JP3028990U - 止め金具及びそれを用いた装飾用鎖 - Google Patents

止め金具及びそれを用いた装飾用鎖

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JP3028990U
JP3028990U JP1996001691U JP169196U JP3028990U JP 3028990 U JP3028990 U JP 3028990U JP 1996001691 U JP1996001691 U JP 1996001691U JP 169196 U JP169196 U JP 169196U JP 3028990 U JP3028990 U JP 3028990U
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達明 飯島
博秋 三浦
▲徳▼治 菅野
浩樹 齋藤
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株式会社ベアー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作が簡単であり、たとえ指の細かな動きが
不得意な者であっても容易に操作することができる止め
金具及びそれを用いた装飾用鎖を提供する 【解決手段】装飾用鎖100の一端に雌側金具1Aが取
りつけられ、装飾用鎖の他端に雄側金具1Bが取りつけ
られる。雌側金具は、雌側キャップ2と底板3とを備え
る。雄側金具は、雄側キャップ11と、雄側キャップか
ら突出する連結体12を備える。底板と連結体とはとも
に吸引される方向に働く磁石で構成される。連結体の先
端部にはピン15が設けられ、雌側キャップの内周には
ピンと係合して雌側金具と雄側金具との連結状態を維持
するロック用係止溝5が設けられる。ロック用係止溝
は、ピンを案内する縦溝6と、縦溝の奥部に設けられた
横溝7と、横溝を形成する側壁部に弾性変形可能に設け
られたロック用の突起8とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、止め金具及びそれを備える装飾用鎖に関する。
【0002】
【考案が解決しようとする課題】
ネックレスやブレスレット等の装飾用鎖では、通常、端部に止め金具を取り付 け、この止め金具を用いて首や手首等に装着している。
【0003】 従来、この種の止め金具として、リング式のものあるいはカラビナ式のものが 知られている。
【0004】 リング式のものは、一部が開口された中空リングの内側に円弧状部材が移動可 能に挿入されるとともに、この円弧状部材がスプリングによって中空リングの開 口を塞ぐように付勢されてなる一方の金具と、それと対をなすリングからなる他 方の金具とから構成されるものであって、それら両部材が装飾用鎖の端部に取り つけられるものである。
【0005】 このリング式の止め金具によって装飾用鎖を首等に装着する場合には、円弧状 部材と一体的に設けられた操作用の突起を、スプリングの付勢力に抗して押圧す ることにより円弧状部材を移動させて中空リングの開口を開かせ、この開口を利 用して他方の金具であるリングを挿入させて係止させる。係止後は、操作用の突 起に対する押圧力を解除すれば、スプリングの付勢力によって円弧状部材は自動 的に元の位置に戻って中空リングの開口を塞ぎ、係止状態を維持する。 一方、装飾用鎖を首等から取り外す場合には、前記した操作と同様な操作、つ まり、操作用の突起を押圧操作し、円弧状部材を移動させて中空リングの開口を 開かせ、この開口を利用して他方の金具であるリングとの係合を解けばよい。
