JP3025983B2 - 高能率符号化装置 - Google Patents

高能率符号化装置

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JP3025983B2
JP3025983B2 JP3941292A JP3941292A JP3025983B2 JP 3025983 B2 JP3025983 B2 JP 3025983B2 JP 3941292 A JP3941292 A JP 3941292A JP 3941292 A JP3941292 A JP 3941292A JP 3025983 B2 JP3025983 B2 JP 3025983B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタルVCR等の
ようにディジタル画像信号を記録する装置において用い
られ、ディジタル画像信号のデータ量を圧縮する高能率
符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、例えばIEEE Transactions on C
onsumer Electronics,Vol.34,No.3(AUGUSUT,1988)の
“AN EXPERIMENTAL DIGITAL VCR WITH 40MM DRUM,SINGL
E ACTUATOR AND DCT-BASED BIT-RATE REDUCTION ”に示
されている従来の高能率符号化装置の構成を示すブロッ
ク図である。図において11は、入力されるディジタル画
像を複数のブロックに分割するブロック化回路であり、
ブロック化回路11は、各ブロックの画像信号をDCT 回路
12へ出力する。DCT 回路12は、ブロック化回路11から出
力される画像信号の各ブロックに対して離散コサイン変
換(Discrete Cosine Transform,以下DCTと略す)を
施して、変換係数を適応量子化器13へ出力する。適応量
子化器13は、量子化ステップが異なる複数の量子化テー
ブルを保持し、ブロック内において変換係数に応じて最
適の量子化テーブルを選択して量子化し、量子化した変
換係数を可変長符号器14へ出力する。可変長符号器14
は、量子化された変換係数を可変長符号化し、可変長符
号化したデータをバッファメモリ15へ出力する。バッフ
ァメモリ15は、可変長符号化データを固定レートで変換
して記憶する。制御器16は、バッファメモリ15がオーバ
フローしないように、適応量子化器13の量子化パラメー
タを選定すると共に可変長符号器14で符号化される変換
係数を選定する。
【0003】次に、具体的な動作について説明する。入
力されるディジタル画像信号は例えば輝度信号と2つの
色差信号とからなり、これらの信号はブロック化回路11
において時分割多重され、例えば8画素×8ラインのブ
ロックに分割されてDCT 回路12へ出力される。DCT 回路
12では、各ブロックの画像信号に対して、画像信号をx
(i,j)(i,j=0,1,…,7)と表すと、次式
による水平方向の8点DCTが施される。
【0004】
【数1】
【0005】変換された画像信号f(0,j), f
(m,j)に対して次式による垂直方向の8点DCTが
施されて、画像信号は変換係数F(m,n)(m,n=
0,1,…,7)として表され、適応量子化器13へ出力
される。
【0006】
【数2】
【0007】求められた変換係数は、適応量子化器13に
おいて、その変換係数の内容と制御器16からの量子化パ
ラメータとに基づいて選定された量子化ステップに従っ
て量子化される。変換係数の内容が、高いコントラスト
の立上がり部分の画像を示す場合には粗い量子化ステッ
プが選定され、その内容が、小振幅のディテール部分の
画像を示す場合には細かい量子化ステップが選定され
る。
【0008】量子化された変換係数は、可変長符号器14
において可変長符号化された後、バッファメモリ15に蓄
えられる。バッファメモリ15に蓄えられられているデー
タ量は、バッファメモリ15がオーバフローしないように
制御器16により検知されている。制御器16は、バッファ
メモリ15に蓄えられられているデータ量に応じて量子化
パラメータを選定してそれを適応量子化器13へ出力する
と共に、このデータ量に応じて可変長符号器14で符号化
される変換係数を選定してそれを可変長符号器14へ出力
する。そして、バッファメモリ15に蓄えられたデータ
は、固定レートで読出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の高能率符号化装
置は以上のように構成されているが、適応量子化器13に
おける量子化ステップの選定について以下に述べるよう
な問題がある。変換係数F(m,n)から次式により求
められる交流電力Eに応じて、適応量子化器3での量子
化ステップが選定される。
【0010】
【数3】
【0011】この交流電力Eの値が小さいときは細かい
ステップで量子化され、Eが大きいときは粗いステップ
で量子化される。つまり、画像の振幅変化が小さいディ
テール部は細かく量子化され、コントラストが高いエッ
ジ部は粗く量子化される。画像信号の変化が少ない平坦
な背景である平坦部に高いコントラストで細かい線が入
っているような画像では、その画像ブロックは粗く量子
化されるが、復号器側において逆DCTが施されると、
量子化誤差がブロック全体に広がって平坦部にまでノイ
ズが重畳される。このような平坦部のノイズは視覚的に
大変目立つので、画質を大きく劣化させるという問題が
ある。
【0012】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、画質劣化が目立ち易い平坦部にお
