JP3028270B2 - 画像形成方法及び画像形成用現像剤 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成用現像剤

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JP3028270B2
JP3028270B2 JP5182208A JP18220893A JP3028270B2 JP 3028270 B2 JP3028270 B2 JP 3028270B2 JP 5182208 A JP5182208 A JP 5182208A JP 18220893 A JP18220893 A JP 18220893A JP 3028270 B2 JP3028270 B2 JP 3028270B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体を潜像
保持体として使用して潜像画像を形成し、該潜像画像を
現像剤を用いて顕像化し、転写材に転写形成する画像形
成方法及び画像形成用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は所要の特性を得るた
め、あるいは適用される電子写真プロセスの種類に応じ
て種々の構成をとるものである。電子写真感光体の代表
的なものとして、支持体上に像保持層として光導電層が
形成されている感光体および像保持層として光導電層と
その上の絶縁層との積層を備えた感光体があり広く用い
られている。支持体と光導電層から構成される感光体は
最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯電、画像
露光および現像、更に必要に応じて転写による画像形成
に用いられる。
【0003】また絶縁層を備えた感光体について、この
絶縁層は光導電層の保護、感光体の機械的強度の改善、
暗減衰特性の改善、または、特定の電子写真プロセスに
適用されるため(更には無公害化のため)等の目的のた
めに設けられるものである。このような絶縁層を有する
感光体または、絶縁層を有する感光体を用いる電子写真
プロセスの代表的な例は、例えば、米国特許第2,86
0,048号明細書、特公昭41−16429号公報、
特公昭38−15446号公報、特公昭46−3713
号公報、特公昭42−23910号公報、特公昭43−
24748号公報、特公昭42−19747号公報、特
公昭36−4121号公報、などに記載されている。
【0004】電子写真感光体は、当然のことであるが、
適用される電子写真プロセスに応じた所定の感度、電気
特性、更には光学特性を備えていることが要求される。
しかし、そればかりでなく、感光体の耐久性も重要な性
質である。低湿において優れた電子写真特性を備えてい
ても、高湿下で感光体表面電位が著しく低下する感光体
においては、安定した鮮明な画像を得ることが困難であ
る。また、転写を行う電子写真プロセスでは、通常感光
体は繰り返し使用されるため、コロナ放電により表面形
成物質の化学結合が破壊され、その結果、イオン化され
た酸素、オゾン、水分、酸化窒素等と作用して表面は低
抵抗化し、特に高湿中での静電荷保持力が減少し、画像
のシャープネス性が損われる場合が少なくない。また、
紙粉などの付着物が感光体の電荷保持能力を低下せしめ
画像流れの原因となる場合が多い。
【0005】感光体の表面は樹脂によって被膜化される
ため特に樹脂の性能が重要であり、耐久性の優れた樹脂
が要望されていた。最近になりこれらを満足する樹脂と
してビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹
脂(以下、ビスフェノールA型ポリカーボネートとい
う)が表面層のバインダーとして研究される様になって
きた。
【0006】しかしながら、第1にエンジニアリングプ
ラスチックとしてのポリカーボネート樹脂は一般に表面
自由エネルギーが大きく、表面にトナーが付着しやす
い。この状況で画像出しを行うと、全面黒画像上(以下
ベタ黒と略す)に白状のポチが多数、あらわれるという
現象が起こりやすい。
【0007】第2に、感光体を作製する時は、これらの
バインダー樹脂と電荷輸送材を溶剤に溶解して塗工、乾
燥することにより膜を形成する。このような条件で成膜
された樹脂は、その内部構造中に残留歪み応力を持って
おり、ポリカーボネート樹脂は特にその傾向が強く、い
わゆるソルベントクラックが発生しやすいという欠点を
有する。こうして作製された感光体を取り扱う、あるい
は電子写真装置に装着する場合、例えば人の手が触れた
り、装置に用いている様々なオイル等に接触すると感光
体にクラックが生じ、欠陥画像となって現われる。
【0008】第3に表面の摩擦係数が大きいため、ウレ
タンゴムなどでクリーニングを行うと削れ量が大きくな
ってしまい、耐久枚数を多くする事が困難である等の欠
点があった。
【0009】一方、電子写真法に用いるトナーとして
は、一般に熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤を
溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置、分級機に
より所望の粒径を有するトナーを製造する粉砕法による
トナー及び、特公昭36−10231号公報、同43−
10799号公報及び同51−14895号公報等によ
り懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されてい
る。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重
合開始剤更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他
添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物と
した後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続
相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時
に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を
得る方法が知られている。
【0010】この方法は、粉砕工程が全く含まれないた
め、トナーに脆性が必要ではなく、軟質の材料を使用す
ることができ、また、粒子表面への着色剤の露出等が生
ぜず、均一な摩擦帯電性を有するという利点がある。ま
た、分級工程の省略をも可能にするため、エネルギーの
節約、時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果
が大きい。
【0011】更に近年、電子写真法に用いるトナーとし
て、省エネルギーの観点から低温定着性が望まれてい
る。この要求に対し、トナー処方として紙とのぬれ性,
付着性がよいトナーバインダー材料が選択され、更に
は、トナーの溶融粘度特性も、より低温で低粘度を示す
よう設計されてきている。
【0012】しかしながら、この様なトナーを用いる
と、低温定着性は達成されるものの、感光体へのトナー
の付着力が増大し、クリーニング不良、転写性の悪化、
更には、感光体へのトナー融着を生じ、画像劣化を示す
原因となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決した画像形成方法及び画像形成用現像剤を
提供することにある。
【0014】すなわち、本発明の目的は、定着性に優
れ、しかも転写性、クリーニング性に優れたトナー及び
感光体からなる画像形成方法及び画像形成用現像剤を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
下記の本発明によって達成される。
【0016】即ち、本発明は、少なくとも導電性支持
体、電荷発生層及び電荷輸送層から構成される積層構造
を有する電子写真感光体を使用して潜像画像を形成し、
該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し転写材に転写形成
する画像形成方法において、 a)該電子写真感光体として、その表面層にフッ素原子
を有するフッ素系化合物及び/あるいは珪素原子を有す
るシリコン系化合物が存在し、かつその表面層のXPS
測定によるフッ素原子又は珪素原子と炭素原子との比が
下記条件 F/C=0.03〜1.00 Si/C=0.03〜1.00 を満たす感光体であって、該感光体の表面層に、(i)
該フッ素系化合物が存在している場合には、その表面層
が、ポリカーボネート樹脂と、フッ素樹脂微粒子又はフ
ッ化カーボン微粒子と、フッ素系セグメントが連続して
存在するフッ素系グラフトポリマーとを有している感光
体を用い、(ii)該シリコン系化合物が存在している
場合には、その表面層が、ポリカーボネート樹脂と、三
次元架橋シリコン系化合物微粒子と、ポリジメチルシロ
キサンセグメントを含有するグラフトポリマー、ブロッ
