JP3027256U - パネル構造材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で防音性、耐火性に優れ、本材を
無駄なく有効に使用できるパネル構造材を提供する。 【解決手段】 両側に平行する一対の縦縁材２、２と、
複数の横桟３を通しボルト１０で枠状に組み立て、縦縁
材２と横桟３で囲まれた部分の内部に筋交い材４と、こ
の筋交い材４を挾む両面に背板６を並べて形成した表面
材５とを設け、両表面材５間で筋交い材４によって区切
られた部分に木粉等の保温材１３を充填すると共に、両
表面材５の内面に不燃材層を設けた構造になっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、本造建築の壁材や梁材、床材等として使用するパネル構造材、特 に存来の軸組工法とパネル壁併用工法に用いる構造材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

国産本材の有効利用を図り、木造建築のコスト低減を可能にすることができる パネル構造材を本考案者は、実開昭６０−１６８７２１号等によって提案した。 上記パネル構造材は、縦縁材、横桟、筋交い材等の構成材料の全てが角材で構 成されていると共に、各構成部材の衝合溝をホゾとホゾ溝の嵌合によって結合し ていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、図５の如く、国産の丸太Ａから角材Ｂを切り出すと、数枚の背板Ｃ が発生することになり、角材Ｂだけの構成では背板Ｃの有効利用が図れないこと になり、背板Ｃが無駄になる。 また、角材だけの組合せでは、保温性や耐火性に劣るという問題がある。 そこで、この考案の課題は、丸太から角材を切り出したときに生じる背板の有 効利用が図れると共に、保温性や耐火性に優れ、しかも製作の容易なパネル構造 物を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記のような課題を解決するため、請求項１の考案は、平行する一対の縦縁材 と両縦縁材間に配置する複数本の横桟を結合し、上記縦縁材と横桟で囲まれた部 分の対角線間に筋交い材をクロス状態で設け、前記縦縁材と横桟で囲まれた部分 の両面に、複数枚の背板を並べて形成した表面材を、両面で背板の長さ方向が交 差状の配置となるように取付け、両表面材の対角面間で筋交い材によって区切ら れた空間を保温材で埋めた構成を採用したものである。 請求項２の考案は、請求項１記載の考案において、表面材の内面側に不燃材層 を設けた構成を採用したものである。 請求項３の考案は、請求項１又は２記載の考案において、一対の縦縁材とその 間に配置した横桟及び筋交い材の端部を、横桟の長さ方向に設けた溝に納まる通 しボルトの締結によって結合した構成を採用したものである。 ここで、縦縁材と横桟は角材を用いて枠状に結合すると共に、筋交い材は上記 角材よりも厚みの薄い角材を用い、交差部分は互に設けた凹欠部を嵌め合わすこ とによって形成し、また、背板は、平坦面を外側に、弧状面を内側になるよう並 べて表面材を形成している。 また、保温材としては本粉を使用すると共に、不燃材層は、トタン等の金属板 のほか、アスベスト、セメント、石膏ボード等を使用することができる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図示例と共に説明する。 図１に示すように、パネル構造材１は、両側に平行配置する一対の縦縁材２、 ２と、両縦縁材２、２間に配置し、該縦縁材と枠状に結合する複数本の横桟３と 、両縦縁材２、２と横桟３で囲まれた部分に組込む、筋交い材４と、この筋交い 材４を挾んで両面に組込む表面材５との組合せによって構成され、縦縁材２、２ と横桟３は本製の角材を用いて形成され、筋交い材４にはこれよりも厚みの薄い 角材が用いられていると共に、表面材５は、丸太から角材を切り出したときに生 じた背板６が用いられている。 前記縦縁材２、２は、図２と図４に示すように、相対向する面に少し幅の狭い 突部７を一体又は別体のものを接着して設けると共に、外面の中央部に長さ方向 の凹溝８を形成した断面形状を有し、横桟３は縦縁材２と等しい幅の角材を用い 、両端が縦縁材２、２の凹部９に嵌合し、上下面の何れか一方又は両方設けた突 部３ａには、長さ方向に沿って通しボルト１０が納まる溝１１が設けられている 。 上記両縦縁材２、２と横桟３は、図３に示すように、溝１１内に納まって両端 が縦縁材２、２の横孔１８を貫通する通しボルト１０の締結によって枠状に結合 され、横桟３は、上下に一定の間隔で両縦縁材２、２間に配置されている。 前記筋交い材４は、突部７及び３ａと等しい幅を有する二本の角材を用い、両 縦縁材２、２と上下横桟３で囲まれた部分の対角線間を結ぶようにクロス状態で 設けられている。この筋交い材４は両端部が縦縁材２と横桟３のコーナに適合す る直角になっていると共に、通しボルト１０の挿通孔２１が設けられ、縦縁材２ 、２と横桟３及び筋交い材４がボルト１０で締結され、筋交い材４の交差する部 分は両角材に設けた凹欠部１２を嵌め合わすようになっている。なお、縦縁材２ 、２の突部７及び横桟３の突部３ａは、図１に示すように、筋交い材４の端部間 に納まるようになっている。 前記表面材５は、背板６を平坦面が同一面になるよう並べ、縦縁材２、２と横 桟３で形成された枠状空間内に納まる大きさに形成され、該表面材５は、筋交い 材４を挾む両面に、平坦面が外側になるよう配置されている。隣接する背板６の 端縁は、ホゾとホゾ溝を嵌合する構造になっている。 また、両面の表面材５は、図１の如く、背板６の長さ方向が直角に交差するよ うに配置される。図示の場合、表面材５は背板６の長さ方向を傾斜状としたが、 縦と横の組み合せにすることもできる。 なお、筋交い材４と表面材５の相互の固定及び縦縁材２と横桟３に対する固定 は、接着や釘止等の手段を用いて行えばよい。 前記表面材５の対向面間で筋交い材４によって区切られた空間には、図２の如 く、本粉等の保温材１３を充填すると共に、両表面材５の対向する内面には不燃 材層１４が設けられている。 この不燃材層１４は、トタン等の金属板を用いるほか、アスベスト、セメント 、石膏等を表面材５の円弧面が連続する部分に塗布することによって形成するこ とができる。 図２は、パネル構造材１相互及びパネル構造材１と柱１５の結合構造を示し、 隣接するパネル構造材１は、縦縁材２に設けた凹溝８にわたってヤトイザネ１６ を嵌挿することによって接続し、柱１５とパネル構造材１は、柱１５に設けた凹 溝１７と該構造材１の凹溝８にわたってヤトイザネ１６を嵌挿することによって 結合するようになっている。 この考案のパネル構造材は上記のような構成であり、このパネル構造材１は、 本造建築物の壁材や梁材、床材として使用するものであり、両縦縁材２、２と複 数本の横桟３を通しボルト１０で結合して枠状に組み立て、複数の枠状部分の内 部に筋交い材４をクロス状に設けて上記ボルト１０で締結したので、強度的に優 れたものとなると共に、表面材５間の空間に充填した保温材１３により、保温性 、防音性に優れたものとなる。 また、表面材５の内面に設けた不燃材層１４によってパネル構造物１の耐火性 、耐熱性を向上させることができ、表面材５は、背板６の平坦面を外側にしてい るので、パネル構造物１の両面は全体的に平坦面に仕上り、美しい壁面を構築す ることができる。

