JP3027933B2 - ステッピングモータの制御装置 - Google Patents

ステッピングモータの制御装置

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JP3027933B2
JP3027933B2 JP5060096A JP5060096A JP3027933B2 JP 3027933 B2 JP3027933 B2 JP 3027933B2 JP 5060096 A JP5060096 A JP 5060096A JP 5060096 A JP5060096 A JP 5060096A JP 3027933 B2 JP3027933 B2 JP 3027933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星搭載用の
駆動機構におけるステッピングモータ(以下、省略して
モータということがある)の回転角を制御する装置にお
いて、回転角を目標値内に維持する際、目標値にあると
きは通電を休止して節電を図るとともに、外力により目
標値から外れた場合は直ちに復旧しつつ、かつ機械的な
信頼性を保つモータの制御装置に関し、特に、位置ずれ
復旧の際に派生し易い無用な振動を防止するものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、人工衛星搭載用の駆動機構に使用
するモータの制御を行う際には、限られた消費電力を節
約して効率よく回転動力に変換し、長期にわたり修理を
要しない高い信頼性を確保するとともに、予期せぬ外力
等により不都合な誤差が生じた場合は遠隔操作をしなく
ても自ら回復できることが重要であり、このためのモー
タの制御装置が種々提案されている。
【0003】図6は、特開昭62−229578号公報
に示す第1従来例の説明図である。図6に示すフロッピ
ディスクのヘッド送り制御装置は、磁気ヘッド駆動機構
に使用する1相励磁型のモータにステップパルス601
・・601を供給し、単相励磁であるA相の正側602
・・602のみにより回転角を決定して特定のトラック
TRnに位置決めする。スタンバイ状態603では通電
を休止して節電を行い、この回転角を1相励磁特有のず
れのないステータ・ロータ間のディテントトルクにより
維持する。この維持は、ロータとステータの励磁相が単
一なのでホールド電流により安定する位置関係と、ディ
テントトルクによるものが互いに一致するためであり、
公知の技術である。
【0004】この1相励磁型により、ディテントトルク
は位置決めから通電休止状態に移る際にずれを生じない
が、そのトルク自体は小さく不安定なため正逆いずれの
方向にも回転しうる特異点が回転角の交代位置に発生し
易く、その場合は回転軸に働く僅かな外力で容易にずれ
てしまう。この特異点は、回転と反対方向の角運動量を
常にロータに与えて回避できるが、それでは通電休止の
節電効果がなくなる。また、1相励磁型は、駆動トルク
が小さいため人工衛星等の重量物を搭載する動力として
は不十分である。したがって、電源を含む制御装置を効
率化し小型化するには、どうしても比較的に駆動トルク
が大きい2相励磁型が必要になる。
【0005】図7は、特開平3−251071号公報の
第2従来例を説明する図である。図7に示すモータ70
1は、カメラの自動焦点や自動絞り機構に使用され、撮
影の瞬間にモータ701の通電を休止してフラッシュ用
電力を補充する。このモータ701は2相励磁型であ
り、回転軸702と軸受け703,703が接触する摺
動面の長さlと直径dを大きな値に形成して制動力とす
る。具体的には、回転軸702に一定の摩擦を与えるス
リップブラシや、可変制動力を発生するクラッチブレー
キを使用し、回転角を目標値に位置決めして通電を休止
し、摺動面を制御して所望の静止摩擦トルクを得る。
【0006】また、この大きな摺動面は、モータ701
に外付けでも内蔵であっても特殊な機構的改造を要する
ばかりか、この摺動面で静止摩擦トルクTf、ホールデ
