JP3025196B2

JP3025196B2 - 担体回転式生物脱臭装置

Info

Publication number: JP3025196B2
Application number: JP8146692A
Authority: JP
Inventors: 乾二郎本郷
Original assignee: 三協工業株式会社
Priority date: 1996-05-15
Filing date: 1996-05-15
Publication date: 2000-03-27
Anticipated expiration: 2016-05-15
Also published as: JPH09299743A; US5766938A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は担体回転式生物脱臭
装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】微生物を利用した脱臭装置は、微生物を
一定の生活環境に保つ困難性はあるが、そのランニング
コストの安さから世間の注目を集め、いろいろなタイプ
のものが開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の微生物を利用し
た脱臭装置は、微生物を担体の表面に棲息せしめた所謂
部分固定したものしかないため処理ガス能力が小さく、
大量の悪臭ガスを処理しようとすると大規模にならざる
を得ない。また、従来は処理現場に装置を設置した後に
微生物を活着させているため、立ち上がり時間が大で、
３ヶ月から半年もかかっている。本発明は微生物を空隙
率が大きく微生物の孔道が四通八達している担体に包括
固定させることにより処理ガス能力を大にし、結果とし
て、小型の装置でも多岐にわたる適用を可能とし、しか
も担体をカートリッジ化することにより、工場で微生物
を担体に常時包括固定させておき、処理現場に運んで直
ちに供用できる担体回転式生物脱臭装置を提供すること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る担体回転式
生物脱臭装置は、ケーシングと、回転軸と、担体カート
リッジを有している。該ケーシングは悪臭ガスの供給口
と排出口及び給水口と排水口がそれぞれ開口し、蓋板で
閉塞自在の装脱口を備えている。該回転軸は横型でその
一端部が該ケーシング内にある。該担体カートリッジ
は、高密度ポリエチレン製の複数個の担体円盤を、該担
体円盤の外径に適合する内径を有する円筒にそれぞれ間
隔を保って装入し、該円筒の両端に押えリングを取付け
て該担体円盤に微生物を包括固定したものである。この
材質は本件出願人が先に出願した特願平６−１７４８９
６号の担体ビーズと同質のものである。該担体カートリ
ッジを該ケーシングに該装脱口を通って装入し、該ケー
シング内で該回転軸に同一軸線上で取付ける。これで、
担体円盤の下端部が該ケーシング内の水位以下に位置し
得る状態となる。そして、該悪臭ガスの供給口と排出口
は該ケーシングと該担体カートリッジ間に介在する仕切
壁により短絡を阻止されている。

【０００５】該ケーシングはその横断面上で下部内面に
複数の支持輪を有し、該担体カートリッジはその外周面
で該支持輪に載っていてもよい。

【０００６】該担体円盤の一側面に水掻揚げ装置が設け
られていてもよい。

【０００７】該水掻揚げ装置は該担体円盤の面と直角に
かつ放射状に設けられた翼と、該翼の放射方向端部の該
担体円盤の回転方向前面に設けられた桝を有していても
よい。

【０００８】該水掻揚げ装置は該間隔を形成する間隔材
を兼ねていてもよい。

【０００９】該仕切壁は該担体カートリッジに設けられ
た円環板で、該円環板の外周に該ケーシング内壁面と摺
接するシーリング材が設けられていてもよい。

【００１０】該円環板は該ケーシングの悪臭ガスの流入
側に配置されていてもよい。

【００１１】該担体円盤はその軸線と平行の多数の透孔
を有し、該透孔はガス流入側の孔径がガス流出側の孔径
より小さくなっていてもよい。

【００１２】該担体円盤は微生物を包括固定させた複数
個のビーズを埋蔵していてもよい。

【００１３】

【発明の実施の形態】悪臭ガスを処理する場所に基台を
設け、その上にケーシングを設置する。そして、その悪
臭ガスの供給口を悪臭ガスの発生側に導結し、排出口を
大気に開放する。また、その給水口を給水側に導結し、
排水口を排水弁を介しケーシング内の水位と同じレベル
で大気に開放する。同じレベルにする理由は、回転する
担体に常時水を補給し、微生物の棲息を維持すると共
に、担体表面及び内部の空隙を洗浄するためである。洗
浄は大部分が担体側の汚れた水と洗浄水との濃度差に基
づく物質移動によって行われる。

【００１４】ケーシングの外部で基台上に軸受を設け、
横型の回転軸を装架する。そして、この回転軸の一部を
このケーシング内にその端盤を通して挿入する。必要な
場合は、この端盤にケーシングからガスの漏れるのを防
ぐ軸封装置を設ける。