いても復号器側で良好な画質を保つことができるように
画像信号を量子化できる高能率符号化装置を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係る高
能率符号化装置は、ディジタル画像信号を圧縮して符号
化する高能率符号化装置において、ディジタル画像信号
を高域及び低域の複数の周波数帯域に分割する手段と、
分割した各帯域の画像信号を複数の画素毎にブロック化
するブロック化手段と、ブロック化された画像信号に対
して直交変換を施して変換係数を得る手段と、得られた
変換係数を量子化する量子化手段と、量子化された画像
データを符号化する手段と、前記ブロック化手段から出
力される各帯域の画像信号の各ブロックを更に複数のサ
ブブロックに分割するサブブロック化手段と、低域のサ
ブブロックに対し、当該帯域に対応して設定された第1
の演算を施すことにより、該低域のサブブロックが属す
るブロックを量子化するための第1の量子化レベルを求
める第1の演算手段と、高域のサブブロックに対し、当
該帯域に対応して設定された前記第1の演算と異なる第
2の演算を施すことにより、該高域のサブブロックが属
するブロックを量子化するための第2の量子化レベルを
求める第2の演算手段と、前記第1の演算手段により求
めた第1の量子化レベルと前記第2の演算手段により求
めた第2の量子化レベルとを比較して、より高レートの
量子化レベルを前記低域及び高域のサブブロックが属す
るブロックを量子化する際の量子化レベルとする量子化
レベル決定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】本願の第2発明に係る高能率符号化装置
は、前記サブブロック化手段は、前記ブロック化手段か
ら出力される各帯域の画像信号の各ブロックを、水平及
び垂直方向に隣合うサブブロックが重なるように複数の
サブブロックに分割することを特徴とする。
【0015】本願の第3発明に係る高能率符号化装置
は、前記第1の演算手段は、各サブブロックに対して、
各サブブロック内の隣合う画素間の画素値の差の絶対値
の総和の最小値と、該最小値及び前記総和の最大値の差
とを演算し、演算した両値に基づき前記第1の量子化レ
ベルを求めることを特徴とする。本願の第4発明に係る
高能率符号化装置は、前記第2の演算手段は、各サブブ
ロック内の画素値の絶対値の最大値を選択し、選択した
最大値の中の最小値及び最大値を決定し、決定した両値
に基づき前記第2の量子化レベルを求めるべくなしてあ
ることを特徴とする。
【0016】
【作用】第1、第2発明の高能率符号化装置では、
域、高域夫々のサブブロックに対して求めた量子化レベ
ルのうちより高レートの量子化レベルを採用するので量
子化誤差を低減でき、画質の向上が図れる。
【0017】第3発明の高能率符号化装置では、垂直方
向に対して画質劣化が目立ちやすい平坦部が存在する場
合であっても、高レートの量子化レベルが採用でき、画
質の向上が図れる。 第4発明の高能率符号化装置では、
水平方向に対して画質劣化が目立ちやすい平坦部が存在
する場合であっても高レートの量子化レベルの採用がで
き、画質の向上が図れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて具体的に説明する。
【0019】(第1実施例)図2は、本発明の第1実施
例の構成を示すブロック図である。図2において1は入
力ディジタル信号(輝度信号:Y信号と色差信号:R−
Y信号,B−Y信号、またはRGB信号)を水平方向に
サブバンド分割するサブバンド分割回路であり、サブバ
ンド分割回路1は分割後の各サブバンド成分をブロック
化回路2へ出力する。ブロック化回路2は、サブバンド
分割回路1から出力される各サブバンド成分を複数の画
素毎にブロック化し、構成された各ブロックを直交変換
回路3,低域成分判定値演算回路7及び高域成分判定値
演算回路8へ出力する。直交変換回路3は、ブロック化
回路2から出力される各ブロックに直交変換を施して変
換係数を得、得られた変換係数を適応量子化器4へ出力
する。適応量子化器4は、入力された変換係数を適応的
に量子化し、量子化データを可変長符号器5へ出力す
る。可変長符号器5は、適応量子化器4の出力を可変長
符号化し、可変長符号化データをバッファメモリ6へ出
力する。バッファメモリ6は、可変長符号器5の出力を
固定の出力レートに変換して記憶する。低域成分判定値
演算回路7は、ブロック化回路2から出力される低域成
分の各ブロックに対して1ブロックを複数個のサブブロ
ックに分割し、各サブブロック内の隣合う画素間の差の
絶対値和のうちの最小値とその絶対値和のうちの最大値
及び最小値の差とを演算し、それらの値を低域成分の適
応量子化判定値として判定器9へ出力する。高域成分判
定値演算回路8は、ブロック化回路2から出力される高
域成分の各ブロックに対して1ブロックを複数個のサブ
ブロックに分割し、各サブブロックを構成する画素の絶
対値の最大値のうちの最小値と最大値とを求め、これら
の値を高域成分の適応量子化判定値として判定器9へ出
力する。判定器9は、低域成分判定値演算回路7と高域
成分判定値演算回路8とから出力される計算値に基づい
て適応量子化器4の量子化ステップを選定する。なお10
は、バッファメモリ6がオーバーフローしないように判
定器9の量子化ステップの選定を制御する制御器であ
る。
【0020】図3はサブバンド分割回路1の内部構成を
示すブロック図である。図中20,24,25は、それぞれY信
号, R−Y信号, B−Y信号が入力されるY信号サブバ
ンド分割回路, R−Y信号サブバンド分割回路, B−Y
信号分割回路である。これらの各分割回路20,24,25の内
部構成はすべて同じであり、図3ではY信号サブバンド