ィングトルクThおよびディテントトルクTdの間に、
常にTh>Tf>Tdの関係が必要であるため、現実に
は接触面の摩擦が様々な要因で変動し管理が容易でない
ため、この軸受け703を精密加工する製造コストを上
昇させる。ホールディングトルクThは、ステップパル
スより小さなホールド電流をモータ701に加え回転角
を目標値に保持するものである。つまり、通電休止によ
るホールド電流の節電は撮影時の一瞬に過ぎず、むしろ
駆動時には、摺動面に僅かでも生ずる負荷トルクに消費
電力を必要とする結果、制動力の消費分も合わせると全
体的な節電効果はない。
【0007】さらに、これらの機構的な制動装置は、作
動により各部品を磨耗させ、特に摺動面による制動部品
を有するため、制御装置全体の機械的な信頼性を低下さ
せる。本来、この摺動面による位置決めは、自動焦点や
自動絞り機構に必要な微動制御のためであり、モータ7
01の1ステップ以内を機械的制動力によりさらに細か
く制御するが、1ステップの中間で前後1/2ステップ
の変位を当然に許容する一般のモータ制御では、ここま
で細かい制御を全く必要としない。
【0008】第3従来例は、実開昭61−203454
号公報に示すフロッピディスクの制御機構であり、モー
タの回転角を目標値に位置決めし、スタンバイ状態にお
いてモータの通電を休止しつつ回転角を維持するための
制動機構である。モータの回転軸と磁気ヘッドの移動軸
をラック機構で連結し、通電休止中はスプリングの復帰
力でラック機構に生ずる静止摩擦トルクを制動力として
ディテントトルクを相殺し位置ずれの発生を防止する。
この制動機構は、構造が簡素な点で作り易いが、静止摩
擦トルクは不安定微弱であって重量物に生ずる大きな外
力にはとても対抗できないばかりか、回転再開時にこの
静止摩擦トルク分が駆動力から削減され無駄が生ずる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】結局、従来の制御装置
を使用して目標値を安定に維持しつつ節電しようとして
も、次の問題点があった。第1に、人工衛星の姿勢制御
には長期間のスタンバイ状態が存在し、スタンバイ状態
でも電流供給を継続したり何らかのホールド電流を加え
たりするのでは消費電流を節減できない。第2に、摺動
面を有する制動機構により回転軸を固定するのでは、機
械的な部品の磨耗により制御装置自体の信頼性を低下さ
せる。第3に、通電休止を行ってもその期間が一瞬であ
ったり、また通電休止中に制動機構に給電するのでは装
置全体の実効的な消費電力を増大させる。第4に、1相
励磁型のモータでは発生トルク自体が小さなものしか得
られないため、より強力で安定したものが得られる2相
励磁型のモータが当然に必要となる。
【0010】本発明は、上記の問題点にかんがみてなさ
れたものであり、人工衛星搭載用の駆動機構におけるモ
ータの回転角を制御し目標値内に維持する際、目標値に
あるときは通電を休止して節電を図るとともに、外力に
より目標値から外れた場合は直ちに復旧しつつ、かつ機
械的な信頼性を保つモータの制御装置において、位置ず
れ復旧の際に派生し易い無用な振動を防止するモータの
制御装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明のモータの制御装置は、ステッピングモータ
と、その回転軸を介して連結された可動部と、このステ
ッピングモータを駆動する駆動回路と、可動部の現在位
置を検出する位置検出回路と、この現在位置が所定の固
定範囲内にあるか否かを判定する固定範囲判定回路と、
この固定範囲外にあるときはステップパルスの送出を行
い、固定範囲内にあるときは送出を停止するステップ送
出停止回路と、目標値とする回転方向を判定する目標方
向判定回路を備え、人工衛星搭載用の駆動機構における
ステッピングモータの回転角を制御し目標値内に維持す
る際、目標値にあるときは通電を休止するとともに、外
力により目標値から外れた場合は直ちに復旧させるステ
ッピングモータの制御装置において、前記可動部の現在
位置が可変範囲にあるか否かを検出し、かつ、検出され
