JP3025009U - 歯科用診療装置 - Google Patents

歯科用診療装置

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JP3025009U
JP3025009U JP1995012262U JP1226295U JP3025009U JP 3025009 U JP3025009 U JP 3025009U JP 1995012262 U JP1995012262 U JP 1995012262U JP 1226295 U JP1226295 U JP 1226295U JP 3025009 U JP3025009 U JP 3025009U
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vacuum
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chemical
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明男 飯田
修弘 阪口
卓志 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バキュームシリンジとバキュームタンクとの
洗浄を自動化すること。 【解決手段】 バキュームシリンジを接続具に装着し、
そのバキュームシリンジに対応する第1開閉弁VBを開
くことによって、液体タンク内の洗浄用液体をバキュー
ムシリンジに吸引させてその吸引経路の洗浄を行うとと
もに、バキュームタンク内の洗浄を行うことができる。
さらに第1開閉弁VBを閉じたままで第2開閉弁VEを
開き、これによって液体タンク内の洗浄用液体を第2開
閉弁VEを介してバキュームタンクに吸引して供給し、
バキュームタンクの洗浄を行う。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、歯科用診療装置に関し、もっと詳しくは、バキュームシリンジおよ びバキュームタンクの洗浄をするための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
バキュームシリンジは治療中の患者の唾、歯牙の削りくずおよび血液などの吸 引物を、負圧を利用して真空吸引するために用いられる。したがってこのような バキュームシリンジは、患者毎に洗浄をすることが望まれる。
【0003】 歯科用バキュームタンクは、バキュームシリンジから吸引した吸引物を、負圧 を利用して気液分離する働きをする。このバキュームタンクでは、微細な吸引物 である汚物は、そのバキュームタンク内壁にベドロ状となって付着し、したがっ て定期的に洗浄する必要がある。
【0004】 典型的な先行技術は特開平4−225883がある。この先行技術では、バキ ュームシリンジをいわば手動で洗浄することはできるけれども、バキュームタン クを洗浄するための工夫はなされておらず、またこれらの洗浄を自動化するため の工夫はなされていない。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、バキュームシリンジおよびバキュームタンクを自動的に洗浄 することができるようにした歯科用診療装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、吸引源と、 吸引源からの吸引によって患者の口腔内から吸引を行うバキュームシリンジと 、 吸引源に接続され、吸引物の気液分離を行うバキュームタンクと、 バキュームシリンジとバキュームタンクとを接続する第1吸引管路と、 第1吸引管路の途中に介在される第1開閉弁VB〜VDと、 洗浄用液体を貯留する液体タンクと、 液体タンクとバキュームタンクとを接続する第2吸引管路と、 第2吸引管路の途中に介在される第2開閉弁VEと、 液体タンク内の洗浄用液体を、バキュームシリンジまたは第1吸引管路に吸引 させて供給する供給手段と、 洗浄のために第1または第2開閉弁を選択的に開閉し、吸引源の駆動/停止を 行う制御手段とを含むことを特徴とする歯科用診療装置である。 本考案に従えば、バキュームシリンジに、またはそのバキュームシリンジを第 1吸引管路から取外してその第1吸引管路に、供給手段からの液体タンク内の洗 浄用液体、たとえば薬液および水をバキュームシリンジおよび第1吸引管路を経 て吸引して供給し、第1開閉弁VB〜VDを経てバキュームタンクに導き、これ によってバキュームタンクをも併せて洗浄することができる。また第1開閉弁V B〜VDを閉じたままにしておき、第2開閉弁VEを開くことによって、液体タ ンク内の洗浄用液体は第2吸引管路からバキュームタンクに供給されてバキュー ムタンクが洗浄される。このような第1および第2開閉弁VB〜VD,VEを制 御手段によって自動的に開閉動作させ、吸引源の駆動および停止を自動的に行う ことによって、バキュームシリンジおよびバキュームタンクとそれらの吸引経路 の洗浄を自動化することが可能になる。
【0007】 また本考案は、前記供給手段は、 液体タンクに接続される第3吸引管路と、 第3吸引管路に接続され、バキュームシリンジまたは第1吸引管路のバキュー ムシリンジ側の端部が着脱可能に接続される接続具とを有することを特徴とする 。 本考案に従えば、バキュームシリンジを、またはそのバキュームシリンジを取 外した第1吸引管路のバキュームシリンジからのタンクをたとえばラッパ状など の接続口を有する接続具に着脱可能に接続し、これによって液体タンク内の洗浄 用液体を第3吸引管路から接続具を経てバキュームシリンジおよび第1吸引管路 に吸引して供給して洗浄を行うことができる。
【0008】 また本考案は、前記バキュームシリンジは、複数個設けられ、 各バキュームシリンジと、各バキュームシリンジ毎に設けられる複数の各第1 開閉弁との間の第1吸引管路の部分は、可撓性を有し、 制御手段は、第1開閉弁のうちの1つまたは第2開閉弁を選択的に開閉するこ とを特徴とする。 本考案に従えば、バキュームシリンジと第1開閉弁との間の第1吸引管路の部 分を可撓性としてバキュームシリンジの歯科用診療を可能にし、制御手段は複数 のバキュームシリンジのうちの1つに対応する第1開閉弁を、または第2開閉弁 を選択的に開閉して洗浄を行う。
