JP3026739B2 - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP3026739B2
JP3026739B2 JP7113293A JP11329395A JP3026739B2 JP 3026739 B2 JP3026739 B2 JP 3026739B2 JP 7113293 A JP7113293 A JP 7113293A JP 11329395 A JP11329395 A JP 11329395A JP 3026739 B2 JP3026739 B2 JP 3026739B2
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義一 馬場
浩一 田中
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智也 川口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗濯槽内に水および湯
を供給することができ、洗濯に適した温度の洗濯水で洗
濯を行うことができる洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、洗濯機の洗浄効果を向上させ
るために、水と湯とを混合して生成した温水を洗濯槽に
貯水し、この温水で洗濯を行う洗濯機が知られている。
たとえば、特開平4−35690号公報には、給水時間
および給湯時間を自動調節して、洗濯槽内の洗濯水を洗
濯に適した温度に制御する洗濯機が開示されている。
【0003】上記公開公報に開示されている洗濯機は、
洗濯槽内への水および湯の供給をそれぞれ制御する給水
弁および給湯弁を備えている。洗濯槽内に供給される水
および湯の温度は温度検出手段により検出され、洗濯槽
内に供給される水および湯の流量は流量検出手段によっ
て検出される。温水での洗濯に当たっては、まず給水弁
が所定時間開かれるとともに、洗濯槽内に供給される水
の温度Tcおよび流量Qcが検出される。次いで、給湯
弁が所定時間開かれ、このとき、給湯開始直後から、洗
濯槽内に供給される湯の温度Thおよび流量Qhが検出
される。この検出された温度Tc、Thおよび流量Q
c、Qhを用いて、洗濯槽内の洗濯水の持つ熱量が設定
手段により設定された設定温度および設定水位に対応す
る値になるように、給水弁および給湯弁の各開口時間が
演算される。そして、この演算の結果に従って給水弁お
よび給湯弁が開閉制御されることにより、設定温度およ
び設定水位の洗濯水が洗濯槽内に貯水される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
先行技術では、洗濯槽内に貯水された洗濯水の温度が必
ずしも設定温度にならない場合がある。具体的には、給
湯開始直後から湯温が検出されるので、給湯配管内の残
水と、残水に引き続いて供給される湯との間の温度差の
ために、給水弁および給湯弁の各開口時間が適切に設定
されないおそれがある。また、給水・給湯中に水温また
は湯温が変化した場合には、この水温または湯温の変化
に追従できず、洗濯槽内の洗濯水の温度が設定温度にな
らない。さらに、給水・給湯開始時に、洗濯機内にぬれ
た洗濯物が収容されている場合や洗濯機槽内に水が残っ
ている場合にも、洗濯槽に貯水された洗濯水の温度は設
定温度にならない。
【0005】これらの問題を解決するために、先願人は
先に、特願平5−300171号において、洗濯槽に供
給される水の温度(以下、「給水温度」という。)およ
び供給される湯の温度(以下、「給湯温度」とい
う。)、ならびに洗濯槽内に貯水された洗濯水の温度
(以下、「槽内温度」という。)および貯水された洗濯
水の水位を、給水・給湯期間中にわたって常時測定する
ようにした洗濯機を提案している。
【0006】この提案に係る洗濯機では、水位センサで
検出できる最低水位であるリセット水位に達した時点
で、給湯温度、給水温度および槽内温度が検出される。
この検出結果に基づいて、水および湯を同時に給水して
も差し支えない水位の上限である同時給水水位が求めら
れる。同時給水水位に達するまでは、水および湯の同時
給水が行われる。同時給水中、この同時給水水位は繰り
返し演算し直される。また、給湯温度および給水温度も
繰り返し検出される。同時給水水位に達した後は、給水
温度、給湯温度、槽内温度および設定温度に応じて、設
定水位に達するまで、給湯および給水が個別に制御され
る。
【0007】しかしながら、上記提案の構成では、上記
リセット水位と設定水位との差が小さく、かつ、設定温
度が給水温度に近い場合、設定水位まで貯水された洗濯
水の温度を設定温度に制御できないおそれがある。すな
わち、リセット水位までは水と湯との同時給水を行うの
で、給水温度が比較的高いときには、リセット水位に達
したときの槽内温度が設定温度よりも高くなっている。
したがって、その後は槽内温度を設定温度に近づけるた
めに、水のみが供給されることになる。しかし、リセッ
ト水位と設定水位の差が小さいと、設定水位まで水のみ
を供給しても、その供給量が少ないので、槽内温度を設
定温度まで下げることができない。このような場合の具
体例につき、以下に詳述する。
【0008】給水配管から供給される水の温度が25
℃、その流量が毎分8リットル、給湯配管から供給され
る湯の温度が65℃、その流量が毎分7リットル、リセ
ット水位が10リットル、給湯配管内に25℃の水が1
リットル残っているとする。そして、洗濯水の温度を2
7℃に設定し、その水位(水量)を25リットルに設定
するものとする。
【0009】最初に給湯配管内の残水が洗濯槽に供給さ
れ、次にリセット水位まで水と湯との同時給水が行われ
る。そうすると、リセット水位に達するまでに供給され
