JP3024377B2 - 斜板式圧縮機における回転軸支持構造 - Google Patents

斜板式圧縮機における回転軸支持構造

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JP3024377B2
JP3024377B2 JP4211164A JP21116492A JP3024377B2 JP 3024377 B2 JP3024377 B2 JP 3024377B2 JP 4211164 A JP4211164 A JP 4211164A JP 21116492 A JP21116492 A JP 21116492A JP 3024377 B2 JP3024377 B2 JP 3024377B2
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suction
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valve
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浩一 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸の周囲に配列さ
れた前後で対となる複数対のシリンダボア内に両頭ピス
トンを収容すると共に、回転軸に支持された斜板の回転
運動を前記両頭ピストンの往復運動に変換する斜板式圧
縮機における回転軸支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の斜板式圧縮機(例えば特開平3−
92587号公報参照)では圧縮室内の冷媒ガスが両頭
ピストンの往動動作によって吐出室へ吐出され、吸入室
内の冷媒ガスが両頭ピストンの復動動作によって圧縮室
内へ吸入される。両頭ピストンは複数個用いられ、回転
軸の周囲に等角度間隔に配列されたシリンダボア内に収
容されている。圧縮室は吐出ポートを介して吐出室に接
続しており、吸入ポートを介して吸入ポートを介して吸
入室に接続している。吐出ポートは吐出弁によって開閉
され、圧縮室内の冷媒ガスは吐出弁を押し退けつつ吐出
室へ吐出される。吸入ポートは吸入弁によって開閉さ
れ、吸入室の冷媒ガスは吸入弁を押し退けつつ圧縮室へ
吸入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】斜板を支持する回転軸
の回転は一対のラジアルベアリングを介して前後一対の
シリンダブロックにより支持される。即ち、回転軸に対
するラジアル荷重はラジアルベアリングを介してシリン
ダブロックで受け止められる。又、回転軸に対するスラ
スト荷重は斜板を挟んだ前後一対のスラストベアリンダ
を介してシリンダブロックで受け止められる。
【0004】回転軸に対するスラスト荷重は図10の曲
線Cで示すように変動する。即ち、回転軸に対するスラ
スト荷重の最大値Fmax は斜板の前後方向に5回ずつ交
互に向きを変える。この場合の斜板式圧縮機における両
頭ピストンは5つである。シリンダブロックと斜板との
間にはスラストベアリングがあるが、スラストベアリン
グのコロを挟む一対のレースは予め撓み変形させられ
る。この撓み変形は前後一対のシリンダブロックの接合
状態において与えられ、回転軸に対して予荷重として作
用する。この予荷重は前記スラスト荷重の最大値を上回
るように設定される。このような予荷重設定により回転
軸のスラスト方向のガタつきが無くなり、異常音、異常
振動が抑制される。
【0005】しかしながら、回転軸に対するラジアル荷
重及びスラスト荷重をそれぞれ別々の軸受け部材を介し
て受け止める構成は組み付け作業工程の複雑化をもたら
す。本発明は、回転軸に対するラジアル荷重及びスラス
ト荷重を1つの軸受け部材で受け止め、かつ回転軸に対
して適正な予荷重を作用させ得る斜板式圧縮機における
回転軸支持構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
斜板を支持する回転軸を一対の円錐コロ軸受けにより回