分割回路20の内部構成のみを図示している。Y信号サブ
バンド分割回路20は、水平低域通過フィルタ (水平LPF)
21と水平高域通過フィルタ (水平HPF)22と、水平LPF 2
1, 水平HPF 22からの出力を水平方向の画素数が1/2 に
なるように間引く水平2:1サブサンプリング回路23a,
23b とから構成される。
【0021】次に動作について説明する。入力ディジタ
ル画像信号は、サブバンド分割回路1において各フィー
ルド毎に図4に示すように水平方向に対してL,Hの2
つの周波数帯域(サブバンド)に分割される。このサブ
バンド分割回路1の動作を図3に従って説明する。入力
されたY信号はY信号サブバンド分割回路20において、
2つの帯域に分割される。入力されたY信号は図5(a)
のような周波数特性を持つ水平LPF 21において帯域制限
された後、水平2:1サブサンプリング回路23a におい
て、水平方向の画素数が1/2 に間引かれる。この水平
2:1サブサンプリング23a 回路の出力は図4(a) のL
帯域の信号であり、画素数は入力信号の1/2 となってい
る。一方Y信号は、図5(b) のような周波数特性を持つ
水平HPF 22にも入力される。この水平HPF 22の出力は水
平2:1サブサンプリング回路23bにおいて、水平方向
の画素数が1/2 に間引かれる。この水平2:1サブサン
プリング回路23b の出力は図4(a) のH帯域の信号であ
り、画素数は入力信号の1/2 となっている。以上のよ
うに、Y信号サブバンド分割回路20において、Y信号は
2つの帯域L,Hに分割され、各サブバンドが出力され
る。
【0022】入力されたR−Y信号はR−Y信号サブバ
ンド分割回路24において、図4(b)に示したような2つ
の帯域L,Hに分割される。また入力されたB−Y信号
はB−Y信号サブバンド分割回路25において、図4(b)
に示したような2つの帯域L,Hに分割される。これら
R−Y信号サブバンド分割回路24及びB−Y信号サブバ
ンド分割回路25の動作は、Y信号サブバンド分割回路20
の動作と同様である。
【0023】サブバンド分割されたY信号, R−Y信
号, B−Y信号はブロック化回路2において、例えば、
水平8画素×垂直8ラインにブロック化される。ここ
で、サブバンド分割されたY信号, R−Y信号, B−Y
信号の高域成分と低域成分とのブロックをまとめてサブ
バンドブロックと呼ぶ。ブロック化回路2では、サブバ
ンドブロック単位で画像データを出力する。このブロッ
ク化回路2から出力される各ブロックは直交変換回路3
において直交変換が施される。直交変換としては、例え
ばDCTを用いる。直交変換回路3から出力される変換
係数は量子化ステップが異なる複数の量子化テーブルを
保持した適応量子化器4に入力される。
【0024】一方、サブバンド分割された低域成分に対
するブロック化回路2の出力は低域成分判定値演算回路
7にも入力される。低域成分判定値演算回路7の一構成
例を図6に示す。低域成分判定値演算回路7は、ブロッ
ク化回路2から出力される各ブロックを4個のサブブロ
ックに分割するサブブロック化回路31と、各サブブロッ
クの垂直方向の隣合う画素間の差の絶対値和を求める演
算器32,33,34,35 と、演算器32〜35の出力の最小値を検
出して出力する最小値検出器36と、演算器32〜35の出力
の最大値を検出して出力する最大値検出器37と、最大値
検出器37の出力から最小値検出器36の出力を減算する減
算器38とを有する。
【0025】以下、低域成分判定値演算部7の動作を図
6に従って説明する。ブロック化回路2から出力される
低域バンドの各ブロックは、サブブロック化回路31で4
個のサブブロックに分割される。例えば、ブロック化回
路2が8画素×8ラインのブロックを出力する場合、サ
ブブロック化回路31は図7のように1ブロックを4画素
×4ラインのサブブロックに分割する。4個のサブブロ
ックをそれぞれy1 ,y2 ,y3 ,y4 とし、各サブブ
ロックの画素値をそれぞれy1 (i,j) ,y2 (i,j) ,y
3 (i,j) ,y4 (i,j) (i,j=1,2,3,4)と表
すことにする。演算器32〜35にはそれぞれサブブロック
1 〜y4 が入力される。演算器32は入力サブブロック
1 に対して、サブブロックy1 内の垂直方向の隣合う
画素の差の絶対値の総和v1 を下式により演算する。
【0026】
【数4】
【0027】演算器33,34,35も同様に、それぞれのサブ
ブロックy2 ,y3 ,y4 内の垂直方向の隣合う画素の
差の絶対値の総和v2 ,v3 ,v4 を下式により演算す
る。
【0028】
【数5】
【0029】最小値検出器36は、演算器32〜35の出力の
最小値すなわちA=MIN {v1 ,v2 ,v3 ,v4 }を
検出して出力する。この最小値検出器36の出力Aは第1
の計算値として判定器9に入力される。また、最小値検
出器36の出力は減算器38にも入力される。一方、最大値
検出器37は、演算器32〜35の出力の最大値すなわちB=
MAX {v1 ,v2 ,v3 ,v4 }を検出して出力し、こ
れを減算器38へ与える。減算器38は、最大値検出器37の
出力Bから最小値検出器36の出力Aを減算する。減算器
38の出力C=B−Aは第2の計算値として判定器9に入
力される。
【0030】また、サブバンド分割された高域成分に対
するブロック化回路2の出力は高域成分判定値演算回路
8にも入力される。高域成分判定値演算回路8の一構成
例を図8に示す。高域成分判定値演算回路8は、ブロッ
ク化回路2から出力される各ブロックを4個のサブブロ
ックに分割するサブブロック化回路41と、各サブブロッ
ク内の画素値の絶対値の最大値を求める演算器42,43,4
