JP3031040U - 化粧用貼付材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便にパックができ、貼付対
象部位の凹凸に十分に沿うことができる上貼着性が十分
な化粧用貼付材を提供するにある。 【構成】 可撓性ポリウレタンフォーム
からなる支持体層(1)と、該支持体層(1)の一面に展延さ
れる膏体層(2a)とからなり、上記膏体層(2a)は水溶性高
分子を主成分として構成し、かつここに化粧料を含有す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は新規な化粧用貼付材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

化粧用パックは、例えば美顔用として汎用されているものであるが、皮膚面を 保湿して潤いを与えたり、皮脂やゴミ等を除去したりすることによって皮膚を賦 活させ、また滑らかにする等の目的で用いられている。 このような化粧用パックとしては、フィルム形成性組成物に化粧料を含有した パック剤が主として用いられている。

【０００３】 しかしながら上記のようなパック剤では、塗ったパック剤がフィルムを形成す るまでその部分の皮膚を動かすことはできないので、辛いものであり、またこの 時間に他の作業を並行してするということはほとんど不可能となり、さらに急い でいるときなどはパックする時間がとれず、その上、毎日行うとなるとこのよう なことは非常に煩雑なことである。

【０００４】 このような理由から最近では、上記のようなフィルム形成性組成物を用いずに 簡便にパックを行う方法が提案されている。 すなわち、美顔用を例にとれば、目、鼻、口等の部分を打ち抜いた不織布や紙 等の支持体に保湿剤等を予め含浸させたものを密封したものを用意しておき、パ ックするときに開封して取り出してこれを顔に貼り付けて使用するようにできて いる。

【０００５】 しかしながら、上記のような支持体に保湿剤を含浸したものでは、支持体自身 に弾性がほとんど無く皮膚面の凹凸に沿わないので、皮膚との密着性が不良とな ってパック効果が思うほどに期待できないものとなっている。 しかも、皮膚面に対する接着性も不良である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案の解決しようとする課題は、簡便にパックができ、貼付対象部位 の凹凸に十分に沿うことができる上貼着性が十分な化粧用貼付材を提供するにあ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かくして本願『請求項１』にかかる考案によれば、『可撓性ポリウレタンフォ ームからなる支持体層(1)と、該支持体層(1)の一面に展延される膏体層(2a)とか らなり、上記膏体層(2a)は水溶性高分子を主成分として構成されると共に化粧料 が含有されていることを特徴とする化粧用貼付材(A)』が提供される。

【０００８】 また、本願『請求項２』にかかる考案によれば、『連続気泡を有する可撓性ポ リウレタンフォームからなる支持体層(1)と、該支持体層(1)の一面に展延される 膏体層(2b)とからなり、上記膏体層(2b)は水溶性高分子を主成分として構成され 、かつ水分透過性を有するように構成されてなる化粧用貼付材(B)』が提供され る。

【０００９】 またさらに、本願『請求項３』にかかる考案によれば、『連続気泡を有する可 撓性ポリウレタンフォームからなる支持体層(1)と、該支持体層(1)の一面に展延 される膏体層(2c)とからなり、上記膏体層(2c)は水溶性高分子を主成分として構 成され、かつ油分透過性を有するように構成されてなる化粧用貼付材(C)』が提 供される。

【００１０】 本願『請求項１』にかかる化粧用貼付材(A)によれば、支持体層(1)が可撓性ポ リウレタンフォームで構成されているで、伸び性が十分であってしかも伸びに伴 う復元力が緩和されており、どのような凹凸面にも十分に沿うことができると共 にその貼着部に殆ど負荷をかけないこととなる。 また膏体層(2a)は水溶性高分子を主成分として構成されているので、保水・保 湿性が良好でかつ貼着性も十分なものとなっている。 さらに、水溶性高分子に含有されている化粧料がこの水溶性高分子の保湿効果 と相乗的に作用して美容効果を高めることができる。

【００１１】 本願『請求項２』にかかる化粧用貼付材(B)によれば、支持体層(1)の可撓性ウ レタンフオームは連続気泡を有するものであり、水溶性高分子を主成分とする膏 体層(2b)は水分透過性を有しているので、貼付対象部位に膏体層露呈面を貼付し たまま支持体層(1)の表面から水性化粧料を貼付面まで浸透させることができる ので、貼付面全体を保水・保湿したままそのなかの所定の部位に化粧料を与える ことができる。

