JP3024311U - 薬液入り注射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬液入り注射器に関するものである。 【解決手段】 表示部と開封用の切断線を設けた平板状
の熱収縮製合成樹脂フィルムの裏面に、粘着剤または接
着剤を塗付し、薬液入り注射器のシリンダーに被嵌する
キャップと、そのシリンダー外面とに亙り巻き付けて熱
収縮させ、封印したことを特徴とする薬液入り注射器お
よび予め紫外線吸収剤を適用した熱収縮製合成樹脂フィ
ルムを使用することを特徴とする前記記載の薬液入り注
射器の構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】この考案は、シュリンクラベルで封印した薬液入 り注射器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、衛生上の見地からの使い捨て皮下注射器として、特公 平２−５０９９号：発明の名称「使い捨て皮下注射器」は、針マウントと針ガー ドの封鎖部材として、収縮性プラスチックシートのスリーブを用いており、また 実開平３−１０１９６０号：考案の名称「薬液入り注射器」におけるシリンダ筒 とキャップとの封印は、熱収縮するチューブ状の封印具を用いて行われている。 すなわちこれらはいずれも、予め対象物の外径よりも幾分大きく筒状に加工した ところの、熱収縮性フィルムのスリーブまたはチューブを被せて行う封鎖材が用 いられている。このように従来の予め円筒状に成形したスリーブの場合、スリー ブを摺動させて長い方向に被せることとなり、その際、注射器に付属するロッド や取っ手部のような突起状部が邪魔になり、そのため包装の自動化が容易にでき ず、また注射器のシリンダー部よりかなり大きめのスリーブ体としておかなけれ ばならないところから、それを収縮させるための、エネルギーも多くを必要とし ており、それによって内部の薬液に悪影響を及ぼす懸念もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この考案は、一度だけ使用する薬液入り注 射器において、接着剤、粘着剤などを塗布した平板状のシュリンクラベルを巻き 付けて、表示と封印を同時に行うものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】表示部と開封用の切断線を設けた平板状の熱 収縮製合成樹脂フィルムの裏面に、粘着剤または接着剤を塗付し、薬液入り注射 器のシリンダーに被嵌するキャップと、そのシリンダー外面とに亙り巻き付けて 、封印したことを特徴とする薬液入り注射器、および予め紫外線吸収剤を適用し た熱収縮製合成樹脂フィルムを使用することを特徴とする前記記載の薬液入り注 射器の構成とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】この考案は、表示部と開封用の切断線を設けた平板状 の熱収縮製合成樹脂フィルムの裏面に、粘着剤または接着剤を塗付し、薬液入り 注射器のシリンダーに被嵌するキャップと、そのシリンダー外面とに亙り巻き付 けて、熱収縮させ封印したことによって、薬液入り注射器は、キャップとともに 容易に密封され、シュリンクラベルによって薬液入り注射器の封印と、内容物に 関する表示機能を同時に果たすことができる。またこのシュリンクラベルにおい て、予め紫外線吸収剤を練り込んで製作することによって、内部の薬液を外部か らの紫外線より保護することができる。

【０００６】

【実施例】図１に示すのはこの考案のシュリンクラベル(R) を示し、それは 平板状の熱収縮性の合成樹脂フィルムよりなり、裏面に粘着剤、接着剤層(a) ［ 中でも感圧性粘着剤の使用が好適である］を塗付し、図２の患者に一回ごとに使 用するところの、薬液入り注射器(C) のシリンダー［容器部分］(e) と、それの 蓋となるキャップ(f) に対応する部分との間に位置するように、切断線として、 たとえばミシン目(b) を設けてある。(d) はマーク、必要事項など各種の表示部 である。これを図２、図３（図２イ−イ’線断面）に示すように、薬液入り注射 器(C) のシリンダー(e) と、キャップ(f) の外周囲に重複するように巻き付けて （オーバーラップ）熱収縮によって封印する。使用に当たってはシュリンクラベ ル(R) のミシン目(b) を破って、その封印を簡易に解除することができる。

【０００７】 すなわちこの薬液入り注射器(C) には薬液(m) が予め充填されており、その先 端部(g) に前記のキャップ(f) が嵌合されており、このキャップ(f) を外して、 別途、用意されている注射針を取り付けるものである。このように薬液入り注射 器(C) は、キャップ(f) とともに容易に密封され、それはシュリンクラベル(R) によって薬液入り注射器(C) の封印と、内容物に関する表示機能を同時に得るこ とができる。なお平板状の熱収縮性のシュリンクラベル(R) を長目に形成し、予 め紫外線吸収剤を練り込んで含有させ製作したり、またはそれを塗付したりする ことによって、内部の薬液(m) を外部からの紫外線より保護することが可能とな る。なおシュリンクラベル(R) は、縦方向において１００°Ｃで収縮率４５％以 上、横方向において１００°Ｃで伸縮率１０％以下のものが好適である。

【０００８】

【考案の効果】この考案は表面に印刷表示した平板状の熱収縮製合成樹脂フ ィルムの裏面に、粘着剤または接着剤を塗付したシュリンクラベルによって、薬 液入り注射器のシリンダーに被嵌するキャップと、そのシリンダー外面とに亙り 重複するように巻き付けて、熱収縮によって封印したことによって、薬液入り注 射器は、キャップとともに容易に密封され、このシュリンクラベルによって薬液 入り注射器の封印と、内容物に関する表示機能を同時に果たすことができる。ま たシュリンクラベルは平板状であるので、製作が容易であり、また巻き付け操作 に当たってはその操作が行い易く、手数が要らない。なおこのシュリンクラベル において、紫外線吸収剤を適宜、適用することによって、内部の薬液を外部から の紫外線より保護することが可能となる。ここで従来製品としては前述のように いずれも、予め対象物の外径よりも幾分大きく筒状に加工したところの、熱収縮 性フィルムのスリーブまたはチューブを被せて行うところの、封鎖材が用いられ ているわけであり、このように従来の予め円筒状に成形したスリーブの場合、ス リーブを摺動させて長い方向に被せることとなり、その際、注射器に付属するロ ッドや取っ手部のような突起状部が邪魔になり、そのため包装の自動化が容易に できず、また注射器のシリンダー部よりかなり大きめのスリーブ体としておかな ければならないし、それを収縮させるための、エネルギーも多くを必要としてお り、それによって内部の薬液に悪影響を及ぼす虞があったのであるが、この考案 においてはそれらの欠点をおしなべて解決することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に用いるシュリンクラベルの表面図。

【図２】この考案の薬液入り注射器の斜視図。

【図３】図２のイ−イ’線拡大断面図。

【符号の説明】

(C) 薬液入り注射器 (R) シュリンクラベル (a) 粘着剤、接着剤層 (b) ミシン目 (d) 表示部 (e) 容器部分 (f) キャップ (g) 先端部 (m) 薬液

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表示部と開封用の切断線を設けた平板状の
   熱収縮製合成樹脂フィルムの裏面に、粘着剤または接着
   剤を塗付し、薬液入り注射器のシリンダーに被嵌するキ
   ャップと、そのシリンダー外面とに亙り巻き付けて熱収
   縮させ、封印したことを特徴とする薬液入り注射器。
2. 【請求項２】予め紫外線吸収剤を適用した熱収縮製合成
   樹脂フィルムを使用することを特徴とする請求項１記載
   の薬液入り注射器。