JP3030063B2 - 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法 - Google Patents

架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法

Info

Publication number
JP3030063B2
JP3030063B2 JP2199946A JP19994690A JP3030063B2 JP 3030063 B2 JP3030063 B2 JP 3030063B2 JP 2199946 A JP2199946 A JP 2199946A JP 19994690 A JP19994690 A JP 19994690A JP 3030063 B2 JP3030063 B2 JP 3030063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crosslinked polyolefin
insulating coating
insulated cable
crosslinked
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2199946A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0487222A (ja
Inventor
元 谷本
稔 岡下
二三夫 会田
進 平井
勇 加治木
光太郎 斉藤
Original Assignee
昭和電線電纜株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電線電纜株式会社 filed Critical 昭和電線電纜株式会社
Priority to JP2199946A priority Critical patent/JP3030063B2/ja
Publication of JPH0487222A publication Critical patent/JPH0487222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3030063B2 publication Critical patent/JP3030063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、有機過酸化物により架橋させて形成した架
橋ポリオレフィン絶縁被覆を有する架橋ポリオレフィン
絶縁ケーブルおよびその製造方法に関する。
(従来の技術) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルを製造するにあた
り、連続的に送り出される導体上に、ジクミルパーオキ
サイド(DCP)等の有機過酸化物を架橋剤として配合し
たポリオレフィン組成物を押出被覆し、これに熱処理を
施すことにより架橋させて架橋ポリオレフィン絶縁被覆
を設ける方法が、一般に行われている。
しかしながらこの方法で得られるケーブルは、他のこ
の種のケーブルの製造方法、たとえば電子線照射により
架橋させる方法により得られるケーブルに比べて、絶縁
被覆中に水トリーが発生しやすいうえに、tanδが大き
いという問題があった。
水トリーの発生は、ポリオレフィン組成物の架橋反応
が次式に示すようなプロセスで進行するため、この過程
で生じた水分が絶縁被覆中に高濃度に残留することによ
るものと考えられている。
すなわち次式[I]〜[III]は、DCPによるポリエチ
レンの架橋反応を例として示したものであるが、アセト
フェノン、メタン、クミルアルコール、αメチルスチレ
ンとともに、水がDCPの分解生成物として生じる。
他方、tanδの上昇について、本発明者らが鋭意研究
を重ねた結果、架橋プロセスで生じる架橋剤の分解残渣
(DCPの場合は、アセトフェノン、メタン、クミルアル
コール、αメチルスチレン)の絶縁被覆中への滞留がそ
の要因であることをつきとめた。
すなわちtanδは、絶縁被覆中の電荷が多い程上昇す
るが、この電荷には外部から侵入してくるものと蓄積さ
れたものがあり、架橋剤の分解残渣は、このような電荷
の侵入および蓄積を促進する性質を有することが、本発
明者らの種々の実験によって確認された。
したがってこのような架橋剤の分解残渣を架橋後の絶
縁被覆中から除去するならば、tanδ特性に優れたケー
ブルを提供することが可能となると考えられる。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来の方法では、絶縁被覆中に水トリー
が発生しやすく、またtanδが大きいという問題があ
り、本発明者らは、その原因が架橋工程で生じる水およ
び架橋剤の分解残渣であることを見出だした。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたも
ので、tanδが小さく耐水トリー性も良好な架橋ポリオ
レフィン絶縁ケーブルおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、導体上に、ジクミルパーオキサイドで架橋
させた架橋ポリオレフィン絶縁被覆を有する架橋ポリオ
レフィン絶縁ケーブルにおいて、前記架橋ポリオレフィ
ン絶縁被覆中のクミルアルコールとアセトフェノンの総
残留量が1.2重量%以下であることを特徴としている。
また、本発明方法は、導体上に、ジクミルパーオキサイ
ドを架橋剤として配合したポリオレフィン組成物を押出
被覆し、架橋させて架橋ポリオレフィン絶縁被覆を形成
した後、これを不活性ガス雰囲気下で加熱乾燥させて前
記架橋ポリオレフィン絶縁被覆中に残留するジクミルパ
ーオキサイドの分解残渣のクミルアルコールとアセトフ
ェノンの総残留量を1.2重量%以下に低減することを特
徴としている。
本発明における、DCPを架橋剤として配合したポリオ
レフィン組成物としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)等のエチレン系共重合体等のポリ
オレフィンをベースに、DCPを配合し、さらに必要に応
じて無機充填剤、老化防止剤その他の添加剤を混合した
ものがあげられる。
本発明においては、このようなポリオレフィン組成物
を導体上に押出被覆し、架橋させた後、この架橋ポリオ
レフィン絶縁被覆の加熱乾燥処理を行うが、この乾燥処
理は、架橋工程において生じたDCPの分解残渣のクミル
アルコールとアセトフェノンの架橋ポリオレフィン絶縁
被覆中の残留量が総計で1.2重量%以下、より好ましく
はクミルアルコールが0.8重量%以下でアセトフェノン
が0.4重量%以下となるまで加熱を続け乾燥させるよう
にする。ちなみにこのような結果を5〜30日で得られる
加熱条件は、ケーブルの絶縁被覆の厚さやDCPの初期の
含有量等によっても異なるが、加熱温度は60℃以上であ
る。これより低いと分解残渣の絶縁被覆中からの揮散速
度が極めて遅い。ただし加熱温度はポリオレフィンの劣
化を防止するために100℃を越えない範囲とすることが
望ましい。
なおこの加熱は、真空、またはN2ガスやSF6ガスのよ
うな不活性ガス雰囲気下で行うことがより望ましい。
このような乾燥処理により、架橋剤の分解残渣だけで
なく水分も減少させることができる。
(作用) 本発明では、このように絶縁被覆架橋後に加熱乾燥さ
せて絶縁被覆中に残留するDCPの分解残渣を低減せしめ
るので、かかる分解残渣が原因のtanδの上昇を防止す
ることができる。またこの加熱乾燥処理により水も除去
することができるので、耐水トリー性も向上させること
ができる。
したがってtanδが小さく耐水トリー性も良好な架橋
ポリオレフィン絶縁ケーブルを製造することができる。
(実施例) 次に本発明の実施例について説明する。
低密度ポリエチレンをベースとし、架橋剤としてDCP
が配合された架橋可能な絶縁性組成物を、外径19.0mmの
導体上に厚さが12mmとなるように押出被覆し、常法によ
り加熱架橋して絶縁体を形成した後ドラムに巻取った。
次いでこれを0.3mmHgの加熱真空室に入れ、90℃の温度
で10日間保持した後、加熱真空室から取り出し、その外
周にポリ塩化ビニルを押出して厚さ3.5mmのシースを被
覆して本発明にかかる架橋ポリオレフィン絶縁ケーブル
を製造した。
また比較のために、導体上に絶縁体を形成しドラムに
巻取った後、一般の加熱室に収容し、大気圧下、55℃の
温度で10日間の加熱乾燥を行った点を除いて、上記実施
例と同様にして架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルを製造
した。
なおこれらの実施例および比較例における加熱乾燥処
理後の絶縁体中のDCPの分解残渣および水分の含有量
は、次表に示す通りであった。
次にこれらの各ケーブルにおける絶縁体のtanδを測
定したところ、40℃で実施例が0.008%であったのに対
し、比較例では0.02%であった。
また各ケーブルの長期信頼性を調べるために、105℃
で10時間と常温で12時間のヒートサイクル課電試験で加
速劣化試験を実施した。結果は実施例のものが120年相
当の条件でも破壊が認められなかったのに対し、比較例
では70年相当の条件で破壊が認められた。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように本発明によれば、
DCPを架橋剤として配合したポリオレフィン組成物を押
出被覆し、架橋させた後、加熱乾燥処理を施して絶縁被
覆中に残留するDCPの分解残渣を除去するようにしたの
で、tanδが小さく耐水トリー性も良好な長期信頼性に
優れた絶縁特性を具備した架橋ポリオレフィン絶縁ケー
ブルが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 進 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番 1号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 加治木 勇 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番 1号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 斉藤 光太郎 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番 1号 昭和電線電纜株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−105407(JP,A) 特開 昭63−98905(JP,A) 特開 昭64−54605(JP,A) 特開 昭49−88086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 13/14 H01B 3/16 - 3/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に、ジクミルパーオキサイドで架橋
    させた架橋ポリオレフィン絶縁被覆を有する架橋ポリオ
    レフィン絶縁ケーブルにおいて、 前記架橋ポリオレフィン絶縁被覆中のクミルアルコール
    とアセトフェノンの総残留量が1.2重量%以下であるこ
    とを特徴とする架橋ポリオレフィン絶縁ケーブル。
  2. 【請求項2】導体上に、ジクミルパーオキサイドを架橋
    剤として配合したポリオレフィン組成物を押出被覆し、
    架橋させて架橋ポリオレフィン絶縁被覆を形成した後、
    これを不活性ガス雰囲気下で加熱乾燥させて前記架橋ポ
    リオレフィン絶縁被覆中に残留するジクミルパーオキサ
    イドの分解残渣のクミルアルコールとアセトフェノンの
    総残留量を1.2重量%以下に低減することを特徴とする
    架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法。
JP2199946A 1990-07-27 1990-07-27 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法 Expired - Lifetime JP3030063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2199946A JP3030063B2 (ja) 1990-07-27 1990-07-27 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2199946A JP3030063B2 (ja) 1990-07-27 1990-07-27 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0487222A JPH0487222A (ja) 1992-03-19
JP3030063B2 true JP3030063B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=16416229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2199946A Expired - Lifetime JP3030063B2 (ja) 1990-07-27 1990-07-27 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3030063B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009277580A (ja) 2008-05-16 2009-11-26 Hitachi Cable Ltd 水中モータ用電線