【0009】 また本考案は、制御手段は、断続的な複数回の洗浄動作のために第1または第 2開閉弁を開閉することを特徴とする。 また本考案は、液体タンクに水を供給する手段と、 液体タンクに薬液原液を供給する手段とを含み、 制御手段は、液体タンクに水供給手段および薬液原液供給手段のいずれか少な くとも一方から水または薬液原液を供給することを特徴とする。 また本考案は、制御手段は、タイマを有し、このタイマによって設定された時 間経過に従って、前記供給手段によって薬液を吸引して洗浄を行った後、一定時 間を置いて水を吸引して洗浄を行うことを特徴とする。 また本考案は、制御手段は、タイマを有し、このタイマによって設定された時 間経過に従って、前記供給手段によって水または薬液のいずれか少なくとも一方 を用いて、バキュームシリンジを洗浄し、その後、バキュームタンクを洗浄する ことを特徴とする。 また本考案は、制御手段は、各回の洗浄動作毎に、(a)液体タンクに、水供 給手段と薬液原液供給手段とによって水および薬液原液を供給する第1供給動作 と、(b)液体タンクに、水供給手段によって水を供給する第2供給動作とを選 択して行うことを特徴とする。 また本考案は、制御手段は、(a1)第1供給動作のみ、(b1)第1供給動 作と第2供給動作とから成る組合せを複数回、または(c1)第1供給動作の後 に、第2供給動作を行うことを特徴とする。 本考案に従えば、液体タンクには水道水などの水を供給して、清浄な水で洗浄 を行うことができ、またその液体タンクに薬液原液を供給して液体タンク内に供 給された水によってたとえば約10倍に希釈して薬液を作成し、この薬液を用い て洗浄を行うことができる。この洗浄動作は、タイマを備える制御手段によって 時間経過に従って達成することができ、たとえばまず薬液を用いて洗浄し、その 後清浄な水によって洗浄を行うことができ、またこのような水または薬液などの 洗浄用液体を変化して各種の希望する順序で薬液と水とを用いて洗浄することが 自動的に可能になる。
【0010】 また本考案は、薬液原液供給手段は、 薬液を貯留し、この薬液原液を液体タンクに供給する着脱自在の気密な薬液ボ トルを含むことを特徴とする。 また本考案は、薬液原液供給手段は、 薬液ボトルの上部に接続され、この薬液ボトルの上部空間を大気に連通しおよ び遮断する第3開閉弁と、 液体タンクと薬液ボトルとの間に介在される絞りと、 薬液ボトル内の薬液原液の液位を検出して表示する手段とを含むことを特徴と する。 薬液原液は、着脱可能な薬液ボトルに貯留し、薬液原液が消費されたとき、新 たな薬液ボトルを交換すればよい。 薬液ボトルから液体タンクへの供給量を調整するために、この薬液ボトルの上 部を、第3開閉弁によって大気圧とし、または大気とは遮断し、さらにこの液体 タンクと薬液ボトルとの間に流量制御弁である絞りを介在し、こうして液体タン ク内の薬液の希望する濃度を自動的に調整することを高精度に可能とする。 薬液原液は、着脱可能な薬液ボトルに貯留し、薬液原液が消費されたとき、新 たな薬液ボトルを交換すればよい。 本考案に従えば、薬液ボトル内の薬液原液の液位を、たとえば一対の金属棒間 の導電率によって検出して、その液位の表示を行う。したがって薬液ボトル内の 薬液原液が、操作者が気が付かないうちに、消費されつくしてしまうおそれをな くすことができる。
【0011】 また本考案は、接続具に関連して設けられ、接続具にバキュームシリンジまた は第1吸引管路の前記端部が装着されたことを検出する検出手段を含み、 制御手段は、検出手段の出力に応答して動作を開始することを特徴とする。 また本考案は、検出手段は、バキュームシリンジまたは第1吸引管路の前記端 部によって装着時に押圧されてスイッチング状態が変化するスイッチング素子で あることを特徴とする。 本考案に従えば、バキュームシリンジまたはそのバキュームシリンジを取外し た第1吸引管路の前記端部を接続具に装着することによって、そのことがスイッ チング素子などの検出手段によって検出され、これによって第1および第2開閉 弁の開閉制御を行うとともに吸引源の起動を行ってバキュームシリンジおよびバ キュームタンクの自動的な洗浄を行わせることができる。
【0012】 また本考案は、患者が着座する歯科用診療台と、 診療台の近傍に立設される支柱と、 支柱の上方で縦の軸線まわりに第1および第2の角変位位置に角変位可能であ り、下部に排出口が形成されるベースンと、 支柱の上部で、第1角変位位置にあるベースンの排出口の直下方で上方に臨む 連通口を有する排唾管路とを含み、 液体タンクまたは薬液ボトルは、支柱の上部で、ベースンが第1の角変位位置 にあるときベースンによって覆われ、第2角変位位置にあるとき、上方に露出す ることを特徴とする。 また本考案は、患者が着座する歯科用診療台と、 診療台の近傍に立設され、支柱の側部が扉によって開閉可能である支柱とを含 み、 支柱内に、この扉に臨んで液体タンクまたは薬液ボトルが配置されることを特 徴とする。 本考案に従えば、支柱の上方に設けられた排唾鉢であるベースンを縦のたとえ ば鉛直の軸線まわりに角変位し、または支柱の側部に設けられた扉を開いて、薬 液タンクまたは薬液ボトルを露出し、こうして薬液ボトルの交換を行うことがで き、あるいはまた薬液ボトルを用いないときには液体タンクに薬液を供給するな どの作業を容易に行うことができる。
【0013】 また本考案は、薬液供給手段は、薬液ボトルの下部に逆止弁が取付けられて構 成され、 支柱内に設けられた受け部に、薬液ボトルが着脱自在に載置されたとき、逆止 弁が開くことを特徴とする。 本考案に従えば、薬液ボトルの下部に逆止弁を取付け、薬液ボトルが支柱内に 設けられた受け部に載置されることによって、その逆止弁の弁体がばね力に抗し て弁座から離間されて薬液ボトルからの薬液原液が絞りを経て液体タンクに供給 されることができる。この薬液ボトルの上部は、前述のように第3開閉弁を経て 大気に連通/遮断され、その滴下供給される薬液原液の供給量を高精度に制御す ることができる。