転可能に支持し、円錐コロ軸受けの外輪を支持する支持
体と外輪との間にはスライド可能な嵌合関係を設定し、
円錐コロ軸受けにおけるスラスト荷重を受け止める方向
へ付勢する予荷重付与ばねのばね力を少なくとも一方の
円錐コロ軸受けの外輪に作用させた。
【0007】
【作用】円錐コロ軸受けの内輪は回転軸に対してスライ
ド不能に嵌合される。内輪と外輪との間に挟まれるコロ
は回転軸に対して傾いており、コロの周回軌跡は回転軸
を中心とする円錐面上にある。このような構成により回
転軸に対するスラスト荷重及びラジアル荷重がいずれも
円錐コロ軸受けを介して受け止められる。予荷重付与ば
ねのばね力はこの円錐面の小径側から大径側に向けて外
輪に作用する。外輪はその支持体に対してスライド可能
であり、予荷重付与ばねのばね力は外輪、コロ及び内輪
を介して回転軸に対してスラスト方向に作用する。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図5に基づいて説明する。図1に示すように接合された
前後一対のシリンダブロック1,2の中心部には収容孔
1a,2aが貫設されている。シリンダブロック1,2
の端面にはバルブプレート3,4が接合されており、バ
ルブプレート3,4には支持孔3a,4aが貫設されて
いる。支持孔3a,4aの周縁には環状の位置決め突起
3b,4bが突設されており、位置決め突起3b,4b
は収容孔1a,2aに嵌入されている。バルブプレート
3,4及びシリンダブロック1,2にはピン5,6が挿
通されており、シリンダブロック1,2に対するバルブ
プレート3,4の回動がピン5,6により阻止されてい
る。
【0009】バルブプレート3,4の支持孔3a,4a
には回転軸7が円錐コロ軸受け8,9を介して回転可能
に支持されている。円錐コロ軸受け8,9の外輪8a,
9aは収容孔1a,2aにスライド可能に嵌入支持され
ており、内輪8b,9bは回転軸7上の段差部7a,7
bに当接して固定されている。外輪8a,9aと内輪8
b,9bとの間に挟まれるコロ8c,9cは回転軸7に
対して傾いており、コロ8c,9cの周回軌跡は円錐面
上にある。両コロ8c,9cの周回軌跡である円錐面の
大径側が対向している。
【0010】回転軸7には斜板10が固定支持されてい
る。斜板室11を形成するシリンダブロック1,2には
導入口12が形成されており、導入口12には図示しな
い外部吸入冷媒ガス管路が接続されている。
【0011】図2及び図3に示すように回転軸7を中心
とする等間隔角度位置には複数のシリンダボア13,1
3A,14,14Aが形成されている。図1に示すよう
に前後で対となるシリンダボア13,14,13A,1
4A(本実施例では5対)内には両頭ピストン15,1
5Aが往復動可能に収容されている。両頭ピストン1
5,15Aと斜板10の前後両面との間には半球状のシ
ュー16,17が介在されている。従って、斜板10が
回転することによって両頭ピストン15,15Aがシリ
ンダボア13,14,13A,14A内を前後動する。
【0012】シリンダブロック1の端面にはフロントハ
ウジング18が接合されており、シリンダブロック2の
端面にもリヤハウジング19が接合されている。図4及
び図5に示すように両ハウジング18,19の内壁面に
は複数の押さえ突起18a,19aが突設されている。
【0013】押さえ突起18aと円錐コロ軸受け8の外
輪8aとの間には環状板形状のの予荷重付与ばね20が
介在されている。予荷重付与ばね20の外周縁部は押さ
え突起18aに嵌めこまれている。この嵌め込み構成に
より予荷重付与ばね20はフロントハウジング18に対
して位置変位不能に支持される。円錐コロ軸受け8の外
輪8aの端面はバルブプレート3の支持孔3aを形成す
る壁の端面から突出しており、予荷重付与ばね20の内
周縁部は円錐コロ軸受け9の外輪9aの端面に当接して
いる。押さえ突起19aは円錐コロ軸受け9の外輪9a
の端面に当接している。
【0014】円錐コロ軸受け8,9のコロ8c,9cの
周回軌跡は円錐面上にあり、両コロ8c,9cの周回軌
跡である円錐面の大径側が対向している。又、円錐コロ
