JP3030064U - 介護用パンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】介護用パンツの長時間着用時、着用者のウエス
ト部分あるいは大腿部の皮膚に痒みやかぶれ等を生ずる
ことを防ぐ。 【解決手段】撥水性素材からなる表地と吸湿性素材から
なる裏地とからなる介護用パンツにおいて、そのウエス
ト部あるいは下肢挿脱部の開口部周縁の裏地を表地側へ
折り曲げ、裏地で表地を包み込んで縫合した縫合部を構
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、幼児や軽度の機能障害あるいは失禁症の患者等に用いられる介護用 パンツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、幼児や軽度の機能障害あるいは失禁症の患者に用いられるこの種の介護 用パンツ１１は、汗等の分泌物や少量の排泄物を吸収し、これらが外に漏れるこ とを防ぐ目的から、図２に見られるように、吸湿性を有する裏地１３と、通気性 及び撥水性を有する素材からなる表地１２とが縫合されて構成されている。そし て、表地１２としてはポリエステル等の化繊素材が用いられ、裏地１３としては 肌触りのよい綿を主体とする素材が用いられている。前記表地１２と前記裏地１ ３とは、該パンツ１１のウエスト部１４において、表地１２が裏地１３側へ折り 曲げられ、該裏地１３が該表地１２に包み込まれて縫合され、縫合部１５が形成 されるとともに、下肢挿脱部１６の周縁には別布が当てがわれて縫合され、縫合 部１７が形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようする課題】

表地に用いられている前記ポリエステル等の化繊素材は、一般に吸湿性に欠け 肌触りにも問題があるので、直接皮膚に触れる部分に用いることは適当でない。 しかしながら、従来品においては、前記化繊素材からなる表地が、介護用パンツ のウエスト部あるいは下肢挿脱部の内側に折り曲げられ、包み込まれて縫合され るか、別布で縫合されていたので、着用者のウエスト部分あるいは大腿部の皮膚 に、該表地や別布が触れることになる。従って、パンツを長時間着用する場合や 該パンツのウエスト部あるいは下肢挿脱部の縫代部分の締まりが強い場合、ある いは軽度の運動等を行なった場合に、前記表地が着用者の腹部あるいは大腿部の 皮膚を頻繁に刺激あるいは擦過するため、痒みやかぶれ等の原因となっていた。 また、別布を用いてパンツの開口部周縁を縫合するものにおいては、大量生産す る上で生産効率が低いという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案では、直接皮膚に触れる介護用パンツにお いて、該パンツのウエスト部および下肢挿脱部の一方または少なくともウエスト の一部または全周にわたって、該パンツの外面である撥水性素材からなる表地側 に吸湿性素材からなる裏地を折り曲げ、該裏地で該表地を包み込んで縫合し、介 護用パンツを構成する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

上述のように構成された本考案に係る介護用パンツ１では、裏地に肌触りの柔 らかい吸湿性に富んだ綿を主体とする生地が用いられ、表地には通気性および撥 水性に富んだポリエステルを主体とする生地が用いられる。

【０００６】 該パンツ１のウエスト部は、前記裏地と前記表地との縫合部内全周にわたって ゴム紐等の伸縮材が縫い込まれ、伸縮性を有している。

【０００７】 前記裏地と前記表地とは、前記ウエスト部全周と、前記下肢挿脱部の縫代部分 とで縫合され、介護用パンツが形成される。

【０００８】 前記裏地のうち、股間部に当たる部分については、直接分泌物や排泄物等を吸 収するために、裏地を二重に構成し、あるいは吸水材を挿脱可能に構成すること が好ましい。

【０００９】

【実施例】

以下、別紙図面に基づいて、本考案に係る介護用パンツの実施例を説明する。 図１は本考案に係る介護用パンツ１の側面図で、該パンツ１のウエスト部４に おける裏地３と表地２との縫合関係を示すため、一部を切欠して示している。

【００１０】 本考案に係る介護用パンツ１は、表地２を通気性および撥水性に優れたポリエ ステルを主体とする素材を使用し、裏地３を吸湿性に優れた綿を主体とする素材 を使用して構成する。そして、これら２種の布地はウエスト部４全周で縫合され 、下肢挿脱部６、６もその縫代部分７、７でそれぞれ縫合され、一体化して、介 護用パンツ１が構成されている。