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0487222A (ja) 1992-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3030063B2 (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法
JP3341488B2 (ja) 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル
JPH01100803A (ja) 電線・ケーブル用電気絶縁体
JP3341593B2 (ja) 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル
JP2001256833A (ja) 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル
JPH04342731A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法
JPH09265841A (ja) 架橋ポリエチレン絶縁ケーブル
JP3089831B2 (ja) 電線・ケーブル
JPH0244082B2 (ja)
JPH02126508A (ja) 電線・ケーブル用電気絶縁体
JPS6245260B2 (ja)
JPH01144508A (ja) 電線・ケーブル
JPH06349360A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法
JPH1012046A (ja) 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル
JPH01144510A (ja) 電線・ケーブル
JPH02129806A (ja) 電線・ケーブル用電気絶縁体
JPH04355013A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法
JPH0261908A (ja) 電線・ケーブル
JPH0244081B2 (ja)
JPH05247279A (ja) 樹脂組成物およびケーブル
JPH02201822A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルの製造方法
JPH0689608A (ja) 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル
JPH07288039A (ja) 電気絶縁樹脂組成物及び電線・ケーブル
JPH0294329A (ja) 架橋ポリオレフィン絶縁ケーブルまたはその接続部の架橋方法および特性維持方法
JPH0317907A (ja) 電線・ケーブル用電気絶縁体