クポリマー又は界面活性剤とを有している感光体を用
い、 b)該現像剤におけるトナーとして、少なくとも着色
剤、樹脂及び軟化点が40〜130℃のワックス類を含
有し、かつ該トナーを構成する樹脂成分のGPCによる
分子量分布のピークの少なくとも一つが5000〜50
000の範囲にあり、かつ該トナーを構成する樹脂成分
中に少なくとも一種以上の極性成分を含有するトナーを
用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0017】また、本発明は、少なくとも導電性支持
体、電荷発生層及び電荷輸送層から構成される積層構造
を有する電子写真感光体を使用して潜像画像を形成し、
該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し転写材に転写形成
する画像形成方法であり、該電子写真感光体として、そ
の表面層にフッ素原子を有するフッ素系化合物及び/あ
るいは珪素原子を有するシリコン系化合物が存在し、か
つその表面層のXPS測定によるフッ素原子又は珪素原
子と炭素原子との比が下記条件 F/C=0.03〜1.00 Si/C=0.03〜1.00 を満たす感光体であって、該感光体の表面層に、(i)
該フッ素系化合物が存在している場合には、その表面層
が、ポリカーボネート樹脂と、フッ素樹脂微粒子又はフ
ッ化カーボン微粒子と、フッ素系セグメントが連続して
存在するフッ素系グラフトポリマーとを有している感光
体を用い、(ii)該シリコン系化合物が存在している
場合には、その表面層が、ポリカーボネート樹脂と、三
次元架橋シリコン系化合物微粒子と、ポリジメチルシロ
キサンセグメントを含有するグラフトポリマー、ブロッ
クポリマー又は界面活性剤とを有している感光体を用い
る画像形成方法に用いられる画像形成用現像剤におい
て、該現像剤は、少なくとも着色剤、樹脂及び軟化点が
40〜130℃のワックス類を含有するトナーを有し、
かつ該トナーを構成する樹脂成分のGPCによる分子量
分布のピークの少なくとも一つが5000〜50000
の範囲にあり、かつ該トナーを構成する樹脂成分中に少
なくとも一種以上の極性成分を含有することを特徴とす
る画像形成用現像剤に関する。
【0018】本発明者らは、上記従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究の結果、本発明の目的の一つである定
着性に優れたトナーを得るためには、トナーを構成する
樹脂成分のGPCによる分子量分布のピークの少なくと
も一つが5000〜50000の範囲にあり、かつトナ
ーを構成する樹脂成分中に少なくとも一種以上の極性成
分を含有することが有効であることを見い出した。すな
わち、紙との親和性が良い樹脂を添加することにより、
紙との付着性がより大となるものである。
【0019】また、前記トナーが懸濁重合法によって直
接得られたトナーであることにより、本発明の目的を達
成させるための手段として好ましいことを見い出した。
これは、水系で製造する場合、内添した極性成分がトナ
ー表面により存在しやすく、このため、より効果的に本
発明の目的の一つが達成されるものと考える。
【0020】本発明におけるトナーの樹脂成分のGPC
による分子量分布のピークの少なくとも一つが5000
〜50,000の範囲に存在することにより、低温定着
性が発揮できる。
【0021】しかしながら、トナーの樹脂成分のGPC
における分子量分布のピークが5000未満に存在する
場合、耐ブロッキング性に劣るようになり、本発明の範
囲にピークがなく50,000を超えてピークが存在す
る場合、低温定着性に劣るものとなる。またより好まし
くは、100,000以下の成分が50%以上である時
に良好な定着性を発揮できる。
【0022】しかしながら、上記のようにトナー樹脂成
分の低分子量化、更には極性成分の樹脂成分への含有に
より、トナーの定着性は優れたものとなるが、一方、電
子写真感光体へのトナーの付着力は増大し、転写性の劣
化、クリーニング不良、更には感光体へのトナー融着を
生じる問題点を生じた。
【0023】本発明者らは、これを解決すべく、検討の
結果、電子写真感光体の表面層に、フッ素及び/あるい
は珪素原子を炭素原子との比が、 F/C=0.03〜1.00, Si/C=0.03〜
1.00 の範囲で存在させることにより、上記課題を解決できる
ことを見い出した。
【0024】ここでF/C,Si/Cを規定する理由と
しては、感光体表面が上記本発明と組み合せた場合、よ
り本発明の目的を達成する構成となっている。すなわ
ち、F,Siは感光体表面エネルギーを下げるものであ
り、転写性の向上及び付着性の低下を生じさせる。一
方、炭素原子の存在はその表面エネルギーを上げるもの
である。この比を規定することにより、本発明のような
付着力の強いトナー構成においても転写性が良くクリー
ニング不良を発生しない構成となりうることを本発明者
らは見い出した。
【0025】ここで、本発明のトナーに対して感光体表
面層のF/C,Si/Cがそれぞれ0.03未満である
と、感光体表面エネルギーが高く、トナーの転写性を悪
化させる。一方、F/C,Si/Cがそれぞれ1.00
を超えると、クリーニング部材との摩擦係数が下がり逆
にトナーのすり抜け、クリーニング不良を発生してしま
う。
【0026】更により好ましい構成としては、本発明の
電子写真感光体における表面層がポリカーボネートを含
有することであり、さらにより好ましくは、該ポリカー
ボネートが非対称性ジオールから合成されるものである
ことが望ましい。これにより耐久特性に優れ、生産性良
好な、電子写真感光体となりうる。更に好ましい構成と
しては、電子写真感光体における感光層上に保護層を有
し、かつ該保護層にポリカーボネートを含有することが
望ましい。これにより更なる耐久特性の安定性が生じ
る。
【0027】本発明の目的を達成するためのより好まし
い構成としては、本発明の電子写真感光体表面層のフッ
素及び/あるいは珪素原子と酸素原子との比が、XPS
測定において F/O=0.03以上 Si/O=0.03以上 であることが好ましい。酸素の量をF,Siに対し上記
のように規定することにより、本発明の極性成分を有す
る樹脂を含有するトナーに対する付着性をより好ましく
制御可能となる。
【0028】以下、本発明に使用される構成要素を具体
的に例示する。
【0029】本発明において、トナー樹脂成分のTHF
(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCによるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0030】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒とし
てTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を
約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポ
リスチレン標準試料により作成された検量線の対数値と
カウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準
ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製ある
いは、昭和電工社製の分子量が102 〜107程度のも
のを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試
料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈
折率)検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポ
リスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良
く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF
−801,802,803,804,805,806,
807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSK
gel G1000H(HXL),G2000H
(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL),TSKguard
columnの組み合わせを挙げることができる。
【0031】また試料は以下のようにして作製する。試
料をTHF中に入れ、数時間放置した後十分に振とうし
THFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更
に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時
間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル
処理フィルタ(ポアサイズ 0.45〜0.5μm,た
とえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社
製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス
ジャパン社製などが利用できる)を通過させたもの
を、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が
0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0032】本発明に使用される極性成分を含有する樹
脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなど含窒素単量体の重合
体もしくはスチレン・不飽和カルボン酸エステル等との
共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩
化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸・メタク
リル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸・
不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体もし
くはスチレン系単量体等との共重合体、ホエ、エポキシ
樹脂等が挙げられる。
【0033】上記極性成分をトナー中に含有させる方法
としては以下の方法が使用される。
【0034】重合法トナーにおいては、重合体、共重合
体として他の単量体成分に溶解し、重合することにより
添加するあるいは、単量体として他の単量体成分と混合
し、重合することにより添加できる。
【0035】粉砕法トナーにおいては、上記極性成分を
含有樹脂単独あるいは、他の樹脂とのトナー混練時の混
合あるいは溶媒による樹脂の溶解混合により添加する
か、あるいは、上記重合体、共重合体を他の樹脂の合成
時に混合して使用してもよい。
【0036】本発明に使用できるその他の粉砕法トナー
樹脂及び重合トナーに使用できる重合性単量体として
は、スチレン・o−メチルスチレン・m−メチルスチレ
ン・p−メチルスチレン・p−メトキシスチレン・p−
エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル・アクリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・アクリ
ル酸イソブチル・アクリル酸n−プロピル・アクリル酸
n−オクチル・アクリル酸ドデシル・アクリル酸2−エ
チルヘキシル・アクリル酸ステアリル・アクリル酸2−
クロルエチル・アクリル酸フェニル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル・メタクリル酸エチル・メ
タクリル酸n−プロピル・メタクリル酸n−ブチル・メ
タクリル酸イソブチル・メタクリル酸n−オクチル・メ
タクリル酸ドデシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル
・メタクリル酸ステアリル・メタクリル酸フェニル等の
メタクリル酸エステル類の単量体が挙げられる。これら
の単量体は単独、又は混合して使用し得る。上述の単量
体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、又
は他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特
性及び耐久性の点から好ましい。
【0037】本発明で用いられる着色剤としては、公知
のものが使用でき、例えば、カーボンブラック、鉄黒の
他、C.I.ダイレクトレッド1,C.I.ダイレクト
レッド4,C.I.アシッドレッド1,C.I.ベーシ
ックレッド1,C.I.モーダントレッド30,C.
I.ダイレクトブルー1,C.I.ダイレクトブルー
2,C.I.アシッドブルー9,C.I.アシッドブル
ー15,C.I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシ
ックブルー5,C.I.モーダントブルー7,C.I.
ダイレクトグリーン6,C.I.ベーシックグリーン
4,C.I.ベーシックグリーン6等の染料,黄鉛,カ
ドミウムイエロー,ミネラルファストイエロー,ネーブ
ルイエロー,ナフトールイエローS,ハンザイエロー
G,パーマネントイエローNCG,タートラジンレー
キ,モリブデンオレンジ,パーマネントオレンジGT
R,ベンジジンオレンジG,カドミウムレッド,パーマ
ネントレッド4R,ウォッチングレッドカルシウム塩,
ブリリアントカーミン3B,ファストバイオレットB,
メチルバイオレットレーキ,紺青,コバルトブルー,ア
ルカリブルーレーキ,ビクトリアブルーレーキ,キナク
リドン,ローダミンレーキ,フタロシアニンブルー,フ
ァーストスカイブルー,ピグメントグリーンB,マラカ
イトグリーンレーキ,ファイナルイエローグリーンG等
の顔料がある。本発明において重合法を用いてトナーを
得る場合は、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注
意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、
重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほ
うが良い。特に、染料系やカーボンブラックは、重合阻
害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要す
る。染料系を表面処理する好ましい方法としては、あら
かじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめ
る方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添
加する。又、カーボンブラックについては、上記染料と
同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応
する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を
行っても良い。
【0038】トナーを磁性トナーとして用いる場合、磁
性粉を含有せしめても良い。このような磁性粉として
は、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末若しく
は、マグネタイト、フェライトなどの化合物がある。特
に、本発明において、重合法を用いてトナーを得る場合
は、磁性体の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う
必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、重合阻害
のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良
い。
【0039】本発明において熱ロール定着時の離型性を
よくする目的で、トナー中に炭化水素系化合物等一般に
離型剤として用いられているワックス類を配合しても良
い。本発明に用いられるワックス類としては、パラフィ
ン・ポリオレフィン系ワックス及び、これらの変性物、
例えば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪酸、お
よびその金属塩、アミドワックスなどがあげられる。こ
れらワックスは環球法(JIS K 2531)による
軟化点(s.p.)が40〜130℃、好ましくは50
〜120℃を有するものが望ましく、軟化点が40℃未
満ではトナーの耐ブロッキング性及び保形性が不十分で
あり、130℃を超えると離型性の効果が不十分とな
る。
【0040】これら離型剤は単独で、または併用しても
よく、添加量としては、0.1〜50質量%が好まし
い。
【0041】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくこ
とが望ましい。これら荷電制御剤としては、公知のもの
のうち、重合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用い
られ、例えば正荷電制御剤としてニグロシン系染料・ト
リフェニルメタン系染料・四級アンモニウム塩・グアニ
ジン誘導体・イミダゾール誘導体・アミン系及びポリア
ミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤としては、含
金属サリチル酸系化合物・含金属モノアゾ系染料化合物
・尿素誘導体・スチレン−アクリル酸共重合体・スチレ
ン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0042】これら荷電制御剤の添加量としては、0.