る水量は、 1+(10−1)×8/(8+7)=5.8(リットル) であり、湯量は、 (10−1)×7/(8+7)=4.2(リットル) である。したがって、槽内温度Tm0 は、 Tm0 =(5.8×25+4.2×65)/10=41.8(℃) となる。
【0010】次に、リセット水位から設定水位までは水
のみが供給される。すなわち、残り15(リットル)の
水が供給されると、設定水位に達したときの槽内温度T
m1は、 Tm1 =(10×41.8+15×25)/25=31.7(℃) となる。したがって、設定温度の27℃よりも高くなっ
てしまう。
【0011】図10は、上述の具体例の給水弁および給
湯弁の開閉状態ならびに槽内温度の変化を示すタイムチ
ャートである。貯水動作開始から8.5秒で給湯配管内
の残水が完全になくなり、水と湯の同時給水が行われ
る。36秒間の同時給水によって、貯水動作開始後4
4.5秒の時点で水位はリセット水位に達し、給水弁お
よび給湯弁は閉じられる。その後、20秒間放置され、
続いて水のみの供給が行われる。こうして、貯水動作開
始してから176秒間で、水位が設定水位に達するが、
槽内温度は設定温度の27℃よりも高くなっていること
がわかる。
【0012】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、水温が設定温度に近い場合でも設定温度の
洗濯水を洗濯槽内に確実に貯水することができる洗濯機
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの請求項1記載の洗濯機は、洗濯槽内に貯水された洗
濯水で洗濯を行う洗濯機において、洗濯槽内に水を供給
する給水手段と、上記給水手段によって供給される水の
温度を検出する水温検出手段と、洗濯槽内に湯を供給す
る給湯手段と、洗濯水の温度を設定するための温度設定
手段と、上記給水手段による洗濯槽への給水およびその
停止、ならびに上記給湯手段による洗濯槽への給湯およ
びその停止を制御する制御手段とを含み、上記制御手段
は、上記水温検出手段によって検出される水温と上記温
度設定手段によって設定された設定温度との差が所定温
度差以下であるときに、上記給湯手段による給湯を禁止
するとともに上記給水手段により洗濯槽へ給水させるこ
とによって、上記洗濯槽内に所定水位まで貯水させる第
1の制御手段と、上記水温検出手段によって検出される
水温と上記温度設定手段によって設定された設定温度と
の差が上記所定温度差よりも大きいときに、上記給水手
段による洗濯槽への給水と上記給湯手段による給湯とを
並行して行わせることによって、上記洗濯槽内に上記所
定水位まで貯水させる第2の制御手段とを含むことを特
徴とするものである。
【0014】また、請求項2記載の発明は、上記給湯手
段によって供給される湯の温度を検出する湯温検出手段
と、洗濯槽内に溜まった洗濯水の温度を検出する槽内温
度検出手段と、洗濯槽内に貯水すべき洗濯水の水位を設
定するための水位設定手段と、洗濯槽内に上記所定水位
以上貯水された洗濯水の水位を検出することができる水
位検出手段と、上記水温検出手段、上記湯温検出手段お
よび上記槽内温度検出手段の各出力、ならびに上記温度
設定手段によって設定された設定温度および上記水位設
定手段によって設定された設定水位に基づいて、上記給
水手段による給水および上記給湯手段による給湯を並行
して行わせてもその後の給水または給湯によって洗濯槽
内に貯水された洗濯水の温度を上記設定水位において上
記設定温度に制御することができる上限の水位である同
時給水水位を、上記水位検出手段によって上記洗濯槽内
の水位が上記所定水位に達したことが検出された後の期
間に繰り返し算出する同時給水水位算出手段とをさらに
含み、上記制御手段は、上記所定水位から上記同時給水
水位算出手段によって算出された同時給水水位まで、上
記給水手段による給水と上記給湯手段による給湯とを並
行して行わせる第3の制御手段をさらに含むものである
ことを特徴とする請求項1記載の洗濯機である。
【0015】請求項3記載の発明は、上記制御手段が、
上記槽内温度検出手段の出力と上記温度設定手段によっ
て設定された設定温度とを比較する比較手段と、この比
較手段による比較結果に基づいて、上記槽内温度検出手
段の出力を上記設定温度に近づけるべく上記給水手段お
よび上記給湯手段を個別に制御しつつ、上記同時給水水
位算出手段によって算出された同時給水水位から上記水
位設定手段によって設定された設定水位まで貯水を行わ
せる第4の制御手段とをさらに含むものであることを特
徴とする請求項2記載の洗濯機である。
【0016】
【作用】請求項1記載の構成によれば、制御手段が給水
手段による給水および給湯手段による給湯を制御するこ
とによって、洗濯槽内に洗濯水が貯水される。給水手段
によって供給される水の温度は水温検出手段によって検
出される。この検出される水温と温度設定手段によって
設定された洗濯水の設定温度の差が所定温度以下である
ときには、第1の制御手段による制御の下、給湯手段に
よる給湯が禁止され、所定水位まで給水のみが行われ
る。また、水温検出手段によって検出される水温と設定
温度との差が所定温度差よりも大きければ、第2の制御
手段による制御の下、所定水位まで給水および給湯が並
行して行われる。
【0017】このようにして、水温が設定温度に近い場
合には給水のみが行われるので、所定水位まで貯水した
後の給水または給湯によって、洗濯水の温度を容易に設
定温度に制御することができる。また、水温と設定温度
との温度差が十分大きいときには、所定水位まで給水お
よび給湯が並行して行われることにより、その後の給水
または給湯による洗濯水の温度制御を容易にすることが