た前記可動部の現在位置が、可変範囲外にあるときは該
可変範囲として第1選択範囲を選択し、可変範囲内にあ
るときは該可変範囲として第2選択範囲を選択する可変
範囲判定切替回路と、前記可動部の現在位置が前記可変
範囲における第1又は第2選択範囲内にある場合は、
テッピングモータへの電流供給の停止を駆動回路に指示
する電流供給停止指示回路を設けて構成する。
【0012】このモータの制御装置によれば、検出され
た可動部の現在位置が所定の可変範囲内にあるか否か可
変範囲判定回路により判定され、この可変範囲内にある
場合はモータへの電流供給の停止が電流供給停止指示回
路により駆動回路に指示される。 また、この制御装置に
よれば、検出すべき可変範囲として第1選択範囲または
第2選択範囲のいずれか一つが選択範囲設定切替回路に
より選択され切り替えられる。
【0013】請求項記載の制御装置では、前記第1選
択範囲は、第2選択範囲より狭いものであり、第1およ
び第2選択範囲はともに固定範囲内に含まれる構成とし
てある。この制御装置によれば、前記第1選択範囲が第
2選択範囲より狭いものとされ、第1および第2選択範
囲がともに固定範囲内に含まれている。
【0014】請求項記載の制御装置では、前記現在位
置が、可動部が直線移動する位置または回転する角度と
なっている。この制御装置によれば、前記現在位置が可
動部の直線移動する位置または回転する角度とされる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明による実施形態の
構成を説明する図である。図1に示す実施形態の制御装
置は、モータ1と、その回転軸に対し直接に、またはギ
ヤー等の伝達機構を介して間接に連結された可動部2
と、モータ1を駆動する駆動回路3と、モータ1の回転
により変化する可動部2の位置または角度を検出するた
めの位置検出回路4と、検出された可動部2の位置また
は角度が所定の固定範囲A内にあるか否かを判定するた
めの固定範囲A判定回路5と、この固定範囲A外にある
場合は駆動回路3にステップパルスを送出し固定範囲A
内で停止するステップ送出停止指示回路6を有してい
る。
【0016】さらに、このモータの制御装置は、検出さ
れた可動部2の位置または角度が所定の可変範囲B内に
あるか否かを判定するための可変範囲B判定回路7と、
この可変範囲B判定回路7で判定すべき可変範囲Bを第
1選択範囲B’または第2選択範囲B”に切り替えるた
めの選択範囲設定切替回路8と、駆動回路3にモータ1
への電流供給の停止を指示する電流供給停止指示回路9
と、目標値とする回転方向を判定する目標方向判定回路
10を有している。
【0017】一般的に、駆動回路3は、モータ1の各励
磁コイルに電力を供給するためのパワートランジスタ回
路と、その電力の供給シーケンスを形成するための回路
からなり、また、位置検出回路4は、位置検出用のセン
サーとセンサーの出力を所定の電気信号に変換する回路
からなり、代表的な例としては、オプティカルデコーダ
やレゾルバ等のセンサーからバイナリー形式でディジタ
ルの角度信号を形成する方法がよく使われる。
【0018】固定範囲A判定回路5は、固定範囲Aの上
限と下限を2個のコンパレータにより設定し、例えば2
つの出力の論理積によりこれらの中間にあることを判定
する方法等が採られる。この固定範囲Aは、目標値Xを
中心として下記の式1により設定される。 X−a≦A≦X+a ・・・ 式1 ただし、aは可動部2の第1変化量であり、回転軸での
ステップ幅に対応させれば1/2ステップ相当分より大
きく1ステップ相当分より小さくなる。
【0019】仮に、使用されるモータ1が1ステップ回
転する毎に可動部2が0.1deg 分だけ変化するもので
あり、また、可動部2の目標値Xが90deg である場合
は、aの範囲が下記の式2により求まる。 0.1×1/2=0.05deg <a<0.1deg ・・・式2 従って、変化量aが0.083deg とすれば、固定範囲
Aは下記の式3により求まり89.917deg 〜90.