4,45 と、演算器42〜45の出力の最小値を検出して出力
する最小値検出器46と、演算器42〜45の出力の最大値を
検出して出力する最大値検出器47とを有する。
【0031】次に、高域成分判定値演算部8の動作を図
8に従って説明する。ブロック化回路2から出力される
高域バンドの各ブロックは、サブブロック化回路41で4
個のサブブロックに分割される。例えば、ブロック化回
路2が8画素×8ラインのブロックを出力する場合、サ
ブブロック化回路41は図7のように1ブロックを4画素
×4ラインのサブブロックに分割する。4個のサブブロ
ックをそれぞれx1 ,x2 ,x3 ,x4 とし、各サブブ
ロックの画素値をそれぞれx1 (i,j) ,x2 (i,j) ,x
3 (i,j) ,x4 (i,j) (i,j=1,2,3,4)と表
すことにする。演算器42〜45にはそれぞれサブブロック
1 〜x4 が入力される。演算器42は入力サブブロック
1 に対して、サブブロックx1 を構成する画素値の絶
対値の最大値u1 =MAX |x1 (i,j) |を出力する。ま
た、演算器43,44,45も同様に、サブブロックx2
3 ,x4 を構成する画素値の絶対値の最大値u2 =MA
X |x2 (i,j) |,u3 =MAX |x3 (i,j) |,u4
MAX |x4 (i,j) |を出力する。
【0032】最小値検出器46は、演算器42〜45の出力の
最小値すなわちD=MIN {u1 ,u2 ,u3 ,u4 }を
検出して出力する。この最小値検出器46の出力Dは第3
の計算値として判定器9に入力される。一方、最大値検
出器47は、演算器42〜45の出力の最大値すなわちE=MA
X {u1 ,u2 ,u3 ,u4 }を検出して出力する。こ
の最大値検出器47の出力Eは第4の計算値として判定器
9に入力される。
【0033】判定器9は、適応量子化器4のどの量子化
テーブルを用いるかを選定する。例えば、適応量子化器
4が量子化ステップの異なる3種類の量子化テーブルを
保持している場合、それらを高レートの量子化テーブル
1 (量子化ステップが細かい量子化テーブル)、中レ
ートの量子化テーブルQ2 (量子化ステップが中くらい
の量子化テーブル)、低レートの量子化テーブルQ
3 (量子化ステップが粗い量子化テーブル)と呼ぶこと
にする。判定器9は、低域成分判定値演算回路7の出力
に基づいてブロックの垂直方向の量子化レベルを選定
し、高域成分判定値演算回路8の出力に基づいてブロッ
クの水平方向の量子化レベルを選定し、この2種類の選
定結果のうち量子化ステップが細かい方を全体のサブバ
ンドブロックの量子化レベルとして選定する。
【0034】ここで、低域成分判定値演算回路7の計算
値Aが小さい場合、そのブロックには垂直方向に対して
画質劣化が目立ちやすい平坦部が存在する。このため適
応量子化器4では高レートまたは中レートの量子化テー
ブルが選択される必要がある。一方、低域成分判定値演
算回路7の計算値Cが大きいような場合は、そのブロッ
クは、ブロック内で垂直方向に対して画像の傾向が大き
く変化し、復号器側で量子化誤差が生じやすいと考えら
れる。よって計算値Aが小さく、計算値Cが大きいよう
な場合は高い空間周波数の影響を無視できないため高レ
ートの量子化テーブルが選択されることが望まれる。そ
こで判定器9では低域成分判定値演算回路7から出力さ
れる計算値A及び計算値Cに対して図9のような判定図
により垂直方向の量子化レベルを選定する。
【0035】また、高域成分判定値演算回路8の計算値
Dが小さい場合、そのブロックには水平方向に対して画
質劣化が目立ちやすい平坦部が存在する。このため適応
量子化器4では高レートまたは中レートの量子化テーブ
ルが選択される必要がある。一方、高域成分判定値演算
回路8の計算値Eが大きいような場合は、そのブロック
は、ブロック内で水平方向に対して画像の傾向が大きく
変化し、復号器側で量子化誤差が生じやすいと考えられ
る。よって計算値Dが小さく、計算値Eが大きいような
場合は高い空間周波数の影響を無視できないため高レー
トの量子化テーブルが選択されることが望まれる。そこ
で判定器9は、高域成分判定値演算回路8から出力され
る計算値D及び計算値Eに対して図10のような判定図に
より水平方向の量子化レベルを選定する。
【0036】以上のようにして選定された水平方向と垂
直方向とに対する2種類の量子化レベルに対して、判定
器9は、量子化ステップが細かい方を全体のサブバンド
ブロックの量子化レベルとして選定する。例えば垂直方
向の選定結果がQ1 、水平方向の選定結果がQ2 の場合
は全体のサブバンドブロックは量子化テーブルQ1 によ
って量子化される。
【0037】判定器9の動作を具体的に示すために、図
11(a) のように平坦な背景に高いコントラストで線が含
まれるようなブロックを考える。このようなブロックは
平坦な部分に量子化ノイズが広がり画質劣化が目立ちや
すいので、高レートの量子化テーブルが選択される必要
がある。このブロックの低域成分及び高域成分を図7の
ように4つのサブブロックに分割し低域成分の垂直方向
に対する隣合う画素間の差の絶対値和v1 ,v2
3 ,v4 及び、高域成分のサブブロックを構成する画
素値の絶対値の最大値u1 ,u2 ,u3 ,u4 を求め
る。例えば9ビットに量子化されたデータの一例ではv
1 =9,v2 =11,v3 =15,v4 =76及びu1 =6,
2 =2,u3 =10,u4 =13のような値になる。した
がって、計算値A,B,C,D,Eはそれぞれ、A=MI
N(9,11,15,76) =9,B=MAX(9,11,15,76) =
76,C=76−9=67,D=MIN(6,2,10,13) =2,
E=MAX(6,2,10,13) =13のような値となる。垂直