できる。そのうえ、貯水に要する時間を短縮できる。
【0018】請求項2記載の構成によれば、洗濯槽内に
溜まった洗濯水の温度が槽内温度検出手段によって検出
され、洗濯槽内における所定水位以上の水位が水位検出
手段によって検出される。さらに、給湯手段によって供
給される湯の温度が湯温検出手段によって検出される。
洗濯水の水位は、水位設定手段によって設定される。そ
して、洗濯槽内の水位が所定水位に達した後の期間に
は、水温、湯温、槽内の洗濯水の温度、設定温度および
設定水位に基づいて、同時給水水位が同時給水水位算出
手段によって繰り返し算出される。この同時給水水位と
は、給水および給湯を並行して行うことができる水位の
上限である。すなわち、この同時給水水位から設定水位
までの給水または給湯によって洗濯槽内の洗濯水の温度
を確実に設定温度とすることができるような水位であ
る。
【0019】同時給水水位は繰り返し算出されるので、
水温、湯温および洗濯槽内の洗濯水の温度の変化にきめ
細かに対応した同時給水水位が算出されることになる。
したがって、同時給水水位の正確な算出を通じて、洗濯
槽内に貯水される洗濯水の正確な温度制御を期すること
ができる。また、同時給水水位までは、第3の制御手段
の制御の下、給水および給湯が並行して実行される。こ
れにより、給水/停止の回数および給湯/停止の回数を
低減することができる。さらには、単位時間に貯水され
る洗濯水の量を多くすることができるので、短時間で設
定水位まで貯水できる。
【0020】請求項3記載の構成によれば、洗濯槽内の
洗濯水の温度と設定温度とが比較手段によって比較され
る。この比較手段の比較結果に基づいて、第4の制御手
段の制御の下、同時給水水位から設定水位までの貯水が
実行される。これにより、洗濯槽内の洗濯水の温度が設
定水位に近づけられる。このようにして、洗濯槽内に溜
まった洗濯水の温度を参照しながら設定水位まで貯水さ
れるので、洗濯水の温度を正確に制御することができ
る。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照
して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の全自
動洗濯機の構成を簡略化して示す断面図である。洗濯機
本体1は、上面に開口を有する箱型に形成されている。
洗濯機本体1には、スプリング付の吊り棒(図示せず)
を介して弾性的に吊支された外槽2と、この外槽2に回
転自在に内装された内槽3とが備えられている。外槽2
には、洗濯水が貯水され、内槽3には、衣類などの洗濯
物が収容される。
【0022】外槽2の上方には、洗濯水を給水するため
の図外の給水口が形成されており、この給水口には供給
管4を介して水および湯が供給される。供給管4は、図
外の給水管から水が供給される給水用枝管4aと、図外
の給湯管から湯が供給される給湯用枝管4bとを有して
いる。この2つの枝管4a、4bは供給管4の出口付近
で一本の管となっており、水および湯が外槽2に共通に
供給されるようになっている。給水用枝管4aの途中部
には、外槽2への水の供給を制御する給水弁5が配設さ
れており、給湯用枝管4bの途中部には、外槽2への湯
の供給を制御する給湯弁6が配設されている。給水弁5
および給湯弁6には、たとえば電磁弁が使用されてい
る。
【0023】給水用枝管4a内において、給水弁5より
も下流側には、水温センサ7が配置されている。給湯用
枝管4b内において、給湯弁6よりも下流側には、湯温
センサ8が配置されている。給水弁5のみを開けば、水
のみが供給され、給湯弁6のみを開けば、湯のみが供給
される。そして、給水弁5および給湯弁6を同時に開く
と、水と湯とが混合されて温水が供給される。
【0024】外槽2の底部には、外槽2内に溜まった洗
濯水を洗濯機本体1外へ排出するための排水口9が形成
されている。排水口9は、洗濯機本体1外に延びる排水
管11に接続されている。この排水管11の途中部に
は、排水弁10が配設されている。排水弁10には、た
とえば電磁弁が使用されている。外槽2の底部一角に
は、エアートラップ12が設けられている。エアートラ
ップ12は、洗濯機本体1の上面に配置された水位セン
サ13に、エアーホース14を介して接続されている。
外槽2内の水位の上昇に伴って、エアーホース14内の
空気は圧縮される。水位センサ13は、エアホース14
内の空気圧を測定することによって、水位を検出する。
エアートラップ12の底部には、外槽2内に溜まった洗
濯水の温度を検出する槽内温度センサ15が設置してあ
る。
【0025】内槽3は脱水槽も兼ねたものであって、そ
の周面には、多数の微細な脱水孔(図示せず)が形成さ
れている。また、内槽3の底部には、洗濯水を攪拌して
水流を発生させるためのパルセータ18が正逆回転自在
に内装されている。内槽3の上部の内周には、流体バラ
ンサ19が配設されている。洗濯機本体1の底部には、
内槽3およびパルセータ18を回転させるための駆動力
を発生するモータ20が設けられている。モータ20の
回転力は、モータ20の出力軸に取り付けられたモータ
プーリ23および無端状のベルト24を介して、軸受ケ
ース21の羽根プーリ22に伝えられる。羽根プーリ2
2は、軸受ケース21の入力軸21aに固定されてい
る。軸受ケース21は、入力軸21aからの回転力を、
出力軸21bから内槽3またはパルセータ18に与え
る。出力軸21bは、外槽2を貫通し、内槽3およびパ
ルセータ18を個別に駆動できるように二重シャフトで
構成されている。
【0026】洗いおよびすすぎ工程では、モータ20の
駆動力は軸受ケース21を介して、パルセータ18に伝
達される。これにより、パルセータ18が正逆回転し、
内槽3内に水流が発生させられる。脱水工程では、排水
