JP3030837U - 旗の乳布止め器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 旗がポールに巻きつくことを防止し、旗の風
による巻き上がりを防止することのできる旗の乳布止め
器具を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 ポール７に取付られたストッパの役割を
兼ねる係止リング２と、乳布６を外側から狭持する二股
体３とを有し、風による旗５の巻き上げ時に該二股体３
が前記係止リング２に当節された時に、上方向への移動
が制止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ポールに装着させた昇り旗（以下、旗という。）の乳布に装着して 、旗の巻き上がりを防止する旗の乳布止め器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

店頭、展示場等では、商店の開店広告、新製品の発売の広告、キャンペーン商 品の広告等を、旗に記載して、大衆に誘致せしめるために、ポールを、旗の「み み」に設けられた乳布に通して、店頭、展示場の入り口等に配置している。 このポールに装着された旗は、その広告効果を高めるため、屋外に配置されて おり、そのため、旗は、風によりポールの上部に巻き上げられ、旗に記載された 広告等が見えなくなっていた。

【０００３】 そこで、従来より、旗をポールに装着し、旗に設けられた乳布の最下部の乳布 を固定する、あるいは、この乳布を動きにくくする乳布ストッパが使用されてい る。 このような乳布ストッパは、ポールが通された旗に設けられた乳布を止めるも のであり、図７に示すように、その内径が、ポール７の外径と略同径の輪形を有 しており、その一部分が切り離され、はめ込み口２７が設けられている。 この乳布ストッパ２６は、ポール７を通した最下部の乳布６を、外側から覆う ようにはめ込んで固定し、これにより旗５の巻き上がりを防止していた。

【０００４】 また、図８に示す旗の乳布ストッパ２８は、ポール７の外径より若干大きい内 径を有する筒からなり、旗５の乳布６を装着するポール７に、あらかじめ、上下 方向、周方向に可動可能なように、はめ込まれている。そしてポール７に旗５を 装着した後に、ポール７と乳布ストッパ２８との隙間に乳布６を挟み込み、旗の 巻き上がりを防止していた。さらに、乳布６と乳布ストッパ２８がずれないよう に、乳布６と乳布ストッパ２８の間に滑り止め２９をはめていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の旗の乳布ストッパ２６では、旗５を装着させるポール７ の径にあわせて、乳布ストッパ２６を複数用意しなければならないという不都合 があった。 また、当該乳布ストッパ２６は、乳布６をポール７に固定してしまうため、旗 ５の巻き上がりは防止できるが、風の向きによっては、旗５が当該乳布ストッパ ２６に引っかかる、あるいは、乳布６がポール７に完全に固定された状態になっ てしまっていることから、旗５の翻り方向が変わると、旗５の自由下端がポール ７に巻き付いてしまい、旗５に記載された図柄や文字が見えなくなってしまうと いう問題があった。 さらに、従来の旗の乳布ストッパ２８は、同じくポール７の径毎にそれに対応 した径のものを用意しておく必要があり、旗下端の巻き付きについても同様な問 題があった。

