JP3031047B2 - 風呂装置と逆流防止装置 - Google Patents

風呂装置と逆流防止装置

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JP3031047B2
JP3031047B2 JP4078319A JP7831992A JP3031047B2 JP 3031047 B2 JP3031047 B2 JP 3031047B2 JP 4078319 A JP4078319 A JP 4078319A JP 7831992 A JP7831992 A JP 7831992A JP 3031047 B2 JP3031047 B2 JP 3031047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、追焚回路を介して、浴
槽内に水や湯を落とし込み給湯する風呂装置および、風
呂装置に使用するのに好適な逆流防止装置に係るもので
あり、いずれも追焚きと落とし込み給湯を切り換える切
替え弁の動作を円滑にする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浴槽内に自動的に所定の量だけ湯又は水
を張る風呂装置には、風呂の蓋を開けずに自動給湯でき
ることから、追焚回路を介して浴槽内に水や湯を落とし
込む回路構成が採用されることが多い(特開昭63−2
1436号公報他)。
【0003】図1は上記した回路を採用する風呂装置の
代表的な配管回路図である。従来技術の風呂装置は大き
く分けて追焚回路1と分岐回路2を有し、両回路を接続
配管3によって接続して、追焚回路1内に分岐回路2に
よって作られた湯や水を供給するものである。ここで追
焚回路1は、浴槽内部の湯を追焚用熱交換器5に循環さ
せる回路であり、浴槽の側面に取り付けられるバスアダ
プターの戻り口(図示せず)に接続される風呂戻り口6
からポンプ7、フロースイッチ8、追焚用熱交換器5、
風呂行き口9を経てバスアダプターの出湯口(図示せ
ず)に至る一連の回路である。尚、4は、後記するよう
に追焚回路1を使って浴槽に湯又は水を落とし込む際
に、湯等を風呂戻り口6に向かって流すための逆止弁で
あり、切替え弁31と並列で、かつポンプ7から風呂戻
り口6に向かう流れのみを許す方向に挿入されたもので
ある。
【0004】一方分岐回路2は湯を作る給湯回路10と
水を供給する給水回路11が一体となったものである。
給湯回路10は上水に接続されている給水口13から給
湯用熱交換器14を通る高温湯回路15と、流量制御弁
16を介して上水が直接流れるバイパス回路18を有
し、高温湯回路15を流れる高温水とバイパス回路18
を流れる冷水を湯水混合部20で適当な割合で混合して
所定の温度の湯を作る回路である。給湯回路10には流
量センサー21、逆止弁22、流量制御弁23が挿入さ
れている。給水回路11は、給水口13から給水配管を
枝分けしたものである。
【0005】接続配管3は、逆流防止装置30と、切替
え弁31及び両者をつなぐ配管50よりなり、追焚回路
1と分岐回路2を切り換え可能に接続するものである。
逆流防止装置30は特開平3−59233号公報に開示
されたものとほぼ同じ構造のものである。すなわち逆流
防止装置30は、オーバーフロー室32の上部に逆流防
止室33が一体に接続され、更に逆流防止室33の上部
には、湯落とし込み電磁弁36とぬるめ用電磁弁37が
設けられ、遮断弁38がオーバーフロー室32と並列に
設けられたものである。
【0006】オーバーフロー室32は、筒状の容器の上
部側面と底の部分に穴が設けられ、それぞれの穴にオー
バーフロー電磁弁34と水抜き電磁弁35が取り付けら
れている。そして常時はオーバーフロー電磁弁34が開
いており、オーバーフロー室32の中は大気解放されて
いる。また水抜き電磁弁35は常時は閉じられておりオ
ーバーフロー室32内に水が溜まるようになっている。
水抜き電磁弁35の出口穴は、遮断弁38の吐出側に接
続されている。
【0007】逆流防止室33は、オーバーフロー室32
と連通する連通口40と、入水口41および出水口42
が設けられ、内部に入水口41にかかる水圧に応じて可
動する弁体43が挿入されている。すなわち、入水口4
1に水圧がかかったときは、弁体43は入水口41を開
くとともに連通口40を閉塞し、入水口41と出水口4
2間をつなぐ。一方入水口41に水圧がかからないとき
は弁体43は、ばねによって復帰し、入水口41を閉塞
して連通口40を開放する
【0008】入水口41の上部はマニホールドを形成
し、湯落とし込み電磁弁36とぬるめ用電磁弁37が接
続されている。また、逆流防止室33の出水口42は遮
断弁38に接続されている。遮断弁38は、逆止弁であ
り、追焚回路1から分岐回路2へ向かう方向の流れを阻
止し、分岐回路2から追焚回路1へ向かう方向の流れは
自由に通過させるものである。
【0009】切替え弁31は、三方ボール弁であり、上
部にモータ29が搭載され、このモータ29を作動する
ことによって切替えを行うアクチェーター弁である。切
替え弁31は、風呂戻り口6と、ポンプ7の吸い込み側
の間に2つの開口が接続されて追焚回路1を枝分けして
いる。
【0010】そして逆流防止装置30の遮断弁38とボ
ール弁31の残る1つの開口の間が配管50で接続され
ている。
【0011】逆流防止装置30の湯落とし込み電磁弁3
