JP3027849B2 - 印字装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はホストコンピュータ等の上位装置から受信し
たデータを一時的に未処理のまま蓄えておくことが可能
な受信バッファ記憶手段を有する印字装置に関する。

（従来の技術） 従来の印字装置において、データの受信速度に対し
て、その受信したデータを処理し、印字し終わるまでの
速度が遅かったため、ホストコンピュータが印字装置の
データ処理完了を待って次のデータを送出したい場合、
先に送ったデータが処理され、文字、図形が打ち出され
るまで（本明細書では文字、図形の打ち出しを単に印字
と記す）待っていざるを得ず、その間にホストコンピュ
ータを使用することができなかった。

この問題点を解決するために、印字装置では受信デー
タを処理せずに先取し、データを一時的に蓄えておく受
信バッファ記憶手段を備えて、ホストコンピュータのデ
ータ処理待ちに要する時間を短縮する方法がとられてい
る。

この方法では、印字装置はホストコンピュータから送
られたデータは一旦受信バッファ記憶手段に蓄えられた
後、それ以前に受信した印字データに対する印字が終了
したとき、印字バッファ記憶手段に空きが出来次第、受
信バッファ記憶手段からデータが取り出されて、処理の
うえ印字バッファ記憶手段に展開されていた。

上記の処理からも判るように、ホストコンピュータか
ら受信したデータは印字装置の実際の処理速度に関わり
なく、次々とホストコンピュータからデータを受信する
ことができ、受信バッファ記憶手段の記憶容量が大きい
ときは、ホストコンピュータはデータ転送に要する時間
経過すれば次の処理に移行することが出来る。

（発明が解決しようとする課題） しかし上記した従来技術によるときは、受信バッファ
記憶手段への書き込み制御および読み出し制御のための
処理分だけ印字装置制御用のマイクロコンピュータが行
なうべき処理内容が増加することになる。印字手段にお
けるデータの印字速度が早くなつたとき、また１行のデ
ータを構成するために受信するべきデータ数が増加した
ときには、印字装置制御用のマイクロコンピュータにお
ける処理時間は、印字のための処理時間よりもデータ受
信のための時間の方に多く費やされることになって、印
字装置の実質的な処理能力の低下を招くという問題点が
有った。

これを具体的に示せば、従来技術による処理方法で
は、文字データを受信し、これを印字パターンに展開し
て印字する場合には、受信バッファ記憶手段の制御に要
する時間は最大文字数（たとえば80〜136）分だけでよ
かったものが、イメージデータを受信する場合には最大
文字数に要する時間の数十倍の処理時間を受信バッファ
記憶手段の制御に割かねばならなくなる。受信バッファ
記憶手段制御のための処理時間は受信バッファ記憶手段
を持たない印字装置では存在しない処理時間であり、こ
こで割いた時間分だけ実質的に処理能力が低下する結果
となる。

この処理能力の低下を防ぐためには、より高速に処理
を行なうことができるマイクロコンピュータを使用する
必要があり、印字装置の高価格化につながるという問題
点が生ずる。

本発明は必要に応じて受信バッファ記憶手段を介さず
に受信データの処理を行なって受信バッファ記憶手段の
の制御に要する時間を無くすことによって、上記の問題
点を解消した印字装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明の印字装置は第１図に示すごとく、上位装置11
から送られた受信データを一時的に記憶する受信バッフ
ァ記憶手段12と、受信バッファ記憶手段12内に記憶のデ
ータを印字のために処理するデータ処理手段13と、デー
タ処理手段13により処理されたデータを印字する印字手
段14とを備えた印字装置において、上位装置11から送ら
れたデータを受け取ったときに、図示しない印字装置全
体を制御する中央処理装置において割り込み処理を行
い、上位装置11から受け取った受信データを、図示しな
い格納手段によって受信バッファ記憶手段12に格納す
る。一方、受信バッファ記憶手段12内に格納された未処
理データの有無を検出手段15によって検出し、検出手段
15により、受信バッファ記憶手段12内に未処理データが
存在しないことが検出された場合に、割り込み処理を禁
止処理し、その割り込み禁止処理が実行された場合に、
上位装置11から送られたデータをデータ処理手段13で直
接処理するようにしたことを特徴とするものである。

（作用） 上記のように構成した本発明の印字装置において、受
信バッファ記憶手段12内に未処理の記憶データがないと
きは検出手段15によってその旨検出され、検出手段15か
らの検出出力をうけて選択手段16によって、上位装置11
から送られたデータは受信バッファ記憶手段12内に記憶
されず、選択手段16を介して直接データ処理手段13に導
かれてデータ処理され、処理されたデータは印字手段14
によって印字される。そこで、データ処理手段13が受信
バッファ記憶手段12に記憶の受信データの処理を終わっ
ているときは、上位装置11からの受信データは受信バッ
ファ記憶手段12を介さずにデータ処理手段13に供給され
て、データ処理がなされる。したがって受信バッファ記
憶手段12に記憶の未処理データが無くなったときは、印
字装置の印字速度を低下させていた受信バッファ記憶手
段12への受信データの書き込み、受信バッファ記憶手段
12からのデータの読み出しのための制御に要する時間は
無くなり実質的に印字速度が増加する。

（実施例） 以下、本発明を実施例により説明する。

第２図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。

本実施例の印字装置10は印字装置10を制御するマイク
ロコンピュータ１とマイクロコンピュータ１で制御され
て後記する印字バッファ記憶領域に展開されたデータを
印字する印字部５とを備えている。