1〜10質量%が好ましい。
【0043】重合開始剤としては、いずれか適当な重合
開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾ
イルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロ
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。これら重合開始剤は、重合性単量体の
0.5〜20質量%の添加量が好ましく、単独で、又
は、併用しても良い。
【0044】また、本発明では、分子量をコントロール
するために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良
く、好ましい添加量としては、0.001〜15質量%
である。
【0045】各種トナー特性付与を目的とした添加剤と
しては、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐
久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/10以下
の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、
電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めた
その平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした
添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用いら
れる。
【0046】1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ
素,酸化アルミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブ
ラック・フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を
行ったものが、より好ましい。 2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム,酸
化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸
化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物
(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バ
リウム,炭酸カルシウムなど)。
【0047】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0048】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラックなど。
【0049】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し、0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは
0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、又、複数併用しても良い。
【0050】本発明において重合法に用いられる分散媒
には、いずれか適当な安定化剤を使用する。例えば、無
機化合物として、リン酸三カルシウム・リン酸マグネシ
ウム・リン酸アルミニウム・リン酸亜鉛・炭酸カルシウ
ム・炭酸マグネシウム・水酸化カルシウム・水酸化マグ
ネシウム・水酸化アルミニウム・メタケイ酸カルシウム
・硫酸カルシウム・硫酸バリウム、ベントナイト・シリ
カ・アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリ
ビニルアルコール・ゼラチン・メチルセルロース・メチ
ルヒドロキシプロピルセルロース・エチルセルロース・
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩・ポリアク
リル酸及びその塩・デンプン等を水相に分散させて使用
できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部
に対して、0.2〜20質量部を使用することが好まし
い。
【0051】これら安定化剤の中で、無機化合物を用い
る場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい
粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成さ
せても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹
拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウ
ム水溶液を混合すると良い。
【0052】また、これら安定化剤の微細な分散の為
に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用して
もよい。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進す
る為のものであり、その具体例としては、ドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム・テトラデシル硫酸ナトリウム・ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム・オクチル硫酸ナトリウム・
オレイン酸ナトリウム・ラウリル酸ナトリウム・ステア
リン酸カリウム・オレイン酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0053】本発明で用いられる粉砕法トナーは、混練
−粉砕−分級の既知の方法で得られる。
【0054】本発明で用いられる重合トナーは以下の如
き方法にて得られる。即ち、重合性単量体中に離型剤・
着色剤・荷電制御剤・重合開始剤その他の添加剤を加
え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均一に溶
解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する
水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー・ホモジナイ
ザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所
望のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の粒径を
有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その
後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且
つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重
合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に
設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても
良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応
の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後
半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良
い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過によ
り回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量
体系100質量部にたいして水300〜3000質量部
を分散媒として使用するのが好ましい。
【0055】次に、本発明に用いられる電子写真感光体
構成について示す。
【0056】本発明の感光体は、導電性基体上に電荷発
生層と電荷輸送層を有する積層構造を有するものであ
る。更に本発明においては、電荷輸送層上に保護層をも
うけた構成でもかまわない。
【0057】本発明においては、感光体表面層となる電
荷輸送層及び/あるいは保護層にフッ素系化合物及び/
あるいはシリコン系化合物を含有してなることを特徴と
する。さらには、本発明の目的をより効果的に達成させ
る手段として、電荷輸送層及び/あるいは、保護層にポ
リカーボネートを含有させることが好ましい。さらに本
発明において該ポリカーボネートが非対称性ジオールを
用いて合成されるポリカーボネートを含有させることが
好ましい。
【0058】以下に本発明の感光体に用いられる材料を
例示する。
【0059】フッ素系化合物の具体例としては、公知の
フッ素樹脂が挙げられ、四フッ化エチレン、三フッ化塩
化エチレン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチ
レンおよびそれらの共重合体の中から1種あるいは、そ
れ以上が適宜選択される。またフッ化カーボン等も使用
可能である。
【0060】本発明においては、フッ素系重合性単量体
あるいは非フッ素系重合性単量体との重合・共重合から
合成されたフッ素含有セグメントを含有するブロック又
はグラフトポリマー、界面活性剤、マクロモノマー等を
単独あるいは上記フッ素系樹脂との併用のかたちで用い
ることができる。
【0061】特にフッ素系セグメントが連続して存在す
るフッ素系グラフトポリマーとの併用が、フッ素系樹脂
の分散及び本発明の特徴である表面F/C比をコントロ
ールを容易にする上でも好ましい。
【0062】上記フッ素系重合性単量体の好ましい具体
例を以下に示すが、使用できる化合物の範囲はここに挙
げた範囲に何ら限定されるものではない。