【0014】 また本考案は、液体タンクは、 液体タンク本体と、 液体タンク本体の底部から立設される溢流管とを含み、 薬液原液供給手段は、液体タンク本体よりも上方に配置され、 この薬液原液供給手段からの薬液原液供給管路の下端部は、溢流管の上端より も下方に配置されることを特徴とする。 また本考案は、液体タンク本体の底部には、凹所が形成され、第2吸引管路の 一端部は、凹所よりも上方にあり、第3吸引管路の一端部は、凹所の底近傍に配 置されることを特徴とする。 本考案に従えば、液体タンク本体内には溢流管の上端まで洗浄用液体を貯留す ることができ、薬液ボトルから薬液原液供給管路を経て供給される薬液原液は、 その薬液原液供給管路の下端部が、溢流管の上端、したがって水などの洗浄用液 体の液面よりも下方に配置され、これによって供給される薬液原液が液体タンク 本体に貯留されている水などに可及的に均一に混合されることが容易である。 さらに本考案に従えば、液体タンク本体の底部に凹所を形成し、バキュームタ ンクに洗浄用液体を第2管路の一端部は、凹所よりも上方にあり、すなわち前記 底部よりも上方にあり、したがってバキュームタンクに洗浄用液体を大量に供給 したときにおいても、その洗浄用液体の液位は、せいぜい、第2吸引管路の前記 一端部の位置であって、それよりも低くなることはない。したがって凹所には、 第2管路を経てバキュームタンクに大量の洗浄用液体を供給しても、常に洗浄用 液体が残存することになる。したがってこの凹所に、バキュームシリンジの洗浄 のために洗浄用液体を供給するための第3吸引管路の一端部を配置し、そのため この第3吸引管路の前記一端部は、凹所内の洗浄用液体に常に浸漬されているこ とになる。これによってバキュームタンクの洗浄のために大量の洗浄用液体が供 給されて消費されても、接続具32〜34に液体タンク側からの薬液の臭いが伝 わることはなく、またバキュームタンクの洗浄時における大きな騒音が接続具3 2〜34側に伝達されることが防がれる。 本考案の他の考え方に従えば、液体タンク本体の底部に、凹所を設けることな く、第2吸引管路の前記一端部よりも下方に第3吸引管路の前記一端部を配置す ることによっても、上述の作用を達成することができる。第3吸引管路を液体タ ンクの上方から垂下して設ける代わりに、第3吸引管路の前記一端部を液体タン ク本体の底部に開口して形成した供給孔に接続してもよい。
【0015】 また本考案は、(a)患者が着座する歯科用診療台と、 (b)診療台の近傍に立設される支柱と、 (c)支柱の上方で縦の軸線まわりに第1および第2の角変位位置に角変位可 能であり、下部に排出口が形成されるベースンと、 (d)支柱の上部で、第1角変位位置にあるベースンの排出口の直下方で上方 に臨む連通口を有する排唾管路と、 (e)吸引源と、 (f)吸引源からの吸引によって患者の口腔内から吸引を行うバキュームシリ ンジと、 (g)吸引源に接続され、入口からの洗浄排水の気液分離を行うバキュームタ ンクと、 (h)バキュームシリンジと、バキュームタンクとをそれぞれ接続し、各バキ ュームシリンジと、各バキュームシリンジ毎に設けられる複数の各第1開閉弁と の間の部分は、可撓性を有する第1吸引管路と、 (i)各第1吸引管路の途中にそれぞれ介在される第1開閉弁VB,VCと、 (j)液体タンクであって、 底部に凹所が形成される液体タンク本体と、 液体タンク本体の底部から立設される溢流管とを有する液体タンクと、 (k)一端部が凹所よりも上方に配置され、他端部がバキュームタンクに接続 される第2吸引管路と、 (l)第2吸引管路の途中に介在される第2開閉弁VEと、 (m)一端部が前記凹所よりも上方で液体タンク内の洗浄用液体に浸漬される 第3吸引管路と、 (n)第3吸引管路の他端部に接続され、バキュームシリンジが着脱可能に接 続される接続具と、 (o)液体タンク本体に水を供給する手段と、 (p)薬液原液供給手段であって、 液体タンク本体よりも上方に配置され、支柱の上部で、ベースンが第1の角変 位位置にあるときベースンによって覆われ、第2角変位位置にあるとき、上方に 露出し、薬液原液を貯留し、この薬液原液を液体タンクに供給する着脱可能な気 密な薬液ボトルと、 薬液ボトルの上部に接続され、この薬液ボトルの上部空間を大気に連通しおよ び遮断する第3開閉弁と、 液体タンク本体と薬液ボトルとを接続し、下端部は、溢流管の上端よりも下方 に配置される薬液原液供給管路と、 薬液原液供給管路の途中に介在される絞りとを有する薬液原液供給手段と、 (q)制御手段であって、各回の洗浄動作毎に、(a1)液体タンクに、水供 給手段と薬液供給手段とによって水および薬液を供給する第1供給動作と、(b 1)液体タンクに、水供給手段によって水を供給する第2供給動作とを選択して 行い、(a2)第1供給動作のみ、(b2)第1供給動作と第2供給動作とから 成る組合せを複数回、または(c2)第1供給動作の後に、第2供給動作を行っ て洗浄のために第1または第2開閉弁を選択的に開閉し、吸引源の駆動/停止を 行う制御手段とを含むことを特徴とする歯科用診療装置である。 本考案に従えば、歯科医師またはその補助者の操作性が良好な自動洗浄可能な 歯科用診療装置が実現される。
【0016】 また本考案は、上部に、吸引物の入口を有し、かつ吸引源に接続され、底に、 下方に臨む弁座を有するバキュームタンク本体と、 バキュームタンク本体の底の下部に取付けられ、可撓性を有し、袋状に形成さ れ、内部空間が負圧となった縮小時に弁座に着座し、内部空間が大気圧であると き弁座から下方に離間する弁体と、 弁体の内部空間と吸引源との間に介在される開閉弁とを含むことを特徴とする 歯科用バキュームタンク装置である。 本考案に従えば、歯科用バキュームタンク装置のバキュームタンク本体の底に 袋状の弁体を配置し、この弁体の内部空間を、吸引源の負圧として弁体を縮小さ せることによって、その弁体を弁座に着座させ、バキュームタンク本体の弁座に 形成されている弁孔を閉じ、これによってバキュームタンク本体内に吸引物が比 較的大量に貯留された状態とし、次に弁体の内部空間に大気圧を供給して瞬時的 に弁座から弁体を離間する。これによってバキュームタンクに貯留されている液 体を含む吸引物が大きな運動エネルギで弁孔から排出され、塊状の吸引物によっ てバキュームタンクの内壁および下流側の排出通路を大きな力で清浄にすること ができる。したがってバキュームタンクの内面にヘドロ状の汚物が付着すること がなくなり、保守が容易である。 本考案のバキュームシリンジは、歯科医師の補助者が患者の口腔内の液体また は固形物などの吸引物を真空吸引するために用いるいわゆるバキュームシリンジ であってもよく、また歯科医師が1人で患者を治療する際に患者の口腔に引掛け て患者の口腔内の唾液などの液体または固形物などを真空吸引するために用いら れるサライバエジェクタであってもよく、さらにまた患者が吐出す唾を受けるた とえばラッパ状のバキュームカップ、およびその他の真空吸引によって患者の口 腔内から吸引を行う機能を有する吸引インスツルメントを含む広い概念であるも のと解釈されなければならない。以下の説明では、補助者が用いるバキュームシ リンジと、上述の広い概念を含むバキュームシリンジとを、区別することなく用 いることがある。