6の入口側には、給湯回路10の湯水混合部20より下
流の部分から枝分けされた給湯配管45が接続されてい
る。尚この給湯配管45には風呂に落とし込まれる湯量
を検知するための落とし込み水量センサー46と、逆流
を防止するための逆止弁48が挿入されている。またぬ
るめ用電磁弁37には給水回路11が直接接続されてい
る。
【0012】上記した風呂装置で、浴槽に湯を落とし込
む時は、まずポンプ7を停止し、湯落とし込み電磁弁3
6を開くとともに、切替え弁31を配管50とポンプ7
が連通するように切り換える。すると、給湯回路10で
作られた湯が配管45を経由して湯落とし込み電磁弁3
6を流れ、逆流防止装置30の入水口41に至る。そし
て、湯の水圧で、弁体43が押し下げられ、湯は逆流防
止室33を満たして、出水口42から排出される。尚こ
の時、弁体43は、連通口40を閉塞しているので、湯
はオーバーフロー室32へは流れ込まない。出水口42
から排出された湯は、遮断弁38を経て配管50および
切替え弁31を流れ、追焚回路1へ入っていく。追焚回
路1に入った湯の大部分は、逆止弁4を通って、追焚回
路1を逆流し、風呂戻り口6からバスアダプターの戻り
口へ流れ、浴槽内に落とし込まれる。また追焚回路1に
入った湯の一部については、停止したポンプ7の中を経
由して追焚用熱交換器5の中を流れ、風呂行き口9およ
びバスアダプターの出湯口を経て浴槽内に落とし込まれ
る。湯落とし込み電磁弁36にかわって、ぬるめ用電磁
弁37を開くと、湯を落とし込む時と同様の経路を通っ
て浴槽に水が落とし込まれる。
【0013】浴槽に所定の量だけ湯又は水を落とし込ん
だ後は、湯落とし込み電磁弁36及びぬるめ用電磁弁3
7を閉じる。また切替え弁31を風呂戻り口6と、ポン
プ7が連通するように切り換える。すると、逆流防止装
置30では、弁体43が上に押し上げられ、逆流防止室
33の入水口41が閉じられ、変わって連通口40が開
放される。そのため、逆流防止室33内に残った湯はオ
ーバーフロー室32へ落ち込み、逆流防止室33は空洞
状態になって追焚回路1と分岐回路2の縁切りがされ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の風呂装置
は、単に切替え弁31と湯落とし込み電磁弁36を切り
換えるだけで、手軽に風呂に給湯することができる。し
かしながら、従来技術の風呂装置で、浴槽内の湯を追焚
している最中に、同時に給湯回路10の給湯栓51を開
いてシャワー等を使い、瞬間的にこの給湯栓51を閉じ
る操作をすると、後で切替え弁31を分岐回路2側に切
り換えようとしたとき、切替え弁31が回らなくなって
しまい、浴槽への給湯ができなくなってしまう事があっ
た。また同様の操作をすると、切替え弁のシートが変形
したり、甚だしいときはシートが脱落し、水や湯が漏れ
てしまうことがあった。
【0015】本発明者らがこの現象について調査したと
ころ、給湯栓51を急に閉じる事によって、ウォーター
ハンマーが発生し、このウォーターハンマーが配管経路
を伝わって伝播し、最終的に、切替え弁31と遮断弁3
8の間に高圧力が封じ込まれてしまうことが主たる原因
であることが判明した。
【0016】図1でこの現象を説明すると、給湯栓51
を急閉したとき、給湯栓51の近傍でウォーターハンマ
ーが発生する。このウォーターハンマーの衝撃波は給湯
配管45や、高温湯回路15から給水回路11を回っ
て、逆流防止装置30の電磁弁36,37に伝えられ
る。するとこの衝撃によって、電磁弁36,37が開
き、逆流防止室33の中に高圧の湯又は水が流れ込む。
この時、逆流防止室33内の弁体43は水圧によって押
し下げられて、入水口41と出水口42を連通し、また
逆流防止室33の容積は小さいので、湯等はすぐに逆流
防止室33を満たし、出水口42から遮断弁38に流れ
る。そして、遮断弁38においても、前記した、電磁弁
36,37と同様に、ウォーターハンマーの衝撃波をう
けて、瞬間的に開弁する。
【0017】そのため、遮断弁38と切替え弁31の間
の配管50に高圧の湯が瞬間的に流れ込む。ところが、
風呂の追焚中は、切替え弁31の分岐回路2側は、閉じ
られている。また遮断弁38は、追焚回路1側から、分
岐回路2側への水の流れを許さない。そのため結局、遮
断弁38と切替え弁31の間の高圧力は、何処にも逃げ
場が無く、両者の間の配管50の中に封じ込められてし
まう。そして、切替え弁31の玉等の弁体や、樹脂等の
弁シートが封じ込められた高い圧力を受け、動きが悪く
なったり、変形したりしてしまう。
【0018】本発明は、従来技術の上記した問題点に着
目し、浴槽内への湯の追焚と、浴槽への湯等の落とし込
みを切り換える切替え弁の手前の配管に、高圧力が封じ
込められないように改良を加え、切替え弁の動きを常に
スムーズにし、また当該弁の傷みを防止する風呂装置を
提案することを目的とする。また併せて、本発明は切替
え弁の手前の配管に、高圧力が封じ込められることを防
止する事が出来る逆流防止装置を提案することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】そして、上記した目的を
達成するための請求項1の発明の特徴は、追焚回路と、
給湯あるいは給水機能を持つ分岐回路を有し、追焚回路
と分岐回路は、追焚回路と分岐回路の間の流れを遮断す
る切替え弁と、追焚回路から分岐回路へ向かう流れを遮
