JP3029833B2 - 超格子半導体発光素子 - Google Patents

超格子半導体発光素子

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JP3029833B2
JP3029833B2 JP14159999A JP14159999A JP3029833B2 JP 3029833 B2 JP3029833 B2 JP 3029833B2 JP 14159999 A JP14159999 A JP 14159999A JP 14159999 A JP14159999 A JP 14159999A JP 3029833 B2 JP3029833 B2 JP 3029833B2
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パブロ・バッカロ
千秋 堂本
典文 江上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超格子半導体層を
備えた超格子半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光信号を用いた記憶メディアの容
量を増大するための開発が盛んに行われている。読み込
みや書き込みを行うレーザー光の波長を短くすること
で、容易に記憶容量が増大できることは良く知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、短波長
のレーザー光源を作製することは容易でなく、実際の記
憶装置には用いられていない。その理由は短波長レーザ
ー光源作製の材料として、主にGaN、ZnSe、Cd
Seなどが用いられているが格子整合する基板が無く、
良質な結晶を得ることが困難なためである。さらに、格
子定数が比較的近い基板は劈開性が無く、このためレー
ザー素子に必要な反射膜を別途作り込む必要があり、レ
ーザー発振をさせることは極めて困難であるからであ
る。
【0004】例えば、第2高調波を利用する光−光変換
素子(以下、SHG素子という。ここで、SHGは、Se
cond-Harmonic Generatorの略である。)は、2分の1
波長の光を取り出すことができるため、短波長レーザー
として有望であり盛んに研究が行われている(例えば、
従来技術文献1「Neil D. Whitbread et al.,"Theoreti
cal Analysis of Passive Visible Surface-Emitting S
econd-Harmonic Generators", IEEE Journal of Quantu
m Electronics, Vol. 30, No. 1, 1994年1月」参
照。)。しかしながら、この従来例のSHG素子は、あ
る発振波長を持つ半導体レーザーと第2高調波を取り出
すための素子がそれぞれ必要であり、構造が複雑のみな
らず、素子間の光軸調整に精度が要求され作製が困難で
あった。また、記憶装置の読み込み書き込み用のレーザ
ー光源としてはサイズが大きく、記憶装置に実用化する
ことがきわめて困難であった。
【0005】本発明の目的は上記の問題点を解決して、
従来例に比較して構造が簡単であってサイズが小さく、
単独の素子で短波長の第2高調波成分の光を発生させる
ことができる超格子半導体発光素子を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の超格子半導体発光素子は、所定の傾斜面を有する半
導体基板上に、横方向のp−n接合を有する量子井戸層
と、障壁層とが交互に少なくとも複数周期積層されてな
る超格子半導体層を備えた超格子半導体発光素子であっ
て、上記横方向のp−n接合の方向に対して実質的に直
交する方向で、上記超格子半導体層を挟設するように形
成され、発光された光を反射する1対の反射膜を備える
ことによりレーザー発振させ、上記量子井戸層の材料の
非線形特性による第2高調波発生効果により350乃至
500nmの波長を有する第2高調波成分の光を発生さ
せて上記半導体基板に対して垂直な方向に放出すること
を特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1記載の超格子半導体発光素子において、
上記超格子半導体層は、上記量子井戸層と上記障壁層と
が交互に2.5周期積層されてなることを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3記載の超格子半導体発光
素子は、請求項1又は記載の超格子半導体発光素子にお
いて、上記超格子半導体発光素子は、上記半導体基板上
に、結晶成長法を用いて上記超格子半導体層を形成する
ことを特徴とする。
【0009】また、請求項4記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1乃至3のうちの1つに記載の超格子半導
体発光素子において、上記半導体基板に対して垂直な方
向で、上記超格子半導体層を挟設するように形成され、
上記超格子半導体層の屈折率よりも大きな屈折率を有す
る材料にてなる1対のバッファ層及びクラッド層をさら
に備えたことを特徴とする。
【0010】さらに、請求項5記載の超格子半導体発光