【0017】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案の実施の一形態の全体の構成を示す配管系統図である。歯科用 診療装置1において、真空ポンプなどの吸引源2の負圧を利用してバキュームシ リンジ3、サライバエジェクタ4およびバキュームカップ5を用いて歯科治療が 行われ、可撓性を有する第1吸引管路6,7,8を経て気液分離装置9で吸引物 の気液分離が行われる。この吸引源分離装置9は、バキュームタンク10と、各 第1吸引管路6〜8に個別的に対応した第1開閉弁VB〜VDと、それらの第1 開閉弁VB〜VDを個別的に開閉動作させるための2位置電磁弁SB〜SDを有 する。さらにバキュームタンク10の洗浄のために第2吸引管路11が設けられ 、その途中に第2開閉弁VEが設けられ、この開閉弁VEに対応して2位置電磁 弁SEが設けられる。歯科診療時の歯牙の削りくず、血液、水、唾液などの固形 物を有する吸引物は、共通の管路12からフィルタ13で濾過され、バキューム タンク10の入口14に吸引されて供給される。バキュームタンク10には管路 15が接続され、その途中に介在される開閉弁VAは、2位置電磁弁SAによっ て開閉制御される。バキュームタンク10から排出管路16を経て吸引物が排出 され、その排出管路16の途中には開閉弁VFが介在され、2位置電磁弁SFに よって開閉制御される。管路16からの吸引物は排出管路17を経て排出される 。
【0018】 液体タンク18には、上水道などの水が管路19から2位置電磁弁20を経て 、さらに流量制御弁である可変絞り21を経て管路22から供給される。この液 体タンク18には、薬液ボトル23から薬液原液が供給され、薬液原液供給管路 24から、流量制御弁である可変絞り25を経て供給される。薬液ボトル23の 上部の気密の着脱可能な蓋26には、管路27を経て2位置電磁弁28によって 大気圧に開放され、または遮断される。こうして液体タンク18内には水または 薬液である洗浄用液体29が溢流管30の上端まで貯留されることができる。液 体タンク18内の洗浄用液体29は第3吸引管路31を経て、吸引接続口を形成 するラッパ状の接続具32〜34にそれぞれ接続される。これらの接続具32〜 34は、バキュームシリンジ3、サライバエジェクタ4およびバキュームカップ 5にそれぞれ対応している。
【0019】 図2は、歯科用診療装置1の簡略化した斜視図である。患者が着座し、また寝 ることができる歯科用診療台35の近傍の床には支柱36が立設される。排唾鉢 であるベースン40は、この支柱36の上方で縦の鉛直軸線37まわりに仮想線 38で示される第1角変位位置と実線で示される第2角変位位置39とに、角変 位可能には設けられる。
【0020】 図3はベースン40が第2角変位位置39にある状態を示す縦断面図であり、 図4はベースン40が第1角変位位置にある状態を示す一部の断面図である。ベ ースン40の下部には排出口41が形成されており、通常の歯科診療時にはこの 排出口41は、支柱36内に設けられた排唾管路42の上端部に臨む。
【0021】 ベースン40を第2角変位位置30に矢符43で示されるように角変位するこ とによって、薬液ボトル23の上部が上方に臨んで露出する。支柱36の上部に は、図4に示されるように第1角変位位置にあるベースン40の排出口41の直 下方で上方に臨む連通口45を有する排唾管路42が設けられる。薬液ボトル2 3は、支柱36の上部で、ベースン40が図4のように第1の角変位位置38に あるとき、ベースン40によって覆われる。こうして薬液ボトル23は、支柱3 6の取付座45に着脱可能にカートリッジ状に取外すことができ、また薬液原液 を多くの薬液ボトル23に補給することができる。
【0022】 図2〜図4における薬液ボトル23は、図解の便宜のために、その上部の蓋2 6などが省略して示されている。
【0023】 バキュームシリンジ3は、歯科医師の補助者が患者の口腔内の液体または固形 物などの物質の真空吸引を行うために用いられ、サライバエジェクタは歯科医師 が1人で治療を行う際に患者の口腔内の液体または固形物などの物質を真空吸引 するために患者の口腔に引掛けて用いられ、バキュームカップは患者の吐出した 唾液を受けるためのラッパ状または円錐状のカップ状をした器具である。
【0024】 図5は液体タンク8の縦断面図であり、図6はその液体タンク18の分解斜視 図である。これらの図面を参照して、液体タンク18の液体タンク本体48の底 部49には、溢流管30が立設される。薬液原液供給手段を構成する管路24と 絞り25と薬液ボトル23などは、液体タンク本体48の上方に配置される。薬 液原液供給管路24の下端部50は、溢流管30の上端部51よりも参照符b1 で示される距離だけ下方に配置され、すなわちこの下端部50は洗浄用液体29 の液位52よりもb4だけ下方にある。したがってこの下端部50から供給され る薬液原液が洗浄用液体29に均一に円滑に混合されることが可能になる。第2 吸引管路21の下端部53は、底部49の近傍にある。
【0025】 液体タンク本体48の底部49には、凹所54が形成される。第3吸引管路3 1の一端部56は、凹所54の底57の近傍に配置される。底部49と底57と は、距離d2が存在する。第3吸引管路31の一端部56が凹所54の底57近 傍に配置されることによって、第3吸引管路31の一端部56は第2管路21の 下端部53よりも常に下方にあって洗浄用液体に浸漬されることになる。したが ってバキュームタンク10側からの臭いおよび騒音が、第2吸引管路21の下端 部53よりも少なくとも下方に存在する洗浄用液体で遮断され、したがって第3 吸引管路31に伝わるおそれがなくなる。
【0026】 液体タンク本体48の上部には、蓋58が取付けられる。液体タンク本体48 の上部空間59は、溢流管30を介して大気に開放している。
【0027】 図7は、気液分離装置9の簡略化した分解斜視図である。取付け台61には、 開閉弁VA〜VFが装着されており、その上に取付けプレート62および電磁弁 取付けプレート63が積層されて取付けられる。電磁弁取付けプレート63には 、電磁弁SA〜SFが装着される。取付け台61には、管路6〜8,11,15 などが接続される。取付け台61の下方にはOリング64を介してフィルタケー ス65が配置され、この内部にはフィルタ13がキャップ66およびキャップカ バー67によって外部に取外して交換可能に装着孔68から着脱可能に設けられ る。
【0028】 フィルタケース65の下方には、Oリング69と、取付けリング70とを介し て、バキュームタンク本体71が配置される。バキュームタンク本体71の上部 にはフィルタケース65からの吸引物の入口72を有し、また前記管路15に連 通する通路73を経て吸引源2に接続される。バキュームタンク本体71の底に は弁座74が形成され、ここに開閉弁VFを構成する弁体75が取付けられる。 さらにバキュームタンク本体71の下部にはOリング76を介して排水ボウル7 7が設けられる。