断する逆止弁を備えた接続配管によって連結され、逆止
弁は、切替え弁よりも分岐回路側に配置されている風呂
装置において、逆止弁あるいは、切替え弁の少なくとも
いずれかは、逆止弁と、切替え弁の間の配管内の圧力が
一定の圧力以上になると開口して当該配管内の圧力を外
部に逃がす圧力開放機能を有する風呂装置である。
【0020】更に、同一の目的を達成することができる
発明に、追焚回路と、給湯あるいは給水機能を持つ分岐
回路を有し、追焚回路と分岐回路は、追焚回路と分岐回
路の間の流れを遮断する切替え弁と、追焚回路から分岐
回路へ向かう流れを遮断する遮断弁を備えた接続配管に
よって連結され、遮断弁は、切替え弁よりも分岐回路側
に配置され、給湯あるいは給水する際に接続配管の通水
経路は湯または水で満たされた状態となる風呂装置にお
いて、通水経路が湯または水で満たされた状態を維持し
つつ圧力変動に応じて通水経路の内容積を一時的に増加
させる事が出来る圧力変動抑制装置を接続配管の通水経
路中に設けたことを特徴とする風呂装置がある(請求項
)。
【0021】請求項の圧力変動抑制装置は接続配管の
いずれの位置に設けても差し支えないが、これを逆流防
止装置に内蔵したものとしては、一部が大気開放可能で
あるオーバーフロー室と、逆流防止室を有し、逆流防止
室には入水口、オーバーフロー室と連通する連通口及び
オーバーフロー室以外の部位に開く出水口が設けられ、
逆流防止室内には弁が設けられており、入水口に水圧が
かかったときは、前記弁が連通口を閉塞して逆流防止室
とオーバーフロー室間を遮断すると共に入水口と出水口
間を開放して入水口・逆流防止室・出水口間を連通し、
入水口の水圧が逆流防止室内の水圧以下である場合は、
前記弁は入水口を閉塞して入水口と逆流防止室間を遮断
すると共に連通口を開放して逆流防止室とオーバーフロ
ー室間を連通する逆流防止装置において、逆流防止室
は、内部の圧力が一定値を越えたとき、その内容積が増
加する機能を有することを特徴とする逆流防止装置があ
る(請求項)。
【0022】
【作用】次に、上記した各発明の作用について順次説明
する。請求項1に記載された風呂装置によって浴槽の湯
を追焚している最中は、追焚回路と分岐回路を分離する
ために切替え弁が閉じられている。この状態で、給湯栓
等を急開閉したときは、給湯栓の周辺で発生した、ウォ
ーターハンマーの衝撃波によって、逆止弁が一瞬開き、
逆止弁と、切替え弁の間が高圧力になろうとする。しか
し、本発明の風呂装置に採用される逆止弁あるいは切替
え弁は、一定以上の圧力を受けた時開口する圧力開放機
能を有するため、逆止弁と、切替え弁の間が一定の圧力
以上になると、圧力開放機能が作用して開口が生じ、外
部に圧力を逃がす。そのため切替え弁の玉やシートに加
わる圧力は常に一定の圧力以下に維持される。
【0023】請求項1の発明は、ウォーターハンマーの
衝撃波によって、逆止弁が一瞬開き、逆止弁から、高圧
力の湯等が流入した後に、この圧力を外部に逃がすもの
である。これに対して、請求項の発明は、主としてウ
ォーターハンマーの衝撃波自身を減衰させ、遮断弁が開
かれること自体を防止し、またウォーターハンマーによ
って遮断弁が開いてしまった場合でも、遮断弁から切替
え弁に向かって流れる湯等の圧力を低下させるものであ
る。
【0024】本発明においては、接続配管に圧力変動に
応じて内容積を一時的に増加させる事が出来る圧力変動
抑制装置が設けられているから、給水栓等でウォーター
ハンマーが発生し、これが接続配管に伝達されたとき、
接続配管の内容積を一時的に増加させて接続配管内の圧
力の増加を防止する。
【0025】ところで、ウォーターハンマーの衝撃波に
よる高圧力は、圧力変動抑制装置が設けられた近傍の位
置では、内容積が増加するので大幅に緩和される。しか
し、ウォーターハンマーの衝撃波は、圧力変動抑制装置
によって弱められるが、圧力変動抑制装置の下流側にい
くぶん伝わることは避けられない。したがって、圧力変
動抑制装置は、接続配管の中でも特に、遮断弁の直前の
位置に設けることが望ましい。一方圧力変動抑制装置を
遮断弁の吐出側以降に設けた場合は、ウォーターハンマ
ーの衝撃波によって遮断弁が開かれること自体を防止す
る作用は期待できない。しかしこの場合は、遮断弁と切
替え弁の間の配管の容積を増大させるから、この間の圧
力の増加は大幅に抑制され、切替え弁にかかる圧力を緩
和する作用がある。
【0026】前記したように、圧力変動抑制装置は、接
続配管の中でも特に、遮断弁の直前の位置に設けること
が望ましいが、追焚回路と分岐回路を縁切りする部分に
逆流防止装置を採用する時は、一般に遮断弁は逆流防止
装置に一体的に組み込まれるか、あるいは、逆流防止装
置の直近の位置に設けられることが多い。したがって、
圧力変動抑制装置は逆流防止装置に設けることが最も合
理的であり望ましい。
【0027】請求項3の逆流防止装置は圧力変動抑制装
置を内蔵したものであり、以下のような作用をする。ま
ず、通常の使用時については、本発明の逆流防止装置は
従来技術のものと全く同じ働きをする。すなわち、浴槽
に湯等を落とし込む時は、入水口から湯等が供給され
る。すると逆流防止室内の弁体が移動して、入水口を開
き、オーバーフロー室と連通する連通口を閉じる。その
ため入水口と出水口は逆流防止室を経由して一体的に結
合され、湯等はここの間を通って切替え弁から追焚回路