【０００６】 本考案は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、ポール径の如何によらず に適用でき、且つ旗下端の巻き付きをも抑止可能で、旗の風による巻き上がりを 防止することのできる旗の乳布止め器具を提供することを目的とするものである 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本願請求項１に記載の考案は、旗の乳布止め器具に係り、乳布を介して旗を係 止するポールに取り付けられるストッパと、乳布を外側から挟持し前記ストッパ に当接された時に上方向への移動が制止される二股体とを有することを特徴とす る。 また、本願請求項２に記載の考案は、旗の乳布止め器具に係り、上記二股体が 、板体と、前記板体の幅方向の一端に施された切り欠き部とから構成されること を特徴とする。 さらに、本願請求項３に記載の考案は、旗の乳布止め器具に係り、上記切り欠 き部に滑り止めを施したことを特徴とする。 そして、本願請求項４に記載の考案は、旗の乳布止め器具に係り、上記板体の 一部分に支え部を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図柄、および、文字等が記載された旗を、ストッパの取付られたポールに装着 するには、旗の上部一辺に設けられた上部乳布に、ポール上部の張り出し支竿を 通し、旗の側部「みみ」の一辺に設けられた複数の乳布にポールを通す。 そして、旗に記載された図、文字が隠れないように、旗を下方に引き、旗に設 けられた最下部の乳布をポールの周りに緩やかに嵌装させるようにして摘み、こ こに乳布止め器具の二股体の差込口を、乳布の上部から、挟み込むように差し込 んで止めると、旗が巻き上がろうとする時に二股体がポールのストッパにぶつか ってその巻き上がりが制止されると共に、ポールと乳布との間の適正な隙間によ り、乳布は、旗と共に周方向に移動し、風により旗が巻き付くことがなくなる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案に係る旗の乳布止め器具の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１（ａ）には、本実施例に係る旗の乳布止め器具１の概要構成図が示してあ り、そのうち３は二股体、２はストッパの役割を兼ねる係止リングである。 近年では、旗５を装着するポール７は、運搬、あるいは、保管の省スペース化 を図るため、伸縮可能な二段切り替えのポール７が用いられている。このポール ７は、筒状を有する外竿８ａと、この外竿８ａの長さ方向に収容可能な内竿８ｂ と、外竿８ａから内竿８ｂを引き出して所望位置で固定させる係止リング２とで 構成されている。 この係止リング２は、本実施例におけるストッパの役割を兼ねている。そして 、後述する二股体３の上部が当接して係止されるように、外竿８ａの径よりわず かに大きな径を有する輪からなる。また、この係止リング２は、外竿８ａの下部 に設けられており、外竿８ａに固着され、外竿８ａと内竿８ｂとを周方向に回動 させて、外竿８ａと内竿８ｂを所望長で固定させる、あるいは、係止リング２を 外竿８ａの下部に回動可能に取り付け、その内側に施されたネジ等で螺着される 構成となっている。 また、このポール７の最上部には、風向きによる旗５の翻り方向に回動できる よう、張り出し支竿９の基部が、周方向に回動可能に取り付けられており、さら にこの張り出し支竿９の先端部には、先端の上部乳布６ａを引っ掛けるために先 割れとなっている。 上記ポール７に通された旗５の乳布６に施される二股体３は、図１（ａ）、（ ｂ）に示すように、プラスチックや金属等からなり、その長さ方向略中央上部に 切り欠き部３ｃを設けて狭持部３ａ及び３ｂを構成している。 また、二股体３の切り欠き部３ｃの差込口３ｄには、乳布６をスムースに挟み 込むために、狭持部３ａ、３ｂの角にはラウンド３ｅ、３ｆが設けられている。

【００１０】 つぎに、上記構成の乳布止め器具１のストッパたる係止リング２と二股体３に より、旗５に設けられた乳布６の巻き上がりを止める様子を図面を参照して説明 する。 図２は、ポール７に装着される旗５に設けられた乳布６を止めて、ポール７の 係止リング２と二股体３とにより旗５の巻き上がりを防止する様子を説明した概 念図である。 このようなポール７に装着される旗５には、旗５の「みみ」である一辺５ａに 、複数の乳布６が設けられており、この乳布６にポール７が通されるものである 。 ついで、ポール７の上部に設けられた張り出し支竿９に、旗５の上部一辺５ｂ に設けられた上部乳布６ａを通して、張り出し支竿９の基部をポール７の先に取 り付け、張り出し支竿９の先端の先割れた部分に、旗５の上部先端の上部乳布６ ａが引っ掛けられている。 そして、旗５に記載された図、文字がよく見えるように、旗５を下方に引くと 、最下部の乳布６は、ポール７の係止リング２より下方の内竿８ｂに位置する。 この旗５に設けられた最下部の乳布６を、内竿８ｂの周りに緩やかに嵌装させ るように摘み、乳布６を合わせるようにして、ここに二股体３の差込口３ｄを、 乳布６の上部から挟み込むように差し込む。

【００１１】 このように、乳布６を内竿８ｂの周りに緩やかに嵌装させるようにして該二股 体３を装着することで、旗５の最下部の乳布６は、ポール７の周方向への回動が 可能となり、風向きによる旗５の翻り方向に回動して、ポール７に旗５が巻き付 くことを防止できる。 さらに、図２に示すように、風速により当該乳布６が、ポール７の上方へ持ち 上がる場合は、外竿８ａと内竿８ｂを固定させる係止リング２に該二股体３の上 部が当接して係止される。そして、風が凪ぐと、同図に示すように、乳布６は旗 ５が巻き上がるのを防止させるものである。 なお、該二股体３を形成する板体の上部に厚みを持たせて、係止リング２と当 接する面を大きくしてもよいものである。