【００１２】 本願『請求項３』にかかる化粧用貼付材(C)によれば、支持体層(1)の可撓性ウ レタンフオームは連続気泡を有するものであり、水溶性高分子を主成分とする膏 体層(2c)は油分透過性を有しているので、貼付対象部位に膏体層露呈面を貼付し たまま支持体層(1)の表面から油性化粧料を貼付面まで浸透させることができる ので、貼付面全体を保水・保湿したままそのなかの所定の部位に化粧料を与える ことができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

本願各請求項にかかる化粧用貼付材(A)(B)(C)において、支持体層(1)を構成す る可撓性ポリウレタンフォームは、膏体層(2a)(2b)(2c)を展延できかつ貼付材と しての形状を保持するに十分な機械的強度を有しかつ可撓性を有する範囲にその 物性が設定される。 上記可撓性については、貼付面の凹凸に十分沿うことができる柔軟性を有する ことがさらに好ましい。 また、上記可撓性ウレタンフォームは、連続気泡を有するものであってもよく 、独立気泡を有するものであってもよい。 例えば、上記可撓性ウレタンフォームの好ましい物性例としては、厚み：0.5 〜7.0mm、セル数：15〜100個/25mm、引っ張り強度：0.3kg以上、伸び率：10％以 上、密度：15〜120kg/m²が挙げられるが、別段これに限定されない。 またさらに、上記可撓性ウレタンフォームは、ポリエステル系のものが好まし い。

【００１４】 本願各請求項にかかる化粧用貼付材(A)(B)(C)において、膏剤層(2a)(2b)(2c) はいずれも水溶性高分子を主成分として構成される。 上記水溶性高分子としては、ポリアクリル酸及びその塩、ゼラチン、ポリビニ ルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びその塩、アルギン酸及びその塩 、無水マレイン酸共重合体、イソブチレン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウ ム、ポリビニルピロリドン、ペクチン等が挙げられ、これらのうち１種又は数種 混合して用いられる。また上記塩としてはナトリウム塩が好適なものとして挙げ られ、これらは単独で又は適宜混合して用いられる。 上記水溶性高分子のうち、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、ポリビニル アルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウムが保水・保湿性の点からよ り好ましいものとして選択される。

【００１５】 本願請求項１にかかる化粧用貼付材(A)における膏体層(2a)にはさらに化粧料 が含有される。 上記化粧料としては、当該分野で公知の美白作用を有する成分や皮膚に栄養を 与え賦活する成分等当該分野で公知のもの例えばコラーゲン、アスコルビン酸誘 導体、オリゼニン酵素分解物、プラセンタ、各種ビタミン類、ヒアルロン酸、グ リチルリチン酸Ｋ₂等がそのまま用いられる。

【００１６】 本願請求項２に示すように、膏体層(2b)に水分透過性を付与する場合は、上記 水溶性高分子のうちカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコ ール等を選択することが好ましい。 また、プロピレングリコール、エタノール等を添加することが好ましい。

【００１７】 本願請求項３に示すように、膏体層(2c)に油分透過性を付与する場合は、上記 水溶性高分子のうちゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ ム等を選択することが好ましく、さらにここにハッカ油、エタノール、流動パラ フィン等が適宜添加される。

【００１８】 本考案の化粧用貼付材には、本願『請求項４』に示すように、膏体層露呈面に ライナ(3)が貼着されていることが取扱上の点から好ましい。

【００１９】 実施例１ 図１は、本願請求項１にかかる化粧用貼付材の一例を顔面パック材として構成 したものの一部破断斜視図である。 同図において、化粧用貼付材(A)は、支持体層(1)と、この支持体層上に展延さ れた膏体層(2a)と、この膏体層露呈面に貼着されたポリプロピレン製ライナー(3 )とから構成されており、全体の形状は略楕円形で目及び口に相当する部分は開 口されており、鼻に相当する部分は逆Ｔ字型の切欠が施されている。

【００２０】 上記支持体層(1)は、厚みが２mm、セル数が30±４個/25mm、引っ張り強度が20 kg以上、伸び率が200％以上、密度が30±５kg/m²の連続気泡からなるポリエステ ル系ウレタンフォームから構成されている。

