JP3024617B2 - 位置歪み及び応力の測定方法とx線マスク - Google Patents

位置歪み及び応力の測定方法とx線マスク

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の位置
歪み及び応力を測定する方法に関し、更に詳細には、従
来に比べて、半導体基板の位置歪み及び応力をより一層
正確に測定できる方法に関するものである。また、X線
マスクの作製に際し、及びX線マスクの使用に際し、X
線マスクに生じた位置歪み及び応力を測定できるように
工夫したX線マスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造プロセスでは、材料の
異なる種々の層を積層してなる積層構造を半導体基板上
に形成したり、形成した積層構造に酸化処理、窒化処理
等の表面改質処理を施したりして、半導体装置を製造し
ている。積層構造を構成する各層は、成膜処理時、表面
改質処理時等の熱影響により熱膨張、又は熱収縮して、
或いは化学変化により位置歪みを引き起こす。その結
果、各層の現実のデバイスパターンと設計時のデバイス
パターンの間に位置ずれを生じるので、各層のの位置合
わせが難しくなって、誤差が生じ、半導体デバイスの特
性が低下したり、半導体デバイスの製品歩留りが低下し
たりするおそれがある。同様の現象は、マイクロマシン
形成プロセス等で基板上に薄膜を形成するプロセスでも
生じ、問題となっている。従来、半導体基板上の薄膜の
成膜、半導体基板の酸化、窒化等の表面改質処理より、
半導体基板に生じる歪み及び応力は、基板の反りを検出
し、その変化から求めている。また、別法として、半導
体基板上で薄膜の応力に誘起された位置歪みは、デバイ
ス周辺に設けたアライメントマークの位置変化、或いは
基板上に形成したレジストパターン及びそのレジストパ
ターンをマスクに加工したパターンの位置変化から求め
られている。
【0003】同様の問題は、X線マスクの作製及び使用
の際にも生じている。X線マスクは、X線リソグラフィ
で使用するマスクであって、半導体装置の高集積化及び
微細化に伴い、X線を使用したX線リソグラフィが採用
されつつある。X線リソグラフィで用いるX線マスク
は、2μm 程度の膜厚のX線透過膜(メンブレン)上に
X線吸収体パターンを備えている。0.1μm 又はそれ
以下の微細パターンを有する高精度なX線マスクを作製
するには、パターンが位置歪みを引き起こして、発生し
てパターンが変形するのを防ぐために、X線透過膜及び
X線吸収体層の成膜処理及びパターン形成の際に応力を
十分に制御することが必要である。ここで、図7を参照
して、従来のX線マスクの構成を説明する。図7は、従
来のX線マスクの構成を示す模式的断面図である。従来
のX線マスク10は、図7に示すように、基板12と、
基板12上に設けられたメンブレン14と、メンブレン
14上に設けられたX線吸収体からなる転写パターン1
6を備えている。更に、基板12は、別のメンブレン1
8を介して支持枠20に取り付けられている。メンブレ
ン14から下の基板12、メンブレン18及び支持枠2
0は、転写パターン16を被転写体上に転写できるよう
に、中空部22になっている。
【0004】X線マスクの作製過程では、シリコン基板
をバックエッチングしてメンブレンを形成する際に、大
きな位置歪みが誘起されるので、例えば特開平8─33
0222号公報によって、レジストパターン形成前にバ
ックエッチング工程を行うバックエッチング先行プロセ
スが提案されている。しかし、バックエッチング先行プ
ロセスでは、X線透過膜およびその他の薄膜による応力
を基板の反りで評価することが困難なため、X線透過膜
に圧力を加えた時に生じる膜の変位から応力を求めるバ
ルジ法が利用されている。また、X線マスクの位置歪み
及び応力を測定する方法では、レジストパターン形成後
に生じる位置歪みを予め測定しておき、実際のレジスト
パターン形成では位置歪みが生じないように位置データ
を補正してデバイスパターンを形成する方法が開発され
ている(Shingo Uchiyama, et al.,Japanese Journal o
f AppliedPhysics Vol.34,1995,pp.6743−6747)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体基板の
反りを測定することにより、基板に生じている平均応力
及び大まかな応力分布を測定できるものの、数mmから数
