JP3025138B2 - スラブ据付け機 - Google Patents

スラブ据付け機

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JP3025138B2
JP3025138B2 JP5248627A JP24862793A JP3025138B2 JP 3025138 B2 JP3025138 B2 JP 3025138B2 JP 5248627 A JP5248627 A JP 5248627A JP 24862793 A JP24862793 A JP 24862793A JP 3025138 B2 JP3025138 B2 JP 3025138B2
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勝美 橋本
泰郎 丹間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バラスト軌道をスラブ
軌道化する場合にスラブをレール直下に据付けるのに好
適なスラブ据付け機に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道におけるバラスト軌道は列車通過時
の繰返し荷重によりバラストの角部が丸味をおび沈下
し、軌道のアライメントが狂い乗心地の悪化や列車走行
騒音増をもたらすため、定期的に古いバラストを新しい
バラストに交換する要があり、その交換作業は、列車の
走らない夜間から明け方にかけ多くの人力に依存し、労
働力の確保とともに工事費用も高額のものとなってお
り、この問題を解消するのがスラブ軌道である。しかし
てこのスラブ軌道は、一度敷設するとバラストのように
摩滅することがないため保守管理が容易であるが、スラ
ブも長さ約6m,幅約2m,厚さ約0.4m,重量5〜
6ton/組とかなり大形の重量物であり、この大形重量
物のスラブをレール直下に敷設するには、工事現場まで
運搬車で運んだスラブをクレーン車にて吊り上げレール
下に大勢の作業員の手をかり吊り降ろし、位置出し作業
をしながら据付けており、スラブを工事現場まで搬送す
ることと相俟って人手を要する大規模な作業となり、ま
た危険を伴う作業でもある。またこの作業は、列車営業
時間外の深夜から明け方までの4〜5時間内で必ず工事
を完了させなければならない制約がある。そこでこのス
ラブ据付け作業を迅速安全に行う機械の開発が望まれて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて提案されたもので、重量物であるスラブを
動力により遠隔操作にてレール下に据付けることができ
るとともに、その据付け作業が容易迅速かつ安全に遂行
できるスラブ据付け機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのために本発明のスラ
ブ据付け機は、レール上を走行する車輪を有し走行及び
スラブ据付けを遠隔操作する運転室と走行及びスラブ据
付けの動力源を備えた動力室を配置した台車と、上記
台車上に設けられ分割型スラブ2組を乗載するスラブ乗
載部と、上記スラブ乗載部に装備され上記分割型スラブ
を台車下に降ろしレール下に据付けるスラブ据付け手段
とを具え、同スラブ据付け手段は上下,左右に作動する
油圧シリンダーに連動する1対のフォークよりなり、一
方のフォークはレール中央より一方の分割スラブを据付
け他方のフォークはレール側方よ り他方の分割スラブを
据付けることを特徴とする。また、本発明のスラブ据付
け機は、上記車輪を上記台車の前部及び後部にそれぞれ
設けて一方の車輪を上記台車の前後方向に移動可能の可
動車輪としてそなえるとともに、同可動車輪の近傍で上
記台車にアウトリガーを設け、走行時における前後の車
輪間隔より長いスラブをレール下に据付ける場合に上記
アウトリガーを張り出した状態で上記可動車輪を他方の
車輪から遠ざかるように移動しうる可動車輪前後動機構
が設けられたことを特徴とする。 さらに、本発明のスラ
ブ据付け機は、上記台車を2両連結してスラブ据付けを
行う場合に、両台車に乗載のスラブ中心間寸法が、スラ
ブ長Lと据付け時スラブ間クリアランスclの2倍の和
(2L+2cl)にて構成されるように設定されたこと
を特徴とする。
【0005】
【作用】本発明スラブ据付け機においては、スラブ乗載
部に2組乗載の分割型スラブのうち、まず1組の分割型
スラブの各分割スラブに対し、運転室から遠隔操作によ