方向に関しては図12(a) に示す判定図において点aに位
置し、高レートの量子化テーブルが選択され、一方水平
方向に関しては図12(b) に示す判定図において点αに位
置するため中レートの量子化テーブルが選択される。こ
の場合サブバンドブロック全体の量子化レベルは、垂直
方向と水平方向とで量子化レベルが細かくなる方を選択
するため、高レートの量子化テーブルが選択される。
【0038】一方図11(b) に示すように背景が平坦であ
まりコントラストが高くないエッジが含まれている場
合、このブロックには平坦部があるため低レートの量子
化を行なうことはできないが、コントラストはあまり高
くないので、高い空間周波数の影響は小さく中レートの
量子化を行なえばよい。このような場合、一例としてv
1 =29,v2 =27,v3 =2,v4 =2及びu1 =3,
2 =2,u3 =2,u4 =2のような値となる。この
場合、計算値A,B,C,D,Eはそれぞれ、A=MIN
(29,27,2,2) =2,B=MAX(29,27,2,2) =2
9,C=29−2=27,D=MIN(3,2,2,2) =2,
E=MAX(3,2,2,2) =3のような値となる。垂直
方向に関しては図12(a) に示す判定図において点bに位
置し、中レートの量子化テーブルが選択され、一方水平
方向に関しても図12(b) に示す判定図において点βに位
置するため中レートの量子化テーブルが選択される。こ
の場合サブバンドブロック全体の量子化レベルは、中レ
ートの量子化テーブルが選択される。
【0039】更に図11(c) に示すようにブロック全体に
わたって動きが激しい場合は、画質劣化が目立ちにくい
ので、低レートの量子化を行なえばよい。このような場
合、一例としてv1 =50,v2 =52,v3 =80,v4
116 及びu1 =17,u2 =19,u3 =59,u4 =65のよ
うな値となる。この場合、計算値A,B,C,D,Eは
それぞれ、A=MIN(50,52,80,116)=50,B=MAX(5
0,52,80,116)=116,C=116 −50=66,D=MIN(1
7,19,59,65) =17,E=MAX(17,19,59,65)=65の
ような値となる。垂直方向に関しては図12(a) に示す判
定図において点cに位置し、低レートの量子化テーブル
が選択され、一方水平方向に関しても図12(b) に示す判
定図において点γに位置するため低レートの量子化テー
ブルが選択される。この場合サブバンドブロック全体の
量子化レベルは、低レートの量子化テーブルが選択され
る。
【0040】判定器9の判定結果に従って、適応量子化
器4ではサブバンドブロック毎に量子化ステップが選定
され、直交変換回路3から出力される変換係数が選定さ
れた量子化ステップにより量子化される。そして、サブ
バンドブロック毎の量子化ステップを示す量子化パラメ
ータと量子化された変換係数とが可変長符号器5へ出力
される。適応量子化器4の出力は可変長符号器5で可変
長符号化され、バッファメモリ6に入力される。バッフ
ァメモリ6に蓄えられたデータは固定レートで読み出さ
れる。
【0041】制御器10はバッファメモリ6に蓄えられた
データ量を検知し、バッファメモリ6がオーバーフロー
しないように判定器9における量子化ステップの選定の
仕方を制御する。例えば、バッファメモリ6に十分余裕
がある場合は図9及び図10に従って量子化ステップを選
定し、バッファメモリ6が飽和状態に近くなった場合
は、図13及び図14のように低レートの量子化テーブルを
選定する割合が増すような選定基準に移行させる。
【0042】なお、上記実施例では、垂直方向の量子化
判定にサブバンド分割された低域成分の隣合う画素間の
絶対値和により、垂直方向の平坦部とエッジ部とを検出
している。インターレースされたTV信号の場合、垂直方
向に対する相関があまりないので、エッジ部の検出には
同様に計算値Cを用い、平坦部の検出には高域成分判定
値演算回路8より出力される計算値Dを用いて、垂直方
向の量子化ステップの選定を行なってもよい。
【0043】また上記実施例では、1ブロックを4つの
サブブロックに分割したが、必ずしも4分割する必要は
なく、1ブロックの大きさなどによりサブブロックの個
数を決定すればよい。また、サブバンド分割は2分割で
行なったが、必ずしも2分割する必要はなくn分割のサ
ブバンド分割を行なってもよい。また、水平方向に対し
てサブバンド分割を行なう必要はなく垂直方向または時
間方向に行なってもよい。
【0044】(第2実施例)上述の第1実施例では、低
域成分判定値演算回路7と高域成分判定値演算回路8と
において1ブロックを複数のサブブロックに分割する際
に各サブブロックは隣合ったサブブロックとオーバーラ
ップしていなかったが、各サブブロックがオーバーラッ
プするように分割してもよい。このように構成した例
が、本発明の第2実施例である。第2実施例における全
体構成は、第1実施例(図2)と同じであるが、低域成
分判定値演算回路7及び高域成分判定値演算回路8の内
部構成が異なっている。
【0045】第2実施例における低域成分判定値演算回
路7の一構成例を図15に示す。低域成分判定値演算回路
7は、ブロック化回路2から出力される各ブロックを9
個のサブブロックに分割するサブブロック化回路51と、
各サブブロックの垂直方向の隣合う画素間の差の絶対値
和を求める演算器52,53,54,55,56,57,58,59,60と、演算
器52〜60の出力の最小値を検出して出力する最小値検出
器61と、演算器52〜60の出力の最大値を検出して出力す
る最大値検出器62と、最大値検出器62の出力から最小値
検出器61の出力を減算する減算器63とを有する。
【0046】以下、低域成分判定値演算部7の動作を図