【００１２】 また、図３は、本考案の一実施例に係る旗の乳布止め器具のうち二股体３とし て、第一の変形実施例を示すものである。 図３（ａ）に示す二股体３は、上記実施例で示した二股体３と同様の外形を有 する板体４の幅方向略中央の長さ方向に、Ｉ字型の切り欠き部３ｃを設けて、こ の切り欠き部３ｃに旗５の乳布６を狭持させ、上記実施例と同様に、ポール７に 設けられた係止リング２に該二股体３を当接させて旗５の巻き上がりを防止させ るものである。 なお、図３（ｂ）に示す二股体３は、それに設けられた切り欠き部３ｃに、鋸 歯状の突起１０を設け、該二股体３を乳布６に装着する。これにより、乳布６に 装着された二股体３の引っ掛かり効果が高まる。 また、図３（ｃ）に示す二股体３は、それに設けられた切り欠き部３ｃに縦方 向の突起１１と溝１２を複数設け、乳布６に装着された該二股体３の引っ掛かり 効果を高めるようにしたものである。

【００１３】 つぎに、本考案の一実施例に係る旗の乳布止め器具のうち二股体３の第二の変 形実施例が図４に示してある。 図４（ａ）に示す二股体３は、板体４がコの字型に折り曲げられ、乳布６を合 わせて挟むための切り欠き部３ｃを有する乳布止め部３０と、ポール７が通され た乳布６を前記乳布止め部３０に誘導させる乳布誘導部３１と、乳布６とポール ７の隙間に差し込む支え部３２と、ポール７に設けられた係止リング２と当接す る上部面３４を有している。 この二股体３の使用方法は、乳布６に通されたポール７の内竿８ｂと、該二股 体３の支え部３２の接触面３３とが接するように、乳布６とポール７の内竿８ｂ 間に支え部３２を差込み、乳布６を二股体３の乳布誘導部３１に両側から通す。 すなわち、乳布６の一方を乳布誘導部３１のＡ方向から導き、乳布６の他の一 方を乳布誘導部３１のＢ方向から導いて、乳布６の一方と他の一方を合わせて切 り欠き部３ｃに挟む。このようにして、乳布６に装着された該二股体３の引っ掛 かり効果を高める。また、二股体３の上部面３４は、ポール７に設けられたスト ッパの役割を兼ねる係止リング２に当接して乳布６を係止し、旗５の巻き上がり を防止する。

【００１４】 また、上記した第二の変形実施例としての二股体３の切り欠き部３ｃに、前述 の第一の変形実施例の二股体３に設けた鋸歯状の突起１０を設けてもよいし、乳 布誘導部３１に複数の縦方向の突起１１と溝１２を設けて、該二股体３の引っ掛 かり効果を高めるようにしてもよい。 なお、上記第二変形実施例における二股体３の乳布誘導部３１に、図４（ｂ） に示すように、滑り止め部材３５として、ゴムシート、あるいは、ゴム片を複数 箇所に点在させて接着し、該二股体３の引っ掛かり効果を高めるようにしてもよ い。 また、上記した第二変形実施例では、板体４をコの字型に折り曲げて、支え部 ３２を設けたが、この支え部３２は、板体４と同質素材である必要はなく、支え 部３２としての使用効果が得られれば、別素材の支え部３２を板体４の上部に取 り付けるようにしてもよく、また、支え部３２の幅は、板体４の幅と同一である 必要はない。

【００１５】 つぎに、図５には、本考案の一実施例に係る乳布止め器具のうち二股体３の第 三の変形実施例が示してあり、該二股体３の下部の一方にゴム、あるいは、引っ 掛け部材等の係止器具３６を取り付け、他の一方にこの係止器具３６が係止され る係止溝３７を設け、乳布６をその切り欠き部３ｃに挟み込んだ後に係止器具３ ６を前記係止溝３７に引っ掛けるようにすると、乳布６に両側から圧力が加えら れ、該二股体３が外れなくなる。また、この二股体３に設けられた切り欠き部３ ｃに、前記第一の変形実施例における鋸歯状の突起１０を設けてもよく、あるい は、当該切り欠き部３ｃに収縮性を有するゴムシート等を接着して、該二股体３ が外れないようにしてもよい。