りそれぞれスラブ据付け手段としての1対の油圧式フォ
ークを作動させ、一方の分割スラブをレール中央から他
方の分割スラブをレール外側からそれぞれ降下させ、レ
ールより下方位置に達したところでレール下に移動させ
たのち、2個の分割スラブをスラブ締結具で固定する。
次いで据付け手段としての上記フォークを元の位置に戻
し、他の1組の分割型スラブに同様の操作を施して、こ
れも台車から降下させレール下に移動させる。また、上
記台車の走行時における前後の車輪間隔より長いスラブ
を台車から降ろしてレール下に据付ける際には、上記ア
ウトリガーを張り出して上記可動車輪を他方の固定車輪
から遠ざかるように移動させることにより、上記の長い
スラブの据付け作業が支障なく行われる。 さらに、2両
連結の台車からスラブを降ろして据付け作業を行う際に
は、各台車に乗載のスラブ中心間寸法が前述の寸法(2
L+2cl)に設定されることにより、各スラブのレー
ル下への据付けが適切に行われるようになる。
【0006】
【実施例】本発明スラブ据付け機の一実施例を図面につ
いて説明すると、図1は本機械を示し、同図(a)は側
面図、同図(b)は(a)のb−bに沿った断面図、同
図(c)は平面図、図2は本機械を透視的に示す斜視
図、図3は本機械で据付けられる分割型スラブの斜視
図、図4は本機械の作動工程の説明図、図5は本機械の
2両連結の状態を示す斜視図、図6は同上の作動工程の
説明図である。
【0007】図1及び図2において、スラブ据付け工事
現場の床版1の上には仮枕木2が置かれ、その上にレー
ル3が敷設されており、このレール3上を走行する台車
4には前後にそれぞれ1対の固定車輪5と可動車輪6が
取付けられ、可動車輪6には可動車輪前後動シリンダー
7が付設されている。この可動車輪6を可動とする理由
は、図1(a)に示すように、鉄道レールの旋回半径か
らレール3上を走行する台車4の車両間隔Wは約5mと
いう制約があり、従ってスラブ長Lが6mあるスラブは
前後軸のいずれかと干渉し据付け不可能であるので、可
動車輪6を可動とし、後述のアウトリガー25で可動車
輪6を浮かせたのち同可動車輪6を固定車輪5から遠ざ
かるように移動して前後の車輪間隔をスラブと干渉を起
こさぬよう1寸法広げるためである。また台車4の前後
方向の両端に運転室8と動力室9が配置され、この両室
8,9の間にスラブ乗載部10が設けられて、このスラ
ブ乗載部10に、下段乗載分割型スラブ11と上段乗載
分割型スラブ12が乗載されており、これら分割型スラ
ブ11,12は、図3に示すように、それぞれ分割スラ
ブ11A,11Bと分割スラブ12A,12Bの2部分
から構成され、レール3間から降ろす11A,12Aは
11B,12Bより幅寸法がやゝ大きくなっており、ス
ラブ乗載部10への乗載にあたっては、分割スラブ11
A,12AはAスラブ用ブラケット13に乗載され、分
割スラブ11B,12BはBスラブ用ブラケット14に
乗載されている。またスラブ乗載部10には、分割型ス
ラブ11,12をレール3下に据付けるスラブ据付け
段として、1対のAスラブ用フォーク15及びBスラブ
用フォーク16が備えられ、前者にはAスラブ上下動シ
リンダー17とAスラブ左右動シリンダー19が、後者
にはBスラブ上下動シリンダー18とBスラブ左右動シ
リンダー20が、それぞれ連結されている。更にこのス
ラブ乗載部10には、2Aスラブ用ロータリアクチュエ
ーター21及び2Bスラブ用ロータリアクチュエーター
22と2Aスラブ用フォーク23及び2Bスラブ用フォ
ーク24が備えられている。
【0008】なお台車4の可動車輪6側の端部には、同
可動車輪6の近傍に左右1対のアウトリガー25が設置
されており、運転室8内には、台車4走行及び分割型
スラブ11,12据付けを操作する操作盤26が設置
されるとともに、動力室9内には、固定車輪5駆動用の
ディーゼルエンジン27及び動力伝達装置28と、動力
伝達装置28から動力を得てシリンダー7,17,1
8,19,20,ロータリアクチュエーター21,2
2,アウトリガー25に作動圧油を送る油圧源装置29
と、ディーゼルエンジン27へ燃料を供給する燃料装置
30とが収納されている。
【0009】このようなスラブ据付け機において、下段
乗載分割型スラブ11及び上段乗載分割型スラブ12を
レール3下に据付ける作動工程を図4について説明する
と、まず(I)において、下段乗載分割型スラブ11の
分割スラブ11AにAスラブ用フォーク15を分割スラ
ブ11BにBスラブ用フォーク16が位置するように、
