JP3026904B2 - 通電加熱による食品の製造方法およびその装置 - Google Patents
通電加熱による食品の製造方法およびその装置Info
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Description
いて、食品材料に通電作用を施し、加熱殺菌する食品の
製造方法およびその装置に関する。
利用した加熱方法が開示されているが、その加熱方法は
大気圧の下で実施されるものがほとんどである。ところ
が、特開平4−187063号公報には、絶縁性容器に
おいて、容器蓋に備えられた加減圧弁により任意に該容
器内の圧力を加圧状態あるいは減圧状態にすることがで
きる装置が開示されているが、これは該容器内を加圧又
は、減圧状態において、該容器内の電解質溶液に通電作
用を施し、被加熱物である密封包装体を間接的に通電作
用により、加熱するものであり、従って被加熱物は密封
包装体である故、その内部にまで、直接加圧、減圧状態
におくものではない。
る密封包装体内部の食品材料を加熱する際、電解質溶液
を加熱しなければならないので、電気エネルギーが無駄
になり迅速な加熱殺菌がしにくくなる。
まで冷却するのが困難である。
あたり、被加熱物である食品材料のみを直接、任意の圧
力下でしかも任意の不活性ガス雰囲気下で、通電作用を
施し、加熱殺菌終了後に圧力調整をすばやく行うことに
より該食品材料を、所定の品温まで低下させ、過加熱を
防止することによって、理想的なHTST(HighT
emperature Short Time)殺菌や
UHT(UrtraHigh Temperatur
e)殺菌を行う方法および装置を提供するものである。
め、密閉状態で通電加熱装置内の圧力を大気圧以上に調
整しつつ、食品容器内の食品材料に一対以上の電極によ
り通電作用を行う第1工程と、次に該装置内の圧力を大
気圧にまで低下させる第2工程とからなる。
耐圧性、耐熱性および電気絶縁性を有する物質、例えば
ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレ
ン(PP)の様なプラスチック材料あるいはポリイミ
ド、ポリアミド、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂、ポ
リサルホン、ポリエーテルエーテルケトンの様なエンジ
ニアリングプラスチックあるいはアクリル、ガラス等の
材料で作られる。
品容器に充填された食品材料を収容できる空間を有する
ものである。
を有する食品、即ち、カレーソース、ミートソース、ホ
ワイトソース、米飯類、ジャム、調味料などを使用する
ことができる。
圧力を大気圧以上に調整しつつ、該食品材料中に挿入し
た例えば一対の電極を対向位置に設け、通電作用を施し
て、該食品材料を加熱することができる。このとき、大
気圧以上に加圧するので、通電条件を調整すれば、該食
品材料を圧力に応じた100℃以上の沸点の適当な温度
にまで加熱することができるから、適当な時間通電すれ
ば、食品材料を滅菌まで行うことが可能である。通電後
は、該装置内の気体を、気体排出口を通して除去すれ
ば、速やかに大気圧にまで低下させることができ、それ
によって該食品材料の品温を約100℃にまで低下させ
ることができる。
該装置内の気体を発生する水蒸気とともに気体排出口を
通して除去すれば該装置内の圧力は大気圧未満にまで低
下し、該食品材料の品温を100℃未満に速やかに低下
させることができ、過加熱を防止できる。又炭酸ガスや
窒素などの不活性ガスを気体導入口より圧入して該装置
内の気体をこれらの不活性ガスで置換した状態で通電作
用により加熱すれば、その圧力に応じた沸点にまで加熱
することができるとともに、通常加熱の際に食品材料と
酸素が反応して生ずる褐変あるいは変色なども低減させ
ることができる。
の減圧した状態で通電作用による加熱を行えば100℃
未満の適当な沸点で実施できる。
気を気体排出口を通じて除去しながら通電を行えば、減
圧濃縮も行うことができる。
部と食品材料とが接する部分で過加熱が起こる。しか
し、通電加熱は被加熱物である食品材料の粘性によらず
均一に加熱できるから、濃縮することで粘性が増大する
ような食品材料でも撹拌せずに均一に濃縮できる。
容できる空間あるいは食品材料を充填した内熱性及び電
気絶縁性を有する食品容器8を収容できる空間を有して
いる。該蓋体の内側にはTi、Pt、Fe、ステンレス
等の金属あるいはこれらの合金で造られている一対の電
極板3、3が対向位置に取り付けられている。電極板
3、3は蓋体2と容器本体1が嵌着した際、容器本体1
に収容された食品材料に通電しやすい状態のものであれ
ば、形状は問わない。
通して外部に露出して導電端子7、7を形成し、図示し
ない電源供給装置と接続して容器本体内部の食品材料9