083deg の範囲となるように具体的な数値として選択
できることがわかる。 90deg −0.083deg <A<90deg +0.083deg ・・・式3
【0020】ステップ送出停止指示回路6は、固定範囲
A判定回路5により可動部2が固定範囲A内にあること
を判定した場合に、駆動回路3に指示しモータ1の各励
磁コイルに流す電流方向の組合せを変えさせず、各励磁
コイルへの電力供給を継続したまま、回転角を進ませる
ことも戻すこともせずにそのままのステップを維持させ
る。一般的には、前記の電力供給シーケンスを形成する
回路に正または負のステップパルスを入力してステップ
を進めまたは戻すため、このステップパルスの入力を停
止すればよいことになる。
【0021】また、固定範囲Aの中に可変範囲Bを設
け、この可変範囲Bにいるときにはモータ1への電力供
給を停止するのであるが、このときにもステップは動か
ないようにしておく。
【0022】可変範囲B判定回路7は、固定範囲A判定
回路5と同様に2個のコンパレータ出力の論理積により
可変範囲B内にあることを判定する方法等を採る。選択
範囲設定切替回路8は、例えば、可変範囲B判定回路7
の各コンパレータに設定された可変範囲Bを示す比較信
号入力端にスイッチを設け、この可変範囲Bを第1選択
範囲B’または第2選択範囲B”に選択的に切り替えら
れるようにしておく。その際、第1選択範囲B’は、可
変範囲B判定回路7の判定出力すなわち可動部2が可変
範囲B外にある場合に選択され、第2選択範囲B”より
狭いものである。また、第2選択範囲B”は、可動部2
が可変範囲B内にある場合に選択される。
【0023】あるいは、より簡潔な回路構成として、可
変範囲B判定回路7の出力自体に可変範囲Bの内側また
は外側に応じて第1選択範囲B’と第2選択範囲B”の
2つの信号値を選択して出力する機能を内蔵する方法が
ある。すなわち、可動部2が可変範囲B外にある場合に
出力信号が第1選択範囲B’を選択し、可変範囲B内に
ある場合は第2選択範囲B”を選択するようにして、こ
の出力信号を可変範囲Bを示す比較信号入力の代わりに
使用すれば、外付けとしての選択範囲設定切替回路8を
省略しても同様の作用を得られる。
【0024】いずれにしても、ここで、第1選択範囲
B’と第2選択範囲B”を次の手順により決定する。第
1選択範囲B’は、目標値Xを中心として下記の式4に
より求められる値となり、第2選択範囲B”は、同様に
式5による値となる。 X−b’≦B’≦X+b’ ・・・ 式4 X−b”≦B”≦X+b” ・・・ 式5 ただし、b’は可動部2の第2変化量であり、第1変化
量aと同様に0ステップ相当分より大きく1/2ステッ
プ相当分より小さな値とし、b”は第3変化量であり、
やはり同様に1/2ステップ相当分より大きく第1変化
量aより小さな値とする。
【0025】例えば、前記の例によれば、第2変化量
b’は下記の式6の範囲となる。 0<b’<0.1deg ×1/2=0.05deg ・・・ 式6 そこで、第2変化量b’=0.01deg とすれば、第1
選択範囲B’は次の式7により求まる。 90deg −0.01deg ≦B’≦90deg +0.01deg ・・・ 式7 すなわち、89・99deg 〜90・01deg として決定
できる。また、同様に第3変化量b”は次の式8によ
り、第2選択範囲B”は次の式9により求まる。 0.1deg ×1/2=0.05deg <b”<a=0.083deg ・・式8 90deg −0.067deg ≦B”≦90deg +0.067deg ・・・式9 すなわち、b”=0.067deg とすれば89・933
deg 〜90・067deg として決定できる。
【0026】電流供給停止指示回路9は、可変範囲B判
定回路7において可動部2が可変範囲B内にあることを
判定した場合に、駆動回路3に指示してモータ1の各励
磁コイルに流す電流を遮断させる。ただし、前記したよ
うに可変範囲Bは固定範囲Aの内側に設定され、固定範
囲Aでは既にモータのステップがそのまま維持されてい
るので、可変範囲Bでも各励磁コイルにおける電流方向
の組合せを崩さないためシーケンス回路をクリアしては
ならない。
【0027】具体的には、モータ1を駆動するための駆
動用電源を回路電源とは別系統として設ければ、この駆
動電源を遮断してもよいが、一般的には、モータの各励
磁コイルに電力を供給するパワートランジスタ回路があ
るので、このパワートランジスタ回路がオフになるよう