へ流れていく。追焚き回路へ流れた湯等は、さらに浴槽
へ供給される。このとき、分岐回路と追焚回路は、逆流
防止装置を介することによって、どこにも大気開放にな
る部分がなく、閉塞状態で結合されるので、追焚回路で
は特にポンプによる加圧を要せず、分岐回路からの押し
込み圧力のみをもって浴槽へ湯の落とし込みをする事が
できる。また、浴槽への湯の落とし込みを終わったとき
は、入水口への湯等の供給を停止することにより、逆流
防止室内の弁体が復帰し、入水口を閉じると共に、連通
口を開き、逆流防止室内の湯等をオーバーフロー室へ落
とす。従って、逆流防止室内は大気開放状態になり追焚
回路と分岐回路の完全な縁切りができる。
【0028】本発明の逆流防止室内に、ウォーターハン
マーの高圧力が伝播したとき、入水口が開いて、逆流防
止室に湯等が満たされ、更に、逆流防止室内の圧力が急
激に上昇しようとする。しかし、ある一定の圧力まで上
昇すると、逆流防止室の容積が増加し、ウォーターハン
マーによる高圧力を吸収する。そのため通常逆流防止室
の近くに設けられる逆止弁では、ウォーターハンマーの
影響による圧力上昇が小さく、逆止弁が開いて高圧力の
湯等が流入する事が防止される。また仮にウォーターハ
ンマーの影響によって、逆止弁が開くことを防ぐ事が出
来ない場合でも、逆止弁から流入する湯等の圧力を大幅
に減少することが出来、逆止弁と切替え弁の間に高圧力
が封入されることが防止される。
【0029】
【実施例】以下更に各発明の具体的実施例について請求
項1に記載したものから順次詳細に説明する。尚、説明
を簡単にするために従来技術と同一の部材は同一の番号
を付して説明を簡略化する。図1は本発明の具体的実施
例における風呂装置の配管回路図である。図2は、図1
の切替え弁の周辺を拡大して、より実体的に表現した配
管回路図である。図3は、請求項1に記載された発明の
具体的実施例に採用される切替え弁の正面断面図であ
る。図4は、図3の切替え弁の過圧逃がし弁の斜視図で
ある。図5は、図4の過圧逃がし弁の正面断面図であ
る。図6は、図5のA−A断面図である。
【0030】まず本実施例の風呂装置の回路に使用され
ている部材及びその接続方法について見ると、これら
主な部材は、従来技術のものと同一である。簡単に説明
すると、本実施例の風呂装置は追焚回路1と分岐回路2
を有し、両回路を接続配管3によって接続したものであ
る。ここで追焚回路1は、浴槽内部の湯を追焚用熱交換
器5に循環させる回路であり、浴槽の側面に取り付けら
れるバスアダプターの戻り穴(図示せず)に接続される
風呂戻り口6からポンプ7、フロースイッチ8、熱交換
器5、風呂行き口9を経てバスアダプターの出湯口(図
示せず)に至る一連の回路からなる。一方分岐回路2は
湯を作る給湯回路10と水を供給する給水回路11が一
体となったものである。
【0031】また接続配管3は、逆流防止装置30と、
切替え弁70を介して追焚回路1と分岐回路2を接続す
るものである。なお切替え弁は、後記する様に従来のそ
れと は異なるので、70の番号を付与することとする。
逆流防止装置30はオーバーフロー室32等に遮断弁3
8が並列に設けられたものである。オーバーフロー室3
2は、筒状の容器の上部側面と底の部分に水抜き穴60
が設けられ、この水抜き穴60には水抜き電磁弁35が
取り付けられている。水抜き電磁弁35の出口穴は、遮
断弁38の吐出側に接続されている。遮断弁38は、逆
止弁であり、追焚回路1から分岐回路2へ向かう方向の
流れを阻止し、分岐回路2から追焚回路1へ向かう方向
の流れは自由に通過させる作用をする。切替え弁70
モータ29が搭載された三方ボール弁であり、2つの開
口が、追焚回路に接続され、残る1つの開口によって追
焚回路を枝分けするものである。この枝分けされた切替
え弁70の開口と、逆止弁からなる遮断弁38の間は、
配管50によって接続されている。
【0032】そして本実施例の風呂装置は、切替え弁7
0が従来技術のそれと異なる特殊構造をしており、当該
切替え弁からウォーターハンマーの高圧力を開放する。
すなわち実施例の風呂装置は切替え弁70の機能と構造
が、従来技術の風呂装置と大きく相違する。具体的に
は、本実施例の切替え弁70は、一定の圧力以上になる
と開口する圧力開放機能を有する。
【0033】切替え弁70は、図3の様に 開口71,
72,73を有する三方ボール弁である。そしてその構
造は弁本体75,玉押さえ76,77、玉78、弁シー
ト79,80、シャフト82の各部品によって構成され
ている。本体75は、銅合金や鋳鉄で作られたものであ
り、Tの字形に三方が開口する管状の弁ケース部83の
上部に電動機等のアクチェーター(図示せず)を取り付
けるための取り付け座85が設けられたものである。3
方の開口のうち、側面の2つには、雌ねじが設けられて
いる(図示せず)。玉押さえ76と77は、ほぼ同一の
形状をしており側面に雄ねじ加工がされ(図示せず)、
貫通穴が設けられたものである。弁シート79,80は
同一のものでありゴムや樹脂で作られたリング状をして
いる。シャフト82は一方が玉78に嵌合し他方がアク
チェータに嵌合して、アクチェータの力を玉78に伝
え、玉78を回転させるものである。
【0034】玉78は、ステンレススチールで作られた
球状のものであり、内部に略Lの字状の穴86が設けら
れており、この穴86を開口71,72,73のそれぞ
れ2箇所づつと合致させるものである。そしてここで特