【0006】 カラビナ式のものは、楕円状リングの一部が別部材で構成され、かつ、この可 動別部材が楕円状リングに対してヒンジ結合されるとともに通常はスプリングに よって付勢されて楕円状リングの開口を塞いでなる一方の金具と、それと対をな すリングからなる他方の金具から構成されるものである。 このカラビナ式の止め金具では、可動別部材と一体的に設けられた操作レバー をスプリングの付勢力に抗して押圧することにより、可動別部材を外方へ回動さ せて楕円状リングの開口を開かせ、この開口を利用して他方の金具であるリング を係止させたり、その係止を解いたりして用いる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の止め金具にあっては次のような問題があった。 すなわち、リング式のものあるいはカラビナ式のものいずれにあっても、操作 用の突起あるいは操作レバーを押圧操作して、中空リングの一部あるいは楕円状 リングの一部に開口を形成し、この開口を利用して他方のリングを係止させたり 係止を解いたりするものであり、操作用の突起や操作レバーは非常に小さな部品 であって指先や爪で操作する必要があること、中空リングあるいは楕円状リング の開口が非常に小さいこと、しかも、例えばネックレス用の止め金具の場合には 目で見えない首の後ろの位置でリングの係合や係合解除の操作を行わなければな らないこと等もあって、操作が非常に面倒であるという問題があった。 特に、指の細かな動きが得意でない者にとっては、非常に扱いづらいものであ った。
【0008】 この考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、操作が簡単であり、たと え指の細かな動きが不得意な者であっても容易に操作することができる止め金具 及びそれを用いた装飾用鎖を提供することを目的とする
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の考案では、装飾用鎖の一端に取 りつけられる雌側金具と前記装飾用鎖の他端に取りつけられる雄側金具とからな る止め金具であって、前記雌側金具は、有底円筒状の雌側キャップと、該雌側キ ャップの底部に固定された底板とを備え、前記雄側金具は、有底円筒状の雄側キ ャップと、該雄側キャップ内に一部が挿入されて固定されるとともに先端部が突 出され、該突出された先端部が雄側金具と雌側金具とが互いに連結されるときに 前記雌側キャップ内に挿入される連結体とを備え、前記底板と連結体とのうち少 なくとも一つは磁石で構成され、雄側金具が雌側金具と連結されるときに底板と 連結体とは互いに磁力によって吸引され、前記連結体の前記突出された先端部に は側方へ突出するピンが設けられ、前記雌側キャップの内周には前記ピンと係合 して雌側金具と雄側金具との連結状態を維持するロック用係止溝が設けられ、前 記ロック用係止溝は、前記ピンを案内する縦溝が雌側キャップの開口から奥方へ 延びて設けられ、該縦溝の奥部に縦溝に略直交するように横溝が設けられ、該横 溝を形成する側壁部にピンが通過するときに弾性変形してピンの通過を許容する ロック用の突起が横溝の内方へ張り出して設けられて構成され、前記ロック用係 止溝は、所定形状に形成された板材が円筒状に丸められて前記雌側キャップ内に 挿入されて固定されることにより形成されていることを特徴とする。
【0010】 請求項2記載の考案では、装飾用鎖の一端に取りつけられる雌側金具と前記装 飾用鎖の他端に取りつけられる雄側金具とからなる止め金具であって、前記雌側 金具は、有底円筒状の雌側キャップと、該雌側キャップの底部に設けられた第1 の底板と、雌側キャップの長さ方向中間部に雌側キャップの軸線方向に沿って移 動可能に設けられた第2の底板とを備え、前記雄側金具は雌側金具と連結される ときに前記雌側キャップ内に挿入される連結体を備え、前記第1の底板と第2の 底板と連結体の少なくとも先端部とは磁石で構成され、それら磁石は第1の底板 と第2の底板が互いに反発するように、かつ、第2の底板と連結体が互いに吸引 するように組み合わされて配設され、前記連結体の前記雌側キャップ内に挿入さ れる先端部には側方へ突出するピンが設けられ、前記雌側キャップの内周には前 記ピンと係合して雌側金具と雄側金具との連結状態を維持するロック用係止溝が 設けられ、前記ロック用係止溝は、前記ピンを案内する縦溝が雌側キャップの開 口から奥方へ延びて設けられ、該縦溝の奥部に縦溝に略直交するように横溝が設 けられ、該横溝の奥部に横溝に略直交するようにロック溝がキャップの開口側に 延びて設けられて設けられて構成され、前記ロック用係止溝は、所定形状に形成 された板材が円筒状に丸められて前記雌側キャップ内に挿入されて固定されるこ とにより形成されていることを特徴とする。
