JP3030171B2 - 気流検知式ガス燃焼器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地下の厨房等に設置さ
れる自然排気式（ＣＦ式）あるいは強制排気式（ＦＥ
式）のガス燃焼器に関し、特にそのガス燃焼器より排出
される燃焼廃ガスが集気フードを介して屋外へ排出され
る際に室内の空気が集気フードへ吸引されているかどう
かによってそのガス燃焼器内のガスバーナのガス弁の開
閉を制御する気流検知式のガス燃焼器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に自然排気式（ＣＦ式）あるい
は強制排気式（ＦＥ式）のガス燃焼器が地下の厨房等に
据え付けられる場合、そのガス燃焼器より排出される燃
焼廃ガスは屋外へ排出させる必要がある。

【０００３】その場合には室内に取り付けたガス燃焼器
上に集気フードを設け、さらにその集気フードはダクト
を介して屋外へ通じさせている。そしてそのダクトの屋
外側開口部には排気扇を設け、その排気扇のスイッチを
入れることにより排気扇を回し、その排気扇の吸引力に
よりガス燃焼器より排出される燃焼廃ガスを強制的に集
気フード内に吸引し、またダクトを介して屋外へ強制的
に排出させるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなＣＦ式あるいはＦＥ式ガス燃焼器が室内の換気の良
くない地下厨房等において使用されているにもかかわら
ず、排気扇のスイッチを入れないで、あるいは入れ忘れ
によりこのガス燃焼器が使用されることがある。そうす
るとこのガス燃焼器より排出される燃焼廃ガスは集気フ
ード内に滞留し、ダクトから屋外へ排出されることはな
い。そしてしまいにはこの燃焼廃ガスが室内に充満し、
室内が酸欠状態となったり、あるいは屋内に居る者が一
酸化炭素中毒を起こしたりする等の事故を招来するおそ
れがあった。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、地下
の厨房等の強制的換気に頼る場所においてガス器具が使
用される場合に、そのガス器具の燃焼廃ガスの排気の確
認によりガス器具使用の安全性を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項１に記載のガス燃焼器は、ガスバーナ
と、該ガスバーナのガス弁を開閉するガス開閉手段と、
前記ガスバーナによる燃焼廃ガスを屋外へ排出する集気
フードに接続されるガス排気口とを備え、前記ガス排気
口近傍には前記集気フードへ吸引される室内の空気の流
れを検知する気流検知手段を設け、該気流検知手段から
の検知信号に基づき前記ガス開閉手段を開閉制御するガ
ス開閉制御手段を備えていることを要旨としている。

【０００７】また本発明の請求項２に記載のガス燃焼器
は、更に前記ガスバーナの燃焼中に前記気流検知手段か
らの検知信号がないとき光り又は音等による警報を発す
る警報発生手段と、前記警報発生手段により発せられる
警報が一定時間継続したとき前記ガスバーナの燃焼を停
止すると共に前記警報も停止し、前記一定時間内に前記
気流検知手段からの検知信号があれば前記ガスバーナの
燃焼を継続させる燃焼警報制御手段とを備えていること
を要旨としている。

【０００８】

【作用】上記の構成を有する本発明のガス燃焼器によれ
ば、ガスバーナの燃焼廃ガスは集気フードを介して屋外
へ排出されるが、その際に集気フードへ吸い込まれる室
内の空気の流れが気流検知手段により検知され、その検
知信号に基づいてガス開閉手段が開状態に保持される。
一方、気流検知手段により室内の空気の集気ダクトへの
吸引が検知されなければ、ガス開閉手段は閉状態とな
る。したがって、集気フードによる燃焼廃ガスの排気が
確実に行われていない限り、このガス燃焼器が運転し続
けることはなく、室内に燃焼廃ガスが充満するといった
事故が回避される。