記すべきは、玉78は、略Lの字状の穴86の開口が、
三方ボール弁の下の開口72と、一方の側面の開口73
にそれぞれ合致したとき、残る一つの開口71に相当す
る部分に小さな貫通穴87が設けられており、更にその
貫通穴87の中には、過圧逃がし弁88が挿入されてい
る点である。
【0035】ここで過圧逃がし弁88は、ゴムや樹脂等
の弾性のある素材で成形されたものであり外形は茸の様
な形をしている。すなわち、過圧逃がし弁88は、外周
のリブ93が内側に曲げられて、断面が笠状に成形され
た笠部89の内側中央から棒状の軸部90が延ばされ、
軸部90の最外端は、やや広がって、ストッパー91を
形成したものである。そして軸部90の側面には、図6
の様に、溝92が縦に設けられている。
【0036】過圧逃がし弁88は、笠部89がLの字状
の穴86内に突出し、ストッパー91が玉78の外周面
に設けられた座繰りに当接した状態で、玉78の貫通穴
87に挿入されている。そして過圧逃がし弁88が装着
された玉78は、本体75の中央部に配置され、弁シー
ト79,80を介して玉押さえ76,77で回転可能に
支持されている。また玉押さえ76,77は、Oリング
84,94を介在させたうえで、本体75に一体的にね
じ込まれている。そして玉78にはシャフト82が嵌合
されており、このシャフト82をアクチェーターで回転
することによって、開口72を中心にして、開口72と
開口71との連通と、開口72と開口73との連通を切
り換えることができる。
【0037】本実施例では、切替え弁70の開口71は
分岐回路側の配管50と接続される。対向する開口73
は、風呂戻り口6に接続される。そして、残る開口72
は、ポンプ7の吸い込み側に接続される。
【0038】いま本実施例の風呂装置を使って、浴槽の
湯を追焚回路1に循環させて追焚しており、更に給水栓
51を急開閉したとする。そのとき給水栓51で発生し
たウォーターハンマーは、給湯配管45等を伝わって、
遮断弁38を微小時間開き、配管50の内部の圧力が上
昇する。すると、この圧力によって、過圧逃がし弁88
の軸部90に設けられた溝92を通って高圧力の湯が、
笠部89の内側に当たる。すると笠部89の周囲のリブ
93が外側へ向かって捲れ返り、当該部分から高圧力の
湯等が追焚回路1側へ逃げる。その結果、配管50内の
圧力は下がり、切替え弁31のシート等にかかる圧力の
上昇は防止される。
【0039】過圧逃がし弁88の笠部89が外側へ広が
って開口が出来るときの限界圧力、すなわち、過圧逃が
し弁88が開く設定圧力は、一般的には切替え弁70が
傷まない程度の圧力以下であり、かつ通常の落とし込み
給湯時に配管50を通過する湯の圧力によって開かない
程度以上である。また、追焚回路によって浴槽内の湯が
追焚されるときのポンプ7の循環圧力によって開いてし
まわないことが重要である。その点、本実施例の、過圧
逃がし弁88は切替え弁70の開口73から71に向か
う方向の圧力に対しては、笠部89が、貫通穴87に押
しつけられる方向であり、逆止弁の機能も併せて持つた
めに好ましい。しかしもちろん過圧逃がし弁88の構成
は、他の構成、例えば、微小な穴を玉に設けたり、バネ
を利用したものであっても構わない。また本実施例にお
いては、過圧逃がし弁88は切替え弁に設けたが、遮断
弁38に設けても同様の効果が期待できる。
【0040】次に請求項に記載した発明の実施例につ
いて説明する。図7は、請求項の具体的実施例におい
て採用される逆流防止装置の部分断面図である。図8
は、図7の逆流防止装置がウォーターハンマーの衝撃を
受けたときの逆流防止装置の部分断面図である。
【0041】本実施例の風呂装置は、前記した請求項1
の実施例における切替え弁70にかえて、接続配管に、
圧力変動に応じて内容積を一時的に増加させる事が出来
る圧力変動抑制装置を設け、圧力変動抑制装置でウォー
ターハンマーの衝撃を吸収しようとするものである。し
たがって本実施例の風呂装置の、追焚回路1、分岐回路
2は従来の風呂装置と同一である。
【0042】本実施例の特徴は、接続回路3の逆流防止
装置に、圧力変動制御装置96が取り付けられている点
にある。以下本実施例に限って、逆流防止装置は95の
番号を付して他と区別する。本実施例に使用される逆流
防止装置95は、従来のものと同様に、一部が大気開放
されたオーバーフロー室97を有し、オーバーフロー室
97の上には、逆流防止室98が設けられている。そし
て逆流防止室98には、オーバーフロー室97と連通す
る連通口99および湯落とし込み電磁弁36等に接続さ
れる入水口100と、遮断弁38につながる出水口が設
けられている(出水口は、図示せず)。逆流防止室98
内には、入水口100の水圧に応じて可動する弁体10
1が挿入されている。そして、入水口100に水圧がか
かったときは、弁体101は、連通口99を閉塞して入
水口100と出水口間を開放し、入水口100の水圧が
逆流防止室98内の水圧以下である場合は入水口100
を閉塞して連通口99を開放する。
【0043】そしてここで本逆流防止装置95が従来の
ものと異なる点は、弁体101が連通口99を塞ぐとき
に当接する弁座120は本体に対して移動可能に固定さ
れており、弁座120は逆流防止室98内の圧力が一定
の値を越えたときに移動して逆流防止室98の内容積を
増大させる構成を持っているところにある。
【0044】弁体101の周辺の構造を詳細に説明する