15に従って説明する。ブロック化回路2から出力される
低域バンドの各ブロックは、サブブロック化回路51で9
個のサブブロックに分割される。例えば、ブロック化回
路2が8画素×8ラインのブロックを出力する場合、サ
ブブロック化回路51は図16のように水平方向及び垂直方
向に対してそれぞれ2画素分オーバーラップさせて、1
ブロックを4画素×4ラインの9個のサブブロックに分
割する。9個のサブブロックをそれぞれy1 〜y9
し、各サブブロックの画素値をそれぞれy1 (i,j) 〜y
9 (i,j) (i,j=1,2,3,4)と表すことにす
る。演算器52〜60にはそれぞれサブブロックy1 9
が入力される。ここで演算器52は入力サブブロックy1
に対して、サブブロックy1 内の垂直方向の隣合う画素
の差の絶対値和v1 を、下式により演算する。
【0047】
【数6】
【0048】また、演算器52〜60も同様にそれぞれ、入
力サブブロックy2 (i,j) 〜y9 (i,j) に対して、サブ
ブロックy2 〜y9 内の垂直方向の隣合う画素の差の絶
対値和v2 〜v9 を、下式により演算する。
【0049】
【数7】
【0050】最小値検出器61は、演算器52〜60の出力の
最小値すなわちA=MIN {v1 ,v2 ,v3 ,v4 ,v
5 ,v6 ,v7 ,v8 ,v9 }を検出して出力する。こ
の最小値検出器61の出力Aは第1の計算値として判定器
9に入力される。また、最小値検出器61の出力は減算器
63にも入力される。一方、最大値検出器62は、演算器52
〜60の出力の最大値すなわちB=MAX {v1 ,v2 ,v
3 ,v4 ,v5 ,v6,v7 ,v8 ,v9 }を検出して
出力する。減算器63は、最大値検出器62の出力Bから最
小値検出器61の出力Aを減算する。減算器63の出力C=
B−Aは第2の計算値として判定器9に入力される。
【0051】また、第2実施例における高域成分判定値
演算回路8の一構成例を図17に示す。高域成分判定値演
算回路8は、ブロック化回路2から出力される各ブロッ
クを、オーバーラップさせて9個のサブブロックに分割
するサブブロック化回路71と、各サブブロックの画素値
の絶対値の最大値を求める演算器72,73,74,75,76,77,7
8,79,80と、演算器72〜80の出力の最小値を検出して出
力する最小値検出器81と、演算器72〜80の出力の最大値
を検出して出力する最大値検出器82とを有する。
【0052】次に、高域成分判定値演算回路8の動作を
図17に従って説明する。ブロック化回路2から出力され
る高域バンドの各ブロックは、サブブロック化回路71で
9個のサブブロックに分割される。例えば、ブロック化
回路2が8画素×8ラインのブロックを出力する場合、
サブブロック化回路71は図16のように1ブロックを水平
及び垂直方向に対して2画素分オーバーラップさせて、
4画素×4ラインのサブブロック9個に分割する。分割
された9個のサブブロックをそれぞれx1 〜x9 とし、
各サブブロックの画素値をそれぞれx1 (i,j) 〜x
9 (i,j) (i,j=1,2,3,4)と表すことにす
る。演算器72〜80にはそれぞれサブブロックx1 〜x9
が入力される。演算器72は入力サブブロックx1 に対し
て、サブブロックx1 を構成する画素値の絶対値の最大
値u1 =MAX |x1 (i,j) |を出力する。演算器73〜80
も同様に、サブブロックx2 〜x9 を構成する画素値の
絶対値の最大値u2 =MAX |x2 (i,j) |〜u9 =MAX
|x9 (i,j) |を出力する。
【0053】最小値検出器81は、演算器72〜80の出力の
最小値すなわちD=MIN {u1 ,u2 ,u3 ,u4 ,u
5 ,u6 ,u7 ,u8 ,u9 }を出力する。この最小値
検出器46の出力Dは第3の計算値として判定器9に入力
される。一方、最大値検出器82は、演算器72〜80の出力
の最大値すなわちE=MAX {u1 ,u2 ,u3 ,u4
5 ,u6 ,u7 ,u8 ,u9 }を出力する。この最大
値検出器82の出力Eは第4の計算値として判定器9に入
力される。
【0054】判定器9は、低域成分判定値演算回路7及
び高域成分判定値演算回路8からの計算値に基づいて最
適な量子化ステップを選定する。なお、この選定手順は
第1実施例と同様であるのでその説明は省略する。ま
た、直交変換回路3,適応量子化器4,可変長符号器
5,バッファメモリ6及び制御器10の動作は、第1実施
例と同様であるのでその説明は省略する。
【0055】なお、上記実施例においては、いずれも1
ブロックを隣合うサブブロックとオーバーラップさせて
9個のサブブロックを構成しているが、必ずしも9分割
する必要はなく、1ブロックの大きさなどによりサブブ
ロックの個数を決定すればよい。
【0056】また、上記実施例では、垂直方向の量子化
判定にサブバンド分割された低域成分の隣合う画素間の
絶対値和により、垂直方向の平坦部とエッジ部を検出し
ているが、インターレースされたTV信号の場合、垂直方
向に対する相関があまりないので、エッジ部の検出には
同様に計算値Cを用い、平坦部の検出には高域成分判定
値演算回路8より出力される計算値Dを用いて、垂直方
向の量子化ステップの選定を行なってもよい。更に、サ
ブバンド分割は2分割で行なったが、必ずしも2分割す
る必要はなくn分割のサブバンド分割を行なってもよ
い。また、水平方向に対してサブバンド分割を行なう必
要はなく垂直方向または時間方向に行なってもよい。
【0057】(第3実施例)なお、上述の第1,第2実
施例では、サブバンド分割をし、この低域成分の各サブ
ブロックの隣合う画素間の絶対値和及び、高域成分の各
サブブロックを構成する画素値によって量子化ステップ