【００１５】高密度ポリエチレン製の複数個の担体円盤
を、担体円盤の外径に適合する内径を有する円筒にそれ
ぞれ間隔を保って装入し、この円筒の両端に押えリング
を取付けて担体カートリッジを構成する。そして、工場
で担体円盤に微生物を包括固定しておく。

【００１６】使用に際しては、この担体カートリッジを
ケーシングに装入して回転軸に取付け、この回転軸を動
力源に導結し、必要な配管をして、現場に運ぶ。

【００１７】給水側から給水口を通してケーシングに水
を供給しておく。これで担体カートリッジの担体円盤の
下端部はケーシング内の水位以下に位置し、水に常時浸
かることとなる。

【００１８】回転軸を回転して担体カートリッジを回転
し、悪臭ガスを供給口からケーシングに送り込む。供給
口と排出口はケーシングと担体カートリッジ間に介在す
る仕切壁により短絡を阻止されているので、悪臭ガスは
担体カートリッジの中を通過することになる。即ち、担
体カートリッジの一端の押えリングを通ってその内部に
入り、担体円盤を通過する度にそこに包括固定されてい
る微生物により悪臭成分が捕食され、最終的に脱臭され
て他端の押えリングから格子状の被取付板を通って、排
出口から大気中へ放出される。担体円盤は連続して回転
し常に補水されているので、微生物の生活環境は完全に
保たれ、その作用を最大限に発揮する。

【００１９】該ケーシングがその横断面上で下部内面に
複数の支持輪を有し、該担体カートリッジがその外周面
で該支持輪に載っていると、軸受に無理な力がかから
ず、長期にわたる安定した運転が可能となる。

【００２０】該担体円盤の一側面に水掻揚げ装置が設け
られていると、該担体円盤の回転により、該水掻揚げ装
置が水を掻揚げて該担体円盤に補給するので、微生物の
生活環境が良好に保たれる。

【００２１】該水掻揚げ装置が該担体円盤の面と直角に
かつ放射状に設けられた翼と、該翼の放射方向端部の該
担体円盤の回転方向前面に設けられた桝を有している
と、該桝により所定量の水を掻揚げられると共に、その
放水が該翼を伝って該担体円盤の中心部にも及ぶので、
該担体円盤に万遍無く補水できる。

【００２２】該水掻揚げ装置が該間隔を形成する間隔材
を兼ねていると、いちいち間隔材を介装しなくても確実
に間隔が保て、部品点数の低減にもなる。

【００２３】該仕切壁が該担体カートリッジに設けられ
た円環板で、該円環板の外周に該ケーシング内壁面と摺
接するシーリング材が設けられていると、仕切壁の設置
が容易となり、かつガスの漏れを防いで完全に脱臭す
る。

【００２４】該円環板が該ケーシングの悪臭ガスの流入
側に配置されていると、悪臭ガスの溜り場がなくなり、
ほぼ完全に処理できる。

【００２５】該担体円盤がその軸線と平行の多数の透孔
を有し、該透孔はガス流入側の孔径がガス流出側の孔径
より小さくなっていると、ガスの圧損が少なくなる。

【００２６】該担体円盤が微生物を包括固定させた複数
個のビーズを埋蔵していると、微生物の包括固定量が一
層増大し、悪臭ガスの処理効果が上がる。

【００２７】

【実施例】１はケーシング、２は回転軸、３は担体カー
トリッジである。ケーシング１は悪臭ガスの供給口１１
と排出口１２が開口し、かつ給水口１３と排水口１４も
必要時に開口する。そして、蓋板１５で閉塞自在の装脱
口１６を備えている。

【００２８】回転軸２は横型で、その一端部２１がケー
シング１内にある。担体カートリッジ３は高密度ポリエ
チレン製の複数個の担体円盤３１を、この担体円盤３１
の外径に適合する内径を有する円筒３２にそれぞれ間隔
Ｓを保って装入し、この円筒３２の両端に押えリング３
３、３４を取付けて担体円盤３１に微生物を包括固定し
たものである。この担体カートリッジ３はケーシング１
に装脱口１６を通って装脱自在で、ケーシング１内で回
転軸２に、格子状の被取付板３３ａを回転軸２端の取付
板２２にボルト・ナット止めして、同一軸線上で取付け
られ、下端部がケーシング１内の水位Ｌ以下に位置して
いる。

【００２９】悪臭ガスの供給口１１と排出口１２はケー
シング１と担体カートリッジ３間に介在する仕切壁３５
により短絡を阻止されている。

【００３０】悪臭ガスを処理する場所に基台４１を設
け、その上にケーシング１を設置する。そして、その悪
臭ガスの供給口１１を悪臭ガスの発生側に導結し、排出
口１２を大気に開放する。また、その給水口１３を給水
側に導結し、排水口１４を排水弁４２を介しケーシング
１内の水位Ｌと同じレベルで大気に開放する。