素子は、請求項1乃至4のうちの1つに記載の超格子半
導体発光素子において、上記半導体基板と上記超格子半
導体層との間、又は上記半導体基板と上記バッファ層と
の間に形成され、上記第2高調波成分の光を上記半導体
基板に対して垂直な方向に反射する別の反射膜をさらに
備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0012】図1は、本発明に係る一実施形態である超
格子半導体発光素子10の構造を示す、第1の断面に沿
った断面図であり、図2は、図1の超格子半導体発光素
子10の構造を示す、第1の断面に直交する第2の断面
に沿った断面図である。ここで、第1の断面は、当該超
格子半導体発光素子10で形成される横方向のp−n接
合の横方向に対して平行な縦断面であり、第2の断面
は、当該超格子半導体発光素子10においてクラッド層
15及びキャップ層16まで形成された部位において上
記第1の断面に対して直交する縦断面である。
【0013】本実施形態の超格子半導体発光素子10
は、図1及び図2に示すように、(1,1,1)A面に
対して所定の傾斜角θ(90°>θ≧33°)の傾斜面
を有する半導体基板20上に、横方向のp−n接合を有
する量子井戸層22と、障壁層21とが交互に2.5周
期積層されてなる超格子半導体層14を、例えばエピタ
キシャル成長法などの結晶成長法を用いて形成したヘテ
ロ接合型p−nダイオード素子を備えた超格子半導体発
光素子10であり、ここで、上記横方向のp−n接合の
方向に対して実質的に直交する方向で、超格子半導体層
14を挟設するように形成され、発光された光を反射す
る1対の反射膜41,42を備えることによりレーザー
発振させ、超格子半導体層14のうちの量子井戸層22
の材料GaAsの非線形特性による第2高調波発生効果
により350乃至500nmの波長を有する第2高調波
成分の光を発生させて半導体基板20に対して垂直な方
向に放出することを特徴としている。また、上記半導体
基板に対して垂直な方向で、超格子半導体層14を挟設
するように形成され、上記超格子半導体層の屈折率より
も低い屈折率を有する材料にてなる1対のバッファ層1
3及びクラッド層15をさらに備えることにより、上記
レーザー発振した光を1対のバッファ層13及びクラッ
ド層15間に閉じ込め効率的に第2高調波成分の光を発
生させることを特徴としている。
【0014】次いで、本実施形態の超格子半導体発光素
子10の製造方法について以下に、図1及び図2を参照
して説明する。
【0015】まず、半絶縁性半導体基板であるGaAs
にてなる半導体基板20の上面20aである(1,1,
1)A面に対して、所定の傾斜角θ(90°>θ≧33
°)を有する例えば、面方位(3,1,1)A(傾斜角
θ=33°のとき)を有する傾斜面20cが形成される
ようにウエットエッチング法によって段差加工を行い、
これによって、当該傾斜面20cの両側に面方位(1,
1,1)Aを有する平坦部20a,20bが形成され
る。次いで、当該段差を有する半導体基板20上に、分
子線エピタキシャル成長法によって以下の結晶成長を行
った。
【0016】まず、厚さ1520nmのAlAsバッフ
ァ層13を成長した。次いで、厚さ64nmのGaAs
量子化井戸層22と厚さ76nmのAlAs障壁層21
とを交互に2.5周期だけ積層した。このとき、GaA
s量子井戸層22のみ、Siを約1×1018乃至1×1
19/cm3程度の不純物濃度でドーピングした。両性
不純物であるSiは、結晶成長条件の基板面方位により
アクセプターにもドナーにもなる。そこで、段差を有す
るGaAs半導体基板20にSiドーパントが(1,
1,1)A面の平坦部20a,20bでアクセプターと
なりかつ、面方位(3,1,1)A面の傾斜面20cで
ドナーとなる成長条件で結晶成長を行った。すなわち、
平坦部20a上の量子井戸層22はp型となる一方、傾
斜面20c上の量子井戸層22はn型となり、各量子井
戸層22において横方向のp−n接合のダイオードが形
成される。最後に、厚さ608nmのAlGaAsクラ
ッド層15と、AlGaAsクラッド層15が表面にあ
ると空気中で容易に酸化されてしまうので、AlGaA
sクラッド層15上にGaAsキャップ層16を結晶成
長した。
【0017】さらに、電極11,12を形成するため
に、当該超格子半導体発光素子10の両端部を選択エッ
チングして、キャップ層16及びクラッド層15の一部
を除去し、除去した部分において、p型及びn型半導体
層である最上層の量子井戸層22と電気的な導通を得る
ための電極11,12を形成した。このとき、抵抗加熱
式蒸着装置を用いて、p型半導体層の量子井戸層22に
はZn/Au(=200/2000Å)からなる電極1
1の金属を形成し、n型半導体層の量子井戸層22には
AuGe/Ni/Au(=1000/300/1500
Å)の金属を形成した。その後、400℃で1.5分間
の熱処理を行い、オーミック接続を得ることにより、電
極11,12を形成した。
【0018】成長したGaAs量子井戸層22内部でレ
ーザー発振させるために、反射膜が必要である。そこ
で、図2に示すように、半導体基板20の厚さ方向と平
行な方向に、すなわち平坦部20a,20bに対して垂