【０００９】また本発明の請求項２に記載のガス燃焼器
によれば、ガスバーナの燃焼中に気流検知手段からの検
知信号がないとき警報発生手段により光り又は音等によ
る警報が発せられる。そしてその警報発生手段により発
せられる警報が一定時間継続したときには燃焼警報制御
手段によりガスバーナの燃焼が停止されると共にその警
報も停止され、一方その一定時間内に気流検知手段から
の検知信号があれば前記ガスバーナの燃焼は継続され
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳
細に説明する。図１に本発明の気流検知式ガス燃焼器が
地下厨房等に設置されている状態の全体構成の外観を概
略的に示す。図示のように、ガス給湯器１０は、給湯器
本体１２の前面に点火操作ボタン１４、内蔵ガスバーナ
点火確認用ののぞき窓１６及び警報器１７が設けられ
る。警報器１７はこのガス給湯器１０がガスバーナの点
火により使用されているにも拘らず、後述する気流セン
サ３４からの検知信号がない場合に警報（ブザー）を発
するためのものである。

【００１１】また給湯器本体１２には給水管１８、ガス
管２０、出湯管２２が接続され、さらに給湯器本体１２
の上面にはこの給湯器本体１２内で発生する燃焼廃ガス
が排出されるガス排気口２４が設けられている。

【００１２】一方、このガス給湯器が設置される地下厨
房等の天井面には、ガス給湯器１０のガス排気口２４上
部に位置して集気フード２６が設けられ、またこの地下
厨房の壁面には屋外に通じる穴があけられ、この穴にダ
クト２８を通すと共にこのダクト２８の一端を前記集気
フード２６の頂部開口に接続することによりこの集気フ
ード２６と屋外とはダクト２８を介して連通されてい
る。そしてダクト２８の屋外側開口部には排気扇３０が
設けられ、この排気扇３０をオンオフするスイッチ３２
が壁面に取り付けられている。

【００１３】かくしてガス給湯器１０のガス排気口２４
の外側面には、前記排気扇３０の作動により集気フード
２６内の吸い込まれていく室内の空気の流れを検知する
気流センサ３４が設けられ、この気流センサ３４はガス
給湯器１０に内蔵されるコントローラ３６に接続され
る。このコントローラ３６は、後述するように給湯栓を
開くことによりオンされる水流スイッチからの信号に基
づきガス弁を開いてバーナを点火させたり、送風ファン
を駆動させたり、あるいは出湯温度を検知する湯温サー
ミスタからの検知信号に基づきガス弁の開度（ガス量）
や送風ファンの回転数を制御したりするほか、気流検知
センサ３４からの検知信号に基づいてガス弁の開閉を制
御する等の各種の制御機能を発揮するものである。

【００１４】図２は、ガス給湯器１０の内部構造の概略
構成を示している。図示のように、給湯器本体１２内に
設けられる熱交換器３８に前記給水管１８が通され、こ
の熱交換器３８の出口側に設けられる出湯管２２の出湯
口には給湯栓４０が設けられ、またこの出湯管２２には
この出湯管２２中を流れる湯温を検知する湯温サーミス
タ４２が取り付けられている。

【００１５】一方、前記熱交換器３８を加熱するガスバ
ーナ４４に通じる前記ガス管２０には切替電磁弁４６、
元電磁弁４８が設けられると共にガス比例制御弁５０が
設けられ、これらの切替電磁弁４６、元電磁弁４８およ
びガス比例制御弁５０は前記コントローラ３６に接続さ
れている。

【００１６】さらに、前記ガスバーナ４４には送風ファ
ン５２の駆動により燃焼用空気が供給されるようになっ
ており、その送風ファン５２のファンモータ５４は前記
コントローラ３６からの駆動信号によりモータ駆動回路
５６を介して駆動制御されるようになっている。

【００１７】尚、図２中、５８は前記ガスバーナ４４に
臨設される点火ロッド、６０はこの点火ロッド５８に接
続されるイグナイタを示している。イグナイタ６０のス
パークによりガスバーナ４４が点火されると、イグナイ
タ６０よりコントローラ３６へガスバーナの点火が完了
した旨の信号が送られるようになっている。