【0063】
【化1】
【0064】(上記化合物中、R1 は水素原子、ハロゲ
ン原子またはメチル基を示し、R2 は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基またはニトリル基を
示し、その数種類の組合せでもよく、kは1〜4の整
数、mは1〜5の整数であり、k+m=5であり、Rf
は少なくとも1個以上フッ素原子で置換されたアルキル
基を示す。)非フッ素系重合性単量体としては、低分子
量直鎖状不飽和炭化水素、ハロゲン化ビニル、有機酸の
ビニルエステル、ビニル芳香族化合物、アクリル酸およ
びメタクリル酸エステル類、N−ビニル化合物、ビニル
ケイ素化合物、無水マレイン酸、マレイン酸およびフマ
ル酸のエステル類などの1種または2種以上のものを用
いることができるが、形成されたフッ素系グラフトポリ
マーが添加される電荷輸送層及び/あるいは保護層の樹
脂層と相溶するもの、あるいは完全に相溶しないまでも
類似構造を有し、両者間に少しでも親和性があるものを
選択することが好ましい。
【0065】シリコン系化合物の具体例としては、モノ
メチルシロキサン三次元架橋物、ジメチルシロキサン−
モノメチルシロキサン三次元架橋物、超高分子量ポリジ
メチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンセグメント
を含有するブロックポリマー、グラフトポリマー、界面
活性剤、マクロモノマー、末端修飾ポリジメチルシロキ
サン等が用いられる。三次元架橋物の場合、微粒子等の
形状で用いられる粒径は0.01〜5μmの範囲で使用
可能である。ポリジメチルシロキサン化合物の場合、そ
の分子量は3,000〜5,000,000の範囲で使
用可能である。微粒子状のものは、バインダー樹脂と共
に感光層組成物として分散される。分散の方法として
は、サンドミル、ボールミル、ロールミル、ホモジナイ
ザー、ナノマイザー、ペイントシェイカー、超音波等が
使用される。分散時には、分散助剤として上記グラフ
ト、ブロックポリマー、界面活性剤を使用することが好
ましく、本発明の特徴であるSi/C比をコントロール
する上でも併用することが好ましい。
【0066】本発明の電荷輸送層及び/あるいは保護層
に用いられる芳香族炭化水素系溶剤又はハロゲン化芳香
族炭化水素系に可溶なポリカーボネートは、結晶性を低
下させることにより得られる。具体的には、例えば 1)ビスフェノールAと一種あるいは2種以上の非対称
性ジオール化合物 2)一種あるいは2種以上の非対称性ジオール化合物 を用いたホスゲン法等の一般的なポリカーボネート合成
法により得ることができる。また、側鎖に炭素数3以上
の置換基を有するジオール化合物を用いても得ることが
できる。
【0067】本発明に用いられる非対称性ジオール化合
物の代表的具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限
定されることはない。
【0068】
【化2】
【0069】
【化3】
【0070】
【化4】
【0071】
【化5】
【0072】
【化6】
【0073】前述のビスフェノールAとの共重合ポリカ
ーボネートにおける非対称性ジオール化合物の比率はジ
オール化合物中20質量%以上、特に50質量%以上が
好ましい。非対称性ジオール化合物の比率が20質量%
未満であると、芳香族炭化水素系溶剤又はハロゲン化芳
香族炭化水素系溶剤に対する溶解性が十分でなくなり、
塗工液の経時安定性も悪くなる。前述の芳香族炭化水素
系溶剤又はハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤に可溶なポ
リカーボネートの溶解度(25℃の温度下での溶液10
0g中のポリカーボネートのg数)は1g以上、特に5
g以上が好ましい。溶解度が1g未満であると、例えば
電荷輸送層用塗工液を調製した際、その塗工溶液の粘度
が低すぎ電荷輸送層として必要な適切な膜厚を得ること
ができなくなる。
【0074】本発明で用いるポリカーボネートは、特に
電荷発生層あるいは電荷輸送層の結着剤樹脂として用い
る場合に、その効果を大きくすることができる。
【0075】芳香族炭化水素系溶剤の例としては、ベン
ゼン,トルエン,キシレン等、ハロゲン化芳香族炭化水
素系溶剤の例としては、モノクロルベンゼン,ジクロル
ベンゼン等が挙げられる。
【0076】本発明の電子写真感光体を製造する場合、
導電性基体としては、アルミニウム,ステンレスなどの
金属,紙,プラスチックなどの円筒状シリンダーまたは
フィルムが用いられる。これらの基体の上には、バリア
ー機能と下引機能をもつ下引層(接着層)を設けること
ができる。
【0077】下引層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、基体からの電荷
注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのた
めに形成される。下引層の材料としては、ポリビニルア
ルコール,ポリ−N−ビニルイミダゾール,ポリエチレ
ンオキシド,エチルセルロース,メチルセルロース,エ
チレン−アクリル酸コポリマー,カゼイン,ポリアミ
ド,共重合ナイロン,ニカワ,ゼラチン等が知られてい
る。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて基体上
に塗布される。その膜厚は0.2〜2μm程度である。
【0078】機能分離型感光体においては、電荷発生物
質としてセレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム
系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン顔
料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、ト
リスアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、
キナクリドン系顔料、非対称キノシアニン、キノシアニ
ンあるいは特開昭54−143645号公報に記載のア
モルファスシリコンなどを用いることができ、電荷輸送
物質としては、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−
イソプロピルカルバゾール、N−メチル−N−フェニル
ヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾー
ル、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10
−エチルフェノキサジン、P−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、P−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フ
ェニルヒドラゾン、P−ピロリジノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トラメチ
ルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニル
ヒドラゾン、P−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチ
ルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾン等のヒドラゾン
類、2,5−ビス(P−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−3−
(P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン、1−[キノリル(2)]
−3−(P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジ
エチルアミノフェニル)ピラゾリン、1[ピリジル
(2)]−3−(P−ジエルチアミノスチリル)−5−
(P−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[6
−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(P−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(P−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[レピジル(2)]−3−(P
−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3
−3(P−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5
−(P−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−
[ピリジル(2)]−3−(α−メチル−P−ジエチル
アミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(P−ジエチルア
ミノスチリル)−4−メチル−5−(P−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベ
ンジル−P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジ
エチルアミノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリン
などのピラゾリン類、2−(P−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−
(P−ジエチルアミノフェニル)−4−(P−ジメチル
アミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサ
ゾール等のオキサゾール系化合物、2−(P−ジエチル
アミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾー
ル等のチアゾール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ
−2−メチルフェニル)−フェニルメタン等のトリアリ
ールメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエ
チルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,
2,2−テトラキス−(4−N,N−ジメチルアミノ−
2−メチルフェニル)エタン等のポリアリールアルカン
類などを用いることができる。
【0079】電荷発生層は、前記の電荷発生顔料を0.
3〜4倍量の結着剤樹脂、および溶剤と共に、ホモジナ
イザー、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンド
ミル、アトライター、ロールミルなどの方法でよく分散
し、塗布−乾燥されて形成される。その厚みは0.1〜
1μm程度である。
【0080】電荷発生層に前述のポリカーボネート樹脂
を用いる場合には、電荷発生物質をポリカーボネートと
ともに芳香族炭化水素系溶剤又はハロゲン化芳香族炭化
水素系溶剤の単独あるいはそれらの混合溶剤に溶解する
か、前述のポリカーボネート樹脂を前述の溶剤で溶解し
た溶液に電荷発生物質を分散させて得た塗工液を塗布す
ることによって形成される。電荷発生物質の電荷発生層
での占める割合は30重量%以上、好ましくは80重量
%以上とすることができる。溶剤としては、トルエン、
キシレンあるいはモノクロルベンゼンが特に有用であ
る。この塗工溶液を塗布する方法としては、例えば浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナー
コーティング法、カーテンコーティング法などを用いる
ことができる。
【0081】電荷輸送層に前述のポリカーボネート樹脂
を用いる場合には、電荷輸送物質と前述のポリカーボネ
ートを前述の芳香族炭化水素系溶剤又はハロゲン化芳香
族炭化水素系溶剤の単独あるいはそれらの混合溶剤に溶
解して調製した塗工液を塗布することによって得られ
る。電荷輸送物質と結着剤として用いた前述のポリカー
ボネート樹脂との混合割合は、重量比で2:1〜1:2
程度である。溶剤としてはトルエン、キシレンあるいは
モノクロルベンゼンが特に有用である。
【0082】この溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コ
ーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコ
ーティング法、カーテンコーティング法などが知られて
いる。電子写真感光体を効率的に精度良く、大量生産す
るには浸漬コーティング法が最良であり、特に浸漬コー
ティング法におけるポットライフが前述のポリカーボネ
ートを用いることにより、大幅に改善することができる
ので、浸漬コーティング法を用いた製造の生産性を大幅
に向上させることができる。電荷輸送層を塗布形成した
後、10℃〜200℃(好ましくは20℃〜150℃)
の温度で5分〜5時間(好ましくは10分〜2時間)の
範囲で送風乾燥または静止乾燥を行ない、5〜20μm
の電荷輸送層が得られる。
【0083】電子写真感光体表面のXPS測定は、XP
S測定装置として、VG社製ESCALAB,200−
X型,X線光電子分光装置を用いて行った。
【0084】測定条件としては、 X線源 Mg Kα(300W) 分析領域 2×3mm とした。
【0085】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するが、
これらは本発明を何ら限定するものではない。本発明の
実施例及び比較例に使用されるトナー,ドラムの製造例
および評価方法を以下に挙げる。
【0086】[重合トナーの製造例]イオン交換水71
0gに、0.1M−Na3 PO4 水溶液450gを投入
し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機
化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。
これに1.0M−CaCl2 水溶液68gを徐々に添加
し、Ca3 (PO42 を含む水系媒体を得た。
【0087】一方、 スチレン 165g n−ブチルアクリレート 35g 疎水化処理磁性体 140g ニグロシン染料 2g スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体 8g パラフィンワックス(s.p.:83℃) 8g
【0088】上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミ
キサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpm
にて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8
gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系
媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N
2 雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて1000
0rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒
した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃に昇
温し、10時間反応させた。
【0089】重合反応終了後、減圧下で、一部水系媒体
を留去し、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解
させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均径約8μ
mの着色懸濁粒子を得た。
【0090】得られた粒子100質量部に対して、疎水
性シリカ0.8質量部を外添し、懸濁重合トナー(a)
を得た。
【0091】また、同様にし、極性成分を変えることに
よりトナー(b)、さらには極性成分を除く、あるいは
分子量を変えることによりトナー(d),トナー(e)
及び(f)を得た。分子量は開始剤量及び重合温度を変
えることにより調整を行った。その詳細を表3に示す。 [粉砕法トナーの製造例] スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100g (Mp20,100) スチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体 100g (Mp21,000) ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 4g パラフィンワックス(s.p.:83℃) 8g カーボンブラック(疎水化処理) 12g を予備混合した後、120℃に設定したロールミルにて
溶融混練を行った。
【0092】混練物を冷却後粗粉砕し、ジェット気流を
用いた粉砕機によって微粉砕し、更に風力分級機を用い
て分級し、重量平均径約8μmのトナーを得た。このト
ナー100質量部に対して疎水性シリカ0.8質量部を
外添し、粉砕法トナー(c)を得た。
【0093】[感光体の製造例A]導電性酸化チタン
(酸化スズコート、平均一次粒径0.4μm)10質量
部、フェノール樹脂前駆体(レゾール型)10質量部、
メタノール10質量部、及びブタノール10質量部をサ
ンドミル分散した後に、外径80mm、長さ360mm
のアルミニウムシリンダーに浸漬塗布し、140℃で硬
化した後体積抵抗5×109 Ωcm、厚さ20μmの導
電層を設けた。
【0094】次に、下記メトキシメチル化ナイロン(メ
トキシメチル化度約30%)10質量部
【0095】
【化7】
【0096】及びイソプロパノール150質量部を混合
溶解した後に、前記導電層上に浸漬塗布し、1μmの下
引層を設けた。
【0097】次に、下記アゾ顔料10質量部、
【0098】
【化8】
【0099】下記ポリカーボネート樹脂(ビスフェノー
ルA 分子量30000)5質量部、
【0100】
【化9】
【0101】及びシクロヘキサノン700質量部をサン
ドミルにて分散し、この分散液を前記下引層上に浸漬塗
布した後、0.05μmの電荷発生層を得た。
【0102】次に、下記トリフェニルアミン10質量
部、
【0103】
【化10】
【0104】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量20000)10質量部
【0105】
【化11】
【0106】モノクロロベンゼン50質量部、及びジク
ロロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生
層上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0107】次に、フッ化カーボン微粉末(平均粒径
0.23μm,セントラルガラス社製)1質量部、下記
ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ 分子量80
000)6質量部、
【0108】
【化12】
【0109】下記パーフルオロアルキルアクリレート−
メチルメタクリレートブロック共重合体(分子量300
00)0.1質量部
【0110】
【化13】
【0111】モノクロロベンゼン120質量部、及びジ
クロロメタン80質量部をサンドミルにて分散混合し
た。これに、下記トリフェニルアミン3質量部
【0112】
【化14】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
状に塗布し、5μmの保護層を設け感光体ドラムとし
た。
【0113】<F/C比 XPS測定> 前記感光体表面を剥離した後、VG社製ESCALAB
200−X型 X線光電子分光装置にて表面元素の定着