直方向に当該超格子半導体発光素子10の半導体基板2
0及び各層13,14,15,16を劈開し、劈開面に
電子ビーム蒸着装置を用いてSiO2膜とTiO膜を交
互に積層することにより、横方向のp−n接合における
横方向に対して直交しかつ平坦部20aに対して平行な
方向で,超格子半導体層14を挟設するように反射膜4
1,42を形成した。ここで、SiO2の膜厚は14
2.2nmでTiOの膜厚は86.5nmである。
【0019】さらに、電極11に可変電圧直流電源30
の正極を接続する一方、電極12にその電源30の負極
を接続することにより、当該超格子半導体発光素子10
に対して順方向の所定のバイアス電圧を印加する。この
とき、各量子井戸層22の横方向のp−n接合におい
て、n型半導体層からp型半導体層に電子が流れる。p
型半導体層に流れ込んだ電子はホールと結合し光を放出
する。特に、GaAsやInPに代表される直接遷移型
半導体では光としてエネルギーが放出される。少なくと
も1対の向かい合う反射膜41,42を形成することに
より、放出した光が反射膜41,42間で共振しエネル
ギーが誘導放出するために位相が整ったレーザー発振が
起こる。さらに、量子井戸層22の材料GaAsが有す
る非線形特性による第2高調波発生効果により、レーザ
ー発振によって発生された光の第2高調波成分を有する
光を発生することができ、反射膜41,42とは垂直な
方向であって半導体基板20の面に対して垂直な方向に
第2高調波成分の光を放出することができる。これによ
り、容易に短波長光源を作製することができる。この第
2高調波成分の光は超格子半導体層20内で発振するレ
ーザー光の半分の波長を有しているので、容易に短波長
レーザーを実現することができる。
【0020】
【実施例】図4は、図1の超格子半導体発光素子10に
おいて横型p−n接合に電流を注入することで放出され
る光の強度の波長依存性を示すグラフである。この本実
施例では、GaAs量子井戸層22を発光部となる活性
層に用いたので、図4に示すように、波長は約870n
mを中心とした光である。劈開面に積層形成したSiO
2/TiOの反射膜41,42はこの光をほぼ100%
反射するように,反射膜41,42の間隔及び材料を選
択して設計しており、この光は内部で共振し光の誘導放
出が起こりレーザー発振する。ここで、内部に閉じ込め
られた光は、活性層である量子井戸層22を有する超格
子半導体層14の上下に屈折率が大きなAlAsバッフ
ァ層13及びAlGaAsクラッド層15があるために
上下方向に漏れ出ることもできない。従って、閉じ込め
られた光がレーザー発振すると、上述のように、第2高
調波効果から第2高調波成分の光が顕著に表れて発生
し、レーザー発振の波長(以下、基本波長という。)の
2分の1波長(435nm)を持つ光(SHG素子の
光、すなわち、SHG光)が放出されるようになる。こ
の波長435nmのSHG光に対してはAlAsバッフ
ァ層13は吸収が少なく(なお、AlAsバッファ層1
3のバンドギャップ波長は570nm程度であるが、こ
こでの吸収の度合いは、当該バッファ層13の厚さに依
存して決定され、本実施例においてはSHG光に対して
吸収は比較的少ない。)、SHG光は、半導体基板20
の面に対して垂直な方向で外部に放射される。すなわ
ち、第2高調波の光の波長として、紫外線から青色光を
介して緑色光までの、波長350nm乃至500nmの
光を発生できる。
【0021】ここで、SHG光が発生するメカニズムに
ついて詳細に説明する。図2の反射膜41,42の間に
おいて半導体基板20の面と平行な方向で、互いに逆方
向の2つの伝搬する基本波長の光波が存在し、定在波を
発生する。従って、半導体基板20の面と平行な方向で
のこれら2つの基本波長の光波の合計運動量はゼロであ
る。このように発生された基本波長の光波の強度が大き
い領域では、TEモードによる定在波とTMモードによ
る定在波との間の相互作用に基づいて、量子井戸層22
の材料GaAsの非線形特性により、例えば、上述の従
来技術文献1や従来技術文献2「D. Vakhshoori et a
l., "Surface-emitting second-harmonicgenerator for
waveguide study", Applied Physics Letters, Vol. 5
2, No. 6,1998年2月8日」において説明されているよ
うに、半導体基板20の面に対して垂直な方向、すなわ
ち基本波長の光波とは直交する方向で、互いに逆方向の
2つの伝搬する第2高調波の光波が発生される。この第
2高調波の光波もまた合計ゼロの運動量を有する。な
お、基本波長と高調波の各光波が互いに平行な方向で発
生する従来のSHG素子における伝搬波において必要
な、同一の方向での位相整合条件は必要がない。しかし
ながら、第2高調波の光波が、定在波領域を離れて伝搬
すると、異なるポイントから発射された光波と干渉す
る。従って、半導体基板20の面に対して垂直方向にあ
るこの干渉の効果を最小にして第2高調波の発生効率を
高くするためには、周期が第2高調波の波長の2分の1
である多層構造が使用される。なお、位相整合条件の考
慮については、例えば、従来技術文献2の424頁左欄
1行目から20行目までに記載されている。
