JP3030858B2 - 端子装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、スイッチ，ローゼットなどに使用される
速結端子を内蔵した端子装置に関するものである。

〔従来の技術〕

実公昭62−5004号公報に開示された従来の速結端子装
置は、絶縁ケース内に解除ボタンを収容し、ドライバ等
で解除ボタンを押ことにより、鎖錠部の解除を行う構成
であった。

この従来例は、鎖錠部による速結接続状態の解除を行
うために、速結端子を収容する絶縁ケースの他に、解除
ボタンを必要とし、部品製造コストが高くつくととも
に、組立加工コストも高くつくという問題があった。

上記の従来例の問題を解決できるものとして、第４図
に示すように、速結端子（図示せず）を収容した絶縁ケ
ース51に片持ち梁状の解除アーム52を切筋53により形成
し、例えばマイナス・ドライバ54で解除アーム52を絶縁
ケース51内に押し込むことにより、解除アーム52の先端
で速結端子の鎖錠部の解除を行うようにした端子装置が
提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

この端子装置は、第５図（ａ）に示すように、マイナ
ス・ドライバ54の先端とを解除アーム52の長手方向とを
合わせた状態で、解除アーム52の先端付近をマイナス・
ドライバ54で矢印Ａの方向に押すことにより、解除アー
ム52を撓ませて解除レバー55の先端付近を押し下げ、こ
れによって鎖錠部の速結速接続状態を解除する。

しかしながら、この端子装置では、マイナス・ドライ
バ54で解除アーム52を押し下げるにつれて、第５図
（ｂ）に示すように解除アーム52の力点が支点側に近づ
くため、解除アーム52を押圧するのに強い力を加えなけ
ればならない。この結果、解除操作性が悪く、また解除
アーム52に大きな曲げモーメントが加わって解除アーム
52が折れるおそれがあった。

この発明の目的は、構造を簡略化して部品製造コスト
および組立加工コストを低く抑えることができるととも
に、鎖錠部の解除操作性を良好にすることができる端子
装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の端子装置は、速結端子を収容した絶縁ケー
スに片持ち梁状の解除アームを切筋により形成し、解除
アームを絶縁ケース内に押し込んで解除アームの先端で
速結端子の鎖錠部の解除を行うようにしてあり、解除ア
ームの先端に、解除アームの幅より大きく、かつ当接部
分が略板状の解除具の当接部分の幅に相当する長さを有
し、解除具の当接部分が当接することによって絶縁ケー
ス内に押し込まれる横片を連接し、切筋によって横片を
囲む状態に解除具の当接部分の挿入孔を形成し、横片の
解除具当接面を絶縁ケースの外面における解除具の当接
部分の挿入孔の周縁部分より低くしている。ここで、当
接部分が略板状の解除具というは、例えばマイナス・ド
ライバのようなものである。

〔作用〕

この発明の構成によれば、解除アームの先端に連接さ
れた横片の方向と解除具の当接部分の方向を合わせた状
態で、横片の周囲に形成された挿入孔を挿入ガイドとし
て、横片を解除具で絶縁ケース内に押し込むと、解除ア
ームの先端で速結端子の鎖錠部が押圧され、鎖錠部が解
除される。

この際、鎖錠部の解除用の解除アームを絶縁ケースに
切筋によって形成しているので、解除アームが絶縁ケー
スと一体化されて構造が簡単化され、絶縁ケースの成形
時に同時に解除アームを作成することができ、組み込み
作業も不要で、部品製造コストおよび組立加工コストが
低く抑えられる。

また、解除アームの先端に連接した横片を解除具で垂
直に押し込むので、押し込みの途中で解除アームが撓ん
でも解除アームの力点が支点側へ移ることはなく、途中
で解除操作力が増大することはない。したがって、解除
操作性が良好であり、また解除アームに過大な曲げモー
メントが加わって解除アームが折れることもない。

また、解除アームの先端の横片を囲む状態に切筋によ
って解除具の当接部分の挿入孔が形成されていて、この
切筋により解除アームの先端の横片の周縁面と解除具の
当接部分の挿入孔の内周縁面との隙間をきわめて小さく
できる結果、切筋により解除アームの先端の横片と同時
に形成される挿入孔が解除具の当接部分を挿入して解除
アームの先端の横片を押し下げる際の挿入ガイドとな
り、解除操作時に解除具が滑ることがなく、確実に解除
操作を行うことができる。また、解除アームの先端部以
外の部分が先端部に比べて細くなっているので、解除ア
ームが曲がりやすく、比較的弱い力で解除を行うことが
でき、この点でも、解除具を滑りにくくすることができ
る。また、解除具の挿入位置も認識しやすい。