それぞれの上下動シリンダー17,18及び左右動シリ
ンダー19,20を作動させ、(II)において、フォーク
15,16にセットしたスラブ11A,11Bを左方向
に移動させる。次いで(III)において、スラブ11Aを
レール3の中央から、スラブ11Bをレール3の外側か
らそれぞれ降下させ、(IV)において、レール3より下方
位置に達したところでレール3下に右移動させる。そこ
で(V)において、図3に示すスラブ締結具11aでス
ラブ11A,11Bを固定する。
【0010】次に(VI)において、床版1面に高さ調整ボ
ルト31をスラブ11より張り出しスラブ11の位置決
めを行うとともに、フォーク15,16は元の位置に戻
す。更に(VII) において、ロータリアクチュエーター2
1,22を作動させ、(VIII)において、上段乗載分割型
スラブ12の分割スラブ12A,12Bを(I)の場合
と同様にフォーク15,16にセットし、次いで(IX)に
おいて、(II)と同様にセットスラブ12A,12Bを左
方向に移動させたうえ、(X)において、(III) と同様
にスラブ12Aをレール3の中央から、スラブ12Bを
外側からそれぞれ降下させる。そして後工程は(IV)以降
と同様に行えばよい。なお上記各上下動,左右動シリン
ダー17,18,19,20やロータリアクチュエータ
ー21,22の操作は運転室8に設けた操作盤26より
オペレーターが操作して行う。
【0011】以上のようなスラブ据付け作動を行う本機
械を2両連結して据付け工事を行う要領を図5及び図6
について説明する。スラブ据付け工事の最小工事区間L
0 は約25mとなることが標準的であり、通常図6
(I)に示すように、2両の本機械S1,S2 にL=6
m長のスラブ11,12及び11′,12′を2組づつ
乗載し、スラブ中心間寸法V=2L+2cl(cl:ス
ラブ間クリアランス)で、基地より工事現場に向かう。
工事区間を2両連結状態で通過させたのち基地方向に進
行させながら作業を行う。まず(II) のように工事区間
のA,C位置に乗載スラブが位置するまで進め、アウト
リガー25をそれぞれ張り出し、可動車輪6をスラブ長
をかわす位置まで移動させた状態で、スラブ直下に位置
する仮枕木2を撤去する。
【0012】続いて(III)に示す位置に、上述の図4の
工程で下段乗載のスラブ11′,11をA,Cの位置に
据付け、アウトリガー25を収納し可動車輪6をレール
3上に降ろす。カント面等で可動車輪6が元のレール3
上に合致しない場合は、アウトリガー25を再び張り出
し台車4の横移動を実施する。その後再び(IV)の位置ま
で本機械S1,S2 を前進させてから、B,D位置にそ
れぞれ上段乗載のスラブ12′,12を据付け、(V)
のように据付け工事が完了する。このようにして、約2
5mの最小工事区間L0 を2両連結の本機械S1,S2
では、2工程でスラブ据付け工事を完了でき、更に50
mの工事区間の場合でも同様にして4両連結とすること
で、2工程による工事完了が可能となり、夜間の限られ
た時間内での工事完了が義務付けられているこの種工事
においては、数両連結作業は非常に有効である。
【0013】かくしてこのようなスラブ据付け機によれ
ば、重量物であるスラブ11,12を動力により遠隔操
作にて据付けるので、作業が容易かつ安全に遂行でき、
またスラブ11,12を2サイクル施工で据付けるた
め、作業のタイムシェアを短縮できる。更に台車4が車
輪5,6間可変方式であるため、車輪間長より長いスラ
ブの据付けが可能であり、かつ固定車輪5が常にレール
3を捕捉しているため、レール3に対するスラブの整列
がそうでないものに比し出し易い。更にまた2両又は4
両の連結式で作業する場合には、1両が故障した場合で
も、例えば油圧源故障時は他機から油圧供給を受け、自
走機能損傷時は他機に牽引して貰うことができ、マシン
ダウンすることがない。なお動力装置を備え広い荷台を
有するため、スラブ据付け作業のほか汎用車としての利
用範囲が広い。
【0014】
【発明の効果】要するに本発明によれば、レールを走行
する車輪を有し走行及びスラブ据付けを遠隔操作する運
転室と走行及びスラブ据付けの動力源を備えた動力室
を配置した台車と、上記台車上に設けられ分割型スラブ
2組を乗載するスラブ乗載部と、上記スラブ乗載部に装
備され上記分割型スラブを台車下に降ろしレール下に据
付けるスラブ据付け手段とを具え、同スラブ据付け手段
は上下,左右に作動する油圧シリンダーに連動する1対