軸受け8,9の内輪8b,9bは回転軸7の段差部7
a,7bに当接している。従って、フロントハウジング
18側からリヤハウジング19側に向かう回転軸7に対
するスラスト荷重は円錐コロ軸受け9を介してリヤハウ
ジング19で受け止められる。又、リヤハウジング19
側からフロントハウジング18側へ向かう回転軸7に対
するスラスト荷重は円錐コロ軸受け8及び予荷重付与ば
ね20を介してフロントハウジング18で受け止められ
る。
【0015】シリンダブロック1、バルブプレート3及
びフロントハウジング18はボルト21により締め付け
固定されている。シリンダブロック2、バルブプレート
4及びリヤハウジング19はボルト22により締め付け
固定されている。ボルト21の締め付けは環状レース2
0を撓み変形させ、この撓み変形が円錐コロ軸受け8を
介して回転軸7に予荷重を与える。
【0016】両ハウジング18,19内には吐出室2
3,24が形成されている。両頭ピストン15,15A
によりシリンダボア13,14,13A,14A内に区
画される圧縮室Pa,Pbはバルブプレート3,4上の
吐出ポート3c,4cを介して吐出室23,24に接続
している。吐出ポート3c,4cはフラッパ弁型の吐出
弁31,32により開閉される。吐出弁31,32の開
度はリテーナ33,34により規制される。吐出弁3
1,32及びリテーナ33,34はボルト35,36に
よりバルブプレート3,4上に締め付け固定されてい
る。吐出室23は排出通路25を介して図示しない外部
吐出冷媒ガス管路に連通している。
【0017】26は回転軸7の周面に沿った吐出室23
から圧縮機外部への冷媒ガス漏洩を防止するリップシー
ルである。回転軸7上の段差部7a,7bにはロータリ
バルブ27,28が支持されている。ロータリバルブ2
7,28と回転軸7との間にはシールリング39,40
が介在されている。ロータリバルブ27,28は回転軸
7と一体的に回転可能に収容孔1a,2a内に収容され
ている。ロータリバルブ27,28の一端部には吐出室
23,24の吐出冷媒ガス圧が作用しており、他端部に
は斜板室11の吸入冷媒ガス圧が作用している。即ち、
ロータリバルブ27,28は吐出圧領域と吸入圧領域と
を遮断する。
【0018】ロータリバルブ27,28内には吸入通路
29,30が形成されている。吸入通路29,30の入
口は斜板室11上に開口しており、吸入通路29,30
の出口は収容孔1a,2aの内周面上に開口している。
【0019】図2に示すようにロータリバルブ27を収
容する収容孔1aの内周面にはシリンダボア13,13
Aと同数の吸入ポート1bが等間隔角度位置に配列形成
されている。吸入ポート1bとシリンダボア13,13
Aとは1対1で常に連通しており、各吸入ポート1bは
吸入通路29の出口の周回領域に接続している。
【0020】同様に、図3に示すようにロータリバルブ
28を収容する収容孔2aの内周面にはシリンダボア1
4,14Aと同数の吸入ポート2bが等間隔角度位置に
配列形成されている。吸入ポート2bとシリンダボア1
4,14Aとは1対1で常に連通しており、各吸入ポー
ト2bは吸入通路30の出口の周回領域に接続してい
る。
【0021】図1、図2及び図3に示す状態では両頭ピ
ストン15Aは一方のシリンダボア13Aに対して上死
点位置にあり、他方のシリンダボア14Aに対して下死
点位置にある。このようなピストン配置状態のとき、吸
入通路29の出口29bはシリンダボア13Aの吸入ポ
ート1bに接続する直前にあり、吸入通路30の出口3
0bはシリンダボア14Aの吸入ポート2bに接続した
直後にある。即ち、両頭ピストン15Aがシリンダボア
13Aに対して上死点位置から下死点位置に向かう吸入
行程に入ったときには吸入通路29はシリンダボア13
Aの圧縮室Paに連通する。この連通により斜板室11
内の冷媒ガスが吸入通路29を経由してシリンダボア1
3Aの圧縮室Paに吸入される。一方、両頭ピストン1
5Aがシリンダボア14Aに対して下死点位置から上死
点位置に向かう吐出行程に入ったときには吸入通路30
