺脱着によりアダプターの離脱着、ヒーターパイプと一 体的に溶着したブッシュの離脱着も一体的に同時に行えることによりヒーター取 り替え作業を容易になし得る等、組み立て、交換を容易に行い得る。

【００１７】 部品点数が少なく、接面を密にする等、製作容易でコスト低減をなし得たこと 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部断面側面図であ
る。

【図２】従来の半田ごてこて先アース機構を示す要部断
面側面図である。

【図３】従来の半田ごてこて先アース機構を示す要部断
面側面図である。

【図４】従来の半田ごてこて先アース機構を示す要部断
面側面図である。

【符号の説明】

１ こて先 ２ ヒーターパイプ ３ こて先内パイプ ４ スペーサー ５ ヒーター ７ ブッシュ ８ アダプター ９ センサーコード １１ アースコネクター １２ アースコード １４ 半田ごて本体（把手部） １７ アダプター固定ネジ ２０ アースリング ２１ アース端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 こて先内周部に先端部を挿着し、ヒータ
   ーパイプに嵌挿されたヒーターの後端部とヒーターコー
   ドを連結した半田ごてであって、半田ごて本体先端鍔状
   段部内周面と密接して嵌合したアースリングにヒーター
   パイブに溶着したブッシュを嵌挿し、シリコンリング等
   弾性材を内装したアダプターを嵌合しアダプター固定ネ
   ジの締結により半田ごて本体とこて先を挿着したヒータ
   ーパイプとを一体的に形成すると共に、アース端子を前
   記アースリング円周面に溶着したことを特徴とする半田
   ごてこて先アース機構。