cm角のチップ内に生じる位置歪み及び応力分布を正確に
測定するのは技術的に難しい。また、デバイスパターン
周辺に配置されたアライメントパターンを用いて位置歪
みを測定する場合、基板全体の位置歪みの傾向を捉える
ことはできるものの、チップ内の位置歪み、或いはデバ
イスパターンの非等方性に起因する位置歪み等を測定す
ることはできない。
【0006】X線マスク基板の反りから応力を測定する
方法では、X線マスク基板上に生じる応力分布の測定が
容易であるものの、メンブレンに生じる応力を測定する
ことは技術的に難しい。また、バルジ法を用いても、メ
ンブレンの応力分布を測定することは困難である。ま
た、X線マスクの応力分布を測定するために基板上にい
くつかのメンブレン領域を形成し、個々のメンブレン領
域の平均応力の分布を測定する方法が提案されている
(Tsutomu shoki et al, SPIE vol.2512,pp.114 −119
)。しかし、この方法を用いても,メンブレン内、特
にメンブレンと基板の境界部分の応力分布を測定するこ
とは不可能である。また、位置歪みを直接測定すること
もできない。また、X線マスクの作製過程で、レジスト
パターン形成後に生じるX線吸収体層の応力を求める場
合、ドライエッチングによってレジストパターンをX線
吸収体に転写した後でないと、X線吸収体の応力を求め
ることができないため、エッチング条件がX線吸収体の
応力の測定精度に影響し、更に、測定に要する時間が長
いという問題があった。
【0007】本発明の目的は、半導体装置の製造に際
し、プロセス処理により半導体基板内に生じる位置歪み
及び応力分布を測定し、X線マスクの作製に際し、バッ
クエッチング先行式X線マスク作製プロセスでメンブレ
ン上に生じる応力分布及び位置歪みを測定することがで
きる方法、並びに位置歪み及び応力を測定できるX線マ
スクを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る位置歪み及び応力の測定方法は、半導
体基板にプロセス処理を施した際に生じる位置歪み及び
位置歪みに伴って発生する応力を測定する方法であっ
て、半導体基板の基板面全面に離散して位置歪み測定用
マークを形成する工程と、プロセス処理を施す前に、位
置歪み測定用マークの当初座標位置を測定する工程と、
プロセス処理を施した後に、位置歪み測定用マークの現
在座標位置を測定し、位置歪み測定用マークの現在座標
位置と当初座標位置との差を求めて位置歪みを算出し、
かつ、位置歪みと応力との関係から発生した応力を算出
する工程とを備えていることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、半導体基板の基板面全面
に離散して位置歪み測定用マークを形成することによ
り、チップ内に生じる位置歪み及び応力分布を正確に測
定することができる。
【0010】請求項1又は2に記載の本発明方法を適用
できない場合には、本発明方法は、半導体基板の基板面
全面に離散して位置歪み測定用マークを形成する工程に
代えて、半導体基板上に薄膜を成膜し、薄膜全面に離散
して位置歪み測定用マークを形成する工程又は半導体基
板の裏面全面に離散して位置歪み測定用マークを形成す
る工程を備えている。
【0011】本発明に係るX線マスクは、基板に設けら
れたメンブレン上にX線吸収体からなる転写パターンを
備えているX線マスクにおいて、基板に設けた開口を介
して露出しているメンブレンの裏面に位置歪み測定用マ
ークを備えている。本発明に係るX線マスクでは、メン
ブレンに形成された位置歪み測定用マークは転写パター
ンの応力分布及び位置歪みに影響を与えないため、実プ
ロセスの応力及び位置歪みを測定することができる。よ
って、転写パターンの応力及び位置歪みが小さい材料を
発見し、位置歪み及び応力の小さいプロセス条件を求め
ることが容易となる。本発明では、メンブレン裏面に位
置歪み測定用マークを形成しているので、デバイス特
性、露光特性等に影響しない。従って、実際に使用する
X線マスク製品に本発明を適用することができる。ま
た、この測定によって得られた結果を、次の層のパター
ンにフィードバックすることによって、基板上の位置ず
れを減少することが可能となるので、歩留まりを向上さ
せることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、本発明に係る位置歪み及び応力の測定