と、弁体101は、本体102の表面および裏面にシー
ル部材105,106が固定されたものである。本体1
02は、銅合金等の鍛造によって成形されたものであ
り、円錐台形状のシール支持部107の下側にシャフト
108が設けられたものである。シャフト108の一部
分には鍔109が設けられている。そして、シール部材
105は、シール押さえ111の溝内に、リップ付きの
樹脂シール112が装着されたものである。シール部材
105は、リップが上向きでシール支持部107の上面
に固定されている(固定手段は図示せず)。他方のシー
ル部材106は、樹脂シール112の単体と同一のもの
であり、リップが下向きでシール支持部107の下面
と、鍔109の間に形成された溝に装着されている。
【0045】そして、逆流防止室98は、入水口100
と、逆流防止室98の内周の側面が形成された上蓋部1
14と、逆流防止室98の外壁115とオーバーフロー
室97および、オーバーフロー室97と逆流防止室98
との境界壁116が形成された胴体部117が一体にな
って形成されている。そして胴体部117の境界壁11
6はオーバーフロー室97に向かって突出し、3段階に
下へ向かうほど内径が小さくなる筒状部119が形成さ
れ、筒状部119の最先端は開口して貫通穴99になっ
ている。弁体101と境界壁116の間に介在されてい
るのは、弁座120である。弁座120は、内外二重の
筒状であり、両者をブリッジ121で結合したものであ
る。すなわち内側には、中心に貫通穴122が設けられ
た弁体支持筒124が配置され、弁体支持筒124の外
側には、摺動筒125が同心状に取り巻いている。摺動
筒125の外周面の中央部分には段部が設けられてい
る。また、最上部に近い部分には、薄い鍔126が設け
られ、更に鍔126のすぐ上の部分には、溝が設けられ
ている。そして摺動筒125の上端面127は、滑らか
な平坦面に加工されている。
【0046】そして、弁体101のシャフト108は、
弁座120の弁体支持筒124に摺動可能に装着され、
摺動筒125と弁体101の鍔109の間には、ばね1
28が設けられており、弁体101を入水口100に向
かって押し圧している。また弁座120自身は、摺動筒
125が境界壁116に設けられた筒状部119の最も
内径の小さい部分に摺動可能に挿入されている。そし
て、筒状部119の段部と摺動筒125の段部の間に
は、バネ129が配され、弁体101を中空状に支持し
ている。また、摺動筒125の溝にはゴム製のダイアフ
ラム131が挿入され、ダイアフラム131の下面は鍔
126の上面に接着されている。タイアフラム131
は,鍔126から外れた位置にくびれ部分132が設け
られ、最も外周の接続部分133は、上蓋部114と胴
体部117によって挟まれて固定されている。その結
果、弁体101の下側のシール部材106と弁座120
の摺動筒125の上端面127が当接した時、逆流防止
室98とオーバーフロー室97の気密性は保持されてい
る。
【0047】本実施例の風呂装置で浴槽に湯等を落とし
込む時は、他の実施例と同様に、湯落とし込み電磁弁3
6又は、めるめ用電磁弁37を開くと共に、切替え弁3
1を分岐回路2と追焚回路1の間を連通するように開
く。すると入水口100に水圧がかかり弁体101が下
に降下して摺動筒125の上端面127が当接し連通口
99を閉塞して入水口100と出水口間を開放する。そ
のため湯等は、入水口100と出水口間が連通し、下流
の遮断弁38、切替え弁31を経て追焚回路1へ供給さ
れる。
【0048】浴槽の湯を追焚する時は、湯落とし込み電
磁弁36等が閉じられると共に、切替え弁31の分岐回
路2と追焚回路1の間を遮断する。すると、弁体101
は上方に復帰して、入水口100を閉塞し、同時に連通
口99を開放して、逆流防止室98内に溜まっていた湯
をオーバーフロー室97内に落とす。
【0049】いま本実施例の風呂装置で、浴槽の湯を追
焚回路1を循環させて、追焚しており、更に給水栓51
を急開閉したとする。そのとき給水栓51で発生したウ
ォーターハンマーは、給湯配管45等を伝わって、逆流
防止装置95の上部に設けられた湯落とし込み電磁弁3
6,およびぬるめ用電磁弁37に伝えられる。すると、
この衝撃によって、電磁弁36,37が開き、湯等が、
入水口100に流れ込む。するとこの湯等の圧力によっ
て弁体101が押されて下に降下し、下側のシール部材
106と弁座120の摺動筒125の上端面127が当
接し、連通口99は、閉塞される。
【0050】そしてさらに加えて弁体101等は、ウォ
ーターハンマーの強い圧力を受けて、弁体101と弁座
120が一体となったまま、バネ129が縮み、弁体1
01と弁座120が図8の様に全体が下に下がる。この
時、ダイアフラム131が伸びるので、逆流防止装置9
5とオーバーフロー室97の気密性は依然として保持さ
れる。そして、結果的に逆流防止室98の容積が通常の
場合よりも増大し逆流防止室98内の圧力上昇は緩和さ
れる。そのために逆流防止装置95のすぐ下流に接続さ
れた遮断弁38には、大きな圧力はかからず、したがっ
て、遮断弁38は開かず、遮断弁38と切替え弁31の
間に高圧力が封入されることがない。そして、ウォータ
ーハンマーの衝撃に応じて、弁座120が上下し、次第
次第に衝撃を吸収していく。通常ウォーターハンマーに
よる高圧力が持続するのは、0.05秒程度であり、こ