【００３１】この基台４１に軸受４３を設け、回転軸２
を支持させてこの回転軸２の一端部２１をケーシング１
の端壁１７を通してケーシング１内に入れ、端面に取付
板２２を取付ける。基台４１に原動機４４を設け、回転
軸２をこの原動機４４に導結する。

【００３２】この排水口１２からの排水路４５の最低水
準位置にチーズプラグ４６を設けて微生物の死骸や悪臭
ガスからの析出物等の取出用とする。チーズプラグ４６
にすることにより、悪戯等による開放がされにくく、前
記と同様に担体の乾燥による微生物の死滅が防がれる。

【００３３】給水側から給水口１１を通してケーシング
１に水を供給し、排水口１４を通って排水させる。これ
で担体カートリッジ３内の担体円盤３１の下端部はケー
シング１内の水位Ｌ以下に位置し、水に常時浸かること
となる。

【００３４】原動機４４により回転軸２を回転して担体
カートリッジ３を回転し、悪臭ガスを供給口１１からケ
ーシング１に送り込む。供給口１１と排出口１２はケー
シング１と担体カートリッジ３間に介在する仕切壁３５
により短絡を阻止されているので、悪臭ガスは担体カー
トリッジ３の中を通過することになる。即ち、担体カー
トリッジ３の一端の押えリング３４を通ってその内部に
入り、担体円盤３１を通過する度にそこに包括固定され
ている微生物により悪臭成分が捕食されて最終的に脱臭
され、他端の押えリング３４から格子状の被取付板３３
ａを通って排出口１２から大気中へ放出される。担体円
盤３１は連続回転中にその外周部分が水の中をくぐり抜
けるので常に補水及び洗浄されることとなり、微生物の
生活環境は完全に保たれ、その作用を最大限に発揮す
る。

【００３５】ケーシング１はその横断面上で下部内面に
複数の支持輪１８を有し、担体カートリッジ３がその外
周面でこの支持輪１８に載っている。こうすると、軸受
４３に無理な力がかからず、長期にわたる安定した運転
が可能となる。

【００３６】担体円盤３１の一側面に水掻揚げ装置３６
が設けられている。こうすると、担体円盤３１の回転に
より、水掻揚げ装置３６が水を掻揚げて担体円盤３１に
補給するので、微生物の生活環境が良好に保たれる。

【００３７】水掻揚げ装置３６は担体円盤３１の面と直
角にかつ放射状に設けられた翼３６ａと、この翼３６ａ
の放射方向端部の担体円盤３１の回転方向前面に設けら
れた桝３６ｂを有している。こうすると、桝３６ｂによ
り所定量の水を掻揚げられると共に、その放水が翼３６
ａを伝って担体円盤３１の中心部にも及ぶので、担体円
盤３１に万遍無く補水できる。

【００３８】水掻揚げ装置３６は間隔Ｓを形成する間隔
材を兼ねている。こうすると、いちいち間隔材を介装し
なくても確実に間隔が保て、部品点数の低減にもなる。

【００３９】仕切壁３５が担体カートリッジ３に設けら
れた円環板３５′で、この円環板の外周にケーシング１
の内壁面と摺接するシーリング材３７が設けられている
と、仕切壁３５の設置が容易となり、かつガスの漏れを
防いで完全に脱臭する。

【００４０】円環板３５′が円筒３２の悪臭ガスの流入
側の端面に取付けられていると、悪臭ガスの溜り場がな
くなり、ほぼ完全に処理される。

【００４１】担体円盤３１がその軸線と平行の多数の透
孔３８を有し、この透孔はガス流入側の孔径Ｄ₁がガス
流出側の孔径Ｄ₂より小さくなっていると、ガスの圧損
が少なくなる。

【００４２】担体円盤３１が微生物を包括固定させた複
数個のビーズ３９を埋蔵していると、微生物の包括固定
量が一層増大し、悪臭ガスの処理効果が上がる。

【００４３】

【発明の効果】本発明によれば、微生物を担体に包括固
定したので悪臭ガスの処理能力が大で、結果として小型
の装置でも多岐にわたる適用が可能で、担体をカートリ
ッジ化したので工場で微生物を担体に常時包括固定させ
ておけ、装置を組み立てて現場に運ん設置すれば、装置
を直ちに立ち上げることができ、担体カートリッジをケ
ーシングに回転自在に装入して回転中にその担体円盤の
一部がケーシング内の水位以下を通過するようにしたの
で、担体円盤の乾燥を防いで微生物の生活環境を完全に
保つことができ、従って、その作用を最大限に発揮させ
ることができ、メインテナンスフリーにできる。

