JP3028552U - 非常時コートとなるシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要時に要所を切り離し、コートとして使用
することができるコートの提供。 【構成】 シート本体１０の一端辺１１を折り返して２
重部分１２を形成するとともに、２重部分の中央部１４
を除く前記一端辺の部分をシート本体１０に固着するこ
とにより、着用時に左右の袖となる部分２１、２２を形
成し、前記中央部１４を逆Ｖ字形乃至ほぼ半円形に固着
することにより着用時フードとなる部分２３を形成す
る。該フード部分２３の外縁に沿って切り離し可能な部
分２４を形成し、前記２重部分１２に近いシート本体１
０左右の側辺から内方から下方へかけて切り離し可能な
部分２５、２６を形成することにより身体前部を覆う部
分２７、２８を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、方形乃至長方形状のシート本体から成り、非常時、身体に着用する ための構造を具備したコートとなるシートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

災害や事故などの緊急時、非常時に使用することを主な目的としたシート類は 各種提供されており、また防水、防風機能を備えたコートのような緊急避難用衣 服も公知である。しかしながら従来のものは丈夫で廉価な材料を加工してコート などの形状を与えてあるものであるから、製造には一連の工程を経なければなら ない。またこれを拡げればコートやジャケットなど、一定の形状を持った衣服と 変わらなくなり、それ以外の用途には使用しにくいという問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題はシートに極めて限定 された加工を二、三実施するだけで製造可能であり、できたものはシートとして の形状、機能を維持しており、必要時に要所を切り離すことによりコートとして 使用することができるシートを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため本考案は、シート本体１０の一端辺１１を折り返して ２重部分１２を形成するとともに、２重部分の中央部１４を除く前記一端辺の部 分をシート本体１０に固着することにより、着用時に左右の袖となる部分２１、 ２２を形成し、前記中央部１４を逆Ｖ字形乃至ほぼ半円形に固着することにより 着用時フードとなる部分２３を形成し、該フードとなる部分２３の外縁に沿って 切り離し可能な部分２４を形成し、前記２重部分１２に近いシート本体１０左右 の側辺から内方から下方へかけて切り離し可能な部分２５、２６を形成すること により身体前部を覆う部分２７、２８を設けたものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の非常時コートとなるシートは、一定の形状を有するシート本体１０か ら成り、非常時には身体に着用するための構造を具備したものである。

【０００６】 一定の形状の例としては、例えば一端辺１１の両側に左右側辺１５、１６を有 する長方形（部分）である。しかし、各辺１１、１５、１６は直線でなくても良 い。例示のシート本体１０は長方形状であり、例えば６０×９０インチ（約１５ ２×２２９センチ）程度の、身体に着用し、またシートとして使用するのに十分 な大きさを有する。

【０００７】 材質としては各種の樹脂シート、アルミニウム等の金属箔を層設したシート等 が用いられる。熱放射を反射させて保温、保冷を行なう反射断熱材（熱絶縁材） も有効である。特に金属光沢を有するラミネートフィルムは防水、防風性が優れ ており、軽量で、細菌の繁殖を防止する特徴を有するので、本案シートを災害対 策用品として実用化する場合に好適である。

【０００８】 このようなシート本体１０の一端辺１１を全幅にわたって折り返して２重とな った部分１２を形成する。１３はその折り返し線を示す。２重部分１２には、そ の中央部１４を除いた前記一端辺側の部分をシート本体１０に固着することによ り、着用時左右の袖となる部分２１、２２を形成する。図１（ｂ）の例では一端 辺１１に沿った箇所を忠実にたどり、折り返し線１３と平行に固着している。し かし、線状の固着部分１７は、着用時、肩から袖の上に到る部分であるので、肩 の線に合わせて傾斜や曲がりを与えても良い。

【０００９】 前記中央部１４は、そこに頭部が収まる幅の開口部を設定し、その両端から逆 Ｖ字形乃至ほぼ半円形に２重部分１２に固着部分１８を線状に形成することによ り、着用時フードとなる部分２３を構成する。フードとなる部分２３と袖となる 部分２１、２２を分離可能にするために、フードとなる部分２３の外縁に沿って 切り離し可能な部分２４を形成しておく。