はシリンダボア14Aの圧縮室Pbとの連通を遮断され
る。この連通遮断によりシリンダボア14Aの圧縮室P
b内の冷媒ガスが吐出弁3を押し退けつつ吐出ポート4
cから吐出室24に吐出される。
【0022】このような冷媒ガスの吸入及び吐出は他の
シリンダボア13,14の圧縮室Pにおいても同様に行
われる。回転軸7の一端はフロントハウジング18から
外部に突出しており、他端はリヤハウジング19側の吐
出室24内に突出している。回転軸7の軸心部には吐出
通路37が形成されている。吐出通路37は吐出室24
に開口している。フロントハウジング18側の吐出室2
3によって包囲される回転軸7の周面部位には導出口3
8が形成されており、吐出室23と吐出通路37とが導
出口38によって連通されている。従って、前後の吐出
室23,24が吐出通路37によって連通しており、吐
出室24の冷媒ガスは吐出通路37から吐出室23に合
流する。
【0023】回転軸7に対するスラスト荷重は図10の
曲線Cで示すように変動する。縦軸のプラス側はフロン
トハウジング18側からリヤハウジング19側に向かう
スラスト荷重である。縦軸のマイナス側はリヤハウジン
グ19側からフロントハウジング18側に向かうスラス
ト荷重である。直線L1 ,L2 は予荷重付与ばね20の
撓み変形によって与えられる予荷重を表す。直線L1 で
表す予荷重(+F0 )はリヤハウジング19側からフロ
ントハウジング18側へ向かうスラスト荷重に対抗す
。予荷重F0 は最大のスラスト荷重Fmax を幾分上回
るように設定されている。このような予荷重F0 の設定
により回転軸7上の段差部7aと押さえ突起18aとの
間、及び段差部7bと押さえ突起19aとの間ではスラ
スト方向における間隙が生じることはない。即ち、回転
軸7がガタつくことはなく、異常音、異常振動は生じな
い。
【0024】このような予荷重は予荷重付与ばね20の
ばね特性及び撓み変形量によって決まる。予荷重付与ば
ね20の撓み変形量はシリンダブロック1,2、バルブ
プレート3,4、フロントハウジング18、リヤハウジ
ング19及び予荷重付与ばね20の組み付け誤差に左右
される。組み付け誤差にばらつきがなければ予荷重はど
の圧縮機においても略等しくなる。組み付け誤差にばら
つきがある場合には圧縮機毎に予荷重が異なる。このよ
うな場合には押さえ突起18aと予荷重付与ばね20と
の間、あるいは円錐コロ軸受け9の外輪9aと押さえ突
起19aとの間にシムを適宜介在することにより適正な
予荷重を付与することができる。即ち、斜板式圧縮機に
おける予荷重付与を安定して管理することができ、騒
音、振動に関する斜板式圧縮機の品質が安定する。
【0025】又、回転軸7に対するラジアル荷重及びス
ラスト荷重の両方を円錐コロ軸受け8,9を介して受け
止めるため、回転軸7のための軸受け部材の個数が従来
より半減する。従って、組み付け作業工程が簡単にな
る。
【0026】本実施例ではロータリバルブ27,28を
吸入弁として採用しているが、この採用構成は次のよう
な利点をもたらす。フラッパ弁型の吸入弁の場合には、
潤滑油が吸入弁とその密接面との間の吸着力を大きくし
てしまい、吸入弁の開放開始タイミングが前記吸着力に
よって遅れる。この遅れ、吸入弁の弾性抵抗による吸入
抵抗が体積効率を低下させる。しかしながら、強制回転
されるロータリバルブ27,28の採用では潤滑油に起
因する吸着力及び吸入弁の弾性抵抗による吸入抵抗の問
題はなく、圧縮室Pa,Pb内の圧力が斜板室11内の
吸入圧をわずかに下回れば冷媒ガスが直ちに圧縮室P
a,Pbに流入する。従って、ロータリバルブ27,2
8採用の場合には体積効率がフラッパ弁型の吸入弁採用
の場合に比して大幅に向上する。
【0027】従来のシリンダブロック内の吸入通路は隣
合うシリンダボアの狭間にそれぞれ1つずつ設けられて
おり、このような吸入通路の存在はシリンダブロックの
強度を低下させる。又、吐出通路もシリンダブロックに
設けられている。そのため、シリンダボアの配列間隔は
シリンダブロックの強度を確保し得る程度まで拡げられ
ることになり、吸入通路及び吐出通路がシリンダブロッ