また、横片の解除具当接面を絶縁ケースの外面におけ
る解除具の当接部分の挿入孔の周縁部分より低くしたの
で、横片に解除具を当てて押し下げる前から横片が陥没
した状態にあり、解除具の当接部分の挿入孔への位置決
めを容易に行うことができ、したがって解除操作を容易
に行うことができる。しかも、解除具の当接部分の位置
決めのためのガイドは絶縁ケース側にあり、横片の方に
ガイドを設ける必要はないため、横片を薄くすることが
可能であり、したがって解除アーム部分を相対的に長く
することが可能で、解除アームが曲がりやすくなって解
除操作がいっそう簡単になる。

〔実 施 例〕

この発明の一実施例を第１図ないし第３図に基づいて
説明する。この端子装置は、第１図および第２図に示す
ように、速結端子1a,1b,1cを収容した絶縁ケース41の構
成要素であるカバー３に片持ち梁状の解除アーム33を切
筋34により形成し、カバー３内に押し込んだ解除アーム
33の先端で速結端子1a,1b,1cの鎖錠部18の解除を行うよ
うにしてあり、解除アーム33の先端に、マイナス・ドラ
イバ42の幅に相当する長さの横片35を連接している。こ
の横片35は、マイナス・ドライバ42の先端が当接するこ
とによって絶縁ケース41内に押し込まれる。この場合に
おいて、マイナスドライバ42が、当接部分が略板状の解
除具に相当し、マイナスドライバ42の先端が当接部分に
対応する。

この端子装置では、解除アーム33の先端に連接された
横片35の方向とマイナス・ドライバ42の先端の方向を合
わせた状態で、横片35の周囲に形成された挿入孔22を挿
入ガイドとして、横片35をマイナス・ドライバ42で絶縁
ケース41内に押し込むと、解除アーム33の先端で速結端
子1a,1b,1cの鎖錠部18に延設した解除レバー19が押圧さ
れ、鎖錠部18が解除される。

以下、この端子装置を詳細に説明する。

この端子装置は、速結端子１と、絶縁ケース41を構成
するボディ２およびカバー３とを有する。

速結端子１は電線（図示せず）を結線する。速結端子
１はＬ字形の端子板の垂直片を折り返すことによって鎖
錠片12を形成し、電線挿通用の孔13は穿孔によって形成
している。

また、1aは、速結端子１とヒューズエレメント16を介
して接続された速結端子、1bは同様にヒューズエレメン
ト16を介して接続された速結端子、1cはアース用の速結
端子である。32はヒューズかしめ兼溶接用エレメントで
ある。

速結端子1a,1bは、それぞれコ字形折曲してあり、縦
片の側縁に山形に折曲してなる鎖錠部18を一体形成した
導電部材25と、接触部17を有する導電部材26をかしめ部
24によりかしめ結合してなる。アース用の速結端子1cも
同様である。19は解除用レバーで、鎖錠部18の先端縁部
に延長形成していて、この解除レバー19を押し下げるこ
とにより鎖錠部18が解除される。27はアース用舌片で折
曲側27aで折曲されて先端部をボディ２の裏面側にはわ
せ先端をたとえば照明器具の器具本体の孔に差し込み結
合する。29は速結端子１の端子板に一体に形成される圧
接端子部、30はたとえば照明器具の器具本体の孔に差し
込まれるアース用舌片である。

ボディ２は、速結端子１および速結端子1a,1b,1cを収
納する開口５を有し開口５を形成する側壁６に電線を挿
入させる電線挿入孔７を形成している。14はカバー３を
係止するための係止突起である。

また、ボディ２において、20は速結端子1a,1b,1cおよ
び速結端子１を位置決めするリブである。

カバー３は開口５を被覆するとともに側壁６の外面に
被さるカバー側側壁８を有して電線挿入孔７に整合する
電線挿通孔９をカバー側側壁８に形成している。15は係
止突起14が係止する係止用孔である。