【0022】さらに、本実施形態において横方向のp−
n接合を用いた理由は、作製が容易であることのほか
に、上下方向に光を閉じ込めるAlAsバッファ層13
及びAlGaAsクラッド層15が電流を流しにくいこ
とが上げられる。横方向から電流を活性層である量子井
戸層22に注入できるのでAlAsバッファ層13及び
AlGaAsクラッド層15の伝導性を無視することが
できる。また、電極11,12は、SHG光の放出を防
ぐ位置になく、効率よく外部に取り出すことができる。
【0023】図3は、図1の超格子半導体発光素子10
においてSiをドーピングしたGaAs結晶の導電型の
面方位及び結晶成長中のV/III比の依存性を示すグラ
フである。本実施形態では(1,1,1)A面と(3,
1,1)A面とを有する段差を有する半導体基板20を
用いたが、平坦部20aの面として、(1,0,0)、
(2,1,1)、(4,1,1)、(5,1,1)など
の他の面方位を用いることも可能である。他の面方位を
用いた場合には図3のような関係があり、GaAs結晶
の成長中のV/III比を設定することで、本実施例のよ
うに同一平面内で横方向のp−n接合を有する量子井戸
層22の半導体層を形成することができる。図3から明
らかなように、例えば、傾斜角θ=29.5°を有する
(3,1,1)A面の傾斜面20cを形成するときは、
V/III比として3乃至5を選択することにより、横方
向のp−n接合を形成することができる。
【0024】<変形例>以上の実施形態において、最も
好ましくは、2.5周期の超格子半導体層14を設けて
いるが、本発明はこれに限らず、少なくとも複数周期の
超格子半導体層14を形成すればよい。なお、2.5周
期の超格子半導体層14は、本発明者の実験によれば、
最大の光強度を有するSHG光を発生するために最適化
された周期数である。より好ましくは、1.5周期又は
3.5周期であってもよい。
【0025】図1及び図2の超格子半導体発光素子10
において、半導体基板20とAlAsバッファ層13と
の間に、SHG光を反射するDBR(分布ブラッグ反射
器)である別の反射膜(図示せず。)を形成してもよ
い。これによって、半導体基板20側に放出され半導体
基板20に吸収される光を半導体基板20に対して垂直
な方向で、図1では、上方向に放出させることができ
る。
【0026】以上の実施形態においては、AlGaAs
クラッド層15を用いているが、本発明はこれに限ら
ず、AlxGa1-xAs(0.5<x<1)を形成しても
よい。
【0027】<実施形態及び変形例の効果>以上説明し
たように、本実施形態及び変形例の超格子半導体発光素
子によれば、横方向のp−n接合の方向に対して実質的
に直交する方向で、超格子半導体層14を挟設するよう
に形成され、発光された光を反射する1対の反射膜4
1,42を備えることによりレーザー発振させ、量子井
戸層22の材料GaAsが有する非線形特性による第2
高調波発生効果により350乃至500nmの波長を有
する第2高調波成分の光を発生させて半導体基板20に
対して垂直な方向に放出することができる。従って、従
来例のSHG素子のように外部のレーザ装置を必要とせ
ずにSHG光を発生することができるので、従来例に比
較して構造が簡単であってサイズが小さく、単独の素子
で短波長の第2高調波成分の光を発生させることができ
る。また、超格子半導体層14を挟設するように、Al
Asバッファ層13及びAlGaAsクラッド層15を
形成しているので、レーザー発振した光を閉じ込めてよ
り高い効率で第2高調波の光を発生させることができ
る。さらに、変形例のように、別の反射膜を形成するこ
とにより、上記発生する第2高調波成分の光を半導体基
板20に対して垂直な方向に効率よく放出することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る超格子
半導体発光素子によれば、所定の傾斜面を有する半導体
基板上に、横方向のp−n接合を有する量子井戸層と、
障壁層とが交互に少なくとも複数周期積層されてなる超
格子半導体層を備えた超格子半導体発光素子であって、
上記横方向のp−n接合の方向に対して実質的に直交す
る方向で、上記超格子半導体層を挟設するように形成さ
れ、発光された光を反射する1対の反射膜を備えること
によりレーザー発振させ、上記量子井戸層の材料の非線
形特性による第2高調波発生効果により350乃至50
0nmの波長を有する第2高調波成分の光を発生させて
上記半導体基板に対して垂直な方向に放出する。従っ
て、従来例のSHG素子のように外部のレーザ装置を必
要とせずにSHG光を発生することができるので、従来
例に比較して構造が簡単であってサイズが小さく、単独
の素子で短波長の第2高調波成分の光を発生させること
ができる。
【0029】また、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記超格子半導体層は、上記量子井戸層と上記障壁
層とが交互に2.5周期積層されてなる。これにより、
最大の光強度を有するSHG光を発生することができ
る。
【0030】さらに、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記超格子半導体発光素子は、上記半導体基板上