【0029】 図8は、第1開閉弁VBの構成を示す断面図である。取付けプレート62には 凹部79が形成され、取付け台61にはゴムなどの可撓性および弾発性を有する ダイヤフラム80の周縁が固定される。ダイヤフラム80は取付け台61のシー ル部81に当接することができる。凹部79はパイロット通路82を経て電磁弁 SBに接続される。凹部79が電磁弁SBによって大気圧とされているときには 、そのダイヤフラム80のばね力によってダイヤフラム80はシール部81に当 接して開閉弁VBは閉じた状態となっている。電磁弁SBが切換えらて凹部79 が負圧となると、ダイヤフラム80はそのばね力に抗して参照符83で示される ように図8の上方に変位し、これによってダイヤフラム80とシール部81とが 離間し、矢符84で示されるように管路6からの吸引物85が通過して管路12 からフィルタ13の方へ導かれる。ダイヤフラム80が凹所79の負圧によって 変位して反転した状態は、参照符86で示されるとおりである。
【0030】 図9は、バキュームタンク10のバキュームタンク本体71の底付近を示す断 面図である。バキュームタンク本体71の底87には下方に臨む弁座74が形成 され、これによって弁孔88が形成される。この弁座74を横切る取付け片89 には、弁体75の上端部が固定される。弁体75はばね力を有するゴムなどの材 料から成り、可撓性を有し、袋状に形成される。取付け片89には空気通路90 が形成され、この通路90に電磁弁SFが接続される。
【0031】 弁体76の内部空間91が大気圧であるときには、弁体75は弁座74から図 9(1)に示されるように下方に離間し、開閉弁VFは開弁状態となっている。 電磁弁SFが切換えられて弁体75の内部空間91が負圧になって弁体75が縮 小すると、図9(2)に示されるように弁体75の上面は弁座74に着座して開 閉弁VFは閉弁状態になる。したがって先ず、この図9(2)に示される状態で バキュームタンク本体71に比較的大量の水などの液体を含む吸引物を貯留して おき、次に、図9(1)に示されるように電磁弁SFを切換えて開閉弁VFを瞬 時に全開状態とすることによって、大きな塊状で、吸引物が排出管路16に排出 される。これによって排出管路16などの洗浄が行われると共に、バキュームタ ンク本体71の内面の洗浄が大きな運動エネルギで行われることになる。
【0032】 図10は、バキュームシリンジ3と接続具32付近の側面図である。検出手段 SWBは接続具32の近傍に取付けられており、このバキュームシリンジ3が接 続具32の接続口に挿入されて装着された状態で、検出手段SWBがバキューム シリンジ3を検出する。このような検出手段SWBは、バキュームシリンジ3で 押圧されてそのスイッチング状態が変化するスイッチング素子によって実現され てもよい。その他の接続具33,34に関しても同様に検出手段SWC,SWD がそれぞれ設けられる。
【0033】 図11は、図1〜図10に示される本考案の実施の一形態の電気的構成を示す ブロック図である。治療開始のためにスイッチSWが設けられる。スイッチSW 1は、本件歯科用診療装置の診療を開始するにあたって操作されるスイッチであ る。スイッチSWおよび検出手段SWB〜SWDの出力はマイクロコンピュータ などによって実現される処理回路93に与えられ、これによって電磁弁VA〜V F、電磁弁20,28は、開閉動作され、吸引源2は駆動/停止されて制御され る。
【0034】 図12は、図11に示される処理回路93の動作を説明するためのタイミング チャートである。動作の一例として、バキュームシリンジ3を用いて真空吸引動 作を行って歯科用診療を時刻t1〜t3で行い、時刻t5〜t6において薬液洗 浄を行い、時刻t9〜t11およびt14〜t16で正常な水による洗浄を合計 2回行い、その後バキュームタンク10の洗浄を時刻t16〜t19において行 う。時刻t1〜t3において図11に示されるスイッチSWが図12(9)に示 されるように操作される。処理回路93にはタイマが備えられており、図12に 示される時間経過に従う動作が順次的に行われる。図12(1)は電磁弁SFに よる開閉弁VFの開閉動作を示し、図12(2)は電磁弁SAによる開閉弁VA の開閉動作を示し、図12(3)〜図12(6)には電磁弁SB〜SEによる第 1開閉弁VB〜VDおよび第2開閉弁VEの開閉動作を示す。図12(7)は液 体タンク18に電磁弁20を経て水が供給される状態を示し、図12(8)は電 磁弁28が開かれて薬液ボトル23から薬液原液が液体タンク18に供給される 状態を示す。時刻t1〜t3においてバキュームシリンジ3を用いて真空吸引が 行われ、時刻t3〜t4において排水が行われる。次に時刻t5において洗浄の ためにバキュームシリンジ3が接続具32に装着されると、検出手段SWB(図 10参照)が図12(10)のように検出し、これによって図12(7)のよう に洗浄のための水が供給され、また図12(8)に示されるように薬液が供給さ れる。さらにこの時刻t1〜t4および時刻t7〜t19では吸引源2が駆動さ れる。時刻t5〜t6において給水を行い、時刻t1〜t4において薬液混合を 行い、また時刻t8〜t9においてバキュームシリンジ3の通路内の洗浄が行わ れ、時刻t9〜t10で排水が行われるとともに時刻t9〜t11で給水が行わ れ、時刻t10〜t12では放置されて洗浄が行われる。時刻t13〜t14で はバキュームシリンジ3の通路内の水による洗浄が行われ、時刻14〜t15で は排水され、時刻t14〜t16で給水される。さらに時刻t17〜t18では バキュームタンク10内に水が供給されてその通路が洗浄され、時刻t18〜t 19では排水が行われる。
【0035】 図13は本考案の実施の他の形態の一部の斜視図であり、図14はその図13 に示される実施の一形態の一部の縦断面図である。支柱36の側部は、扉101 がヒンジ102によって矢符103およびその逆方向に開閉可能である。支柱3 6内には、この扉101に臨んで薬液ボトル23が配置され、これによって保守 が容易にされる。その他の構成は前述の実施の一形態と同様である。
【0036】 上述の各実施の形態において薬液ボトル23の代わりに液体タンク18が臨む ように構成されてもよい。