弁10が開放され、外槽2内の洗濯水が排水されたうえ
で、モータ20の駆動力が内槽3に伝達される。これに
より、内槽3を回転させることで洗濯物に含浸した水分
が脱水孔から排出される。
【0027】図2は、上記の洗濯機の電気的構成を示す
ブロック線図である。洗い、すすぎおよび脱水の各工程
を含む一連の洗濯動作は、制御手段としてのマイクロコ
ンピュータ30の制御の下に実行される。マイクロコン
ピュータ30は、CPU(中央処理装置)、データRA
M(RAM:ランダムアクセスメモリ)、プログラムR
OM(ROM:リードオンリメモリ)などを備え、あら
かじめROMに記憶されているプログラムに従って各部
の制御を行う。
【0028】マイクロコンピュータ30には、水温セン
サ7、湯温センサ8、水位センサ13、槽内温度センサ
15、温度設定キー16および水位設定キー17からの
各出力が与えられる。また、マイクロコンピュータ30
には、給水弁5を開閉させるための給水弁駆動回路31
と、給湯弁6を開閉させるための給湯弁駆動回路32
と、排水弁10を開閉させるための排水弁駆動回路33
と、モータ20を駆動するためのモータ駆動回路34
と、供給される湯の温度の異常を低温異常表示部40お
よび高温異常表示部50にそれぞれ表示させるための低
温異常表示回路35および高温異常表示回路36とが接
続されている。低温異常表示部40および高温異常表示
部50は洗濯機本体1の上部に配置されている。
【0029】マイクロコンピュータ30は、水温センサ
7、湯温センサ8、水位センサ13、槽内温度センサ1
5、温度設定キー16および水位設定キー17からの各
出力に基づいて、駆動回路31、32、33、34を介
して、給水弁5、給湯弁6、排水弁10およびモータ2
0の駆動を制御する。さらに低温異常表示回路35およ
び高温異常表示回路36を介して、低温異常表示部40
および高温異常表示部50を制御する。
【0030】図3ないし図8は、外槽2内に温水を洗濯
水として貯水するための貯水動作を説明するためのフロ
ーチャートである。具体例として、給水用枝管4aから
供給される水の温度(以下、「給水温度」という。)が
25℃、その流量が毎分8リットル、給湯用枝管4bか
ら供給される湯の温度(以下、「給湯温度」という。)
が65℃、その流量が毎分7リットル、水位センサ13
で検出することができる最低の水位(最小水量。以下、
「リセット水位」という。)が10リットルであるとき
を想定する。また、給湯用枝管4b内に25℃の水が1
リットル残っている場合において、洗濯水の温度が27
℃に設定され、その水位(水量)が25リットルに設定
されるときを想定する。すなわち、この具体例は供給さ
れる水の温度と設定水位との差が小さく、かつ、リセッ
ト水位と設定水位との差が小さいときを想定したもので
ある。
【0031】貯水動作中は、常時、水温センサ7、湯温
センサ8、槽内温度センサ15および水位センサ13か
らの各検出出力に基づき、給水温度、給湯温度、外槽2
内の洗濯水の温度(以下、「槽内温度」という。)およ
び外槽2内に溜まった洗濯水の水位がそれぞれ測定され
る。また、槽内温度を正確に測定するために、貯水動作
開始後30秒経つと、パルセータ18の反転動作が開始
される。すなわち、パルセータ18は5秒正回転、5秒
停止、5秒逆回転のサイクルで動作する。このパルセー
タ18の反転動作は、貯水動作中終始繰り返される。
【0032】図3を参照して、水位設定キー17および
温度設定キー16により洗濯水の水位Aおよび温度B
(温度は水温から湯温までの範囲で設定可能)が設定さ
れ(ステップS1、ステップS2)、洗濯機本体1の上
部に配置された図外のスタートキーが操作されると(ス
テップS3)、外槽2内の水位が設定水位Aに達してい
るかどうかが調べられる(ステップS4)。設定水位A
に達していれば、ただちに洗い運転が開始される(ステ
ップS44)。設定水位Aに達していなければ、次に温
度設定が給水のみであるかどうかが判断される(ステッ
プS5)。
【0033】給水のみを行って洗濯を行うことが設定さ
れている場合には、給水が開始される(ステップS4
5)。給水のみを行うことが設定されていない場合に
は、給湯弁6が開かれ(ステップS6)、湯温センサ8
の検出出力がマイクロコンピュータ30によって参照さ
れ、給湯温度が設定温度Bよりも8℃以上高いか否かが
判断される(ステップS7)。給湯用枝管4b内に低温
の残水があれば、図7のステップS46の処理へ移る。
低温の残水がなければ、ステップS8の処理へと移る。
【0034】上述の想定では、給水のみを行うことが設
定されてはいないので、給湯弁6が開かれる。また、貯
水動作開始直後は、給湯用枝管4b内に残っている1リ
ットルの水が外槽2内に供給されるので、給湯温度は2
5℃である。そのため、処理はステップS7から図7の
ステップS46に移る。ステップS46では、給湯温度
が設定温度Bよりも2℃だけ高い温度(B=27℃のと
きは29℃)以下かどうかが判断され、給湯温度が設定
温度Bよりも2℃だけ高い温度を越えるまで給湯が続け
られる。もし、この給湯が続いている間に洗濯水の水位
が設定水位Aに達したときは(ステップS47)、給湯
弁6が閉じられる(ステップS48)。そして、槽内温
度が設定温度Bよりも3℃以上低いときは(ステップS
49)、低温表示部40に給湯温度低温異常が表示され
たうえで(ステップS50)、洗い運転が開始される
(ステップS51)。槽内温度が設定温度Bよりも3℃
以上低い状態でないときは、給湯温度低温異常が表示さ
れることなく、洗い運転が開始される。
【0035】ステップS46において、給湯温度が設定
温度Bよりも2℃だけ高い温度を越えていると判断され
ると、洗濯水の水位がリセット水位に達しているかどう