にしておけばよい。目標方向判定回路10は、可動部2
が目標値に対して正/負いずれの方向にずれているかを
判定し、駆動回路3に指示してモータ1をずれと反対方
向に回転させ目標値に到達させる回路である。従って、
この制御装置が必ず一定方向にモータ1を回転させるも
のであれば、目標方向判定回路10は必ずしも必要なも
のではない。
【0028】次に、この実施形態における作用について
述べる。図2は、図1における可動部の目標値付近での
固定範囲Aおよび可変範囲Bとモータのステップの関係
を説明する図であり、図2(a)は可動部が可変範囲B
外にある場合を示し、図2(b)は可変範囲B内にある
場合を示し、図2(c)は各ステップとディテントトル
クの安定位置との関係を示す。図2(a)に示す固定範
囲Aには常に一定の値を設定するが、可変範囲Bは可動
部が可変範囲B外にある場合に狭い第1選択範囲B’が
選択され、可変範囲B内にある場合に広い第2選択範囲
B”が選択される。
【0029】目標値Xは、ステップパルス送出停止後に
生ずるホールディングトルクにより可動部2が安定する
位置に設定してある。すなわち、モータ固有の特性に基
づく飛び飛びの位置を採ることになる。第1および第2
選択範囲B’,B”は、前記の式4,5等により下記の
式10に示す関係の範囲にある。 X⊂B’⊂[1/2ステップ相当範囲]⊂B”⊂A[1ステップ相当範囲] ・・・ 式10 その際、ディテントトルクにより可動部2が安定する位
置は、従来周知の2相励磁型モータにおける駆動時のロ
ータとステータの相対的な位置関係から理解できるよう
に、下記の式11に示すそれぞれの位置となる。 1/2ステップ×n(ただし、nは整数である) ・・・ 式11
【0030】図3は、図1における可動部を目標値に安
定させる過程を説明する図である。図3(a)は可動部
を目標値に移動する状態を示し、図3(b)は目標値に
到達した状態を、図3(c)は可変範囲Bを広げた状態
を、図3(d)は可動部が可変範囲B外にずれた状態
を、図3(e)はずれを修正する状態を、図3(f)は
各ステップとディテントトルクの安定位置を、それぞれ
ディテントトルクによる安定位置との相互関係において
示す。
【0031】図3(a)では、現在の停止位置(実線
X)から可動部2を1ステップだけ進ませ、従って可動
部2の安定位置は図面上の左方向に移動し次の停止位置
(破線X)である目標値Xに安定する遷移状態を示して
いる。なお、可動部2を1ステップ進ませる前の停止位
置(実線X)は、固定範囲A外にあるため目標値(破線
X)の近傍には狭い可変範囲Bである第1選択範囲B’
が予め選択され設定してある。
【0032】以上の初期状態において、現在の停止位置
(破線X)から図3(f)に示す+1のステップ位置ま
では、直前のステップにおける作用の範囲であり通常の
モータの作動に過ぎないため説明を省略する。先ず、駆
動回路3内のシーケンス回路が1ステップパルスに相当
する新たな電流シーケンスの組合せを形成すると、0の
ステップ位置方向への移動トルクが発生して可動部2を
もう1ステップだけ進ませ、+1のステップ位置から固
定範囲A内に入りさらに0のステップ位置に向けて移動
する。
【0033】図3(b)に示す固定範囲A内では、先の
電流シーケンスの組合せが保たれるため0のステップ位
置方向へのホールディングトルクが発生し、可動部2は
行き過ぎることも戻ることもなく0のステップ位置であ
る目標値Xに安定する。目標値Xの近傍には前記の第1
選択範囲B’が設定してあるため、可動部2は必然的に
第1選択範囲B’内に入ることになる。これを契機とし
てモータ1への電流の供給を停止するため前記のホール
ディングトルクが消滅し、従来例における2相励磁に特
有のディテントトルクが働くことになる。
【0034】従って、可動部2は目標値Xから前後に1
/2ステップ離れた位置Y又は位置Zのいずれかに安定
していく。その際、可動部2が第1選択範囲B’外に出
るとモータ1への電流供給が再開されホールディングト
ルクが発生し、再び目標値Xに移動して安定する。仮
に、可変範囲Bを第1選択範囲B’に設定したままにす
ると、モータ1への電流供給の停止と再開が繰り返され
るため、可動部2は振動状態となってしまう。そこで、
可変範囲Bを変更するのである。
【0035】図3(c)に示す第2選択範囲B”は、第
1選択範囲B’より広い可変範囲Bであり、可動部2が
第1選択範囲B’に入ることにより選択され、前記の電