【0037】 図15は、本考案の実施の他の形態の斜視図である。薬液ボトル23の下部に は逆止弁104が取付けられている。この逆止弁104は図16(1)に示され るように弁座105にばね106によって弁体107が押圧されて閉弁状態とさ れている。薬液ボトル23がベースン40の軸線37まわりの角変位によって支 柱36内の空間の取付け座108に図16(2)に示されるように着座されると 、その取付け座108に設けられた突起109が弁体107をばね106のばね 力に抗して弁座105から離間し、逆止弁104が開弁状態となる。こうして薬 液ボトル23から薬液原液が供給されることが可能になる。薬液ボトル23の蓋 26は管路27を介して前述の図1に示されるように開閉弁28に接続されて大 気に連通し、または遮断される。その他の構成は前述の図1〜図12の実施の形 態と同様である。
【0038】 図17は、本考案の実施のさらに他の形態の一部の斜視図である。支柱36の 扉101が開閉される構成は前述の図13および図14に示される本考案の実施 の一形態と同様である。特にこの図17に示される実施の形態では、扉101の 内側101aに、カートリッジ式薬液ボトル23が取付けられて収納される。こ れによって構成の簡略化を図ることができるとともにボトル23が扉101を開 くことによって支柱36から外方に大きく露出することになるので、薬液ボトル 23の保守交換が容易である。
【0039】 再び図11を参照して薬液ボトル23には液位検出手段111が設けられ、こ れによって目視表示手段112には、処理回路93の働きによってその液位が目 視表示される。したがって薬液ボトル23内の薬液が不所望に消費されていて操 作者が気が付かないでいる事態が防がれる。
【0040】 薬液は、たとえば消毒剤であってもよい。消毒剤は、たとえば安定化した塩素 含有物質である。すなわち水中で活性化塩素を放出し、生成する。もしくは、こ の消毒剤は、フェノール化合物、ヨー素含有物質、第四アンモニウム、もしくは 窒素化合物、過酸化物、過酸塩などである。この物質は好ましくは、塩素含有す る物質、たとえばイソシアン化塩素、およびその塩、クロロアミン類から選択さ れた1種で、特に、ジクロロイソシアン酸ナトリウムを使用すると最良の結果が 得られる。
【0041】
【考案の効果】
本考案によれば、バキュームシリンジまたはそれを取外した第1吸引管路に供 給手段から液体タンク内の洗浄用液体を吸引して供給し、またその洗浄用液体を バキュームタンクに供給し、このような洗浄動作は、第1および第2開閉弁VB 〜VD,VEを制御手段によって自動的に開閉動作させ、また吸引源の駆動およ び停止を行うことによって、自動的な洗浄が達成される。
【0042】 さらに本考案によれば、複数のバキュームシリンジのうち、個別的に対応する 第1開閉弁の開閉動作を行うことによって、希望するバキュームシリンジの洗浄 を行うことができる。
【0043】 また本考案によれば、制御手段にタイマを備え、洗浄用液体を薬液または水と し、希望する態様で洗浄を行うことが自動的に可能である。たとえば先に薬液で 洗浄を行い、その後に水で洗浄を行うこともできる。
【0044】 さらに本考案によれば、液体タンクに薬液原液を供給する薬液ボトルは、着脱 自在とし、これによって薬液ボトルをいわばカートリッジ状に取扱うことができ 、操作性が向上される。
【0045】 さらに本考案によれば、この薬液ボトルの上部空間を第3開閉弁によって大気 に連通しおよび遮断し、さらに薬液ボトルと液体タンクとの間に絞りを介在し、 こうして薬液原液の供給量を高精度に調整することが可能である。
【0046】 本考案によれば、薬液ボトルの液位を検出して表示する構成とし、したがって 薬液ボトル内の薬液原液が消費されつくされたままになることを防ぐことができ 、操作者による補充が容易である。
【0047】 さらに本考案によれば、バキュームシリンジまたはそれを取外されたときにお ける第1吸引管路の端部を接続具に接続したことをスイッチング素子などの検出 手段によって検出して自動的に洗浄動作を開始させることができ、操作性が極め て良好である。
【0048】 さらに本考案によれば、支柱上のベースンを角変位することによって液体タン クまたは薬液ボトルが露出し、その薬液ボトルの交換、薬液原液の供給および液 体タンクへの洗浄用液体の補給などを簡単な操作で行うことができ、保守が容易 である。
【0049】 さらにまた本考案によれば、支柱または歯科用診療台のハウジングなどに扉を 設けて開閉可能とし、この扉を開いて液体タンクまたは薬液ボトルを露出するよ うにし、このことによってもまた上述のように保守が容易となる。
【0050】 さらに本考案によれば、薬液ボトルの下部に逆止弁を設けて薬液ボトルの交換 時における薬液原液の不所望な漏洩を防ぎ、操作性を向上することができる。
【0051】 本考案によれば、液体タンク本体には溢流管を設けてその液体タンク本体内の 洗浄用液体の液位を均一に保ち、薬液原液を供給する管路の下端部を、溢流管の 上端よりも下方に配置することによって、溢流管の上端に位置する液位を有する 水に薬液原液を均一に分散して混合させることが容易である。
【0052】 本考案によれば、液体タンク本体の底部に凹所を形成して、この凹所の底近傍 に第3吸引管路の一端部を配置し、それよりも上方に第2吸引管路の一端部を配 置することによって、液体タンク本体から大量にバキュームタンクに洗浄用液体 が供給されても、第3吸引管路の前記一端部は常に洗浄用液体に浸漬された状態 に保たれ、これによって液体タンクからの薬液の臭いが接続具32〜34側に流 れることはなく、またバキュームタンクにおける洗浄時の大きな騒音が接続具3 2〜34に伝達されるおそれがなくなる。
【0053】 さらに本考案の歯科用バキュームタンク装置によれば、バキュームタンク本体 の下部に設けた弁座に、内部空間を吸引源によって負圧とし、または大気圧とす ることができるいわば風船状の袋状弁体を配置し、その内部空間を負圧として弁 体を縮小させて弁座に着座してバキュームタンク本体の下部を塞ぎ、弁体の内部 空間を瞬時に大気圧としてそのバキュームタンク本体内の液体を含む吸引物を一 挙に排出し、その大きな運動エネルギでバキュームタンク本体の内壁に強固に付 着している汚物を除去することができるとともに、そのバキュームタンク本体の 弁座および弁体よりも下流側の排出通路の洗浄をも有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の一形態の全体の構成を示す配管
系統図である。
【図2】本件歯科用診療装置の一部の構成を示す斜視図
である。