【００１８】しかしてこのように構成されたガス給湯器
１０によれば、給湯栓４０を開くと給水管１８に流入し
た水は熱交換器３８へ向かうと同時に図示しない水流ス
イッチがオンされ、コントローラ３６に前記オン信号が
送られ、送風ファン５２が回転する。そしてプリパージ
の後、ガス管２０の元電磁弁４８と切替電磁弁４６が開
き、ガス比例制御弁５０が緩点火動作となり、ガスバー
ナ４４にガスが供給される。それと同時にイグナイタ６
０が連続的にスパークしてガスバーナ４４に点火する。
緩点火動作を終了すると、比例制御が開始され、湯温サ
ーミスタ４２で検出した湯温と設定した湯温とに差があ
ると、コントローラ３６でそれを判断し、ガス比例制御
弁５０へ信号を送り、ガス量を連続的に変化させて熱交
換器３８の出口温度を設定温度に保つ。またガス比例制
御弁５０によるガス量の変化に応じてモータ駆動回路５
６からファンモータ５４へ信号が送られ、常にガス量と
空気量との関係が一定に保たれる。給湯栓４０を閉じる
と、図示しない水流スイッチがオフとなり、元電磁弁４
８、切替電磁弁４６、及びガス比例制御弁５０がオフと
なって消火し、ポストパージ動作に入った後そのタイム
アップにより送風ファン５２は停止する。

【００１９】かくして本発明のガス給湯器１０によれ
ば、ガスバーナ４４による燃焼廃ガスはガス排気口２４
より集気フード２６へ導かれる。そしてダクト２８の排
気扇３０がスイッチ３２がオンされていることにより作
動している時には、その排気扇３０の吸引力により強制
的にダクト２８内へ吸引され、屋外へ排出される。その
時室内の空気も排気扇３０の吸引力によって集気フード
２６へ吸い込まれるためその気流が気流センサ３４によ
って検知される。そしてその気流センサ３４の検知信号
はコントローラ３６へ送られ、コントローラ３６では排
気扇３０が作動しているとしてガス比例制御弁５０へ駆
動信号を送り続けるためガス比例制御弁５０は開状態が
保持される。そのため気流センサ３４からの検地信号が
コントローラ３６へ送信されている限り、ガスバーナ４
４へは燃料ガスが供給され続け、バーナの燃焼が継続す
る。

【００２０】一方、ダクト２８の排気扇３０のスイッチ
３２がオフされていて排気扇３０が作動していない時に
は、気流センサ３４では室内の空気の流れを検知できな
いのでコントローラ３６へは信号が送られない。そのた
めに折角給湯栓４０を開いてガスバーナ４４を点火させ
てもコントローラ３６からの駆動停止信号によりガス比
例制御弁５０が閉じられ、ガスバーナ４４は消火し、更
に送風ファン５２もモータ駆動回路５６からファンモー
タ５４への停止信号により停止される。

【００２１】図３は、このガス燃焼器１０における気流
センサ３４からの検知信号に基づいてガスバーナ４４の
燃焼を継続させたり、あるいは停止させたりする場合の
制御フローチャートを示している。

【００２２】この図３に示されるように、このガス給湯
器１０がガスバーナ４４の燃焼により使用されたとき
（ステップ１、以下単に「Ｓ１」と表示する。）に、コ
ントローラ３６では気流センサ３４からの検知信号があ
るか否かが判断され（Ｓ２）、検知信号がある限りガス
バーナ４４は燃焼をし続けるが、排気扇３０のスイッチ
３２がオンされていなければ気流センサ３４からの検知
信号は送信されてこないので警報器１７へ信号が送られ
て警報器１７より警報が発せられる（Ｓ３）。

【００２３】それと同時にタイマーが作動し（Ｓ４）、
次いでタイマーの設定時間が経過したか否かが判断され
（Ｓ５）、タイマーの設定時間が経過したにも拘らず警
報器１７より警報を発しておれば（Ｓ６）、ガスバーナ
４４のガス比例制御弁５０が閉じられバーナの燃焼が停
止される（Ｓ７）と共に、警報器１７の警報が停止され
る（Ｓ８）。

【００２４】一方、Ｓ５においてタイマーの設定時間が
経過していない間に気流センサ３４より検知信号が送信
されてくれば（Ｓ９）、排気扇３０のスイッチ３４がオ
ンされたと判断して警報器１７による警報が停止される
（Ｓ１０）。

【００２５】上記タイマーの設定時間は、厨房に居る者
がこのガス燃焼器１０のガスバーナ４４を点火したとき
に警報器１７の警報（ブザー）が発せられて排気扇３０
のスイッチ３２を入れることを忘れていたことに気づい
てからそのスイッチ３２を入れるのに十分な時間が確保
されていることが望ましい。そうすれば、排気扇３０の
スイッチ３２を入れ忘れても直ぐにこのスイッチ３２を
入れればガスバーナ４４の燃焼は引き続き行なわれるの
で改めてバーナの点火操作をやり直す手間が省ける。