流供給の停止とともに新たな可変範囲Bとして設定され
る。従って、例えば、可動部2の現在の停止位置(破線
X)が、ディテントトルクによる第1ずれ位置ΔX1
(位置Y)に安定する場合であっても、可変範囲B外に
出ることはないためモータ1の電流供給は再開されず、
駆動制御における節電の目的が達成されるとともに、こ
の位置Yに安定して留まることができるため従来のよう
に振動を生ずることもない。
【0036】なお、第1ずれ位置ΔX1が、位置Yであ
るか位置Zであるかは、従来周知の2相励磁型モータと
同様電流供給を停止する際の各ステータ小突極と各ロー
タ小突極の位置関係、およびモータの回転軸がロータに
及ぼす機械的トルクの作用方向やイナーシャ等に基づい
て決定され、必ずしも一律のものではない。また、この
ずれは次の駆動トルクの作用により自然に解消されうる
位置ずれである。
【0037】いずれにしてもディテントトルクの作用に
よる位置Y〜位置Zの位置ずれ範囲、すなわち0のステ
ップ位置を中心としてずれる+1/2〜−1/2ステッ
プの範囲が十分に第2選択範囲B”に含まれていれば、
可動部2が位置Yの代わりに位置Zにずれる場合であっ
てももちろん安定に留まることができる。
【0038】図3(d)に示す第2ずれ位置ΔX2は、
電流供給の停止中に回転軸に何らかの外力が加わる等の
原因でさらに発生しうる可動部2の物理的な位置ずれで
あり、予定された+1/2〜−1/2ステップの範囲を
外れるものであって、第2選択範囲B”外に出るため、
当然、修正されなければならない。そこで、第2選択範
囲B”外に出ることによりモータへの電流供給を再開す
るとともに、第1選択範囲B”を選択してこれを可変範
囲Bとし、設定の変更を行って可変範囲Bを再び狭くす
る。
【0039】電流供給の再開により再びホールディング
トルクが発生するため、図3(e)に示す第2ずれ位置
(破線ΔX2)から可動部2が復帰して目標値Xに安定
し、必然的に第1選択範囲B’内に入り図3(b)に示
す状態に修正され、以下、図3(b)〜図3(e)の各
状態を繰り返しうる。また、これら電流供給の再開と設
定変更は、第2位置ずれΔX2が第2選択範囲B”から
固定範囲Aに戻った直後に行う。仮に、加わる外力が大
き過ぎて固定範囲A外に出てしまった場合は、図3
(a)の初期状態における通常の駆動トルクの作用によ
り再び0のステップ位置への移動を指示し、再び図3
(b)の状態に移行させればよい。以上、全ての作用は
自動的に遂行されるため、この間に何ら人間が操作を必
要とする場合は存在しない。
【0040】図4は、本発明の固定範囲Aと第1選択範
囲B’のみを設定した構成での効果を説明する図であ
り、図4(a)は可動部が目標値から外れる距離を測定
してペンレコーダの記録により示し、図4(b)はモー
タの消費電流を同様に示す。図4(a)に示す縦軸は可
動部2が目標値Xから外れる距離Dが増加する方向であ
り、図4(b)に示す縦軸は消費電流Iが零から増加す
る方向であって、両図の横軸は互いに同一の時間が経過
する方向である。また、縦軸と横軸の交点は、図4
(a)では測定の開始時において可動部2が目標値Xに
あることを示し、図4(b)では同時刻に消費電流がな
いことを示している。
【0041】図4(a)および図4(b)により、この
構成では、可動部2が目標値Xに向けて移動すると(時
間経過T1)、第1選択範囲B’内に入る(時間経過T
2)ことによりモータ1への電流供給が停止される。1
相励磁型であれば停止位置が維持されるため、これで十
分であるが、2相励磁型では直ちにディテントトルクに
よる位置ずれが生じて電流供給が再開され、固定範囲A
と第1選択範囲B’の境界を挟んで電流供給の停止と再
開が繰り返されるため振動状態となっていることが分か
る。
【0042】図5は、図4の構成に加え第2選択範囲
B”をも設定する構成の効果を同様に説明する図であ
り、図5(a)および図5(b)に示す各縦軸と各横軸
は図4と同様の意味である。図5(a)および図5
(b)により、この構成では、可動部2が目標値Xに向
けて移動し(時間経過T1)第1選択範囲B’内に入り
(時間経過T2)モータ1への電流供給が停止され、デ
ィテントトルクによる位置ずれが生じても電流供給が再
開されず、また、その位置が維持され無用な振動状態も
発生していないことが明らかに分かる。
【0043】なお、本発明は前述の実施形態にのみ限定
されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上、本発明のステッピングモータの制