【0011】 請求項3記載の考案では、前記したいずれかの止め金具を備えた装飾用鎖であ ることを特徴とする。
【0012】 請求項1記載の考案では、雄側金具と雌側金具とを連結する場合、雌側キャッ プと雄側金具の連結体が略同軸状となるように位置あわせしながら両金具を近づ ける。ある距離以上近づけると、底板と連結体との間に働く磁力によって両金具 が吸引され、連結体の先端は雌側キャップの内部に挿入される。このとき、ピン がロック用係止溝の縦溝に合致していない場合には、雄側金具を雌側金具に対し て相対回転させ、ピンをロック用係止溝の縦溝を臨むように位置合わせする。ピ ンがロック用係止溝に合致する位置に来ると、底板と連結体との間に働く吸引力 によって、雌側金具と雄側金具とが互いに接近し、これと同時に、ピンが縦溝の 奥方へ侵入して、縦溝と横溝との交差部分に突き当たる。
【0013】 次いで、雌側金具と雄側金具を所定方向へ相対回転させる。これにより、ピン が横溝の奥方へ移動し、ロック用の突起を乗り越えながら横溝の奥部へ達する。 ここで、ピンがロック用の突起を乗り越えるとき、ロック用の突起は横溝の径が 広がるように弾性変形してピンの通過を許容するが、ピンが通過した後は自身の 弾性によって元の状態に復帰し、ピンが横溝の奥部から抜け出るのを阻止する。 つまり、ロック状態となる。
【0014】 他方、両金具の連結を解く場合には、雌側金具と雄側金具とを前記とは逆方向 へ相対回転させて、ピンを横溝の奥部から抜け出させる方向へ移動させ、横溝と 縦溝との交差部分に至らしめる。次いで、両金具を磁石の吸引力に抗して互いに 離間する方向へ引っ張る。これにより、両金具の連結を解くことができる。
【0015】 請求項2記載の考案では、雄側金具と雌側金具とを連結する場合、請求項1記 載のものと同様に、雌側キャップと連結体とが略同軸状となるように位置合わせ しながら両金具を近づける。すると、両金具は第2の底板と連結体との間に働く 磁力によって吸引され、連結体の先端部は雌側キャップの内部に挿入される。
【0016】 このとき、ピンがロック用係止溝の縦溝に合致していない場合には、雄側金具 を雌側金具に対して相対回転させて、ピンをロック用係止溝の縦溝を臨むように 位置合わせする。ピンがロック用係止溝に合致する位置に来ると、第2の底板と 連結体との間に働く吸引力によって、雌側金具と雄側金具とが互いに接近し、こ れと同時に、ピンが縦溝の奥方へ侵入するとともに連結体の先端が第2の底板に 突き当たる。
【0017】 次いで、第1の底板と第2の底板との間に働く反発力に抗して、雄側金具の連 結体を雌側キャップの奥方へ侵入させて、ピンを縦溝と横溝とが交差する部分ま で至らしめ、その後、雄側金具を雌側金具側へ押しつけたまま雌側金具に対し所 定方向へ回転させて、ピンを横溝の奥方へ至らしめる。そして、ピンが横溝の奥 部へ達した時点で、雄側金具の雌側金具側への押し付け力を解除する。すると、 第1の底板と第2の底板との間に生じる反発力によって、雄側金具は雌側金具か ら離間する方向へ移動し、その結果、ピンは横溝の奥部につながるロック溝に嵌 入する。 これにより、両金具はロック状態になる。
【0018】 両金具の連結を解く場合には、第1の底板と第2の底板との間に働く反発力に 抗して、雄側金具を雌側金具側へ押しつけて、ピンをロック溝から抜け出させる 。次いで、雄側金具を雌側金具側へ押しつけたまま、該雌側金具に対して前記と は逆方向へ回転させる。これにより、ピンを横溝の奥部から抜け出させる方向へ 移動させ、横溝と縦溝との交差部分に至らしめる。次いで、両金具を、第2の底 板と連結板との間に働く吸引力に抗して互いに離間する方向へ引っ張る。これに より、両金具の連結を解くことができる。