【００２１】 上記膏体層(2a)は、以下の成分・配合割合に基づいて下記する処方により構成 した。 ポリアクリル酸ナトリウム 5％ ゼラチン 3％ ポリビニルアルコール 3％ プラセンタエキス 1％ グリセリン 30％ 水 58％ 100％ 加熱した水にゼラチン及びポリビニルアルコールを撹拌しながら徐々に加え、 完全に溶解させる。 得られた溶液に、予めグリセリンにポリアクリル酸ナトリウムを加えペースト 状にしたものを徐々に加え、次いでプラセンタエキスを加える。

【００２２】 上記のよう処方された化粧料配合膏体を、前記支持体層(1)上に１m²当たり 50 0ｇ程度に展延して膏体層(2a)を構成し、この膏体層露呈面にライナー(3)を貼付 して本実施例の化粧用貼付材(A)を得た。

【００２３】 以上のように構成された化粧用貼付材(A)は、ライナー(3)を剥離して露呈され る膏体層(2a)が十分な粘着性を有しているので、この面を顔面に軽く押圧するだ けで顔面に貼着させることができる。 このとき支持体層(1)は上記物性に基づいて好ましい柔軟性を有するので、顔 面のどのような起伏に沿っても該貼付材(A)の全面をピッタリと密着させること ができる。 そしてこの貼付状態において、膏体層(2a)自身の有する保水性に基づいて顔面 の皮膚への良好な保水効果が持続されると共に、該膏体層(2a)内に含有されてい る化粧料が徐々に皮膚面に滲出して皮膚面との持続的な接触が維持され、保水効 果と相俟って美顔効果が良好に発揮されることとなる。

【００２４】 実施例２ 図２は、本願請求項２にかかる化粧用貼付材の一例についての図１相当図であ る。 図２の化粧用貼付材(B)は、膏体層(2b)を後述するように若干変更する以外は 、支持体層(1)及びライナー(3)の構成は実施例１と同様であり、これらについて の説明は省略する。

【００２５】 上記化粧用貼付材(B)における膏体層(2b)は、以下の配合割合の各成分を実施 例１と同様にして処方した。 これにより構成される膏体層(2b)には化粧料は配合されていなく、また膏体層 自身が水分透過性を有するものとなっている。 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1％ アスコルビン酸ナトリウム 0.1％ カルボキシメチルセルロースナトリウム 3 ％ ゼラチン 3 ％ ポリビニルアルコール 3 ％ エタノール 0.3％ ポリアクリル酸ナトリウム 5 ％ プロピレングリコール 3 ％ 水 82.5％ 合 計 100 ％

【００２６】 以上のように構成された化粧用貼付材(B)は、ライナー(3)を剥離して露呈され る膏体層(2b)が十分な粘着性を有しているので、この面を顔面に軽く押圧するだ けで顔面に貼着させることができる。 このとき支持体層(1)は上記物性に基づいて好ましい柔軟性を有するので、顔 面のどのような起伏に沿っても該貼付材(B)の全面をピッタリと密着させること ができる。 そしてこの貼付状態において、膏体層(2b)自身の有する保水性に基づいて顔面 の皮膚への良好な保水効果が持続される。

【００２７】 また、別個に用意された水性化粧料を、この化粧用貼付材(B)の支持体層(1)表 面の意図する部分に塗布すれば、まずこの水性化粧料は支持体層(1)内の連続気 泡を通じて膏体層(2b)まで浸透する。ここでこの膏体層(2b)は水分透過性を有す るので、水性化粧料は徐々にこの膏体層(2b)を透過することがてき、貼着されて いる皮膚面まで浸潤することとなる。 従って、この化粧用貼付材(B)は、それだけでも持続的な保水・保湿効果を発 揮する事ができる上、水性化粧料と併用すると、意図する部分に意図する化粧効 果を及ぼすこともできる。

【００２８】 実施例３ 図３は、本願請求項３にかかる化粧用貼付材の一例についての図１相当図であ る。 この化粧用貼付材(C)は、膏体層(2c)が後述するように若干変更される以外は 、支持体層(1)及びライナー(3)の構成は実施例１と同様であり、これらについて の説明は省略する。