を選定していたが、サブバンド分割を行なわず、各サブ
ブロックの隣合う画素間の絶対値和によって量子化ステ
ップを選定してもよい。このように構成した例が、本発
明の第3実施例である。
【0058】図18は第3実施例の構成を示すブロック図
である。図において91は、入力されるディジタル画像信
号 (輝度信号と2つの色差信号、またはRGB信号) を
複数の画素毎にブロック化するブロック化回路であり、
ブロック化回路91は、構成した各ブロックを直交変換回
路92及び判定値演算回路96へ出力する。直交変換回路92
は、ブロック化回路91から出力される各ブロックに直交
変換を施して変換係数を得、得られた変換係数を適応量
子化器93へ出力する。適応量子化器93は、入力された変
換係数を適応的に量子化し、量子化データを可変長符号
器94へ出力する。可変長符号器94は、適応量子化器93の
出力を可変長符号化し、可変長符号化データをバッファ
メモリ95へ出力する。バッファメモリ95は、可変長符号
器94の出力を固定の出力レートに変換して記憶する。判
定値演算回路96は、ブロック化回路91から出力される各
ブロックに対して、1ブロックを複数個のサブブロック
に分割し、各サブブロック内の隣合う画素間の差の絶対
値和から適応量子化判定値を演算して判定器97へ出力す
る。判定器97は、判定値演算回路96から出力される計算
値に基づいて適応量子化器93の量子化ステップを選定す
る。なお98は、バッファメモリ95がオーバーフローしな
いように判定器97の量子化ステップの選定を制御する制
御器である。
【0059】次に動作について説明する。入力されたデ
ィジタル画像信号は、ブロック化回路91により、例え
ば、水平8画素×垂直8ラインにブロック化される。ブ
ロック化回路91は、ブロック単位で画像データを出力す
る。ブロック化回路91から出力される各ブロックは直交
変換回路92において直交変換が施される。直交変換とし
ては、例えばDCTを用いる。直交変換回路92から出力
される変換係数は量子化ステップが異なる複数の量子化
テーブルを保持した適応量子化器93に入力される。適応
量子化器93の量子化パラメータは、制御器98からの制御
と判定値演算回路96の演算結果とに従って判定器97で決
定される。
【0060】次に、判定値演算回路96の動作を、その内
部構成を示す図19に従って説明する。ブロック化回路91
から出力される各ブロックは、サブブロック化回路101
で9個のサブブロックに分割される。例えば、ブロック
化回路91が8画素×8ラインのブロックを出力する場
合、サブブロック化回路101 は、図16に示すように水平
方向及び垂直方向に対してそれぞれ2画素ずつオーバー
ラップさせて、1ブロックを4画素×4ラインのサブブ
ロックに9個に分割する。
【0061】ここで、9個のサブブロックをそれぞれy
1 〜y9 とし、各サブブロックの画素値をそれぞれy1
(i,j) 〜y9 (i,j) (i,j=1,2,3,4)と表す
ことにする。演算器102 〜110 にはそれぞれサブブロッ
クy1 〜y9 が入力される。演算器102 は入力サブブロ
ックy1 に対して、サブブロックy1 内の水平方向の隣
合う画素の差の絶対値和v1 と、サブブロックy1 内の
水平,垂直方向の隣合う画素の差の絶対値和w1 とを、
下式により演算する。
【0062】
【数8】
【0063】また、演算器103 〜110 も同様にそれぞ
れ、サブブロックy2 〜y9 に対して、水平方向の隣合
う画素の差の絶対値和v2 〜v9 と、サブブロックy1
内の水平,垂直方向の隣合う画素の差の絶対値和w2
9 とを下式により演算する。
【0064】
【数9】
【0065】第1の判定値演算器111 は、v1 〜v9
最小値すなわち、A=MIN {v1 ,v2 ,v3 ,v4
5 ,v6 ,v7 ,v8 ,v9 }を検出して出力する。
この第1の判定値演算器111 の出力Aは第1の判定値A
として判定器97に入力される。ここで、Aは判定器97で
画像ブロックの平坦部を表わすパラメータとして扱われ
る。一方、第2の判定値演算器112 は、w1 〜w9 の最
大値すなわち、NUM1=MAX {w1 ,w2 ,w3 ,w4
5 ,w6 ,w7 ,w8 ,w9 }とw1 〜wの最小値
すなわち、NUM2=MIN {w1 ,w2 ,w3 ,w4
5 ,w6 ,w7 ,w8 ,w9 }とを検出し、C=NUM1
−NUM2を第2の判定値Cとして判定器97へ出力する。こ
こで、Cは判定器97で画像ブロックのエッジ部を表わす
パラメータとして扱われる。
【0066】判定器97は、第1の判定値演算部111 の出
力Aを画像ブロックの平坦部を表わすパラメータとし、
第2の判定値演算器112 の出力Cを画像ブロックのエッ
ジ部を表わすパラメータとして図20に示すような判定図
にしたがって量子化レベルを選定する。以下、可変長符
号器94、バッファメモリ95及び制御器98については第1
実施例の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】なお、上記実施例においては、いずれも1
ブロックを隣合うサブブロックとオーバーラップさせて
9個のサブブロックを構成しているが必ずしも9分割す
る必要はなく、1ブロックの大きさなどによりサブブロ
ックの個数を決定すればよい。また、上記実施例では、
サブブロックの水平方向の隣合う画素間の絶対値和に基
づいて平坦部の検出を行なっているが、エッジ部の検出
にNUM2を用いて判定してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明の高能率符号化装
置では量子化を行なう際に、画質劣化が目立ちやすいブ
ロックには細かい量子化ステップ幅、即ち高レートの量