【0019】
【考案の実施の形態】
以下、図面に基づいて本考案にかかる実施の形態を説明する。 〈第1の実施の形態〉 図1及び図2は本考案の第1の実施の形態を示している。図1に示すように、 本考案にかかる止め金具1はそれぞれ対をなす雌側金具1Aと雄側金具1Bとか らなるものであり、ネックレスあるいはブレスレッド等の装飾用鎖100の端部 に取りつけられるものである。
【0020】 雌側金具1Aは、有底円筒状の雌側キャップ2と、該雌側キャップ2の底部に 固定された底板3とを備える。 前記雌側キャップ2の内周には、後述する連結体12のピン15と係合して、 雌側金具1Aと雄側金具1Bとの連結状態を維持するためのロック用係止溝5が 設けられている。このロック用係止溝5は、雌側キャップ2の開口から奥方へ延 びて設けられた縦溝6と、この縦溝6の奥部に縦溝6に略直交するように設けら れた横溝7と、横溝7を形成する側壁部の中間部分に設けられたロック用の突起 8とを備える。ロック用の突起8は、ピン15が横溝7を通過して横溝7の奥部 のロック位置7aに至るときあるいは逆にピン15がロック位置7aから横溝7 と縦溝6との交差部分へ至るときに、突起自身の弾性作用によってピン15の通 過をある程度の抵抗力をもって許容するものである。したがって、図3に示すよ うにロック用の突起8とそれと対向する横溝の側壁部との距離hは、ロック用の 突起8が弾性変形する前の通常の状態において、ピンの外径mより若干小さい値 に設定されている。
【0021】 ロック用係止溝5は、平板を打ち抜きにより図3に示すように、適宜箇所に前 記縦溝6、横溝7及びロック用の突起8を備える形状に加工し、この板材9を円 筒状に丸めて前記雌側キャップ2内に挿入固定することにより容易に形成できる 。また、板材9のロック用の突起8が形成された部分の外側部分9aは内方へ凹 んで形成されており、ロック用の突起8の変形が容易に行えるようになっている 。 なお、前記縦溝6の開口部分はピン12が挿入が行いやすいように、外側に広 がるテーバー状に形成されている。 また、底板3とロック用係止溝形成用の板材9との間には、底板3と後述する 連結体12とが直接接触するのを妨げるための緩衝用プレート10が介装されて いる。
【0022】 前記雄側金具1Bは、有底円筒状の雄側キャップ11と、該雄側キャップ11 内に一部が挿入されて固定される連結体12とを備える。連結体12の先端部は 雄側キャップ1Bの外方へ突出されており、この突出された先端部12aは、雄 側金具1Bと雌側金具1Aとが互いに連結されるときに、雌側キャップ1A内に 挿入されるものである。 連結体12の外周は保護パイプ13により覆われ、しかも、シム14を介して 雄側キャップ11内に挿入固定されている。 前記連結体12の雄側キャップ11から突出される先端部12aには先端から 若干基側へ戻った箇所に側方へ突出するピン15が設けられている。 前記底板3と連結体12とは互いに磁石によって構成され、しかも、磁力の方 向は、雌側金具1Aと雄側金具1Bとが雌側キャップ2の開口及び連結体12の 先端が互いに接近するように近づけるときに、双方の間で吸引力が働く方向に設 定されている。なお、いずれか底板3と連結体12の内いずれか一方のみを磁石 で構成し、他方を鋼等の強磁性体で構成してもよい。 なお、雌側キャップの内側に、底板3、緩衝用プレート10及びロック用係止 溝形成用の板材9を固定するにあたって、かしめ加工を用いてもよいが、必要に 応じて接着剤を用いても、あるいはかしめ加工と接着剤を併用するようにしても よい。