かが確認される(ステップS52)。リセット水位に達
していなければ、図3のステップS7に移る。もし、リ
セット水位に達していたならば、図5の処理に移る。上
述の想定では、給湯用枝管4b内の残水1リットルが供
給されている期間は、ステップS46およびステップS
47の処理が繰り返される。そして65℃の湯が湯温セ
ンサ8に達すると、ステップS52を経て、ステップS
7に戻ることになる。
【0036】再び図3を参照して、ステップS7で給湯
温度が設定温度Bよりも8℃以上高くなったと判断され
ると、給水弁5が開かれ(ステップS8)、外槽2内に
水および湯が混合されて供給される。このときの給湯温
度が75℃より高いときには(図4のステップS9)、
図8に示す高温異常処理動作が実行される。すなわち、
給湯弁6が直ちに閉じられ(ステップS53)、給水弁
5が開かれていないならば、給水弁5が開かれ(ステッ
プS54、ステップS55)、高温異常表示部に給湯温
度高温異常の表示を行う(ステップS56)。そして、
設定水位まで給水のみを行い(ステップS57)、設定
水位Aに達した時点で給水弁5が閉じられ(ステップS
58)、洗い運転が開始される(ステップS59)。
【0037】図4を参照して、給湯温度が正常であれ
ば、ステップS9からステップS10に処理が移る。ス
テップS10では、給水温度が設定温度Bよりも14℃
だけ低い温度(B=27℃のときは13℃)以上かどう
かが判断される。つまり、給水温度が設定温度Bに近い
かどうか判断される。この判断が肯定されると、給湯温
度Th1が記録され(ステップS15)、給湯弁6が閉
じられる(ステップS16)。その後は、洗濯水の水位
がリセット水位(10リットル)に達するまで給水のみ
が行われる。洗濯水の水位がリセット水位に達すると
(ステップS17)、給水温度Tc1が記録され(ステ
ップS18)、給水弁5が閉じられる(ステップS1
9)。この状態で20秒間待機した後(ステップS2
0)、処理は図5のステップS21からの同時給水動作
に処理が移る。
【0038】なお、ステップS20における20秒間の
待機は、外槽2内の洗濯水の温度が各部で均一になるの
を待って、槽内温度センサ15による槽内温度の検出精
度を向上させるための処理である。このようにして、給
水温度が設定温度Bに近い場合には、給湯が禁止され、
リセット水位まで給水のみが行われる。すなわち、上記
ステップS10からステップS19の処理が、第1の制
御手段の機能に対応する。
【0039】上述の想定では、給水温度が25℃、設定
温度が27℃であり、両者の温度差は2℃であるから、
ステップS10の判断は肯定される。したがって、処理
はステップS10からステップS15へと移り、給湯温
度Th1が記録された後、給湯弁6が閉じられて、リセ
ット水位まで給水のみが行われることになる。もし、ス
テップS10において、給水温度が設定温度Bよりも1
4℃だけ低い温度未満であると判断されると、洗濯水の
水位がリセット水位に達するまで給水と給湯とが並行し
て行われる(ステップS11、ステップS14)。つま
り、給水温度が設定温度Bに比べて十分低いときには、
リセット水位まで給水および給湯が並行して行われる。
洗濯水の水位がリセット水位に達すると(ステップS1
1)、給湯温度Th1および給水温度Tc1が記録され
(ステップS12)、さらに、給水弁5および給湯弁6
が閉じられる(ステップS13)。この後の処理はステ
ップS20に進む。なお、リセット水位に達するまでの
期間中は、給湯温度が繰り返し測定される(ステップS
14)。このとき、給湯温度が75℃より高いなら、上
述の高温異常処理(図8)が行われる。
【0040】このようにして、ステップS10からステ
ップS13までの処理により、給水温度と設定温度Bと
の差が十分大きいときには、リセット水位まで給水と給
湯とが同時に行われる。したがって、上記ステップS1
0からステップS13の処理が、第2の制御手段の機能
に相当する。次に図5を参照して、ステップS21では
給湯温度が75℃以下かどうかが判断され(ステップS
21)、給湯温度が75℃より高いときは、上述の高温
異常処理(図8)に移る。給湯温度が75℃以下のとき
は、槽内温度Tm、給湯温度Th2、給水温度Tc2が
記録される(ステップS22)。なお、給水弁5が閉じ
ている場合においては、閉じる前に記録された給水温度
がTc2とされる。また、給湯弁6が閉じている場合に
おいては、閉じる前に記録された給湯温度がTh2とさ
れる。さらに給水弁5が一度も開かれていないときは、
気温がTc2とされる。
【0041】次に、槽内温度Tmと設定温度Bとが比較
され(ステップS23)、槽内温度Tmが設定温度Bよ
りも低い場合はステップS24に移り、槽内温度Tmが
設定温度B以上のときはステップS25に移る。ステッ
プS25では、槽内温度Tm、給水温度Tc2、設定水
位Aおよび設定温度Bが下記計算式1に代入され、同時
給水水位Mが求められる。ステップS24では、槽内温
度Tm、給湯温度Th2、設定水位Aおよび設定温度B
が下記計算式2に代入され、同時給水水位Mが求められ
る。
【0042】 M = A(B−Tc2)/(Tm−Tc2) (計算式1) M = A(Th2−B)/(Th2−Tm) (計算式2) ここで、同時給水水位Mとは、給水および給湯の両方を
行ってもその後の給水および給湯によって槽内温度Tm
を設定温度Bに制御することができる水位の上限であ
る。すなわち、同時給水水位Mから設定水位Aまで、給
水または給湯によって貯水することにより、設定水位A
での槽内温度Tmを設定温度Bとすることができなけれ
ばならない。
【0043】最終的に外槽2内に貯水されるべき洗濯水
の持つ熱量はABで与えられる。また、同時給水水位M