【００１１】 ウエスト部４には、表地２と裏地３との縫合部５内にゴム紐（図示せず）等が 縫い込まれており、伸縮性が付与されている。

【００１２】 幼児または軽度の機能障害あるいは失禁症患者等が、介護用パンツ１を着用し た場合、主に該パンツ１の下肢挿脱部６、６の縫代部分７、７のパンツ内側部分 と、ウエスト部４の内側部分とが、直接皮膚と接触する。そして、身体の屈伸等 につれて、当該部分を擦過することになる。

【００１３】 この時、介護用パンツ１では、前記ウエスト部４あるいは下肢挿脱部６の縫代 部分７において、裏地３が表地２側へ折り曲げられ、該表地端を裏地端が包み込 むようにして縫合されているため、使用者のウエスト部分あるいは大腿部は、吸 湿性があり肌触りの良い綿素材である裏地３によって、全周的に覆われることに なる。

【００１４】 前記裏地のうち、直接分泌物や排泄物等を吸収する股間部分は、裏地を二重に して構成されているが、吸水材を挿脱可能に構成してもよい。

【００１５】 一方、介護用パンツの表地２は、通気性と撥水性に優れた素材からなるため、 裏地３の股間部分で吸収された分泌物や排泄物等が、該パンツの外面側へ漏れ出 すことを防いでいる。

【００１６】 上記実施例では表地２をポリエステル素材とし、裏地３を綿を主体とする素材 としているが、これらの素材は上述した目的を達成しうる素材であれば、適宜選 択可能である。また上記実施例では、ウエスト部４および下肢挿脱部６、６がと もに裏地３を表地２側へ折り曲げて縫合されたものが示されているが、生産性が 特に問題にならない場合は下肢挿脱部６、６は従来と同様、別布で縫合しても良 い。なお、ウエスト部４における裏地３の表地２側への折り曲げは、全周に限ら ず必要範囲で折り曲げて縫合しても良いことは勿論である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は上記構成からなるものであるから、幼児や軽度の機能障害あるいは失 禁症の患者等が、介護用パンツを長時間着用する場合や、該パンツのウエスト部 あるいは下肢挿脱部の縫代部分の締まりが強い場合、あるいは軽度の運動等を行 なった場合に、着用者のウエスト部分あるいは大腿部の皮膚を頻繁に擦過しても 、刺激となることなく、従って痒みやかぶれ等を生ずることはない。また、従来 品の素材等を強いて変更する必要がなく、介護用パンツのウエスト部において、 裏地端を表地側へ折り曲げ、該裏地端が該表地端を包み込んで縫合するように縫 製を変更するだけでよいので、製造工程及び生産コストに与える影響も少なく、 可及的に消費者に対して安価に販売できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る介護用パンツの側面図で、該パン
ツのウエスト部における裏地と表地との縫合関係を示す
ため、一部を切欠して図示している。

【図２】従来例の側面図であって、図１と同様に、パン
ツのウエスト部における裏地と表地との縫合関係を示す
ため、一部を切欠して図示している。

【符号の説明】

１・・・介護用パンツ ２・・・表地 ３・・・裏地 ４・・・ウエスト部 ５・・・縫合部 ６・・・下肢挿脱部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】撥水性素材からなる表地（２）と、吸湿性
   素材からなる裏地（３）とからなる介護用パンツ（１）
   において、該パンツ（１）のウエスト部（４）および下
   肢挿脱部（６）の少なくともウエスト部（４）の裏地
   （３）が表地（２）側へ折り曲げられ、該表地（２）が
   該裏地（３）に包み込まれて縫合された縫合部（５）が
   形成されていることを特徴とする介護用パンツ。
2. 【請求項２】撥水性素材からなる表地（２）と、吸湿性
   素材からなる裏地（３）とからなる介護用パンツ（１）
   において、該パンツ（１）の下肢挿脱部（６）の裏地
   （３）が表地（２）側へ折り曲げられ、該表地（２）が
   該裏地（３）に包み込まれて縫合された縫合部（５）が
   形成されていることを特徴とする介護用パンツ。