【0023】 次に、上記構成の止め金具の作用について説明する。 装飾用鎖100を首等に装着する場合には、予め、連結が解かれた止め金具1 を装飾用鎖100が首等の周りに位置するように設け、雌側金具1Aと雄側金具 1Bとをそれらが略同軸状となるようにおおよそ位置決めしながら近づける。あ る距離以上近づけると、底板3と連結体12との間に働く磁力によって両金具1 A,1Bは吸引され、連結体12の先端は雌側キャップ2の内部に挿入される。 このとき、ピン15がロック用係止溝5の縦溝6に合致していない場合には、ピ ン15が雌側キャップ2の側壁端部に突き当たって、それ以上の連結体12の雌 側キャップ2内への侵入は阻止される。
【0024】 この場合、雌側金具1Aと雄側金具1Bとをそれらの軸線を中心に相対回転さ せてピン15をロック用係止溝5の縦溝6を臨むように位置あわせする。ピン1 5がロック用係止溝5の縦溝6を臨む位置に来ると、底板3と連結体12との間 に働く吸引力によって雌側金具1Aと雄側金具1Bが互いに接近し、ピン15が 縦溝6と横溝7との交差部分に突き当たるとともに、連結体12の先端が雌側キ ャップ2の内部の緩衝用プレート10に突き当たる。
【0025】 次いで、雌側金具1Aと雄側金具1Bとを所定方向へ相対回転させる。これに より、ピン15が縦溝6に連続する横溝7の奥方へ移動し、ロック用の突起8を 乗り越えながら横溝7の奥部のロック位置7aに達する。このとき、ロック用の 突起8は横溝7の径が広がるように弾性変形してピン15の通過を許容するが、 ピン15が通過した後は自身の弾性によって元の状態に復帰し、ピン15がロッ ク位置7aから抜け出るのを阻止する。これにより、雌側金具1Aと雄側金具1 Bの連結が位置されるロック状態となる。すなわち、ピン15がロック用の突起 8を乗り越える際には雄側金具1Bにある程度のトルクが作用することが必要と なるが、そのための押圧力を加えない限り雌側金具1Aと雄側金具1Bとの間の 相対回転は阻止され、ピン15を前記横溝7の奥方のロック位置7aに挿入させ た状態を維持する。したがって、このときに、たとえ、装飾用鎖100を介して 雌側金具1Aと雄側金具1Bとが離間する方向の引張力が作用しても、前記した ようにピン15が横溝7の奥方に挿入されたままであるのでピン15が横溝7の 側壁部に突き当たり、両金具1A,1Bの連結が解かれることはない。
【0026】 他方、装飾用鎖100を首等から取り外す場合には、雌側金具1Aと雄側金具 1Bとを前記とは逆方向へ相対回転させて、ピン15を横溝7のロック位置7a から抜け出させる方向へ移動させて、該ピン15を横溝7と縦溝6とが交差部分 まで至らしめる。この時点で、ピンが縦溝6の側壁部に突き当たるので、それ以 上の雌側金具1Aと雄側金具1Bとの相対回転は阻止される。次いで、両金具1 A,1Bを磁石の吸引力に抗して互いに離間する方向へ引っ張る。このとき、ピ ンは縦溝6に沿って雌側キャップ2の開口側へ移動するので何ら支障はない。そ して、両金具1A,1Bを磁石の吸引力の及ばない範囲まで離間させることによ り、両金具の連結を解くことができる。
【0027】 なお、図1ないし図3に示す形態では、雌側キャップ2の内周に形成するロッ ク用係止溝5をただ一つしか設けていないが、180度置きに2個設けてもよい 。その場合には、図4に示すように、ロック用係止溝5を2つ設けた板材16を 丸めて雌側キャップ2の内側に挿入して固定してもよい。 また、この場合、ピン15を連結体12の先端に2個設けてもよい。
【0028】 〈第2の実施の形態〉 図5ないし図7は本考案の第2の実施の形態を示している。図5に示すように 、この実施の形態においても、止め金具20は、それぞれ対をなす雌側金具20 Aと雄側金具20Bとからなっていて、ネックレスあるいはブレスレッド等の装 飾用鎖の端部に取りつけられるものである。