での洗濯水の熱量はMTmで与えられる。つまり、給水
同時水位Mの時点で、不足の熱量はAB−MTmであ
る。一方、同時給水水位Mから設定水位Aまで水のみを
供給すると、(A−M)Tc2だけの熱量を加えること
ができ、湯のみを供給すると、(A−M)Th2の熱量
を加えることができる。したがって、下記(1)式が満
たされなければならない。
【0044】 (A−M)Tc2 ≦ AB−MTm ≦ (A−M)Th2 ・・・(1) この不等式を分解して、変形することにより、同時給水
を行っても差支えのない水位の上限が上記計算式1また
は上記計算式2で与えられることが理解される。ステッ
プS24またはステップS25で同時給水水位Mが求ま
ると、ステップS26において、水位が同時給水水位M
に達したかどうかが判断される。同時給水水位Mに達す
るまでは、ステップS27からの処理によって、同時給
水が行われる。すなわち、給水弁5および給湯弁6の両
方が開かれる(ステップS27、ステップS28)。ス
テップS29では、ステップS24またはステップS2
5の計算後0.1秒経過したかどうかが判断され、0.
1秒経過する前であれば、ステップS30において、給
湯温度が75度以下かどうか調べられる。給湯温度が7
5℃よりも高ければ、図8の処理によって、給湯温度高
温異常が表示される。ステップS24の計算後0.1秒
経過すると、ステップS29から再びステップS21に
移り、ステップS21からの処理が繰り返される。
【0045】ステップS21ないしステップS29の処
理が繰り返されている過程では、時間の経過とともに槽
内温度Tmが上昇していく。そして、槽内温度Tmが設
定温度B以上になると、ステップS23からステップS
25へ移り、上記計算式1によって同時給水水位Mが求
められるようになる。このため、上記計算式1の分母の
Tmが時間とともに大きくなるから、同時給水水位Mは
小さくなっていき、ついには洗濯水の水位が同時給水水
位Mに達することになる。この後の処理はステップS2
6から図6のステップS31に移る。
【0046】このようにして、リセット水位から、給水
温度Tc2、給湯温度Th2、槽内温度Tm、設定水位
Aおよび設定温度Bに基づいて算出された同時給水水位
Mまでは、給水および給湯が並行して行われる。すなわ
ち、上記ステップS21からステップS25の処理が同
時給水水位算出手段の機能に対応しており、上記ステッ
プS26からステップS30の処理が第3の制御手段の
機能に対応している。
【0047】上述の想定の場合に、同時給水動作の開始
から10.8秒後の状況を計算してみると、次のとおり
である。まず、供給された水量は、 10+8×10.8/60=11.44(リットル) であり、供給された湯量は、 7×10.8/60=1.26(リットル) である。よって、このときの水位は、 11.44+1.26=12.7(リットル) となる。したがって、槽内温度Tmは、 (11.44×25+1.26×65)/12.7=29.0(℃) となる。
【0048】一方、このときの同時給水水位Mを上記計
算式1に従って計算すると、 M=25(27−25)/(29.0−25)=12.5(リットル) となる。したがって、同時給水動作の開始から10.8
秒が経過した時点で同時給水動作は一旦終了し、図6の
ステップS31の処理に移る。図6のステップS31で
は、槽内温度Tmと設定温度Bとが比較される(ステッ
プS31)。この処理が比較手段の機能に相当してい
る。もし、槽内温度Tmと設定温度Bとが一致する場合
には、給水弁5および給湯弁6は同時に開かれ(ステッ
プS32、ステップS33)、ステップS39へと進
む。また、槽内温度Tmが設定温度Bより低い場合は
(ステップS34)、給水弁5が閉じられ、給湯弁6の
みが開かれた後に(ステップS37、ステップS3
8)、ステップS39へ進む。ステップS34におい
て、槽内温度Tm≧設定温度Bが成り立つときには、ス
テップS35へと進み、給湯弁6が閉じられ、給水弁5
のみが開かれることによって、外槽2に水のみが供給さ
れる(ステップS35、ステップS36)。
【0049】次いで、ステップS39では水位が設定水
位Aに達したかどうかが調べられる。設定水位Aに達す
る以前には、ステップS40において、最後に同時給水
水位Mの計算を行ってから0.1秒経過したかどうかが
判断される。0.1秒が経過する前であれば、ステップ
S41に移り、給湯温度が75℃以下であるかどうかが
調べられる。給湯温度が75℃よりも高いときは、図8
の高温異常処理が行われる。給湯温度が75℃以下であ
れば、処理はステップS40に戻る。
【0050】同時給水水位Mの計算後0.1秒経過する
と、ステップS40から再びステップS21に移り、ス
テップS21からの処理が繰り返される。こうして、水
位が上昇し、水位が設定水位Aに達すると(ステップS
39)、給水弁5および給湯弁6は閉じられ(ステップ
S42)、洗い運転が開始される(ステップS43)。
【0051】このようにして、槽内温度Tmと設定温度
Bとが比較され、その比較結果に基づいて、槽内温度T
mを設定温度Bに近づけるべく、給水弁5および給湯弁
6が個別に制御されつつ、同時給水水位Mから設定水位
Aまでの貯水が実行される。すなわち、ステップS31
からステップS42までの処理が、第4の制御手段の機
能に対応する。
【0052】上述の想定では、同時給水水位Mに達した
ときの槽内温度Tm(=29℃)は、設定温度B(=2
7℃)よりも高いので、同時給水水位Mから設定水位A
までの12.3(=25−12.7)リットルは給水の
みが行われる。したがって、槽内温度Tmは、 Tm=(29.0×12.7+25.0×12.3)/
25.0=27.0(℃) となり、設定温度Bと一致する。このように、設定温度