御装置には次の効果がある。第1に、人工衛星の姿勢制
御に不可避な長期間のスタンバイ状態では、モータへの
電流供給を停止するため消費電流を節減できる。第2
に、回転軸を固定するための摺動面を有する制動機構等
がなく、機械的な部品の磨耗による制御装置自体の信頼
性低下を抑制できる。第3に、長期間の通電休止中に制
動機構に給電することもないため、装置全体の実効的な
消費電力も抑制できる。第4に、2相励磁型のモータを
使用するため、1相励磁型のモータより強力で安定した
発生トルクが得られる。
【0045】ひいては、人工衛星搭載用の駆動機構にお
けるモータの回転角を制御し目標値内に維持する際、目
標値にあるときは通電を停止して節電を図るとともに、
外力により目標値から外れた場合は直ちに復旧しつつ、
かつ機械的な信頼性を保つモータの制御装置において、
位置ずれ復旧の際に派生し易い無用な振動を防止するモ
ータの制御装置を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の構成を説明する図であ
る。
【図2】図1における可動部の目標値付近での固定範囲
Aおよび可変範囲Bとモータのステップの関係を説明す
る図である。
【図3】図1における可動部を目標値に安定させる過程
を説明する図である。
【図4】図1における固定範囲Aと第1選択範囲B’の
みを設定した構成の効果を説明する図である。
【図5】図4における構成に加え第2選択範囲B”をも
設定した構成の効果を同様に説明する図である。
【図6】特開昭62−229578号公報に示す第1従
来例の説明図である。
【図7】特開平3−251071号公報の第2従来例を
説明する図である。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ(モータ) 2 可動部 3 駆動回路 4 位置検出回路 5 固定範囲A判定回路 6 ステップ送出停止指示回路 7 可変範囲B判定回路 8 選択範囲設定切替回路 9 電流供給停止指示回路 10 目標方向判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 8/00 H02P 8/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータと、その回転軸を介
    して連結された可動部と、このステッピングモータを駆
    動する駆動回路と、可動部の現在位置を検出する位置検
    出回路と、この現在位置が所定の固定範囲内にあるか否
    かを判定する固定範囲判定回路と、この固定範囲外にあ
    るときはステップパルスの送出を行い、固定範囲内にあ
    るときは送出を停止するステップ送出停止回路と、目標
    値とする回転方向を判定する目標方向判定回路を備え、
    人工衛星搭載用の駆動機構におけるステッピングモータ
    の回転角を制御し目標値内に維持する際、目標値にある
    ときは通電を休止するとともに、外力により目標値から
    外れた場合は直ちに復旧させるステッピングモータの制
    御装置において、前記可動部の現在位置が可変範囲にあるか否かを検出
    し、かつ、検出された前記可動部の現在位置が、可変範
    囲外にあるときは該可変範囲として第1選択範囲を選択
    し、可変範囲内にあるときは該可変範囲として第2選択
    範囲を選択する可変範囲判定切替回路と、 前記可動部の現在位置が前記可変範囲における第1又は
    第2選択範囲内にある場合は、 ステッピングモータへの
    電流供給の停止を駆動回路に指示する電流供給停止指示
    回路を設けることを特徴とするステッピングモータの制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1選択範囲は、第2選択範囲より
    狭いものであり、第1および第2選択範囲はともに固定
    範囲内に含まれる請求項1記載のステッピングモータの
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記現在位置は、可動部が直線移動する
    位置または回転する角度である請求項1又は2記載のス
    テッピングモータの制御装置。
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