【0029】 雌側金具20Aは、有底円筒状の雌側キャップ22と、該雌側キャップ22の 底部に設けられた第1の底板23と、雌側キャップ22の長さ方向中間部に雌側 キャップ22の軸線に沿って移動可能に設けられた第2の底板24とを備える。 第1の底板23とその片面に固定されるスペーサリング23aは、雌側キャップ 22の内部に挿入されて固定された円筒状のホルダ21により固定され、前記第 2の底板24はホルダ21内に移動自在に配されている。前記第1の底板23に は装飾用鎖と連結される連結部材30が雌側キャップ22から突出して取りつけ られている。 雌側キャップ22の内周には、後述するピン35と係合して、雌側金具20A と雄側金具20Bとの連結状態を維持するためのロック用係止溝25が設けられ ている。このロック用係止溝25は、雌側キャップ22の開口から奥方へ延びて 設けられた縦溝26と、この縦溝26の奥部に略直交するように設けられた横溝 27と、横溝27の奥部に横溝27と略直交するように雌側キャップ22の開口 側に延びて設けられたロック溝28とを備える。
【0030】 ロック用係止溝25は、平板を打ち抜きにより図8に示すように、適宜箇所に 前記縦溝26、横溝27及びロック溝28を備えるように加工し、この板材29 を円筒状に丸めて前記雌側キャップ22内に挿入して固定することにより容易に 形成できる。 なお、前記縦溝26の開口部分はピン25が挿入しやすいように、外側に広が るテーパー状に形成されている。また、板材29が雌側キャップ22内に装着さ れたときの内径は第2の底板24の外径よりも小さくなるように設定されており 、第2の底板24がホルダから抜け出るのを防止する機能も果たしている。
【0031】 前記雄側金具20Bは、この雄側金具20Bが雌側金具20Aと連結されると きに先端部を雌側キャップ22内に挿入される連結体32とを備える。ここで示 す実施の形態では、連結体32は金属製の円筒体からなっていて、その先端には 磁石33が固定的に取りつけられている。 連結体32の先端部には先端から若干基側へ戻った箇所に側方へ突出するピン 35が設けられている。
【0032】 前記したように連結体32の先端には磁石33が埋設されているが、そのほか 、前記第1の底板23、第2の底板24も磁石によって構成されている。それら 磁石は、第1の底板23と第1の底板24とは互いに反発される一方、第2の底 板24と連結体32内の磁石33は互いに吸引するような組み合わせに設定され ている。
【0033】 次に、上記構成の止め金具の作用について説明する。 装飾用鎖を首等に装着する場合には、予め、連結が解かれた止め金具20を装 飾用鎖が首等の周りに位置するように設け、雌側金具20Aと雄側金具20Bと をそれらが略同軸状となるようにおおよそ位置決めして近づける。すると、ある 距離以上近づけると、第2の底板24と連結体32との間に働く磁力によって両 金具20A,20Bは吸引され、連結体32の先端は雌側キャップ22の内部に 挿入される。このとき、ピン35がロック用係止溝25の縦溝26に合致してい ない場合には、ピン35が雌側キャップ22の側壁端部に突き当たり、それ以上 の連結体32の雌側キャップ22内への侵入は阻止される。
【0034】 この場合、雌側金具20Aと雄側金具20Bとをそれらの軸線を中心に相対回 転させる。そして、ピン35がロック用係止溝25の縦溝26を臨む位置に来る と、第2の底板24と連結体32との間に働く磁力による吸引力によって雌側金 具20Aと雄側金具20Bが互いに接近し、ピン35が縦溝26の奥方へ侵入す るとともに、連結体32が第2の底板24に突き当たる(図6参照)。
【0035】 次いで、第1の底板23と第2の底板24との間に働く反発力に抗して、雄側 金具20Bの連結体32の先端部を雌側キャップ22内に侵入させて、ピン35 を縦溝26の奥部つまり縦溝26と横溝27とが交差する部分まで至らしめ、そ の後、雄側金具20Bを雌側金具20A側へ押しつけたまま、雄側金具20Bを 雌側金具20Aに対し所定方向へ回転させて、ピン35を横溝27に沿って移動 させて該横溝27の奥部まで至らしめる。そして、ピン35が横溝27の奥部へ 達した時点で、雄側金具20Bの雌側金具20A側への押し付け力を解除する。 すると、第1の底板23と第2の底板24との間に生じる反発力によって、雄側 金具20Bは雌側金具20Aから離間する方向へ移動し、その結果、ピン35は 横溝26の奥部につながるロック溝28に嵌入する。