の時間が経過すると、弁体101は、元の位置に復帰す
る。
【0051】次に請求項3に記載した発明の変形実施例
について説明する。図9は、請求項3に記載した発明の
変形実施例における風呂装置の切替え弁の周辺回路を拡
大して、実体的に表現した配管回路図である。図10は
図9の圧力変動制御装置の正面断面図である。図11
は、図7のB方向矢視図である。
【0052】本実施例は、図7の実施例と圧力変動制御
装置の取り付け位置と構造が異なる実施例である。すな
わち図7の実施例においては、圧力変動制御装置96
は、弁体101と弁座120が一体になって上下するも
のを示したが、本実施例は、弁体等とは全く別個に圧力
変動制御装置135を設けたものである。
【0053】本実施例に採用される圧力変動制御装置1
35は、一対のフランジ136,137の間にバネ13
8で支持されたダイアフラム139が挿入されたもので
ある。個々の部材に付いて詳細に説明すると、一方のフ
ランジ136は、逆流防止室33の一部が管状に延長さ
れた管状部140が、一体的に結合されており、内面に
環状の凹部141が設けられている。他方のフランジ1
37は、中央部が全体的に窪んだ円板状のものであり、
空気抜き穴134が設けられている。そしてダイアフラ
ム139は、ゴムまたは樹脂の可撓性のある素材によっ
て成形されたものであり、平坦な円板状である圧力受部
142の周囲に、断面が半円状の伸張部143が設けら
れ、さらに伸張部143の外周に平坦状の支持部145
が形成されたものである。圧力受部142の裏面には圧
力受部142の全面に密着する比較的剛性のある支持体
146が一体的に固定されている。
【0054】そして、フランジ136,137の間に、
ダイアフラム139の支持部145が挟まれた状態で、
三者が三本のネジ147によって、結合され、フランジ
136,137の間に形成される空間内に、ダイアフラ
ム139の圧力受部142が配置され、圧力受部142
の裏面の支持体146とフランジ137の間にバネ13
8が装着されている。
【0055】本実施例の風呂装置で追焚を行っていると
きに、給水栓51でウォーターハンマーが発生すると、
先の実施例と同様に、湯落とし込み電磁弁36等が開か
れ、高圧力の湯等は、逆流防止室33の中に満たされ
る。しかし、逆流防止室33には圧力変動制御装置13
5が取り付けられており、ウォーターハンマーによって
逆流防止室33内の圧力が上昇したときは、ダイアフラ
ム139が押され、圧力がバネ138の力に打ち勝って
ダイアフラム139が外側に向かって拡張される。その
結果、逆流防止室33の内容積が増加し、逆流防止室3
3内の圧力上昇が緩和される。そのために逆流防止装置
95のすぐ下流に接続された遮断弁38には、大きな圧
力はかからず、遮断弁38は開かない。従って、遮断弁
38と切替え弁31の間に高圧力が封入されることがな
い。
【0056】前記した、図7の実施例および本実施例に
おいて、圧力変動制御装置135が作動を開始する圧
力、弁本体やダイアフラムを支えるバネの強力は、通常
の風呂への湯等の落とし込みの際に作動しない最低の強
さに設定することが望ましい。
【0057】以上本発明に採用する事が好ましい圧力変
動制御装置の態様として、逆流防止装置の逆流防止室に
設けられた弁体が移動するものと、ダイアフラムによる
ものを例示した。しかし本発明はこれらの態様に何らこ
だわるものではなく、これら以外にも、シリンダーを利
用したものや、風船状のものを活用した構成等が考えら
れる。また圧力変動制御装置の取り付け位置は、遮断弁
の直前に取りつけることが好ましく、最も推奨されるの
は、本実施例のように逆流防止装置の逆流防止室に設け
る構成である。しかし、もちろん風呂装置のレイアウト
によっては、圧力変動制御装置を接続配管の他の部分に
取り付けても良い。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載した発明の風呂装置は、
逆止弁及び、切替え弁のいずれかに、逆止弁と、切替え
弁の間が一定の圧力以上になると開口する圧力開放機能
をもたせたから、ウォーターハンマーが発生して、逆止
弁と切替え弁の間の圧力が、瞬間的に上昇しようとした
とき、圧力を逃がす。そのため、逆止弁と、切替え弁の
間に高圧力が封入されることが防止され、この間は低い
圧力のまま維持される。従って、三方ボール弁等の切替
え弁の玉やシートに過度の圧力がかかることが防止さ
れ、弁はいつでも軽い力でスムーズに切り換えることが
できる効果がある。また、シートに高い圧力がかからな
いからシートの変形や、脱落が防止され、弁から漏る事
故が大幅に減少する効果がある。
【0059】請求項に記載した発明の風呂装置は、接
続配管の通水経路中に圧力変動に応じて内容積を一時的
に増加させる事が出来る圧力変動抑制装置を設けたか
ら、ウォーターハンマーが発生して、接続配管の圧力が
上昇しようとすると、接続配管の内容積が部分的に増大
し,圧力変動を吸収して切替え弁と遮断弁の間に高圧力
が封入されることが防止される。そのため前記した発明
と同様にシートの変形や、脱落が防止され、弁が漏る事
故が大幅に減少する効果がある。
【0060】また、請求項1又は2に記載した発明は、
いずれも、切替え弁に加わる最高圧力が大幅に減少する
ので、比較的剛性の低い小型の弁を切替え弁として採用
することができる。また弁が小型で、且つこれにかかる