【００１６】 なお、上記実施例では、二股体３は、長方形の板体４に切り欠き部３ｃを設け て乳布６を挟むようにしたが、図６に示すように、それ自体を湾曲させ、乳布６ を挟んで使用した際に、ポール７の曲面に沿うようにしてもよい。 また、上記実施例では、伸縮可能な二段切り替えのポール７に旗５を装着し、 この旗５の乳布６に二股体３を使用して、該二股体３が、このポール７の係止リ ング２に当接して係止され、風により旗５が持ち上げられるのを防止するように したが、単体のポールに旗５を装着して、該乳布止め器具１を使用する場合には 、所定位置で二股体３を係止するために、ポールの途中にリング状のストッパを 固定してもよいし、このリングに替えてプラスチック、ゴム等による突起部材を ストッパとして固定するようにしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案における旗の乳布止め器具によると、最下部の 乳布をポールの周りに緩やかに嵌装させるようにして二股体により挟み込んで止 めるようにしたため、風向きにより、旗の靡く向きに従って、乳布も周方向に回 動可能となる。これにより、風向きが変わることで旗がポールに巻き付くことが 防止される。 そして、最下部の乳布が風により該ポールのストッパ取付位置まで持ち上げら れた場合にも、二股体がこのストッパに当接するため、旗の巻き上がりを防止し 、風が凪ぐと速やかに所定位置に戻されるものである。 また、本考案の旗の乳布止め器具は、乳布に装着して使用するようにしたため 、旗を装着させるポールの径にあわせる必要がなくなり、様々な径を有するポー ルに使用することができる。 さらに、本考案の旗の乳布止め器具は、二股体の板体に、Ｉ字型の切り欠き部 を設けた簡便な器具であり、廉価な費用で作成することができ、しかも高効率の 旗の巻き上がり防止効果を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る旗の乳布止め器具の構
成を示した概要構成図である。

【図２】本考案の一実施例に係る旗の乳布止め器具の使
用方法を示した説明図である。

【図３】本考案の第一変形実施例に係る旗の乳布止め器
具の構成を示した概要構成図である。

【図４】本考案の第二変形実施例に係る旗の乳布止め器
具の構成を示した概要構成図である。

【図５】本考案の第三変形実施例に係る旗の乳布止め器
具の構成を示した概要構成図である。

【図６】本考案の他の実施例に係る旗の乳布止め器具の
構成を示した概要構成図である。

【図７】従来の第一の乳布ストッパを示す概要構成図で
ある。

【図８】従来の第二の乳布ストッパを示す概要構成図で
ある。

【符号の説明】

１・・乳布止め器具 ２・・係止リング ３・・二股体 ３ａ、３ｂ・・狭持部 ３ｃ・・切り欠き部 ３ｄ・・差込口 ３ｅ、３ｆ・・ラウンド ４・・板体 ５・・旗 ５ａ・・一辺 ５ｂ・・上部一辺 ６・・乳布 ６ａ・・上部乳布 ７・・ポール ８ａ・・外竿 ８ｂ・・内竿 ９・・張り出し支竿 １０・・鋸歯状の突起 １１・・突起 １２・・溝 ３０・・乳布止め部 ３１・・乳布誘導部 ３２・・支え部 ３３・・接触面 ３４・・上部面 ３５・・滑り止め部材 ３６・・係止器具 ３７・・係止溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乳布を介して旗を係止するポールに取り
   付けられるストッパと、乳布を外側から挟持し前記スト
   ッパに当接された時に上方向への移動が制止される二股
   体とを有することを特徴とする旗の乳布止め器具。
2. 【請求項２】 乳布を介して旗を係止するポールに取り
   付けられるストッパと、乳布を外側から挟持し前記スト
   ッパに当接された時に上方向への移動が制止される二股
   体とを有し、該二股体が、板体と、前記板体の幅方向の
   一端に施された切り欠き部とから構成されることを特徴
   とする旗の乳布止め器具。
3. 【請求項３】 乳布を介して旗を係止するポールに取り
   付けられるストッパと、乳布を外側から挟持し前記スト
   ッパに当接された時に上方向への移動が制止される二股
   体とを有し、該二股体が、板体と、前記板体の幅方向の
   一端に施された切り欠き部とから構成され、該切り欠き
   部に滑り止めを施したことを特徴とする旗の乳布止め器
   具。
4. 【請求項４】 乳布を介して旗を係止するポールに取り
   付けられるストッパと、乳布を外側から挟持し前記スト
   ッパに当接された時に上方向への移動が制止される二股
   体とを有し、該二股体が、板体と、前記板体の幅方向の
   一端に施された切り欠き部とから構成され、該板体の一
   部分に支え部を設けたことを特徴とする旗の乳布止め器
   具。