を行った。X線源としてMg Kα(300W)を用
い、2×3mmの領域について数Åの深さで測定した。
製造例Aの感光体表面は、F原子5.2%,C原子8
1.3%であり、F/C比は0.064であった。
【0114】[感光体の製造例B]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Aと同じも
のを用意した。
【0115】次に、下記トリフェニルアミン10質量
部、
【0116】
【化15】
【0117】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量20000)10質量部
【0118】
【化16】
【0119】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0120】次に、フッ化カーボン微粉末(平均粒径
0.23μm,セントラルガラス社製)3質量部、下記
ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ 分子量80
000)5質量部、
【0121】
【化17】
【0122】下記パーフルオロアルキルアクリレート−
メチルメタクリレートブロック共重合体(A−B型共重
合体、分子量30000)0.3質量部
【0123】
【化18】
【0124】モノクロロベンゼン110質量部及びジク
ロロメタン80質量部をサンドミルにて分散混合した。
これに、下記トリフェニルアミン2.5質量部
【0125】
【化19】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、6μmの保護層を設け製造例Bの感光体ド
ラムとした。
【0126】この感光体はF原子10.2%,C原子7
6.7%で、F/Cは0.133であった。
【0127】[感光体の製造例C]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Aと同じも
のを用意した。
【0128】次に、下記トリフェニルアミン3質量部、
【0129】
【化20】
【0130】下記トリフェニルアミン7質量部、
【0131】
【化21】
【0132】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量20000)10質量部
【0133】
【化22】
【0134】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0135】次に、フッ化カーボン微粉末(平均粒径
0.27μm,セントラルガラス社製)3質量部、下記
ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ 分子量80
000)5.5質量部、
【0136】
【化23】
【0137】下記フッ素置換グラフトポリマー(F含有
量27質量%、分子量25000)0.3質量部
【0138】
【化24】
【0139】モノクロロベンゼン120質量部及びジク
ロロメタン80質量部をサンドミルにて分散混合した。
これに、下記トリフェニルアミン2.5質量部
【0140】
【化25】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷モノク
ロロベンゼン120質量部及びジクロロメタン80質量
部をサンドミルにて分散混合した。これに、下記トリフ
ェニルアミン2質量部
【0141】
【化26】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、4μmの保護層を設け製造例Cの感光体ド
ラムとした。
【0142】この感光体はF原子11.3%,C原子7
5.5%で、F/Cは0.150であった。
【0143】[感光体の製造例D]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Aと同じも
のを用意した。
【0144】次に、下記トリフェニルアミン3質量部、
【0145】
【化27】
【0146】下記トリフェニルアミン7質量部、
【0147】
【化28】
【0148】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールA型、分子量25000)10質量部
【0149】
【化29】
【0150】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0151】次に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体微粉末(モノマー比 テトラ
フルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン=3/
7、乳化重合ファインパウダー、平均粒径0.32μ
m,分子量約600000)3質量部、下記ポリカーボ
ネート樹脂(ビスフェノールA 分子量100000)
5.5質量部、
【0152】
【化30】
【0153】下記パーフルオロアルキルアクリレート−
メチルメタクリレートブロック共重合体(A−B型共重
合体、分子量30000)0.3質量部
【0154】
【化31】
【0155】モノクロロベンゼン100質量部及びジク
ロロメタン70質量部をサンドミルにて分散混合した。
これに、下記トリフェニルアミン2.5質量部
【0156】
【化32】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、5μmの保護層を設け製造例Dの感光体ド
ラムとした。
【0157】この感光体はF原子9.5%,C原子8
0.5%で、F/Cは0.118であった。
【0158】[感光体の製造例E]製造例Aの感光体に
おいて、保護層を設けない電荷輸送層まで塗布した感光
体を製造例Eの感光体ドラムとした。
【0159】[感光体の製造例F]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Aと同じも
のを用意した。
【0160】次に、下記トリフェニルアミン10質量
部、
【0161】
【化33】
【0162】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量25000)10質量部
【0163】
【化34】
【0164】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0165】次に、フッ化カーボン微粉末(平均粒径
0.27μm,セントラルガラス社製)0.3質量部、
下記ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ 分子量
80000)6.4質量部、
【0166】
【化35】
【0167】下記パーフルオロアルキルアクリレート−
メチルメタクリレートブロック共重合体(分子量300
00)0.03質量部
【0168】
【化36】
【0169】モノクロロベンゼン120質量部及びジク
ロロメタン80質量部をサンドミルにて分散混合した。
これに、下記トリフェニルアミン3.2質量部
【0170】
【化37】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、4μmの保護層を設け製造例Fの感光体ド
ラムとした。
【0171】この感光体はF原子0.83%,C原子8
5.5%で、F/Cは0.0097であった。
【0172】[感光体の製造例G]製造例Aの感光体に
おいて、保護層を下記の処方に代えて感光体ドラムを作
製した。
【0173】即ち、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(平均粒径0.29μm,東芝シリコーン社製)1
質量部、下記ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ
分子量80000)6質量部、
【0174】
【化38】
【0175】下記ポリジメチルシロキサンメタクリレー
ト−メチルメタクリレートブロック共重合体(分子量5
0000、Si量12質量%)0.1質量部
【0176】
【化39】
【0177】モノクロロベンゼン120質量部及びジク
ロロメタン80質量部をサンドミルにて分散混合した。
これに、下記トリフェニルアミン3質量部
【0178】
【化40】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、3μmの保護層を設け感光体ドラムとし
た。
【0179】<Si/C比 XPS測定> 前記感光体表面を剥離した後、VG社製ESCALAB
200−X型 X線光電子分光装置にて表面元素の定着
を行った。X線源としてMg Kα(300W)を用
い、2×3mmの領域について数Åの深さで測定した。
製造例Gの感光体表面は、Si原子10.2%,C原子
69.3%であり、Si/C比は0.147であった。
【0180】[感光体の製造例H]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Gと同じも
のを用意した。
【0181】次に、下記トリフェニルアミン10質量
部、
【0182】
【化41】
【0183】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量20000)10質量部
【0184】
【化42】
【0185】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0186】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(平均粒径0.29μm,東芝シリコーン社製)3
質量部、下記ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ
分子量80000)4質量部、
【0187】
【化43】
【0188】下記ポリジメチルシロキサンメタクリレー
ト−スチレンブロック共重合体(分子量60000、S
i量14質量%)0.3質量部
【0189】
【化44】
【0190】これに、下記トリフェニルアミン2.5質
量部
【0191】