圧力が小さくいつでも軽い力でスムーズに切り換えられ
るため、切替え弁を回転するアクチェータも相当に小型
化を図ることができる。そのため、本発明の風呂装置
は、全体の形状を小型化する事ができる効果がある。
【0061】請求項3の発明は、逆流防止装置の逆流防
止室内に、内部の圧力が一定値を越えたとき、内容積が
増加する機能を持たせたので、ウォーターハンマーが発
生して高圧力が伝播してきても、遮断弁の直前で高圧力
を緩和し、遮断弁が開くことが防止される。そのため請
求項3の発明の逆流防止装置を採用した風呂装置は切替
え弁と遮断弁の間に高圧力が封入されることが防止され
る効果がある。
【0062】また請求項3の発明は、圧力変動抑制装置
を逆流防止装置と一体化したものであり、風呂装置への
組み立てが容易で、場所を取らず、風呂装置全体をより
小型化する事ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例における風呂装置の配管
回路図である。
【図2】図1の切替え弁の周辺を拡大して、より実体的
に表現した配管回路図である。
【図3】請求項1に記載された発明の具体的実施例に採
用される切替え弁の正面断面図である。
【図4】図3の切替え弁の過圧逃がし弁の斜視図であ
る。
【図5】図4の過圧逃がし弁の正面断面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】請求項の具体的実施例において採用される逆
流防止装置の部分断面図である。
【図8】図7の逆流防止装置がウォーターハンマーの衝
撃を受けたときの逆流防止装置の部分断面図である。
【図9】請求項3に記載した発明の変形実施例における
風呂装置の切替え弁の周辺回路を拡大して、実体的に表
現した配管回路図である。
【図10】図9の圧力変動制御装置の正面断面図であ
る。
【図11】図10のB方向矢視図である。
【符号の説明】
1 追焚回路 2 分岐回路 3 接続配管 5 追焚用熱交換器 7 ポンプ 10 給湯回路 11 給水回路 13 給水口 30 逆流防止装置 32 オーバーフロー室 33 逆流防止室 36 湯落とし込み電磁弁 37 ぬるめ用電磁弁 38 遮断弁 50 配管 60 内圧開放弁 88 過圧逃がし弁 95 逆流防止装置 96 圧力変動制御装置 97 オーバーフロー室 98 逆流防止室 101 弁体 135 圧力変動制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 裕三 兵庫県神戸市中央区明石町32番地 株式 会社ノーリツ内 (56)参考文献 実開 平3−14379(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H24H 1/00 305 F24H 1/00 606

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】追焚回路と、給湯あるいは給水機能を持つ
    分岐回路を有し、追焚回路と分岐回路は、追焚回路と分
    岐回路の間の流れを遮断する切替え弁と、追焚回路から
    分岐回路へ向かう流れを遮断する逆止弁を備えた接続配
    管によって連結され、逆止弁は、切替え弁よりも分岐回
    路側に配置されている風呂装置において、逆止弁あるい
    は、切替え弁の少なくともいずれかは、逆止弁と、切替
    え弁の間の配管内の圧力が一定の圧力以上になると開口
    して当該配管内の圧力を外部に逃がす圧力開放機能を有
    することを特徴とする風呂装置。
  2. 【請求項2】追焚回路と、給湯あるいは給水機能を持つ
    分岐回路を有し、追焚回路と分岐回路は、追焚回路と分
    岐回路の間の流れを遮断する切替え弁と、追焚回路から
    分岐回路へ向かう流れを遮断する遮断弁を備えた接続配
    管によって連結され、遮断弁は、切替え弁よりも分岐回
    路側に配置され、給湯あるいは給水する際に接続配管の
    通水経路は湯または水で満たされた状態となる風呂装置
    において、通水経路が湯または水で満たされた状態を維
    持しつつ圧力変動に応じて通水経路の内容積を一時的に
    増加させる事が出来る圧力変動抑制装置を接続配管の通
    水経路中に設けたことを特徴とする風呂装置。
  3. 【請求項3】一部が大気開放可能であるオーバーフロー
    室と、逆流防止室を有し、逆流防止室には入水口、オー
    バーフロー室と連通する連通口及びオーバーフロー室以
    外の部位に開く出水口が設けられ、逆流防止室内には弁
    が設けられており、入水口に水圧がかかったときは、前
    記弁が連通口を閉塞して逆流防止室とオーバーフロー室
    間を遮断すると共に入水口と出水口間を開放して入水口
    ・逆流防止室・出水口間を連通し、入水口の水圧が逆流
    防止室内の水圧以下である場合は、前記弁は入水口を閉
    塞して入水口と逆流防止室間を遮断すると共に連通口を
    開放して逆流防止室とオーバーフロー室間を連通する逆
    流防止装置において、逆流防止室は、内部の圧力が一定
    値を越えたとき、その内容積が増加する機能を有するこ
    とを特徴とする逆流防止装置。
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