また、カバー３において、21は電線挿入孔、22は、解
除アーム33および横片35の形成時に同時に形成される解
除レバー操作用のマイナス・ドライバ42の挿入孔で、こ
の挿入孔22にマイナス・ドライバ42が挿入される。23は
前記器具本体の孔（図示せず）に嵌着する弾性の取付用
レバーで前記アース用舌片27の屈曲部分の弾性作用によ
りがたつきを防止している。31はカバー３に形成された
圧接端子用の電線挿入溝である。

解除アーム33はカバー３に切筋34により形成された片
持ち梁状となっている。横片35は解除アーム33の先端に
連接してあり、その幅はマイナス・ドライバ42の先端の
幅に相当する長さにしている。この場合、カバー３内に
押し込んだ解除アーム33の先端で速結端子1a,1b,1cの鎖
錠部18の解除を行うようにしてある。

第３図（ａ）は電線を挿入していない状態の速結端子
1aの正面図、同図（ｂ）は電線４を挿入した状態の速結
端子1aの正面図、同図（ｃ）はマイナス・ドライバ42に
よって解除レバー19が解除アーム33の先端の横片35で押
し下げられている状態の速結端子1aの正面図を示してい
る。

この端子装置は、ボディ２に速結端子１を収納し、カ
バー３を被せて係止用孔15を係止突起14に係止すること
により結合される。また電線挿通孔９より電線を挿入
し、電線挿入孔７に通して孔13および鎖錠片12を超える
と鎖錠片12が電線に食い込んで抜け止めとなり、速結端
子１の表面に電線を押圧し、接続状態とする。

また、電線挿入孔21から電線（図示せず）を挿入して
鎖錠部18と導電部材25との間に電線４を挿入すること
で、鎖錠部18が電線４に食い込んで抜け止めとなり、導
電部材25に電線４を押圧し、接続状態となる。鎖錠部18
の解除操作は、挿入孔22にマイナス・ドライバ42を差し
込んで、カバー３に設けた解除アーム33の先端の横片35
をマイナス・ドライバ42で矢印Ｂの方向に押圧すること
により、解除レバー19を撓ませて電線４の速結接続状態
を解除する（第３図（ｃ）参照）。

この際、鎖錠部18の解除用の解除アーム33をカバー３
に切筋34によって形成しているので、解除アーム33がカ
バー３と一体化されて構造が簡単化され、カバー３の成
形時に同時に解除アーム33を作成することができ、組み
込み作業も不要で、部品製造コストおよび組立加工コス
トが低く抑えられる。

また、解除アーム33の先端に連接した横片35をマイナ
ス・ドライバ42で垂直に押し込むので、押し込みの途中
で解除アーム33が撓んでも解除アーム33の力点が支点側
へ移ることはなく、途中で解除操作力が増大することは
ない。したがって、解除操作性が良好であり、また解除
アーム33に過大なモーメントが加わって解除アーム33が
折れることもない。

また、解除アーム33の先端の横片35の周囲に切筋34に
よってマイナス・ドライバ42の挿入孔22が形成されてい
て、この切筋34により解除アーム33の先端の横片35の周
縁面とマイナス・ドライバ42の挿入孔22の内周縁面との
隙間をきわめて小さくできる結果、切筋34により解除ア
ーム33の先端の横片35と同時に形成される挿入孔22がマ
イナス・ドライバ42を挿入して解除アーム33の先端の横
片35を押し下げる際の挿入ガイドとなり、解除操作時に
マイナス・ドライバ42が滑ることがなく、確実に解除操
作を行うことができる。また、解除アーム33の先端部以
外の部分が先端部に比べて細くなっているので、解除ア
ーム33が曲がりやすく、比較的弱い力で解除を行うこと
ができ、この点でもマイナス・ドライバ42を滑りにくく
することができる。また、マイナス・ドライバ42の挿入
位置も認識しやすい。

また、横片35のマイナス・ドライバ当接面を絶縁ケー
ス41のカバー３の外面におけるマイナス・ドライバ42の
挿入孔22の周縁部分より低くしたので、横片35にマイナ
ス・ドライバ42を当てて押し下げる前から横片35が陥没
した状態にあり、マイナス・ドライバ42の挿入孔22への
位置決めを容易に行うことができ、解錠操作を容易に行
うことができる。しかも、マイナス・ドライバ42の位置
決めのためのガイドは絶縁ケース側にあり、横片35の方
にガイドを設ける必要はないため、横片35を薄くするこ
とが可能であり、したがって解除アーム33を相対的に長
くすることが可能で、解除アーム33が曲がりやすくなっ
て解錠操作がいっそう簡単になる。