にまで通電できる。蓋体2のうち、導電端子7、7の周
囲及び電極板3、3の周囲以外の部分は耐圧強度を増す
ためステンレス、Al、Fe等の金属材料で構成されて
いるが、導電端子7、7の周囲及び電極板3、3の周囲
は容器本体1及び食品容器8と同様に耐熱性及び電気絶
縁性を有する材料で構成されているため、導電端子7、
7及び電極板3、3は該装置とは電気的に絶縁されてい
る。
に応じ、その材料および厚みを調整するが、十分な強度
があれば、蓋体および容器本体に各種のエンジニアリン
グプラスチックを使用することができる。又、ガラス繊
維や炭素繊維で強化されたポリエチレンテレフタレート
やポリエーテルエーテルケトン等で造られている場合
は、内圧に耐え得るほどの強靭でかつ耐熱性と電気絶縁
性を有するので最適である。更に、該装置の蓋体2には
外部と貫通した2つの通路が形成されており、一つは、
主に外部から圧搾空気や圧搾ガスを導入する気体導入口
4であり、他の一つは主に内部の空気や水蒸気等の気体
を排出する気体排出口5である。気体導入口4と気体排
出口5には、それぞれ開閉弁6、6が配備されている。
配管13にはエアーコンプレッサー14、窒素ガスボン
ベ15、装置内部の圧力を調節するための圧力調節弁1
6、導入側バルブ17、導入する気体中の塵や微生物を
取り除くためのエアーフィルター18が設けられてい
る。更に、気体排出口5に接続された気体排出用配管1
9には真空ポンプ20、排出側開閉バルブ21が設けら
れている。
合は、気体排出口側の開閉バルブを閉じ、蓋体2の両端
に設けられた加圧装置11、11により下方向に押圧し
つつ、気体導入口4から圧搾空気を圧入して内部の圧力
を大気圧以上にしつつ、通電作用により加熱を行えば食
品材料9は、その圧力に応じた沸点まで加熱することが
できる。
体2の内面の一部を分離して中蓋体2′を形成したもの
である。
開閉弁6,6を有し、これらの上端部は各々該蓋体2に
設けられている導電端子7、7、気体導入口4、気体排
出口5に嵌着して接合できるように位置している。この
ためまず、容器本体1に食品材料9を入れた食品容器8
が載置され、次に中蓋体2′が該食品容器8および容器
本体1に嵌着し、電極板3,3が食品材料9に挿入され
密閉状態が形成される。その後に、該蓋体2が、加圧装
置11、11により下方に移動して導電端子7、7と電
極板3、3および気体導入口4、気体排出口5と開閉弁
6、6に嵌着して接合し、食品容器内の空間は、完全に
密閉状態になる。
11により蓋体2が上方へ移動する際に蓋体2が中蓋体
2′より分離するため、依然として中蓋体2′と容器本
体1とが密閉状態のままである。このため、外気の微生
物で内部の食品材料9が汚染されることがなく、その後
の無菌包装を容易に行うことができる。
ューレを充填し実施例1又は2の装置内に収容する。
入口側の開閉バルブを閉じ、気体排出口側の開閉バルブ
を開け真空ポンプで装置内部を減圧して真空度を約15
cmHgに維持しながら、導電端子に250Vの電圧を
印加して加熱を行う。
々に濃縮されてトマトペーストになる。
常の加熱方法で作られたものに比べ、色彩が明るく風味
も新鮮であった。
ソースを充填し実施例1又は2の装置内に収容する。蓋
体2と容器本体1を嵌着した後、加圧装置11、11に
より、上下方向に機械的に押圧し、導電端子に250V
の電圧を印加する。
開け、次いで気体導入口側の開閉バルブを開け圧搾した
窒素ガスを装置内部に導入する。
置換される。
た時点で気体排出口側の開閉バルブを閉じ、引き続き圧
搾した窒素ガスを装置内部に導入して内部の圧力が2k
g/cm2になったら気体導入口側の開閉バルブを閉じ
る。品温が130℃に達すると同時に、通電を止め、気
体排出口側の開閉弁を開け内部の気体を放出して内圧を
大気圧までもどし品温を瞬時に100℃に下げる。
内部を減圧して真空度を約10cmHgにして品温を約
50℃まで下げる。
得られ、得られたホワイトソースは加熱前の風味と色を
保っていた。
圧を任意に実施でき、しかも通電作用により被加熱物の
品温を短時間で上昇せしめ、終了後は速やかに品温を低
下させることができるため過加熱を防止でき理想的なH
TST殺菌やUHT殺菌あるいは減圧濃縮を行うことが
できる。
るので食品材料の酸素等による褐変、変色等が防止で
き、新鮮な状態を保持できるものである。
せて容器本体と蓋体とを分離させた状態を示す図であ
る。
せて容器本体と蓋体とを結合させた状態を示す図であ
る。
せて容器本体及び中蓋体から蓋体を分離させた状態を示
す図である。
せて容器本体、中蓋体及び蓋体を結合させた状態を示す
図である。
成状態を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 加圧又は減圧状態において食品材料に通
電して加熱殺菌処理する蓋体及び容器本体を備えた食品