方法の実施形態の一例であって、半導体基板上に位置歪
み測定用マークを形成しても半導体製品としてその機
能、特性に支障がなく、また後続の処理にも支障が生じ
ない場合に適用する例である。図1(a)及び(b)は
位置歪み測定用マークの一例の構成を示す平面図であ
る。本実施形態例では、先ず、半導体基板上に1μm 程
度の膜厚のフォトレジスト膜を塗布法により成膜し、次
いで、フォトリソグラフィにより位置歪み測定用マーク
パターンをフォトレジスト膜に転写、形成し、それをマ
スクにしてエッチングによって半導体基板全面にわたり
数mmの間隔で多数個の位置歪み測定用マークを形成す
る。そして、マスクとして使用したフォトレジスト膜を
酸素アッシング又はリムーバを用いて半導体基板上から
剥離する。レジストパターンを形成するには、電子線描
画装置又は収束イオンビーム装置等を用いても良い。
【0013】座標測定用のマークは、マークの形状に制
約はなく、例えば、その一例は、図1(a)に示すよう
な、縦横200μm の正方形領域の各隅に設けた同じ小
さな正方形により正方形領域内に区画した十字マークで
あり、別の例は、図1(b)に示すような縦横200μ
m の十字マークである。図1(a)及び(b)中の黒地
は、周辺に比べて隆起した凸状の区域又は周辺に比べて
陥没した凹状の区域である。
【0014】次に、光学式座標位置測定器を用いて、プ
ロセス処理前の位置歪み測定用マークの当初座標位置を
測定する。位置歪み測定用マークの座標位置の測定に
は、光学式座標位置測定器に代えて、電子線座標位置測
定器を用いても良い。当初座標位置の測定を終了した
後、半導体基板にプロセス処理を施す。プロセス処理で
は、例えば、半導体基板上に成膜処理を行って、成膜の
際に生じる応力及び位置歪み量を測定すべき薄膜を半導
体基板上に成膜する。或いは、プロセス処理の際に生じ
る応力及び位置歪み量を測定したい基板表面改質処理、
例えば酸化処理等を半導体基板に施す。
【0015】半導体基板にプロセス処理を施した後、再
び、位置歪み測定用マークの現在座標位置を測定し、当
初座標位置と比較して、プロセス処理に起因する位置歪
みを求めることができる。
【0016】位置歪みの大小と応力の大小とは比例関係
にあるので、薄膜の種類、プロセス処理の条件を種々代
えて、位置歪みを測定することにより、応力が小さい材
料、応力が小さくなるプロセス条件を容易に決めること
が可能となる。また、次の層を成膜する際、測定した位
置歪み量をパターン位置にフィードバックすることによ
って、位置合わせが正確になり、製品歩留まりを向上さ
せることができる。
【0017】本実施形態例は、半導体基板に形成する位
置歪み測定用マークがデバイスに悪影響を与えない場合
に適用するのが好ましい。例えば、段差が0.3μm 以
下の位置歪み測定用マークを平坦化後の基板に形成する
場合には、位置歪み測定用マークがデバイスの形状、機
能、特性に影響しないので、実際の半導体装置製品を製
造する場合にも応用することができる。本実施形態例で
は、個々のデバイスの個々のプロセスに対して、位置歪
み量をフィードバックしてデバイスを作製することが可
能となる。また、デバイス全体に比べて、座標測定用マ
ークの大きさが200μm と小さいので、位置歪み測定
用マークが応力及び位置歪みに与える影響を無視するこ
とができる。
【0018】実施形態例2 本実施形態例は、本発明に係る位置歪みの測定方法の実
施形態の別の例であって、実施形態例1を適用できない
場合、例えば、半導体基板上に直接位置歪み測定用マー
クを形成するのが物理的又は技術的に困難な場合、半導
体基板上に位置歪み測定用マークを形成することによっ
て、半導体装置製品のデバイス特性が変わったり、後続
のプロセス処理に支障が生じる等の不都合がある場合等
に適用する例である。本実施形態例では、半導体基板上
に薄膜を形成し、実施形態例1の位置歪み測定用マーク
と同様の小さな位置歪み測定用マークをその薄膜全面に
わたり離散して形成する。薄膜としては、例えば、酸化
シリコン膜、窒化シリコン膜、塗布型有機膜等を使用す
る。薄膜に位置歪み測定用マークを形成した後、実施形
態例1と同様にして、位置歪み測定用マークの当初位置
座標、及びプロセス処理後の現在位置座標を測定して、
位置歪みを検出し、利用する。
【0019】実施形態例3 本実施形態例は、本発明に係る位置歪みの測定方法の実
施形態の更に別の例であって、実施形態例1及び実施形
態例2を適用できない場合に適用する例である。本実施