なお、前記実施例は係止突起14を電線挿入孔７と同じ
ボディ側壁６に形成したが、異なるボディ側壁６に形成
してもよい。この場合、係止用孔15は係止突起14に対応
し電線挿通孔９は電線挿入孔７に対応して設ける。また
前記実施例はカバー側壁８をボディ側壁６の外側に重ね
たが、ボディ側壁６が外側に重なってもよい。

〔発明の効果〕

この発明の端子装置によれば、鎖錠ばねの解除用の解
除アームを絶縁ケースに切筋によって形成しているの
で、解除アームが絶縁ケースと一体化されて構造が簡単
化され、絶縁ケースの成形時に同時に解除アームを作成
することができ、組み込み作業も不要で、部品製造コス
トおよび組立加工コストを低く抑えることができる。

また、解除アームの先端に連接した横片を解除具で垂
直に押し込むので、押し込みの途中で解除アームが撓ん
でも解除アームの力点が支点側へ移ることはなく、途中
で解除操作力が増大することはない。したがって、解除
操作性が良好であり、また解除アームに過大な曲げモー
メントが加わって解除アームが折れることもない。

また、解除アームの先端の横片の周囲に切筋によって
解除具の当接部分の挿入孔が形成されていて、この切筋
により解除アームの先端の横片の周縁面と解除具の当接
部分の挿入孔の内周縁面との隙間をきわめて小さくでき
る結果、切筋により解除アームの先端の横片と同時に形
成される挿入孔が解除具の当接部分を挿入して解除アー
ムの先端の横片を押し下げる際の挿入ガイドとなり、解
除操作時に解除具が滑ることがなく、確実に解除操作を
行うことができる。また、解除アームの先端部以外の部
分が選択部に比べて細くなっているので、解除アームが
曲がりやすく、比較的弱い力で解除を行うことができ、
この点でも解除具を滑りにくくすることができる。ま
た、解除具の当接部分の挿入位置も認識しやすい。

また、横片の解除具当接面を絶縁ケースの外面におけ
る解除具の当接部分を挿入孔の周縁部分より低くしたの
で、横片に解除具の当接部分を当てて押し下げる前から
横片が陥没した状態にあり、解除具の当接部分の挿入孔
への位置決めを容易に行うことができ、解除操作を容易
に行うことができる。しかも、解除具の位置決めのため
のガイドは絶縁ケース側にあり、横片にガイドを設ける
必要はないため、横片を薄くすることが可能であり、し
たがって解除アームを相対的に長くすることが可能で、
解除アームが曲がりやすくなって解除操作がいっそう簡
単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の端子装置の構成を示す平
面図、第２図は同じく分解斜視図、第３図は速結端子の
鎖錠部の解除操作を示す側面図、第４図は提案例の端子
装置の要部斜視図、第５図はその鎖錠部の解除操作を示
す断面図である。 1a,1b,1c……速結端子、２……ボディ、３……カバー、
33……解除アーム、34……切筋、35……横片、41……絶
縁ケース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西浜 伸通 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 上原 智 大阪府東大阪市菱江１番地 朝日ナショ ナル照明株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−101883（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−57381（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】速結端子を収容した絶縁ケースに片持ち梁
   状の解除アームを切筋により形成し、前記解除アームを
   前記絶縁ケース内に押し込んで前記解除アームの先端で
   前記速結端子の鎖錠部の解除を行うようにした端子装置
   であって、 前記解除アームの先端に、前記解除アームの幅より大き
   く、かつ当接部分が略板状の解除具の前記当接部分の幅
   に相当する長さを有し、前記解除具の前記当接部分が当
   接することによって前記絶縁ケース内に押し込まれる横
   片を連接し、前記切筋によって前記横片を囲む状態に前
   記解除具の前記当接部分の挿入孔を形成し、前記横片の
   解除具当接面を前記絶縁ケースの外面における前記解除
   具の前記当接部分の挿入孔の周縁部分より低くしたこと
   を特徴とする端子装置。