【図3】ベースン40および支柱36を示す縦断面図で
ある。
【図4】ベースン40とその付近を示す断面図である。
【図5】液体タンク18の縦断面図である。
【図6】液体タンク18の分解斜視図である。
【図7】気液分離装置9の構成を示す分解斜視図であ
る。
【図8】開閉弁VBの構成を示す断面図である。
【図9】開閉弁VFの構成を示す断面図である。
【図10】バキュームシリンジ3を接続具32に接続す
る状態を示す側面図である。
【図11】図1〜図10に示される本考案の実施の一形
態の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示される処理回路93の動作を説明
するためのタイミングチャートである。
【図13】本考案の実施の他の形態の一部の構成を示す
斜視図である。
【図14】図13に示される本考案の実施の一形態の一
部の縦断面図である。
【図15】本考案の実施の他の形態の一部の構成を示す
斜視図である。
【図16】図15に示される本考案の実施の一形態にお
ける薬液ボトル23の下部に設けられた逆止弁104の
構成を示す断面図である。
【図17】本考案の実施のさらに他の形態の構成の一部
を簡略化して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 歯科用診療装置 2 吸引源 3 バキュームシリンジ 4 サラエバエジェクタ 5 バキュームカップ 6〜8 第1吸引管路 9 気液分離装置 10 バキュームタンク 11 第2吸引管路 13 フィルタ 18 液体タンク 20,28 電磁開閉弁 21 可変絞り 23 薬液ボトル 24 薬液原液供給管路 25 可変絞り 26 蓋 30 溢流管 32〜34 接続具 36 支柱 40 ベースン 41 排出口 42 排唾管路 48 液体タンク本体 49 底部 50 下端部 53 下端部 54 凹所 56 一端部 61 取付け台 62 取付けプレート 63 電磁弁取付けプレート 65 フィルタケース 71 バキュームタンク本体 74 弁座 75 弁体 77 排水ボウル 80 ダイヤフラム 81 シール部 90 通路 91 内部空間 93 処理回路 101 扉 102 ヒンジ 104 逆止弁 105 弁座 106 ばね 107 弁体 109 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61C 17/04 D

Claims (20)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸引源と、 吸引源からの吸引によって患者の口腔内から吸引を行う
    バキュームシリンジと、 吸引源に接続され、吸引物の気液分離を行うバキューム
    タンクと、 バキュームシリンジとバキュームタンクとを接続する第
    1吸引管路と、 第1吸引管路の途中に介在される第1開閉弁VB〜VD
    と、 洗浄用液体を貯留する液体タンクと、 液体タンクとバキュームタンクとを接続する第2吸引管
    路と、 第2吸引管路の途中に介在される第2開閉弁VEと、 液体タンク内の洗浄用液体を、バキュームシリンジまた
    は第1吸引管路に吸引させて供給する供給手段と、 洗浄のために第1または第2開閉弁を選択的に開閉し、
    吸引源の駆動/停止を行う制御手段とを含むことを特徴
    とする歯科用診療装置。
  2. 【請求項2】 前記供給手段は、 液体タンクに接続される第3吸引管路と、 第3吸引管路に接続され、バキュームシリンジまたは第
    1吸引管路のバキュームシリンジ側の端部が着脱可能に
    接続される接続具とを有することを特徴とする請求項1
    記載の歯科用診療装置。
  3. 【請求項3】 前記バキュームシリンジは、複数個設け
    られ、 各バキュームシリンジと、各バキュームシリンジ毎に設
    けられる複数の各第1開閉弁との間の第1吸引管路の部
    分は、可撓性を有し、 制御手段は、第1開閉弁のうちの1つまたは第2開閉弁
    を選択的に開閉することを特徴とする請求項1記載の歯
    科用診療装置。
  4. 【請求項4】 制御手段は、断続的な複数回の洗浄動作
    のために第1または第2開閉弁を開閉することを特徴と
    する請求項1記載の歯科用診療装置。
  5. 【請求項5】 液体タンクに水を供給する手段と、 液体タンクに薬液原液を供給する手段とを含み、 制御手段は、液体タンクに水供給手段および薬液原液供
    給手段のいずれか少なくとも一方から水または薬液原液
    を供給することを特徴とする請求項4記載の歯科用診療
    装置。
  6. 【請求項6】 制御手段は、タイマを有し、このタイマ
    によって設定された時間経過に従って、前記供給手段に
    よって薬液を吸引して洗浄を行った後、一定時間を置い
    て水を吸引して洗浄を行うことを特徴とする請求項1記
    載の歯科用診療装置。
  7. 【請求項7】 制御手段は、タイマを有し、このタイマ
    によって設定された時間経過に従って、前記供給手段に
    よって水または薬液のいずれか少なくとも一方を用い
    て、バキュームシリンジを洗浄し、その後、バキューム
    タンクを洗浄することを特徴とする請求項1または6記
    載の歯科用診療装置。
  8. 【請求項8】 制御手段は、各回の洗浄動作毎に、
    (a)液体タンクに、水供給手段と薬液原液供給手段と
    によって水および薬液原液を供給する第1供給動作と、
    (b)液体タンクに、水供給手段によって水を供給する
    第2供給動作とを選択して行うことを特徴とする請求項
    7記載の歯科用診療装置。
  9. 【請求項9】 制御手段は、(a1)第1供給動作の
    み、(b1)第1供給動作と第2供給動作とから成る組
    合せを複数回、または(c1)第1供給動作の後に、第
    2供給動作を行うことを特徴とする請求項8記載の歯科
    用診療装置。
  10. 【請求項10】 薬液原液供給手段は、 薬液を貯留し、この薬液原液を液体タンクに供給する着
    脱自在の気密な薬液ボトルを含むことを特徴とする請求
    項7記載の歯科用診療装置。
  11. 【請求項11】 薬液原液供給手段は、 薬液ボトルの上部に接続され、この薬液ボトルの上部空
    間を大気に連通しおよび遮断する第3開閉弁と、 液体タンクと薬液ボトルとの間に介在される絞りと、 薬液ボトル内の薬液原液の液位を検出して表示する手段
    とを含むことを特徴とする請求項10記載の歯科用診療