【0036】 これにより、雌側金具20Aと雄側金具20Bの連結が維持されるロック状態 となる。すなわち、たとえ、装飾用鎖を介して雌側金具20Aと雄側金具20B とが互いに離間する方向の引張力を受けたとしても、前記したようにピン35が ロック溝28に嵌入したままであるので、両金具20A,20Bの連結が解かれ ることはない。
【0037】 他方、装飾用鎖を首等から取り外す場合には、第1の底板23と第2の底板2 4との間に働く反発力に抗して、雄側金具20Bを雌側金具20A側へ押しつけ て、ピン35をロック溝28から抜け出させて横溝27に通じる位置に至らしめ る。次いで、雄側金具20Bを雌側金具20Aへ押しつけたまま、該雌側金具2 0Aに対して前記とは逆方向へ回転させる。これにより、ピン35を横溝27の 奥部から抜け出させる方向へ移動させ、横溝27と縦溝26との交差部分まで至 らせる。このピン35が交差部分まで至った時点で、ピンが縦溝26の側壁部に 突き当たり、それ以上の雄側金具1Bの回転は阻止される。次いで、両金具20 A,20Bを、第2の底板24と連結体32との間の吸引力に抗して互いに離間 する方向へ引っ張る。このとき、ピン35は縦溝26に沿って雌側キャップ22 の開口側へ移動するので何ら支障はない。これにより、両金具20A,20Bの 連結を解くことができる。
【0038】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は以下の優れた効果を奏する。 雌側金具と雄側金具を略同軸状に位置決めして近づけた後、両金具を相対的に 回転させるだけで、両金具を連結させたりその連結を解いたりすることができ、 操作が非常に簡単であり、たとえ指の細かな動きが不得意な者であっても容易に 操作できるという優れた効果を奏する。 また、ロック機構を構成するロック用係止溝やピンは、連結状態では雌側キャ ップによって覆われるため、意匠的にも優れたものとなる。 また、ロック用係止溝は、所定形状に形成した板材を円筒状に丸めて雌側キャ ップ内に挿入して形成するものであり、複雑な形状のロック用係止溝を容易にか つ高精度で作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施の形態を示す止め金具の分
解斜視図である。
【図2】同止め金具の縦断面図である。
【図3】ロック用係止溝を形成するための板材の正面図
である。
【図4】ロック用係止溝を形成するための板材の他の形
態を示す正面図である。
【図5】本考案の第2の実施の形態を示す止め金具の分
解斜視図である。
【図6】同止め金具の作用を示す縦断面図である。
【図7】同止め金具の作用を示す縦断面図である。
【図8】ロック用係止溝を形成するための板材の正面図
である。
【符号の説明】
1 止め金具 1A 雌側金具 1B 雄側金具 2 雌側キャップ 3 底板 5 ロック用係止溝 6 縦溝 7 横溝 8 ロック用の突起 12 連結体 15 ピン 20 止め金具 20A 雌側金具 20B 雄側金具 22 雌側キャップ 23 第1の底板 24 第2の底板 25 ロック用係止溝 26 縦溝 27 横溝 28 ロック溝 32 連結体 35 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 齋藤 浩樹 愛知県名古屋市中川区八神町3丁目56番地 ベアー精密工業株式会社内

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装飾用鎖(100)の一端に取りつけら
    れる雌側金具(1A)と前記装飾用鎖の他端に取りつけ
    られる雄側金具(1B)とからなる止め金具であって、 前記雌側金具は、有底円筒状の雌側キャップ(2)と、