ク内に存在する限りシリンダブロックの配列間隔を狭め
ることはできない。
【0028】斜板室11の吸入冷媒ガスがロータリバル
ブ27,28内の吸入通路29,30を経由して圧縮室
Pa,Pbへ吸入される構成は従来の斜板式圧縮機にお
けるシリンダブロック内の複数の吸入通路を不要とす
る。又、吐出室24に吐出された吐出冷媒ガスを回転軸
7内の吐出通路37を経由して排出通路25へ導く構成
は従来の斜板式圧縮機におけるシリンダブロック内の吐
出通路を不要とする。シリンダブロック1,2から吸入
通路及び吐出通路を排除したことによってシリンダボア
13,13A,14,14Aの配列間隔を狭めることが
できる。シリンダボア13,13A,14,14Aの配
列間隔の減少はシリンダボア13,13A,14,14
Aの配列半径の縮径化に繋がり、シリンダブロック1,
2全体の縮径化が達成される。従って、圧縮機全体の縮
径化及び軽量化が達成される。
【0029】ロータリバルブ27,28の採用は従来の
フロントハヴシング及びリヤハウジングにおける吸入室
を不要にする。従って、この吸入室の代わりに円錐コロ
軸受け8,9をフロントハウジング18内及びリヤハウ
ジング19内に配置することができる。即ち、ロータリ
バルブ27,28の採用のために軸受け部材用の配置ス
ペースを余分に用意する必要がなく、圧縮機のコンパク
ト化を阻害しない。
【0030】斜板室11内の冷媒ガスは圧縮室Pa,P
b内の圧力が斜板室11内の圧力を下回ると圧縮室P,
Pa,Pbに吸入される。斜板室11から圧縮室P,P
a,Pbに到る冷媒ガス流路における流路抵抗、即ち吸
入抵抗が高ければ圧力損失が大きくなり、圧縮効率が低
下する。ロータリバルブ27,28を採用することによ
り斜板室11から圧縮室P,Pa,Pbに到る冷媒ガス
流路長が短くなり、吸入抵抗が従来より低減する。従っ
て、損失が減り、圧縮効率が向上する。
【0031】本発明は勿論前記実施例にのみ限定される
ものではなく、例えば前記実施例においてリヤハウジン
グ19と円錐コロ軸受け9の外輪9aとの間に予荷重付
与ばね20を介在してもよい。
【0032】又、図6に示すようにコイルばね型の予荷
重付与ばね41を用いてもよい。コイルばね型の予荷重
付与ばね41の採用は環状板ばね製に比して設置スペー
スに関して不利であるが、予荷重のばらつきは殆ど無く
なる。即ち、斜板式圧縮機における予荷重付与を一層安
定して管理することができる。
【0033】本発明は図7〜図9に示すような斜板式圧
縮機にも適用できる。図7に示すようにボルト42によ
って締付接合された前後一対のシリンダブロック43,
44には回転軸45が円錐コロ軸受け46,47を介し
て回転可能に支持されている。円錐コロ軸受け46,4
7は収容孔43a,44a内に収容されている。円錐コ
ロ軸受け46,47の外輪46a,47aは収容孔43
a,44aに対してスライド可能に嵌入されている。外
輪46a,47aと共にコロ46c,47cを挟む内輪
46b,47bは回転軸45に固定されている。
【0034】回転軸45には斜板48が固定支持されて
いる。シリンダブロック43,44には導入口49,5
0が形成されており、導入口49,50には図示しない
外部吸入冷媒ガス管路が接続されている。導入口49,
50は斜板室66に連通している。
【0035】図8に示すように回転軸45を中心とする
等間隔角度位置には複数のシリンダボア51,52が形
成されている。図7に示すように前後で対となるシリン
ダボア51,52内には両頭ピストン53が往復動可能
に収容されており、両頭ピストン53と斜板48の前後
両面との間には半球状のシュー16,17が介在されて
いる。
【0036】シリンダブロック43の端面にはフロント
カバー54がボルト55によって締め付け接合されてい
る。シリンダブロック44の端面にもリヤカバー56が
ボルト57によって締め付け接合されている。フロント
カバー54と円錐コロ軸受け46の外輪46aとの間に
は環状の予荷重付与ばね82が介在されている。フロン
トカバー54は予荷重付与ばね82の外周縁部に当接