【０００６】

【考案の効果】

以上のように、この考案によると、木製の角材を用いて構成したパネル構造材 に表面材として背板を使用したので、角材の切り出し時に生じる背板の有効利用 が図れると共に、表面材間の空間に保温材を充填したので、保温性や防音性が優 れたものとなる。 また、表面材の内側に不燃材層を設けたので、耐火性に優れたものとなると共 に、縦縁材と横桟及び筋交い材を通しボルトで結合し、内部にクロス状の筋交い 材を設けたので、強度的に優れたパネル構造材となる。 更に、各構成部材の組み立てにホゾやホゾ溝の加工を少なくすることができ、 加工に要する手間を少なくしてコスト低減が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るパネル構造材の一部切欠正面図

【図２】同上の要部を拡大した横断平面図

【図３】縦縁材と横桟の結合構造を示す拡大縦断面図

【図４】パネル構造材の要部を示す分解斜視図

【図５】丸太から角材を切り出した場合の背板発生を示
す平面図

【符号の説明】

１ パネル構造材 ２ 縦縁材 ３ 横桟 ４ 筋交い材 ５ 表面材 ６ 背板 ７ 突部 ８ 凹溝 ９ 凹部 １０ 通しボルト １１ 溝 １２ 凹欠部 １３ 保温材 １４ 不燃材層 １５ 柱

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行する一対の縦縁材と両縦縁材間に配
   置する複数本の横桟を結合し、上記縦縁材と横桟で囲ま
   れた部分の対角線間に筋交い材をクロス状態で設け、前
   記縦縁材と横桟で囲まれた部分の両面に、複数枚の背板
   を並べて形成した表面材を、両面で背板の長さ方向が交
   差状の配置となるように取付け、両表面材の対角面間で
   筋交い材によって区切られた空間を保温材で埋めたパネ
   ル構造材。
2. 【請求項２】 表面材の内面側に不燃材層を設けた請求
   項１記載のパネル構造材。
3. 【請求項３】 一対の縦縁材とその間に配置した横桟及
   び筋交い材の端部を、横桟の長さ方向に設けた溝に納ま
   る通しボルトの締結によって結合した請求項１又は２記
   載のパネル構造材。