【００４４】請求項２によれば、軸受に無理な力がかか
らず、長期にわたる安定した運転を可能にできる。請求
項３によれば、担体円盤の回転により、水掻揚げ装置が
水を掻揚げて担体円盤に補給するので、微生物の生活環
境を良好に保つことができる。

【００４５】請求項４によれば、桝により所定量の水を
掻揚げられると共に、その放水を翼を伝って担体円盤の
中心部にも及ばせることができ、担体円盤に万遍無く補
水することができる。請求項５によれば、いちいち間隔
材を介装しなくても確実に間隔を保つことができ、部品
点数の低減できる。

【００４６】請求項６によれば、仕切壁の設置が容易と
なり、かつガスの漏れを防いで完全に脱臭できる。請求
項７によれば、悪臭ガスの溜り場をなくすことができ、
ほぼ完全に処理できる。

【００４７】請求項８によればガスの圧損を少なくでき
る。請求項９によれば、微生物の包括固定量を一層増大
でき、悪臭ガスの処理効果も一層上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる担体回転式生物脱臭装置の具体
例を示す一部切断正面図である。

【図２】同平面図である。

【図３】同図１の左側面図である。

【図４】円環板の一部切欠斜面図である。

【図５】仕切壁の一例の部分切欠斜面図である。

【符号の説明】

１ケーシング２回転軸３担体カートリッジ１１供給口１２排出口１３給水口１４排水口１５蓋板１６装脱口１７端壁１８支持輪２１一端部２２取付板３１担体円盤３２円筒Ｓ間隔３３押えリング３３ａ被取付板３４押えリングＬ水位３５仕切壁３５′ 円環板３６水掻揚げ装置３６ａ翼３６ｂ桝３７シーリング材３８透孔３９ビーズ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ケーシング(1)と、回転軸(2)と、担体カ
ートリッジ(3)を有し、該ケーシング(1)は悪臭ガスの供給口(11)と排出口(12)
及び給水口(13)と排水口(14)がそれぞれ開口し、蓋板(1
5)で閉塞自在の装脱口(16)を備え、該回転軸(2)は横型でその一端部(21)が該ケーシング(1)
内にあり、該担体カートリッジ(3)は、高密度ポリエチレン製の複
数個の担体円盤(31)を該担体円盤(31)の外径に適合する
内径を有する円筒(32)にそれぞれ間隔(S)を保って装入
し該円筒(32)の両端に押えリング(33,34)を取付けて該
担体円盤(31)に微生物を包括固定したもので、該ケーシ
ング(1)に該装脱口(16)を通って装脱自在で該ケーシン
グ(1)内で該回転軸(2)に同一軸線上で取付けられ、該担
体円盤(31)の下端部が該ケーシング(1)内の水位(L)以下
に位置し、該悪臭ガスの供給口(11)と排出口(12)は該ケーシング
(1)と該担体カートリッジ(3)間に介在する仕切壁(35)に
より短絡を阻止されていることを特徴とする担体回転式
生物脱臭装置。
【請求項２】該ケーシング(1)はその横断面上で下部
内面に複数の支持輪(18)を有し、該担体カートリッジ
(3)はその外周面で該支持輪(18)に載っている請求項１
に記載の担体回転式生物脱臭装置。
【請求項３】該担体円盤(31)の一側面に水掻揚げ装置
(36)が設けられている請求項１に記載の担体回転式生物
脱臭装置。
【請求項４】該水掻揚げ装置(36)は該担体円盤(31)の
面と直角にかつ放射状に設けられた翼(36a)と、該翼(36
a)の放射方向端部の該担体円盤(31)の回転方向前面に設
けられた桝(36b)を有している請求項３記載の担体回転
式生物脱臭装置。
【請求項５】該水掻揚げ装置(36)は該間隔(S)を形成
する間隔材を兼ねている請求項３に記載の担体回転式生
物脱臭装置。
【請求項６】該仕切壁(35)は該担体カートリッジ(3)
に設けられた円環板(35')で、該円環板(35')の外周に該
ケーシング(1)の内壁面と摺接するシーリング材(37)が
設けられている請求項１に記載の担体回転式生物脱臭装
置。
【請求項７】該円環板(35')は該ケーシング(1)の悪臭
ガスの流入側に配置されている請求項６に記載の担体回
転式生物脱臭装置。
【請求項８】該担体円盤(31)はその軸線と平行の多数
の透孔(38)を有し、該透孔(38)はガス流入側の孔径(D₁)
がガス流出側の孔径(D₂)より小さくなっている請求項１
に記載の担体回転式生物脱臭装置。
【請求項９】該担体円盤(31)は微生物を包括固定させ
た複数個のビーズ(39)を埋蔵している請求項１に記載の
担体回転式生物脱臭装置。