【００２９】 上記化粧用貼付材(C)における膏体層(2c)は、以下の配合割合の各成分を実施 例１と同様にして処方した。 これにより構成される膏体層(2c)には化粧料は配合されていなく、また膏体層 自身が油分透過性を有するものとなっている。 スクワラン 0.5％ 酢酸トコフェロール 0.1％ ハッカ油 1 ％ ポリビニルアルコール 2 ％ ゼラチン 3 ％ ポリアクリル酸ナトリウム 6 ％ カルボキシメチルセルロース 2 ％ 水 85.4％ 合 計 100 ％

【００３０】 以上のように構成された化粧用貼付材(C)は、ライナー(3)を剥離して露呈され る膏体層(2c)が十分な粘着性を有しているので、この面を顔面に軽く押圧するだ けで顔面に貼着させることができる。 このとき支持体層(1)は上記物性に基づいて好ましい柔軟性を有するので、顔 面のどのような起伏に沿っても該貼付材(C)の全面をピッタリと密着させること ができる。 そしてこの貼付状態において、膏体層(2c)自身の有する保水性に基づいて顔面 の皮膚への良好な保水効果が持続される。

【００３１】 また、別個に用意された油性化粧料を、この化粧用貼付材(C)の支持体層(1)表 面の意図する部分に塗布すれば、まずこの油性化粧料は支持体層(1)内の連続気 泡を通じて膏体層(2c)まで浸透する。ここで、この膏体層(2c)は油分透過性を有 するので、油性化粧料は徐々にこの膏体層(2c)を透過することがてき、貼着され ている皮膚面まで浸潤することとなる。 従って、この化粧用貼付材(C)は、それだけでも持続的な保水・保湿効果を発 揮する事ができる上、油性化粧料と併用すると、意図する部分に意図する化粧効 果を及ぼすこともできる。

【００３２】

【考案の効果】

本考案の第１の化粧料貼付材によれば、伸び性が十分であってしかも伸びに伴 う復元力が緩和された支持体層に膏体層が展延されているので、起伏の激しい面 へもその凹凸形状に沿って密着して貼付することができると共にその貼付部に殆 ど負荷をかけないで貼着することができる。 また膏体層は保水性・保湿性が良好でかつ粘着性も十分な水溶性高分子を主成 分として構成されているので、所定部位への密着状態を長時間維持できる。 さらに、膏体層に含有されている化粧料が貼付面に長時間接触できるので、化 粧料による化粧効果を十分に発揮することができる。

【００３３】 本考案の第２の化粧用貼付材によれば、連続気泡を有する支持体層と水分透過 性を有する膏体層とから構成されているので、この貼付材を貼着したままその外 部から貼付面へ所定の水性成分を選択的に付与することができる。

【００３４】 本考案の第３の化粧用貼付材によれば、連続気泡を有する支持体層と油分透過 性を有する膏体層とから構成されているので、この貼付材を貼着したままその外 部から貼付面へ所定の油性成分を選択的に付与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本顔『請求項１』にかかる化粧用貼付材の一例
の一部破断斜視図

【図２】本顔『請求項２』にかかる化粧用貼付材の一例
の図１相当図

【図３】本顔『請求項３』にかかる化粧用貼付材の一例
の図１相当図

【符号の説明】

(A),(B),(C)…化粧用貼付材 (1a),(1b),(1c)…支持体層 (2a),(2b),(2
c)…膏体層 (3a),(3b),(3c)…ライナー

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性ポリウレタンフォームから
   なる支持体層と、該支持体層の一面に展延される膏体層
   とからなり、 上記膏体層は水溶性高分子を主成分として構成されると
   共に化粧料が含有されていることを特徴とする化粧用貼
   付材。
2. 【請求項２】 連続気泡を有する可撓性ポリウレ
   タンフォームからなる支持体層と、該支持体層の一面に
   展延される膏体層とからなり、 上記膏体層は水溶性高分子を主成分として構成され、か
   つ水分透過性を有するように構成されてなる化粧用貼付
   材。
3. 【請求項３】 連続気泡を有する可撓性ポリウレ
   タンフォームからなる支持体層と、該支持体層の一面に
   展延される膏体層とからなり、 上記膏体層は水溶性高分子を主成分として構成され、か
   つ油分透過性を有するように構成されてなる化粧用貼付
   材。
4. 【請求項４】 膏体層露呈面にライナが貼着され
   ている請求項１〜３のいずれかに記載の化粧用貼付材。