子化レベルを選択するように構成したので、画質劣化の
目立たない高能率符号化装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高能率符号化装置の構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明の高能率符号化装置の第1, 2実施例の
構成を示すブロック図である。
【図3】第1,2実施例におけるサブバンド分割回路の
内部構成を示すブロック図である。
【図4】画像信号の水平方向に対するサブバンド分割を
示す図である。
【図5】画像信号の水平方向のサブバンド分割に用いる
各種フィルタの周波数特性を示す図である。
【図6】第1実施例における低域成分判定値演算回路の
内部構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施例のサブブロック化回路におけるブロ
ック分割例を示す図である。
【図8】第1実施例における高域成分判定値演算回路の
内部構成を示すブロック図である。
【図9】第1実施例における低域成分に対する量子化判
定の一例を示す図である。
【図10】第1実施例における高域成分に対する量子化
判定の一例を示す図である。
【図11】第1実施例における判定器の動作を説明する
ための画像ブロックの一例を示す図である。
【図12】第1実施例における量子化判定の一例を示す
図である。
【図13】第1実施例における低域成分に対する量子化
判定の一例を示す図である。
【図14】第1実施例における高域成分に対する量子化
判定の一例を示す図である。
【図15】第2実施例における低域成分判定値演算回路
の内部構成を示すブロック図である。
【図16】第2実施例のサブブロック化回路におけるブ
ロック分割例を示す図である。
【図17】第2実施例における高域成分判定値演算回路
の内部構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の高能率符号化装置の第3実施例の構
成を示すブロック図である。
【図19】第3実施例における判定値演算回路の内部構
成を示す図である。
【図20】第3実施例における量子化判定の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 サブバンド分割回路 2 ブロック化回路 3 直交変換回路 4 適応量子化器 5 可変長符号器 6 バッファメモリ 7 低域成分判定値演算回路 8 高域成分判定値演算回路 9 判定器 10 制御器 91 ブロック化回路 92 直交変換回路 93 適応量子化器 94 可変長符号化回路 95 バッファメモリ 96 判定値演算回路 97 判定器 98 制御器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル画像信号を圧縮して符号化す
    る高能率符号化装置において、 ディジタル画像信号を高域及び低域の複数の周波数帯域
    に分割する手段と、分割した各 帯域の画像信号を複数の画素毎にブロック化
    するブロック化手段と、 ブロック化された画像信号に対して直交変換を施して変
    換係数を得る手段と、 得られた変換係数を量子化する量子化手段と、 量子化された画像データを符号化する手段と、 前記ブロック化手段から出力される各帯域の画像信号の
    各ブロックを更に複数のサブブロックに分割するサブブ
    ロック化手段と、 低域のサブブロックに対し、当該帯域に対応して設定さ
    れた第1の演算を施すことにより、該低域のサブブロッ
    クが属するブロックを量子化するための第1の量子化レ
    ベルを求める第1の演算手段と、 高域のサブブロックに対し、当該帯域に対応して設定さ
    れた前記第1の演算と異なる第2の演算を施すことによ
    り、該高域のサブブロックが属するブロックを量子化す
    るための第2の量子化レベルを求める第2の演算手段
    と、 前記第1の演算手段により求めた第1の量子化レベルと
    前記第2の演算手段により求めた第2の量子化レベルと
    を比較して、より高レートの量子化レベルを前記低域及
    び高域のサブブロックが属するブロックを量子化する際
    の量子化レベルとする 量子化レベル決定手段とを備える
    ことを特徴とする高能率符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記サブブロック化手段は、前記ブロッ
    ク化手段から出力される各帯域の画像信号の各ブロック
    を、水平及び垂直方向に隣合うサブブロックが重なるよ
    うに複数のサブブロックに分割することを特徴とする請
    求項1記載の高能率符号化装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の演算手段は、各サブブロック
    に対して、各サブブロック内の隣合う画素間の画素値の
    差の絶対値の総和の最小値と、該最小値及び前記総和の
    最大値の差とを演算し、演算した両値に基づき前記第1
    の量子化レベ ルを求めることを特徴とする請求項1記載
    高能率符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の演算手段は、各サブブロック
    内の画素値の絶対値の最大値を選択し、選択した最大値
    の中の最小値及び最大値を決定し、決定した両値に基づ
    き前記第2の量子化レベルを求めるべくなしてあること
    を特徴とする請求項1記載の高能率符号化装置。
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