が給水温度に近く、設定水位がリセット水位に近いとき
でも、外槽2内に貯水された洗濯水の温度を設定温度に
制御することができる。
【0053】図9は、給水弁5および給湯弁6の開閉状
態、ならびに槽内温度の変化を表すタイムチャートであ
る。貯水動作を開始してから8.5秒で給湯用枝管4b
内の残水が完全になくなり、水のみの供給が行われる。
66.5秒間給水が行われた時点(貯水動作開始から7
5秒後)で、水位はリセット水位に達し、給水弁5が閉
じられる。その後、20秒間放置された後、水と湯との
同時給水が行われる。
【0054】同時給水動作を開始してから10.8秒間
を経過した時点(貯水動作開始から105.8秒経過し
た時点)で、水位が同時給水水位Mに達する。そして、
給湯弁6が閉じられ、再び水のみの供給が開始される。
92.3秒間給水のみが行われた時点(貯水動作開始か
ら198秒経過した時点)で、水位は設定水位Aに達
し、このとき槽内温度も設定温度と等しい27℃とな
る。
【0055】以上のように、本実施例では、給水温度が
(設定温度−14℃)以上か未満かで、リセット水位ま
で給水のみを行うか、給水と給湯との同時給水を行うか
が選択される。したがって、給水温度と設定温度Bとの
差が小さく、かつ、設定水位Aとリセット水位との差も
小さい場合においても、リセット水位まで給水のみを行
うことにより、設定温度Bの洗濯水を外槽2内に確実に
貯水することができる。
【0056】また、同時給水水位Mを繰り返し求めるこ
とにより、外槽2内の洗濯水が設定水位になるまでの過
程で、給水温度または給湯温度の変化にきめ細かに対応
した同時給水水位Mが設定される。そのため、水または
湯の変化の影響を排除して、正確な温度制御を行うこと
ができる。さらに、同時給水水位Mから設定水位Aまで
は、槽内温度Tmと設定温度Bとを繰り返し比較した結
果に基づいて貯水され、また、同時給水動作Mの算出に
は槽内温度Tmが考慮されるので、貯水動作開始時に洗
濯槽内に残水があるときや、濡れた洗濯物が洗濯槽に入
っているときにも、洗濯水の温度制御を正確に行うこと
ができる。
【0057】なお、上述の処理において、図5のステッ
プS29およびステップS30、ならびに図6のステッ
プS40およびステップS41において、同時給水水位
Mが最後に計算された後0.1秒間が経過するまでステ
ップS21の処理に移らないようにしているのは、マイ
クロコンピュータ30の演算回数を減らすためである。
この時間を短くすればするほど正確な温度制御ができる
が、この時間は温度制御の正確さの要求の度合いに応じ
て設定されることが好ましい。
【0058】また、図5のステップS21ないしステッ
プS30の同時給水動作を省き、ステップS20からス
テップS31へと処理を移しても、設定温度Bの洗濯水
を設定水位Aまで貯水することができる。しかし、この
同時給水動作を省くと、給水弁5および給湯弁6の開閉
回数が多くなり、給水弁5および給湯弁6の耐用期間が
短くなるおそれがある。さらには、貯水動作にかかる時
間が長くなるおそれもある。
【0059】本発明の実施例の説明は以上のとおりであ
るが、本発明は上述の実施例に限定されるものではな
い。たとえば、上述の実施例にあげた渦巻形洗濯機のほ
かにも、攪拌形洗濯機、振動形洗濯機などの洗濯機に対
しても、本発明の適用が可能である。さらにドラム形洗
濯機や節水型自動洗濯機のような設定水位の低い洗濯機
でも、本発明の適用により、槽内温度を高精度で制御す
ることができる。
【0060】この他、特許請求の範囲に記載された範囲
で種々の変更を施すことが可能である。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、水温が設
定温度に近い場合には給水のみが行われるので、所定水
位まで貯水した後の給水または給湯によって、洗濯水の
温度を容易に設定温度に制御することができる。すなわ
ち、水温が設定温度に近い場合には、所定水位までの給
水および給湯を並行するようにして行うと、所定水位に
達したときの温度が設定温度と比較して非常に高くなる
おそれがある。したがって、もしも、所定水位に達した
後に洗濯槽内に供給すべき洗濯水の量が少ないと、所望
の水位に達した時点での洗濯水の温度を設定温度に正確
に制御することが困難である。このような事態が、本発
明によって、確実に防止される。
【0062】さらには、水温と設定温度との温度差が十
分に大きいときには、所定水位まで給水および給湯が並
行して行われるので、その後の給水または給湯による洗
濯水の温度制御を容易にすることができる。しかも、給
水および給湯の並行によって単位時間当りの洗濯水の供
給量を多くすることができるので、貯水に要する時間を
短縮することができる。
【0063】請求項2記載の発明によれば、水温、湯温
および槽内の洗濯水の温度などに基づいて、同時給水水
位が繰り返し算出される。そのため、同時給水水位の正
確な算出を通じて、洗濯水の正確な温度制御に寄与でき
る。また、同時給水水位までは、給水および給湯が並行
して実行されるから、給水/停止および給湯/停止のた
めの構成の動作回数を低減でき、このような構成の耐用
期間を長くすることができる。さらには、単位時間に貯
水される洗濯水の量を多くすることができるので、短時
間で設定水位まで貯水できる。
【0064】請求項3記載の発明によれば、洗濯槽内の
洗濯水の温度と設定温度との比較結果に基づいて、同時
給水水位から設定水位までの貯水が実行される。このよ
うにして、洗濯槽内に溜まった洗濯水の温度を参照しな
がら貯水が行われるので、洗濯水の温度を正確に制御す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全自動洗濯機の内部構成を