【００２６】かくしてダクト２８の排気扇３０が作動し
ていない限りにおいては、ガス給湯器１０のガスバーナ
４４が燃焼し続けることはない。そのためにその燃焼廃
ガスが集気フード２６からダクト２８へ吸引されること
なく室内へ充満するといったことは回避される。

【００２７】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
でないことは当然である。例えば、上記実施例では自然
排気式（ＣＦ式）のガス燃焼器が示されているが、強制
排気式（ＦＥ式）のものにも適用でき、要するにガス燃
焼器の燃焼廃ガスが集気ダクトに吸い込まれていくこと
を室内空気の流れを検知することで確認できるものであ
ればよい。したがって上記実施例では、ガス燃焼器のガ
ス排気口の外側壁に気流検知センサを設けたが、この気
流検知センサをガス排気口に近い燃焼器本体の他の位置
に取り付けたり、あるいは集気ダクトの内側にアタッチ
メント式に取り付けるようにしてもよい。また上記実施
例では警報器１７として音を発するものを用いたが、光
りを発するもの（警報ランプ等）を用いてもよいことも
言うまでもないことである。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の気流検知式ガス燃焼器によれば、燃焼廃ガスが集
気フードを介して確実に屋外へ排出されているかどうか
が燃焼器本体の排出口近傍に設けられる気流検知センサ
による室内空気の流れの検知により確認される。そして
その気流検知センサの検知信号により燃焼廃ガスが屋外
へ排出されていなければガスバーナのガス開閉弁を閉じ
て室内への燃焼廃ガスの充満を回避するようにしたもの
であるから、ガス中毒等の不慮の事故を回避でき、ガス
器具使用の安全性が確保されるものである。また排気扇
のスイッチをうっかりして入れ忘れた場合には警報器に
より警報が発せられるようにし、警報が発せられてから
直ちにその排気扇のスイッチを入れればガスバーナの燃
焼を停止することなく引き続き使用できるようにすれ
ば、バーナの点火操作をやり直す手間も省け、器具の燃
焼を停止することなく使用できてすこぶる使い勝手が良
い。したがって地下厨房等強制換気が必要とされる場所
に設置されるガス給湯器等に適用することは安全性の面
で極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る気流検知式ガス燃焼器
が地下厨房等に設置されている状態の全体構成の外観を
示す概略構成図である。

【図２】図１に示した気流検知式ガス燃焼器そのものの
内部構造の概略構成図である。

【図３】気流検知センサからの検知信号に基づくこのガ
ス燃焼器のガスバーナの燃焼制御のフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１０ ガス給湯器 １７ 警報器 ２４ ガス排気口 ２６ 集気フード ２８ ダクト ３０ 排気扇 ３２ スイッチ ３４ 気流センサ ３６ コントローラ ４４ ガスバーナ ５０ ガス比例制御弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23N 5/24 104 F23N 5/18 101 F23N 5/26 101

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスバーナと、該ガスバーナのガス弁を
   開閉するガス開閉手段と、前記ガスバーナによる燃焼廃
   ガスを屋外へ排出する集気フードに接続されるガス排気
   口とを備えたガス燃焼器であって、 前記ガス排気口近傍には前記集気フードへ吸引される室
   内の空気の流れを検知する気流検知手段を設け、該気流
   検知手段からの検知信号に基づき前記ガス開閉手段を開
   閉制御するガス開閉制御手段を備えていることを特徴と
   する気流検知式ガス燃焼器。
2. 【請求項２】 前記ガスバーナの燃焼中に前記気流検知
   信号がないとき光り又は音等による警報を発する警報発
   生手段と、 前記警報発生手段により発せられる警報が一定時間継続
   したとき前記ガスバーナの燃焼を停止すると共に前記警
   報も停止し、前記一定時間内に前記気流検知手段からの
   検知信号があれば前記ガスバーナの燃焼を継続させる燃
   焼警報制御手段とを更に備えていることを特徴とする請
   求項１に記載の気流検知式ガス燃焼器。