【化45】 を加え混合溶解し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、3μmの保護層を設け製造例Hの感光体ド
ラムとした。
【0192】この感光体はSi原子15.1%,C原子
70.3%で、Si/Cは0.215であった。
【0193】[感光体の製造例I]アルミシリンダー、
導電層、下引き層、電荷発生層までは製造例Gと同じも
のを用意した。
【0194】次に、下記トリフェニルアミン10質量
部、
【0195】
【化46】
【0196】下記構造のポリカーボネート樹脂(ビスフ
ェノールZ型、分子量25000)10質量部
【0197】
【化47】
【0198】モノクロロベンゼン50質量部及びジクロ
ロメタン15質量部を撹拌混合した後、前記電荷発生層
上に浸漬塗布した。前記塗布済シリンダーを熱風乾燥
後、20μmの電荷輸送層とした。
【0199】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(平均粒径0.29μm,東芝シリコーン社製)
0.5質量部、下記ポリカーボネート樹脂(ビスフェノ
ールZ分子量80000)4質量部、
【0200】
【化48】
【0201】下記トリフェニルアミン2.5質量部
【0202】
【化49】 を加え分散混合し、スプレー塗布により前記電荷輸送層
上に塗布し、3μmの保護層を設け製造例Iの感光体ド
ラムとした。
【0203】この感光体はSi原子0.53%,C原子
83.3%で、Si/Cは0.0064であった。
【0204】上記の感光体A〜Iに関し、感光体表面層
のF/C,F/O及びSi/C,Si/Oの値をそれぞ
れ表1と表2にまとめて示す。
【0205】
【表1】
【0206】
【表2】
【0207】実施例1〜5及び比較例1〜6 上述のトナーと感光体とを表3に示す組合わせで評価し
た。結果を表3に示すが、定着・オフセット試験は下記
の要領で行った。
【0208】市販の電子写真複写機NP−1215(キ
ヤノン社製)により未定着画像を得、上ローラーとして
テフロンコート、下ローラーとしてシリコンゴムを用い
た温度可変の熱ローラ外部定着機を用いて試験を行っ
た。ニップ4.5mm、線圧0.6Kg/cm、プロセ
ススピード90mm/secとして100〜230℃の
温度範囲で5℃おきに温調し行った。試験用転写紙に
は、64g/m2 再生紙を用いて評価した。定着性は、
定着画像を50g/m2 の荷重をかけlenz cle
aning paper“dasper”(Ozu P
apaer Co.Ltd)で擦り、擦り前後の濃度低
下率が10%未満になる温度を定着開始点とした。オフ
セットは、温度を上げ、目視でオフセットのでない最高
温度を高温オフセットフリー終点とした。
【0209】また、転写性、すなわち、本発明の電子写
真感光体(ドラム)及び比較例のドラムの本発明のトナ
ーに対する付着力の評価は下記の要領で行った。
【0210】耐久の促進試験である空回転を、周速20
0mm/secで180分回転させた。なお、このとき
現像器は、定着性評価時のものとした。
【0211】評価法としては、耐久前後におけるドラム
潜像上及び紙上のトナー量を測定し、その比から転写率
を算出した。また耐久前後、転写率の比より転写性維持
を算出した。
【0212】評価としては、耐久前後で90%以上の転
写維持率を維持したものについて○ 耐久前後で80〜90%に転写維持率が低下したものに
ついて△ 耐久前後で80%以下に転写維持率が低下したものにつ
いて× とした。
【0213】耐久初期については、トナー表面に外添し
た外添剤により高転写率を示すが、耐久後においては、
外添剤がトナー表面へ埋没しトナー母体のドラムへの付
着力が強調される。
【0214】
【表3】
【0215】
【発明の効果】以上のことから本発明により、定着性だ
けでなく、転写性及びクリーニング性に優れ、多数枚の
複写によっても画質劣化のない高画質画像を維持できる
画像形成方法及び画像形成用現像剤が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/08 321 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−34979(JP,A) 特開 平4−240657(JP,A) 特開 平4−240656(JP,A) 特開 平4−146442(JP,A) 特開 平3−45958(JP,A) 特開 平5−6031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/147 502 G03G 9/087 G03G 9/097

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性支持体、電荷発生層及
    び電荷輸送層から構成される積層構造を有する電子写真
    感光体を使用して潜像画像を形成し、該潜像画像を現像
    剤を用いて顕像化し転写材に転写形成する画像形成方法
    において、 a)該電子写真感光体として、その表面層にフッ素原子
    を有するフッ素系化合物及び/あるいは珪素原子を有す
    シリコン系化合物が存在し、かつその表面層のXPS
    測定によるフッ素原子又は珪素原子と炭素原子との比が
    下記条件 F/C0.03〜1.00 Si/C0.03〜1.00を満たす感光体であって、該感光体の表面層に、(i)
    該フッ素系化合物が存在している場合には、その表面層
    が、ポリカーボネート樹脂と、フッ素樹脂微粒子又はフ
    ッ化カーボン微粒子と、フッ素系セグメントが連続して
    存在するフッ素系グラフトポリマーとを有している感光
    体を用い、(ii)該シリコン系化合物が存在している
    場合には、その表面層が、ポリカーボネート樹脂と、三
    次元架橋シリコン系化合物微粒子と、ポリジメチルシロ
    キサンセグメントを含有するグラフトポリマー、ブロッ
    クポリマー又は界面活性剤とを有している感光体 を用
    い、 b)該現像剤におけるトナーとして、少なくとも着色
    樹脂及び軟化点が40〜130℃のワックス類を含
    有し、かつ該トナーを構成する樹脂成分のGPCによる
    分子量分布のピークの少なくとも一つが5000〜50
    000の範囲にあり、かつ該トナーを構成する樹脂成分
    中に少なくとも一種以上の極性成分を含有するトナーを
    用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記トナーが、水性懸濁重合法により直
    接的に得られることを特徴とする請求項1に記載の画像
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記トナーが、混練−粉砕−分級により
    製造されるトナーであることを特徴とする請求項1に記
    載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記電子写真感光体における表面層が、
    非対称性ジオールを用いて合成されるポリカーボネート
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成
    方法。
  5. 【請求項5】 前記電子写真感光体における表面層が、
    電荷輸送層上に形成 される保護層であることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも導電性支持体、電荷発生層及
    び電荷輸送層から構成される積層構造を有する電子写真
    感光体を使用して潜像画像を形成し、該潜像画像を現像
    剤を用いて顕像化し転写材に転写形成する画像形成方法
    であり、 該電子写真感光体として、その表面層にフッ素原子を有
    するフッ素系化合物及び/あるいは珪素原子を有するシ
    リコン系化合物が存在し、かつその表面層のXPS測定
    によるフッ素原子又は珪素原子と炭素原子との比が下記
    条件 F/C=0.03〜1.00 Si/C=0.03〜1.00 を満たす感光体であって、該感光体の表面層に、(i)
    該フッ素系化合物が存在している場合には、その表面層
    が、ポリカーボネート樹脂と、フッ素樹脂微粒子又はフ
    ッ化カーボン微粒子と、フッ素系セグメントが連続して
    存在するフッ素系グラフトポリマーとを有している感光
    体を用い、(ii)該シリコン系化合物が存在している
    場合には、その表面層が、ポリカーボネート樹脂と、三
    次元架橋シリコン系化合物微粒子と、ポリジメチルシロ
    キサンセグメントを含有するグラフトポリマー、ブロッ
    クポリマー又は界面活性剤とを有している感光体を用い
    る画像形成方法に用いられる画像形成用現像剤におい
    て、 該現像剤は、少なくとも着色剤、樹脂及び軟化点が40
    〜130℃のワックス類を含有するトナーを有し、かつ
    該トナーを構成する樹脂成分のGPCによる分子量分布
    のピークの少なくとも一つが5000〜50000の範
    囲にあり、かつ該トナーを構成する樹脂成分中に少なく
    とも一種以上の極性成分を含有することを特徴とする画
    像形成用現像剤。
  7. 【請求項7】 前記トナーが、水性懸濁重合法により直
    接的に得られることを特徴とする請求項6に記載の画像
    形成用現像剤。
  8. 【請求項8】 前記トナーが、混練−粉砕−分級により
    製造されるトナーであることを特徴とする請求項6に記
    載の画像形成用現像剤。
  9. 【請求項9】 前記電子写真感光体における表面層が、
    非対称性ジオールを用いて合成されるポリカーボネート
    を含有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成
    用現像剤。
  10. 【請求項10】 前記電子写真感光体における表面層
    が、電荷輸送層上に形成される保護層であることを特徴
    とする請求項6に記載の画像形成用現像剤。
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