示す断面図である。
【図2】上記全自動洗濯機の電気的構成を示すブロック
図である。
【図3】リセット水位までの貯水動作を説明するための
フローチャートである。
【図4】リセット水位までの貯水動作を説明するための
フローチャートである。
【図5】同時給水による貯水動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図6】同時給水水位から設定水位までの貯水動作を説
明するためのフローチャートである。
【図7】給湯温度が低い場合の処理を説明するためのフ
ローチャートである。
【図8】給湯温度高温異常処理を説明するためのフロー
チャートである。
【図9】本実施例における、給水弁および給湯弁の開閉
状態、ならびに槽内温度の変化を示すタイムチャートで
ある。
【図10】従来技術における、給水弁および給湯弁の開
閉状態、ならびに槽内温度の変化を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
2 外槽 4 供給管 4a 給水用枝管 4b 給湯用枝管 5 給水弁 6 給湯弁 7 水温センサ 8 湯温センサ 13 水位センサ 15 槽内温度センサ 16 温度設定キー 17 水位設定キー 30 マイクロコンピュータ 31 給水弁駆動回路 32 給湯弁駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 正雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 川口 智也 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 中川 謙治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−114696(JP,A) 特開 平4−193297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 39/08 D06F 33/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗濯槽内に貯水された洗濯水で洗濯を行う
    洗濯機において、 洗濯槽内に水を供給する給水手段と、 上記給水手段によって供給される水の温度を検出する水
    温検出手段と、 洗濯槽内に湯を供給する給湯手段と、 洗濯水の温度を設定するための温度設定手段と、 上記給水手段による洗濯槽への給水およびその停止、な
    らびに上記給湯手段による洗濯槽への給湯およびその停
    止を制御する制御手段とを含み、 上記制御手段は、 上記水温検出手段によって検出される水温と上記温度設
    定手段によって設定された設定温度との差が所定温度差
    以下であるときに、上記給湯手段による給湯を禁止する
    とともに上記給水手段により洗濯槽へ給水させることに
    よって、上記洗濯槽内に所定水位まで貯水させる第1の
    制御手段と、 上記水温検出手段によって検出される水温と上記温度設
    定手段によって設定された設定温度との差が上記所定温
    度差よりも大きいときに、上記給水手段による洗濯槽へ
    の給水と上記給湯手段による給湯とを並行して行わせる
    ことによって、上記洗濯槽内に上記所定水位まで貯水さ
    せる第2の制御手段とを含むことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】上記給湯手段によって供給される湯の温度
    を検出する湯温検出手段と、 洗濯槽内に溜まった洗濯水の温度を検出する槽内温度検
    出手段と、 洗濯槽内に貯水すべき洗濯水の水位を設定するための水
    位設定手段と、 洗濯槽内に上記所定水位以上貯水された洗濯水の水位を
    検出することができる水位検出手段と、 上記水温検出手段、上記湯温検出手段および上記槽内温
    度検出手段の各出力、ならびに上記温度設定手段によっ
    て設定された設定温度および上記水位設定手段によって
    設定された設定水位に基づいて、上記給水手段による給
    水および上記給湯手段による給湯を並行して行わせても
    その後の給水または給湯によって洗濯槽内に貯水された
    洗濯水の温度を上記設定水位において上記設定温度に制
    御することができる水位の上限である同時給水水位を、
    上記洗濯槽内の水位が上記所定水位に達したことが上記
    水位検出手段によって検出された後の期間に繰り返し算
    出する同時給水水位算出手段とをさらに含み、 上記制御手段は、 上記所定水位から上記同時給水水位算出手段によって算
    出された同時給水水位まで、上記給水手段による給水と
    上記給湯手段による給湯とを並行して行わせる第3の制
    御手段をさらに含むものであることを特徴とする請求項
    1記載の洗濯機。
  3. 【請求項3】上記制御手段は、 上記槽内温度検出手段の出力と上記温度設定手段によっ
    て設定された設定温度とを比較する比較手段と、 この比較手段による比較結果に基づいて、上記槽内温度
    検出手段の出力を上記設定温度に近づけるべく上記給水
    手段および上記給湯手段を個別に制御しつつ、上記同時
    給水水位算出手段によって算出された同時給水水位から
    上記水位設定手段によって設定された設定水位まで貯水
    を行わせる第4の制御手段とをさらに含むものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
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