形態例は、半導体基板の基板面又は基板面上の薄膜に位
置歪み測定用マークを形成する実施形態例1及び2に代
えて、半導体基板の裏面全面に位置歪み測定用マークを
形成する。本実施形態例では、先ず、塗布型有機膜の保
護膜等で半導体基板表面を覆い、基板面を保護する。次
いで、半導体基板裏面にフォトレジスト膜を塗布し、フ
ォトリソグラフィにより位置歪み測定用マークパターン
をフォトレジスト膜に転写、形成し、それをマスクにし
てエッチングし、実施形態例1と同様の小さな位置歪み
測定用マークを半導体基板の裏面全面にわたり数mmの間
隔で多数個形成する。そして、マスクとして使用したフ
ォトレジスト膜を酸素アッシング又はリムーバ装置を用
いて半導体基板上から剥離する。レジストパターンを形
成するには、電子線描画装置又は収束イオンビーム等を
用いても良い。
【0020】次いで、実施形態例1と同様にして、位置
歪み測定用マークの当初位置座標、及びプロセス処理後
の現在位置座標を測定して、位置歪みを検出し、実施形
態例1及び2と同様に利用する。
【0021】実施形態例4 本実施形態例は本発明に係るX線マスクの実施形態の一
例であって、図2は本実施形態例のX線マスクの構成を
示す断面側面図である。本実施形態例のX線マスク30
は、メンブレン裏面にパターン位置測定用マークが形成
されている点で図7に示した従来のX線マスク10と異
なり、従来のX線マスク10の構成に加えて、メンブレ
ン14の裏面全面に、即ち、X線吸収パターン16とは
反対側のメンブレン面全面に、所定の間隔で、例えば3
mmの間隔で、実施形態例1の位置歪み測定用マークと同
様の位置歪み測定用マーク32を備えている。これによ
り、本実施形態例のX線マスク30では、実際に使用す
るX線マスクに位置歪み測定用マークを設けることがで
きるので、従来のように、X線吸収パターンに位置歪み
測定用マークを別途設けたテスト用X線マスクを作製す
る必要がない。また、実際にX線マスクを使用し、使用
した際の位置歪みを検出できるので、より実際のプロセ
ス処理に則した位置歪みを検出できる。
【0022】以下に、図3及び図4を参照して、X線マ
スク30の作製方法を説明する。図3(a)から
(d)、及び図4(e)と(f)は、それぞれ、X線マ
スクを作製する際の各工程毎の断面図である。先ず、図
3(a)に示すように,厚さ1〜2mmのSi基板12の
基板面の周辺部を除く領域に、フォトリソグラフィ及び
エッチングにより、位置歪み測定用マーク32を形成す
るための凹部パターン34を形成する。次いで、図3
(b)に示すように、メンブレン14、16を基板12
の両面に形成するために、基板12の両面にCVD法に
よりSiC膜又はダイアモンド膜からなるメンブレン用
膜36を1〜2μm 堆積する。ここで、メンブレン用3
6は、バックエッチング工程でマスクとして用いるの
で、シリコン窒化膜等を使用することも可能である。次
に、図3(c)に示すように、凹部パターン34を形成
した基板面は凹凸があるので、研磨により平滑化する。
次に、図3(d)に示すように、メンブレン用膜36を
介してSi基板12の裏面に、エポキシ樹脂を用いて厚
さ5mm程度の石英又はSiC等の支持枠20を接着す
る。その他の接着方法として、陽極接合等が知られてい
る。
【0023】次に、図4(e)に示すように、KOHに
よる異方性エッチングにより、支持枠20側のメンブレ
ン用膜36及びSi基板12をバックエッチングして、
メンブレン14の裏面に形成された位置測定用マーク3
2を露出させる。バックエッチング工程は支持枠接着前
に行っても同様のX線マスク基板が得られる。続いて、
位置歪み測定用マーク32の当初座標位置を光学式座標
測定器で測定する。次いで、図3(f)に示すように、
メンブレン14上にX線吸収体層38を成膜する。X線
吸収体層38を成膜した後、再度、位置歪み測定用マー
ク32の現在座標位置を測定する。X線吸収体層38の
成膜前後の座標位置変化からX線吸収体層38の平均応
力及び応力の分布と、応力によって誘起された位置歪み
とを測定することができる。
【0024】1〜2μm のメンブレン上に生じる位置歪
み測定用マークの位置変化を測定する本実施形態例の方
が、2mm以上の厚さを有するSi基板12に生じる反り
を測定してその変化を求める従来の方法よりも、測定が
容易で、高精度な応力測定ができる。この方法を用いる
と、メンブレン14上にX線吸収体層38を成膜したと
きに、応力が小さいX線吸収体及びハードマスク又はメ