    装置。
  12. 【請求項12】 接続具に関連して設けられ、接続具に
    バキュームシリンジまたは第1吸引管路の前記端部が装
    着されたことを検出する検出手段を含み、 制御手段は、検出手段の出力に応答して動作を開始する
    ことを特徴とする請求項2〜11のうちの1つに記載の
    歯科用診療装置。
  13. 【請求項13】 検出手段は、バキュームシリンジまた
    は第1吸引管路の前記端部によって装着時に押圧されて
    スイッチング状態が変化するスイッチング素子であるこ
    とを特徴とする請求項12記載の歯科用診療装置。
  14. 【請求項14】 患者が着座する歯科用診療台と、 診療台の近傍に立設される支柱と、 支柱の上方で縦の軸線まわりに第1および第2の角変位
    位置に角変位可能であり、下部に排出口が形成されるベ
    ースンと、 支柱の上部で、第1角変位位置にあるベースンの排出口
    の直下方で上方に臨む連通口を有する排唾管路とを含
    み、 液体タンクまたは薬液ボトルは、支柱の上部で、ベース
    ンが第1の角変位位置にあるときベースンによって覆わ
    れ、第2角変位位置にあるとき、上方に露出することを
    特徴とする請求項1または10記載の歯科用診療装置。
  15. 【請求項15】 患者が着座する歯科用診療台と、 診療台の近傍に立設され、支柱の側部が扉によって開閉
    可能である支柱とを含み、 支柱内に、この扉に臨んで液体タンクまたは薬液ボトル
    が配置されることを特徴とする請求項1または10記載
    の歯科用診療装置。
  16. 【請求項16】 薬液供給手段は、薬液ボトルの下部に
    逆止弁が取付けられて構成され、 支柱内に設けられた受け部に、薬液ボトルが着脱自在に
    載置されたとき、逆止弁が開くことを特徴とする請求項
    1または14記載の歯科用診療装置。
  17. 【請求項17】 液体タンクは、 液体タンク本体と、 液体タンク本体の底部から立設される溢流管とを含み、 薬液原液供給手段は、液体タンク本体よりも上方に配置
    され、 この薬液原液供給手段からの薬液原液供給管路の下端部
    は、溢流管の上端よりも下方に配置されることを特徴と
    する請求項1または2記載の歯科用診療装置。
  18. 【請求項18】 液体タンク本体の底部には、凹所が形
    成され、第2吸引管路の一端部は、凹所よりも上方にあ
    り、第3吸引管路の一端部は、凹所の底近傍に配置され
    ることを特徴とする請求項17記載の歯科用診療装置。
  19. 【請求項19】 (a)患者が着座する歯科用診療台
    と、 (b)診療台の近傍に立設される支柱と、 (c)支柱の上方で縦の軸線まわりに第1および第2の
    角変位位置に角変位可能であり、下部に排出口が形成さ
    れるベースンと、 (d)支柱の上部で、第1角変位位置にあるベースンの
    排出口の直下方で上方に臨む連通口を有する排唾管路
    と、 (e)吸引源と、 (f)吸引源からの吸引によって患者の口腔内から吸引
    を行うバキュームシリンジと、 (g)吸引源に接続され、入口からの洗浄排水の気液分
    離を行うバキュームタンクと、 (h)バキュームシリンジと、バキュームタンクとをそ
    れぞれ接続し、各バキュームシリンジと、各バキューム
    シリンジ毎に設けられる複数の各第1開閉弁との間の部
    分は、可撓性を有する第1吸引管路と、 (i)各第1吸引管路の途中にそれぞれ介在される第1
    開閉弁VB,VCと、 (j)液体タンクであって、 底部に凹所が形成される液体タンク本体と、 液体タンク本体の底部から立設される溢流管とを有する
    液体タンクと、 (k)一端部が凹所よりも上方に配置され、他端部がバ
    キュームタンクに接続される第2吸引管路と、 (l)第2吸引管路の途中に介在される第2開閉弁VE
    と、 (m)一端部が前記凹所よりも上方で液体タンク内の洗
    浄用液体に浸漬される第3吸引管路と、 (n)第3吸引管路の他端部に接続され、バキュームシ
    リンジが着脱可能に接続される接続具と、 (o)液体タンク本体に水を供給する手段と、 (p)薬液原液供給手段であって、 液体タンク本体よりも上方に配置され、支柱の上部で、
    ベースンが第1の角変位位置にあるときベースンによっ
    て覆われ、第2角変位位置にあるとき、上方に露出し、
    薬液原液を貯留し、この薬液原液を液体タンクに供給す
    る着脱可能な気密な薬液ボトルと、 薬液ボトルの上部に接続され、この薬液ボトルの上部空
    間を大気に連通しおよび遮断する第3開閉弁と、 液体タンク本体と薬液ボトルとを接続し、下端部は、溢
    流管の上端よりも下方に配置される薬液原液供給管路
    と、 薬液原液供給管路の途中に介在される絞りとを有する薬
    液原液供給手段と、 (q)制御手段であって、各回の洗浄動作毎に、(a
    1)液体タンクに、水供給手段と薬液供給手段とによっ
    て水および薬液を供給する第1供給動作と、(b1)液
    体タンクに、水供給手段によって水を供給する第2供給
    動作とを選択して行い、(a2)第1供給動作のみ、
    (b2)第1供給動作と第2供給動作とから成る組合せ
    を複数回、または(c2)第1供給動作の後に、第2供
    給動作を行って洗浄のために第1または第2開閉弁を選
    択的に開閉し、吸引源の駆動/停止を行う制御手段とを
    含むことを特徴とする歯科用診療装置。
  20. 【請求項20】 上部に、吸引物の入口を有し、かつ吸
    引源に接続され、底に、下方に臨む弁座を有するバキュ
    ームタンク本体と、 バキュームタンク本体の底の下部に取付けられ、可撓性
    を有し、袋状に形成され、内部空間が負圧となった縮小
    時に弁座に着座し、内部空間が大気圧であるとき弁座か
    ら下方に離間する弁体と、 弁体の内部空間と吸引源との間に介在される開閉弁とを
    含むことを特徴とする歯科用バキュームタンク装置。
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JP2022161506A (ja) * 2021-04-09 2022-10-21 株式会社モリタ製作所 配管洗浄装置、歯科用診療ユニット、およびバキューム管

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