    該雌側キャップの底部に固定された底板(3)とを備
    え、 前記雄側金具は、有底円筒状の雄側キャップ(11)
    と、該雄側キャップ内に一部が挿入されて固定されると
    ともに先端部が突出され、該突出された先端部が雄側金
    具と雌側金具とが互いに連結されるときに前記雌側キャ
    ップ内に挿入される連結体(12)とを備え、 前記底板と連結体とのうち少なくとも一つは磁石で構成
    され、雄側金具が雌側金具と連結されるときに底板と連
    結体とは互いに磁力によって吸引され、 前記連結体の前記突出された先端部には側方へ突出する
    ピン(15)が設けられ、 前記雌側キャップの内周には前記ピンと係合して雌側金
    具と雄側金具との連結状態を維持するロック用係止溝
    (5)が設けられ、 前記ロック用係止溝は、前記ピンを案内する縦溝(6)
    が雌側キャップの開口から奥方へ延びて設けられ、該縦
    溝の奥部に縦溝に略直交するように横溝(7)が設けら
    れ、該横溝を形成する側壁部にピンが通過するときに弾
    性変形してピンの通過を許容するロック用の突起(8)
    が横溝の内方へ張り出して設けられて構成され、 前記ロック用係止溝は、所定形状に形成された板材
    (9)が円筒状に丸められて前記雌側キャップ内に挿入
    されて固定されることにより形成されていることを特徴
    とする止め金具。
  2. 【請求項2】 装飾用鎖の一端に取りつけられる雌側金
    具(20A)と前記装飾用鎖の他端に取りつけられる雄
    側金具(20B)とからなる止め金具であって、 前記雌側金具は、有底円筒状の雌側キャップ(22)
    と、該雌側キャップの底部に設けられた第1の底板(2
    3)と、雌側キャップの長さ方向中間部に雌側キャップ
    の軸線方向に沿って移動可能に設けられた第2の底板
    (24)とを備え、 前記雄側金具は雌側金具と連結されるときに前記雌側キ
    ャップ内に挿入される連結体(32)を備え、 前記第1の底板と第2の底板と前記連結体の少なくとも
    先端部とは磁石で構成され、それら磁石は第1の底板と
    第2の底板が互いに反発するように、かつ、第2の底板
    と連結体が互いに吸引するように組み合わされて配設さ
    れ、 前記連結体の前記雌側キャップ内に挿入される先端部に
    は側方へ突出するピン(35)が設けられ、 前記雌側キャップの内周には前記ピンと係合して雌側金
    具と雄側金具との連結状態を維持するロック用係止溝
    (25)が設けられ、 前記ロック用係止溝は、前記ピンを案内する縦溝(2
    6)が雌側キャップの開口から奥方へ延びて設けられ、
    該縦溝の奥部に縦溝に略直交するように横溝(27)が
    設けられ、該横溝の奥部に横溝に略直交するようにロッ
    ク溝(28)がキャップの開口側に延びて設けられて構
    成され、 前記ロック用係止溝は、所定形状に形成された板材(2
    9)が円筒状に丸められて前記雌側キャップ内に挿入さ
    れて固定されることにより形成されていることを特徴と
    する止め金具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の止め金具を備え
    た装飾用鎖。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236556A (ja) * 2010-04-30 2011-11-24 Tachikawa Blind Mfg Co Ltd 操作コード
JP2013063258A (ja) * 2011-09-01 2013-04-11 Akiyama Seisakusho:Kk マグネットを使用した自動ロック式装身具用連結部品

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