ンブレン上に塗布したときに応力が小さいレジスト材料
又はそれらを作製するプロセス条件を容易に調べること
が可能となる。また、メンブレンの膜厚に比べて、位置
歪み測定用マークの段差を十分に小さくすることによ
り、位置歪み測定用マークによるX線露光の影響を無く
すことができる。X線吸収体の応力がマスク間でばらつ
く場合にも、本発明のX線マスクを用いて個々のX線吸
収体の応力又は応力によって誘起された位置歪みを測定
し、その測定値に応じてX線マスク上に形成するデバイ
スパターンの位置をEB描画時に補正することによっ
て、高精度なX線マスクを効率よく作製することが可能
となる。
【0025】実施形態例5 本実施形態例は、本発明に係るX線マスクの位置歪み及
び応力の測定方法の実施形態の一例であって、図5
(a)から(c)及び図6(d)と(e)は、それぞ
れ、本実施形態例の方法を実施する際の各工程毎のX線
マスクの構成を示す断面側面図である。先ず、図5
(a)に示すように,厚さ1〜2mmのSi基板42の両
面にメンブレンを形成するために、基板42の両面にC
VD法によりSiC膜又はダイアモンド膜を1〜2μm
堆積してメンブレン用膜44を成膜する。次に、図5
(b)に示すように、メンブレン用膜44を介してSi
基板42の裏面に、エポキシ樹脂を用いて厚さ5mm程度
の石英又はSiC等の支持枠46を接着する。その他の
接着方法として、陽極接合等が知られている。次に、図
5(c)に示すように、バックエッチング用のマスクを
裏面に形成して、KOHによる異方性エッチングによ
り、支持枠46側のメンブレン用膜44及びSi基板4
2をバックエッチングして、メンブレン用膜44の裏面
を露出させる。
【0026】次に、位置歪み測定用マーク形成用の薄膜
をメンブレン44上に成膜する。位置歪み測定用マーク
形成用の薄膜には、例えば、シリコン酸化膜、X線吸収
体材料、SiC等を使用する。薄膜を成膜した後、フォ
トレジスト膜を成膜し、図6(d)に示すように、電子
線描画装置又は収束イオンビーム装置等を用いてレジス
トパターンを描画し、ドライエッチングによって位置歪
み測定用マーク48を形成する。続いて、位置歪み測定
用マーク42の当初座標位置を光学式座標位置測定器又
は電子線座標測定器によって行う。次に、図6(e)に
示すように、位置歪み測定用マーク48を含めてメンブ
レン44上にX線吸収体層50を成膜する。成膜した
後、位置歪み測定用マーク42の現在座標位置を測定し
て、位置歪みを検出する。これによって、X線吸収体層
44の位置歪み及び位置歪みによって誘起された応力を
求める。
【0027】ここで、位置歪み測定用マークの大きさは
マーク間隔と比べて十分小さいので、X線吸収体の応力
及び位置歪みには影響しない。このようにして得られた
結果を基に、実際のX線マスク製品のデバイスパターン
位置を補正すると、高精度なX線マスクを作製すること
ができる。また、パターンの膜厚がX線吸収体の膜厚に
比べて薄く、X線透過率が十分に大きい場合には、実際
のX線マスクにおいても位置歪み測定用マークを剥離す
る必要はなく、測定結果によってデバイスパターンの位
置を補正することが可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば、半導体基板の基板
面全面に離散して一つのチップ領域当たり複数個の位置
歪み測定用マークを形成し、プロセス処理の前後で、位
置歪み測定用マークの座標位置を測定して、その差を求
めることにより、位置歪み及び応力を正確に測定するこ
とができる。本発明方法を適用することにより、半導体
基板に生じる応力及び位置歪みを測定することが可能と
なり、その情報をフィードバックすることによって微細
なパターンを有するデバイスを歩留まり良く作製するこ
とができる。また、微細な位置歪み測定用マークを半導
体基板の基板面全面に離散して形成することにより、半
導体基板上の各チップ領域の位置歪み及び応力を測定す
ることもできる。また、バックエッチング先行プロセス
により製作した本発明に係るX線マスクによれば、メン
ブレン上薄膜の応力及び位置歪みを測定することが可能
となり、より低応力な薄膜を形成することが可能とな
る。また、その位置歪み情報をフィードバックすること
によって、高精度なX線マスクを効率よく作製すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、それぞれ、パターン
位置測定用マークの一例を示す。
【図2】実施形態例4のX線マスクの構成を示す模式的