に、結晶成長法を用いて上記超格子半導体層を形成す
る。これにより、当該超格子半導体発光素子を製造する
プロセスが容易であって、製造コストを低下させること
ができる。
【0031】また、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記半導体基板に対して垂直な方向で、上記超格子
半導体層を挟設するように形成され、上記超格子半導体
層の屈折率よりも大きな屈折率を有する材料にてなる1
対のバッファ層及びクラッド層をさらに備える。これに
より、レーザー発振した光を閉じ込めてより高い効率で
第2高調波の光を発生させることができる。
【0032】さらに、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記半導体基板と上記超格子半導体層との間、又は
上記半導体基板と上記バッファ層との間に形成され、上
記第2高調波成分の光を上記半導体基板に対して垂直な
方向に反射する別の反射膜をさらに備える。これによ
り、上記発生する第2高調波成分の光を半導体基板に対
して垂直な方向に効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である超格子半導体
発光素子10の構造を示す、第1の断面に沿った断面図
である。
【図2】 図1の超格子半導体発光素子10の構造を示
す、第1の断面に直交する第2の断面に沿った断面図で
ある。
【図3】 図1の超格子半導体発光素子10においてS
iをドーピングしたGaAs結晶の導電型の面方位及び
結晶成長中のV/III比の依存性を示すグラフである。
【図4】 図1の超格子半導体発光素子10において横
型p−n接合に電流を注入することで放出される光の強
度の波長依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…超格子半導体発光素子、 11,12…電極、 13…バッファ層、 14…超格子半導体層、 15…クラッド層、 16…キャップ層、 20…半導体基板、 21…障壁層、 22…量子井戸層、 30…可変電圧直流電源、 41,42…反射膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江上 典文 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール環 境適応通信研究所内 (56)参考文献 特開 平10−308559(JP,A) 特開 平7−273399(JP,A) 特開 平9−116228(JP,A) 特開 平7−162072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の傾斜面を有する半導体基板上に、
    横方向のp−n接合を有する量子井戸層と、障壁層とが
    交互に少なくとも複数周期積層されてなる超格子半導体
    層を備えた超格子半導体発光素子であって、 上記横方向のp−n接合の方向に対して実質的に直交す
    る方向で、上記超格子半導体層を挟設するように形成さ
    れ、発光された光を反射する1対の反射膜を備えること
    によりレーザー発振させ、上記量子井戸層の材料の非線
    形特性による第2高調波発生効果により350乃至50
    0nmの波長を有する第2高調波成分の光を発生させて
    上記半導体基板に対して垂直な方向に放出することを特
    徴とする超格子半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記超格子半導体層は、上記量子井戸層
    と上記障壁層とが交互に2.5周期積層されてなること
    を特徴とする請求項1記載の超格子半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 上記超格子半導体発光素子は、上記半導
    体基板上に、結晶成長法を用いて上記超格子半導体層を
    形成することを特徴とする請求項1又は2記載の超格子
    半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 上記半導体基板に対して垂直な方向で、
    上記超格子半導体層を挟設するように形成され、上記超
    格子半導体層の屈折率よりも大きな屈折率を有する材料
    にてなる1対のバッファ層及びクラッド層をさらに備え
    たことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載
    の超格子半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記半導体基板と上記超格子半導体層と
    の間、又は上記半導体基板と上記バッファ層との間に形
    成され、上記第2高調波成分の光を上記半導体基板に対
    して垂直な方向に反射する別の反射膜をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の超
    格子半導体発光素子。
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