【００１０】 さらに前記２重部分１２に近いシート本体１０の左右側辺１５、１６から内方 かつ下方へかけて、切り離し可能な部分２５、２６を形成する。これは、着用時 身体前部を覆う部分を設けるためである。そして各切り離し可能部分２４、２４ 、２５、２６の末端部には補強手段２９を実施し、切り離しが所定の点で停止し 、それ以上拡がらないようにする。

【００１１】 各固着部分１７、１８を形成する手段、方法としては化学的乃至は熱的な接着 を適宜実施することができる。また各切り離し可能な部分２４、２４、２５、２ ６を形成する手段にはミシン目を設ける方法がある。また切り離し線に沿って貼 付した開封帯によるものも切り離し手段として採用することができる。

【００１２】 図４は本考案の第２の実施例を示しており、フードとなる部分２３の切り離し 線２４がほぼ半円形（逆Ｕ字形）であり、身体前部を覆う部分２７、２８を形成 する切り離し可能な部分２５、２６が内方へ寄った曲線形になっているほかは図 １乃至図３の第１実施例のものと同様である。フードとなる部分２３を深目に設 定して顔面を露出させる切り離し線１９を形成すると、頭頂部と肩との間に余裕 を持たせることができる。

【００１３】 ３１は折り返し線１３に達しない場合に左右の袖となる部分２１、２２を分断 するための切り離し線、３２は身体前部を覆う部分２７、２８を閉じ合わせる接 着手段を示す。接着手段３２は文字通りの接着剤を使用するものから、粘着材を 使用するテープ類、或いはフック（鉤状）とそれが係着するループ（パイル状） との２個１組みからなるテープ状の部材などを使用することができる。

【００１４】 本考案に係る非常時用シートは、図１（ｃ）及び図２または図４の状態でシー トとして使用することができる。シートというよりフィルムに近い材料からなる 非常に薄いシート状物であり、２重部分１２も極く僅かであるから、折り畳むと 著しく小型になり、非常用備品入れや、ザック或いはバッグなどの片隅に突っ込 んでおくことができる。必要時には２重部分１２の切り離し可能部分２４を切り 離したあと、左右の袖となる部分２１、２２を下へ折り返し、シート本体１０下 部の切り離し可能部分２５、２６を切り離して身体に着用すれば良い。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成され、かつ作用するものであるから、シートに部分的 な固着部分１７、１８と切り離し可能部分２４〜２６の形成との、極めて限定さ れた加工を実施するだけで極く簡単に製造することができ、シートとして使用す る場合凹凸や引っ掛かりとなる箇所も殆んどなく、コートとして使用するに当た っては３箇所を切り離し線に従って切り離せば良いので誰にでも極く簡単に加工 することができ、頭部及び身体のほぼ全部を袋状に包んで保護し得るので雨や雪 及び風に対しても有効に身体を保護することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本考案に係る非常時用シートを製造する
工程を示す斜視図。 （ｂ）同上固着工程の斜視図。 （ｃ）同じく切り離し部形成工程の斜視図。

【図２】本考案に係るシートの第１実施例を示す平面
図。

【図３】同上使用状態の斜視図。

【図４】同じく第２実施例のものの平面図。

【図５】同じく使用状態を示す参考図。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形乃至長方形状のシート本体から成
   り、非常時、身体に着用するための構造を具備したコー
   トとなるシートであって、シート本体１０の一端辺１１
   を折り返して２重部分１２を形成するとともに、２重部
   分の中央部１４を除く前記一端辺の部分をシート本体１
   ０に固着することにより、着用時に左右の袖となる部分
   ２１、２２を形成し、前記中央部１４を逆Ｖ字形乃至ほ
   ぼ半円形に固着することにより着用時フードとなる部分
   ２３を形成し、該フードとなる部分２３の外縁に沿って
   切り離し可能な部分２４を形成し、前記２重部分１２に
   近いシート本体１０左右の側辺から内方から下方へかけ
   て切り離し可能な部分２５、２６を形成することにより
   身体前部を覆う部分２７、２８を設けたことを特徴とす
   る非常時コートとなるシート。
2. 【請求項２】 ２重部分１２及びフードとなる部分２３
   の固着手段が接着である請求項第１項記載の非常時コー
   トとなるシート。
3. 【請求項３】 切り離し可能な部分２４、２５、２６と
   してミシン目を設けた請求項第１項記載の非常時コート
   となるシート。