のフォークよりなり、一方のフォークはレール中央より
一方の分割スラブを据付け他方のフォークはレール側方
より他方の分割スラブを据付けるように構成されている
ので、重量物であるスラブを動力により遠隔操作にて
車から降ろしレール下に据付けることができるととも
に、その据付け作業が1対の油圧式フォークを用いて容
易迅速かつ安全に遂行できるようになる。 また、上記台
車の走行時における前後の車輪間隔より長いスラブを台
車から降ろしてレール下に据付ける際には、上記アウト
リガーを張り出して上記可動車輪を他方の固定車輪から
遠ざかるように移動させることにより、上記の長いスラ
ブの据付け作業が支障なく行われる。 さらに、2両連結
の台車からスラブを降ろして据付け作業を行う際には、
各台車に乗載のスラブ中心間寸法が前述の寸法(2L+
2cl)に設定されることに より、各スラブのレール下
への据付けが適切に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スラブ据付け機の一実施例を示し、同図
(a)は側面図、同図(b)は(a)のb−bに沿った
断面図、同図(c)は平面図である。
【図2】本機械を透視的に示す斜視図である。
【図3】本機械で据付ける分割型スラブの斜視図であ
る。
【図4】本機械の作動工程の説明図である。
【図5】本機械の2両連結の状態を示す斜視図である。
【図6】同上の作動工程の説明図である。
【符号の説明】
1 床版 2 仮枕木 3 レール 4 台車 5 固定車輪 6 可動車輪 7 可動車輪前後動シリンダー 8 運転室 9 動力室 10 スラブ乗載部 11 下段乗載分割型スラブ 11A,11B 分割スラブ 11a,11b スラブ締結具 12 上段乗載分割型スラブ 12A,12B 分割スラブ 13 Aスラブ用ブラケット 14 Bスラブ用ブラケット 15 Aスラブ用フォーク 16 Bスラブ用フォーク 17 Aスラブ上下動シリンダー 18 Bスラブ上下動シリンダー 19 Aスラブ左右動シリンダー 20 Bスラブ左右動シリンダー 21 2Aスラブ用ロータリアクチュエーター 22 2Bスラブ用ロータリアクチュエーター 23 2Aスラブ用フォーク 24 2Bスラブ用フォーク 25 アウトリガー 26 操作盤 27 ディーゼルエンジン 28 動力伝達装置 29 油圧源装置 30 燃料装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−64115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール上を走行する車輪を有し走行及び
    スラブ据付けを遠隔操作する運転室と走行及びスラブ据
    付けの動力源を備えた動力室を配置した台車と、上記
    台車上に設けられ分割型スラブ2組を乗載するスラブ乗
    載部と、上記スラブ乗載部に装備され上記分割型スラブ
    を台車下に降ろしレール下に据付けるスラブ据付け手段
    とを具え、同スラブ据付け手段は上下,左右に作動する
    油圧シリンダーに連動する1対のフォークよりなり、一
    方のフォークはレール中央より一方の分割スラブを据付
    け他方のフォークはレール側方より他方の分割スラブを
    据付けることを特徴とするスラブ据付け機。
  2. 【請求項2】 上記車輪を上記台車の前部及び後部にそ
    れぞれ設けて一方の車輪上記台車の前後方向に移動可
    能の可動車輪としてそなえるとともに、同可動車輪の近
    で上記台車にアウトリガーを設け、走行時における前
    の車輪間隔より長いスラブをレール下に据付ける場合
    に上記アウトリガーを張り出した状態で上記可動車輪を
    他方の車輪から遠ざかるように移動しうる可動車輪前後
    動機構が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の
    スラブ据付け機。
  3. 【請求項3】 上記台車を2両連結してスラブ据付けを
    行う場合に、両台車に乗載のスラブ中心間寸法が、スラ
    ブ長Lと据付け時スラブ間クリアランスclの2倍の和
    (2L+2cl)にて構成されるように設定されたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のスラブ据付け
    機。
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