マイクロコンピュータ１は、図示しない入力ポートお
よび出力ポートを備えた中央処理装置２、中央処理装置
２にバスラインで接続され、キャラクタジェネレータを
備え、かつ中央処理装置２を介して印字装置10を制御す
るプログラムを記憶させたROM3、中央処理装置２にバス
ラインで接続され、かつデータを一時的に記憶するRAM4
を備えている。

RAM4には受信データを一時的に記憶する受信バッファ
領域4₁と、印字のために展開されたデータを一時的に記
憶する印字バッファ領域4₂とを備えている。

上位装置であるホストコンピュータ20から送られてき
たデータはインタフェース５を介してマイクロコンピュ
ータ１に読み込み、マイクロコンピュータ１によりROM3
に記憶のプログラムに基づいて、本実施例の印字装置10
を制御する。すなわち、マイクロコンピュータ１はホス
トコンピュータ20から送られてきたデータを受信し、処
理して、データに対応する文字、図形を印字部５におい
て印字ヘッドを介して印字させる。

上記の如く構成された本実施例の印字装置の作用を第
３図（ａ）および（ｂ）のフローチャートによって説明
する。

ホストコンピュータ20からデータが送られてくるのを
待ち、データが送られてきたときは割込みルーチンに入
り（ステップS₁）、送られてきたデータは受取られ（ス
テップS₂）、受け取ったデータは受信バッファ領域4₁に
格納され（ステップS₃）、ついでリターンする。

印字データの要求が有ると（ステップS₄）、受信バッ
ファ領域4₁に未処理の記憶データがあるか否かがチェッ
クされる（ステップS₅）。ステップS₅において受信バッ
ファ領域4₁に未処理の記憶データが存在すると判別され
たときは。受信バッファ領域4₁に記憶されている未処理
の記憶データが受信バッファ領域4₁から読み出され（ス
テップS₆）、キャラクタジェネレータと協働して処理さ
れ、印字バッファ領域4₂に展開されて（ステップS₇）、
印字バッファ領域4₂に展開されたデータにともなう印字
が印字部５でなされる。

ステップS₅において受信バッファ領域4₁に未処理の記
憶データが存在しないと判別されたときはステップS₁の
割込みは禁止され（ステップS₈）、続いてホストコンピ
ュータ20からデータが送られてくるのを待ち（ステップ
S₉）、ホストコンピュータ20からデータが送られてきた
ときは、送られてきたデータが受取られ（ステップ
S₁₀）、処理され、印字バッファ領域4₂に展開されて
（ステップS₇）、印字バッファ領域4₂に展開されたデー
タにともなう印字が印字部５でなされる。

しかるに、ステップS₈からステップS₁₀、さらにステ
ップS₇が実行されるときは、ホストコンピュータ20から
送られてきたデータは受信バッファ領域4₁に一旦書き込
まれることはなく、直接受け取られて処理されるため、
ホストコンピュータ20から送られてきたデータを、受信
バッファ領域4₁に一旦書き込み、かつ読み出す必要は無
く、これらのための処理時間は無くなることになる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明の印字装置によれば、上位
装置から送られた受信データを一時的に記憶する受信バ
ッファ記憶手段と受信バッファ記憶手段内に記憶のデー
タを印字のために処理するデータ処理手段とデータ処理
手段により処理されたデータを印字する印字手段とを備
えた印字装置において、受信バッファ記憶手段内に記憶
の未処理データが存在しないことを検出したとき、上位
装置から送られたデータを受信バッファ記憶手段内に記
憶のデータに代ってデータ処理手段に導くようにしたた
め、印字のための処理が高速に行なわれているときに
は、印字処理速度を実質的に低下させていた受信バッフ
ァ記憶手段の制御が必要無くなり、かつ印字装置による
印字のための処理速度がデータの受信速度よりも遅いと
きには、上位装置からのデータは一時的に受信バッファ
記憶手段に蓄えておかれることになって、印字装置の実
質的な処理能力を増加させることができる。

また、コマンドが多くて上位装置からのデータの伝送
速度が実質的に低下したとき受信バッファ記憶手段の制
御に時間が掛ることになるが、この様な場合にも本発明
印字装置は効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示す機能ブロック図。 第２図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図。 第３図は本発明の一実施例の作用の説明に供するフロー
チャート。 11……上位装置、12……受信バッファ記憶手段、13……
データ処理手段、14……印字手段、15……検出手段、16
……選択手段。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上位装置から送られた受信データを一時的
   に記憶する受信バッファ記憶手段と、受信バッファ記憶
   手段内に記憶のデータを印字のために処理するデータ処
   理手段と、データ処理手段により処理されたデータを印
   字する印字手段とを備えた印字装置において、 当該印字装置全体を制御する中央処理装置と、 上位装置から送られたデータを受け取ったときに、前記
   中央処理装置において割り込み処理を行う割り込み手段
   と、 その割り込み手段により前記中央処理装置において割り
   込み処理が実行された場合に、前記上位装置から受け取
   った受信データを前記受信バッファ記憶手段に格納する
   格納手段と、 前記受信バッファ記憶手段内に格納された未処理データ
   の有無を検出する検出手段と、 その検出手段により、前記受信バッファ記憶手段内に未
   処理データが存在しないことが検出された場合に、前記
   割り込み処理を禁止する割り込み禁止手段と、 その割り込み禁止手段により前記割り込み処理が禁止さ
   れた場合に、上位装置から送られたデータを前記データ
   処理手段で直接処理する直接処理手段と、 を備えたことを特徴とする印字装置。