し、外輪46aは予荷重付与ばね82の内周縁部に当接
している。円錐コロ軸受け47の外輪47aにはリヤカ
バー56が当接している。予荷重付与ばね82は第1実
施例と同様に撓み変形している。
【0037】両カバー54,56内には吐出室58,5
9が形成されている。吐出室58,59はカバー54,
56上の吐出ポート54a,56aを介してシリンダボ
ア51,52に接続している。吐出室58は排出通路6
0を介して図示しない外部吐出冷媒ガス管路に連通して
いる。
【0038】61は回転軸45の周面に沿った吐出室5
8から圧縮機外部への冷媒ガス漏洩を防止するリップシ
ールである。両頭ピストン53内には一対の吸入室6
2,63が区画形成されている。吸入室62,63は両
頭ピストン53上の流入口64,65を介して斜板室6
6に連通しており、斜板室66内の冷媒ガスが流入口6
4,65を介して吸入室62,63へ流入可能である。
【0039】図9に示すように両頭ピストン53のフロ
ント側のヘッド端面には吸入ポート67が貫設されてお
り、吸入ポート67上には吸入弁68が介在されてい
る。吸入弁68は、ヘッド端面に嵌入固定される弁座6
9と、弁座69内に収容された円板状のフロート弁70
と、フロート弁70を弁座69内に収容保持するための
サークリップ型のリテーナ71とから構成されている。
弁座69には通口72が形成されており、この通口72
がフロート弁70によって開閉される。
【0040】両頭ピストン53のリヤ側のヘッド端面に
も吸入ポート73が貫設されており、吸入ポート73上
には吸入弁68と同様の吸入弁74が介在されている。
吐出ポート54a上には吐出弁75が介在されている。
図9に示すように、吐出弁75は、フロントカバー54
に嵌入固定される弁座76と、弁座76内に収容された
円板状のフロート弁77と、フロート弁77を弁座76
内に収容保持するためのリテーナ78とから構成されて
いる。弁座76、フロート弁77及びリテーナ78はい
ずれも吸入弁68の弁座69、フロート弁70及びリテ
ーナ71と同一の形状である。
【0041】吐出ポート56a上にも吐出弁75と同様
の吐出弁79が介在されている。両頭ピストン53のシ
リンダボア51側の復動行程時には吸入室62内の冷媒
ガスがフロート弁70を押し退けて両頭ピストン53と
フロントカバー54との間の圧縮室Pa内へ吸入され
る。フロート弁70はリテーナ71に当接して開度規制
される。両頭ピストン53のシリンダボア51側の往動
行程時には圧縮室Pa内の冷媒ガスがフロート弁70を
押し退けて吐出室58へ吐出される。フロート弁77は
リテーテ78に当接して開度規制される。
【0042】両頭ピストン53とリヤカバー56との間
の圧縮室Pb側においても吸入弁74及び吐出弁79を
介して同様の吸入及び吐出が行われる。回転軸45の一
端はフロントカバー54から外部に突出しており、他端
はリヤカバー56側の吐出室59内に突出している。回
転軸45の軸心部には吐出通路80が形成されている。
吐出通路80は吐出室59に開口している。
【0043】吐出室58によって包囲される回転軸45
の部位には導出口81が形成されており、吐出室58と
吐出通路80とが導出口81によって連通されている。
吐出室59から吐出通路80へ流入した吐出冷媒ガス
は導出口81から吐出室58へ流出する。吐出室58の
吐出冷媒ガスは排出通路60を経由して外部吐出冷媒ガ
ス管路へ排出される。
【0044】この実施例においても予荷重付与ばね82
の撓み変形が円錐コロ軸受け46,47を介して回転軸
45に予荷重を付与する。従って、第1実施例と同様に
斜板式圧縮機における予荷重付与を安定して管理するこ
とができ、騒音、振動に関する斜板式圧縮機の品質が安
定する。
【0045】又、斜板収容室66の吸入冷媒ガスが両頭
ピストン53内の吸入室62,63を経由して圧縮室P
a,Pbへ吸入される構成は従来の斜板式圧縮機におけ
るシリンダブロック内の複数の吸入通路を不要とする。
又、吐出室59に吐出された吐出冷媒ガスを回転軸45
内の吐出通路80を経由して排出通路60へ導く構成は
