JP3026717U

JP3026717U - スリッター装置

Info

Publication number: JP3026717U
Application number: JP1996000383U
Authority: JP
Inventors: 君夫佐藤
Original assignee: 有限会社足立精機製作所
Priority date: 1996-01-11
Filing date: 1996-01-11
Publication date: 1996-07-23
Anticipated expiration: 2002-01-11

Abstract

(57)【要約】【課題】ピットの存在を不要とし、それによってライ
ンを短いものとすることができ、従来に比して小さなス
ペースでの設置を可能とし、加えて高速回転による作業
を実現でき作業時間の短縮も図れ、しかも、すべてのリ
ールにあって固い巻き締めを実現できることとし、全体
的として経済的に大きく有利なものとすることができる
スリッター装置とする。【解決手段】素材の送り出し機構と、その送り出され
た素材をスリットするカッターと、そのスリットされた
素材を巻き取る機構とをラインとして備えているスリッ
ター装置において、前記カッターと巻き取り機構の間に
前記したスリットされた素材の弛みを補正する機構を備
えていることを特徴とし、また、スリットされた素材の
弛みを補正する機構は回転軸と同距離に配された一対の
フリーローラを有し、その一対のプーリにスリットされ
た素材を交叉状に掛け回し、近接するドリプロールの周
面に巻き回すことと、スリットされた素材の弛みを補正
する機構は同軸として複数個並設されることとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案のスリッター装置、特に幅広の金属素材、例えば箔等を種々の幅にスリットして、リールにそのスリットされた金属素材を巻き取るスリッター装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、上記したスリッター装置は図３として示すように構成されている。即ち、この図３にあって１は素材の送出部であり、この素材の送出部には幅広とされローリング状態とされた素材がセットされる。この送出部１から送り出された素材はカッター部２によって所望の幅にスリットされ、途中抑え部３で圧力を加えられ、テンションをかけられた状態で各々の目的リールを備えた巻き取り部４で巻き取るようになっている。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】

しかしながら、上記した一般的なスリッター装置におけるラインにあっては、スリットされた素材の巻き取られる速度に差異が必然的に生じ、その速度から遅れた素材を受け入れるためピット５が形成されるものとなっている。即ち、カットされスリットされた素材の弛みを吸収するため、その弛み部分をこのピット５内に順次送り込み、処理されていくのを待つこととなる。

【０００４】そのため、このピット５が成形できる広いスペースを必要とし、ライン自体も長いものが要求されることとなり、回転運転のスピードにもある程度の抑制がなされてしまうこととなり、設備のための経済的負担が大きなものとなっている。

【０００５】

【考案の目的】

そこで、本考案は上記した従来の技術の実情、問題点に着目してなされたもので、かかる問題点を解消して、ピットの存在を不要とし、それによってラインを短いものとすることができ、従来に比して小さなスペースでの設置を可能とし、加えて高速回転による作業を実現でき作業時間の短縮も図れ、しかも、すべてのリールにあって固い巻き締めを実現できることとし、全体的として経済的に大きく有利なものとすることができるスリッター装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係るスリッター装置は素材の送り出し機構と、その送り出された素材をスリットするカッターと、そのスリットされた素材を巻き取る機構とをラインとして備えているスリッター装置において、前記カッターと巻き取り機構の間に前記したスリットされた素材の弛みを補正する機構を備えていることを特徴とし、また、スリットされた素材の弛みを補正する機構は回転軸と同距離に配された一対のフリーローラを有し、その一対のプーリにスリットされた素材を交叉状に掛け回し、近接するドリプロールの周面に巻き回すことと、スリットされた素材の弛みを補正する機構は同軸として複数個並設されることとを特徴としている。

【０００７】

【作用】

係る構成としたことにより、ライン上におけるスリットされた素材の弛みはそれを補正する機構によって是正され、擬似的に素材は直線状態を保持することとなるため、その弛みを収容するためのピットは一切不要とすることができるのであり、さらに、従来に比し、巻き取りのためのテンションもより有効なものとなるのである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の一例を図１乃至図２を参照して説明する。図１は本考案に係るスリッター装置の素材の弛みを補正する機構を示す概略側面図、図２は同じく概略正面図である。

【０００９】これらの図にあって１０は、従来のスリッターラインにおけるカッター部２と巻き取り部４の間、具体的には従来ピット５が設けられた位置に対応させて取り付けられる回転軸である。この回転軸１０にトルク調整用クラッチ１１を介してドリプロール１２、１２…が隣接状態で取り付けられている。

【００１０】また、前記したドリプロール１２の外周両縁には立ち上げた素材のガイド壁１２ａ、１２ａが形成されている。さらに、このドリプロール１２の一方側壁面には回転軸１０から同距離を置いて一対のフリーローラ１３、１３がベアリング１４、１４を介して支軸１５、１５に取り付けられている。

【００１１】また、前記したドリプロール１２にはフリーローラ１３、１３の近傍に切り欠き部１２ｂ、１２ｂが形成されているもので、スリットされた素材Ａは、まず図１における上方のフリーローラ１３の外周に掛けられ、たすき掛け状として下方のフリーローラ１３へ掛けられ、ドリプロール１２の同面に沿って巻き取り部４へと送り出される。なお、図にあって１６は素材Ａを送る補助ローラ、１７はトルク調整機を示している。

【００１２】本実施の形態におけるスリッター装置、特にその素材の弛みを補正する機構は上記のように構成されている。ここで、素材Ａに弛みが生じてくると、逐次回転するドリプロール１２の外周面にその弛んだ部分の素材は順次巻き回されていくこととなる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案に係るスリッター装置は上述のように構成され、作用することとなる。従って、従来は不可欠とされたピットの存在を不要とすることができ、そのため、小さなスペースでの設備設置が可能となりライン自体も短いもので済み、経済的に非常に有利なものとなる。また、ルーピングがなくなることにより一層の高速回転での作業が可能となって作業時間も短縮され、素材の巻き締めも固く精度よく行なわれ、スリットした後の残材もなくなるものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施したスリッター装置の素材の弛み
を補正する機構を示す概略側面図である。

【図２】概略正面図である。

【図３】従来のスリッターラインを示す側面図である。

【符号の説明】

１送出部２カッター部３抑え部４巻き取り部５ピット１０回転軸１１トルク調整用クラッチ１２ドリプロール１２ａガイド壁１２ｂ切り欠き部１３フリーローラ１４ベアリング１５支軸１６補助ローラ１７トルク調整機

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】素材の送り出し機構と、その送り出され
た素材をスリットするカッターと、そのスリットされた
素材を巻き取る機構とをラインとして備えているスリッ
ター装置において、前記カッターと巻き取り機構の間に
前記したスリットされた素材の弛みを補正する機構を備
えていることを特徴とするスリッター装置。
【請求項２】スリットされた素材の弛みを補正する機
構は回転軸と同距離に配された一対のフリーローラを有
し、その一対のプーリにスリットされた素材を交叉状に
掛け回し、近接するドリプロールの周面に巻き回すこと
を特徴とする請求項１に記載のスリッター装置。
【請求項３】スリットされた素材の弛みを補正する機
構は同軸として複数個並設されることを特徴とする請求
項１または請求項２に記載のスリッター装置。