断面図である。
【図3】図3(a)から(d)は、それぞれ、実施形態
例4のX線マスクを作製する際の各工程毎の断面図であ
る。
【図4】図4(e)と(f)は、それぞれ、図3(d)
に続く、実施形態例4のX線マスクを作製する際の各工
程毎の断面図である。
【図5】図5(a)から(c)は、それぞれ、実施形態
例5の位置歪み及び応力の測定方法を適用する際のX線
マスクの各工程毎の断面図である。
【図6】図6(d)と(e)は、それぞれ、図5(c)
に続く、実施形態例5の位置歪み及び応力の測定方法を
適用する際のX線マスクの各工程毎の断面図である。
【図7】従来のX線マスクの構成を示す模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
10 従来のX線マスク 12 基板 14 メンブレン 16 X線吸収体からなる転写パターン 18 別のメンブレン 20 支持枠 22 中空部 30 実施形態例4のX線マスク 32 位置歪み測定用マーク 34 凹部パターン 36 メンブレン用膜 38 X線吸収体層 42 基板 44 メンブレン用膜 46 支持枠 48 位置歪み測定用マーク

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板にプロセス処理を施した際に
    生じる位置歪み及び位置歪みに伴って発生する応力を測
    定する方法であって、 半導体基板の基板面全面に離散して位置歪み測定用マー
    クを形成する工程と、 プロセス処理を施す前に、位置歪み測定用マークの当初
    座標位置を測定する工程と、 プロセス処理を施した後に、位置歪み測定用マークの現
    在座標位置を測定し、位置歪み測定用マークの現在座標
    位置と当初座標位置との差を求めて位置歪みを算出し、
    かつ、位置歪みと応力との関係から発生した応力を算出
    する工程とを備えていることを特徴とする位置歪み及び
    応力測定方法。
  2. 【請求項2】 位置歪み測定用マークを形成する工程で
    は、半導体基板の基板面全面に一つのチップ領域当たり
    複数個の位置歪み測定用マークを形成することを特徴と
    する請求項1に記載の位置歪み及び応力の測定方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板の基板面全面に離散して位置
    歪み測定用マークを形成する工程に代えて、半導体基板
    上に薄膜を成膜し、薄膜全面に位置歪み測定用マークを
    形成する工程を備えていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の位置歪み及び応力の測定方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板の基板全面に位置歪み測定用
    マークを形成する工程に代えて、半導体基板の裏面全面
    に離散して位置歪み測定用マークを形成する工程を備え
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置歪
    み及び応力の測定方法。
  5. 【請求項5】 メンブレン上にX線吸収体からなる転写
    パターンを備えているX線マスクの作製に際し、メンブ
    レン上にX線吸収体層を成膜し、パターニングする際に
    生じる位置歪み及び位置歪みに伴って発生する応力を測
    定する方法であって、 メンブレン面に位置歪み測定用マークを形成する工程
    と、 X線吸収体層をメンブレン上に成膜する前に、位置歪み
    測定用マークの当初座標位置を測定する工程と、 X線吸収体層を成膜した後に、位置歪み測定用マークの
    現在座標位置を測定し、位置歪み測定用マークの現在座
    標位置と当初座標位置との差を求めて位置歪みを算出
    し、かつ、位置歪みと応力との関係から発生した応力を
    算出する工程とを有することを特徴とする位置歪み及び
    応力の測定方法。
  6. 【請求項6】 基板に設けられたメンブレン上にX線吸
    収体からなる転写パターンを備えているX線マスクにお
    いて、 基板に設けた開口を介して露出しているメンブレンの裏
    面に位置歪み測定用マークを備えていることを特徴とす
    るX線マスク。
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