従来の斜板式圧縮機におけるシリンダブロック内の吐出
通路を不要とする。従って、シリンダボア51,52の
配列半径の縮径化ができ、圧縮機全体の縮径化及び軽量
化が得られる。
【0046】又、従来ではシリンダブロックの前後に設
けられていた吸入室が本実施例では両頭ピストン53内
の吸入室62,63に代わり、この配置変更も圧縮機全
体のコンパクト化に寄与する。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、斜板を支
持する回転軸を一対の円錐コロ軸受けにより回転可能に
支持し、円錐コロ軸受けの外輪を支持する支持体と外輪
との間にはスライド可能な嵌合関係を設定し、円錐コロ
軸受けにおけるスラスト荷重を受け止める方向へ付勢す
る予荷重付与ばねのばね力を少なくとも一方の円錐コロ
軸受けの外輪に作用させたので、回転軸の軸受け部材の
個数が減って組み付け作業工程が簡単になり、しかも回
転軸に対するスラスト方向の予荷重付与も安定し管理で
きるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した一実施例を示す圧縮機全
体の側断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 図1のC−C線断面図である。
【図5】 図1のD−D線断面図である。
【図6】 別例を示す圧縮機全体の側断面図である。
【図7】 別例を示す圧縮機全体の側断面図である。
【図8】 図7のE−E線断面図である。
【図9】 要部拡大側断面図である。
【図10】 予荷重を説明するグラフである。
【符号の説明】
1,2…支持体となるシリンダブロック、7…回転軸、
8,9…円錐コロ軸受け、8a,9a…外輪、10…斜
板、20…予荷重付与ばね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の周囲に配列された前後で対となる
    複数対のシリンダボア内に両頭ピストンを収容すると共
    に、回転軸に支持された斜板の回転運動を前記両頭ピス
    トンの往復運動に変換する斜板式圧縮機において、回転
    軸を一対の円錐コロ軸受けにより回転可能に支持し、円
    錐コロ軸受けの外輪を支持する支持体と外輪との間には
    スライド可能な嵌合関係を設定し、円錐コロ軸受けにお
    けるスラスト荷重を受け止める方向へ付勢する予荷重付
    与ばねのばね力を少なくとも一方の円錐コロ軸受けの外
    輪に作用させた斜板式圧縮機における回転軸支持構造。
JP4211164A 1992-08-07 1992-08-07 斜板式圧縮機における回転軸支持構造 Expired - Lifetime JP3024377B2 (ja)

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JP4211164A JP3024377B2 (ja) 1992-08-07 1992-08-07 斜板式圧縮機における回転軸支持構造
US08/102,588 US5397218A (en) 1992-08-07 1993-08-05 Support mechanism for a rotary shaft used in a swash plate type compressor
DE4326366A DE4326366A1 (de) 1992-08-07 1993-08-05 Kompressor der Taumelscheibenbauart
KR1019930015235A KR970001132B1 (ko) 1992-08-07 1993-08-06 사판식 압축기에서의 회전축의 지지구조

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016013074A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 村田金箔株式会社 ルアー

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