製造用の通電加熱装置において、 該通電加熱装置には、該蓋体を上下動させて容器本体と
密着嵌合させる上下動駆動装置を設け、 該蓋体には、その内側対向位置に設けられた少なくとも
1対の電極、該蓋体の外部に露出して設けられた該電極
の導電端子、並びに該蓋体に設けられた気体導入口及び
気体排出口を設け、且つ容器本体には、食品容器が収容
される凹部、及び該凹部に収容される食品容器を設け、
該蓋体が下降した際に蓋体に設けられた少なくとも1対
の電極が容器本体の凹部に収容された食品容器の側壁に
沿って挿入されることを特徴とする、上記通電加熱装
置。 - 【請求項2】 加圧又は減圧状態において食品材料に通
電して加熱殺菌処理する蓋体、該蓋体の内部に嵌着され
て設置された中蓋体及び容器本体を備えた食品製造用の
通電加熱装置において、 該通電加熱装置には、該蓋体を上下動させて容器本体と
密着嵌合させる上下動装置を設け、 該蓋体には、その内側対向位置に設けられた少なくとも
1対の電極の導電端子、気体導入口、及び気体排出口を
設け、 該中蓋体には、該蓋体の導電端子に接続する位置に配置
された少なくとも1対の電極、並びに該蓋体の気体導入
口及び気体排出口に密接に嵌着できる位置に配置された
開閉弁を設け、且つ容器本体には、食品容器が収容され
る凹部、及び該凹部に収容される食品容器を設け、該蓋
体が下降した際に該中蓋体に設けられた少なくとも1対
の電極が容器本体の凹部に収容された食品容器の側壁に
沿って挿入されることを特徴とする、上記通電加熱装
置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の装置におい
て、密閉状態で、通電加熱装置内の圧力を大気圧以上に
調整しつつ、該装置の食品材料に、少なくとも一対の電
極により通電作用による加熱を施す第1工程と、次に該
装置内の圧力を大気圧まで低下させる第2工程とからな
る通電加熱による食品の製造方法。 - 【請求項4】 上記第1工程及び第2工程に加えて、更
に該装置内の圧力を大気圧未満に低下させる第3工程と
からなる請求項3記載の通電加熱による食品の製造法。 - 【請求項5】 上記装置内の圧力を大気圧以上に加圧す
る際、該装置内の気体が不活性ガスにより置換される請
求項3又は請求項4記載の通電加熱による食品の製造方
法。 - 【請求項6】 密閉状態において、該装置内の圧力を大
気圧未満に調整しつつ、該装置内の食品材料に少なくと
も一対の対向した電極により加熱を行う請求項4又は請
求項5に記載の通電加熱による食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5233323A JP3026904B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 通電加熱による食品の製造方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5233323A JP3026904B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 通電加熱による食品の製造方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0779753A JPH0779753A (ja) | 1995-03-28 |
JP3026904B2 true JP3026904B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16953346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5233323A Expired - Lifetime JP3026904B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 通電加熱による食品の製造方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3026904B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012005488A (ja) * | 2011-07-26 | 2012-01-12 | Suntory Holdings Ltd | 飲料殺菌方法および飲料殺菌装置 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP5233323A patent/JP3026904B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0779753A (ja) | 1995-03-28 |
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